JP3912600B2 - バレルめっき方法及び装置並びにチップ部品の製造方法 - Google Patents

バレルめっき方法及び装置並びにチップ部品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ状電子部品(チップ部品)の端子電極を形成するためのバレルめっき方法及び装置に係り、特に、メディアを用いないで小型チップ部品の端子電極の高精度の電解めっきを可能にするバレルめっき方法及び装置並びにチップ部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のバレルめっき方法として、カソード電極体をバレル筒体の中で回転中心軸方向に対し平行な方向に固定配置した横型の平行バレルユニットを用い、そのカソード電極体をチップ部品群の塊に差し込んだ状態でバレル筒体を回転させ、回転中心軸方向でできるだけ均一なめっき電流密度とする構成が知られている(下記特許文献1の図5参照)。この場合、バレル筒体は回転するのに対しカソード電極体は固定であり、形状の代表例としてはループ状のカソード電極形状である。そして、バレル筒体内にメディア(導電媒体の金属球)を収納、使用している。
【0003】
同様に回転するバレル筒体に対し固定の陰極を有するものとして下記特許文献2がある。この場合、水平方向の陰極本体部から下方に延びる電極指を有する陰極構造となっている。バレル筒体内にはチップ部品群とともにメディアを収容して電解めっきを行う構成である。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−137296号公報
【特許文献2】
特許第3341725号公報
【0005】
近年、チップ部品の極小化が進み、小型サイズ、例えば1005タイプ(縦1mm、横0.5mm、厚さ0.5mm)、0603タイプ(縦0.6mm、横0.3mm、厚さ0.3mm)、0402タイプ(縦0.4mm、横0.2mm、厚さ0.2mm)等のチップ部品の端子電極のバレルめっき方法においては、回転するバレル筒体に対し、静止したカソード電極体を用いる場合、メディアを使用せず、バレル筒体内に収納されたチップ部品の端子電極同士が相互に接触することにより導通の連鎖を成すようにし、導通の連鎖を成したチップ部品の端子電極が接触し導通するカソード電極体をバレル筒体外部に導出するメディアレス・バレルユニットを用いることが考慮されている。
【0006】
図6は従来のメディアレス・バレルユニットを示す。この図において、1はバレル筒体であり、角筒状部分はナイロン等の絶縁性メッシュで構成され、その両端面は樹脂板で閉じられている。バレル筒体1の回転中心となる水平軸体2はバレル筒体1を貫通し、水平軸体2にループ状のカソード(陰極)電極体3が固定されている。バレル筒体1は回転するのに対し、水平軸体2及びカソード電極体3は固定(静止)である。
【0007】
バレル筒体1の外部の下方位置にアノード(陽極)電極4が配置され、バレル筒体1及びアノード電極4はめっき液中に浸っている。
【0008】
バレル筒体1内には図7のようなチップ部品11を多数収納し、バレル筒体1を回転させることで、その内部に収納された多数のチップ部品11の集合体であるチップ部品群10はカソード電極体3により撹拌、混合され、カソード電極体3とチップ部品群の端子電極12との接触及び端子電極同士の接触による導通の連鎖によりめっきが行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6に示した固定式のカソード電極体は、一般的には垂直部分及び水平部分ともに太さの一様な銅等の丸棒でかつ断面形状にとくに配慮がない構造であり、メディア(球体)が無い状態のチップ部品群内へ、前記電極体を差し込んだ状態で、バレル筒体を回転させるため、前記電極体によってチップ流動性が阻害されることによるチップ混合率の低下、製品へのダメージ発生が問題となる。
【0010】
また、水平部分とこれを支持する垂直部分とを有する図6のループ状のカソード、あるいはL型カソードでは、垂直部分におけるチップ混合流動抵抗が発生し、同様の問題がある。
【0011】
本発明は、上記の点に鑑み、カソード電極体の断面形状を工夫することにより、カソード電極体によるチップ流動性の阻害、混合率の低下を抑制し、ひいては、めっき膜厚の均一性を確保し、外観不良の低減を図ることが可能なバレルめっき方法及び装置並びにチップ部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、非導電性のバレル筒体内に、当該バレル筒体の横向きの回転中心軸に平行でかつ当該回転中心軸に対し偏心した位置にカソードとなる電極体の前記回転中心軸に平行な部分を配置するとともに、前記バレル筒体を回転自在に有するバレルユニットを用い、前記バレル筒体内にチップ部品群を収納し、前記バレル筒体を回転させて前記電極体に対してチップ部品群を移動させるバレルめっき方法であって、
前記電極体は前記回転中心軸に平行な部分と垂直な部分とを有し、前記垂直な部分の横断面は前記平行な部分の横断面よりも小さく設定されており、かつチップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さくてチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されており、
前記電極体の前記回転中心軸に平行な部分の横断面は、チップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さく、かつチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されていることを特徴とする。
【0014】
本願請求項2の発明は、非導電性のバレル筒体内に、当該バレル筒体の横向きの回転中心軸に平行でかつ当該回転中心軸に対し偏心した位置にカソードとなる直線棒状電極体を配置するとともに、前記バレル筒体を回転自在に有するバレルユニットを用い、前記バレル筒体内にチップ部品群を収納し、前記バレル筒体を回転させて前記電極体に対してチップ部品群を移動させるバレルめっき方法であって、
前記バレル筒体の端面部に設けられた外部接続導体部の延長板状部に前記直線棒状電極体は連結固定され、該延長板状部は前記バレル筒体の回転中心軸に垂直な平坦面を構成する絶縁部材で覆われており、
前記直線棒状電極体の横断面は、チップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さく、かつチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されていることを特徴とする。
【0015】
本願請求項3の発明に係るバレルめっき方法は、請求項1又は2において、前記バレル筒体内にはチップ部品群のみを収納してめっきを行うことを特徴としている。
【0016】
本願請求項4の発明に係るバレルめっき装置は、非導電性でチップ部品群を収納するバレル筒体内に、当該バレル筒体の横向きの回転中心軸に平行でかつ当該回転中心軸に対し偏心した位置にカソードとなる電極体の前記回転中心軸に平行な部分を配置するとともに、前記バレル筒体を回転自在に有するバレルユニット備え、
前記電極体は前記回転中心軸に平行な部分と垂直な部分とを有し、前記垂直な部分の横断面は前記平行な部分の横断面よりも小さく設定されており、かつチップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さくてチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されており、
前記電極体の前記回転中心軸に平行な部分の横断面は、チップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さく、かつチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されていることを特徴としている。
【0017】
本願請求項5の発明に係るバレルめっき装置は、非導電性でチップ部品群を収納するバレル筒体内に、当該バレル筒体の横向きの回転中心軸に平行でかつ当該回転中心軸に対し偏心した位置にカソードとなる直線棒状電極体を配置するとともに、前記バレル筒体を回転自在に有するバレルユニット備え、
前記バレル筒体の端面部に設けられた外部接続導体部の延長板状部に前記直線棒状電極体は連結固定され、該延長板状部は前記バレル筒体の回転中心軸に垂直な平坦面を構成する絶縁部材で覆われており、
前記直線棒状電極体の横断面は、チップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さく、かつチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されていることを特徴としている。
【0018】
本願請求項6の発明に係るバレルめっき装置は、請求項4又は5において、前記垂直な部分が非導電性被膜で被覆されていることを特徴としている。
【0019】
本願請求項7の発明に係るバレルめっき装置は、請求項4,5又は6において、前記電極体の横断面が横長の楕円形乃至長円形であることを特徴としている。
【0020】
本願請求項8の発明に係るバレルめっき装置は、請求項4,5又は6において、前記電極体の横断面が、横長の三角形、菱形、長方形又は多角形状においてチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成された形状であることを特徴としている。
本願請求項9の発明に係るチップ部品の製造方法は、請求項4,5,6,7又は8記載のバレルめっき装置を用いたことを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るバレルめっき方法及び装置並びにチップ部品の製造方法の実施の形態を図面に従って説明する。
【0022】
図1乃至図3は本発明に係るバレルめっき方法及び装置並びにチップ部品の製造方法の第1の実施の形態を示す。図1(A)に示すように、20はめっき浴槽であり、これに仮想線Wの位置までめっき液21が入れられている。このめっき浴槽20の内側底部には板状のアノード電極22が配置されている。
【0023】
図1(A)、図2及び図3に示すようにバレルユニット30は、バレル筒体40(めっき液を通すカゴ部)と、この端面部41の回転中心を貫通する(回転中心軸を通過する)外部接続導体部50と、該外部接続導体部50に接続固定されるL型カソード電極体51とを備えている。
【0024】
外部直流電源25の正側がアノード電極22に接続され、負側が外部接続導体部50を経てL型カソード電極体51に接続される。また、アノード電極22はめっきする金属で構成され、例えばNiめっきであれば、Niの電極である。
【0025】
バレル筒体40はめっき液中に浸るため非導電性とし、その構成部材はナイロン等の絶縁樹脂メッシュ自体で形成されるか、表面が絶縁樹脂等で絶縁被覆されたメッシュである。また、めっき液21は通すが、チップ部品群10は通さないメッシュ粗さである。なお、図示は省略してあるが、バレル筒体40内にチップ部品群10を出し入れするための開口部は、端面部や側面部に設けられる。
【0026】
前記外部接続導体部50の外周面及びバレル筒体40の内側に臨む部分は絶縁部材55で覆われ、絶縁部材55の円筒部分の外周面においてバレル筒体40は横向き(水平方向)の回転中心軸を有するように回転自在に支持されている。また、前記L型カソード電極体51の外部接続導体部50に接続する基部の周囲は、前記絶縁部材55に続く絶縁部材56で覆われている。
【0027】
そのバレル筒体40は、端面部41に固定されたスプロケット42から図示しないチェーンによる回転駆動力を受けることで回転するが、外部接続導体部50及びL型カソード電極体51は回転せず、バレル筒体40内部において固定(静止)状態に支持されている。従って、L型カソード電極体51の水平部分52は、バレル筒体40内で、垂直部分53の長さ分だけバレル筒体の回転中心軸から偏心した位置に固定支持(回転中心軸に平行に支持)されることになる。
【0028】
図1(B)のように、L型カソード電極体51の水平部分52の横断面は、チップ移動方向に沿った径をX、当該移動方向に直交する方向の径をYとしたとき、X≧Yであり、真円、より好ましくはXを長径、Yを短径とする楕円乃至長円形である。また、図1(C)のようにL型カソード電極体51の垂直部分53の横断面もチップ移動方向に沿った径をX、当該移動方向に直交する方向の径をYとしたとき、X≧Yであり、真円、より好ましくはXを長径、Yを短径とする楕円乃至長円形であり、前記水平部分52よりも全体的に細く(X>X,Y>Y)なっている。また、L型カソード電極体51の垂直部分53はめっき動作に寄与しなくともよいため、非導電性樹脂(フッ素樹脂(例えば商品名:テフロン)等)やセラミックの非導電性の耐摩耗性コーティング57を施すことが好ましい。めっき対象が1005サイズのチップ部品の場合、X=3〜7mm、X=1〜3mmが望ましい。
【0029】
なお、図3のように、バレル筒体40を回転させることによるチップ部品群10のバレル筒体40内の分布を考慮して、L型カソード電極体51の垂直部分53は鉛直位置からバレル筒体40の回転方向に45°以内の角度θだけ傾斜していることが好ましい。
【0030】
バレルめっき処理は、バレルユニット30のバレル筒体40内にチップ部品群11を収容し(メディア不使用)、外部直流電源25の正側をめっき金属のアノード電極22に、負側を外部接続導体部50を介してL型カソード電極体51にそれぞれ接続し、バレルユニット30をめっき液中に浸した状態でバレル筒体40を回転させることにより行う。
【0031】
一般的に、バレル筒体40の水平な回転中心軸とカソード電極体51とが平行配置された平行バレルタイプでは、回転中心軸方向の製品混合が起こりづらいこととメディアを使用しないことによるチップ同士の通電率低下による回転中心軸方向の膜厚ばらつきが大きくなることが考えられる。それを防止するためには、回転中心軸方向で、できるだけ均一な電流密度とすることが必要である。そのために、回転中心軸方向にバレル筒体長さにわたり、棒状で同一形状なカソード断面形状(図1(B)の円形、好ましくは楕円乃至長円形)とすることが良い。これにより、各チップ部品の端子電極に対するめっき膜厚の均一性を確保できる。
【0032】
また、給電効率を考え、チップサイズに合わせた最適太さのカソード電極体51を組合せる(チップ部品形状が大きければ、カソード電極体も太くする)ことで、めっきの効率が上がる。
【0033】
前記カソード電極体51を固定し、前記バレル筒体40を回転させたとき、メディアが無い状態のチップ部品群10内へ、カソード電極体51を差し込んだ状態で、バレル筒体40を回転させることになるため、カソード電極体51によってチップ流動性が阻害されると、チップ混合率の低下、製品へのダメージ発生が問題となる。それを防止するためには、給電効率を落とさず、カソード電極体自体によるチップ流動性を出来るだけ低下させない形状が良く、ここでは、図1(B)に示したようにカソード電極体51の水平部分52は円形、好ましくは横長楕円乃至長円形の断面形状としている。また、L型カソード電極体51の垂直部分53においても、径を細くし、かつ断面形状を工夫して図1(C)の円形、好ましくは楕円乃至長円形とすることによりチップ混合流動抵抗を最小限にすることができる。これらにより、チップ混合率の低下、製品へのダメージを最小限にとどめることができる。
【0034】
一般的には、カソード電極体材質として、電気抵抗の小さなCuが良く用いられるが、本実施の形態の場合、カソード電極体51ヘのめっき付着量が多くなり、寿命が短い(めっき剥離が必要となる)。また、めっき付着量が多いとチップの固着不良(カソード電極体51にチップ部品が付着する不良)が発生しやすい。従って、L型カソード電極体51の材質は、ある程度抵抗値が大きくてめっきが付着しづらく、かつ再利用のためのめっき剥離に耐えられるステンレス、チタン等が適している。
【0035】
また、一般的な固定カソード方式においてメディアレスめっきを行うと、電流が流れているカソード電極体がある時間めっき液に直接接している部分(チップが接触しない状態である部位)、又は、カソード電極体での電流が集中しやすい部分にてめっきかす析出の症状が発生しやすい傾向がある。めっきかすの成長に伴うカソード電極体からのそれの剥離は、製品への混入、付着により、致命的不良となる。
【0036】
L型カソード電極体51の垂直部分及び水平部分においては、めっき時、流動チップのニゲが発生してしまうが、そこで本実施の形態では、チップ移動方向に直交する方向の径(図1(B),(C)の短径Y,Y)を極力細くしてニゲを最小限にとどめることで前記症状発生を最小化する効果をもたせることができる。
【0037】
また、L型カソード電極体51の垂直部分の表面に、図1(C)のように、非導電性樹脂膜(レジスト膜、テフロン膜等)やセラミック膜のコーティング57を施し、めっき付着範囲を限定することで前記症状発生を最小化する効果がある。
【0038】
また、L型カソード電極体51の水平部分52の両端部は、球状凸面形状にすることで集中電流を防止し、めっきかすの集中析出を防止できる形状となっている。
【0039】
以下の表1は、従来例(L型カソード電極体の垂直部分及び水平部分共に直径5mmの断面円形の丸棒を用いたもの)、実施例1(L型カソード電極体の垂直部分は直径2.6mmの円形断面及び水平部分は直径5mmの断面円形の丸棒を用いたもの)、及び実施例2(L型カソード電極体の垂直部分は直径2.5mmの楕円形断面(図1(C)のX=2.5>Y)及び水平部分は図1(B)の長径X=5mm、短径Y=3.5mmの楕円形断面の棒状体を用いたもの)のバレルめっき結果をそれぞれ示す。但し、バレル筒体へのチップ部品投入量12万個(メディア不使用)、めっき時間は120分(Niめっき、Snめっき共に)で同条件である。
【0040】
【表1】
Figure 0003912600
【0041】
この表1から判るように、めっき膜厚の標準偏差σ、変動計数CV(%)、外観不良率(%)のいずれも従来例よりも本発明の実施例1、実施例2が優れ、とくに実施例2の場合が最も低い値となり、優れていることがわかる。
【0042】
図4は本発明の第2の実施の形態を示す。図4(A)に示すようにバレルユニット30は、バレル筒体40と、これを水平な回転中心軸で回転自在に支持する支持枠体60と、バレル筒体40の端面部41の回転中心を貫通する(回転中心軸を通過する)外部接続導体部70と、該外部接続導体部70に接続固定される直線棒状カソード電極体71とを備えている。
【0043】
バレル筒体40はめっき液中に浸るため非導電性であって、その構成部材はナイロン等の絶縁樹脂メッシュ自体で形成されるか、表面が絶縁樹脂等で絶縁被覆されたメッシュである。また、めっき液は通すが、チップ部品群は通さないメッシュ粗さである。なお、バレル筒体40内にチップ部品群を出し入れするための開口部は、この場合、端面部41を着脱自在な構造とすることで実現している。
【0044】
前記外部接続導体部70の外周面及びバレル筒体40の内側に延長した延長板状部70aは絶縁部材(非導電性樹脂)81,82でそれぞれ覆われている。そして、延長板状部70aに直線棒状カソード電極体71が螺着等で水平方向に連結固定されている。
【0045】
そのバレル筒体40は、端面部41に固定されたスプロケット42からチェーン45による回転駆動力を受けることで回転するが、外部接続導体部70及び直線棒状カソード電極体71は回転せず(外部接続導体部70は支持枠体60に固定)、バレル筒体40内において、バレル筒体の回転中心軸から偏心した位置で、かつ回転中心軸に平行に固定支持されることになる。
【0046】
図4(B)のように、直線棒状カソード電極体71の横断面は、チップ移動方向に沿った径をX、当該移動方向に直交する方向の径をYとしたとき、X≧Yであり、真円、より好ましくはXを長径、Yを短径とする楕円乃至長円形であり、第1の実施の形態のL型カソード電極体51の水平部分と同じ構造となっている。なお、前記外部接続導体部70の延長板状部70aを被覆する絶縁部材82はチップ流動性を妨げないようにバレル筒体40の回転中心軸に垂直な平坦面を構成している。
【0047】
この第2の実施の形態の場合も、直線棒状カソード電極体71の断面形状を工夫することで、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、垂直部分が無く水平部分のみであり、垂直部分の存在に起因する不都合(チップ流動性の阻害、めっき付着等)を解消できる。
【0048】
図5は各実施の形態で使用可能な、カソード電極体(水平部分)の横断面形状であり、(A)は円形、とくに好ましくは横長の楕円乃至長円形であり、(B)は横長の略三角形であってチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みRが形成されているもの、(C)は横長の菱形であってチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みRが形成されているもの、(D)は横長の長方形であってチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みRが形成されているもの、(E)は横長の六角形であってチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みRが形成されているものである。これらの断面形状において、チップ部品群の移動方向の幅をX、当該移動方向に直交する方向の厚みをYとしたとき、X≧Yであり、(A)の場合X>Y≧0.7Xであることがより好ましく、1005サイズのチップ部品がめっき対象物である場合、強度、通電を考慮してX=3〜7mm程度が望ましい。また、先端部の丸みRの曲率半径は0.5〜3mmであることが好ましい。
【0049】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るバレルめっき方法及び装置によれば、カソード電極体の断面形状を工夫することにより、カソード電極体によるチップ流動性の阻害、混合率の低下を抑制し、ひいては、めっき膜厚の均一性を確保し、外観不良の低減を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバレルめっき方法及び装置並びにチップ部品の製造方法の第1の実施の形態であって、(A)は全体構成の正断面図、(B)はL型カソード電極体の水平部分のA−A’断面図、(C)はL型カソード電極体の垂直部分のB−B’断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の斜視図である。
【図3】同側断面図である。
【図4】 本発明に係るバレルめっき方法及び装置並びにチップ部品の製造方法の第2の実施の形態であって、(A)は全体構成の正断面図、(B)は直線棒状カソード電極体のA−A’断面図である。
【図5】本発明の各実施の形態で使用可能なカソード電極体の横断面図である。
【図6】従来のバレルめっき装置の斜視図である。
【図7】チップ部品の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,40 バレル筒体
2 水平軸体
3,51,71 カソード電極体
10 チップ部品群
11 チップ部品
12 端子電極
20 めっき浴槽
21 めっき液
22 アノード電極
25 外部直流電源
30 バレルユニット
42 スプロケット
50,70 外部接続導体部
52 水平部分
53 垂直部分
55,56,81,82 絶縁部材
57 耐摩耗性コーティング
60 支持枠体

Claims (9)

  1. 非導電性のバレル筒体内に、当該バレル筒体の横向きの回転中心軸に平行でかつ当該回転中心軸に対し偏心した位置にカソードとなる電極体の前記回転中心軸に平行な部分を配置するとともに、前記バレル筒体を回転自在に有するバレルユニットを用い、前記バレル筒体内にチップ部品群を収納し、前記バレル筒体を回転させて前記電極体に対してチップ部品群を移動させるバレルめっき方法であって、
    前記電極体は前記回転中心軸に平行な部分と垂直な部分とを有し、前記垂直な部分の横断面は前記平行な部分の横断面よりも小さく設定されており、かつチップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さくてチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されており、
    前記電極体の前記回転中心軸に平行な部分の横断面は、チップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さく、かつチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されていることを特徴とするバレルめっき方法。
  2. 非導電性のバレル筒体内に、当該バレル筒体の横向きの回転中心軸に平行でかつ当該回転中心軸に対し偏心した位置にカソードとなる直線棒状電極体を配置するとともに、前記バレル筒体を回転自在に有するバレルユニットを用い、前記バレル筒体内にチップ部品群を収納し、前記バレル筒体を回転させて前記電極体に対してチップ部品群を移動させるバレルめっき方法であって、
    前記バレル筒体の端面部に設けられた外部接続導体部の延長板状部に前記直線棒状電極体は連結固定され、該延長板状部は前記バレル筒体の回転中心軸に垂直な平坦面を構成する絶縁部材で覆われており、
    前記直線棒状電極体の横断面は、チップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さく、かつチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されていることを特徴とするバレルめっき方法。
  3. 前記バレル筒体内にはチップ部品群のみを収納してめっきを行う請求項1又は2記載のバレルめっき方法。
  4. 非導電性でチップ部品群を収納するバレル筒体内に、当該バレル筒体の横向きの回転中心軸に平行でかつ当該回転中心軸に対し偏心した位置にカソードとなる電極体の前記回転中心軸に平行な部分を配置するとともに、前記バレル筒体を回転自在に有するバレルユニット備え、
    前記電極体は前記回転中心軸に平行な部分と垂直な部分とを有し、前記垂直な部分の横断面は前記平行な部分の横断面よりも小さく設定されており、かつチップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さくてチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されており、
    前記電極体の前記回転中心軸に平行な部分の横断面は、チップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さく、かつチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されていることを特徴とするバレルめっき装置。
  5. 非導電性でチップ部品群を収納するバレル筒体内に、当該バレル筒体の横向きの回転中心軸に平行でかつ当該回転中心軸に対し偏心した位置にカソードとなる直線棒状電極体を配置するとともに、前記バレル筒体を回転自在に有するバレルユニット備え、
    前記バレル筒体の端面部に設けられた外部接続導体部の延長板状部に前記直線棒状電極体は連結固定され、該延長板状部は前記バレル筒体の回転中心軸に垂直な平坦面を構成する絶縁部材で覆われており、
    前記直線棒状電極体の横断面は、チップ部品群の移動方向に直交する方向の厚みが当該移動方向の幅より小さく、かつチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成されていることを特徴とするバレルめっき装置。
  6. 前記垂直な部分が非導電性被膜で被覆されている請求項4記載のバレルめっき装置。
  7. 前記電極体の横断面が横長の楕円形乃至長円形である請求項4,5又は6記載のバレルめっき装置。
  8. 前記電極体の横断面が、横長の三角形、菱形、長方形又は多角形状においてチップ部品群の流れに対向する先端部に丸みが形成された形状である請求項4,5又は6記載のバレルめっき装置。
  9. 請求項4,5,6,7又は8記載のバレルめっき装置を用いたチップ部品の製造方法。
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