JP3911472B2 - フェイスマスク - Google Patents

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  • Respiratory Apparatuses And Protective Means (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダイビングなどで使用するのに好適なフェイスマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダイビングなどに使用するフェイスマスクにおいて、バックルを介してヘッドバンドを長さ調節可能にフェイスマスクのレンズフレームに連結することはよく知られている(特許文献1参照)。また、このようなマスクの装着時のフィット性を向上させるために、バックルをレンズフレームに対して回動させるこができるフェイスマスクがある(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−218869号公報(図1)
【特許文献2】
特開平9−132193号公報(図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
バックルが回動する前記従来のフェイスマスクでは、ヘッドバンドの位置が着用者の好みの位置となるように調整することが容易であるが、フェイスマスクを着用している間にバックルが回動して、ヘッドバンドが調整した位置からずれることがあり、ヘッドバンドを好みの位置に長く保持することが困難であるという場合があった。
【0005】
この発明が課題とするのは、フェイスマスクを着用したときに、頭部に掛け回したヘッドバンドの位置を容易に調整することができ、尚且つ、そのヘッドバンドを調整後の位置に固定することが可能なフェイスマスクの提供である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のために、この発明が前提とするのは、前面レンズと、前記前面レンズから後方へ延びるスカートと、前記レンズの周縁部に前記スカートの前端部を固定するレンズフレームと、頭部に掛け回すヘッドバンドと、前記ヘッドバンドの両端部それぞれの長さを調節可能であって前記レンズフレームの側部に回動可能に取り付けられるバックルとを有するフェイスマスクである。
【0007】
かかる前提において、この発明が特徴とするところは、前記レンズフレーム側部と前記バックルとに、前記側部に対して前記バックルを所定の回動角度で保持することができるように互いに係脱する角度規制手段が形成されていること、にある。
【0008】
かかるこの発明には、次のような好ましい実施態様がある。
(1)前記規制手段が前記レンズフレーム側部に形成された第1係合部と前記バックルに形成されて前記第1係合部に係脱可能な第2係合部とからなり、これら第1、第2係合部の一方が凹部であり、他方が前記凹部に離脱可能に嵌合する凸部である態様。
(2)前記バックルが、前記レンズフレーム側部に形成された軸受部に離脱可能かつ回動可能に嵌合する軸部を備えた第1支持部材と、前記ヘッドバンドを介して前記第1支持部材と向かい合い、前記ヘッドバンドの長さ方向における一端部が前記第1支持部材に旋回可能に軸支されている第2支持部材と、前記第1、第2支持部材の間に介在して前記第2支持部材における前記一端部の反対端部を前記ヘッドバンドに圧接させることが可能なばね手段とからなり、前記第2係合部が前記ばね手段と一体に形成されている態様。
(3)前記ばね手段が、前記ヘッドバンドの幅方向に延びて前記第1、第2支持部材のそれぞれに圧接する第1ばね部と、前記第1ばね部から前記ヘッドバンドの長さ方向に延びて前記レンズフレーム側部に形成された前記第1係合部に弾性的に係脱する第2ばね部とからなる態様。
(4)前記第1、第2係合部の少なくとも一方が前記第1支持部材の前記軸部を中心とする同一円周上に複数形成されている態様。
(5)前記レンズフレームおよび前記バックルのいずれかには、前記フェイスマスク使用中に前記バックルが前記レンズレームから離脱可能な位置にまで回動することを阻止するストッパー手段が設けられている態様。
【0009】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、この発明に係るフェイスマスクの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0010】
図1,2は、この発明に係るダイビング用のフェイスマスクの正面図と側面図である。フェイスマスク1は、図1において左右対称に形成されているもので、一枚の前面レンズ2と、スカート3と、スカート3の前端部をレンズ2の周縁部に固定するレンズフレーム4と、マスク着用者の頭部に掛け回すヘッドバンド6と、ヘッドバンド6の両端部6Aそれぞれをフレーム4の側部4Aに長さ調節可能に連結するバックル7とを有する。バックル7の一部分はレンズフレーム4に着脱する側部カバー8で覆われている。このフェイスマスク1を着用するときには、スカート3の後端部を顔面に当ててヘッドバンド6を頭部に掛け回す。図2において、レンズ2に直交する水平線Hに沿っての後方へ延びているヘッドバンド6は、バックル7を時計回りおよび反時計回りに回動させることによって、仮想線の如く、レンズフレーム4に対する角度を様々に変えて、フェイスマスク着用者の好みの位置を選ぶことができる。
【0011】
図3,4は、フェイスマスク1の斜視図と部分分解斜視図である。マスク1のフレーム4は、その側部4Aに形成された上下一対の透孔5において側部カバー8を着脱可能であって、そのカバー8が図3では取り外された状態にあり、図4では図示を省略されている。バンド6は、ゴムやプラスチックエラストマーなどの柔軟弾性材料で形成されており、マスク着用者の頭部の周り方向へ延びる長さ方向と、図の上下方向へ延びる幅方向と、これら両方向に直交する厚さ方向とを有し、両端部6Aの一側面には、長さ方向に並び、上下方向へ長く延びる複数の第1係合歯12が形成されている。バックル7は、第1支持部材21と、第2支持部材22と、第1、第2支持部材21,22間に介在するばね部材23とからなる。ばね部材23は、ねじ52によって第1支持部材21に固定されている。第2支持部材22は、バンド6の幅方向へ延びる軸部29が矢印M方向から第1支持部材21の軸受部49に嵌合することによって、軸部29を中心に矢印A方向および矢印B方向へ旋回可能に第1支持部材21に支えられている。バンド6は、後方から前方へ向かって延びた端部6Aがバックル7において折り返されてフェイスマスク1の後方へ向かい、収束具43により束ねられている。
【0012】
図4において、フレーム側部4Aには、透孔26と透孔26を中心とする同一円周上に複数の凹部54とが形成されている。透孔26には、径方向において互いに向き合う一対のストッパー案内溝46が形成されている。バックル7の第1支持部材21は、フレーム4の側部4Aに平行な平坦なプレート部47と、プレート部47の前端部分に形成された壁38と、プレート部47と一体であって後方へ延びる互いに平行な一対の側壁部48A,48Bとを有する。側壁部48A,48Bに形成されている軸受部49は、円弧状の凹面を有する。プレート部47のフレーム側部4Aと向かい合う面には円筒状の軸部24が形成され、軸部24からは径方向外方へ一対のストッパー27が延びている。軸部24とストッパー27とを軸受部となるフレーム側部4Aの透孔26とストッパー案内溝46とに矢印R方向から進入させて、第1支持部材21を時計方向、即ち、図の矢印S方向へ回動させると、ストッパー27がフレーム側部4Aにマスク1の内側から当接して、第1支持部材21がフレーム側部4Aに回動可能に取り付けられる(図5参照)。第1支持部材21の後端部では、バンド6の幅方向へ延びるピン28にバンド6の端部6Aが掛け回されている。
【0013】
バックル7の第2支持部材22は、図の上下方向へ延びる軸部29と、軸部29からマスク1の後方へ延びる第1腕部31と、第1腕部31が延びる方向とは反対に軸部29から前方へ僅かに延びている第2腕部32とをしており、軸部29は矢印M方向から軸受部49に係合して第1支持部材21に支えられている(図3参照)から、第1腕部31の端部31Aに指を当てることによって、軸部29を中心に矢印Aおよび矢印B方向へ旋回させることが可能である。第2腕部32は、その先端部分33にばね部材23の後側壁37が圧接している(図3参照)。
【0014】
ばね部材23は、U字状断面を有してバンド6の幅方向へ長く延びる第1ばね部23Aと、第1ばね部23Aと直交してバンド6の長さ方向へ長く延びる第2ばね部23Bとを有する。第1ばね部23Aは、矢印Q方向から第1支持部材21の壁38と第2支持部材22の先端部分33との間に挿入される。第1ばね部23Aは、並列した前側壁36と後側壁37とを有し、これらが第1支持部材21の壁38と第2支持部材22の先端部分33とに、第1ばね部23AのU字の幅が狭くなるように弾性的に圧縮された状態で圧接している。かかる圧接によって、ばね部材23は第2支持部材22を矢印A方向へ旋回するように付勢している。第2ばね部23Bの後端部分には、フレーム側部4Aに向かって突出する凸部53が形成されており、この凸部53がフレーム側部4Aの凹部54に離脱可能に嵌合する(図5参照)。ばね部材23は、透孔51に進入させたねじ52を第1支持部材21のねじ穴50に螺合させることによって第1支持部材21に固定される。そのときの第2ばね部23Bは、第2支持部材22のコの字形切欠き部22Aに納まる。
【0015】
図5は、図3のV−V線に沿う断面図であるが、バンド6の一部分が側面図で示されている。バックル7は、第1支持部材21の軸部24がフレーム側部4Aの透孔26に進入し、ストッパー27が透孔26の周縁部にマスク1の内側(図の下方)から当接している。ばね部材23は、ねじ52によって第1支持部材21に固定され、一部分が仮想線で示されている第1ばね部23Aが第1支持部材21の前端部分を形成する壁38と第2支持部材22の前端部分33との間に介在している。第1ばね部23Aにおいて前方へ突出している小突起41は、第1支持部材21の壁38に形成された孔42に進入して、ばね部材23が第1、第2支持部材21,22間から抜け出ることを防止している。第2ばね部23Bは、その後端部分において図の下方へ延びる凸部53がフレーム側部4Aに形成された凹部54に嵌合しており、バックル7が軸部24を中心にして回動すると、図の上方、即ち、矢印T方向へ弾性変形しながら凸部53が凹部54から離脱する。第2支持部材22は、第1腕部31の内側に形成された第2係合歯35がバンド6に形成された第1係合歯12に第1ばね部23Aによる矢印A方向への付勢下に前方から当接し、バンド6が矢印P方向へ動くことを阻止している。第2支持部材22のこのような作用によって、バンド6は緩むことがない。バンド6は、その端部6Aを摘んでバンド6が矢印P方向とは反対の方向へ動くようにすると、第1係合歯12の傾斜面12Aが第1腕部31を矢印B方向(図3参照)へ押し上げながら移動して、頭部に対する締付けを強めることができる。
【0016】
図6は、図2の部分拡大図である。実線で示さていれるバックル7は、これに連結されているバンド6が水平線Hに沿って後方へ延びている。仮想線で示されているバックル7は、バンド6が上向きに延びるように反時計方向へ回動して、第2ばね部23Bの凸部53が、フレーム側部4Aにおいて同一円周上に並ぶ凹部54のうちで一番上に位置する凹部54A(図4参照)に嵌合している。フェイスマスク着用者が、実線で示されたバックル7を反時計方向へ回動させると、第2ばね部23Bが弾性変形し、凸部53は凹部54から外れて隣接する凹部54に嵌合し、バックル7の回動が停止する。バックル7にそれ以上力を加えなければ、バックル7はその位置に保持される。さらに力を加えてバックル7を反時計方向へ回動させると、凸部53が図4において一番上の凹部54Aに嵌合し、バンド6は図6に仮想線で示された位置に来る。バックル7は、時計方向にも回動することができる。このように、フェイスマスク1では、バックル7の第2ばね部23Bをフレーム側部4Aにおけるどの凹部54に嵌合させるかによって、水平線Hに対するバンド6の傾きの程度を変えることができる。
【0017】
フェイスマスク使用時におけるバックル7の回動は、凸部53が凹部54Aを越えてさらに回動しても、第1支持部材21の側壁部48Aがフレーム側部4Aに取り付けられているカバー8の側壁8A(図3,6参照)に当接すると停止する。また、時計方向へ回動するバックル7は、第1支持部材21の側壁部48Bがカバー8の側壁8Bに当接すると停止する。これら側壁8Aと8Bとの間でバックル7が回動している限り、バックル7のストッパー27はストッパー案内溝46と一致することがないので、バックル7はフレーム側部4Aから外れることがない。第2ばね部23Bの凸部53を第1係合部とし、フレーム側部4Aの凹部54を第2係合部とするこれら第1、第2係合部の形状は、互いに離脱可能に係合する適宜の形状に代えることができる。また、凸部53を凹部に代え、凹部54を凸部に代えることもできる。同一円周上に形成されて隣合う凹部54と凹部54との間の角度および凹部54の総数は、図示のものに限定されない。好ましくは、その角度を10〜20度にして3〜9個の凹部54をフレーム側部4Aに形成する。第2ばね部23Bにおける同一円周上に凸部53を複数形成することも可能である。
【0018】
この発明において、バックル7における第1、第2支持部材21,22には硬質プラスチックを使用することができる。ばね部材23には、硬質プラスチックやプラスチックエラストマー,ゴム,金属などを使用することができる。図示例において、一体に形成されている第1ばね部23Aと第2ばね部23Bとは別体で、互いに異なる材料で形成されていてもよい。フェイスマスク1は、ダイビング用のものとして使用できる他に、スキーやモーターバイク用のものとしても使用できる。
【0019】
【発明の効果】
この発明に係るフェイスマスクでは、レンズフレームとバックルとの間に回動角度規制手段を設けることにより、レンズフレームに回動可能に取り付けたバックルの回動角度を段階的に変化させられるから、ヘッドバンドは好みの位置に合わせることが容易であるばかりでなく、その位置からずれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェイスマスクの正面図。
【図2】フェイスマスクの側面図。
【図3】フェイスマスクの斜視図。
【図4】フェイスマスクの部分分解斜視図。
【図5】図3のV−V線断面図。
【図6】フェイスマスクの部分拡大図。
【符号の説明】
1 フェイスマスク
2 レンズ
3 スカート
4 レンズフレーム
6 ヘッドバンド
7 バックル
21 第1支持部材
22 第2支持部材
23 ばね手段(ばね部材)
23A 第1ばね部
23B 第2ばね部
24 軸部
26 軸受部(透孔)
53 第1係合部(凸部)
54 第2係合部(凹部)

Claims (6)

  1. 前面レンズと、前記前面レンズから後方へ延びるスカートと、前記レンズの周縁部に前記スカートの前端部を固定するレンズフレームと、頭部に掛け回すヘッドバンドと、前記ヘッドバンドの両端部それぞれの長さを調節可能であって前記レンズフレームの側部に回動可能に取り付けられるバックルとを有するフェイスマスクにおいて、
    前記レンズフレーム側部と前記バックルとに、前記側部に対して前記バックルを所定の回動角度で保持することができるように互いに係脱する角度規制手段が形成されていることを特徴とする前記フェイスマスク。
  2. 前記規制手段が前記レンズフレーム側部に形成された第1係合部と前記バックルに形成されて前記第1係合部に係脱可能な第2係合部とからなり、これら第1、第2係合部の一方が凹部であり、他方が前記凹部に離脱可能に嵌合する凸部である請求項1記載のフェイスマスク。
  3. 前記バックルが、前記レンズフレーム側部に形成された軸受部に離脱可能かつ回動可能に嵌合する軸部を備えた第1支持部材と、前記ヘッドバンドを介して前記第1支持部材と向かい合い、前記ヘッドバンドの長さ方向における一端部が前記第1支持部材に旋回可能に軸支されている第2支持部材と、前記第1、第2支持部材の間に介在して前記第2支持部材における前記一端部の反対端部を前記ヘッドバンドに圧接させることが可能なばね手段とからなり、前記第2係合部が前記ばね手段と一体に形成されている請求項1または2に記載のフェイスマスク。
  4. 前記ばね手段が、前記ヘッドバンドの幅方向に延びて前記第1、第2支持部材のそれぞれに圧接する第1ばね部と、前記第1ばね部から前記ヘッドバンドの長さ方向に延びて前記レンズフレーム側部に形成された前記第1係合部に弾性的に係脱する第2ばね部とからなる請求項3に記載のフェイスマスク。
  5. 前記第1、第2係合部の少なくとも一方が前記第1支持部材の前記軸部を中心とする同一円周上に複数形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のフェイスマスク。
  6. 前記レンズフレームおよび前記バックルのいずれかには、前記フェイスマスク使用中に前記バックルが前記レンズレームから離脱可能な位置にまで回動することを阻止するストッパー手段が設けられている請求項1〜5のいずれかに記載のフェイスマスク。
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