JP3911324B2 - フライヤの昇降装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天ぷら等の揚物を調理するフライヤにて揚物が収納される揚げ篭を昇降する昇降装置に関し、特に、昇降装置の駆動機構をフライヤ本体の油槽から離間した位置に配設するとともに、駆動機構の構成部品としてモータ等の電気部品を使用しないことにより、揚物の揚げ調理時にフライヤ本体の油槽から発せられる高熱や油槽から蒸発される油による影響を排除し、もって長期に渡って故障することなく使用することが可能な昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より各種のフライヤが提案されており、この種のフライヤでは、揚物調理を行う際に、油が満たされた油槽内に揚物を収納した揚げ篭を自動的に下降して浸漬し、また、所定時間揚物の揚げ調理を行った後、揚げ篭を油槽から自動的に上昇させる昇降装置を備えていることが多い。
【0003】
前記揚げ篭の昇降装置として、例えば、実公平6−25242号公報には、機筺の片面上方に、昇降リンク機構及びモータを一体に備える揺動機枠を起伏揺動自由に支持し、揺動機枠上に設置した昇降リンク機構をモータを介して駆動せしめることにより、リンク機構を上昇揺動させ、これにより揚げ枠をフライポット内から自動的に揚上するようにした自動油揚げ機が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記実公平6−25242号公報の自動油揚げ機では、揺動機構が機筺の片面上方、即ち、フライポットの上面の近傍位置に設置されていることから、揺動機構に設けられたモータも当然にフライポットの上面近傍位置に配置されることとなる。かかる場合、天ぷら等の揚物をフライポット内で揚げ調理している際に、フライポット内の油が高温となるので、かかる高温に起因する熱が揺動機構にも伝達されてしまう。従って、揺動機構のモータにも熱が伝達されることとなり、モータに悪影響が及ぼされる虞がある。
また、揚げ調理時にフライポット内から蒸発した油が、揺動機構のモータに付着してしまうことから、かかる油がモータの内部に侵入してモータ等故障の原因ともなる。
前記したように、従来のフライヤ等においては、揺動機構、モータを含む昇降装置がフライポットの上面近傍位置に配置されているので、昇降装置の構成部品としてモータ等の電気部品を使用している場合には、その電気部品が熱や油等によって故障してしまう虞が存するものである。
【0005】
本発明は前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、昇降装置の駆動機構をフライヤ本体の油槽から離間した位置に配設するとともに、駆動機構の構成部品としてモータ等の電気部品を使用しないことにより、揚物の揚げ調理時にフライヤ本体の油槽から発せられる高熱や油槽から蒸発される油による影響を排除し、もって長期に渡って故障することなく使用することが可能な昇降装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係るフライヤの昇降装置は、フライヤ本体に設けられ油が貯留される油槽と、前記油槽の近傍位置にてフライヤ本体の上面に固定された固定枠と、前記固定枠に回動可能に支持され、油槽の下部位置油槽内の油を加熱するヒータと、揚物が収納され油槽内に浸漬される揚げ篭とを有するフライヤにおいて、一端部が前記揚げ篭に係止されるとともに前記固定枠に回動可能に軸支され、揚げ篭をその水平状態を保持したまま昇降させるリンク機構と、前記フライヤ本体の側面に固設され、前記リンク機構の他端部に連結されてリンク機構を回動させる駆動機構と、前記ヒータを油槽の下部位置から上方に移動させると共に、前記ヒータを上方に移動させた場合に、当該ヒータを前記リンク機構に下方から当接させることで、当該リンク機構を上方に回動させる操作部材と、前記操作部材の操作により前記ヒータが上方に移動した場合に、前記ヒータを上方位置に保持する保持部材と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1の昇降装置では、リンク機構を回動する駆動機構は、油槽から離間したフライヤ本体の側面に固設されており、従って、揚物の揚げ調理時にフライヤ本体の油槽から発せられる高熱や油槽から蒸発される油による影響を殆ど排除することが可能となる。これより、駆動機構を長期に渡って故障することなく使用することが可能となる。
又、操作部材の操作により、ヒータを上方に移動させると、ヒータは、保持部材により油槽の上方に移動された状態に保持されるので、油槽の掃除等を円滑に行うことができる。
【0008】
また、請求項2に係る昇降装置は、請求項1の昇降装置において、前記駆動機構は、エアシリンダを含むことを特徴とし、また、請求項3に係る昇降装置は、請求項2の昇降装置において、前記エアシリンダのシリンダロッドに固着され、前記リンク機構の他端部に係止されるフック部材を備えたことを特徴とする。
請求項2及び請求項3の昇降装置では、駆動機構における主たる駆動源としてエアシリンダが使用されており、かかるエアシリンダのシリンダロッドに固着されたフック部材をリンク機構の他端部に係止する構成を有しており、昇降装置の構成部品としてモータ等の電気部品を使用していないので、熱や油等によって故障してしまう虞は全くないものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るフライヤの昇降装置について、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る昇降装置が使用されるフライヤの概略構成について図1、図2に基づき説明する。図1はフライヤの模式断面図、図2はフライヤの模式背面図である。
【0010】
図1、図2において、フライヤ1はフライヤ本体2を有しており、かかるフライヤ本体2には、揚物の揚げ調理を行う油3が満たされる油槽4が設けられている。また、フライヤ本体2における後側部(図1中、右側部)の上面には、固定枠5が固設されている。この固定枠5には加熱装置6が回動可能に支持されており、かかる加熱装置6は、油槽4の底部に配置されて油3の加熱を行うヒータ7の加熱制御を行う。加熱装置6の上面には係止突起30が設けられている。また、ヒータ7の先端部には、油槽4内の掃除等を行う際に、ヒータ7を油槽4から上方に移動操作する操作部材8が取り付けられている。操作部材8によりヒータ7を上方に移動させると、加熱装置6は固定枠5にて時計方向に回動される。
また、加熱装置6の上方位置において、固定枠5には、ループ状(図2参照)のストッパ9が回動可能に支持されている。かかるストッパ9は、後述するように、ヒータ7を油槽4から上方に上げて油槽4の掃除等を行う際に、加熱装置6の回動に従って時計方向に回動されるとともに、係止突起30を乗り越えた後係止突起30に係止されてヒータ7を上方回動位置にて保持する作用を行うものである。
【0011】
更に、固定枠5には、ストッパ9の上方位置にてリンク機構10が回動可能に支持されている。リンク機構10は、固定枠5の両側で軸11を介して回動可能に支持された一対のアーム12(図1中には、一方のアーム12のみを示す)を有しており、各アーム12の一端(図1中、左端)には軸13を介して一対の第1リンク14(図1中には、一方の第1リンク14のみを示す)が回動可能に支持されている。第1リンク14の下方位置にて、各第1リンク14間には掛止バー15及び支持バー16が取り付けられている。ここに、掛止バー15には、揚げ篭17のフック部17Aが掛止され、また、支持バー16には、揚げ篭17の端縁部(右端縁部)が当接される。従って、揚げ篭17のフック部17Aを掛止バー15に掛止した場合、揚げ篭17は、図1に示すように、その端縁部が支持バー16に当接されて水平状態に保持されるものである。
また、第1リンク14の上端部には軸18が設けられているとともに、固定枠5の上方位置にも軸19が設けられており、各軸18、19は、一対の第2リンク20(図1中には、一方の第2リンク20のみを示す)の両側に形成された長孔20A、20B内に遊嵌されている。
【0012】
前記のように構成されたリンク機構10において、各アーム12が軸11の回りに回動された場合、各第2リンク20は常時アーム12と平行状態を保持しつつ軸19の回りに回動され、これより各第1リンク14は常時垂直状態を保持しつつ上下方向に移動されることから、揚げ篭17は、そのフック部17Aと掛止バー15及び支持バー16との協働により、水平状態を保持したまま昇降されるものである。
【0013】
前記各アーム12の他端部(図1中、右端部)間には、フックバー21が配設されている。また、フライヤ本体2の後側面(図1中、右側面)には、各アーム12を軸11の回りに回動させる駆動機構22が配設されている。ここで、駆動機構22の構成について説明する。駆動機構22は、フライヤ本体2の右側面にネジ23を介して締結固定されたカバー24内でフライヤ本体2の右側面に固設されたエアシリンダ25、エアシリンダ25のシリンダロッド26の上端部に固着された連結部材27、連結部材27の上端に形成されるとともに前記フックバー21に係止されるフック部28から構成されている。
【0014】
前記したように、駆動機構22は、油槽4から離間したフライヤ本体2の右側面に固設されており、従って、揚物の揚げ調理時にフライヤ本体2の油槽4から発せられる高熱や油槽4から蒸発される油3による影響を殆ど排除することが可能となる。これより、駆動機構22を長期に渡って故障することなく使用することができるものである。また、駆動機構22における主たる駆動源としてエアシリンダ25が使用されており、かかるエアシリンダ25のシリンダロッド26に固着された連結部材27のフック部28をフックバー21に係止する構成を有しており、このように駆動機構22の構成部品としてモータ等の電気部品を使用していないので、熱や油等によって故障してしまう虞は全くないものである。
【0015】
次に、前記のように構成されたフライヤ1において、揚物の揚げ調理を行う場合について図1乃至図3に基づき説明する。図3は揚げ篭17を油槽4内の油3中に浸漬して揚げ調理を行っている状態を示す模式断面図である。このとき、図1に示すように、エアシリンダ25は作動されておらず、そのシリンダロッド26は下降した状態にあって、アーム12、第2リンク20はそれぞれ水平状態且つ相互に平行状態にあるとともに、第1リンク14は垂直状態にあり、揚げ篭17は油槽4から上方位置にて水平状態に保持されているものとする。
【0016】
揚物の揚げ調理を行う場合には、揚げ篭17内に天ぷら等揚物を入れた後、昇降スイッチ(図示せず)を押下する。これにより、エアシリンダ25が作動されてシリンダロッド26が上昇する。このようにシリンダロッド26が上昇すると、連結部材27のフック部28とフックバー21とが相互に係止されていることから、アーム10は軸11の回りに反時計方向に回動される。また、同時に、第2リンク20もアーム10との平行関係を保持しながら軸19の回りに反時計方向に回動される。このとき、軸13を介してアーム10に連結され、軸18を介して第2リンク20に連結された第1リンク14は、垂直状態を保持しつつ下降する。これにより、揚げ篭17は、掛止バー15とフック部17A及び支持バー16の協働により、水平状態を保持したまま下降されて、油槽4の油3内に浸漬される。この状態で、揚げ篭17内の揚物は、加熱装置6により加熱制御されたヒータ7を介して加熱された油3で所定時間揚げ調理される。この状態が図3に示されている。
【0017】
所定時間揚げ調理が行われて揚物の揚げ調理が完了した後、エアシリンダ25が作動され、シリンダロッド26が下降される。かかるシリンダロッド26の下降により前記とは逆の動作が行われる。即ち、連結部材27のフック部28とフックバー21との掛止に基づき、アーム10は軸11の回りに時計方向に回動される。同時に、第2リンク20もアーム10との平行関係を保持しながら軸19の回りに時計方向に回動される。これにより、第1リンク14は、アーム10及び第2リンク20との連結関係に基づき、垂直状態を保持しつつ上昇する。これにより、揚げ篭17は、掛止バー15とフック部17A及び支持バー16の協働により、水平状態を保持したまま上昇されて、図1に示すように、油槽4の油3から取り出されて油槽4の上方位置にて水平状態で保持される。
【0018】
次に、油槽4の掃除等を行う際に、操作部材8を介してヒータ7を上方に移動操作する場合について図4、図5に基づき説明する。図4は操作部材8によりヒータ7を若干上方へ移動させた状態を模式的に示す部分側面図、図5は係止突起30とストッパ9とを係合させた状態を模式的に示す部分側面図である。
【0019】
油槽4の掃除等を行う場合、先ず、油槽4内の油3を抜いた後、操作部材8を把持して上方へ移動させる。これにより、加熱装置6は固定枠5にて時計方向に回動され、加熱装置6の近傍位置にあるヒータ7の基端部7Aが支持バー16に当接する。この状態が図4に示されている。このように、ヒータ7の基端部7Aを支持バー16に当接させた状態で、更にヒータ7を上方へ移動させると、係止突起30は、加熱装置6と共に固定枠にて回動されるストッパ9を一旦乗り越え、この後、ヒータ7を若干下方向に移動させると、係止突起30がストッパ9と係合する。この状態が図5に示されている。これにより、ヒータ7は、油槽4から上方に移動された状態に保持されることとなり、この状態で油槽4の掃除等が行われるものである。
【0020】
尚、第2リンク20において、軸18が遊嵌される孔を長孔20Aとし、また、軸19が遊嵌される孔を長孔20Bとしたので、前記ヒータ7の上方移動操作時に、各軸18、19はそれぞれ長孔20A、20B内でスライドでき、ヒータ7の上方移動操作を円滑に行うことが可能となる。
【0021】
以上詳細に説明した通り本実施形態に係るフライヤ1では、リンク機構10を回動させる駆動機構22が、油槽4から離間したフライヤ本体2の右側面に固設されており、従って、揚物の揚げ調理時にフライヤ本体2の油槽4から発せられる高熱や油槽4から蒸発される油3による影響を殆ど排除することができる。これより、駆動機構22を長期に渡って故障することなく使用することができるものである。
【0022】
また、駆動機構22における主たる駆動源としてエアシリンダ25が使用されており、かかるエアシリンダ25のシリンダロッド26に固着された連結部材27のフック部28をフックバー21に係止する構成を有しており、このように駆動機構22の構成部品としてモータ等の電気部品を使用していないので、熱や油等によって故障してしまう虞は全くないものである。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1の昇降装置では、リンク機構を回動する駆動機構は、油槽から離間したフライヤ本体の側面に固設されており、従って、揚物の揚げ調理時にフライヤ本体の油槽から発せられる高熱や油槽から蒸発される油による影響を殆ど排除することが可能となる。これより、駆動機構を長期に渡って故障することなく使用することが可能となる。
又、操作部材の操作により、ヒータを上方に移動させると、ヒータは、保持部材により油槽の上方に移動された状態に保持されるので、油槽の掃除等を円滑に行うことができる。
【0024】
また、請求項2及び請求項3の昇降装置では、駆動機構における主たる駆動源としてエアシリンダが使用されており、かかるエアシリンダのシリンダロッドに固着されたフック部材をリンク機構の他端部に係止する構成を有しており、昇降装置の構成部品としてモータ等の電気部品を使用していないので、熱や油等によって故障してしまう虞は全くないものである。
【0025】
以上の通り本発明は、昇降装置の駆動機構をフライヤ本体の油槽から離間した位置に配設するとともに、駆動機構の構成部品としてモータ等の電気部品を使用しないことにより、揚物の揚げ調理時にフライヤ本体の油槽から発せられる高熱や油槽から蒸発される油による影響を排除し、もって長期に渡って故障することなく使用することが可能な昇降装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フライヤの模式断面図である。
【図2】 フライヤの模式背面図である。
【図3】 揚げ篭を油槽内の油中に浸漬して揚げ調理を行っている状態を示す模式断面図である。
【図4】 操作部材によりヒータを若干上方へ移動させた状態を模式的に示す部分側面図である。
【図5】 係止突起とストッパとを係合させた状態を模式的に示す部分側面図である。
【符号の説明】
1・・・フライヤ、2・・・フライヤ本体、3・・・油、4・・・油槽、
5・・・固定枠、6・・・加熱装置、7・・・ヒータ、9・・・ストッパ、
10・・・リンク機構、11・・・軸、12・・・アーム、13・・・軸、
14・・・第1リンク、15・・・掛止バー、16・・・支持バー、
17・・・揚げ篭、18、19・・・軸、20・・・第2リンク、
21・・・フックバー、22・・・駆動機構、24・・・カバー、
25・・・エアシリンダ、26・・・シリンダロッド、27・・・連結部材、
28・・・フック部、30・・・掛止突起

Claims (3)

  1. フライヤ本体に設けられ油が貯留される油槽と、前記油槽の近傍位置にてフライヤ本体の上面に固定された固定枠と、前記固定枠に回動可能に支持され、油槽の下部位置油槽内の油を加熱するヒータと、揚物が収納され油槽内に浸漬される揚げ篭とを有するフライヤにおいて、
    一端部が前記揚げ篭に係止されるとともに前記固定枠に回動可能に軸支され、揚げ篭をその水平状態を保持したまま昇降させるリンク機構と、
    前記フライヤ本体の側面に固設され、前記リンク機構の他端部に連結されてリンク機構を回動させる駆動機構と、
    前記ヒータを油槽の下部位置から上方に移動させると共に、前記ヒータを上方に移動させた場合に、当該ヒータを前記リンク機構に下方から当接させることで、当該リンク機構を上方に回動させる操作部材と、
    前記操作部材の操作により前記ヒータが上方に移動した場合に、前記ヒータを上方位置に保持する保持部材と、を備えたことを特徴とするフライヤの昇降装置。
  2. 前記駆動機構は、エアシリンダを含むことを特徴とする請求項1記載のフライヤの昇降装置。
  3. 前記エアシリンダのシリンダロッドに固着され、前記リンク機構の他端部に係止されるフック部材を備えたことを特徴とする請求項2記載のフライヤの昇降装置。
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