JP3913567B2 - 空気調和機の梱包装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる発泡スチロールレスであって、段ボール紙だけを使用した室内機の梱包装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、天井につり下げられる空気調和機本体を備え、この空気調和機本体の室内側の面に取り付けられるパネルを備えた、空気調和機における当該パネルの梱包装置が知られている。
【0003】
この種のものでは、空気調和機本体とパネルとが別々に梱包され、別梱包で工場出荷される。パネルの梱包には高い強度が要求される。この梱包強度には、梱包済みの複数のパネルを上下に段積みした場合の圧縮方向荷重を受けるための強度と、落下試験時に、稜と角において、パネルに破損が発生しない程度の衝撃に対する強度とがある。
【0004】
これらの強度を満足させるため、従来では、梱包材として、例えば発泡スチロール等を使用していたが、この場合、使用後の発泡スチロール等の回収、処理が困難であり、近年では、いわゆる発泡スチロールレスの、段ボールだけの梱包装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構成による段ボールだけの梱包装置では、十分な梱包強度が得られないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する問題点を解消し、十分な梱包強度を得ることができる、いわゆる発泡スチロールレスの、段ボールだけの梱包装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、天井につり下げられる空気調和機本体を備え、この空気調和機本体の室内側の面に取り付けられるパネルを備えた、空気調和機における当該パネルの梱包装置において、前記パネルの裏面を覆う段ボール製の裏面材と、前記パネルの表面を覆う段ボール製の表面材と、前記パネルの短手側の端面を覆う段ボール製の一対の梱包パッドとを備え、前記梱包パッドがパネルの裏面を保持する下パッドと、パネルの表面を保持する上パッドとに分割構成され、上パッドが、一枚の段ボール紙33(35)を折り線A,Bに沿って折り曲げて二つの立ち片33A,33B(35A,35B)を立ち上げ、立ち片33A,33B(35A,35B)の両側に位置する立ち片33E,33F(35E,35F)を折り線G,Hに沿って折り曲げて立ち上げた後、折り線I,Jに沿ってそれぞれ折り曲げて立ち片33E,33F(35E,35F)の切り欠き部K,Lと、立ち片33A,33B(35A,35B)の溝部M,Nとを嵌合させて、両側に立ち片33E,33F(35E,35F)で形成される脚部21Cを有し、中央部に立ち片33A,33B(35A,35B)で形成され、パネルの表面を保持する部分を有する上パッド21B−1(21B−2)として構成し、この梱包パッドによって、梱包済みの複数のパネルを上下に段積みする場合の圧縮方向荷重を受けると共に、落下強度を確保するように構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記パネルの長手側の略中央部に当該長手側の側縁から前記パネルの表面の中央部に向けて延びる段ボール製の一対の中間パッドを備え、前記梱包パッドとこの中間パッドとによって梱包済みの複数のパネルを上下に段積みする場合の圧縮方向荷重を受けるように構成したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0015】
図1は、2つの空気吹出し口を備えた、一般的に、いわゆる2方向カセットと呼称される天井埋込型空気調和機を示している。1は箱形の室内機本体を示し、この室内機本体1には、送風機3、熱交換器5、発泡スチロール製のドレンパン7、図示を省略したドレンポンプ等の各種機器類が収納されている。
【0016】
この室内機本体1は、被調和室の天井に複数本の吊りボルト(図示せず)を介して吊り下げられ、この室内機本体1の下側を向いた開口面には、パネル9が重ね合わせて取り付けられている。
【0017】
この種のものでは、空気調和機本体1とパネル9とが別々に梱包され、別梱包された状態で工場出荷される。
【0018】
このパネル9の梱包装置は、図2に示すように、パネル9の裏面(パネルでは表面となるが、説明の便宜上、以下、裏面という。)9Aを覆う段ボール製の裏面材11と、パネル9の表面(パネルでは裏面となるが、説明の便宜上、以下、表面という。)9Bを覆う段ボール製の表面材13と、パネル9の短手側の端面9Cを覆う段ボール製の一対の梱包パッド21とを備え、この梱包パッド21はパネルの裏面9Aを保持する下パッド21Aと、パネルの表面9Bを保持する上パッド21Bとに分割構成されている。
【0019】
また、パネル9の長手側の略中央部には、当該長手側の側縁9Dからパネル9の表面9Bの中央部に向けて延びる段ボール製の一対の中間パッド23A,23Bを備えて構成されている。
【0020】
梱包の手順を説明すると、図3に示すように、まず、段ボール製の裏面材11の四隅に、それぞれ下パッド21Aを配置し、裏面材11の中央に短手方向に延びる中央下パッド25を配置し、これらパッド21A,25の上に載せるように、裏面材11の内側にパネル9を配置する。
【0021】
ついで、パネル9の上に、パネル9の表面9Bを保持する上パッド21B、及び中間パッド23A,23Bを載せる。この場合、上パッド21Bの脚部21C、及び中間パッド23A,23Bの脚部23Cが、パネル9の表面9Bの周縁部9Eに載るように配置する。最後に、図2に示すように、パネル9の上に、段ボール製の表面材13を被せ、PPバンド27によって、裏面材11と表面材13を結束する。29は包装用のフィルムである。
【0022】
上記構成では、梱包済みの複数のパネル9が、上下に段積みされる場合の圧縮方向荷重を、すべてのパッド21,23A,23Bで受け、梱包パッド21で、落下強度を確保するように構成される。
【0023】
図2において、パネル9の表面9Bにおける短手側の一側部には、図示を省略したルーバー開閉用のモータ31が突出している。このため、一対の上パッド21Bの形状はそれぞれ異なっている。
【0024】
図4は、モータ31側の上パッド21B−1の製造手順を示す。図4Aに示すように、一枚の段ボール紙33を準備し、まず、折り線A,Bに沿って、図4Bに示すように、二つの立ち片33A,33Bを立ち上げる。
【0025】
ついで、一方の立ち片33Bの両端に形成された片33C,33Dを、図4Cに示すように、矢印C,Dの方向に折り曲げ、さらに、立ち片33A,33Bの両側に位置する立ち片33E,33Fを、折り線G,Hに沿って、矢印E,F方向に立ち上げる。これを立ち上げた後、折り線I,Jに沿って、それぞれ折り曲げ、立ち片33E,33Fの切り欠き部K,Lと、立ち片33A,33Bの溝部M,Nとを嵌合させる。これにより、図4D,Eに示すように、両側に脚部21Cを有した上パッド21B−1が形成される。
【0026】
図5は、別の上パッド21B−2の製造手順を示す。図5Aに示すように、一枚の段ボール紙35を準備し、まず、折り線A,Bに沿って、図5Bに示すように、二つの立ち片35A,35Bを立ち上げる。
【0027】
ついで、立ち片35A,35Bの両側に位置する立ち片35E,35Fを、折り線G,Hに沿って、図5Cに示すように、矢印E,F方向に立ち上げる。これを立ち上げた後、折り線I,Jに沿って、それぞれ折り曲げ、立ち片35E,35Fの切り欠き部K,Lと、立ち片35A,35Bの溝部M,Nとを嵌合させる。これにより、図5Dに示すように、両側に脚部21Cを有した上パッド21B−2が一体的に形成される。
【0028】
図6は、中間パッド23A,23Bの製造手順を示す。
【0029】
図6Aに示すように、一枚の段ボール紙37を準備し、まず、折り線A,Bに沿って、図6Bに示すように、二つの立ち片37A,37Bを立ち上げる。ついで、立ち片37A,37Bの両側に位置する立ち片37E,37Fを、折り線G,Hに沿って、図6Cに示すように、折り曲げて、その後、折り線I,Jに沿って、図6Dに示すように、内側に折り曲げる。これを折り曲げた後、折り線K,Lに沿って、それぞれ折り曲げ、立ち片37E,37Fの切り欠き部M,Nと、立ち片37A,37Bの溝部O,Pとを嵌合させる。これにより、図6Eに示すように、脚部23Cを有したパッド23A,23Bが形成される。
【0030】
図6Eは、二つの中間パッド23A,23Bを一体的に形成した図であり、実際には、図6Fに示すように、段ボール紙37に設けたミシン目37Xによって、二分割されて使用される。
【0031】
図7は、下パッド21Aの製造手順を示す。図7Aに示すように、一枚の段ボール紙39を準備し、まず、折り線A,Bに沿って、二つの立ち片39A,39Bを立ち上げる。ついで、折り線C,Dに沿って、図7Bに示すように、立ち片39A,39Bを折り曲げる。この立ち片39A,39Bをさらに折り線Eに沿って折り曲げ、図7Cに示すように、この立ち片39A,39Bを立ち上げる。つぎに、立ち片39Dを、矢印Fの方向に立ち上げ、さらに、図7Dに示すように、立ち片39Dを、矢印G,Hの方向に折り曲げ、この立ち片39Dを、図7Eに示すように、立ち片39A,39Bの内側に重ねる。
【0032】
図7Eは、二つの下パッド21Aを一体的に形成した図であり、実際には、図7Fに示すように、段ボール紙39に設けたミシン目39Xによって、二分割されて使用される。
【0033】
本実施形態では、一枚の段ボール紙を使用し、これを折り込んで、各種パッドを製造しているため、段ボール紙のロスが少なくなり、製造工程が省略され、各種パッドを極めて簡単に製造することができる。
【0034】
また、二つの中間パッド23A,23B、及び二つの下パッド21Aは、それらを一体的に形成した後、段ボール紙に設けたミシン目によって、二分割されて形成されるため、製造工数の削減が図られる。
【0035】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでないことは明らかである。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、梱包パッドによって梱包済みの複数のパネルを上下に段積みする場合の圧縮方向荷重を受けると共に、落下強度を確保するように構成したため、いわゆる発泡スチロールレスの、段ボールだけの梱包装置を提供することができ、十分な梱包強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和機の断面図である。
【図2】本発明による空気調和機の梱包装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】同じくパネルの梱包手順を説明する図である。
【図4】モータ側の上パッドの製造手順を示す図である。
【図5】別の上パッドの製造手順を示す図である。
【図6】中間パッドの製造手順を示す図である。
【図7】下パッドの製造手順を示す図である。
【符号の説明】
1 空気調和機本体
9 パネル
11 裏面材
13 表面材
21 梱包パッド
21A 下パッド
21B 上パッド
23A,23B 中間パッド
Claims (2)
- 天井につり下げられる空気調和機本体を備え、この空気調和機本体の室内側の面に取り付けられるパネルを備えた、空気調和機における当該パネルの梱包装置において、
前記パネルの裏面を覆う段ボール製の裏面材と、前記パネルの表面を覆う段ボール製の表面材と、前記パネルの短手側の端面を覆う段ボール製の一対の梱包パッドとを備え、前記梱包パッドがパネルの裏面を保持する下パッドと、パネルの表面を保持する上パッドとに分割構成され、上パッドが、一枚の段ボール紙33(35)を折り線A,Bに沿って折り曲げて二つの立ち片33A,33B(35A,35B)を立ち上げ、立ち片33A,33B(35A,35B)の両側に位置する立ち片33E,33F(35E,35F)を折り線G,Hに沿って折り曲げて立ち上げた後、折り線I,Jに沿ってそれぞれ折り曲げて立ち片33E,33F(35E,35F)の切り欠き部K,Lと、立ち片33A,33B(35A,35B)の溝部M,Nとを嵌合させて、両側に立ち片33E,33F(35E,35F)で形成される脚部21Cを有し、中央部に立ち片33A,33B(35A,35B)で形成され、パネルの表面を保持する部分を有する上パッド21B−1(21B−2)として構成し、この梱包パッドによって、梱包済みの複数のパネルを上下に段積みする場合の圧縮方向荷重を受けると共に、落下強度を確保するように構成したことを特徴とする空気調和機の梱包装置。 - 前記パネルの長手側の略中央部に当該長手側の側縁から前記パネルの表面の中央部に向けて延びる段ボール製の一対の中間パッドを備え、
前記梱包パッドとこの中間パッドとによって梱包済みの複数のパネルを上下に段積みする場合の圧縮方向荷重を受けるように構成したことを特徴とする請求項1記載の空気調和機の梱包装置。
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