JP3911577B2 - 粗悪油燃料のクリーン燃焼装置 - Google Patents
粗悪油燃料のクリーン燃焼装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3911577B2 JP3911577B2 JP2003026707A JP2003026707A JP3911577B2 JP 3911577 B2 JP3911577 B2 JP 3911577B2 JP 2003026707 A JP2003026707 A JP 2003026707A JP 2003026707 A JP2003026707 A JP 2003026707A JP 3911577 B2 JP3911577 B2 JP 3911577B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- combustion
- burner
- supply device
- normal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Regulation And Control Of Combustion (AREA)
- Feeding And Controlling Fuel (AREA)
- Combustion Of Fluid Fuel (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粗悪油燃料(廃油、硫酸ピッチ、廃グリース、硫黄ピッチ、タール等)を燃焼する際に、通常発生するダイオキシンの発生を阻止し、有害酸基ガス(塩素(Cl2)ガス、硫黄酸化物ガス(SOx)、窒素酸化物ガス(NOx)等)の発生を防止しながら、発生熱カロリーを有効に利用できるようになす、粗悪油燃料のクリーン燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有害酸基物質(本願では、塩素、硫黄等の化合物で、酸性酸化物質を意味する。)を含んだ油を燃焼すると、塩素含有油は必ずダイオキシンの発生を招き、その他の油も有害ガス(酸化硫黄ガス(SOx)、酸化窒素ガス(NOx))が発生するため、燃料として利用できないでいるのが実情である。そこで、従来より、この種の粗悪燃料油の安全な燃焼装置法及びそのための装置が、種々提案されている。この種従来例の最も代表的なものとしては、特許文献1に開示されているように、燃焼で発生した有害ガスを、煙道等で処理・回収するもので、粉塵とともにこれら有害ガスを捕集したり反応処理するもので、種々の脱硫装置、脱窒装置が提案されている。そして最近は、一般のボイラー等にも、この種、脱硫装置、脱窒装置が付設されるのはごく一般的となっている。
【0003】
しかし、上記のように、燃焼後に大量に発生する排気を確実に処理することは相当に非効率的で不利なことで、従来の脱硫装置等は非常に大型なものが必要となり、ボイラー室のほとんどを、これら脱硫装置等が占有するのが現状であると共に、これら、従来の脱硫装置等は一定の処理能力しか有さないので、処理能力を超える有害ガスが発生すると、該有害ガスの一部が放出されることがあり、なお、信頼性に欠けるという問題点を有している。
【0004】
また、従来の提案として、燃料油に消石灰等を混入したり、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性物質の水溶液を燃焼部位に噴霧して、これら有害ガスのもととなる酸基成分を塩基性物質と反応させて、中和塩として固定する提案もなされている。しかし、この提案に関しては、全く異なる評価があり、燃焼温度を下げる効果(燃焼炉壁面の保護)しかないとする報告がある一方、有害ガス発生の高い抑止効果の実測データの報告とがある。そして、追試の結果では、これら従来の効果の違いは、その時の燃焼条件の相違に起因するものと確信される。
【0005】
さらに、従来の提案として、燃焼温度の制御によって、ダイオキシンの発生や有害物質の発生を防止することも提案されている。800℃以上、望ましくは1200℃から1500℃の高温で燃焼することで、ダイオキシンの発生は防止できるとされている。しかし、この方法でも、塩素はそのまま大気中に放出されるものであり、さらには、高温に維持するためのコストが嵩むとともに、高温を維持するため燃焼用空気を大量に供送すると、この燃焼用空気中に含まれる窒素が酸化され、窒素酸化物の発生が増大するという問題点を生ずるものである。
【0006】
また、重質油をエマルジョン化して燃焼効率を高める提案も種々行われており、特許文献2には、重質油を予め80〜98℃に予熱してバーナーより噴出させると区林な燃焼が行えることが開示され、特許文献3には、この種のエマルジョン燃料を安定的に製造する方法として、二段階に加水する提案が行われている。
【0007】
上記エマルジョン化燃料は、燃焼効率が高まり、燃焼残渣物も低減し、燃焼によって発生する有害ガスの量も少ないことは多数の報告があるがあるが、これら報告例も、燃焼効率に大きなばらつきがあり、追試による再現性にも疑問を有するものであった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−104447号公報
【特許文献2】
特開平07−318042号公報
【特許文献3】
特開平10−047652号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、粗悪油(特に有害酸基物質(塩素、硫黄等を含んだ油))を燃焼する際に、発生する有害ガス(塩素(Cl2)、硫黄酸化物ガス(SOx)、窒素酸化物(NOx)等)を塩基物質と、より確実に中和反応させて、中和塩として析出することで、ダイオキシンの発生阻止及び有害酸気ガスを除去しつつ、その発生熱カロリーを有効に利用できる粗悪油燃料のクリーン燃焼装置を提供することを課題としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するため、燃焼炉1に、第三タンクT3内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー6と、エジェクター装置8を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー7とを設け、上記第一バーナー6には、切替装置9を介して、上記第三タンクT3内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置30と、第二タンクT2内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置40とを連結し、上記第二バーナー7のエジェクター8には、圧縮空気供給装置10と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置20とを連結し、該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー6による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉1内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになした技術的手段を講じたものである。
【0011】
それ故、本発明粗悪油燃料のクリーン燃焼装置は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー6による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内が予熱(予熱温度は800℃)される。そして、予熱が完了すると、第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼が並行される、すなわち、通常燃焼と、エマルジョン化燃料の燃焼とが同時に行われることになる。エマルジョン化した燃料は燃焼雰囲気温度が800℃を超えると、均一に含有する水の微少粒子状態物が、爆発的に膨張し、その周囲にある燃料を分断して極微細化し、かつ、四方に分断放散させる作用を呈する。そして、燃料が極微細化し、放散されると、燃焼用空気との接触効率が上昇し、効率的な燃焼が保証され、かつ、エマルジョン化燃料は爆発的膨張によって、燃焼炉1内全体に燃焼域が広がるので、該燃焼炉1内に温度斑(局所的温度差域)が発生することを抑止する作用を呈するものである。
【0012】
さらに、このエマルジョン化燃料の燃焼に必要な空気量は、燃焼雰囲気温度が800℃以上であると、通常燃料の燃焼の1/25程度で賄うことが可能(質量比60%の水を充分エマルジョン化できるように、界面活性剤と共に撹拌・混合したもので実験した。)で、その分燃焼温度の維持が容易にでき、同時に窒素酸化物の生成を抑止する作用を呈するものである。
【0013】
そして、この空気量が少ない雰囲気での効率的な燃焼は、前記もしたように容易に燃焼温度を高めることができ、そこに、第一バーナー6による粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料を噴霧して混焼することで、粗悪燃料をも十分効率的に燃焼させることができる作用を呈する。なお、本発明は、燃焼物が極微粒子となって拡散し対空気との接触面積が著しく拡大し、その結果、燃焼効率が著しく上がり、未燃焼の炭素濃度が極めて希釈になり、ダイオキシン生成の絶対条件である、ベンゼン核の形成が極めて難しくなり、結果としてダイオキシン生成が阻止される作用を呈するものである。
【0014】
次に、請求項2の発明は、燃焼炉1に、第三タンクT3内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー6と、エジェクター装置8を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー7とを設け、上記第一バーナー6には、切替装置9を介して、上記第三タンクT3内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置30と、第二タンクT2内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置40とを連結し、上記第二バーナー7のエジェクター8には、圧縮空気供給装置10と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置20とを連結し、上記エマルジョン化燃料供給装置20の水を混合する装置は、通常の水の供給源21と、塩基水溶液供給源22と、この両者の切替装置23とで構成し、該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー20による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉1内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになし、さらに、上記燃焼炉1を含む、排煙路Rには塩素および窒素酸化物の検出センサーS1を設け、このセンサーS1が塩素および窒素酸化物の発生を検出すると、前記切替装置23を作動して、エマルジョン化燃料の原料液に塩基水溶液供給源22の塩基水溶液を使用するようになした技術的手段を講じたものである。
【0015】
それ故、本発明粗悪油燃料のクリーン燃焼装置は、前記請求項1の作用に加えて、エマルジョン化燃料の原料水に塩基水溶液供給源22の塩基水溶液(塩基性物質の水溶液)を使用するようになしたので、この塩基水溶液が粗悪燃料油中に含まれる有害ガスの発生元となる酸基成分と中和反応し、中和塩として析出することでダイオキシンの発生と共に、有害酸基ガスの発生を防ぐ作用を呈するものである。
【0016】
なお、この中和反応は、高温燃焼雰囲気中で行われるので確実性がある(反応性が高い)と共に、エマルジョン中に微粒子として混入する微少水滴(液滴)が爆発的に膨張して極微少化されるので、気液接触効率が高く、中和反応の蓋然性を高め、確実な中和反応が保証される作用を呈するものである。
【0017】
次に、請求項3の発明は、燃焼炉1に、第三タンクT3内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー6と、エジェクター装置8を有して所定の外気混合量のもとに燃焼油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー7とを設け、上記第一バーナー6には、切替装置9を介して、上記第三タンクT3内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置30と、第二タンクT2内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置40とを連結し、上記粗悪燃料供給装置40の下流部位には、粗悪燃料を加熱貯留する加熱タンク42を介装し、さらに、該加熱タンク42には粗悪燃料に、第一タンクT1の流動性の高い燃料油を注入する希釈燃料注入路R1を連結し、上記第二バーナー7のエジェクター8には、圧縮空気供給装置10と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置20とを連結し、上記エマルジョン化燃料供給装置20の水を混合する装置は、通常の水の供給源21と、塩基水溶液供給源22と、この両者の切替装置23とで構成し、該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー6による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉1内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになし、さらに、上記燃焼炉1を含む、排煙路Rには塩素および窒素酸化物の検出センサーS1を設け、このセンサーS1が塩素および窒素酸化物の発生を検出すると、前記切替装置23を作動して、エマルジョン化燃料の原料液に塩基水溶液供給源22の塩基水溶液を使用するようになした技術的手段を講じたものである。
【0018】
それ故、本発明粗悪油燃料のクリーン燃焼装置は、前記請求項2の作用に、さらに加えて、粗悪燃料を加熱貯留する加熱タンク42と、粗悪燃料に流動性の高い燃料油を混合する希釈燃料注入路R1とを設けてあるので、粗悪燃料が高粘度のもの(流動性の低いもの)であっても、これを低粘度化して、燃料として使用可能とすることができる作用を呈する。
【0019】
次に、請求項4の発明は、燃焼炉1と、この燃焼炉1に連続するアフターバーナー炉1aとを有し、このアフターバーナー炉1aは断熱材で覆うと共に、内壁には酸化防止剤を塗布し、上記燃焼炉1に、第三タンクT3内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー6と、エジェクター装置8を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー7とを設け、また、上記アフターバーナー炉1aには、上記気液二流体式の第二バーナー7と同様な第三バーナー7aを設け、上記第一バーナー6には、切替装置9を介して、上記第三タンクT3内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置30と、第二タンクT2内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置40とを連結し、上記第二バーナー7のエジェクター8には、圧縮空気供給装置10と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置20とを連結し、上記エマルジョン化燃料供給装置20の水を混合する装置は、通常の水の供給源21と、塩基水溶液供給源22と、この両者の切替装置23とで構成し、該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー20による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉1内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになし、さらに、上記アフターバーナー炉1aでは、常時又は、上記燃焼炉1を含む排煙路R1に設けた塩素および窒素酸化物の検出センサーS1を設け、このセンサーS1が塩素および窒素酸化物の発生を検出した際に、上記第三バーナー7aでもエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を行うようになすと共に、前記切替装置23を作動して、エマルジョン化燃料の原料水に塩基水溶液供給源22の塩基水溶液を使用するようになした技術的手段を講じたものである。
【0020】
それ故、本発明粗悪油燃料のクリーン燃焼装置は、蓄熱槽となるアフターバーナー炉1aを有し、このアフターバーナー炉1a内で、第三バーナー6aでエマルジョン化燃料の燃焼を行うので、該アフターバーナー炉1a内の温度を超高温化(1800℃)に保持できる作用を呈し、このような超高温雰囲気では、炭素分は尽く燃え尽き、未燃焼炭素が皆無の状態となり、ダイオキシンの発生が抑止される作用を呈するものである。
【0021】
また、このような超高温雰囲気では、酸基物質が燃焼物から切り離され、浮遊し、この酸基物質がエマルジョン燃料中の塩基物質と中和反応して中和塩として析出し、塩素、硫黄酸化物、窒素酸化物の発生を効率的に阻止する作用を呈するものである。
【0022】
なお、アフターバーナー炉1aを断熱材で覆うと、その内部での酸化力はその分高まり、ダイオキシンのベンゼン核をも効率的に破砕する作用を呈するものであった。
【0023】
【実施例】
次に、本発明の実施例を添付図面にもとずいて詳細に説明する。図中、1が燃焼炉、2がこの燃焼炉1の発生熱源を利用して高温蒸気を製造するボイラーである。そして、このボイラー2の排気口には煙道Rが連設され、この煙道Rの途中には、燃焼炉1の排気中の粉塵を捕集するサイクロン集塵機3と、スクラバー4(湿式集塵機)とが介装され、燃焼炉1の排気は、これらサイクロン集塵機3とスクラバー4とで処理された後、煙突5より大気中に放出されるようになしてあるのは、この種燃焼炉として従来と同じである。なお、図1のサイクロン集塵機3とスクラバー4とは、電気集塵機やバッグフィルター等他の方式の集塵機に代えてもよいのは無論である。
【0024】
そして、本発明は、燃焼炉1に、第三タンクT3内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー6と、エジェクター装置8を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー7とを設けてある。該第三タンクT3内には灯油又はA重油(本願では、一般燃料と称する。)が収納・貯蔵されてなり、この第三タンクT3と第一バーナー6とは第三流路R3で連通されるようになしてある。また、上記エジェクター装置8は圧縮空気を噴射する流路と、この圧縮空気の噴射部に生ずる負圧で液体を吸引して、圧縮空気と共に噴霧される流路とが同芯状に設けられた従来公知なものが使用できる。
【0025】
そして、上記第一バーナー6には、切替装置9を介して、上記第三タンクT3内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置30と、第二タンクT2内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置40とを連結してある。この通常燃料供給装置30は第三ポンプP3で構成され、この第三ポンプP3で構成された通常燃料供給装置30を、前記した第三タンクT3と第一バーナー6とを連通する第三流路R3の途中に介装してある。また、上記粗悪燃料供給装置40は、粗悪燃料を収納、貯蔵する第二タンクT2と第一バーナー6とを連通する第二流路R2の途中に介装されてなり、本実施例では、上流側より、固形分M1とドレーン水M2とを除去する濾過・沈殿槽41、加熱タンク42(省略可)、第二ポンプP2、貯留槽43とが順に介装されて構成されてなる。なお、上記通常燃料供給装置30と粗悪燃料供給装置40とには、図示はしていないが、共に流量を所定に保つ流量調整部を介装することが望ましいのは無論である。
【0026】
上記第二流路R2と第三流路R3とは、途中で合流しその下流側が第一バーナー6に連結されるが、この合流部位の上流部位第二流路R2を開閉する弁体B1と、第三流路R3を開閉する弁体B2とが介装され、この両弁体B1,B2で、前記切替装置9が構成され、通常燃料供給装置30と粗悪燃料供給装置40とが適宜切り替えて第一バーナー6に連通できるようになしてある。
【0027】
また、上記第二バーナー7のエジェクター8には、圧縮空気供給装置10と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置20とを連結してある。上記圧縮空気供給装置10は、従来公知なコンプレッサー(無論、必要に応じて圧縮空気貯蔵槽を連結する。)等で構成され、その吐出口をエジェクター8の一方の流入口に空気流路R4で連結する。なお、この空気流路R4には圧力調整弁等を介装して、圧送空気量を調整可能となしておくとよい。
【0028】
また、上記エマルジョン化燃料供給装置20は、前記第三タンクT3とエジェクター8のもう一方の流入口とを連通するメイン流路R0の途中に介装され、通常燃料に界面活性剤と水(必要時は、塩基水溶液)とを混合して、燃料をエマルジョン化するようになしてある。この、エマルジョン化燃料供給装置20の具体例として、図示例では、メイン流路R0の途中に上流から、第一攪拌槽24、第二攪拌槽25、第三攪拌槽26、定量供送装置27が順に連結して構成されている。
【0029】
上記攪拌槽24,25,26を多段式に連結した理由は、通常燃料に界面活性剤と水とを一度に混合することが非効率的であることによるもので、先ずは、第一攪拌槽24で、通常燃料に界面活性剤タンクT4内の界面活性剤を所定量注入して、この第一撹拌槽24で充分攪拌してゲル状物とする。次に、このゲル状物を第二攪拌槽25に送り、この第二攪拌槽25で少量の水(質量比で20%)を注入して、濃厚エマルジョン化を行う。なお、この加水は商用水道水等を使用すればよい。
【0030】
次いで、上記の濃厚エマルジョンは第三攪拌槽26に送られ、この第三撹拌槽26で質量比60%の加水が行われ、攪拌してエマルジョン化燃料が得られるようになしてある。なお、このエマルジョン化燃料は燃料油の中に水の分子が、常態では分離することなく、小さな粒状に均一に分散混在する状態となしているのは無論である。
【0031】
また、上記定量供送装置27は、エマルジョン化燃料を、設定した量を順次第二バーナー7側に送り込むもポンプ状のものが使用される。
【0032】
そして、本発明は、該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー6による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉1内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになしている。すなわち、本発明は該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー6による通常燃焼を行うもので、この段階では従来の燃焼炉と全く変わることはないが、この通常燃料供給装置30よりの燃料での運転は予熱運転(さらに特定するなら、前段予熱運転)に止めている。
【0033】
そして、上記通常運転で炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7に着火して、エマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行する。すなわち、炉内温度が800℃以上で通常燃料とエマルジョン化燃料との混焼が行われる。エマルジョン化燃料は、本実施例では前記したように質量比60%の水を含んでいるので、通常の状態ではその分(含水量の分)難燃性となり、燃焼炉1での燃焼がうまく生じない。しかし、炉内温度が800℃を超えると、エマルジョン化燃料中の水は即座に、爆発的に膨張し、通常燃料を粉砕して飛散させる。すなわち、通常燃料がエマルジョン中の水で極微少化され、燃焼し易い条件を整える。難燃性の原因となる水が、炉内温度を上げることで燃焼促進機能を発揮するようになすもので、水粒子をできるだけ細かくして、均一に通常燃料中に混入することで、この炉内温度条件が緩和されるもので、種々実験の結果、加水量は質量比60%程度、炉内温度800℃程度が最も効率的であることを確認した。
【0034】
上記エマルジョン化燃料の燃焼は、一度燃焼が成立すると、含有する水が前記したような燃焼促進機能を発揮し、通常燃料の通常運転を超える発熱量が得られるもので、該通常運転とエマルジョン化燃料の燃焼との並行で、炉内温度は極短時間で、温度上昇する。そこで、炉内温度が1000℃以上(この温度条件が、後段余熱温度となる。)となったら、エマルジョン化燃料の燃焼のみで、十分炉内温度を保持できる燃焼が確保できる。そこで、このような条件が保証できるようになったら、切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになす。
【0035】
上記粗悪燃料の燃焼量(供送量)をいかに制御するのが望ましいかというと、この燃焼量適量条件は、粗悪燃料の性状によって大きく影響される。そこで、本実施例では、炉内温度を所定に保つことを条件に、粗悪燃料の燃焼量決定した。すなわち、エマルジョン化燃料の燃焼のみでは炉内温度が1500℃程度まで上昇させることが可能であったが、粗悪燃料を混焼するとその性状と供送量とによって炉内温度の低下が生ずる。そして、炉内温度を800℃〜1500℃の範囲(望ましくは1000℃以上)に制御することが、最も排気が清浄となるものであった。
【0036】
次に、請求項2の発明は、燃焼炉1に、第三タンクT3内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー6と、エジェクター装置8を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー7とを設け、上記第一バーナー6には、切替装置9を介して、上記第三タンクT3内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置30と、第二タンクT2内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置40とを連結し、上記第二バーナー7のエジェクター8には、圧縮空気供給装置10と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置20とを連結してあるのは、請求項1の構成と同じである。
【0037】
そして、本発明は上記エマルジョン化燃料供給装置20の水を混合する装置は、通常の水の供給源21と、塩基水溶液供給源22と、この両者の切替装置23とで構成している。最も入手し易い水は、通常商用水道で、本発明もエマルジョン化燃料に使用する水は主にこの商用水道水(その他、雨水、本発明装置の各部位ドレーン水)を使用する。しかし、本発明では、無論この商用水道水を主に使用するも、別途塩基水溶液供給源22に塩基水溶液(水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等)を用意してあり、エマルジョン用の水に通常の水と、塩基水溶液とが切り替えて利用できるようになしてある。
【0038】
そして、該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー20による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉1内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになしているのは請求項1と同じであるが、本発明では、さらに、上記燃焼炉1を含む、排煙路Rには塩素および窒素酸化物の検出センサーS1を設け、このセンサーS1が塩素および窒素酸化物の発生を検出すると、前記切替装置23を作動して、エマルジョン化燃料の原料液に塩基水溶液供給源22の塩基水溶液を使用するようになしている。
【0039】
上記塩素および窒素酸化物の検出センサーS1としては、検知電極(通常、特定のガスに大きく反応する触媒機能を有した金属が使用される。)と相手電極(一般的に検知電極とは異質の金属製)との間にガスが存在することで、両電極間の電圧値が変化するもの等、従来公知なものが使用できる。そして、図示例ではこの検出センサーS1を、燃焼炉1に設けているが、ボイラー2の下流側で排気ガスの温度が低下した部位に設けても無論差し支えない。そして、この検出センサーS1で塩素および窒素酸化物の発生が検出されると、切替装置23を作動して、混焼しているエマルジョン化燃料の混合液を、水ではなく塩基水溶液を使用するようになす。
【0040】
燃焼炉1内に、塩基水溶液を直接噴霧したところ、800℃の炉内温度が600℃以下に低下し、排ガス中の塩素濃度および、酸化窒素濃度には全く変化が認められなかった。しかし、この塩基水溶液をエマルジョン化燃料中に混入したところ、顕著な排気清浄化効果が確認できた。この清浄化効果は、前記したように、水の添加が燃焼阻害原因とならず、燃焼促進機能を有して、炉内温度を低下させないことによる反応条件の確保と、塩基水溶液が順次に爆発的に膨張して、水蒸気となって周辺に飛散することで、塩素や酸基物質との接触の蓋然性が高まるためであるものと推考される。
【0041】
次に、請求項3の発明は、燃焼炉1に、第三タンクT3内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー6と、エジェクター装置8を有して所定の外気混合量のもとに燃焼油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー7とを設け、上記第一バーナー6には、切替装置9を介して、上記第三タンクT3内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置30と、第二タンクT2内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置40とを連結してあるのは、請求項1及び請求項2と同じ構成である。
【0042】
そして、本発明は上記粗悪燃料供給装置40の下流部位には、粗悪燃料を加熱貯留する加熱タンク42を介装し、さらに、該加熱タンク42には粗悪燃料に、第一タンクT1の流動性の高い燃料油を注入する希釈燃料注入路R1を連結してある。すなわち、タールのような流動性が低い油も、できれば燃料として有効に使用したい。そして、このような流動性が低い油は加熱することで流動化できるが、そのままで燃焼させることは以外と難しく、さらには、排気に有害物が混じらないように清浄な燃焼を行うことは非常に困難であった。そこで、加熱した状態で流動性の高い油と混ぜることで、燃焼し易くなしたものであるが、ここでの流動性の高い燃料油としてはC重油程度で充分であった。すなわち、図中、第一タンクT1にはC重油が貯蔵され、この第一タンクT1と加熱タンク42とを第一流路R1で連通し、この第一流路R1の途中に第一タンクT1内の油を加熱タンク42内に注入する第一ポンプP1を設けてなる。なお、この加熱タンク42には、電熱装置等の図示しない加熱装置が設けられるのは無論で、この加熱タンク42を含む、その上流側又は下流側の流路の必要部位は、断熱材で被包して、加熱状態を安定的に保持するようになすとよい。
【0043】
そして、上記第二バーナー7のエジェクター8には、圧縮空気供給装置10と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置20とを連結し、上記エマルジョン化燃料供給装置20の水を混合する装置は、通常の水の供給源21と、塩基水溶液供給源22と、この両者の切替装置23とで構成し、該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー6による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉1内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになし、さらに、上記燃焼炉1を含む、排煙路Rには塩素および窒素酸化物の検出センサーS1を設け、このセンサーS1が塩素および窒素酸化物の発生を検出すると、前記切替装置23を作動して、エマルジョン化燃料の原料液に塩基水溶液供給源22の塩基水溶液を使用するようになしてあるのは、前記請求項2の構成と同じである。
【0044】
次に、請求項4の発明は、燃焼炉1と、この燃焼炉1に連続するアフターバーナー炉1aとを有し、このアフターバーナー炉1aは断熱材で覆うと共に、内壁には酸化防止剤を塗布してある。通常、アフターバーナー炉1aは排気の処理のために設けられるので、煙道の下流側に設けることが多いが、本発明では、燃料油の有効利用を目的とするため、この燃焼をも熱源として利用するよう、燃焼路1に連続し、ボイラー2より上流側に設けてある。
【0045】
また、上記アフターバーナー炉1aは、激しい燃焼で完全燃焼を目標とするため、断熱材で覆ってある。そして、このアフターバーナー炉1aには、後記する第三バーナー7aを設け、この第三バーナー7aでエマルジョン化燃料を燃焼させることで、炉内温度1000℃〜1800℃に保つことができ、このような、高温燃焼を行うと炉内壁の損傷が激しいため、内壁保護の目的で内壁には酸化防止剤を塗布してある。
【0046】
そして、上記燃焼炉1に、第三タンクT3内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー6と、エジェクター装置8を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー7とを設けてなるのは、請求項1乃至請求項3の発明と同じであるが、本発明では、上記アフターバーナー炉1aには、上記気液二流体式の第二バーナー7と同様な第三バーナー7aを設けてある。なお、図2実施例では、このアフターバーナー炉1aの炉内温度が超高温状態を安定的に確保できるため、このアフターバーナー炉1aに第一バーナー6と同様の第4バーナー6aを設けて、粗悪燃料油をこのアフターバーナー炉1a内でも燃焼するようになしてあるが、この第4バーナー6aは省略してもよい。
【0047】
なお、図2には、燃焼炉1に、固形分投入口1aを設けている。この固形分投入口1aには、可燃固形物を投入して、焼却炉1で焼却するためのもので、前記した濾過・沈殿槽41で分離した固形分M1が可燃性物質である場合、これを投入して燃焼させることを主たる目的としたものである。
【0048】
そして、上記第一バーナー6には、切替装置9を介して、上記第三タンクT3内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置30と、第二タンクT2内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置40とを連結し、上記第二バーナー7のエジェクター8には、圧縮空気供給装置10と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置20とを連結し、上記エマルジョン化燃料供給装置20の水を混合する装置は、通常の水の供給源21と、塩基水溶液供給源22と、この両者の切替装置23とで構成し、該燃焼炉1に点火当初は、通常燃料供給装置30よりの燃料供給で第一バーナー20による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉1内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー7でエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉1内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー6は粗悪燃料供給装置40からの粗悪燃料の燃焼を行うようになしてあるのは、前記請求項3の構成と同じである。
【0049】
さらに、本発明は、上記アフターバーナー炉1aでは、常時又は、上記燃焼炉1を含む排煙路R1に設けた塩素および窒素酸化物の検出センサーS1を設け、このセンサーS1が塩素および窒素酸化物の発生を検出した際に、上記第三バーナー7aでもエマルジョン化燃料供給装置20よりのエマルジョン化燃料の燃焼を行うようになすと共に、前記切替装置23を作動して、エマルジョン化燃料の原料水に塩基水溶液供給源22の塩基水溶液を使用するようになしている。
【0050】
すなわち、本発明では、アフターバーナー炉1a内で、燃焼効率の高いエマルジョン化燃料の燃焼を行い、通常燃焼に比較しては超高温な炉内温度となし、炭素を確実に燃焼させ、ダイオキシンの発生を防ぐと共に、塩基水溶液との反応条件の良さを保証しようとするものである。なお、このアフターバーナー炉1aは小容量とすることで、燃料の使用量が少なく炉内温度を超高温に保つことができるので、常時この第三バーナー7aでの燃焼を行ってもよいが、より経済的には、センサーS1が塩素および窒素酸化物の発生を検出した際にのみ、自動着火し、センサーS1が塩素および窒素酸化物の発生を検出しなくなると自動消火するようになすとよい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項4の発明によると、廃油、硫黄ピッチ等の、従来、厄介者扱いとされている粗悪な油を、ダイオキシン及び有害酸基ガスの発生を防止しつつ、その保有カロリーを有効に活用できるようになす粗悪油燃料のクリーン燃焼装置を提供できるものである。
【0052】
特に、請求項2の発明によると、エマルジョン化燃料の原料液に塩基水溶液供給源22の塩基水溶液を使用するようになしたので、塩基物質が効率的な燃焼条件に伴う高温雰囲気にあって、かつ、塩基水溶液の急激な爆発的膨張に伴う破裂・分散で、燃焼雰囲気中にある酸基ガスとの接触の蓋然性を高め、これら、酸基ガスに発生を確実に中和反応して、自然環境への排出を抑止できる粗悪油燃料のクリーン燃焼装置を提供できるものである。
【0053】
また、請求項3の発明によると、加熱タンク42には粗悪燃料に、第一タンクT1の流動性の高い燃料油を注入する希釈燃料注入路R1とを設けてなるので、粗悪燃料油によくある流動性の低い粗悪油も燃料できる粗悪油燃料のクリーン燃焼装置を提供できるものである。
【0054】
さらに、請求項4の発明によると、アフターバーナー炉1による、超高温二次燃焼で、有害物質の生成を余裕を持って抑止できるので、より多くの清浄の粗悪燃料油の安全な燃焼が可能となる粗悪油燃料のクリーン燃焼装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明粗悪油燃料のクリーン燃焼装置の一実施例を示す、一部断面正面図である。
【図2】別の実施例における、燃焼炉部位の断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼炉
1a アフターバーナー炉
6 第一バーナー
7 第二バーナー
7a 第三バーナー
8 エジェクター装置
9 切替装置
10 圧縮空気供給装置
20 エマルジョン化燃料供給装置
22 塩基水溶液供給源
23 切替装置
30 通常燃料供給装置
40 粗悪燃料供給装置
S1 センサー
T1 第一タンク
T2 第二タンク
T3 第三タンク
R1 排煙路
Claims (4)
- 燃焼炉(1)に、第三タンク(T3)内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー(6)と、エジェクター装置(8)を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー(7)とを設け、
上記第一バーナー(6)には、切替装置(9)を介して、上記第三タンク(T3)内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置(30)と、第二タンク(T2)内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置(40)とを連結し、
上記第二バーナー(7)のエジェクター(8)には、圧縮空気供給装置(10)と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置(20)とを連結し、
該燃焼炉(1)に点火当初は、通常燃料供給装置(30)よりの燃料供給で第一バーナー(6)による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉(1)内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー(7)でエマルジョン化燃料供給装置(20)よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉(1)内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置(9)を作動させて、第一バーナー(6)は粗悪燃料供給装置(40)からの粗悪燃料の燃焼を行うようになした粗悪油燃料のクリーン燃焼装置。 - 燃焼炉(1)に、第三タンク(T3)内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー(6)と、エジェクター装置(8)を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー(7)とを設け、
上記第一バーナー(6)には、切替装置(9)を介して、上記第三タンク(T3)内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置(30)と、第二タンク(T2)内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置(40)とを連結し、
上記第二バーナー(7)のエジェクター(8)には、圧縮空気供給装置(10)と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置(20)とを連結し、
上記エマルジョン化燃料供給装置(20)の水を混合する装置は、通常の水の供給源(21)と、塩基水溶液供給源(22)と、この両者の切替装置(23)とで構成し、
該燃焼炉(1)に点火当初は、通常燃料供給装置(30)よりの燃料供給で第一バーナー(20)による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉(1)内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー(7)でエマルジョン化燃料供給装置(20)よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉(1)内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置(9)を作動させて、第一バーナー(6)は粗悪燃料供給装置(40)からの粗悪燃料の燃焼を行うようになし、
さらに、上記燃焼炉(1)を含む、排煙路(R)には塩素および窒素酸化物の検出センサー(S1)を設け、このセンサー(S1)が塩素および窒素酸化物の発生を検出すると、前記切替装置(23)を作動して、エマルジョン化燃料の原料液に塩基水溶液供給源(22)の塩基水溶液を使用するようになした粗悪油燃料のクリーン燃焼装置。 - 燃焼炉(1)に、第三タンク(T3)内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー(6)と、エジェクター装置(8)を有して所定の外気混合量のもとに燃焼油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー(7)とを設け、
上記第一バーナー(6)には、切替装置(9)を介して、上記第三タンク(T3)内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置(30)と、第二タンク(T2)内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置(40)とを連結し、
上記粗悪燃料供給装置(40)の下流部位には、粗悪燃料を加熱貯留する加熱タンク(42)を介装し、さらに、該加熱タンク(42)には粗悪燃料に、第一タンク(T1)の流動性の高い燃料油を注入する希釈燃料注入路(R1)を連結し、
上記第二バーナー(7)のエジェクター(8)には、圧縮空気供給装置(10)と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置(20)とを連結し、
上記エマルジョン化燃料供給装置(20)の水を混合する装置は、通常の水の供給源(21)と、塩基水溶液供給源(22)と、この両者の切替装置(23)とで構成し、
該燃焼炉(1)に点火当初は、通常燃料供給装置(30)よりの燃料供給で第一バーナー(6)による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉(1)内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー(7)でエマルジョン化燃料供給装置(20)よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉(1)内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置9を作動させて、第一バーナー(6)は粗悪燃料供給装置(40)からの粗悪燃料の燃焼を行うようになし、
さらに、上記燃焼炉(1)を含む、排煙路(R)には塩素および窒素酸化物の検出センサー(S1)を設け、このセンサー(S1)が塩素および窒素酸化物の発生を検出すると、前記切替装置(23)を作動して、エマルジョン化燃料の原料液に塩基水溶液供給源(22)の塩基水溶液を使用するようになした粗悪油燃料のクリーン燃焼装置。 - 燃焼炉(1)と、この燃焼炉(1)に連続するアフターバーナー炉(1a)とを有し、このアフターバーナー炉(1a)は断熱材で覆うと共に、内壁には酸化防止剤を塗布し、
上記燃焼炉(1)に、第三タンク(T3)内の燃料油を噴射燃焼する通常の第一バーナー(6)と、エジェクター装置(8)を有して所定の外気混合量のもとに燃料油の噴射燃焼を行う気液二流体式の第二バーナー(7)とを設け、また、上記アフターバーナー炉(1a)には、上記気液二流体式の第二バーナー(7)と同様な第三バーナー(7a)を設け、
上記第一バーナー(6)には、切替装置(9)を介して、上記第三タンク(T3)内の通常燃料を供給する通常燃料供給装置(30)と、第二タンク(T2)内の粗悪燃料を供給する粗悪燃料供給装置(40)とを連結し、
上記第二バーナー(7)のエジェクター(8)には、圧縮空気供給装置(10)と、燃料に界面活性剤と水とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化燃料供給装置(20)とを連結し、
上記エマルジョン化燃料供給装置(20)の水を混合する装置は、通常の水の供給源(21)と、塩基水溶液供給源(22)と、この両者の切替装置(23)とで構成し、
該燃焼炉(1)に点火当初は、通常燃料供給装置(30)よりの燃料供給で第一バーナー(20)による通常燃焼を行い、この通常燃焼で燃焼炉(1)内の炉内温度が800℃以上となったら、上記第二バーナー(7)でエマルジョン化燃料供給装置(20)よりのエマルジョン化燃料の燃焼を並行し、該燃焼炉(1)内の炉内温度が1000℃以上となったら、上記切替装置(9)を作動させて、第一バーナー(6)は粗悪燃料供給装置(40)からの粗悪燃料の燃焼を行うようになし、
さらに、上記アフターバーナー炉(1a)では、常時又は、上記燃焼炉(1)を含む排煙路(R1)に設けた塩素および窒素酸化物の検出センサー(S1)を設け、このセンサー(S1)が塩素および窒素酸化物の発生を検出した際に、上記第三バーナー(7a)でもエマルジョン化燃料供給装置(20)よりのエマルジョン化燃料の燃焼を行うようになすと共に、前記切替装置(23)を作動して、エマルジョン化燃料の原料水に塩基水溶液供給源(22)の塩基水溶液を使用するようになした粗悪油燃料のクリーン燃焼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003026707A JP3911577B2 (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 粗悪油燃料のクリーン燃焼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003026707A JP3911577B2 (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 粗悪油燃料のクリーン燃焼装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004239462A JP2004239462A (ja) | 2004-08-26 |
JP3911577B2 true JP3911577B2 (ja) | 2007-05-09 |
Family
ID=32954624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003026707A Expired - Fee Related JP3911577B2 (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 粗悪油燃料のクリーン燃焼装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3911577B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4555982B2 (ja) * | 2003-07-07 | 2010-10-06 | Dowaエコシステム株式会社 | 硫酸ピッチの処理方法 |
JP4549328B2 (ja) * | 2006-08-25 | 2010-09-22 | 新興プランテック株式会社 | 副生油処理装置及び副生油処理方法 |
ITMI20072290A1 (it) * | 2007-12-06 | 2009-06-07 | Itea Spa | Processo di combustione |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003026707A patent/JP3911577B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004239462A (ja) | 2004-08-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4185289B2 (ja) | 産業用燃焼設備を利用した廃液の焼却処理方法および混合液体 | |
CN102537972B (zh) | 干馏气化焚烧处理装置 | |
JP2014500942A (ja) | 排ガスの焼却におけるNOx排出を低減する方法および装置 | |
CN103868080A (zh) | 大流量低热值有害废气焚烧处理工艺 | |
JP3957737B1 (ja) | Pcb等の難燃性高粘度廃棄物の燃焼システム | |
JP3911577B2 (ja) | 粗悪油燃料のクリーン燃焼装置 | |
CN106765210A (zh) | 一种炼厂有机废气的焚烧处理方法及装置 | |
CN112283725A (zh) | 一种直燃式废气焚烧系统工艺 | |
CN1259523C (zh) | 处理高浓度有机废液的双温双床气化氧化流化床焚烧炉 | |
JP3033015B2 (ja) | 半乾留ガス化焼却方法及び装置 | |
JP2004239509A (ja) | 廃棄物焼却炉の燃焼制御方法及び廃棄物焼却炉 | |
JP3489966B2 (ja) | 焼却炉 | |
JP6286516B1 (ja) | 焼却装置 | |
JP3364112B2 (ja) | 焼却炉およびその燃焼方法 | |
WO2001077584A1 (fr) | Procede de combustion utilisant de l'eau | |
JP3014953B2 (ja) | 焼却炉 | |
CN221222728U (en) | Hydrogen sulfide gas safety treatment device | |
CN202532500U (zh) | 一种废液废气焚烧炉 | |
CN214147933U (zh) | 直燃式废气焚烧系统工艺装置 | |
JP4549328B2 (ja) | 副生油処理装置及び副生油処理方法 | |
KR100497059B1 (ko) | 외부 가진형 캐비티 소각기 | |
MX2008002067A (es) | Metodos y sistemas para remover mercurio del gas de chimenea de combustion. | |
CN102537981A (zh) | 一种废液废气焚烧炉 | |
JP2005226981A (ja) | 有機ハロゲン化合物燃焼分解方法およびその装置 | |
JPH10220720A (ja) | 焼却炉における低nox 燃焼方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD12 | Notification of acceptance of power of sub attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7432 Effective date: 20060105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060302 |
|
A072 | Dismissal of procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073 Effective date: 20061003 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061017 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070111 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |