JP3914023B2 - 難燃性高分子材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂等から構成される材料に対し高い難燃性を付与することが可能で、例えば廃棄処理等の目的で樹脂等を焼却させたときに燃焼残渣物を少なくすることが可能な難燃性高分子材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂材料は、化学的、物理的に優れた性能を有し、成形性及び加工性にも優れていることにより、広範囲な分野で使用され、需要が伸びているが、殆どの樹脂材料は燃えやすいのが大きな欠点であるため、その使用が制限されており、樹脂材料の難燃化が望まれている。
【0003】
樹脂材料を難燃化するための難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤が主流であるが、ハロゲン系難燃剤から発生するダイオキシンやフランの問題から環境保護上好ましくなく、エコロジカルな難燃剤の開発、実用化が望まれている。ノンハロゲン系のリン系難燃剤もリンの水素化物であるホスフィンが発生し、好ましくない。
【0004】
また、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤があり、水酸化アルミニウムは低有害性、低発煙性、電気絶縁性も良好、しかも低コストであるため難燃剤の中では需要量も多い。しかし、問題点として機械的性質、耐水性の低下、多量(150部以上)配合するためのコンパウンドの粘度上昇、あるいは成形加工温度が高い樹脂の加工時に脱水発泡し易く、また、添加量が多い故に樹脂を再資源化し難くなる等の問題が生じる場合がある。さらには、このような無機系の難燃剤を複合化した樹脂を、廃棄処理等の目的により焼却炉で焼却した場合には、無機系難燃剤に由来する石(燃焼残渣)が多量に溜まる等の問題が生じる場合がある。
【0005】
なお、これらの無機系難燃剤は単独では難燃効果が小さいため、他の難燃剤との併用が必要でもある。この他、ガラス系難燃剤として低融点ガラスを用いたものがあるが、製造工程が複雑で、樹脂への添加量も多く必要であり、製造コストも高くなる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決して、低添加量で高い難燃性付与が可能であるとともに、樹脂等に添加した場合に樹脂の諸物性の低下を伴わない、さらに廃棄処理等により焼却させた場合に焼却残渣の少ない難燃性付与用材料と、それを含む難燃性高分子材料とを安価に提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために、本発明の前提となる難燃性付与用材料は、
高分子材料を主体として構成される難燃性付与の対象物(以下、難燃性付与対象物とも言う)に難燃性を付与するために使用され、加熱により前記高分子材料を酸化分解させることが可能であって、前記難燃性付与対象物に対して燃焼阻害性を付与することが可能な燃焼阻害性酸化分解促進剤として特に硝酸アンモニウムと水酸化アルミニウムとを含むことを特徴とする。なお、該難燃性付与用材料は、例えば難燃性付与対象物中に分散させるか又は表面に定着させることで使用することができる。
【0008】
このような燃焼阻害性酸化分解促進剤を含む難燃性付与用材料は、難燃性付与対象材料に対して例えば混入ないし定着等により複合(添加)することができる。この場合、例えば難燃性付与対象材料に熱(例えば約200〜500℃程度、もしくはそれ以上)が付与された場合に、その熱により燃焼阻害性酸化分解促進剤が難燃性付与対象物を酸化分解(熱酸化分解)させることが可能となり、該難燃性付与対象材料に対して高い難燃性を付与することが可能となる。すなわち、難燃性付与対象材料が火炎を伴って燃焼する前に、火炎の伴わない酸化により分解するため難燃性が付与されるのであって、特には昇温時において、火炎を伴う燃焼の前に、燃焼阻害性酸化分解が生じるものとされている。さらに詳しくは、燃焼阻害性酸化分解促進剤は、前記難燃性付与対象物が燃焼する時、若しくは燃焼する直前に、該難燃性付与対象物を酸化分解させてCOやHO等の不燃性材料に変性させるのである。なお、本発明における燃焼とは、例えば大気中における炎を伴うものを言うものとすることができる。このような本発明の難燃性付与用材料は、少量添加にて難燃性付与対象物に高い難燃性を付与することが可能であるために、難燃性付与対象物の諸物性の低下を引き起こさず、製造コストも低減可能となり得る。さらに、本発明の難燃性付与用材料を含む難燃性付与対象材料を例えば廃棄処理等の目的により焼却炉等にて焼却した場合、酸化分解反応により火炎を伴わない燃焼が起こり焼却が効率良く進むとともに、少量添加故に炉内の焼却残渣を低減することが可能となり、熱リサイクルに適した材料となり得る。なお、本発明の難燃性付与用材料は、具体的には、例えばUL94燃焼性試験(本明細書では、第5版:1996年10月26日によるものを採用する)にてテストしたときに、V−0〜V−2の範囲を充足する難燃性能を付与することが可能となる。
【0009】
【0010】
次に、上記燃焼阻害性酸化分解促進剤は、硝酸アンモニウムと、水酸化アルミニウムとを含むが、この場合、前記難燃性付与対象物が燃焼するとき、若しくは燃焼するよりも前に、前記硝酸アンモニウムは窒素酸化物を発生し、前記水酸化アルミニウムは水を発生するとともに、前記窒素酸化物と前記水とが反応して生じる硝酸の熱酸化作用により、前記難燃性付与対象物がCOやHO等の不燃性材料に変性し、該難燃性付与対象物に難燃性が付与されるのである。なお、本明細書中でいう「変性」とは、共有結合の切断をともなう化学反応による変化も包含するものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
次に、上記燃焼阻害性酸化分解促進剤は、難燃性付与対象物100重量部に対して150重量部以下の範囲で含有されているものとすることができる。すなわち、従来、水酸化アルミニウム等の無機系難燃剤を難燃性付与対象物に添加する場合、その配合量は難燃性付与対象物に対して150〜200重量部程度必要であったが、硝酸アンモニウムと水酸化アルミニウムとを含む本発明の前提となる難燃性付与用材料はその難燃性付与効力が高いために、難燃性付与対象物100重量部に対する燃焼阻害性酸化分解促進剤の添加量を150重量部以下あるいは100重量部以下、場合によっては50重量部以下でも十分な難燃性付与効果を付与することが可能である。数値範囲で言えば、燃焼阻害性酸化分解促進剤の添加量は、例えば5〜150重量部、中でも10〜100重量部、さらには20〜80重量部とすることができ、特に好適な範囲として30〜70重量部を添加することができる。添加量が多くなればなるほど、難燃性付与対象物の物性変化を招き易いし、コストも嵩む。逆に少なすぎると、十分な難燃性を付与するに至らない場合があるので、上記数値範囲に種々調整するのが望ましい。このように、従来の難燃剤と比べて低添加で効果が得られるので、結果的に安価に当該難燃性付与用材料を提供することが可能となる。また、難燃性付与用材料を含む難燃性付与対象物を例えば廃棄処理等の目的で焼却する時、石等の燃焼残渣(焼却残渣)の蓄積を低減させることが可能となり得る。なお、上記燃焼阻害性酸化分解促進剤は、具体的には例えばポリエチレン、又はポリプロピレンを主体として含むポリオレフィン系樹脂等の難燃性付与対象物に対しては100重量部以下(好ましくは60重量部以下)の範囲で、さらに、難燃性を付与し難いとされるEPDM等のゴムに対しては200重量部以下(好ましくは100重量部以下)の範囲で含有されているものとすることができる。
【0015】
なお、本発明の前提となる難燃性付与用材料は、難燃性付与対象物に対して、硝酸アンモニウム0.1〜50重量部、水酸化アルミニウム10〜100重量部を含む。硝酸アンモニウムが0.1重量部未満の場合、難燃性付与能が低下する場合があり、50重量部を超えるとコストアップにつながる場合がある。なお、硝酸アンモニウムの含有量は、好ましくは1〜20重量部程度するのがよい。一方、水酸化アルミニウムが10重量部未満の場合、難燃性付与能が低下する場合があり、100重量部を超えると難燃性付与対象物の性質が変化してしまう場合があり、特に強度が低下したり、さらには樹脂等の場合、成形性が低下してしまう場合があり、廃棄焼却の際、焼却炉の中に多量の燃焼残渣が蓄積される。なお、水酸化アルミニウムの含有量は、好ましくは30〜70重量部程度とするのがよい。
【0016】
次に、前記硝酸アンモニウム及び/又は前記水酸化アルミニウムには表面処理を施すことができる。該表面処理を施すことにより、ハンドリングが向上するとともに、硝酸アンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムを安定化させることが可能となる。すなわち、表面処理により、例えば硝酸アンモニウムにおいては水又はアルカリと、水酸化アルミニウムにおいては水又は酸と容易に反応することを防止ないし抑制することができる。また、例えば炭素成分を含有した表面処理剤を使用して表面処理を施すことにより、当該硝酸ア ンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムの難燃性付与対象物へのなじみ性(親和性)が向上し、難燃性付与用材料を難燃性付与対象材料に対して均一に分散ないし定着させることが可能となる。したがって、難燃性付与用材料の添加により、難燃性付与対象材料の性質を変化させることも少なく、劣化や強度低下等も生じ難く、成形性の低下も防止ないし抑制することが可能となる。
【0017】
上記表面処理は、Si系、Ti系、Al系、オレフィン系(特にはポリオレフィン系)、脂肪酸系、油脂系、ワックス類、界面活性剤類のうちのいずれかの処理剤を含むものとすることができる。具体的には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、シリカエーロゲル等を用いたもの、脂肪酸系としてステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等を用いたもの、さらには脂肪酸塩として上記各脂肪酸のCa塩、Zn塩等を用いたもの、非イオン系界面活性剤としてポリエチレングリコール誘導体を用いたもの、ポリエチレン系又はポリプロピレン系ワックス類を用いたもの、カルボン酸系カップリング剤、リン酸系カップリング剤を用いたもの等を例示することができる。
【0018】
さらに、上記表面処理として具体的には、加熱によりガラス質セラミックスを生ずるガラス前駆体組成物の前記硝酸アンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムへのコーティング処理とすることができる。上記ガラス前駆体組成物は珪素成分及び/又は金属成分と酸素とを含有するものであり、加熱により生ずるガラス質セラミックスは、珪素及び/又は金属の酸化物を主体とするものとすることができる。珪素成分及び/又は金属成分は、加熱により酸化されてガラス質セラミックスを生じやすく、また、生成された珪素及び/又は金属の酸化物を主体とするガラス質セラミックスは耐熱性が高いため、本発明の表面処理に係るガラス前駆体組成物として珪素成分及び/又は金属成分と酸素とを含有するものが特に適している。なお、金属成分としては、例えばTi、Cu、Al、Zn、Ni及びZr、あるいはその他の遷移金属元素の1種又は2種以上を採用することができる。また、上記のようなガラス質セラミックスは、初めから化合物の一部をなすものとして存在していてもよいし、化合物の一部又は全部が加熱されたときにガラス質セラミックスに転化する形態でもよい。
【0019】
一方、上記表面処理は、脂肪酸系の処理剤としてステアリン酸の前記硝酸アンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムへのコーティング処理により施されるものとすることができる。この場合、表面処理された硝酸アンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムは、上述の通り、ハンドリングが向上するとともに、該硝酸アンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムを安定化することができ、該硝酸アンモニウム及び/又は前記水酸化アルミニウムが容易に反応することを防止ないし抑制することができる。また、樹脂等の難燃性付与対象材料とのなじみ性(親和性)が特に向上するため、難燃性付与対象材料に対して均一に分散ないし定着されるようになる。ステアリン酸処理は、例えば硝酸アンモニウム100重量部に対して、ステアリン酸0.01〜1重量部を攪拌下混合し、70〜80℃の範囲で加熱することにより行うことができる。
【0020】
本発明においては、基質となる高分子材料又は高分子成分は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンポリプロピレンジエン共重合体(EPDM)等の飽和炭化水素基を主として含むものを用いるのがよい。すなわち、芳香環のような不飽和炭化水素基を主として含む高分子材料に対して本発明の難燃性付与用材料を添加した場合、難燃性は付与されるものの、不飽和炭化水素基を有しているため酸化分解反応が進行し難く、飽和炭化水素基を主として含む高分子材料に比して、その難燃性効果が低下する場合がある。
【0021】
なお、本発明の難燃性高分子材料は、硝酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムを含む上記難燃性付与用材料を高分子材料からなる基質中に分散及び/又は基質表面に定着したものとすることを特徴とする。この難燃性高分子材料は、上述したように高い難燃性を示すとともに、上記難燃性付与用材料を用いているため、その高分子材料本来の性質を損なうこともなく、また、良好な成形性を保ったものとなり得る。一方、難燃性付与用材料が高分子基質中に分散された粒状成形物として構成され、個々の粒状成形物よりも大体積の二次形状に再成形するために使用される難燃性高分子材料成形体製造用マスターバッチを提供することもできる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
図1は、本発明の難燃性付与用材料を複合した難燃性高分子材料からなるマスターバッチの製造方法の一例を、マスターバッチ粒子の種々の形態とともに示す模式図である。難燃性付与用材料として、硝酸アンモニウム粉末10と、水酸化アルミニウム粉末39とを、基質となるべき高分子材料(難燃性付与対象物:本実施例では、熱可塑性樹脂を使用している)41中に配合・混練し、コンパウンド531が得られる。なお、難燃性付与用材料は、予め硝酸アンモニウム粉末10と、水酸化アルミニウム粉末39とを所定の配合比で混ぜ合わせたものを用いることもできる。
【0028】
コンパウンド531は、例えばペレット等の粒状に成形することによりマスターバッチ粒子32とすることができる。マスターバッチ粒子32は、例えば球換算した直径による寸法にて0.1〜10mm程度(例えば1〜4mm程度)の大きさを有するものである。マスターバッチ粒子32の形状は、特に限定されるものではないが、例えば図1(b)に示すように、軟化させたコンパウンドをストランド状に押し出して、これを所定長に切断することにより、柱状(例えば円柱状)形態の粒子を得ることができる。なお、図1(c)及び(d)は、マスターバッチ粒子32の別の形状例を示しており、前者は球状のもの(例えば型成形等により製造できる)、後者はフレーク状のもの(例えばシート状物の破砕・整粒により製造できる)を示すが、これに限定されるものではない。
【0029】
なお、硝酸アンモニウム粉末10及び/又は水酸化アルミニウム粉末(水酸化アルミニウム粒子)39には、表面処理を施すことができる。例えば、表面処理剤として、少なくとも炭素成分を含有し、高分子材料41と硝酸アンモニウム粉末10との親和性を向上させることが可能なものを用いることができる。具体的には、Si系、Ti系、Al系、オレフィン(ポリオレフィン)系、脂肪酸系、油脂系、ワックス類、界面活性剤類のうちのいずれかを用いることが可能である。
【0030】
以下、図1に示したマスターバッチを用いた成形体(二次成形体)の製造方法を、図2に示すような射出成形を採用する場合を例にとって説明する。なお、成形方法は、その目的に応じて種々の公知のものを採用可能なことは言うまでもなく、例えば、圧縮成形、トランスファ成形、押出成形、ブロー成形、カレンダ成形等の方法により成形体を得ることが可能である。
図2において、射出成形装置501は、成形部502、その成形部502に溶融樹脂を供給するスクリュ式射出装置等の射出装置503等により構成される。成形部502は、金型505、その金型505を型締め及び型開きするための、カムもしくはクランク機構等の機械式駆動機構や油圧シリンダ等の流体圧機構等で構成される駆動機構506を備えるとともに、溶融樹脂を金型505に供給するランナ521には、スプル503aを介して射出装置503の射出ノズル503bが接続されている。
【0031】
射出装置503は、バンドヒータ508等の熱源で加熱される加熱シリンダ507内に、シャフト512を介して油圧モータ513により駆動される供給用のスクリュ509が収容され、これにマスターバッチPを供給するホッパ510が備えられたものである。スクリュ509を回転させることによりホッパ510からマスターバッチPが供給され、加熱シリンダ507内で加熱により高分子材料基質が溶融されて溶融コンパウンドとなり、溜まり部507a内に溜められる。その後、スクリュ509を油圧シリンダ511により所定距離前進させると、ノズル503bからランナ521を通って金型505内に所定量の溶融コンパウンドが射出される。
【0032】
図3に示すように、金型505のキャビティ505a内に射出された溶融コンパウンドCは、高分子材料基質が凝固することにより本発明の難燃性付与用材料が複合された高分子複合材料となり、これを型開きすることにより、キャビティ形状に対応した高分子複合材料成形体としての二次成形体36が得られる。
【0033】
なお、図4(a)に示すように、マスターバッチ粒子32を単独で使用して成形体を得るようにしてもよいが、同図(b)に示すように、マスターバッチ粒子の高分子基質と同材質あるいは異材質の高分子材料からなる希釈高分子材料粒子40を適量配合することにより、複合粒子の含有率が、マスターバッチ粒子32中の含有率よりも小さい二次成形体を製造することもできる。この場合、二次成形体中の複合粒子の含有率は、マスターバッチ粒子32中の複合粒子の含有率と、そのマスターバッチ粒子32に対する希釈高分子材料粒子40の配合比率によって定まる。
【0034】
なお、このような希釈用のマスターバッチ粒子中の複合粒子の含有率は、例えば重量比率にて20〜67重量%と高いが、複合粒子をこのような高い含有率にて基質中に均一分散させるために、分散剤を配合することが望ましい。分散剤としては、例えば金属セッケンを好適に使用することができる。金属セッケン分は、例えば有機酸成分が、ナフテン酸(ナフテート)、ラウリン酸(ラウレート)、ステアリン酸(ステアレート)、オレイン酸(オレエート)、2−エチルヘキサニック酸(オクテート)、あまに油あるいは大豆油脂肪酸(リノレート)、トール油(トーレート)、ロジン等(レジネート)からなるものを例示できる。また、金属の種類は下記のようなものを例示できる。
・ナフテネート系(Al、Ca、Co、Cu、Fe、Pb、Mn、Zn等)
・レジネート系(Al、Ca、Co、Cu、Fe、Pb、Mn、Zn等)
・リノレート系(Co、Fe、Pb、Mn等)
・ステアレート系(Ca、Zn等)
・オクテート系(Ca、Co、Fe、Pb、Mn、Zn等)
・トーレート系(Ca、Co、Fe、Pb、Mn、Zn等)
これらのうち、ステアリン酸Cuやステアリン酸Znを、分散効果に特に優れる金属セッケンの具体例として挙げることができる(ステアリン酸処理)。なお、金属セッケンの複合材料中への配合量は、多すぎると材料強度や均質性に問題が生じ、少なすぎると分散効果が不十分となるので、これらの不具合が生じないよう、例えば0.01〜3重量%(例えば0.3重量%)の範囲内にて選定するのがよい。
【0035】
なお、上記の例以外にも、例えば硝酸アンモニウム粉末10と高分子材料41とを配合したマスターバッチA(図示略)と、水酸化アルミニウム粉末39と高分子材料41とを配合したマスターバッチB(図示略)とを予め用意し、各マスターバッチA,Bを混ぜ合わせて成形体を得ることも可能である。さらに、マスターバッチAと水酸化アルミニウム粉末39を配合して成形体を得たり、マスターバッチBと硝酸アンモニウム粉末10を配合して成形体を得たりすることも可能である。
【0036】
なお、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂(ウレタンゴムを含む)あるいはシリコーン樹脂など、未硬化樹脂成分が含有される主剤と、その未硬化樹脂成分を硬化させるための硬化剤とからなる2液混合型の注型樹脂材料、接着剤あるいは塗料を、本発明の難燃性付与用材料が複合された難燃性高分子材料として構成することも可能である。
【0037】
次に、難燃性付与用材料は高分子基質の表面に定着することも可能である。図5は、そのいくつかの例を示している。図5(a)は、高分子基質50の表面に形成された接着樹脂層560を介して硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39とを接着形態により定着する例を示す。なお、高分子基質50中に、さらに硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39とを分散させておいてもよい(以下も同様)。また、図5(b)に示すように、定着された硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39との表面側を、さらに樹脂等によるオーバーコート561で覆うようにしてもよい。
【0038】
図5(c)では、例えば成形金型505のキャビティの内面に硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39とを塗布しておき、次いでキャビティ内を溶融樹脂570で満たして凝固させることにより、塗布された硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39とを成形体536を形成する基質50の表面に一体化させる例である。図5(d)は、硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39との表面を定着樹脂層562で予め覆っておき、加熱により定着樹脂層562を軟化させつつ基質50の表面に付着させて後、樹脂を硬化させることにより、硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39とを定着する例である。この場合、基質50は、不要な変形が生じない程度の温度にて予熱しておくと、定着樹脂層562の軟化・付着を容易に行うことができる。図5(e)は、硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39とを基質50表面に投射したり、圧入することにより、基質50の表層部に硝酸アンモニウム粒子10と水酸化アルミニウム粒子39とを埋め込む方法である。この場合、基質50の少なくとも表層部を加熱等により軟化させておくと埋込を容易に行うことができる。
【0039】
【実施例】
本発明の難燃性付与用材料について以下の実験を行った。
含窒素化合物として表1に示す各硝酸化合物と、水系化合物として表1に示す各水酸基保有化合物と、難燃性付与対象材料としての樹脂(ポリプロピレン(PP:グランドポリマー社製J708)、ポリエチレン(PE:日本ポリケム社製LJ800)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA:東ソー社製U−537))とをそれぞれ混合し、押出・射出成形機にて高分子材料成形体を得た(実施例1〜10)。得られた成形体について、酸素指数法による燃焼試験(JISK7201)、及びUL94燃焼性試験(第5版:1996年10月26日によるもの)を行った。結果を表1に示す。なお、各化合物の熱分析により分解点(分解温度)を調べた結果を表2及び表3に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003914023
【0041】
【表2】
Figure 0003914023
【0042】
【0043】
乾燥した各硝酸化合物の分解温度は、硝酸亜鉛が204℃、硝酸ニッケルが248℃、硝酸銅が236℃、硝酸アンモニウムが286℃、硝酸リチウム、硝酸カリウムが500℃以上であり、水酸化アルミニウムの分解温度は約300℃、水酸化マグネシウムの分解温度は約350℃である。すなわち、特に実施例1については、酸素指数OI及びUL94の試験において良好な結果を示し、十分な難燃性が付与されていることが分かる。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
本発明の難燃性付与用材料の難燃性発現の機構を解明するために以下の測定を行った。まず、昇温時に発生するガスについてTDS(thermal desorption spectroscopy)測定を行った。測定は電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置を用い、真空下、各サンプルを赤外線にて50℃/minの速度で昇温し(以降のTDS分析についても同様)、発生するガスについて質量分析(以下、MS(mass spectroscopy)と略す)を行った。用いたサンプルは、上記実施例で用いたポリエチレン単品(PE)、該ポリエチレンと水酸化アルミニウム(水アル)との組成物(PE+水アル)、該組成物(PE+水アル)に表1に示した硝酸化合物である硝酸アンモニウムを混合した組成物(PE+水アル+硝化)の3種類である。結果のグラフを図7に示す。各グラフにおいて横軸は温度を、縦軸は圧力を示している。図7(a)において550〜600℃付近で見られる大きな圧力変化は、ポリエチレンの分解によるハイドロカーボンの発生に基づくもので、これは(PE+水アル)、(PE+水アル+硝化)の系にも見られる。一方、(PE+水アル)の2成分系及び(PE+水アル+硝化)の3成分系においては、(PE)には見られない350℃付近の圧力変化がみられ、これらの結果から、(PE+水アル)と(PE+水アル+硝化)との系ではほぼ同じ温度でガス(例えば、水アルの分解に伴うHOガス)が発生していると言える。
【0051】
次に、(PE+水アル+硝化)の3成分系について、所定温度におけるMSスペクトルを解析した。結果を図8に示す。該グラフにおいては、横軸は分子量(m/z)を、縦軸はスペクトル強度(Intensity)を示している。図8(a)は(PE)1成分系の565℃におけるMSスペクトルを、図8(b)は(PE+水アル+硝化)3成分系の365℃(低温側)におけるMSスペクトルを、図8(c)は(PE+水アル+硝化)3成分系の570℃(高温側)におけるMSスペクトルを示している。これらの結果から、(PE+水アル+硝化)の3成分系においては、低温側(約300〜400℃付近)でHOが発生し、高温側(約550〜600℃)でポリエチレンの分解に伴うハイドロカーボンが発生していることが分かる。なお、図9(a)〜(c)は、図8(a)〜(c)の3次元MSスペクトルであって、新たな次元(Z軸)として温度を示している。
【0052】
ここで、特にm/z=30(NO)、m/z=46(NO)の発生条件解析のために、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンと水酸化アルミニウム(水アル)との組成物(PE+水アル)、ポリエチレンと水酸化アルミニウムと硝酸化合物の組成物(PE+水アル+硝化)のそれぞれについて、m/z=30(NO)、m/z=46(NO)の発生量を各温度毎に分析した。図10にそのグラフを示す。図10(a)から、(PE+水アル+硝化)の系のみ300℃と400℃付近でm/z=30(NO)が発生していることが分かる。また、図10(b)から、(PE+水アル+硝化)の系のみ250℃〜300℃付近でm/z=46(NO)が発生していることが分かる。すなわち、水酸化アルミニウム及び硝酸化合物を含む系では、特にこれら2成分を含む樹脂(PE)においては、樹脂分解(500℃〜700℃)の前に、m/z=30(NO),m/z=46(NO)が発生することが分かる。
【0053】
同様に、m/z=28(CO)、m/z=44(CO)の発生条件解析のために、上記と同様(PE)、(PE+水アル)、(PE+水アル+硝化)のそれぞれの系について、m/z=28(CO)、m/z=44(CO)の発生量を各温度毎に分析した。図11にそのグラフを示す。図11(a)及び(b)から、(PE+水アル+硝化)の系のみ300℃付近でm/z=28(CO),m/z=44(CO)が発生していることが分かる。すなわち、水酸化アルミニウム及び硝酸化合物を含む系では、特にこれら2成分を含む樹脂(PE)においては、樹脂分解(500℃〜700℃)の前に、m/z=28(CO),m/z=44(CO)が発生することが分かる。
【0054】
さらに、ポリエチレンと水酸化アルミニウムと硝酸化合物たる硝酸アンモニウムからなる組成物(PE+水アル+硝化)について、m/z=18(HO)、m/z=28(CO)、m/z=30(NO)、m/z=44(CO)、m/z=46(NO)の発生条件解析のために、各ガス成分の発生量を各温度毎に分析した。図12にそのグラフを示す。横軸は温度で、縦軸はピーク強度である。図12(a)及び(b)から、300℃〜350℃付近でm/z=18(HO)、m/z=28(CO)、m/z=30(NO)、m/z=44(CO)、m/z=46(NO)が同時期に発生していることが分かる。すなわち、ポリエチレンと水酸化アルミニウムと硝酸化合物たる硝酸アンモニウムからなる組成物(PE+水アル+硝化)を含む系では、樹脂分解(500℃〜700℃)の前に、m/z=18(HO)、m/z=28(CO)、m/z=30(NO)、m/z=44(CO)、m/z=46(NO)が同時期に発生することが分かる。ただし、NOは少量なのでスペクトルとしては確認し難くなっている。
【0055】
次に、上記300℃付近で発生するm/z=28のガス成分を同定するため、(PE+水アル+硝化)の系に関し、m/z=26〜28について同じくTDS測定した。図13にそのグラフを示す。横軸は温度で、縦軸はスペクトル強度である。図13から、300℃付近でm/z=26,27(C,Cに相当)が発生していないことから、上記300℃付近で発生するm/z=28は少なくともCではなく、構成成分を考慮するとCOであると推定される。
【0056】
以上の結果から、ポリエチレンと水酸化アルミニウムと硝酸化合物たる硝酸アンモニウムからなる組成物(PE+水アル+硝化)は、300℃〜350℃付近においてCO,COが急激に発生していることが分かる。したがって、ポリエチレンの酸化分解が燃焼(500℃〜700℃)前に起こっていると思われる。また、CO,COの発生と同時期にHO,NO,NOが発生していることから、HO,NO,NOから生成するHNOが瞬時にポリエチレンを分解していると思われる。
【0057】
すなわち、図6に示すように、本発明の難燃性付与用材料に含まれる燃焼阻害性酸化分解促進剤のうち、硝酸系化合物たる硝酸アンモニウムに熱が加わるとNOx(1)が発生する。一方、燃焼阻害性酸化分解促進剤のうち、水系化合物たる水酸化アルミニウムに熱が加わるとHO(2)が生成する。これら加熱により生成した(1)と(2)が反応してHNOが生成し、このHNOは、樹脂(CnHm)の酸化剤として働いて樹脂を酸化分解する。このような酸化分解は火炎を伴わないものであって、樹脂の燃焼温度よりも低い温度で反応が進行する。したがって、これら燃焼阻害性酸化分解促進剤を含む本発明の難燃性付与用材料は難燃性を示すものとなる。
【0058】
次に、分解生成物を特定するためにTG−MS測定を行った。測定は、上記のポリエチレンと水酸化アルミニウムと硝酸化合物たる硝酸アンモニウムからなる組成物(PE+水アル+硝化)を、TG−DTA熱分析装置で熱分解させた際に発生するガスを瞬時にGC(gas chromatography)/MS測定することで行った。
【0059】
まず、300℃での分解生成物を特定するためにHe中でTG−MS測定を行った。結果を図14(a)〜(c)に示す。図14(a)〜(c)においては、実際に測定して得られた実測スペクトルが上段に示される。下段に示されるスペクトルは、コンピュータにインプットされている参照用スペクトルであり、これと実測スペクトルとを比較して分解生成物の同定を行なっている。図14(a)〜(c)に示されるように、上記3成分からなる組成物(PE+水アル+硝化)を300℃に加熱したときに生成する分解物には、アセトニトリル(図14(a))、プロパンニトリル(図14(b))、ブタンニトリル(図14(c))が含まれ、すなわち少なくともニトリル化合物が含まれていることが分かる。さらに、Oを20%含む雰囲気(擬似空気)での300℃における分解生成物を特定するために、同様にTG−MS測定を行ったところ、図15に示すように、該分解生成物には1−ニトロブタンが含まれ、すなわち少なくともニトロ化合物が含まれていることが分かる。なお、図14と同様、図15においても上段が実測スペクトル、下段が参照用スペクトルとなっている。また、図14及び図15において、横軸はm/z、縦軸はスペクトル強度を示している。
【0060】
一方、480℃における分解生成物を同様にTG−MS測定を行ったところ、図16に示すように、主としてハイドロカーボンが含まれており、ポリエチレンの480℃付近における分解ピークと同様のものであることが確認された。以上の結果から、300℃付近ではポリエチレンからニトリル化合物、ニトロ化合物が分解生成していることが分かり、480℃付近における燃焼分解とは全くことなる分解反応が生じていることが分かる。
【0061】
さらに、昇温に伴う重量変化をHe雰囲気、O雰囲気のそれぞれで測定した。結果を図17に示す。横軸は温度、縦軸は重量変化を示しており、O存在により250℃付近からの酸化分解(これを燃焼阻害性酸化分解とも言う)に伴う重量減が促進されていることが分かる。
【0062】
以上のTDS測定及びTG−MS測定から、本発明の難燃性付与用材料の難燃性発現機構は以下のように説明できる。すなわち、図18に示すように、水酸化アルミニウムと硝酸化合物たる硝酸アンモニウムとが加熱(300℃付近)により分解し、HO,NO,NOとなり、さらにこれらが反応してHNOが生成する。生成したHNOはポリエチレン等の樹脂を酸化分解(燃焼阻害性酸化分解)させ、難燃性付与効果を発現しているが、この分解反応時にNOが脱離し、CO,COが生成する。脱離したNOは水酸化アルミニウムから生成されるHOと再び反応してHNOを生成するものとされ、すなわち触媒サイクルをとっている。これにより、本発明の難燃性付与用複合材料は、水酸化アルミニウムに対して硝酸化合物たる硝酸アンモニウムを相対的に少量添加することで十分な難燃性を発現することとなる。具体的には、水酸化アルミニウム100重量部に対して、硝酸化合物たる硝酸アンモニウムを1〜50重量部程度、好ましくは3〜20重量部程度添加することで高い難燃性を発現することが可能である。なお、CO,COまで分解せず短鎖のハイドロカーボンとして残った分解残渣分は、再び発生するHNOによりCO,COまで繰り返し分解反応が行われるものとされている。また、CO,COの発生により可燃性ガス(O)の供給が少なくなり、燃焼阻害性雰囲気となることで高い難燃性付与効果が発現されている。
【0063】
なお、本明細書において「主成分」あるいは「主体とする」とは、特に断りがないかぎり、最も重量含有率の高くなる成分を意味するものとして用いた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の難燃性付与用材料を複合した難燃性高分子材料からなるマスターバッチの製造方法の一例を、マスターバッチ粒子の種々の形態とともに示す模式図。
【図2】 射出成形機の一例を示す断面模式図。
【図3】 射出成形により成形体を製造する一例を示す工程説明図。
【図4】 マスターバッチのいくつかの使用形態を示す説明図。
【図5】 高分子材料基質の表面に難燃性付与用材料を定着する方法をいくつか例示して示す工程説明図。
【図6】 本発明の難燃性付与用材料の難燃性発現機構について示す説明図。
【図7】 TDS測定の結果を示す図。
【図8】 分解時のMSスペクトル。
【図9】 図8を3次元化したスペクトル。
【図10】 m/z=30,46の発生状況を温度毎に測定した結果を示す図。
【図11】 m/z=28,44の発生状況を温度毎に測定した結果を示す図。
【図12】 m/z=18,28,30,44,46の発生状況を温度毎に測定した結果を示す図。
【図13】 m/z=26,27,28の発生状況を温度毎に測定した結果を示す図。
【図14】 He雰囲気中、300℃におけるTG−MS測定の結果を示す図。
【図15】 O雰囲気中、300℃におけるTG−MS測定の結果を示す図。
【図16】 480℃におけるGC−MS測定の結果を示す図。
【図17】 ポリエチレン、水酸化アルミニウム、硝酸化合物を含む組成物についての昇温過程における重量変化を示す図。
【図18】 本実施例の難燃性付与用複合材料の難燃性発現機構について示す説明図。
【符号の説明】
10 硝酸化合物粒子
32 マスターバッチ粒子
39 水酸化アルミニウム粒子
50 難燃性付与対象材料

Claims (5)

  1. 高分子材料からなる基質と、その基質を難燃性付与対象物としてそれに難燃性を付与するために含有され、加熱により前記高分子材料を酸化分解させることが可能な燃焼阻害性酸化分解促進剤とを含み、
    その燃焼阻害性酸化分解促進剤は、非金属性含窒素化合物として硝酸アンモニウムと水酸基を含む水系化合物として水酸化アルミニウムとを含むものとされ、
    かつ、前記基質100重量部に対して、硝酸アンモニウム0.1〜50重量部、及び水酸化アルミニウム10〜100重量部が含有され、
    また、前記基質100重量部に対する前記硝酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムの合計含有量が10〜100重量部とされ、
    さらに前記硝酸アンモニウムの平均粒径が0.01〜100μmであって乾燥されたものが用いられ、また前記水酸化アルミニウムとしてその平均粒径が0.1〜100μmのものが用いられることを特徴とする難燃性高分子材料。
  2. 前記基質に対する前記燃焼阻害性酸化分解促進剤の含有態様は、その基質中に分散及び/又は基質の表面に定着させたものである請求項1に記載の難燃性高分子材料。
  3. 前記硝酸アンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムには、表面処理が施されており、その前記表面処理は、Si系、Ti系、Al系、オレフィン系、脂肪酸系、油脂系、ワックス類、界面活性剤類のうちのいずれかの処理剤にて行われている請求項1又は2に記載の難燃性高分子材料。
  4. 前記表面処理は、加熱によりガラス質セラミックスを生ずるガラス前駆体組成物の前記硝酸アンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムへのコーティング処理とされ、前記ガラス前駆体組成物は珪素成分及び/又は金属成分と酸素とを含有するものであり、加熱により生じるガラス質セラミックスは、珪素及び/又は金属の酸化物を主体とするものである請求項3に記載の難燃性高分子材料。
  5. 前記表面処理は、脂肪酸系の処理剤としてステアリン酸の前記硝酸アンモニウム及び/又は水酸化アルミニウムへのコーティング処理により施され、このステアリン酸処理は、非金属性含窒化化合物としての硝酸アンモニウム100重量部に対して、ステアリン酸0.01〜1重量部を攪拌下混合し、70〜80℃の範囲で加熱することにより行われるものである請求項3に記載の難燃性高分子材料。
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