JP3910734B2 - 表面処理方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水素原子を生じるプラズマを利用した表面処理方法の提供に関する。特に、被加工物表面に物理的損傷を与えることが少なく、かつ目的とする表面処理を達成するのに不都合な現象を生じる活性粒子を生じることの少ないダウンストリーム注入法の特性を生かしつつ、プラズマ化によって水素原子を発生させるための気体に少なくとも一種を混入させた窒素分子、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、及びラドンの少なくとも一つがプラズマ化により生じる触媒作用によって、水素原子の関与する被加工物の表面処理を安全かつ安価に行えるようにしたことを特徴とする表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素分子をプラズマ化して生じる水素原子などの還元性を用いて、従来高温中で行われていた成膜処理等を低温化する試みが以前より数多く行われている。この際、水素原子の寿命が短く、水素原子はプラズマ領域外では容易に再結合して水素分子に戻ってしまうことから、水素原子の還元性を利用するためには、プラズマ中もしくはダウンストリームであってもイオン等の高エネルギー粒子が十分到達し、被加工物表面へこれら高エネルギー粒子の影響が無視できない領域で、目的とする表面処理を行わざるを得なかった。その結果、これら高エネルギー粒子による被加工物表面の損傷や目的とする処理の制御性の低下が避けられなかった。
【0003】
しかし、近年、水素を窒素(N)あるいは不活性ガスであるアルゴン(Ar)で希釈し、その混合ガスをプラズマ化した下流において水素原子によりイオン注入により変質した有機高分子膜を灰化する試みが行われている(S.Fujimura,H.Yano,J.Konno,T.Takada,and K.Inayoshi,”Study on ashing process forremoval of ion implanted resist layer”,Proc.Symp.Dry Process,Proc.Vol.88−7,Honolulu,Hawaii,May,1987(The Electrochemical Society Inc.Pennington,1988)pp.126−133)。さらに、水素に水蒸気を混入させた気体を用いることによりプラズマの下流においても多量の水素原子濃度が確保されることが報告された(J.Kikuchi,S.Fujimura,M.Suzuki,and H.Yano,”Effect of HO on atomichydrogen generation in hydrogen plasma”,Jpn.J.Appl.Phys.,32,3120−3124(1993).)。この方法は大量の水素原子を、プラズマ中で生じる電子、イオン、光子等の高エネルギー粒子の影響が実質的に無視し得る下流の領域まで輸送し、還元雰囲気を提供したことにおいて意義がある。
【0004】
この水蒸気添加水素プラズマの下流に三フッ化窒素(NF)を添加することにより、さらに下流に設置したシリコン表面の自然酸化膜を低温で除去できることが発見された(J.Kikuchi,M.Iga,H.Ogawa,S.Fujimura,and H.Yano,”Native oxide removal on Si surfaces by NF−added hydrogen and water vapor plasma downstream treatment”,Jpn.J.Appl.Phys.,33,2207−2211(1994))。このNF添加H+HOプラズマダウンストリーム処理による自然酸化膜除去法は、真空中でシリコン表面の自然酸化膜を室温近傍の低温で除去し、水素終端表面を実現することから、従来高温の水素ガス雰囲気中で行われていたシリコンのエピタキシャル成長の前処理を大幅に低温化できた(J.Kikuchi,M.Nagasaka,S.Fujimura,H.Yano,and Y.Horiike,”Cleaning of silicon surface by NF−added hydrogenand water−vapor plasma downstream treat−ment”,Jpn.J.Appl.Phys.,35,1022−1026(1996).)ほか、高集積半導体素子の電極窓内洗浄への利用可能性が示されており(菊地 純、鈴木美紀、長坂光明、藤村修三「水素+水蒸気プラズマダウンフローへのNF添加によるSi表面の自然酸化膜除去(その4)」1997年春期第44回応用物理学会関係連合講演会 講演予稿集(29p−W6))、シリコン半導体製造工程に多くの応用が期待される技術である。なお、引用文献に示されたダウンフローと本明細書に示すダウンストリームは同義語である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの技術はプラズマへ供給する水素分子の濃度が高く、爆発の危険性があるため、実際の利用には厳密な安全対策が必要とされる。例えば、一般的な鉱物油を利用したロータリーポンプの使用は避ける、被加工物を水素プラズマダウンストリーム処理装置へ導入する際の装置外への水素の漏洩の危険性を少なくするために予備真空室、あるいは予備排気室を設ける、排気ガス中の水素濃度を下げるために意図的に水素燃焼させる装置を設ける、等である。また、処理装置内あるいは処理装置を設置する室内への水素ガス漏洩検出装置、警報装置、火災消火施設なども必要となる。これらは場合によっては処理装置以上に費用がかかり、コスト的に水素原子を利用した表面処理の普及を阻害する要因となっている。
【0006】
ところで、前記文献J.Kikuchi,M.Iga,H.Ogawa,S.Fujimura,and H.Yano,”Native oxide removal on Si surfaces by NF−added hydrogen and water vapor plasma downstream treatment”,Jpn.J.Appl.Phys.,35,1022−1026(1996)の内容に基づく発明である特開平6−338478によれば、水素含有ガスのプラズマの下流にNFを添加することによりシリコン自然酸化膜の除去が可能であることが示されている。該公開特許公報の請求項1及び4に示された「水素含有ガス」の内容は必ずしも明瞭ではないが、明細書本文において、水素原子とNFの反応により目的とする効果が達成されることが示されており、このことを広義に解釈すれば、プラズマ化することにより水素原子を発生させるガス、すなわち水素を元素として含有する分子のプラズマの下流にNFを添加することによっても、シリコンの自然酸化膜を除去できる可能性が示されていることになる。そこで、もし水素を構成元素として含む分子の一つである水蒸気(HO)を用いて引用例と同様の表面処理を行うことができれば、前述した安全性、経済性の課題は解決されることになる。特に、前述したように、水蒸気は水素原子をプラズマの下流に効率良く輸送することを可能にする作用がある点でも有望である。
【0007】
図1は特開平6−338478図1と同様に石英管を用いたプラズマダウンストリーム処理装置である。この装置に水蒸気を30sccm流し、2.45GHz、50Wのマイクロ波でプラズマを発生させその下流に5sccmのNFを添加して1Torrの圧力かでさらにプラズマの下流に設置したシリコン熱酸化膜を最長30分処理したが、エリプソメトリーで測定する限り、全くエッチングは認められなかった。同様に、自然酸化膜の着いたシリコンウェーハを処理したが、自然酸化膜が除去されたことを示す撥水性表面は得られなかった。圧力を0.5〜3Torrの範囲で変化させたり、HO流量10sccm、NF流量10sccmのガス比として処理を行ってもやはりシリコン酸化膜のエッチングは認められなかった。
【0008】
次に図2に示す図1に示したものより大型の装置を用い、HO100sccm、NF100sccm、マイクロ波パワー500W、圧力1Torrの条件でプラズマダウンストリーム処理を10分行ったがやはりシリコン基板上の自然酸化膜を除去することはできなかった。図3は、図2の装置において、HOを窒素(N)で希釈したときのプラズマ中水素原子濃度のHO混合比依存性を示したグラフである。プラズマ中の水素原子濃度はアクチノメトリー法を用いて行った。(水素のアクチノメトリー法の詳細はJ.Vac.Sci.Technol.B,9,357−361(1991)に示されている。)プラズマ中の水素原子濃度はHO100%のときが最も高く、HO濃度が下がると水素原子濃度も単調減少した。
【0009】
以上の結果は、水蒸気をプラズマ化しその下流に三フッ化窒素を添加しても、プラズマ中では水素原子が発生しているにも関わらず、特開平6−338478に示されたようなシリコン酸化膜のエッチングは起こらないことを示す。すなわち、水蒸気をプラズマ中で水素原子を発生させるガスとして用いただけでは特開平6−338478に示された条件である水素原子とNFが存在するにも関わらず、シリコンのエッチングは起こらず、先に上げた安価で安全な表面処理方法は実現できなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するために、図1に示す装置を用いて、測定したダウンストリーム中の水素原子濃度とシリコン熱酸化膜のエッチング速度の関係を調べた。実験はまずHOとNの混合気体を30sccm流し、50Wのマイクロ波でプラズマを発生させ、プラズマの下流で本来被加工物を設置する位置に石英で周囲を囲い、先端だけを露出させたシールド熱電対を挿入して、カロリーメトリー法により1Torrの圧力下の水素原子濃度を見積もった。カロリーメトリーによる水素原子濃度の測定法は、Young C.Kim and Michel Boudart,”Recombination of O,N,and HAtoms on Silica:Kinetics and Mechanism”,Langmuir,7,2999−3005(1991)及び、L.Robbin Martin,”Diamond film growth in a flowtube:A tempera−ture dependence study”,J.Appl.Phys.,70,5667−5674(1991)に示されている。次に、NFを5sccm添加し、圧力を1Torrとしてシリコンの熱酸化膜を処理した。このとき、水素原子とNFの反応を促進させエッチング速度を増大し、測定の誤差を減らす目的で、NF注入口とシリコン酸化膜設置位置との間の一部を500℃に加熱して処理を行った。図4が実験結果である。水素原子濃度は適当に規格化した。HO流量、N流量、及び処理圧力は図中に示してある。各測定点の近傍に示した「:」の左側の数字がHO流量であり、右側の数字がN流量で、単位は共にsccmである。
【0011】
図から明らかなように、少なくとも処理圧力1TorrではHO濃度が高いとき(100%〜33%)は水素原子が存在するにも関わらずシリコン酸化膜のエッチングは起こらない。HO濃度が約17%以下(HO流量5sccm以下)ではエッチングが起こっており、水素原子濃度も高い。図3によればプラズマ中の水素濃度はHOとNの混合ガス中のHO濃度が高いほど高く、HO17%ではプラズマ中の水素原子濃度はHO100%のときの1/20程度である。下流領域で最も水素原子濃度が高くなるHO7%のときのプラズマ中の水素原子濃度はHO100%のときの1/100程度でしかない。しかしその一方で、例えばHO7%のときのダウンストリーム領域での水素原子濃度はHO100%のときの13倍程度になっている。これはあたかも窒素の作用によって水素原子が新たに生成されたかのように見える。2.45GHzのマイクロ波で100%のHOをプラズマ化したときのHOの解離率は数十パーセントのオーダーであり(R.L.Brown,J.Phys.Chem.,71,2429(1967))、プラズマ条件の違いを考慮しても、本実験においても数パーセントは解離しているものと推察できる。従って、HOがいかなる場合においても水素原子を減衰させること無くプラズマの下流に輸送する効果を持つのならば、いかに窒素がプラズマの下流においてHOを新たに解離させるとしても、さすがにHO7%のときのようプラズマ中で1/100であったものを下流の被加工物処理領域において13倍にしたとするのは無理がある。ここは、J.Kikuchi,S.Fujimura,M.Suzuki,and H.Yano,”Effect of HO on atomic hydrogen generation in hydrogen plasma”,Jpn.J.Appl.Phys.,32,3120−3124(1993)において示されたHOによる水素原子輪送効果はHにHOを少量混入したときに有効であって、HOが100%近いときにはHOが解離したときに生じるOHやOが水素原子と再結合するため水素原子の輸送効率はかえって低下すると考えた方が妥当である。(HOをHに少量混入した場合には、OHやOは水素原子よりも水素分子と衝突反応する確率が高く、このとき水素分子より水素原子を一個引き抜いてHOやOHを生成するから、結果的に水素分子からフリーな水素原子を一個作り出すことになる。)結局、窒素の割合が高く水蒸気の割合が低いときのプラズマ下流への水素原子の輸送、供給は特開平6−338478に示されたメカニズムとは異なり、HO分子ではなく窒素分子もしくは窒素分子がプラズマ化されることにより生じる粒子によって起こされている現象であると推測される。
【0012】
しかし、図4の1Torrでの処理結果をみると依然プラズマ下流の被加工物処理領域での水素原子濃度が高いときにエッチング速度が大きいように見える。しかし、例えばHO流量2sccmN流量28sccm圧力2Torrで処理したときの水素原子濃度はHO流量10sccmN流量20sccm圧力1Torrのときの1/8程度でしかないにも関わらず、エッチングの起こらなかったHO流量10sccmN流量20sccm圧力1Torrのときとは対照的に、5分で13A程度のエッチングが起こっている。すなわち、窒素に微量の水蒸気を混入させたプラズマの下流で行うプロセスでは、水素原子濃度とNFを添加したことによりもたらされるシリコン酸化膜エッチング速度は必ずしも比例関係にない。水素原子があってもエッチングが起こらない場合があることも含めると、この系でのエッチングは、特開平6−338478に示された、主として水素原子とNFの作用に基づいたものではなく、異なったメカニズムによって起こされていると結論づけられる。
【0013】
さて、図4において比較的良好なエッチング速度が得られているのはいずれもプラズマ化するガス中のHOの割合が小さく、Nの割合が圧倒的に大きい場合である。窒素はプラズマ化すると10eV程度の準安定準位を持つ励起状態の窒素分子が数多く生成され、そして、この準安定準位の窒素の寿命は長いことが知られている。この励起状態の窒素が持つポテンシャルエネルギーはHOやNFを解離することもできるので、水素原子とNFの反応だけでなく、別の反応経路、例えばHOとNF、等から最終的なエッチング種を生成することもおそらく可能である。実際、水蒸気100%のプラズマの下流にNとNFを加えてもエッチングは起こらない。従って、具体的なメカニズムは断定できないが、窒素がプラズマを経由することで持つことになる触媒作用によって、ここでのエッチングが行われていることは明らかである。すなわち、主たるエッチング反応は窒素の触媒作用に因ってのであって、特開平6−338478に示された主として水素原子とNFの反応によって起こされているのではない。メカニズムが異なるのである。
【0014】
準安定準位窒素の作用が水素原子の供給元としてHOを使用することを可能にしているならば、やはり長い準安定準位を持つヘリウム、ネオン、アルゴン、等の一般に希ガスあるいは不活性ガスと呼ばれるものを窒素の代わりに用いることが可能である。実際、窒素よりエッチング速度は劣るものの、Ar90%、HO10%の混合ガスをプラズマ化した下流にNFを加えてもエッチングは観測された。
【0015】
よって、課題解決手段は、プラズマ発生室の下流に設けられた処理室に被加工物を表面処理可能に設置しておいて、窒素分子および元素の周期表上18族に類される元素の原子(ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn))のうち何れか一つのもの又は二つ以上混合したものからなる第1の気体(A)と、水蒸気を含み且つ水素ガスを未混入の第2の気体(B)とを、水蒸気濃度が第1の気体(A)の濃度以下となるように混合させた第3の気体を(C)を前記プラズマ発生室に導入するとともに、前記プラズマ発生室から前記処理室に至るガス流路の途中に第4の気体(D)を導入することである。
【0016】
【発明の実施の形態】
すでに図2に示した装置が実用的な処理を行うための装置である。11は気体をプラズマ化するのに用いるプラズマ発生室であり、例えば石英やアルミナで製作される。12は気体Aのの供給装置であり、13は気体Bの供給装置であり、いずれもますフローコントローラー、バルブ、フィルターなどから構成される。気体Aの供給装置12、気体Bの供給装置13からそれぞれ供給され、混合された気体Cは継ぎ手14を介してプラズマ発生室11に供給される。プラズマ発生室11のプラズマ発生領域の下流には、気体を添加するためのノズル18が設けてあり、気体Dの供給装置19から継ぎ手20を介して、プラズマダウンフロー領域に気体Dを添加することができる。気体Dの供給装置19はマスフローコントローラー、バルブ、フィルター等から構成される。プラズマ発生室11はO−リング21を介して処理室22に接続される。処理室22内に被加工物23を置き、プラズマ化した混合気体Cに気体Dを添加したガスにより、被加工物表面の処理を行う。被加工物23はステージ24の上に置き、ステージ24上部には被加工物を加熱するためのSiCヒーター25が取り付けてある。処理室22には排気のための排気ポート26が設けてあり、図示していないが、本処理装置ではロータリーポンプが接続されている。また、処理室内には、処理室壁面を保護するなどの目的で内壁28を設けてもよい。
【0017】
【実施例】
[第一の実施例]図5は図2の装置を用いて、水蒸気と窒素の混合ガスを、500W、2.45GHzのマイクロ波を印加してプラズマ化し、その下流にNFを100sccm添加し、さらに下流にSiO層があるシリコンウェハを配置してそのSiO層のエッチング量の水蒸気と窒素の流量比依存性を調べたものである。混合気体Cにおける水蒸気の割合が5%のときにエッチング量は最大となったが、ここでも、水蒸気の割合が25%以上のときエッチングは起こらなかった。また、被加工物として自然酸化膜の付いた6インチシリコンウェハをHO流量10sccm、N流量190sccm、マイクロ波パワー500W、添加NF流量100sccm、処理圧力2Torr、処理時間3分の条件で処理したところ、シリコンウェハ表面は撥水性となり、自然酸化膜が除去されたことが確認された。
【0018】
[第二の実施例]図2の装置を用いて、水蒸気と窒素の混合ガス(HO流量10sccm、N流量190sccm)を、500W、2.45GHzのマイクロ波を印加してプラズマ化し、その下流にシラン(SiH)ガスを5sccm添加し、さらに下流のステージに設置したシリコンウェハを処理した。シリコンウェハの温度を450℃にして2Torrの圧力下で1時間処理したところ、ウェハ上に堆積物の生成が見られた。堆積物の生じたウェハ表面は親水性であったが、5%のフッ酸溶液に1分間浸漬させたところ、堆積物が除去されウェハ表面は撥水性となった。このことから、堆積物はシリコン酸化膜、あるいはそれに類するものであったと考えられる。
【0019】
[第三の実施例]図2の装置を用いて、水蒸気と窒素の混合ガス(HO流量10sccm、N流量190sccm)を、500W、2.45GHzのマイクロ波を印加してプラズマ化し、その下流にエチルアルコールを5sccm混入させ、シリコンウェハを600℃に加熱して3時間処理した。ウェハ表面は変色し、堆積物が生成したことが確認された。堆積物の正体は酸素プラズマ処理によって推察された。酸素プラズマ処理に用いたバレル型酸素プラズマアッシング装置を図6に示す。この装置は、石英反応管31に、酸素を流し、電極32a、32bに高周波電源33より供給されたRFを印加し、酸素プラズマを発生させ、これによりウェハキャリア34に載せたウェハ35を処理する。このウェハ35は石英管31の端面開口部から出し入れされ、処理を行う際には開口部はカバー36で封じられる。また、反応管31内にアルミニウムエッチトンネル37を設置してもよい。このようなバレル型の酸素プラズマアッシング装置で、Oを500sccm流し、1Torr、RF出力300Wの条件で前述のウェハを30分処理したところ、堆積物はほぼ除去された。このことから、堆積物は炭素系の物質例えば、アモルファスカーボン、ダイヤモンド類似カーボン、等であったことが予想され、本方法がダイヤモンドを含むカーボン系膜の生成に応用できることが示された。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明では少なくとも窒素、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、及びラドン(Rn)の一つと水蒸気を含むガスを混合させた混合ガスを用いることにより、窒素、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、及びラドン(Rn)がプラズマ化されることにより生じる触媒作用によって、従来不可能であった水蒸気を水素原子供給源とする系においても表面処理が実行でき、水素原子を用いた処理を安価に、安全に利用することが可能となった。本発明の処理では爆発の心配がないため、例えば従来例にある水蒸気添加水素プラズマを利用した装置に比べると、予備真空室とそれに伴う被加工物搬送系、使用可能な排気ポンプ、排ガス処理施設、警報装置、に対するコスト負担が軽減されることになり、1台の装置の設置に要する費用が、装置の使用条件、使用目的によっても異なるが、1000万円以上削減されることが予想される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による処理メカニズムと従来例特開平6−338478記載の処理メカニズムの違いを調べる目的で、従来例特開平6−338478図1に記載の装置を模した実験装置の構成図である。
【図2】本発明による処理方法を実施するための処理装置を示した構成図である。
【図3】図2で示した処理装置のプラズマ発生室における水素原子濃度の水蒸気と窒素の全流量に対する水蒸気流量の比への依存性をアクチノメトリー法で調べた図である。
【図4】図1で示した実験装置において、シリコン酸化膜のエッチング量の水素原子濃度依存性を示した図である。
【図5】水蒸気と窒素を混合したガスを500W、2.45GHzのマイクロ波を印加してプラズマ化し、その下流にNFを添加し、さらに下流にて処理圧力2Torrでシリコン酸化膜表面を3分間処理した際に、シリコン酸化膜がエッチングされる量の水蒸気と窒素の流量比に対する依存性を示す図である。
【図6】バレル型の酸素プラズマアッシング装置の構成図である。
【符号の説明】
1 第1のガス導入口
2 導波管
3 プラズマ発生部
4 チャンバ
5 第2のガス導入口
6 処理部
7 シリコン基板
8 排気口
11 プラズマ発生室
12 気体Aの供給装置
13 気体Bの供給装置
14 継ぎ手
15 導波管
16 プラズマ発生部
17 チャンバ
18 ノズル
19 気体Dの供給装置
20 継ぎ手
21 O−リング
22 処理室
23 被加工物
24 ステージ
25 SiCヒーター
26 排気口
27 搬入出ポート
28 内壁
31.石英反応管
32a、32b 電極
33 高周波電源
34 ウエハキャリア
35 ウエハ
36 カバー
37 アルミニウムエッチトンネル

Claims (5)

  1. プラズマ発生室の下流に設けられた処理室に被加工物を表面処理可能に設置しておいて、
    窒素分子および元素の周期表上18族に類される元素の原子(ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn))のうち何れか一つのもの又は二つ以上混合したものからなる第1の気体(A)と、水蒸気を含み且つ水素ガスを未混入の第2の気体(B)とを、水蒸気濃度が第1の気体(A)の濃度以下となるように混合させた第3の気体を(C)を前記プラズマ発生室に導入するとともに、
    前記プラズマ発生室から前記処理室に至るガス流路の途中に第4の気体(D)を導入することを特徴とする表面処理方法。
  2. 第4の気体(D)がハロゲンを構成元素として含むことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  3. 第4の気体(D)がフッ素を構成元素として含み、かつ前記被加工物がその表面の一部又は全部に自然酸化膜を含むシリコンの酸化物であることを特徴とする請求項2記載の表面処理方法。
  4. 第4の気体(D)が珪素を構成元素として含むことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  5. 第4の気体(D)が炭素を構成元素として含むことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
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