JP3911635B2 - 板状基板の貼り合わせ方法及び板状基板の貼り合わせ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、接着剤を介して2枚の板状基板を貼り合わせるのに最適な板状基板の貼り合わせ方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来技術】
液状の接着剤を介して2枚の板状基板を貼り合わせる従来例として、ディスク基板の貼り合わせ方法について述べる。接着剤で2枚の基板を貼り合わせる方法においては、基板間の気泡の混入が問題となる。接着剤を塗布した基板を他方の基板に貼り合わせる際、接着剤の液膜の表面が他方の基板に接液するときの接触面積が大きくなり、接着剤と基板間に小さな気泡が発生する。接着層に気泡が混入すると、データの読み取りエラー、重合阻害による接着強度の低下及び基板の金属膜の腐食の原因となる。
従来から気泡の発生を低減する貼り合わせ方法がいくつか考えられており、本出願者等によって、2枚の基板に電圧を印加して貼り合わせる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
2枚の基板に電圧を印加して貼り合わせると、その電界による静電引力で接着剤の液膜の表面が先細り、接触面積を小さくできるので、気泡の発生を防止することができ、実際にその有効性が確認されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−60344号公報(第4−5頁、第5−8図)
【特許文献2】
特開2000−290602号公報(第4頁、第1−4図)
【特許文献3】
特開2001−312843号公報(第4−6頁、第2−6図)
【0004】
近年、大容量化・高密度化が進んでいる光ディスクは、従来のアルミ合金で形成された反射膜から、より高反射率、高熱伝導率を有する銀合金の反射膜が利用されてきている。一方、銀合金はアルミ合金に比べて、耐食性が低いため、腐食の問題がある。そこで、銀合金の反射膜に対応したイオン濃度の低い接着剤が開発されたが、イオン濃度が低いために接着剤の抵抗率が高くなる傾向にある。
【0005】
接着剤の抵抗率が高くなると、2枚の基板を貼り合わせる瞬間の一方の基板に塗布した接着剤と、他方の基板又はその基板に塗布した接着剤とで形成される間隙に所定の電圧が印加されないので、接着剤の液膜の表面が先細りせず、接着剤と基板又は接着剤と接着剤同士が接液するときの接触面積が大きくなり、気泡が発生しやすくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、接着剤の抵抗率の大きさによって、最適な貼り合わせが実現できなくなることがある。この問題を解決するために、2枚の基板間に印加する電圧を高くすることで、接着剤の液膜の表面を先細りさせ、接液するときの接触面積を小さくして、気泡の発生を防止することができる。しかし、電圧を高く設定すると、電源のサイズが大きくなることや、基板間で放電が発生するなどの問題が生じる。
【0007】
したがって、本発明は接着剤の抵抗率の大きさによって、印加電圧を大きくしないでも、最適な電圧で気泡が発生しない貼り合わせ方法及び貼り合わせ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、請求項1の発明は、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、前記接着剤の抵抗率の大きさによって、前記第1と第2の基板との間に交流電圧又は直流電圧のどちらかの電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法を提供するものである。
【0009】
請求項2の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、前記接着剤を前記第1と第2の基板の双方又は一方に塗布するとき、前記接着剤の抵抗率の大きさによって、前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に交流電圧又は直流電圧のどちらかの電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法を提供するものである。
【0010】
請求項3の発明は、上記課題を解決するため、請求項1又は請求項2において、前記電圧は、前記接着剤の液膜の表面を先細り化させ、接触面積を小さくして接液させることができる大きさの電圧値であることを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法を提供するものである。
【0011】
請求項4の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、前記第1又は第2の基板の一方に塗布された前記接着剤を、他方の前記第1又は第2の基板の絶縁材料である表面に接触させて、前記第1と第2の基板を貼り合わせる際、前記第1と第2の基板との間に直流電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法を提供するものである。
【0012】
請求項5の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、前記第1又は第2の基板の絶縁材料である表面に前記接着剤を塗布する際、前記第1又は第2の基板と前記接着剤供給ノズルとの間に直流電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法を提供するものである。
【0013】
請求項6の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、前記接着剤の抵抗率が10 9 Ω・cm以下であって、前記第1と第2の基板との間、もしくは前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に交流電圧を印加して接液を行わせることを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法を提供するものである。
【0014】
請求項7の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、前記接着剤の抵抗率が10 8 Ω・cm以上であって、前記第1と第2の基板との間、もしくは前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に直流電圧を印加して接液を行わせることを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法を提供するものである。
【0015】
請求項8の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ装置において、前記第1と第2の基板をそれぞれ支承する第1と第2の電極手段と、交流電圧を供給する交流回路と、直流電圧を供給する直流回路と、前記交流電圧と直流電圧とを切り換えて前記第1と第2の電極手段とに電圧を印加するスイッチ手段と、を備え、前記接着剤の抵抗率の大きさによって、前記スイッチ手段で交流電圧又は直流電圧のどちらかの電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置を提供するものである。
【0016】
請求項9の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ装置において、前記第1又は第2の基板を支承する電極手段及び接着剤を供給する接着剤供給ノズルと、交流電圧を供給する交流回路と、直流電圧を供給する直流回路と、前記交流電圧と直流電圧とを切り換えて前記電極手段と接着剤供給ノズルとに電圧を印加するスイッチ手段と、を備え、前記接着剤の抵抗率の大きさによって、前記スイッチ手段で交流電圧又は直流電圧のどちらかの電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置を提供するものである。
【0017】
請求項10の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ装置において、接着剤の抵抗率が10 9 Ω・cm以下であって、前記第1と第2の基板との間、もしくは前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に交流電圧を印加するための交流電源を備えたことを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置を提供するものである。
【0018】
請求項11の発明は、上記課題を解決するため、接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ装置において、前記接着剤の抵抗率が10 8 Ω・cm以上であって、前記第1と第2の基板との間、もしくは前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に直流電圧を印加するための直流電源を備えたことを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置を提供するものである。
【0019】
請求項12の発明は、上記課題を解決するため、請求項8又は請求項9において、前記接着剤の抵抗率を測定する抵抗率測定器を備えたことを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置を提供するものである。
【0024】
【発明の実施の形態及び実施例】
本発明は、接着剤を基板に塗布する際の接着剤供給ノズルと基板との間、また、接着剤を介して2枚の基板を貼り合わせる際の2枚の基板間に電圧を印加し、その電圧によって形成される電界の静電引力によって、接着剤の液膜の表面の形状を先細り化させ、接着剤が基板に接触する面積を小さくして気泡の発生を防止する際、接着剤の抵抗率によって印加する電圧の種類を選定することを特徴とする。したがって、最適な条件で接着剤を基板に接液させることができ、接着剤の塗布から基板の貼り合わせまでの全工程において気泡の発生を防止することができる。
【0025】
図1により、本発明に係る貼り合わせ方法について説明する。先ず、ディスク基板、ガラス基板のような基板1に接着剤5を円環状に塗布し、基板1の支承手段である電極手段3によって、基板1上の接着剤5が塗布された面と反対の面を支承し、重ね合わせるもう一方の基板2を電極手段4で支承する。それぞれの電極手段は、交流電源6又は直流電源7、及び電圧源を切り換えて電圧を印加するスイッチ手段8に接続されている。
【0026】
本実施例における貼り合わせ装置には、図6に示すようなインバータ回路11、変圧器12、整流回路13、及びスイッチ手段8で構成される電源を備え、変圧器12にて昇圧した交流電圧を、整流回路13を通さずにそのまま出力するか、又は、スイッチ手段8を動作させて整流回路13を通して整流した直流電圧を出力する。
【0027】
ここで、交流電圧は、ある周波数で正負に振れる電圧であれば、正弦波、方形波、三角波でも構わない。また、直流電圧は、完全な直流である必要は無く、リプル電圧を含んだ電圧、又は直流電圧にこれよりも小さい振幅の交流電圧を重畳してなる電圧でも良い。そして、電源は、市販の直流電源又は交流電源を備え、スイッチ手段で電圧源を切り換えるようにしてもよい。また、スイッチ手段8は交流電源6、直流電源7にそれぞれ接続された一対の半導体スイッチで構成しても良い。
【0028】
図2に示すように、電圧を印加して2枚の基板を接着剤で貼り合わせる場合、基板1の絶縁層を容量C1、基板2と、基板1に塗布された接着剤5とで形成される間隙を容量Cn1、接着剤5の抵抗率によって決まる抵抗をRn1、基板2の絶縁層を容量C2で表すと、気泡を発生させないで2枚の基板を接着剤5で貼り合わせるためには、間隙の容量Cn1に所定の電圧が印加される必要がある。
【0029】
しかし、間隙に印加される電圧は、2枚の基板間に印加される電圧の種類、接着剤の抵抗率の大きさなどに影響され、所定の電圧が印加されない場合がある。この問題は、接着剤の抵抗率の大きさによって、交流電圧と直流電圧を使い分けることで解決することができ、効果的に間隙に所定の電圧を印加することが可能となる。
【0030】
一般的に使用されている光硬化型接着剤の抵抗率は、実施例5に記載の測定方法により測定すると、約107〜1016Ω・cmの範囲となる。以下の実施例では、接着剤の抵抗率が低い場合と高い場合に分類し、それぞれにおいて、貼り合わせ方法と接着剤の供給方法について説明する。ここで、接着剤の抵抗率の大きさは、各種実験、実測結果から、抵抗率が10 8 Ω・cm以下の低い場合と、抵抗率が10 9 Ω・cm以上の高い場合、さらに、抵抗率が10 8 〜10 9 Ω・cmの範囲にある場合に分類するのが好ましいことが分かった。
【0031】
(実施例1)抵抗率の低い接着剤を用いて、2枚の基板を貼り合わせる方法について説明する。図1に示すような貼り合わせ装置において、2枚の基板間に交流電圧を印加して貼り合わせを行う場合、図2で示す等価回路の間隙の容量Cn1は、インピーダンス(1/(ω・Cn1))として表せられ、間隙に印加される電圧は、印加電圧をインピーダンス(1/(ω・Cn1))と接着剤の抵抗Rn1とで分担した値となる。
【0032】
また、印加する交流電圧の周波数及び電圧値は、前記等価回路の各容量、接着剤の抵抗などによって決定され、周波数は、数100Hz〜数10kHzの範囲が好ましい。本実施例では、数100Hzの交流電圧を用いている。電圧値は、ピーク値が数100V〜数kVの正弦波を用いている。
【0033】
接着剤の抵抗率が小さく、間隙のインピーダンスが接着剤の抵抗よりも大きくなる場合、2枚の基板を貼り合わせる際に、接着剤5と基板2との間隙に所定の電圧が印加され、その電圧によって形成される電界の静電引力によって、接着剤5の液膜の表面の形状が先細り、接着剤5が基板2に接触する面積が小さくなり、気泡の発生を防止することができる。
【0034】
接着剤の塗布形状にもよるが、接着剤を円環状に塗布している場合、気泡の発生を防いで2枚の基板を貼り合わせるためには、電界の静電引力により接着剤の液膜の表面の形状が先細り、最初の一点目が接液した後、2点目以降が同様な先細り形状で連続的に接液し、全ての接着剤が接触終了する必要がある。基本的に交流電圧を印加する場合には、一定のサイクルで間隙の容量への充放電が繰り返され、最初の1点目が接液した後の2点目以降でも所定の電圧が印加される。
【0035】
次に、2枚の基板間に直流電圧を印加して貼り合わせる場合について説明する。接着剤の抵抗率が小さい場合、図3に示す等価回路のように、最初の1点目が接液して上下のディスク間が接着剤の抵抗Rn1´で短絡した瞬間から、接着剤の抵抗Rn1´を通して上下の基板間の容量C0と次の2点目の間隙の容量Cn2の放電が始まり、2点目の間隙に印加された電圧が、接着剤が接液可能である最小の電圧値以下に低下してしまう。したがって、2点目以降の接着剤の液膜の表面の形状が先細りせず、接液の際に、気泡が発生してしまい、これが、直流電圧を印加する場合の大きな欠点となる。
【0036】
(実施例2)次に、抵抗率の高い接着剤を用いて、2枚の基板を貼り合わせる方法について説明する。抵抗率の高い接着剤を用いて、2枚の基板間に交流電圧を印加して貼り合わせる場合、接着剤5と基板2との間隙のインピーダンスが接着剤の抵抗よりも小さくなり、間隙に十分な電圧が印加されにくくなる。
【0037】
さらに、接着剤の抵抗が高いほど、2枚の基板を貼り合わせる過程で基板の間隔が狭まり、間隙の高さが変化すると、容量が大きくなり、間隙に十分な電圧が印加されにくくなる。したがって、接着剤の液膜の表面の形状が先細りせずに、接着剤が基板に接触する面積が大きくなり、気泡が発生してしまう。
【0038】
このような場合、印加電圧を大きくすることで、間隙に所定の電圧が得られ、気泡を発生させないで2枚の基板を貼り合わせることができるが、接着剤の抵抗率の大きさによって、印加電圧の周波数を変化させ、例えば、抵抗率が高い場合には、設定周波数を数Hzから数10Hzに低くすることで、間隙のインピーダンスを接着剤の抵抗よりも十分に大きくし、印加電圧をそれほど大きくしないで、間隙に所定の電圧を印加することができる。ただし、この場合には、周波数を低周波まで可変しなければならず、電源装置が大幅に大型化するという問題がある。
【0039】
ところで、接着剤の抵抗率が高い場合に、数100V〜数kVの直流電圧を印加すると、前述の図3と同様に、最初の1点目が接液して上下のディスク間が接着剤の抵抗Rn1´で短絡すると、接着剤の抵抗Rn1´を通して上下のディスク間の容量C0と次の2点目の間隙の容量Cn2の放電が行われる。しかし、接着剤の抵抗率が高い場合、短絡抵抗Rn1´が非常に大きくなり、容量C0とCn2の放電時間が長くなるので、接着剤が接液するのに必要な電圧が最後まで維持できる。したがって、最初の1点目が接液した後の2点目以降の接液が可能となり、気泡を発生させないで貼り合わせることができる。したがって、接着剤の抵抗率が高い場合、抵抗率の大きさを利用して、直流電圧を印加し、気泡を発生させないで最適に貼り合わせることができる。
【0040】
また、2枚の基板間に直流電圧を印加する場合、間隙に印加される電圧は、接着剤の抵抗による電圧降下分だけ低い電圧となり、ほとんどの電圧が間隙に印加されるため、1点のみの接液においては、接着剤の抵抗率の大小に関わらず、交流電圧と比較して直流電圧が効果的である。
【0041】
また、2枚の基板間に直流電圧を印加する場合において、基板1に塗布された接着剤5が接液する基板2の表面が金属膜のない絶縁材料であるとき、絶縁材料の高抵抗によって放電経路が形成される。したがって、接着剤の抵抗率の大小に関わらず、直流電圧においても、基板1に塗布された接着剤5と基板2との間隙の電圧が維持され、最初の1点目が接液した後の2点目以降の接液も可能となり、気泡を発生させないで貼り合わせることができる。
【0042】
(実施例3)抵抗率の低い接着剤を用いて、基板に接着剤を供給する方法について説明する。図4に示すように、接着剤供給ノズル10と、基板1を支承している電極手段9との間に、交流電源6又は直流電源7により電圧を印加して、基板1に接着剤を塗布する。接着剤の塗布工程を電気的な等価回路で表すと、図5(1)及び(2)に示すように、接着剤の最初の滴下と、接着剤を円環状に塗布する2つの工程に分けられ、基本的な原理は、貼り合わせと同様である。
【0043】
交流電圧を印加する場合、交流電圧の周波数及び電圧値は、等価回路に示す各容量、接着剤の抵抗率、接着剤の供給速度などによって決定され、周波数は、数100Hz〜数10kHzの範囲が好ましい。この実施例では、数100Hzの交流電圧を用いている。電圧値は、ピーク値が数100V〜数kVの正弦波を用いている。
【0044】
図5(1)は、基板1に接着剤5を最初に滴下する工程を示す。接着剤供給ノズル10から滴下される接着剤5の抵抗をRn1、接着剤供給ノズル10から滴下される接着剤5と基板1との間隙のインピーダンスを(1/(ω・Cn1))とすると、接着剤供給ノズル10と基板1との間の印加電圧は、インピーダンス(1/(ω・Cn1))と接着剤5の抵抗Rn1で分担される。
【0045】
接着剤5の抵抗率が低く、接着剤5と基板1とで形成される間隙のインピーダンスが、接着剤5の抵抗Rn1よりも大きい場合、間隙には十分な電圧が印加され、その電圧によって形成される電界の静電引力によって、接着剤の液膜の表面の形状が先細り、接着剤5が基板1に接触する面積が小さくなり、気泡の発生を防止することができる。
【0046】
次に、接着剤5の最初の滴下から円環状に塗布する工程の等価回路を図5(2)に示す。気泡が発生しないように円環状に塗布するためには、円環状に塗布される接着剤が基板に順次接液していく瞬間の接着剤と基板との間隙で形成される容量Cn2に所定の電圧が常に印加されている必要がある。接着剤の抵抗率が低い場合において、接着剤供給ノズル10と電極手段9との間に交流電圧を印加すると、容量Cn2に連続的に十分な電圧が印加されるため、その電圧によって形成される電界の静電引力によって、接着剤の液膜の表面の形状が先細り、接着剤5が基板1に接触する面積が小さくなり、気泡の発生を防止することができる。
【0047】
ところで、接着剤の抵抗率が低い場合に直流電圧を印加すると、接着剤の最初の滴下は、間隙に十分な電圧が印加されるため、接着剤の液膜の表面の形状が先細り、気泡の発生を防止できる。しかし、最初の1点目が接液した後の円環塗布では、1点目に接液した接着剤の低抵抗のために、放電経路が形成され、間隙に電圧が印加されなく、気泡が発生してしまうという問題が残る。
【0048】
(実施例4)抵抗率の高い接着剤を用いて、基板に接着剤を供給する方法について説明する。交流電圧を印加する場合、最初に滴下した接着剤5と基板1とで形成される間隙のインピーダンス(1/(ω・Cn1))が、接着剤の抵抗Rn1よりも小さい場合、間隙に印加される電圧は、接着剤の抵抗Rn1との分担になるので、間隙に十分な電圧が印加されにくくなる。
【0049】
さらに、接着剤5が基板1に接触する瞬間においては、接着剤5と基板1との間隙で形成される容量が大きくなり、インピーダンスは小さくなる。間隙に印加される電圧は、印加電圧を接着剤の抵抗Rn1と、間隙で形成される容量Cn1のインピーダンスとで分担した値となるため、抵抗Rn1が大きいほど間隙に電圧が印加されにくくなり、接着剤が基板に接触する面積が大きくなり、気泡が発生してしまう。
【0050】
次に、接着剤の最初の滴下から円環状に塗布する場合においても、交流電圧印加で接着剤の抵抗率が高い場合、円環状に塗布される接着剤5が基板1に順次接液する瞬間の間隙に印加される電圧は、接着剤供給ノズル10と基板1との間の印加電圧を抵抗Rn1とで分担した値となり、十分な電圧が得られない。
【0051】
このように接着剤の抵抗率が大きい場合は、印加電圧を大きくすることで、間隙に所定の電圧が得られ、気泡を発生させないで接着剤を塗布することができるが、基板間での放電が発生し易くなる。また、設定周波数を低くすることで、間隙の容量のインピーダンスを大きくし、印加電圧をそれほど大きくしないでも、間隙に所定の電圧を印加することができる。しかし、低周波では、電源サイズが大きくなる等の問題がある。以下に、直流電圧を印加して、接着剤を供給する方法について説明する。
【0052】
接着剤を最初に滴下する工程において、直流電圧を印加する場合、ほとんど接着剤の抵抗率に影響されずに十分な電圧が間隙の容量Cn1に印加されるため、接着剤の液膜の表面の形状が先細り、接着剤が基板に接触する面積が小さくなり、気泡が発生しない。
【0053】
さらに、接着剤を円環状に塗布する工程において、通常、直流電圧を印加した場合、最初の滴下で基板1に接着剤が接液した瞬間に、接着剤の抵抗Rn1及びRn2を通して接着剤供給ノズル10と基板1との間の容量C0と間隙の容量Cn2の放電が行われるが、接着剤が高抵抗率の場合、短絡抵抗Rn1及びRn2が高いので、容量C0とCn2の放電時間が長くなり、円環状に塗布される接着剤が接液するのに必要な電圧が最後まで維持できるので、連続的な接液が可能となる。したがって、気泡を発生させないで接着剤を円環状に塗布することができる。
【0054】
貼り合わせと同様に、直流電圧を印加して接着剤を供給する場合、間隙に印加される電圧は、接着剤の抵抗による電圧降下分だけ低い電圧となり、ほとんどの電圧が間隙に印加されるため、1点のみの塗布においては、接着剤の抵抗率の大小に関わらず、交流電圧印加と比較して直流電圧が効果的である。
【0055】
また、接着剤を塗布する基板1の表面が金属膜のない絶縁材料であるとき、絶縁材料の高抵抗によって放電経路が形成されるため、接着剤供給ノズル10と基板1との間の容量C0と間隙の容量Cn2との放電時間が長くなり、接着剤の抵抗率の大小に関わらず、間隙の電圧が持続できるため、直流電圧を印加して円環状に連続的に接着剤を塗布しても、気泡が発生しない。
【0056】
接着剤の抵抗率が108〜109Ω・cmの範囲にある場合は、直流電圧又は交流電圧のどちらの電圧を印加してもよい。この場合、電圧源を2種類備えていると、抵抗率によってどちらか最適な方の電圧源を選定できるので、好都合である。
【0057】
なお、上述の実施例では、インバータ回路を有する電源又は単一の直流電源及び交流電源によって構成される電圧源を備え、接着剤の抵抗率の大きさによって、印加する電圧の種類を交流電圧又は直流電圧に切り換えているが、使用する接着剤を限定し、その接着剤の抵抗率に適した電圧源のみを備えても良い。例えば、抵抗率が109Ω・cm以下の接着剤を使用する場合は、交流電源のみを備え、抵抗率が108Ω・cm以上の接着剤を使用する場合は、直流電源のみを備える。この場合、電圧源が一台で済むので、制御が容易になる、装置の簡素化が可能になるという利点がある。
【0058】
接着剤の抵抗率の範囲は、接着剤の塗布量、基板間隔、基板の種類等によって変化する。さらに、気泡の発生は、接着剤の抵抗率以外にも、接着剤の粘度、雰囲気の温度や湿度などの条件にも影響する。
【0059】
上述の実施例では、接着剤を基板1のみに塗布しているが、両方の基板に塗布しても構わない。
また、基板として光ディスクの基板を用いているが、薄膜シート、透明なガラス、その他の板状基板でも構わない。
【0060】
(実施例5)図7により、抵抗率測定器を備えた接着剤供給及び貼り合わせ装置について説明する。接着剤を基板に塗布する前、又は接着剤で2枚の基板を貼り合わせる前に、接着剤の抵抗率を測定し、その抵抗率の値によって、印加電圧の種類を切り換えることを特徴としている。
【0061】
接着剤タンク14と接着剤供給ノズル10との間に、接着剤の抵抗率測定器15を備え、接着剤5を基板1に塗布する前に接着剤5の抵抗率を測定し、抵抗率の値によって、スイッチ手段8の切り換え信号を通信ケーブル17及び18にて送信する。接着剤供給ノズル10に接続されている電源の種類を交流又は直流のどちらかに切り換え、接着剤の抵抗率が低い場合は、接着剤供給ノズルと基板1との間に交流電圧を印加し、接着剤の抵抗率が高い場合は、接着剤供給ノズルと基板1との間に直流電圧を印加して、接着剤供給タンク14から接着剤供給配管16を通して接着剤供給ノズル10から接着剤5を基板1に塗布する。同様にして、測定した抵抗率の値によって、貼り合わせ装置に接続されている電源の種類を交流又は直流のどちらかに切り換え、電圧を印加した状態で、接着剤5を塗布した基板1と基板2とを貼り合わせる。なお、電圧を印加するタイミング、印加時間は、自動で制御する。また、接着剤供給装置又は貼り合わせ装置のどちらか一方側の交流電源6、直流電源7及びスイッチ手段8を省略して共用しても良い。
【0062】
また、接着剤の抵抗率が、所定の値以上になったときに、電圧の種類を自動的に切り換えるようにしても良い。抵抗率の測定は、常時行うのではなく、接着剤を交換したときなどに、選択的に行うようにしても構わない。
【0063】
抵抗率測定器の一実施例を図8に示す。抵抗率測定器は、2枚の平行平板電極19、電源24、電圧計22及び電流計23によって基本的には構成される。2枚の平行平板電極間に満たされた接着剤5に流れる微小電流と電極間電圧とから抵抗を測定して接着剤の抵抗率を求めることができる。ただし、抵抗は、接着剤5の温度や吸湿量に影響されやすいため、接着剤5が満たされた抵抗率測定用接着剤タンク20を温度や湿度の調整が可能なチャンバー21等の中に設置して、接着剤5の雰囲気中の温度や湿度を一定にする必要がある。また、平行平板電極間に電圧を印加後、電流は時間とともに減衰しながら一定値に飽和する場合が多いので、一定時間、例えば1分間経過したときの値を採用するなどの条件を定める必要がある。また、印加電圧を変化させ、そのときの電流を数点測定して得られた曲線の傾きから、抵抗を求めてもよい。測定する抵抗は極めて高いので、高感度の電圧計、電流計が必要となる。さらに、接着剤の抵抗率を高精度に測定するために、抵抗率が電圧計の内部インピーダンスに比べて十分に小さい場合は、四端子法を用い、電圧計の内部インピーダンスよりも大きい場合は、二端子法を用いる。また、高感度の抵抗測定器で、直接接着剤の抵抗を測定しても良い。
【0064】
平行平板電極19は、酸化しにくい材質、例えば、ニッケルやニッケルメッキした金属等を用い、電極の一方の面は、接着剤に接するように電極表面が現れており、2枚の電極の電極表面が互いに向き合うように配置する。電極の両側面及び反対の面は絶縁物により囲まれており、直接接着剤が接しないようになっている。電極間隔は、常に一定になるように固定する。本実施例では、電極間隔を2mm一定としている。そして、電極全体を接着剤の中に満たして、その電極間の接着剤の抵抗を測定する。又は、電極間に接着剤を満たして、その接着剤の抵抗を測定しても良い。
【0065】
通常、電極のエッジ部の電界分布が不平等となり、正確な測定が困難となる。このようなエッジ部の不平等電界を少なくする電極構造としては、いくつか知られているが、例えば、ガード電極やロゴウスキー電極を利用することで、不平等電界の影響を小さくすることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、接着剤の抵抗率を測定し、接着剤の抵抗率の大きさによって、接着剤を基板に塗布するときに接着剤供給ノズルと基板との間に印加する電圧の種類、及び接着剤を介して2枚の基板を貼り合わせるときに基板間に印加する電圧の種類を、交流電圧又は直流電圧に切り換えることによって、最適な電圧を印加することができる。その結果、接着剤の抵抗率に影響されずに低抵抗率から高抵抗率までの接着剤に対して、接着剤の液膜の表面を先細り化させて、接着剤が基板に接液するときの接触面積を小さくすることができるため、気泡の発生を防止することができるという効果を奏する。
【0067】
電圧の種類を交流電圧又は直流電圧に切り換えることで、印加する電圧をそれほど高く設定せずに最適な電圧を得ることができるため、電源サイズを小さくすることができる、また、放電の発生を防ぐことができるという効果を奏する。
【0068】
使用する接着剤を限定し、その接着剤の抵抗率に適した電圧源のみを備えることで電圧源が一台で済み、制御が容易になる、装置の簡素化が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貼り合わせ方法を説明するための図である。
【図2】本発明の貼り合わせ方法を説明するための電気的等価回路図である。
【図3】抵抗率の小さい接着剤を介して2枚の基板を貼り合わせたときの電気的等価回路図である。
【図4】本発明の接着剤供給方法を説明するための図である。
【図5】本発明の接着剤供給方法を説明するための電気的等価回路図である。
【図6】本発明に係る電圧印加用の電源回路を説明するための図である。
【図7】本発明に係る抵抗率測定器を備えた接着剤供給及び貼り合わせ装置を説明するための図である。
【図8】本発明に係る抵抗率測定器を説明するための図である。
【符号の説明】
1、2−基板 3、4−電極手段
5−接着剤 6−交流電源
7−直流電源 8−スイッチ手段
9−電極手段 10−接着剤供給ノズル
11−インバータ回路 12−変圧器
13−整流回路 14−接着剤タンク
15−抵抗率測定器 16−接着剤供給配管
17、18−通信ケーブル 19−平行平板電極
20−抵抗率測定用接着剤タンク 21−チャンバー
22−電圧計 23−電流計
24−電源
Claims (12)
- 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、
前記接着剤の抵抗率の大きさによって、前記第1と第2の基板との間に交流電圧又は直流電圧のどちらかの電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、
前記接着剤を前記第1と第2の基板の双方又は一方に塗布するとき、前記接着剤の抵抗率の大きさによって、前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に交流電圧又は直流電圧のどちらかの電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法。 - 請求項1又は請求項2において、
前記電圧は、前記接着剤の液膜の表面を先細り化させ、接触面積を小さくして接液させることができる大きさの電圧値であることを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、
前記第1又は第2の基板の一方に塗布された前記接着剤を、他方の前記第1又は第2の基板の絶縁材料である表面に接触させて、前記第1と第2の基板を貼り合わせる際、前記第1と第2の基板との間に直流電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、
前記第1又は第2の基板の絶縁材料である表面に前記接着剤を塗布する際、前記第1又は第2の基板と前記接着剤供給ノズルとの間に直流電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、
前記接着剤の抵抗率が109Ω・cm以下であって、前記第1と第2の基板との間、もしくは前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に交流電圧を印加して接液を行わせることを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ方法において、
前記接着剤の抵抗率が108Ω・cm以上であって、前記第1と第2の基板との間、もしくは前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に直流電圧を印加して接液を行わせることを特徴とする板状基板の貼り合わせ方法。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ装置において、
前記第1と第2の基板をそれぞれ支承する第1と第2の電極手段と、
交流電圧を供給する交流回路と、
直流電圧を供給する直流回路と、
前記交流電圧と直流電圧とを切り換えて前記第1と第2の電極手段とに電圧を印加するスイッチ手段と、
を備え、前記接着剤の抵抗率の大きさによって、前記スイッチ手段で交流電圧又は直流電 圧のどちらかの電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ装置において、
前記第1又は第2の基板を支承する電極手段及び接着剤を供給する接着剤供給ノズルと、
交流電圧を供給する交流回路と、
直流電圧を供給する直流回路と、
前記交流電圧と直流電圧とを切り換えて前記電極手段と接着剤供給ノズルとに電圧を印加するスイッチ手段と、
を備え、前記接着剤の抵抗率の大きさによって、前記スイッチ手段で交流電圧又は直流電圧のどちらかの電圧を印加することを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ装置において、
接着剤の抵抗率が109Ω・cm以下であって、前記第1と第2の基板との間、もしくは前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に交流電圧を印加するための交流電源を備えたことを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置。 - 接着剤を介して第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、前記接着剤を硬化させて前記基板同士を貼り合わせる板状基板の貼り合わせ装置において、
前記接着剤の抵抗率が108Ω・cm以上であって、前記第1と第2の基板との間、もしくは前記第1又は第2の基板と接着剤供給ノズルとの間に直流電圧を印加するための直流電源を備えたことを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置。 - 請求項8又は請求項9において、
前記接着剤の抵抗率を測定する抵抗率測定器を備えたことを特徴とする板状基板の貼り合わせ装置。
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