JP3619070B2 - 無呼吸検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者の無呼吸状態を呼吸等の体動により検出し、無呼吸状態を警報等で知らせる無呼吸検出装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、欧米諸国では、新生児の死亡原因の第一位が突然死症候群(以下、SIDSと略す)となっており、日本でも、ライフスタイルが欧米に近づくにつれ、SIDSが増加してきている。このような現状を踏まえ、病院や家庭で、新生児の呼吸を24時間容易に監視でき、かつ、呼吸をしていない状態、すなわち、無呼吸状態を知ることができる無呼吸検出装置の必要性が高まってきている。
【0003】
ところで、従来からある無呼吸検出装置は、呼吸等の体動を捉える検出部を体に直に接触させるもの(特開平6−63031号公報)と、それをマットレスや布団等の下に敷くもの(特願平10−285350号)との2種類に大別できる。これら両者とも、無呼吸の検出開始及び中止は、無呼吸検出装置に備えられたモニタにある電源スイッチのON、OFFにより行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電源スイッチのON、OFFにより動作の開始、終了を行う上述の無呼吸検出装置には、以下のような問題がある。
(1)電源を入れた後に、ブザーの鳴動、LED点灯、LCDへのメッセージ表示などで、検出開始を認知できるようにされている。しかし、これら各機能は電源を入れて初めて起動するものであり、電源を入れ忘れた場合には検出が行えないという問題がある。
(2)検出終了時に、電源を切らずに被験者が検出マット上から離れた場合、無呼吸状態であると誤認して警告ブザーを鳴らす等の、誤動作を生じる可能性があるという問題がある。
(3)病院などで、一人で複数台の無呼吸検出装置を管理する場合、電源のON、OFF動作を忘れる危険性がある。
このようなことから、電源の入れ忘れ、切り忘れによる問題が発生しないために、自動で被験者の有無を判定できる無呼吸検出装置の開発が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、被験者の検出を開始することおよび被験者の検出を中止することを装置自体で判定できる無呼吸検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無呼吸検出装置に、被験者の有無を判断する被験者判定手段を設けることで、前記目的を達成しようとするものである。
【0007】
具体的には、請求項1に記載の発明は、被験者の呼吸を含む体動を検出して検出信号を出力し圧力センサを含んで構成される検出手段と、この検出手段から発生する検出信号に基づく検出値が、所定の閾値に満たない状態が所定の時間継続した場合に無呼吸状態であると判定する呼吸判定手段と、前記検出信号に基づいて前記被験者の有無を判断する被験者判定手段とを備え、前記検出手段は、前記被験者の呼吸を含む体動に同調して圧力変動を発生させる感圧パイプと、前記感圧パイプを接続し圧力を受ける受圧室と、前記受圧室に隣接する背圧室と、前記受圧室および前記背圧室を仕切り前記感圧パイプの圧力変動を検出する圧力センサ回路部とを含んで構成され、前記受圧室および前記背圧室には、大気と連通する貫通孔である大気開放絞りがそれぞれ形成されていることを特徴とする無呼吸検出装置である。
【0008】
ここで、無呼吸検出装置としては、例えば、被験者を載せる検出マット内部に被験者の呼吸等で変形して容積変動を生じる感圧パイプを設け、これを圧力センサに接続し、感圧パイプの容積変動に伴って圧力センサから発生する検出信号を、呼吸判定手段及び被験者判定手段により処理するものがある。
本発明における検出手段としては、例えば、被験者の呼吸を含む体動を、圧力センサや荷重センサなどで検出する手段がある。また、呼吸および被験者の各判定手段は、検出手段からの検出信号を演算処理するCPU上に展開されるプログラムとして構成できる。
【0009】
この発明によれば、被験者判定手段を無呼吸検出装置に設けているから、被験者の検出を開始すること及び被験者の検出を中止することを、通常の呼吸と異なる体動により発生する検出信号により判定することとなる。したがって、被験者の検出開始及び被験者の検出中止を無呼吸検出装置自体で判定できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無呼吸検出装置において、呼吸判定手段による判定中に、前記被験者判定手段が前記被験者がいなくなったと判定した場合に、検出手段による検出を中止させる検出中止手段を備えていることを特徴とする無呼吸検出装置である。
【0011】
本発明における、検出中止手段としては、具体的には、以下のようなものがある。すなわち、被験者である新生児等が、検出マットから抱き上げられた際に、検出マット中の感圧パイプに特異的な圧力変動、例えば、急激な圧力の減少が生じ、それに伴う検出信号が発生する。これにより、被験者判定手段が、被験者が検出状態では無くなったと判定した後、さらに、呼吸に伴う検出信号が発生していないと呼吸判定手段が判定すると、検出中止手段が働いて検出を中止するものがある。
なお、本発明における検出中止とは、完全に無呼吸検出装置自体の電源を切ることによる中止と、完全には電源を落とさずに、各判定手段を動作させておく検出のみの中止との両概念を含む。この検出中止については、以下で説明する発明についても同様である。
【0012】
この発明によれば、被験者判定手段により被験者の検出状態が解除されたと判断された場合、検出中止手段が働いて検出手段による検出が中止される。これにより、被験者の検出状態が解除された後も検出が続行された結果、無呼吸状態と誤認されて警告ブザーが鳴る等の問題が解消される。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の無呼吸検出装置において、前記被験者判定手段が被験者がいると判定した場合に、前記検出手段に検出を開始させる検出開始手段を備えていることを特徴とする無呼吸検出装置である。
【0014】
本発明における、検出開始手段としては、具体的には、以下のようなものがある。すなわち、被験者である新生児等が、検出マットに載せられた際に、検出マット中の感圧パイプに特異的な圧力変動、例えば、急激な圧力の増加が生じ、それに伴う検出信号が発生する。これにより、被験者判定手段が、被験者が検出状態に入ったと判定した後、呼吸に伴う検出信号が発生していると呼吸判定手段が判定すると、検出開始手段が働いて検出を開始するものがある。
なお、本発明における検出開始手段とは、無呼吸検出装置の電源を完全に落とさず、少なくとも呼吸検出手段と被験者判定手段とを動作させた状態から検出を開始させる手段をいう。この検出開始については、請求項4および請求項5に記載の発明についても同様である。
【0015】
この発明によれば、被験者判定手段により被験者が検出状態になったと判断された場合、検出開始手段が働き、検出手段による検出が開始される。したがって、無呼吸検出装置の電源を入れ忘れて被験者が検出状態になった後、検出が開始されずに無呼吸状態を見逃す等の問題が解消される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の無呼吸検出装置において、前記検出開始手段による検出開始から、前記呼吸判定手段により前記被験者が無呼吸状態であると判定されるまでの時間が所定の閾値に満たない場合に、検出を中止する誤動作防止手段を備えていることを特徴とする無呼吸検出装置である。
この発明によれば、被験者が無呼吸検出装置において検出状態になる以外の、何らかの外因、例えば第三者が検出マット上に手をつく等、により検出開始手段が誤って働き、検出が開始された場合に、誤動作防止手段が働いて検出を中止する。これにより、被験者がいないにも拘らず、それを無呼吸状態と誤認することにより、警報ブザーが鳴る等の問題を解消できる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の無呼吸検出装置において、前記検出中止手段および前記検出開始手段を有効とするか、あるいは無効とするかの選択をする手段選択スイッチを備えていることを特徴とする無呼吸検出装置である。
この発明によれば、無呼吸検出装置に手段選択スイッチが設けられているから、検出中止手段および検出開始手段の有効、無効を選択できる。これにより、検出中止手段を無効としておけば、被験者が何らかの拍子で検出状態からはずれても、検出中止手段による検出中止を防止できる。また、検出開始手段を無効としておけば、無呼吸検出装置の運搬の際などに、外因により検出開始手段が働き、検出が開始されることを防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、無呼吸検出装置1は、略扁平直方体状に形成された検出マット10と、この検出マット10内部に生じた圧力変動を計測して、無呼吸状態を検出し、警報するモニタ20と、が連結パイプ40により接続されて構成されている。
【0019】
図1のII−II線に沿う垂直断面図を示す図2および図2のIII−III線に沿う水平方向断面図である図3を用いて検出マット10の構成を説明する。
硬質プラスチック等で形成された下板11の長手方向中央上部に、被験者の呼吸を含む体動に同調して圧力変動を発生させる感圧パイプ13が配置され、この感圧パイプ13の両側方、すなわち、下板11の長手方向両端には、感圧パイプ13の潰れすぎを防ぐためのスペーサ14が取り付けられている。これら感圧パイプ13とスペーサ14との上部に、上板12が載置され、これら全ての構成部材を軟質プラスチック製の保護カバー15で覆い、検出マット10が構成されている。
【0020】
ここにおいて、感圧パイプ13は、弾性変形可能な材質で形成されたチューブ、例えば、シリコン樹脂チューブを所定長さに切断して形成され、その一端は密封栓131で封止され、他端は、体動以外の要因による圧力変動量を調整するノイズ低減絞りを兼ねた接続ツギテ132に接続されている。また、上板12は、被験者の呼吸により弾性変形が可能な部材、例えば、塩化ビニル製の発泡体で形成されている。
なお、検出する際には、検出マット10の上に適宜マットレス等を載せて使用してもよい。
【0021】
モニタ20は、図4および図5に示されるように、その内部に感圧パイプ13の圧力変動を捉える圧力センサ21を備えるとともに、この圧力センサ21からの電気信号を処理する電気回路30、無呼吸状態を外部に知らせるための警報ブザー24およびLED36、警報ブザー24とLED36とのON、OFF制御を行う警報制御部321、これらに電源供給を行う電池23を備えている。
【0022】
図6を参照して圧力センサ21の構成を詳細に説明すると、圧力センサ21は、連結パイプ40と接続され、かつ、検出感度を落とさないように空間内容積が小さく形成されている圧力導入口213と、連結パイプ40の内側から圧力を受ける受圧室211と、この上方に圧力センサ回路部216を介して隣接する背圧室212とを備えている差圧形センサである。
圧力センサ回路部216は、受圧室211と背圧室212とを仕切るとともに、図示しない電子回路を有する基盤216Aと、この基盤216Aの中央に配置され、かつ、感圧パイプ13の圧力変動を検出する圧力センサチップ216Bとを備えて構成されている。
【0023】
圧力センサチップ216Bは、例えば、圧力変動に応じて変形するダイヤフラムを備え、このダイヤフラムの変形を歪量や静電容量等として取り出し、電子回路で電気信号に変換して圧力計測できるようにされている。また、受圧室211には、大気と連通する貫通孔である受圧室大気開放絞り215が形成されている。この受圧室大気開放絞り215は、受圧室211の密閉状態を防ぐ役割を持つ。すなわち、大気圧や周囲温度の変化、あるいは新生児の体温変化の影響など、呼吸と比べて圧力応答の遅い外部要因により、受圧室211内の空気が膨張または圧縮されて受圧室211の内圧が徐々に変化し、呼吸による微小な圧力変動を検出することが不可能になることを防止する役割を持つ。
【0024】
また、背圧室212にも受圧室大気開放絞り215と同等形状の貫通孔である背圧室大気開放絞り214が形成されている。この背圧室大気開放絞り214は、背圧室212を大気圧に開放した状態にした場合、例えば、無呼吸検出装置1が設置された部屋のドアの開閉や空調の風等の大気変化により、背圧室212が直接その影響を受けて呼吸の検出が通常通り行われなくなるので、これを防止するために形成されている。
【0025】
このように構成されている無呼吸検出装置1は、以下のように作用する。すなわち、検出マット10上に載せられた、被験者である新生児の呼吸により生じる体の動きにより上板12が撓む。これにより、感圧パイプ13の容積が変化し、これに伴い圧力変動が生じる。この圧力変動をモニタ20内に設けられ、かつ、連結パイプ40で感圧パイプ13と連結された圧力センサ21で捉える。捉えた変化を電気回路30内で処理し、無呼吸状態であると判定されると、警報ブザー24を鳴らして警告する。
【0026】
次に図7を参照して、モニタ20内に設けられている電気回路30の構成について説明する。電気回路30はCPU31を中心に構成され、その周囲に、CPU31、圧力センサ21、A/D変換器35に電池23からの電源供給を行う電源回路32と、電源のON、OFFを行う検出スイッチ33と、後述する検出中止手段314および検出開始手段315の有効、無効の選択を行う手段選択スイッチ34と、圧力センサ21からのアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するA/D変換器35と、LED36とが設けられている。
【0027】
CPU31は、その内部に圧力センサ21からの電気信号を受け、それに基づいて後述の各手段の制御を行う制御部311を備えるとともに、制御部311からの信号を受けて演算処理を行い、被験者の呼吸の判定、被験者の有無の判定、自動検出中止、自動検出開始、誤作動防止を行うための各手段として、呼吸判定手段312、被験者判定手段313、検出中止手段314、検出開始手段315、誤動作防止手段316を備えて種々の自動制御を行う部分が構成されている。
【0028】
さらに、CPU31は、A/D変換器35と制御部311とに対して、予め任意に設定可能な所定時間T1ごとに、計測信号を送出するタイマ317、時間T1ごとにインクリメントを行う複数のカウンタを備えたRAM318、無呼吸判断の基準値としての時間判定値およびレベル判定値並びに圧力センサ21のゼロ点が登録されたROM319、電池の消費電力を少なくするために計測中にのみ電源供給を行わせる電力操作手段320、警報ブザー24およびLED36のON、OFF制御を行う警報制御部321をも備えている。
【0029】
ここにおいて、A/D変換器35は、タイマ317からの計測タイミング信号を受ける所定時間T1ごとに、圧力センサ21が検出した圧力を示す計測値を検出信号としてのデジタル電気信号に変換して制御部311へ送出するようにされている。また、圧力センサ21、A/D変換器35、タイマ317の三構成部材により、感圧パイプ13内の圧力を所定時間T1ごとに計測する、検出手段としての圧力計測手段322が構成されている。
このような圧力計測手段322では、被験者の呼吸検出中において制御部311へ送出されるデジタル電気信号の変化は、図8に示すように、被験者の吸気において+方向のパルス信号、呼気において−のパルス信号として検出され、圧力センサ21のゼロ点を中心にして±両方向へ規則正しく振れる。
また、RAM318に設けられた複数のカウンタとROM319内に登録された時間判定値とにより、時間の判定を行っている。
【0030】
本実施形態では、後述する各制御を行う基準値として、ROM319内には、レベル判定値1から8および時間判定値1から8が予め読み込まれ、この時間判定値1から8に対応して、RAM318にはカウンタ1から8が設けられている。
レベル判定値1は、通常の検出状態において、呼吸に伴う圧力を判定する際に、基準となる値である(図8参照)。レベル判定値2は、被験者である新生児が、検出マット10に載せられたときに生ずる正圧を判定する際に、基準となる値である(図9参照)。レベル判定値3は、被験者である新生児が、検出マット10上から抱き上げられたときに生ずる負圧を判定する際に、基準となる値である(図10参照)。レベル判定値4から9は、被験者である新生児が抱き上げられたことで生じた負圧状態から、ゼロ点に戻るゼロ戻り勾配を判定する際に基準となる値である(図10参照)。
【0031】
時間判定値1は、通常の検出状態において、無呼吸状態になったときから所定時間経過後に警報を発するために、予め設定される時間で、本実施形態では20秒とされている(図8参照)。時間判定値2は、前述の正圧のうち最も高い圧力状態が持続する長さを判定するために、予め設定される時間で、本実施形態では3秒とされている(図9参照)。時間判定値3は、前述の負圧のうち最も低い圧力に到達するまでの時間を判定するために、予め設定される値で、本実施形態ではゼロ点通過時から0.3秒とされている(図10参照)。時間判定値4は、前述の負圧のうち最も低い圧力状態が持続する時間を判定するために、予め設定される時間で、本実施形態では3秒とされている(図10参照)。
【0032】
時間判定値5は、時間判定値5−1から5−3の3種類からなり、これらは、前述の負圧状態からゼロ点までに戻る時間を判定するために予め設定される時間で、本実施形態では、時間判定値5−1が1秒、時間判定値5−2が2秒、時間判定値5−3が3秒とされている(図10参照)。時間判定値6は、後述する検出待機状態を持続させるために予め設定される時間で、本実施形態では1分とされている(図10参照)。時間判定値7は、検出待機後に検出をする時間を予め設定される時間で、本実施形態では10秒とされている(図10参照)。時間判定値8は、後述する自動検出開始後、無呼吸状態が持続する時間を判定するために予め設定される時間で、本実施形態では30秒とされている。
【0033】
RAM318内に設けられているカウンタ1から5および8は、前述の時間判定値1から5、8に各々対応しており、所定時間T1(本実施形態では100m秒)ごとにインクリメントされる。また、カウンタ6および7は、それぞれ時間判定値6、7を判定する際に、適宜インクリメントされるように設定されている。
【0034】
前述のように構成された、電気回路30内のCPU31により、無呼吸状態か否かを検出する方法を、図11から図13に示されるフローチャート、および図8から図10に示される圧力変動のグラフを用いて詳細に説明する。なお、以下の一連の動作は所定時間T1(100m秒)ごとに、実行されている。
【0035】
まず、通常の検出方法について説明する。
(1)検出スイッチ33がONになると(処理S1)、処理S2〜処理S6で示された、以下の(2)〜(4)に示される一連の動作(以下、A部の動作という)が起こる。
(2)圧力センサ21およびA/D変換器35の電源がONとなり(処理S2)、圧力センサ21により圧力計測が行われる(処理S3)。
(3)圧力センサ21およびA/D変換器35の電源がOFFとなった後(処理S4)、カウンタ1〜5、8がインクリメントされ(処理S5)、処理S6に入る。
(4)呼吸判定手段312により、ROM319にあるゼロ点登録値と計測値との差を求め呼吸レベル値が算出され(処理S6)、処理S7に入る。
【0036】
(5)処理S7において、後述する検出中止手段314による検出中止を、複数段階の制御を伴って実行させる検出中止条件1〜3のいずれかがセットされているか判定する。
(6)検出中止条件1〜3のいずれかがセットされていると判断したら、▲4▼に移行し、後述する図13に入る。
(7)一方、検出中止条件1〜3のいずれもセットされていないと判断したら、処理S8に入る。
(8)処理S8において、処理S6で算出した呼吸レベル値がゼロ点以下であるか否かを判定し、ゼロ点よりも大きい場合、通常の検出状態にあると判断し、処理S9に入り、カウンタ3をゼロリセットして処理S10に入る。一方、ゼロ点以下であると判断したら、そのまま処理S10に入る。
【0037】
(9)処理S10において、処理S6で算出した呼吸レベル値を図10に示すレベル判定値3と比較して、レベル判定値3以下であるか否かを判断する。
(10)レベル判定値3以下であれば、被験者判定手段313は、被験者である新生児が検出マット10上から抱き上げられた可能性があると判断し、処理S11に進み、カウンタ3が図10に示す時間判定値3(例えば0.3秒)以下であるか否かを判断し、時間判定値3以下である場合、新生児が検出マット10上から抱き上げられた可能性が高いと判断し、検出中止条件1をセットして(処理S12)、カウンタ4をゼロリセットし(処理S13)、処理S14に入る。一方、時間判定値3より大きい場合、被験者判定手段313は、一時的な負圧であるものと判断し、処理S14に入る。
【0038】
(11)処理S14において、呼吸レベル値の絶対値が図8に示すレベル判定値1以上か否かを判断する。
(12)呼吸レベル値がレベル判定値1以上の場合、呼吸判定手段312が、被験者である新生児の呼吸状態を検出していると判断し、カウンタ1をゼロリセットして(処理S15)、処理S2から処理S14までの一連の処理が繰り返される。
(13)呼吸レベル値がレベル判定値1未満の場合、呼吸判定手段312が被験者である新生児の呼吸に相当する信号が検出されていないと判断し、処理S16に入る。
【0039】
(14)処理S16において、カウンタ1が図8に示す時間判定値1(例えば20秒)と等しくなったか否かを判定する。
(15)時間判定値1未満の場合には、呼吸以外の体動で呼吸判定手段312が一時的に検出できなくなったものと判断して、処理S2から処理S14が繰り返される。
(16)一方、時間判定値1に等しくなった場合には、無呼吸状態が時間判定値1の間続いている状態であるため、処理S17に入り、検出装置が誤動作であるか否かを判断する。
(17)処理S17において、後述する検出開始手段315により検出が開始されたか否かを判断する。
(18)検出開始手段314で開始されていない場合には、操作者が意図的に検出スイッチ33を入れ、誤動作とは考えられないので、呼吸判定手段312は、被験者である新生児が無呼吸状態になったと判定し、直ちに警報制御部321に信号を出力し、警報制御部321は警報ブザー24およびLED36から警報信号を出力させる(処理S18)。
【0040】
(19)一方、検出開始手段314で開始されている場合には、誤動作により被験者である新生児がいないにもかかわらず、検出を開始した可能性も考えられるので、処理S19に入る。
(20)処理S19において、カウンタ8が時間判定値8(例えば、30秒)以上であるか否かを判断する。
(21)時間判定値8未満であれば、誤動作であると判断して誤動作防止手段316により検出が中止され、検出スイッチ33がONされる前の状態に戻る。
(22)一方、時間判定値8以上であれば、呼吸判定手段312は、誤動作ではなく、検出マット10上に存在する被験者である新生児が、実際に無呼吸状態になったものと判断して、直ちに警報制御部321に信号を出力し、警報制御部321は警報ブザー24およびLED36から警報信号を出力させる(処理S18)。
【0041】
上記(18)〜(21)の動作は、新生児を検出マット10上に載せた以外の外因、例えば、新生児以外の第三者が検出マット10に触れる、あるいは周辺の急激な大気の変動等により、被験者判定手段313が、新生児が検出マット10上に載せられたと誤認し、検出開始手段314により検出が開始された場合の誤動作を誤動作防止手段316で防止するものである。
【0042】
次に検出開始手段315による検出開始方法を図9および図12に基づいて説明する。図9には、検出マット10上に被験者である新生児を載せたときに感圧パイプ13内に生じる、特異的な圧力変動が示されている。この圧力変動は、検出マット10上に載せられた新生児の荷重により、感圧パイプ13が潰れ、感圧パイプ13の内圧が急激に正圧になった後、徐々に圧力センサ21のゼロ点である大気圧に向かうために生じるものである。
以下、図12を用いて詳細に説明する検出開始手段315を用いた検出開始の方法は、図9に示される特徴的な圧力変動を捉えて行うものである。
【0043】
(23)図11の処理S1において、検出スイッチ33がONされていない場合、▲1▼へ進み、図12に入り、図11に示されるA部の一連の動作を行った後(処理S20)、処理S21に入る。
(24)処理S21において、呼吸判定手段312により算出された呼吸レベル値が図12に示されるレベル判定値2以上であるか否かを判断する。
(25)呼吸レベル値がレベル判定値2未満である場合には、被験者判定手段313は、圧力増が被験者である新生児を載せた際のレベルにまで達していないから、新生児が検出マット10上に載せられていないと判断し、カウンタ2をゼロリセットして(処理S22)▲2▼へ進み、図11に示される処理S1に戻る。
(26)一方、呼吸レベル値がレベル判定値2以上である場合には、圧力変動が、被験者である新生児を載せた際のレベルまで達しているから、新生児が検出マット10上に載せられている可能性があると判断し、カウンタ2をインクリメントして(処理S23)処理S24に入る。
(27)処理S24において、カウンタ2が図9に示す時間判定値2(例えば、3秒)と等しくなったか否かを判断する。
【0044】
(28)カウンタ2が時間判定値2と等しくなった場合には、圧力増が一定時間持続しているので、被験者判定手段313は、被験者である新生児が検出マット10上に載せられたと判定して▲3▼に進み、図11に示される通常の検出へ移行する。
(29)カウンタ2が時間判定値2未満である場合には、被験者判定手段313は、一時的な圧力変動しか起こっていないから、被験者である新生児がいないと判定して▲2▼へ進み、図11に示される処理S1に戻る。
【0045】
次に、検出中止手段314による検出中止方法を図10、図13から図15に基づいて説明する。図10には、検出マット10上から被験者である新生児が抱き上げられたときに感圧パイプ13内に生じる、特異的な圧力変動が示されている。この圧力変動は、新生児が抱き上げられたことで、新生児の荷重により潰れていた感圧パイプ13が、元の形に膨らもうとするため、感圧パイプ13の内圧が急激に負圧になった後、徐々に圧力センサ21のゼロ点である大気圧に向かうために生じるものである。
以下、図13から図15を用いて詳細に説明する、検出中止手段314を用いた検出中止の方法は、上述の特徴的な圧力変動を捉えて行うものである。
【0046】
(30)図11の処理S7において、検出中止手段314に検出中止を実行させるための検出中止条件1〜3のいずれかがセットされていると判断した場合、図13の処理S25に入り、まず、検出中止条件1がセットされているかを判断する。
(31)検出中止条件1がセットされていないと判断した場合、▲5▼に進み、図14に示される処理S33に入る。
(32)一方、検出中止条件1がセットされていると判断すると、処理S26に入る。
【0047】
(33)処理S26において、呼吸判定手段312により算出された呼吸レベル値が、図10に示すレベル判定値3(例えば、−230パルス)以下であるか否かを判断する。
(34)呼吸レベル値がレベル判定値3より大きい場合、被験者判定手段313は、検出された負圧が新生児が抱き上げられて生じるレベルに達していなく、新生児が検出マット10上にいるものと判断し、検出中止条件1をリセットして(処理S27)▲7▼へ進み、図11の通常の検出へ移行する。
(35)一方、呼吸レベル値がレベル判定値3以下である場合、被験者判定手段313は、新生児が検出マット10上から抱き上げられた可能性があると判断し、処理S28へ入る。
【0048】
(36)処理S28において、カウンタ4が図10に示される時間判定値4(例えば、3秒)と等しくなったか否かを判断する。
(37)カウンタ4が時間判定値4未満であれば、被験者判定手段313は、検出マット10に生じた大きな負圧は、寝返り等の体動によるものであり、被験者である新生児が検出マット10上にいるものと判断し、▲7▼へ進み、図11の通常の検出へ移行する。
(38)一方、カウンタ4が時間判定値4と等しければ、被験者判定手段313は、大きな負圧が一定時間続き、新生児が抱き上げられた可能性が高いものと判断して処理S29に入り、検出中止条件1をリセットした後、処理S30に進み、検出中止条件2をセットして処理S31に進む。
(39)時間判定値4における呼吸レベル値をRAM318上のDATA1にセーブした後(処理S31)、カウンタ5をゼロリセットして(処理S32)▲5▼へ進み、図14の処理S33に入る。
【0049】
(40)処理S33において、検出中止条件2がセットされているか否かを判断する。
(41)検出中止条件2がセットされていないと判断した場合、▲7▼へ進み、図11の通常の検出に移行する。
(42)一方、検出中止条件2がセットされていると判断した場合、処理S34に入る。
(43)処理S34において、カウンタ5が、図10に示される時間判定値5−1(例えば、1秒)と等しくなったか否かを判断する。
(44)一方、時間判定値5−1に等しい場合、処理S35へ進む。
【0050】
(45)処理S35において、時間判定値5−1における呼吸レベル値から処理S31においてDATA1にセーブされた呼吸レベル値を引いた値(図10中b−a)、すなわち、1秒間におけるパルス数の変化が、レベル判定値4(例えば、100パルス)以上レベル判定値5(例えば、180パルス)以下であるか否かを判断する。これにより時間判定値5−1の間における圧力が、新生児が抱き上げられた際の圧力変化に相当するか否かを判定する。
(46)1秒間におけるパルス数の変化が、上記範囲内に入っていない場合、被験者判定手段313は、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げられて生じたものとは異なると判断し、検出中止条件2をリセットして(処理S36)、▲7▼へ進み、図11に示される通常の検出に移行する。
(47)一方、1秒間におけるパルス数の変化が、上記範囲内に入っている場合、被験者判定手段313は、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げられて生じた可能性が高いと判断し、時間判定値5−1における呼吸レベル値をRAM318上のDATA1にセーブした後(処理S37)、処理S38へ入る。
【0051】
(48)なお、時間判定値5−1に等しくない場合、前記処理S35および処理S37を省略して処理S38へ進む。
(49)処理S38において、現在の呼吸レベル値と時間T1(例えば、100m秒)前の呼吸レベル値との差が−6(パルス)以上であるか否かを判断する。
(50)前記差が−6(パルス)未満である場合、被験者判定手段313は、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げらて生じたものとは異なると判断し、検出中止条件2をリセットした後(処理S36)、▲7▼へ進み、図11に示される通常の検出へ移行する。
(51)前記差が−6(パルス)以上である場合、被験者判定手段313は、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げられて生じたものである可能性が高いと判断し、処理S39へ入る。
【0052】
(52)処理39において、カウンタ5が、図10に示される時間判定値5−2と等しくなったか否かを判断する。
(53)時間判定値5−2と等しい場合、処理S40へ入る。
(54)処理S40において、時間判定値5−2における呼吸レベル値と処理S37においてDATA1にセーブされた呼吸レベル値との差(図10中c−b)、すなわち、1秒間におけるパルス数の変化が、レベル判定値6(例えば、30パルス)以上レベル判定値7(例えば、80パルス)以下であるか否かを判断する。これにより時間判定値5−2の間における圧力が、新生児が抱き上げられた際の圧力変化に相当するか否かを判定する。
(55)1秒間におけるパルス数の変化が、上記範囲内に入っていない場合、被験者判定手段313は、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げられて生じたものとは異なると判断し、検出中止条件2をリセットして(処理S36)、▲7▼へ進み、図11に示される通常の検出に移行する。
(56)1秒間におけるパルス数の変化が、上記範囲内に入っている場合、被験者判定手段313は、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げられて生じた可能性が高いと判断し、時間判定値5−2における呼吸レベル値をRAM318上のDATA1にセーブした後(処理S41)、処理S42へ入る。
(57)なお、時間判定値5−2と等しくない場合、前記処理S40および処理S41を省略して処理S42へ進む。
【0053】
(58)処理42において、カウンタ5が、図10に示される時間判定値5−3と等しいか否かを判断する。
(59)時間判定値5−3と等しくない場合、▲7▼へ進み、図11に示される通常の検出へ移行する。
(60)時間判定値5−3と等しい場合、処理S43に入る。
(61)処理S43において、時間判定値5−3における呼吸レベル値と処理S41においてDATA1にセーブされた呼吸レベル値との差(図10中d−c)、すなわち、1秒間におけるパルス数の変化が、レベル判定値8(例えば、0パルス)以上レベル判定値9(例えば、40パルス)以下であるか否かを判断する。
(62)1秒間におけるパルス数の変化が、上記範囲内に入っていない場合、被験者判定手段313は、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げられて生じたものとは異なると判断し、検出中止条件2をリセットして(処理S36)、▲7▼へ進み、図11に示される通常の検出に移行する。
(63)一方、1秒間におけるパルス数の変化が上記範囲内に入っている場合、被験者判定手段313は、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げられて生じた可能性が高いと判断し、検出中止条件3をセット(処理S44)、検出中止条件2をリセット(処理45)、カウンタ6をゼロリセット(処理46)した後、▲6▼へ進み、図15に示される処理S47へ入る。処理S47において、被験者判定手段313は、新生児が抱き上げられて検出マット10上からいなくなったと判断し、検出中止手段314が作動して検出待機状態となる。
【0054】
前述のように、時間判定値4、時間判定値5(5−1、5−2、5−3)、時間T1におけるパルス数の変化の複数段階で検出中止の制御を行っている。これにより、寝返り等の呼吸以外の体動により、負圧が生じた場合でも、通常は、時間判定値5までに正圧が生じるか、あるいは、ゼロ点へ戻る勾配が新生児が抱き上げられて生じたものとは異なるため、検出中止にはならない。しかしながら、この複数段階の制御をもってしても、万が一大きな体動が生じ、偶然にも抱き上げられた場合と同じ圧力変化およびゼロ点へ戻る勾配が生じた場合には、検出中止になることが想定され、これを防ぐ手段が必要である。
以下、寝返り等でレベル判定値3以下の状態が時間判定値4以上続き、かつ、時間判定値5においてゼロ点へ戻る勾配が前述の各条件を満たし、検出待機となった場合において、再び検出を開始する方法を図10および図15に基づいて説明する。
なお、以下の手段を採らずに処理47において、完全に検出中止としても、もちろん構わない。
【0055】
(64)処理47において、検出待機状態になった後、カウンタ6がインクリメントされ(処理S48)、このインクリメントは、処理S49において、時間判定値6(例えば1分)に等しいと判断されるまで繰り返される。
(65)処理S49において、カウンタ6が時間判定値6と等しくなったと判断されると、カウンタ7をゼロリセットした後(処理S50)、再度図11に示されるA部の動作を行って(処理S51)、処理S52に入り、呼吸判定手段312により算出された呼吸レベル値の絶対値が、図10に示されるレベル判定値1以上であるか否かを判定する。
(66)呼吸レベル値の絶対値がレベル判定値1以上の場合には、被験者判定手段313は、被験者である新生児の呼吸に相当する圧力変動が検出されているので、新生児が検出マット10上にいるものと判断して、検出中止条件3をリセットした後(処理S53)、▲7▼へ進み、図11に示される通常の検出へ移行する。
【0056】
(67)一方、呼吸レベル値がレベル判定値1未満の場合には、被験者判定手段313は、被験者である新生児の呼吸に相当する圧力変動が検出されないので、新生児が検出マット10上にいない可能性が高いと判断して、カウンタ7をインクリメントして(処理S54)、処理S55に入る。
(68)処理S55において、カウンタ7が図10に示される時間判定値7(例えば、10秒)に等しくなったか否かを判定する。
(69)カウンタ7が時間判定値7と等しい場合には、被験者判定手段313は、被験者である新生児が検出マット10上にいないと判断し、検出中止条件3をリセットした後(処理S56)、▲8▼へ進み、検出中止手段314による検出中止が行われ、検出スイッチ33がONされる前の状態に戻る。
(70)カウンタ7が時間判定値7未満の場合には、処理S51に戻って、処理S51からS55が再び繰り返される。
【0057】
なお、これら検出中止手段314および検出開始手段315は、電気回路30内に備えられている手段選択スイッチ34を用いて、それらの有効、無効を選択できる。これらを無効としておくことで、以下のような問題が想定される状況で無呼吸検出装置1を使用する場合には、その問題を防止できる。
【0058】
すなわち、検出マット10上から、新生児を抱き上げる場合以外の、例えば、寝返りなどにより、新生児が検出マット10上から外れた場合にも、被験者判定手段313は新生児がいないと判定するため、検出中止手段314により検出が中止されることになる。この際、検出中止手段314が、手段選択スイッチ34により無効とされていれば、体動を検出できないことから無呼吸状態と判定して、LED36、警報ブザー24をONにして外部に知らせることができる。このようなことから、検出マット10の周囲が囲まれている場合を除いては、検出中止手段314を無効としておくことが望ましい。
【0059】
また、検出マット10とモニタ20が連結パイプ40で接続された状態で、無呼吸検出装置1を運搬した場合に、衝撃が加わる、あるいは大気圧が変化するなどにより、被験者判定手段313が、新生児が検出マット10上にいると判定して、検出開始手段315による検出を開始する可能性がある。この際、手段選択スイッチ34により、検出開始手段315が無効とされていれば、上述のような何らかの圧力変動が生じても検出が開始されることはない。このようなことから、無呼吸検出装置1の運搬等の際には、検出開始手段315を無効としておくことが望ましい。
【0060】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、被験者判定手段313を無呼吸検出装置1に設けたから、被験者の検出を開始すること、および被験者の検出を中止することを、通常の呼吸と異なる体動により発生する検出信号により判定できる。したがって、被験者の検出開始及び被験者の検出中止を無呼吸検出装置1自体で判定できる。
また、被験者判定手段313により被験者の検出状態が解除されたと判断された場合、検出中止手段314が働いて検出手段である圧力検出手段322による検出が中止される。これにより、被験者の検出状態が解除された後も検出が続行された結果、無呼吸状態と誤認されて警報ブザー24が鳴る等の問題が解消される。
【0061】
被験者判定手段313により被験者が検出状態になったと判断された場合、検出開始手段315が働き、検出手段である圧力検出手段322による検出が開始される。したがって、無呼吸検出装置1の電源を入れ忘れて被験者が検出状態になった後、検出が開始されずに無呼吸状態を見逃す等の問題が解消される。
また、被験者が無呼吸検出装置1において検出状態になる以外の、何らかの外因、例えば第三者が検出マット10上に手をつく等、により検出開始手段315が働いて検出が開始された場合に、誤動作防止手段316が働いて検出を中止する。これにより、被験者がいないにも拘わらず、それを無呼吸状態と誤認することにより、警報ブザー24が鳴る等の問題を解消できる。
【0062】
無呼吸検出装置1に手段選択スイッチ34が設けられているから、検出中止手段314及び検出開始手段315の有効、無効を選択できる。これにより、検出中止手段314を無効としておけば、被験者が何らかの拍子で検出状態からはずれても、検出中止手段314による検出中止を防止できる。また、検出開始手段315を無効としておけば、無呼吸検出装置1の運搬の際などに、外因により検出開始手段315が働き、検出が開始されることを防止できる。
また、無呼吸検出装置1は、感圧パイプ13の内部の圧力を圧力センサ21にて計測し、計測された圧力変動から無呼吸状態を検出しているので、従来の検出部を被検者の体に付けるものに比べて、コードやセンサ類を一切身につけずに呼吸を検出することができ、被検者に負担を与えることなく、被検者の呼吸を含む体動を確実に測定して無呼吸状態を検出することができる。
【0063】
感圧パイプ13は、弾性変形可能なパイプ状の中空体で形成されているため、被検者の微少な呼吸や体の動きによっても感圧パイプ13の内部の圧力が変化するようにでき、その分精密に呼吸を検出することができる。
【0064】
被検者の体の動きによる上板12の変形に伴って感圧パイプ13に圧力変動が発生するので、被検者が寝返り等で感圧パイプ13の真上の位置から上板12上の任意の場所に移動したとしても、被検者が上板12上から外れない限り、上板12の変形に伴って感圧パイプ13に圧力変動が生じるため、容易に被検者の呼吸を検出することができる。
また、下板11は、弾性変形しない硬質部材により形成されているため、上板12の変形に伴って感圧パイプ13に加わる圧力が下板11に吸収されることがほとんどなく、感圧パイプ13内部の圧力変動の感度を向上させることができ、ひいては呼吸を検出する感度を向上させることができる。
【0065】
受圧室211に受圧室大気開放絞り215が形成されているため、外部要因によって一時的に圧力変動が生じても、受圧室211の内圧を速やかに大気圧状態に戻すことができ、これにより、呼吸に伴う圧力変動のみを微小レンジで計測することができる。
また、背圧室212に背圧室大気開放絞り214が形成されているため、急激な大気の変化を緩和することができるとともに、受圧室211と絞りや空間内容積を同様形状にすることで、急激な大気圧の変化による影響が小さくできる。
【0066】
ノイズ低減用絞りを兼ねた接続ツギテ132が設けられているので、外部要因による振動などの余計な成分を低減し、呼吸による圧力変動から得られる圧力波形を平滑化することができ、安定した良好な呼吸波形を抽出することができる。
【0067】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態において、無呼吸検出装置1として、検出マット10とモニタ20とを備えるものを用いていたが、これに限ることなく、例えば、センサ部分を体に取り付けるようなものでもよい。ただし、本実施形態のような構成の無呼吸検出装置1を用いることで、検出手段である圧力計測手段322を取り付ける部分によって感度が著しく異なる等の問題がなく、好ましい。
【0068】
前記実施形態においては、制御部311と各手段(呼吸判定手段312、被験者判定手段313、検出中止手段314、検出開始手段315、誤動作防止手段316)は別々に構成されていたが、これに限ることなく、全ての手段を一つの構成としてもよく、適宜組み合わせる等でもよい。また、タイマ317、電力操作手段320、警報制御部321、ROM319、RAM318等の各構成部材も、制御部311に内蔵して一体としてもよい。さらに、前記実施形態において、カウンタは7個設けられているが、これに限らず、設定される時間判定値の数に応じて適宜調整してよく、時間判定値1から7の値も、本実施形態の値に限らず、適宜設定してよい。
【0069】
前記実施形態においては、手段選択スイッチ34が設けられていたが、これは設けられていなくてもよい。ただし、手段選択スイッチ34を設けることで、検出中止手段314および検出開始手段315の有効、無効が選択できるので好ましい。また、前記実施形態のように、マイクロコンピュータを用いて制御を行い、かつ、電源が電池タイプのものでは、検出待機時または検出中止時にマイクロコンピュータをスリープモードとすることもできる。このようにすると、電池の低消費化が図れ、好ましい。さらに、前記実施形態において用いられていた、各時間判定値、各レベル判定値は、前述の値に限ることなく、適宜設定してよい。
【0070】
前記実施形態において、検出手段としての圧力計測手段322(圧力センサ21を主要部とする)を用いていたが、これに限らず、例えば、荷重センサ等を利用する他の検出手段を用いてもよい。また、感圧パイプ13にノイズ低減絞りを兼ねた接続ツギテ132が設けられていたが、これに限ることはない。例えば、密封構造とすれば、被験者を検出マット10上に載せた場合、常に感圧パイプ13は、圧縮され、圧力計測値は、一定以上の正圧値に振れていることになるが、この条件を用いて、検出マット10上の被験者の有無を判断してもよい。
本実施形態において、被験者は新生児であったが、これに限ることなく、例えば、年齢を問わず、未熟性や慢性の肺疾患等で無呼吸状態が生じる人または人工呼吸を行っている人に適用してもよい。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、被験者判定手段を無呼吸検出装置に設けたから、被験者の検出を開始すること及び被験者の検出を中止することを、通常の呼吸と異なる体動により発生する検出信号により判定することとなる。したがって、被験者の検出開始及び被験者の検出中止を無呼吸検出装置自体で判定でき、無呼吸検出装置の電源の入れ忘れ、切り忘れによって生じる問題を解消できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無呼吸検出装置の概略構成図である。
【図2】前記実施形態における検出マットのII−II線に沿う断面図である。
【図3】図2に示す検出マットのIII−III線に沿う断面図である。
【図4】前記実施形態におけるモニタを示す正面図である。
【図5】前記実施形態におけるモニタを示す側面図である。
【図6】前記実施形態における圧力センサを示す断面図である。
【図7】前記実施形態における電気回路ブロック図である。
【図8】前記実施形態における呼吸検出中の圧力変動を示す図である。
【図9】前記実施形態における検出開始になる場合の圧力変動を示す図である。
【図10】前記実施形態における検出中止になる場合の圧力変動を示す図である。
【図11】前記実施形態における通常の無呼吸検出方法を示すフローチャートである。
【図12】前記実施形態における検出開始手段による検出開始方法を示すフローチャートである。
【図13】前記実施形態における検出中止手段による検出中止方法を示す第1のフローチャートである。
【図14】前記実施形態における検出中止手段による検出中止方法を示す第2のフローチャートである。
【図15】前記実施形態における検出中止手段による検出中止方法を示す第3のフローチャートである。
【符号の説明】
1 無呼吸検出装置
10 検出マット
20 モニタ
21 圧力センサ
312 呼吸判定手段
313 被験者判定手段
314 検出中止手段
315 検出開始手段
316 誤動作防止手段
322 検出手段としての圧力計測手段
34 手段選択スイッチ
Claims (1)
- 被験者の呼吸を含む体動を検出して検出信号を出力し圧力センサを含んで構成される検出手段と、この検出手段から発生する検出信号に基づく検出値が、所定の閾値に満たない状態が所定の時間継続した場合に無呼吸状態であると判定する呼吸判定手段と、前記検出信号に基づいて前記被験者の有無を判断する被験者判定手段とを備え、
前記検出手段は、前記被験者の呼吸を含む体動に同調して圧力変動を発生させる感圧パイプと、前記感圧パイプを接続し圧力を受ける受圧室と、前記受圧室に隣接する背圧室と、前記受圧室および前記背圧室を仕切り前記感圧パイプの圧力変動を検出する圧力センサ回路部とを含んで構成され、
前記受圧室および前記背圧室には、大気と連通する貫通孔である大気開放絞りがそれぞれ形成されていることを特徴とする無呼吸検出装置。
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