JP3913374B2 - 無呼吸検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無呼吸検出装置に係り、特に、睡眠中に起こる新生児の突然死症候群(SIDS)や成人の無呼吸症候群等における無呼吸状態を、呼吸の監視により検出して、無呼吸状態を知らせたり、また、人工呼吸中に、呼吸回路のはずれや気道の閉塞等を検出したりする無呼吸検出装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
近年、欧米諸国では、新生児の死亡原因の第一が突然死症候群(以下、SIDSと略す)となっており、日本でも欧米なみのライフスタイルの変化などが、SIDSの増加に影響を与えている。
SIDSは、医学的に今だ原因不明で、予知や予防への知識も不十分できわめて重要な問題となっている。また、それ以上に、今まで元気であった新生児が突然死するというショッキングな疾患である。
このため、特に、近年の少産ゆえの少子の時代においては、家庭で新生児の呼吸を24時間監視でき、かつ、呼吸をしていない状態つまり無呼吸状態を知ることができるホームモニタリングとしての無呼吸検出装置が必要とされている。
【0003】
また、家庭以外の保育所や産院の新生児室等に無呼吸検出装置を設置することによって、家庭以外の場所にも安心して新生児を預けられることから、無呼吸検出装置は、今後各施設等で必要とされると予測される。
その上、このホームモニタリングは、未熟性や慢性の肺疾患で無呼吸状態が起こる方や、在宅で酸素や人工換気をしている方や、気管切開をしている方などにも必要とされる。
【0004】
このようなホームモニタリングとしては、病院等で使用されているような心拍モニタ等を併用する高機能で高価な無呼吸検出装置を用いてもよいが、一般のレベルでは十分に使いこなせるものではないし、通常家庭や保育所等では、主に主婦や保母さんなどが使用するので、操作が簡単であり、故障のない無呼吸検出装置でなければならない。
【0005】
ところで、従来より、ホームモニタリングとして各種の無呼吸検出装置が開発されているが、いくつかの例を挙げると、第1の従来例として、検出部に収縮自在な腹巻きを用い、呼吸に伴う腹部の上下運動によって腹巻きの内部に組み込んだ可変抵抗器の抵抗値が変化することを利用して呼吸を検出する可変抵抗式の無呼吸状態判定装置(特開平6−63031号公報)がある。
これは、被検者の睡眠時における腹部の上下運動によって、体に取り付けた腹巻き部が伸縮し、内部に組み込んだ可変抵抗器の抵抗値が変化することを利用する。そして、その可変抵抗器に定電圧を印加し、そこに流れる電流値を連続的に測定して呼吸を検出し、無呼吸状態を判定するものである。
【0006】
また、第2の従来例として、検出部にマイクロホンを用い、呼吸に伴って気道などで発生する音を測定して呼吸を検出する音検知式の無呼吸検出装置(特開昭63−158040号公報)もある。
これは、被検者の頸部または上胸部から呼吸に伴って気道などで発生する音を体に取り付けたマイクロホンで測定して呼吸を検出し、無呼吸状態を判定する。この際、マイクロホンは、被検者の体に粘着テープで貼り付けられている。
【0007】
さらに、第3の従来例として、呼吸に同調する圧力変化として検出するものに、呼吸すると腹部に巻き付けられた検出部であるカプセルが圧縮され、そのカプセル内の圧力変化を圧力計にて計測することで呼吸を検出する空気圧式カプセルタイプのもの(特公昭63−2042号公報)もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来のホームモニタリング用装置では、検出部を被検者の体に取付けなければならないので、取付ける位置によって検出感度が落ちて呼吸検出が出来ないことがあったり、粘着テープなどで貼った際にその貼り付けた部分がかぶれてしまうことがあるという問題があった。
その上、検出部を測定の都度取り付けなければならず、その作業が面倒で煩わしい上、寝心地が悪くなり、被検者や使用者に負担がかかるという問題もあった。さらに、従来のホームモニタリング用装置では、人が歩くことなどで起こる外部振動などにより、呼吸と間違えて動作することがあるので、SIDSによる無呼吸状態を見逃す恐れがあるという問題もあった。
【0009】
本発明の目的は、検出部分を直接身体に取り付けることなく呼吸を検出することができ、被検者の呼吸を含む身体の動きを確実に測定して無呼吸を知らせることができる無呼吸検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の無呼吸検出装置は、被検者の無呼吸状態を検出する無呼吸検出装置であって、被検者を直接もしくはマットレス等を介して載せる検出マットと、この検出マット内に設けられ、かつ、被検者の呼吸を含む体の動きに同調して圧力変化が発生する感圧部と、この感圧部の内部の圧力を圧力センサ部にて所定時間毎に計測する圧力計測手段と、この圧力計測手段からの信号を受けて感圧部の圧力変化から無呼吸状態を検出する無呼吸検出手段とを備え、前記圧力センサ部には、前記感圧部の内部からの圧力を受ける受圧室と、前記受圧室に隣接する背圧室とが設けられており、前記感圧部から前記受圧室まで形成されている圧力計測経路には、大気と連通する貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0011】
このように構成することによって、感圧部が内蔵された検出マット上に、必要に応じてマットレス等を介して被検者を寝かせ、その被検者の呼吸を含む体の動き(体動)に同調して変化する感圧部の圧力を圧力計測手段で測定し、この圧力計測手段からの信号を受けて無呼吸検出手段で無呼吸状態を検出する。これにより、検出部分を被検者の体に付けずに呼吸を検出することができ、被検者に負担を与えることなく、被検者の呼吸を含む身体の動きを確実に測定して無呼吸が知らされる。
また、前記の貫通孔を設けることにより、圧力計測経路内が外部要因(例えば、大気圧や周囲温度の変化、あるいは新生児の体温による温度変化の影響等)などにより必要以上に圧力変化があったとしても、貫通孔を介して所定時間後には、ほぼ大気圧に戻るため、微小な圧力変化がある呼吸を速やかに計測できるようになり、適切な無呼吸検出を行える。
【0012】
また、請求項2に記載されるように、感圧部を弾性変形可能なパイプ状の中空体で形成することが好ましい。
感圧部を弾性変形可能なパイプ状の中空体で形成すれば、感圧部の感度が単なる偏平中空体等に比べて高感度にできるため、被検者の微少な呼吸や体の動きによっても感圧部の内部の圧力が変化するようにでき、その分精密に呼吸を検出することができる。
その上、感圧部は、弾性変形可能であるので、感圧部の配置形状として、直線形状に限らず、例えば、略円形形状などにすることもでき、感圧部の配置形状を検出マットの大きさ等に合わせて容易に変化させることができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載されるように、検出マットを、感圧部と、この感圧部の上下に配置される上板および下板とを備えて構成し、上板を被検者の呼吸により弾性変形が可能に形成するとともに、被検者の体の動きによる上板の変形に伴って感圧部に圧力変化を発生させるように構成し、かつ、下板を硬質部材により形成することが望ましい。
【0014】
このように、被検者の体の動きによる上板の変形に伴って感圧部に圧力変化を発生させるようになっていれば、被検者が寝返り等で感圧部の真上の位置から上板上の任意の場所に移動したとしても、被検者が上板上から外れない限り、上板の変形に伴って感圧部に圧力変化が生じるため、容易に被検者の呼吸を検出することができる。また、下板は、弾性変形しない硬質部材により形成されているため、上板の変形に伴って感圧部に加わる圧力が下板に吸収されることがほとんどなく、感圧部内部の圧力変化の感度を向上させることができ、ひいては呼吸を検出する感度を向上させることができる。
【0015】
また、請求項4に記載されるように、感圧部を弾性変形可能なパイプ状の中空体で形成し、下板に感圧部の潰れ量を規制するための潰れ量規制手段を設けることが好ましい。
これによれば、その設置作業を簡単に行うことができるとともに、感圧部の位置がずれることがないので、安定した検出感度を得ることができる。
【0018】
また、請求項5に記載されるように、背圧室に大気と連通する貫通孔を設けることが好ましい。
このように構成すれば、背圧室も大気と連通することとなって背圧室側の外部要因による圧力変化に伴う感度低下を防止でき、呼吸に伴う圧力変化を高感度に計測することができる。
【0019】
さらに、呼吸による圧力変化から得られる圧力波形には、外部要因による振動などによって呼吸よりも周波数の高い成分が含まれている場合がある。
そこで、請求項6に記載されるように、圧力計測経路にノイズ低減用絞りおよび呼吸の検出感度維持用溜まりを設けることが望ましい。
【0020】
このように、圧力計測経路にノイズ低減用絞りおよび呼吸の検出感度維持用溜まりを設ければ、外部要因による振動などの余計な成分を低減して、呼吸による圧力変化から得られる圧力波形を平滑化することができ、安定した良好な呼吸波形を抽出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図3には、本発明の第1実施形態を適用した無呼吸検出装置1が示されている。
【0022】
無呼吸検出装置1は、略偏平直方体状、より具体的には布団状の検出マット2と、この検出マット2に加わる圧力変化を計測して無呼吸状態を検出し、かつ、この無呼吸状態を表示および警報するモニタ表示器3とを備えて構成されている。検出マット2の上には、必要に応じてマットレス101が載置され、このマットレス101の上に新生児等の被検者100が載せられている。
【0023】
検出マット2は、図2(A)にも示すように、検出マット2内に取り付けられ、かつ、被検者100の呼吸を含む体の動き(体動)に同調して圧力変化が発生する感圧部である感圧パイプ21と、この感圧パイプ21の上下に接して配置される上板22および下板23と、これらの上板22と下板23との長手方向両端に介装され、両板22、23間に所定の間隙を形成させるスペーサ24と、それら全体を覆う保護カバー25とを備えて構成されている。この際、検出マット2の大きさは、例えば、新生児用であれば新生児用のベッドに入る程度の大きさとなっている。
【0024】
感圧パイプ21は、所定の長さに切断した柔軟な弾性変形可能なパイプ状の中空体、例えば、シリコン樹脂チューブで形成されている。
この感圧パイプ21の一方の端部21Aは、埋栓26で封止され、他方の端部には、その開口部に呼吸による圧力変化量などを調整し、外部要因によるノイズを低減するノイズ低減用絞り27Aを備えた接続パイプ27の一端が取り付けられている。この接続パイプ27の他端には、後に詳述するように、連結パイプ60を介してモニタ表示器3が接続されている。
【0025】
検出マット2の下板23は、硬質プラスチック等の硬質部材により構成され、弾性変形が不可能に強固に形成されている。
下板23の上面23Bの長手方向中心線上には、感圧パイプ21を収納する直線状の感圧パイプ21の潰れ量規制手段である溝23Aが形成されている。
この溝23Aは、下板23のモニタ表示器接続側とは反対側の端部を除き、下板23の長手方向ほぼ全長に渡って形成され、かつ、溝23Aの両端側が深く、中央部が浅く形成されている。
【0026】
詳しくは、感圧パイプ21の端部21Aにおける溝23Aの深さは、感圧パイプ21の外径寸法(例えば、5mm)と同じ程度の深さとなっており、一方、感圧パイプ21の中央部21Bに対応する溝23Aの深さは、感圧パイプ21の外径寸法よりも浅く(例えば、3mm程度)形成されている。
これにより、感圧パイプ21の端部21Aは、上板22が被検者100の重量等により変形しても上板22に接しないように配置されており、一方、感圧パイプ21の中央部21Bは、下板23の上面23Bよりも上方に飛び出し、未変形状態の上板22の下面22Aにほぼ接するように配置されている。
【0027】
従って、前述の具体的寸法例における溝23Aの中央部の深さ(3mm)と、感圧パイプ21の外径寸法(5mm)とにおいては、スペーサ24の厚さは2mmとされている。このスペーサ24の厚さが感圧パイプ21の最大の潰し代となるが、実際の潰し代は、被検者100の重さや、上板22の厚み、曲げ弾性率等にもより、例えば、0.2〜1.8mm程度に設定されている。つまり、感圧パイプ21は、潰れ量規制手段である溝23Aによって完全に潰れないようになっている。
また、感圧パイプ21の肉厚は、例えば、0.5mm程度とされ、上板22が過大重量等により極端に撓まされ、上板22の下面22Aが下板23の上面23Bに接する位置近傍まで変形し(図2(B)参照)、この上板22により感圧パイプ21が下板23の上面23Bと一致する位置近傍まで潰されても、感圧パイプ21の中心部には十分な空間が存在し(図2(B)参照)、感圧パイプ21の内圧の変化が計測可能とされている。なお、図2(B)は、同図(A)と比較する上で過大表現をしている。
このような潰された状態では、感圧パイプ21は、永久変形することなく、また、変形した際に感圧パイプ21の内径が絞られて、感圧パイプ21内部の圧力の検出感度に影響することがない。
【0028】
さらに、溝23Aの幅は、感圧パイプ21がその溝壁23Cに触れると感圧パイプ21内部の圧力変化の検出感度が低下するので、感圧パイプ21が前述のように下板23の上面23Bまで潰された状態でも、溝壁23Cに触れない程度に感圧パイプ21の外径寸法よりも広く形成されている。
【0029】
上板22は、被検者100の呼吸により弾性変形が可能な部材で形成されているとともに、スペーサ24を支点として、板バネとして作用するようにスペーサ24に取り付けられている。具体的には、上板22、下板23およびこれらの両板22、23間に介装されているスペーサ24は、接着やその四隅での釘打ち、その他固定手段で固定されている。
上板22は、ある程度の曲げ弾性が要求されるが、弾性材料であれば何でもよく、樹脂板、木板、ボール紙、その他の材料を用いることができる。
本実施形態では、具体的には、軽い発泡性の樹脂材料(例えば、塩化ビニール製の発泡体)で形成されている。
この塩化ビニール製発泡体からなる上板22は、その長手方向すなわち感圧パイプ21の長手方向と、この長手方向に直交する方向とで曲げ弾性率が異なり、上板22の長手方向では、曲げ弾性率が大きく、被検者100の重量や体動による板の撓み(変形)量が少なくなっている。これに対して、上板22の長手方向に直交する方向では、長手方向よりも曲げ弾性率が小さく、被検者100の重量や体動による板の撓み(変形)量が多くなっている。
【0030】
保護カバー25は、感圧パイプ21の圧力変化を検出する際の検出感度に影響がないような表材および寸法(厚さ)で形成されている。すなわち、保護カバー25は、柔らかくて薄い部材、より具体的には、軟質プラスチックシート、布等で構成され、上板22、下板23、スペーサ24の全体を覆っている。
【0031】
モニタ表示器3は、図1に示されるように、圧力計測手段4と、無呼吸検出手段5と、表示器駆動用の電池6とを備えている。
圧力計測手段4は、感圧パイプ21内部の呼吸による圧力変化を検出する圧力センサ部41と、この圧力センサ部41で検出した圧力変化を所定時間毎に計測する圧力計測部42とを備えて構成されている。
また、無呼吸検出手段5は、圧力計測部42で計測されて得られる圧力波形つまり感圧パイプ21内部の圧力変化から無呼吸状態を検出する無呼吸検出部51と、圧力計測部42で計測されて得られる圧力波形を表示する表示部52と、無呼吸状態を検出したらそれを知らせる警報部53とを備えて構成されている。
また、このモニタ表示器3で得られる波形や検出結果等は、適宜な外部出力端子を通じて、例えば、印刷機等に出力されるようになっている。
【0032】
圧力計測手段4の圧力センサ部41には、連結パイプ60を介して接続パイプ27の他端が接続されている。
連結パイプ60には、呼吸による感圧パイプ21内部の圧力変化を、モニタ表示器3の圧力センサ部41に検出感度を落とさないように伝えるために、その内部に感圧パイプ21より内径が細く、かつ、内容積が小さい呼吸の検出感度維持用溜まり60Aが形成されている。
また、使用者がモニタ表示器3をベッド周辺で移動することを考慮し、連結パイプ60は、曲げ半径が小さくて折れにくい丈夫なパイプで形成されている。
【0033】
圧力計測手段4の圧力センサ部41は、圧力を検出できる構造であれば、従来一般の各種構造でよいが、構造の具体的一例を挙げれば、図4に示すように、連結パイプ60に接続され、かつ、検出感度を落とさないように空間内容積が小さく形成されている圧力導入口43と、感圧パイプ21の内部からの圧力を受ける受圧室44と、この上方に圧力センサ回路部45を介して隣接する背圧室46とを備えて構成されている。
ここで、感圧パイプ21から受圧室44までの経路によって、圧力の通路である圧力計測経路30が形成されている。
【0034】
圧力センサ回路部45は、受圧室44と背圧室46とを仕切るとともに、図示しない電子回路を有する基板45Aと、基板中央に配置され、かつ、感圧パイプ21内部の呼吸による圧力変化を検出する圧力センサチップ45Bとを備えて構成されている。
この圧力センサチップ45Bは、例えば、圧力変化に応じて変形するダイヤフラムを備え、このダイヤフラムの変形を歪量、静電容量等として取り出し、電子回路で電気信号に変換して圧力計測できるようになっている。
【0035】
受圧室44には、大気と連通する貫通孔である受圧室大気開放絞り44Aが形成されている。
この受圧室大気開放絞り44Aが形成されていないと、受圧室44が密閉状態となり、この状態になると、大気圧や周囲温度の変化、あるいは新生児の体温による温度変化の影響などの呼吸に比べて圧力応答の遅い外部要因により、受圧室44の空気が膨張または圧縮されて、受圧室44内の内圧が徐々に変化し、呼吸による微少な圧力変化を検出することが不可能となる。
しかし、受圧室44に受圧室大気開放絞り44Aが形成されていることにより、外部要因によって受圧室44の内圧が変化せずに常時大気圧状態を保つことができ、呼吸に伴う圧力変化のみを微小レンジで計測可能とされている。
なお、受圧室大気開放絞り44Aの穴形状は、前述した外部要因を受けず、かつ、呼吸検出感度を落とさないような大きさに形成されている。
【0036】
また、背圧室46にも受圧室44に形成された絞り44Aと同様形状の貫通孔である背圧室大気開放絞り46Aが形成されている。
この背圧室大気開放絞り46Aが形成されておらず、背圧室46を大気圧に開放した状態にすると、例えば、無呼吸検出装置1が設置された部屋のドアの開閉や空調の風等の急激な大気の変化により、背圧室46が直接影響を受け、呼吸に近い圧力変化が現れて呼吸と判別できなくなることがある。
しかし、背圧室46に背圧室大気開放絞り46Aが形成されていることにより、急激な大気の変化を緩和し、かつ、受圧室44と絞りや空間内容積を同等の形状にすることで、急激な大気圧の変化による影響が小さくなるようになっている。このように圧力センサ部41を構成することで、呼吸に伴う圧力変化を高感度に計測することができるようになっている。
【0037】
そして、圧力センサ部41で検出した呼吸に伴う圧力変化が所定時間毎に圧力計測部42で計測され、図5に示すような呼吸による圧力波形が得られるようになっている。
この際、圧力波形は、接続パイプ27に備えられているノイズ低減用絞り27Aおよび連結パイプ60に形成されている呼吸の検出感度維持用溜まり60Aによって、上板22のバネ特性による減衰振動や、その他の外部要因による振動などの呼吸よりも周波数の高い成分が除去および低減されて平滑化されており、その平滑化された波形がモニタ表示器3の表示部52に表示されている。
【0038】
なお、睡眠中の新生児の弱い呼吸を感圧パイプ21の容積変化として伝える場合、感圧パイプ21内に発生する圧力変化量ΔPは、次の数式1によって算出することができる。
【0039】
【数1】
ΔP=P0×ΔV/V
【0040】
ここで、Vは感圧パイプ21の内容積を示し、ΔVは感圧パイプ21の内容積変化量を示し、P0は大気圧を示す。
つまり、感圧パイプ21の内容積Vを小さくし、感圧パイプ21の内容積変化量ΔVを大きくすることにより、圧力変化量ΔPを大きく発生させることができ、検出感度を高くすることができるようになっている。
従って、感圧パイプ21の設計に当たっては、上述の原理を理解して寸法設定している。
【0041】
また、感圧パイプ21の全長は、ほぼ被検者100である新生児の身長程度に設けるのがよく、さらに、感圧パイプ21の下板上面23Bから突出している部分(中央部)の長さは、検出マット2の長手方向寸法の約2/3程度が感度上良好である。より具体的には、検出マット2の全長を700mm程度とした場合、感圧パイプ21の突出している部分(中央部)の長さは約400〜600mm程度、より好ましくは約500mm程度とするのがよい。これより短いと検出範囲が狭く、長いと内容積が大きくなり、感度が低下する。
【0042】
次に、本実施形態の無呼吸検出装置1の使用方法を説明する。
まず、検出マット2の上にマットレス101を介して被検者100(新生児)を載せる。
通常、新生児の呼吸は腹式呼吸である。腹式呼吸において、吸気時には、横隔膜が下降して肺が膨張し、それに伴って腹部も上方に膨張する。
一方、呼気時には、肺が収縮して横隔膜が上昇し、それに伴って腹部が下方に収縮する。睡眠中は、このような一連の運動により、規則正しい腹部の上下運動が行われる。これに対して、呼吸が停止した無呼吸状態では、腹部の上下運動が停止する。
【0043】
従って、検出マット2上に載せられた状態で被検者100が睡眠し、規則的な呼吸が行われると、腹部の上下運動による上板22の撓み量に伴って感圧パイプ21の内部に圧力変化が発生する。この圧力変化は、接続パイプ27および連結パイプ60を通って圧力センサ部41に入力・検出される。
次に、圧力センサ部41で検出された圧力は、所定時間毎に圧力計測部42で計測されるとともに、圧力計測部42では、計測された圧力から図5に示す圧力波形が作成される。この圧力波形は、表示部52により表示される。
【0044】
この際、被検者100が検出マット2上に載置されることにより、その重量によって生ずる圧力変化は、載置した後は一定であるため、圧力センサ部41の受圧室44に設けられた受圧室大気開放絞り44Aから大気に放出され、一定時間後は影響がなくなる。従って、この後は呼吸に伴う圧力変化のみが検出されることとなる。
【0045】
次に、呼吸を含む体の動きがある場合を、図5を用いてより詳細に説明する。
吸気時は、腹部の膨張に伴い、上板22の撓み量が大きくなって感圧パイプ21が圧縮され、圧力計測経路30の圧力が大気圧状態(ゼロ)から高い正圧に上昇する。その後、圧力計測経路30の圧力は、受圧室大気開放絞り44Aにより大気圧状態に戻る。
一方、呼気時は、腹部の収縮により、上板22の撓み量が小さくなり、感圧パイプ21は元の位置に戻ろうとし、圧力計測経路30の圧力が大気圧状態から低い負圧に下降する。その後、圧力計測経路30の圧力は、受圧室大気開放絞り44Aにより大気圧状態に戻る。
このような一連の圧力計測経路30の圧力変化は、大気圧状態を中心にほぼ一定の周期と振幅で繰り返される。
【0046】
そして、被検者100の呼吸は、圧力値がゼロから正圧の上限呼吸検出レベルA以上になった後、下降して負圧の下限呼吸検出レベルB以下になった場合に、一回目の呼吸と判定する。
なお、呼吸による規則的な圧力変化の他に、寝返りや手足を動かすなどの身体の大きな動きがあるが、この場合の圧力変化は、呼吸に比べて周期は不規則だが振幅が大きいので、呼吸をしているとみなす。しかも、このような身体の動きにより、内圧が大きく変化した後でも受圧室大気開放絞り44Aにより、すぐに内圧が大気圧状態(ゼロ)に戻るので、呼吸による圧力変化の検出に影響を与えない。
【0047】
以上の呼吸を含む身体の動きがある場合から、無呼吸状態になると、図5の右側に示すように、圧力計測経路30の圧力は大気圧状態(ゼロ)に保持され、圧力変化がほとんどなくなる。
そして、圧力値が上限呼吸検出レベルA未満であり、かつ、下限呼吸検出レベルB以下にならない状態が設定された呼吸停止時間tを越えると、無呼吸検出部51で無呼吸状態を判定し、表示部52に表示するとともに、警報部53からブザーや警告灯の点灯等の適宜な警報を出力する。
このようにして被検者100の無呼吸状態が検出される。
【0048】
このような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
無呼吸検出装置1は、感圧パイプ21と、この感圧パイプ21の内部の圧力を圧力センサ部41にて所定時間毎に計測する圧力計測手段4と、感圧パイプ21の圧力変化から無呼吸状態を検出する無呼吸検出手段5とを備えているので、従来の検出部を被検者100の体に付けるものに比べて、コードやセンサ類を一切身につけずに呼吸を検出することができ、被検者100に負担を与えることなく、被検者100の呼吸を含む身体の動きを確実に測定して無呼吸状態を検出することができる。
【0049】
また、感圧パイプ21は、弾性変形可能なパイプ状の中空体で形成されているため、被検者100の微少な呼吸や体の動きによっても感圧パイプ21の内部の圧力が変化するようにでき、その分精密に呼吸を検出することができる。
【0050】
さらに、被検者100の体の動きによる上板22の変形に伴って感圧パイプ21に圧力変化が発生されるので、被検者100が寝返り等で感圧パイプ21の真上の位置から上板22上の任意の場所に移動したとしても、被検者100が上板22上から外れない限り、上板22の変形に伴って感圧パイプ21に圧力変化が生じるため、容易に被検者100の呼吸を検出することができる。
また、下板23は、弾性変形しない硬質部材により形成されているため、上板22の変形に伴って感圧パイプ21に加わる圧力が下板23に吸収されることがほとんどなく、感圧パイプ21内部の圧力変化の感度を向上させることができ、ひいては呼吸を検出する感度を向上させることができる。
【0051】
また、感圧パイプ21が弾性変形可能なパイプ状の中空体で形成され、この感圧パイプ21が下板23に形成された溝23A内に配置されているため、感圧パイプ21の設置作業を簡単に行うことができるとともに、感圧パイプ21の位置がずれることがないので、安定した検出感度を得ることができる。
【0052】
さらに、受圧室44に受圧室大気開放絞り44Aが形成されているため、外部要因によって一時的に圧力計測経路30に圧力変化が生じても、受圧室44の内圧を速やかに大気圧状態に戻すことができ、これにより、呼吸に伴う圧力変化のみを微小レンジで計測することができる。
また、背圧室46に背圧室大気開放絞り46Aが形成されているため、急激な大気の変化を緩和することができるとともに、受圧室44と絞りや空間内容積を同様形状にすることで、急激な大気圧の変化による影響が小さくできる。
【0053】
また、圧力計測経路30にノイズ低減用絞り27Aおよび呼吸の検出感度維持用溜まり60Aが設けられているので、外部要因による振動などの余計な成分を低減して、呼吸による圧力変化から得られる圧力波形を平滑化することができ、安定した良好な呼吸波形を抽出することができる。
【0054】
図6には、本発明の第2実施形態に係る検出マット2が示されている。
なお、前記第1実施形態と同一もしくは相当構成品には同じ符号を付し、説明を省略もしくは簡略する。
本実施形態は、感圧パイプ21の潰れ量規制手段として、所定間隔に設けられたビス23Fを用いた点が前記第1実施形態と異なる。
【0055】
詳しくは、図7にも示すように、下板23の上面23Bの長手方向中心線上には、シリコン樹脂製の感圧パイプ21が載置される金属や樹脂板等で形成された板状部材23Dが設置されている。
板状部材23Dは、感圧パイプ21の端部21Aに取り付けられている埋栓26および接続パイプ27の部分を除き、感圧パイプ21の長手方向ほぼ全長(中央部)に渡った長さに形成されている。
【0056】
板状部材23Dに載置された感圧パイプ21の中央部21Bは、板状部材23Dの上面23Eに、図示しない両面テープで接着されているとともに、中央部21Bの約上半分が後述するビスの頭部よりも上方に飛び出している。この感圧パイプ21の中央部21Bは、被検者100が載置されていない状態で、上板22等の荷重により約0.5mm程度潰されており、被検者100の重量によって上板22が変形すると、中央部21Bがさらに潰されて圧力変化が検出されるようになっている。
【0057】
板状部材23Dの長手方向に沿った両端部には、板状部材23Dを下板23に固定するビス23Fが板状部材23Dの長手方向に沿って所定間隔に配置されている。これらのビス23Fは、その頭部23Gが板状部材23Dの上面23Eから上方に突出した状態(例えば、突出寸法H1=約2.5mm程度)とされている。
従って、感圧パイプ21の外径寸法を、例えば、5mm程度とすると、感圧パイプ21の中央部21Bのビス23Fの頭部23Gよりも上方に飛び出している部分の高さ寸法は約2mm程度に設定され、これが感圧パイプ21の最大の潰し代となっている。
つまり、感圧パイプ21は、ビス23Fの頭部23Gが板状部材23Dの上面23Eよりも上方に突出していることによって、感圧パイプ21が完全に潰れて内径が0(ゼロ)となることがなく、永久変形しないようにされている。
また、感圧パイプ21を挟んで対向するビス23F間は、感圧パイプ21が図6(B)のように潰された状態でも、ビス23Fに触れない程度に感圧パイプ21の外径寸法よりも広く形成されている。これにより、感圧パイプ21がビス23Fに触れて感圧パイプ21内部の圧力変化を検出する感度が低下することが防止されている。
【0058】
図8にも示すように、感圧パイプ21の中央部21Bは、板状部材23D上に載置され、端部21Aは、下板23上に配置されている。ここで、板状部材23Dの厚さ寸法H2は、被検者100の重量等により上板22が変形した際に、上板22がビス23Fに接する前に埋栓26や接続パイプ27に接しないように設定されている。
つまり、ビス23Fの突出寸法H1と、板状部材23Dの厚さ寸法H2との和が埋栓26および接続パイプ27の外径寸法(下板23からの高さ寸法)以上とされていることで、上板22が変形しても、上板22がビス23Fに接して、埋栓26や接続パイプ27には接しないようになっている。例えば、埋栓26や接続パイプ27の外径寸法が5.5mm程度であり、ビス23Fの突出寸法H1が2.5mm程度の場合、板状部材23Dの厚さ寸法H2は、約3.5mm以上にすればよい。
なお、図6〜図8においては、説明の便宜を図るため、ビス23Fの大きさを実際よりも大きく記してある。
【0059】
このような検出マット2の上にマットレス101を介して被検者100を載せた場合、被検者100の重量や呼吸によって上板22が撓み、感圧パイプ21の中央部21Bが潰され、圧力変化が検出されて被検者100の無呼吸状態が検出される。
この際、重量の重い被検者100が載った場合には、重量の軽い被検者100よりも上板22の撓み量が大きくなり、感圧パイプ21の潰れ量もそれに応じて大きくなるが、ビス23Fによって感圧パイプ21の潰れ量が規制されるため、感圧パイプ21が完全に潰れることがなく、永久変形することも防止できる。
【0060】
このような本実施形態によれば、前記実施形態と同様の効果が得られる上、次のような効果が得られる。
板状部材23Dを介して下板23にビス23Fを固定するだけで、感圧パイプ21の潰れ量規制手段を形成することができるので、特別な加工等をせずに、潰れ量規制手段の形成作業を容易に行うことができる。
【0061】
また、板状部材23Dを下板23に固定するビス23Fによって、感圧パイプ21の潰れ量も規制することができるので、例えば、予め板状部材23Dを固定して、その上にスペーサ等を載せてこのスペーサで感圧パイプ21の潰れ量を規制する場合に比べて、ビス23Fで板状部材23Dの固定と、感圧パイプ21の潰れ量の規制とを兼用することができるので、これにより、作業工程を少なくでき、取付作業を容易に行うことができる。
【0062】
さらに、感圧パイプ21の中央部21Bが載置される板状部材23Dを設け、ビス23Fの突出寸法H1と、板状部材23Dの厚さ寸法H2との和を埋栓26および接続パイプ27の外径寸法以上とすることで、上板22をビス23Fに接する前に埋栓26や接続パイプ27に接しないようにすることができるので、被検者100の重量等で上板22が撓んだ際に、上板22の下面22Aが埋栓26や接続パイプ27に接して感圧パイプ21内部の圧力変化の検出誤差が生じることを防止できる。
【0063】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、ノイズ低減用絞り27Aと呼吸の検出感度維持用溜まり60Aとが圧力計測経路30に設けられていたが、これに限らず、例えば、圧力センサ部41や圧力計測部42等に設けられていてもよい。また、ノイズ低減用絞り27Aおよび呼吸の検出感度維持用溜まり60Aはなくてもよい。
【0064】
さらに、前記実施形態では、外部要因による振動などの余計な成分を低減して、呼吸による圧力変化から得られる圧力波形を平滑化するのをノイズ低減用絞り27Aおよび呼吸の検出感度維持用溜まり60Aで行ったが、これに限らず、例えば、無呼吸検出部51で行ってもよい。つまり、無呼吸検出部51で圧力波形に含まれる外部要因による振動などの余計な成分を電気的に除去し、目的とする呼吸のみを検出する圧力波形を抽出するために、前後の各2個のデータとそれ自身のデータ(連続する5個のデータ)の平均値で波形を修正する移動平均法を行うことにより、波形の平滑化を行うこともできる。
この際、平滑化された圧力波形の中の最大値を検出し、最終的に必要とする呼吸数を数える。そして、呼吸間隔が予め設定しておいた呼吸停止時間以上になると無呼吸として判定する。
【0065】
また、受圧室大気開放絞り44Aと同様に機能する貫通孔としては、受圧室44に直接設ける場合に限らず、例えば、連結パイプ60や感圧パイプ21等の圧力計測経路30の任意の場所に設けてもよい。
【0066】
さらに、前記実施形態では、上板22は、軽い発泡性の樹脂材料で形成されていたが、これに限らず、例えば、樹脂板や木板、ボール紙等の材料で形成されていてもよく、要するに弾性材料で形成されていればよい。
また、上板22は設けなくてもよい。この場合には、例えば、感圧パイプ21の上に直接マットレス101等を設置し、マットレス101の変形に伴って感圧パイプ21に圧力変化が発生されるようになっていればよい。
【0067】
さらに、前記実施形態では、下板23は、硬質プラスチックで形成されていたが、これに限らず、例えば、木板や樹脂板等で形成されていてもよい。
要するに、下板23を構成する硬質部材としては、上板22の変形に伴って感圧パイプ21に加わる圧力を吸収することなく、かつ、感圧パイプ21内部に圧力変化が生じるような部材であればよい。
また、下板23は設けなくてもよい。この場合には、例えば、検出マット2をベッドの床上に設置した際に、その床が硬質部材により形成されて、その上に直接感圧パイプ21を配置するようになっていればよい。
【0068】
また、感圧部としては、直線形状の感圧パイプ21に限らず、例えば、図9に示すような略円形形状の感圧パイプ21を用いてもよい。
さらに、感圧部としては、パイプ状の中空体で形成されていなくてもよく、例えば、偏平バルーン状のものや板状のものでもよく、感圧部の形状は、実施に当たって適宜決めればよい。但し、パイプ状の中空体に形成した方が、その長さは短くして感圧パイプ21の内容積を最小に抑えることで検出感度を高くでき、製造上作りやすく、かつ、安価である点で好ましい。
【0069】
さらに、感圧パイプ21の一端の閉塞手段は、埋栓26に限らず、感圧パイプ21自身の端部を熱溶着させたり、折り曲げてピンチ等で挟んだり折り曲げた状態で下板23に固定したりすることで代替してもよい。
【0070】
さらに、前記実施形態では、検出マット2は、体重の重い新生児と体重の軽い新生児の両方に適するように形成されていたが、これに限らず、例えば、新生児の体重別に上板22の板厚、材質、曲げ弾性率あるいは感圧パイプ21の感度を変化させて、異なる体重の被検者100に対応できるように検出マット2が形成されていてもよい。
【0071】
また、前記実施形態におけるノイズ低減用絞り27A、呼吸の検出感度維持用溜まり60A、受圧室大気開放絞り44A、あるいは、これらに背圧室大気開放絞り46Aを加えた構成を感圧パイプ21の感度調整手段として捉え、適宜な可変絞り、その他の流体回路素子で代替してもよい。
【0072】
さらに、前記第2実施形態では、感圧パイプ21は、板状部材23Dに両面テープで接着されて固定されていたが、これに限らず、例えば、図10に示すように、板状部材23Dに固定される固定部21Cを備えた感圧パイプ21を押し出し成形等で製造し、この感圧パイプ21の固定部21Cを板状部材23D上に押さえ金具23Hで押さえて釘やビス23F等で固定するようにすることで、感圧パイプ21を固定してもよい。
【0073】
また、前記第2実施形態では、板状部材23Dの長手方向に沿った両端部にビス23Fが取り付けられていたが、ビス23Fに限らず、例えば、連続状あるいはピース状で所定間隔に配置されたスペーサ等でもよい。
すなわち、溝23Aやビス23F、スペーサ等の潰れ量規制手段が連続状やピース状に形成されているのに関わらず、感圧パイプ21の内径が完全に潰されないようになっていればよい。
【0074】
また、前記第2実施形態では、ビス23Fは、一定間隔に配置されていたが、これに限らず、例えば、被検者100の荷重が一番加わる部分に集中的にビス23F配置し、その他の部分には、ビス23Fを間隔を大きくあけて配置するようにしてもよい。
【0075】
さらに、感圧パイプ21の潰れ量規制手段としては、溝23Aで形成したものや、ビス23Fで形成したものに限らず、感圧パイプ21の内径が完全に潰れないように形成されたり、防止できる部材であれば、例えば、下板23とは別体の断面凹状の長尺部材を用いて、その凹部に感圧パイプ21を設置してもよく、その形状、構成は、実施に当たって適宜選択すればよい。
【0076】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の無呼吸検出装置によれば、コードやセンサ類等を一切身につける必要がないため、被検者の不快感等を生せずに呼吸を検出することができ、被検者の呼吸を含む身体の動きを確実に測定して無呼吸を知らせることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における無呼吸検出装置を示す断面図およびブロック図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図で、(A)は被検者の未載置状態を、(B)は被検者の載置状態を示す図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に用いられる圧力センサ部の構造の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態における睡眠中の圧力計測経路の圧力変化を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態における(A)は被検者の未載置状態を、(B)は被検者の載置状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態における感圧パイプの配置状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態における感圧パイプの配置状態を示す概略断面図である。
【図9】本発明の変形例であって、略円形状の感圧パイプを示す断面図である。
【図10】本発明の他の変形例であって、感圧パイプの形状および固定方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 無呼吸検出装置
2 検出マット
4 圧力計測手段
5 無呼吸検出手段
21 感圧部である感圧パイプ
22 上板
23 下板
23A 感圧パイプの潰れ量規制手段である溝
23D 板状部材
23F 感圧パイプの潰れ量規制手段であるビス
27A ノイズ低減用絞り
30 圧力計測経路
44 受圧室
44A 貫通孔である受圧室大気開放絞り
46 背圧室
46A 貫通孔である背圧室大気開放絞り
60A 呼吸の検出感度維持用溜まり
Claims (6)
- 被検者の無呼吸状態を検出する無呼吸検出装置であって、前記被検者を直接もしくはマットレス等を介して載せる検出マットと、この検出マット内に設けられ、かつ、前記被検者の呼吸を含む体の動きに同調して圧力変化が発生する感圧部と、この感圧部の内部の圧力を圧力センサ部にて所定時間毎に計測する圧力計測手段と、この圧力計測手段からの信号を受けて前記感圧部の圧力変化から無呼吸状態を検出する無呼吸検出手段とを備え、
前記圧力センサ部には、前記感圧部の内部からの圧力を受ける受圧室と、前記受圧室に隣接する背圧室とが設けられており、前記感圧部から前記受圧室まで形成されている圧力計測経路には、大気と連通する貫通孔が設けられていることを特徴とする無呼吸検出装置。 - 請求項1に記載の無呼吸検出装置において、前記感圧部は、弾性変形可能なパイプ状の中空体で形成されていることを特徴とする無呼吸検出装置。
- 請求項1または2に記載の無呼吸検出装置において、前記検出マットは、前記感圧部と、この感圧部の上下に配置される上板および下板とを備えて構成されており、前記上板は被検者の呼吸により弾性変形が可能に形成されているとともに、被検者の体の動きによる前記上板の変形に伴って前記感圧部に圧力変化が発生されるように構成され、かつ、前記下板は硬質部材により形成されていることを特徴とする無呼吸検出装置。
- 請求項3に記載の無呼吸検出装置において、前記感圧部は、弾性変形可能なパイプ状の中空体で形成され、前記下板には、前記感圧部の潰れ量を規制するための潰れ量規制手段が設けられていることを特徴とする無呼吸検出装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の無呼吸検出装置において、前記背圧室には、大気と連通する貫通孔が設けられていることを特徴とする無呼吸検出装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の無呼吸検出装置において、前記圧力計測経路には、ノイズ低減用絞りおよび呼吸の検出感度維持用溜まりが設けられていることを特徴とする無呼吸検出装置。
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