JP3910398B2 - 充填包装装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、めんつゆ、各種たれ、ソース等の内容物をフィルムからなる袋体内に無菌充填するための充填包装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
めんつゆや各種たれ、ソース等の内容物をフィルム製の袋に充填する装置として、袋の素材のフィルムを走行させつつこれを略半分に折り、合わせ面をシールして袋体を形成し、この袋体をシールしながら内容物を袋体内に充填する方式の充填包装装置が実用化されている。この種の充填包装装置は、生産性の向上を図るために高速作業化が図られており、その充填速度は、フィルムの走行速度にして10m/min〜20m/min以上にまで達している。一方、充填される内容物は、高温短時間殺菌がされた後、80°C程度の高温で袋体内に充填されている。この内容物の熱により袋体自身も殺菌され、ホットパック充填が実現される。
【0003】
しかし、内容物を高温で加熱すると味が変化したり、充填後の冷却用に大規模な設備が必要となる等の不都合があり、内容物を常温で無菌充填するニーズがある。塩分の少ない低酸性、低塩分の内容物については高温充填しても日持ちがしない場合があり、この面からも無菌充填に対するニーズがあった。
【0004】
従来、無菌充填を実現する充填包装装置においてフィルムを殺菌する方法としては、フィルムを過酸化水素槽に浸漬し、その後フィルムから過酸化水素液滴を除去するとともにこのフィルムを乾燥ドラムに巻き付けて乾燥させ、殺菌処理を行うもの(例えば特開平6−99949号公報、特開平6−99950号公報)、また、過酸化水素ガスをフィルム面に導入して過酸化水素をフィルム面に凝結させ、その後過酸化水素を乾燥させることで殺菌処理を行うもの(例えば特公昭61−9163号公報)などがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のフィルム殺菌方法では、フィルム殺菌作業に数十秒単位の時間を要している。このため、高速充填を実現しようとすれば、フィルムの浸漬、乾燥作業を行うゾーンが巨大化し、充填包装装置の大規模化を招く。
【0006】
本発明の目的は、内容物を高温に加熱しなくても無菌充填を高速で行うことができる充填包装装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0008】
本発明は、走行するフィルム(10)を袋状に成形しつつその成形途中の袋体の内部に内容物を充填し、充填後の袋体をシールして袋詰め製品を製造する充填処理部(30)を備えた充填包装装置(1)において、前記充填処理部よりも前記フィルムの走行方向上流側には、前記フィルムを予備加熱する予備加熱部(16)と、殺菌剤を気化させた後に凝縮させて生成したミストを、予備加熱された前記フィルムと接触させるミスト供給部(18)と、前記ミストと接触した前記フィルムを乾燥させる乾燥処理部(26)と、が設けられ、装置の内部には、無菌化されたエアの導入によって陽圧状態に保持可能な無菌領域(4)と、その無菌領域と隔壁(24)を介して区分されかつ前記フィルムが通過可能な開口(25)を介して前記無菌領域と通じているフィルム殺菌領域(3)とが設けられ、前記充填処理部及び前記乾燥処理部が前記無菌領域に配置され、前記予備加熱部及び前記ミスト供給部が前記フィルム殺菌領域に配置され、前記装置は、前記フィルムの供給源(11)が設置可能であり、前記フィルム殺菌領域とは前記フィルムが通過可能な開口(14)を介して通じているフィルム供給領域(2)をさらに具備し、前記フィルム殺菌領域からエアを吸引して前記フィルム殺菌領域の圧力を前記フィルム供給領域の圧力よりも低下させる手段(22)が前記フィルム殺菌領域に設けられ、前記予備加熱部には、前記フィルム殺菌領域と同一領域内でかつ前記ミスト供給部よりも前記走行方向上流側にて走行中のフィルムと接触してこれに直接熱を伝達する手段としての熱板(17a)とその熱板を加熱する電気的な発熱源(17b)とを有する熱板ヒータ(17)が設けられることにより、上述した課題を解決する。
【0009】
殺菌剤のミストは、過酸化水素水等を用いた殺菌剤の滴を一旦気化した後に凝集させて生成されるので、殺菌成分の濃度が高く、効率よく殺菌を行える。従って、高速走行しているフィルムとミストとを短時間接触させただけでも十分な殺菌が行える。ミストの導入後、フィルムを乾燥処理することにより殺菌効果がさらに向上する。ミストとの接触に先立ってフィルムを予備加熱することにより、ミストを接触させた当初から高い殺菌効果を発揮させることができ、短時間で効率よく殺菌を行える。これらの結果として、フィルムを高速で走行させながらその殺菌と内容物の充填とを連続して行うことが可能となる。なお、本発明のミスト供給部は、フィルムとの接触前に殺菌剤を十分に凝縮させるものの他、フィルムとの接触とほぼ同時的に殺菌剤を凝縮させるものも含む。
【0011】
また、本発明の充填包装装置においては、充填作業に先立って殺菌領域を滅菌処理した後、そこに無菌化されたエアを導入して無菌領域を陽圧に維持すれば、その無菌領域からの排気の少なくとも一部がフィルム殺菌領域に流れ、そのフィルム殺菌領域から無菌領域へのミストの混入が防がれる。フィルム殺菌領域には殺菌前のフィルムが供給される一方で、殺菌剤のミストが供給されている。従って、フィルム殺菌領域は、無菌領域と比較すれば殺菌状態が劣るが、装置外と比較すれば十分に清浄な状態に保たれる。この結果、フィルム殺菌領域が無菌領域の殺菌状態を維持するためのいわばバッファ領域となり、その無菌領域にて行われる充填包装作業の信頼性は極めて高いものとなる。乾燥処理部が無菌領域に配置されているので、フィルム殺菌領域から無菌領域へは、未乾燥でミストが付着した状態のフィルムが導入される。従って、無菌領域に導入されるフィルムの滅菌状態は極めて高く、菌がフィルムに載って無菌領域へ導入されるおそれもない。さらに、フィルム殺菌領域が常圧よりも陰圧化されるので、フィルム供給領域から開口を介してフィルム殺菌領域へエアが流れる。このため、フィルム殺菌領域からフィルム供給領域へ殺菌剤のミストが漏れ出るおそれがなく、フィルム供給領域における作業環境を良好に保つことができる。さらにまた、本発明によれば、熱板をフィルムに接触させて予備加熱を行う場合には、発熱源からフィルムに至る間の熱損失が減少して熱効率が高まるとともに、フィルムの予備加熱温度を容易かつ高精度に制御することができる。また、熱板の温度をフィルムの目標加熱温度に対して極端に高温に設定する必要がなくなるので、フィルムが仮に停止してフィルムの同一箇所が熱板と長時間接触するような状況が発生しても、フィルムが過剰に加熱されてフィルムが溶融したりその機械適性の劣化が生じるおそれがない。なお、熱板ヒータの熱板はフィルムと所定長さに亘って接触するものであればよく、その形状は平板状に限定されることなく、湾曲したものでもよい。
【0012】
前記フィルム殺菌領域には、前記ミスト供給部にて供給されたミストを吸引して装置外へ排出する排気部(22)が設けられてもよい。これにより、フィルムと接触した後のミストを漸次装置外へ排出することができる。従って、フィルム殺菌領域にいつまでもミストが残留することがない。
【0015】
前記乾燥処理部には、前記フィルムに対して温風を吹き付けるためのノズル(27)が設けられ、前記無菌領域に導入される無菌化されたエアが加熱されて前記ノズルに供給されてもよい。この場合には、無菌領域の無菌状態を維持するために供給される無菌エアを利用してフィルムを乾燥させることができる。
【0016】
前記乾燥処理部には、前記温風が吹き付けられたフィルムに対して常温以下の冷風を吹き付けるノズル(28)が設けられ、そのノズルには前記無菌領域に導入される無菌化されたエアが供給されてもよい。この場合には、常温以下の冷風を吹き付けることにより、温風によるフィルムの乾燥を補完することができる。温風によって加熱されたフィルムを冷却してその物性(例えばすべり性やカール性)の変化を抑えることができる。
【0017】
前記充填処理部におけるフィルムの走行方向が下向きに設定され、その充填処理部の上方へフィルムを引き上げる経路に沿って前記予備加熱部、前記ミスト供給部及び乾燥処理部が配置され、かつ前記フィルム供給領域が前記フィルム殺菌領域の下方に配置されてもよい。充填処理部においては、成形途中の袋体に流体を充填する関係から、フィルムを上から下へ走行させることが必要不可欠であり、そのためにはフィルムを充填処理部の上方へと引き上げる必要が生じる。そのフィルムを引き上げる経路の途中に予備加熱部等を配置すれば、各部の設置スペースが水平方向に拡大せず、装置の設置スペースを削減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の充填包装装置の概略を示す図である。図1において、充填包装装置1は、原反供給領域2と、フィルム殺菌領域3と、無菌領域4と、製品排出領域5とに区分されている。原反供給領域2は装置1の下部に配置され、フィルム殺菌領域3はその領域2の上方に配置される。無菌領域4は装置1の上部を占め、その一部は装置1の下部に向かって延びている。そして、製品排出領域5は装置1の下部に原反供給領域2と隣り合わせて配置されている。
【0020】
原反供給領域2には、包材の素材であるフィルム10をロール状に巻回してなるフィルムロール11が装備される。フィルムロール11から引き出されたフィルム10はローラ12…12によって順次案内されつつフィルム殺菌領域3に引き込まれる。原反供給領域2とフィルム殺菌領域3とは隔壁13によって区分される。隔壁13には、フィルム10を通すための開口14と、その開口14を開閉するシャッタ15とが設けられる。
【0021】
フィルム殺菌領域3に導入されたフィルム10はほぼ鉛直上向きに走行して予備加熱部16、ミスト供給部18及び排気部22を順に通過する。図2(a)にも示すように、予備加熱部16には、フィルム10のいずれか一方の面に接触してこれを加熱する熱板ヒータ17が設けられている。なお、図2(a)においては、便宜上、フィルム10を図の右側から左側に走行するものとして描いている。
【0022】
熱板ヒータ17は、フィルム10と接触してこれに直接熱を伝達する手段としての熱板17aと、その熱板17aを加熱する電気的な発熱源17bとを有している。熱板17aは、熱伝導率の高い素材、一例としてアルミニウムにより形成されている。熱板17aは、フィルム10に対してその幅方向(図2(a)の紙面と直交する方向)の全長に亘って接触する。熱板17aの表面の粗さは、フィルム10の表面を傷つけない程度のものでよく、特段の研磨加工等を必要としない。但し、フィルム10の走行方向に関する熱板17aの両端部には適度なアール(丸み)を付けることが望ましい。
【0023】
熱板17aの加熱温度は、フィルム10の表面温度が35°C以上になるように、好ましくは60°C程度まで加熱されるように設定される。フィルム10の表面温度が低い場合には、過酸化水素のミストを接触させても十分な殺菌効果が得られないおそれがあり、その一方、フィルム10の表面温度が高いと、フィルム10が軟化して熱板17aに対するすべり性が低下する等、フィルム10の機械適性が劣化するおそれがある。なお、ここでいう機械適性とは、フィルムが本発明に係る充填包装装置に好適に使用できるか否かに関する適性を意味し、機械適性の劣化は、そのフィルムが充填包装装置の使用に適さない状態となることを意味する。
【0024】
熱板ヒータ17とフィルム10との接触長さは、フィルム10を十分に予備加熱できるだけの長さに設定され、一例として、フィルム10の走行速度が20m/minであれば200mm以上であることが好ましい。
【0025】
このようにフィルム10を熱板ヒータ17と直接接触させて予備加熱した場合には、予備加熱するための熱源からフィルム10に至るまでの熱損失を抑えて熱効率を高めることができ、加熱温度の管理も容易となる。また、熱板17aの温度をフィルム10の目標加熱温度に対して極端に高く設定する必要がないので、フィルム10が何らかの原因で停止してフィルム10の同一箇所が熱板17aと長時間接触する状況となっても、フィルム10が過剰に熱せられて溶融したり、フィルム10の機械適性が変化するおそれがない。
【0027】
予備加熱されたフィルム10は、熱板ヒータ17のフィルム走行方向下流側に設けられたミスト供給部18に導かれる。ミスト供給部18では、フィルム10を両面側から挟むように配置された一対のノズル20,20から殺菌剤としての過酸化水素水のミストがフィルム10の両面と接触するように供給される。
【0028】
図3に示すように、各ノズル20は導管21を介してミスト発生装置19と接続される。また、ノズル20の先端には幅方向に沿ってスリット状の開口20aが形成され、その開口20aの長さはフィルム10の幅よりも大きく設定されている。
【0029】
図4に示すように、ミスト発生装置19は、殺菌剤としての過酸化水素(H)の水溶液を滴状にして供給する殺菌剤供給部40と、この殺菌剤供給部40から供給された過酸化水素の水溶液をその沸点以上に加熱して気化させる気化部41とを備える。殺菌剤供給部40には二流体スプレー41aが設けられる。二流体スプレー41aには殺菌剤供給口41b及び圧縮エア供給口41cが設けられ、それら供給口41b、41cは図示しない過酸化水素供給源又は噴霧用圧縮エア供給源にそれぞれ接続されている。
【0030】
供給口41b、41cから供給される過酸化水素の水溶液と圧縮エアとが二流体スプレー41aの内部で混ざり合うことにより、そのスプレー41aとエクステンションパイプ41eを介して接続されたノズル41dから気化部41の気化管43内に過酸化水素の水溶液がスプレーされる。気化管43は例えばアスベストリボンからなる外筒43aと、気化管43の内壁を形成するサニタリパイプからなる内筒43bと、外筒43a及び内筒43bとの間に設けられた加熱手段としてのヒータ43cとを有している。気化管43の下端の吐出口43dに上述した導管21が接続される。
【0031】
気化管43の内部に供給された滴状の過酸化水素はヒータ43cの熱で気化される。気化された過酸化水素は、導管21及びノズル20を経てフィルム10の表面近傍に導かれるまでの間の温度降下により凝集する。これにより、二流体スプレー41aにて生成される過酸化水素の滴よりも微細な過酸化水素のミストが生成される。図2(a)に示したように、ノズル20は、その先端開口20a(図3参照)からのミストの噴出方向がフィルム10に対してほぼ直交するように配置されている。
【0032】
熱板ヒータ17とノズル20との距離は、熱板ヒータ17にて加熱されたフィルム10の温度が低下しない程度の距離に設定することが望ましい。例えば、フィルム10の走行速度が20m/minであれば、熱板ヒータ17の熱板17aの終端部から100mm以内の距離にノズル20を設けることが好ましい。ノズル20とフィルム10の表面との間隔は、過酸化水素のミストによる殺菌効果が十分得られるような距離に設定し、一例として、10mm〜20mmの範囲に設定することが好ましい。
【0033】
気化管43に対する過酸化水素の供給量は、フィルム10の走行速度、殺菌効果及び残留過酸化水素量に応じて設定される。一例として、フィルム10の走行速度が27.5m/minである場合、35重量%過酸化水素溶液に換算して5g/min〜10g/minの範囲に設定することが好ましい。すなわち、過酸化水素を35重量%含んだ過酸化水素溶液を5g/min〜10g/minの範囲でフィルム10の表面に供給したときと同等の過酸化水素がフィルム10の表面に付着するように過酸化水素の量を設定することが好ましい。生成されるミスト中に含まれる過酸化水素の濃度は35重量%以上が望ましい。殺菌剤は過酸化水素に限らず、殺菌作用を有する各種の薬液を使用できる。
【0034】
気化管43の温度は、過酸化水素が効率よく気化する温度に設定する。一例として200°C〜220°Cの範囲が好ましい。ノズル20の先端開口20aにおける温度は、過酸化水素がこのノズル20で結露しない温度に設定することが望ましく、一例として120°C〜160°Cの範囲が好適に使用される。120°Cに満たないと、過酸化水素がノズル20の開口20aの付近で結露し、過酸化水素の滴がフィルム10表面に落下するおそれがある。一方、ノズル20の温度が160°Cを越えると過酸化水素が凝縮せず、十分な殺菌効果が得られないおそれがある。二流体スプレー41aの圧縮エア供給口41cに供給されるエア圧は、0.5×10Pa〜4.0×10Paの範囲が好ましく、さらには0.5×10Pa〜1.0×10Paの範囲がより好ましい。
【0035】
図1及び図2(a)に示すように、排気部22には、フィルム10を挟むようにして一対の排気ダクト23,23が設けられる。各排気ダクト23は不図示の排気ブロワーと接続される。各排気ダクト23のフィルム10と対向する面には、フィルム10の幅方向の全長に亘って延びるスリット状の開口23a(図2(a))が設けられている。排気ダクト23はノズル20に対してフィルム10の走行方向に関する下流側に隣接して配置されている。フィルム10の走行中には、排気ダクト23の開口23aからエアが吸引されて装置1の外部へ排気される。このような排気ダクト23によれば、フィルム10に接触したミストを排出して、フィルム殺菌領域3における余分なミストの残留を防止することができる。また、フィルム10の表面近傍に漂っているミストをフィルム10の表面近傍から強制的に排気することにより、フィルム10への過酸化水素の過剰な浸透を抑え、フィルム10への過酸化水素の残留濃度を低下できる利点が生じる。
【0036】
図1及び図2(a)に示したように、フィルム殺菌領域3と無菌領域4とは隔壁24で区分されている。排気部22を通過したフィルム10はその隔壁24に形成されたスリット25を介して無菌領域4の乾燥処理部26に導かれる。乾燥処理部26には、フィルム10を挟むように配置された一対の温風ノズル27,27と、それらの温風ノズル27よりもフィルム10の走行方向下流側にてフィルム10を挟むように設けられた冷風ノズル28,28とを備えている。温風ノズル27及び冷風ノズル28は、フィルム10と対向する先端部にフィルム10とほぼ等しい幅のスリット状の開口27a、28a(図2(a))を有している。
【0037】
各温風ノズル27からは、フィルム10に付着している殺菌剤を気化させるための温風がフィルム10に向かって噴出する。温風を吹き付けることによりフィルム10は加熱され、殺菌剤ミストによる殺菌効果が高まる。
【0038】
各冷風ノズル28からは常温のエアが噴出する。なお、ここにいう冷風とは、温風との対比において低温のエアを意味し、常温又はそれよりも幾らか低い温度のいずれも冷風の概念に含まれる。冷風ノズル28からのエアの吹き付けによりフィルム10の乾燥が補完されるとともに、温風ノズル27からの温風によって加熱されたフィルム10が冷却されて、そのすべり性やカール性等の物性の低下が防止される。温風ノズル27及び冷風ノズル28は、それらの先端からの温風又は冷風の噴出方向がフィルム10に対してほぼ直交するように配置されている。
【0039】
温風ノズル27は、ミスト供給部18における過酸化水素のミストによる殺菌効果を十分発揮できる程度の距離に設けられる。一例として、フィルム10の走行速度が20m/minであればミスト供給部18のノズル20から150mm以上離れた距離に温風ノズル27を設けることが好ましい。すなわち、ノズル20とノズル27との間の距離が、過酸化水素のミストによるフィルム10表面の殺菌効果を十分発揮させるための所定時間となる。
【0040】
温風ノズル27から供給する温風の風量は、温風による加熱効果及びミスト排出効果が十分に得られるように設定され、一例として、フィルム10の走行速度が20m/minであればフィルム10の片面につき0.2m/min程度であることが好ましい。また、フィルム10に吹き付ける温風の温度は40°C〜60°Cの範囲であることが好ましい。40°Cに満たないとフィルム10の乾燥を十分に行うことができないおそれがあり、60°Cを越えるとフィルム10の軟化に伴うすべり性の低下等が生じて機械適性が劣化するおそれがある。
【0041】
図1に示すように、乾燥処理部26を通過したフィルム10は、その後、ローラ29…29により適宜案内されつつ無菌領域4内の充填処理部30に導かれる。充填処理部30に導かれたフィルム10は、ローラ31によりその走行方向が下方向に変更される。その後、フィルム10はフォーマー32にてその走行方向に沿った両側縁を互いに重ね合わせるように折り込まれる。折り込まれたフィルム10は一対の縦シール用ローラ33(図1では手前側のみ図示されている)の間を通過する。その際に、縦シール用ローラ33によりフィルム10の両側縁の重複部分が加熱溶着され、それによりフィルム10が筒状に形成される。その後、フィルム10は、2組の横シール用ローラ34、35により走行方向に関して一定の間隔で加熱溶着されて横方向(幅方向)にシールされる。フィルム10の一箇所に横方向のシールが行われると、そのシール部分の上方に形成されているフィルム10の筒状体の内部には供給管36から各種の内容物が所定量だけ充填される。その内容物が充填された領域よりもさらに上側にてフィルム10が再び横方向にシールされることにより、内容物が充填された一つの袋体が形成される。充填処理部30ではこうした処理がフィルム10の走行に連動して繰り返されることにより、各種の液体が充填された袋体がフィルム10の走行方向に連なった状態で製造される。
【0042】
その後、各袋体にはノッチ(切れ目)が適宜に形成され、さらに、横方向シール部にミシン目が入れられるか、又は横方向シール部がカットされて袋体が相互に分離される。こうして製造された袋詰め製品が製品排出領域5に排出される。なお、上記の充填処理部30には公知の種々の構成を適用することができる。無菌領域4と製品排出領域5との間には、無菌領域4を閉じることができるようにシャッタ39が設けられることが望ましい。
【0043】
以上の充填包装装置1において、無菌領域4及びフィルム殺菌領域3には、充填作業が行われる前に滅菌処理が施される。その滅菌処理時には、原反供給領域2とフィルム殺菌領域3との間のシャッタ15と、無菌領域4と製品排出領域5との間のシャッタ39はいずれも閉じられる。これにより、装置1の内部が密閉される。充填作業が行われるときはシャッタ15,39が必要最小限だけ開かれるとともに、無菌領域4には無菌エア供給装置37から配管37aを介して陽圧の無菌エアが常時供給される。これにより、無菌領域4が陽圧に保持されてその滅菌状態が維持される。無菌エア供給装置37には、例えば外部から取り込んだエアをHEPAフィルタで濾過して供給する周知の装置を使用することができる。なお、乾燥処理部26は無菌領域4に設けられているので、それらのノズル27,28から吹き出すエアも当然に無菌化されている必要がある。そこで、無菌エア供給装置37から供給されるエアをヒータ38にて加熱して温風ノズル27に導く一方で、冷風ノズル28には無菌エア供給装置37から供給されるエアを加熱せずにそのまま導くことが望ましい。
【0044】
充填包装作業を行う場合においては、フィルム10をフィルム殺菌領域3から無菌領域4へと導く必要から、フィルム殺菌領域3と無菌領域4とを完全に遮断することはできず、両領域3,4はフィルム10を通すためのスリット25を介して互いに連通する。従って、陽圧に維持された無菌領域4内のエアの一部は、そのスリット25を介してフィルム殺菌領域3に排出される。フィルム殺菌領域3には、殺菌前のフィルム10が導入される一方で、ミスト供給部18において殺菌剤のミストが絶えず供給されている。そのため、フィルム殺菌領域3は、無菌領域4と比較すればその殺菌性は十分ではないが、原反供給領域2と比較すれば十分に清浄に保たれた領域となる。従って、無菌領域4からみて、フィルム殺菌領域3は、無菌領域4の滅菌状態を維持するためのいわばバッファ領域として機能する。その結果、無菌領域4にて行われる無菌充填包装の信頼性が高まる。
【0045】
フィルム殺菌領域3においては、排気ダクト23から逐次エアが外部へ向かって吸引されている。従って、フィルム殺菌領域3の圧力は原反供給領域2の圧力と比較して低下し、フィルム殺菌領域3が相対的に陰圧化される。そのため、原反供給領域2から隔壁13の開口14を経てフィルム殺菌領域3へエアが吸い込まれる。この結果、フィルム殺菌領域3に漂っている殺菌剤のミストが原反供給領域2へ漏れ出すおそれがなくなる。従って、フィルムロール11の装着等のために原反供給領域2にアクセスした作業者が殺菌剤のミストを浴びるおそれがなく、原反供給領域2の作業環境は良好に保たれる。原反供給領域2からフィルム殺菌領域3へエアが吸い込まれても、その領域3には殺菌剤のミストが絶えず供給されているので、上述したようにフィルム殺菌領域3は原反供給領域2よりも清浄に維持される。
【0046】
なお、排気ダクト23とは別に、フィルム殺菌領域3からエアを吸い出して当該領域3の圧力を低下させる手段を設けてもよい。
【0047】
本発明の充填包装装置及びフィルム殺菌方法は、上述した一実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えばノズル20,27,28はスリット状の開口を有するものに限定されず、多数の噴出孔をフィルム10の幅方向に連ねたものでもよい。ノズル20,27,28はそれぞれ2対又はそれ以上設けてもよい。フィルム10の片面のみを殺菌するだけで足りる場合には、フィルム10のいずれか一方の面側のノズル20,27,28を省略してもよい。冷風ノズル28は省略してもよい。排気ダクト23も省略してもよい。フィルム10の乾燥は温風を吹き付けるものに限定されず、遠赤外線等の各種の乾燥手段を利用してよい。
【0048】
ミスト供給部18のノズル20や乾燥処理部26のノズル27,28の向きは、それらからのミストやエアの噴出方向がフィルム10と直交する場合に限らず、適宜変更してよい。例えば、図2(b)に示すように、ノズル20については、ミストの噴出方向が走行中のフィルム10と直交する方向(法線NLの方向)に対して走行方向上流側(図2(b)の右側)に所定の傾斜角θだけ傾くように配置されてもよい。傾斜角θはフィルム10の走行速度に応じて適宜変更してよいが、例えば30°に設定される。
【0049】
このようにノズル20からのミストの噴射方向をフィルム10に対して走行方向上流側に斜めに傾けた場合には、高速で走行するフィルム10にミストが巻き込まれて下流側にミストが引き込まれるおそれが低減される。また、高速で走行するフィルム10にまとわりついて移動する気流に逆らうようにミストが噴霧されるので、フィルム10の近傍の気流とミストとがよく混ざり合い、フィルム10とミストとが効率よく接触して殺菌効率が高まる。
【0050】
一方、温風ノズル27については、そこからのエアの吹き出し方向(図2(b)に矢印Bで示す。)がフィルム10と直交する方向(法線NLの方向)に対してフィルム10の走行方向下流側に所定の傾斜角φで傾くように配置されてもよい。傾斜角φはフィルム10の走行速度に応じて適宜変更してよいが、例えば30°に設定される。このようにノズル27を傾けた場合には、乾燥用のエアがミスト供給部18側に流れてフィルム10とミストとの接触を妨げるおそれを抑制し、又は排除することができる。こうした図2(b)のレイアウトは、排気ダクト23及び隔壁24を省略し、同一領域に予備加熱部、ミスト供給部、乾燥処理部を並べる場合に好適である。
【0051】
なお、図1の装置においては、フィルム殺菌領域3と無菌領域4とが狭い開口25を介して相互に連通し、無菌領域4の陽圧エアは無菌領域4からフィルム殺菌領域3へ流れ、フィルム10はその逆方向に高速で移動している。そのため、これらの領域3,4の境界付近において、フィルム10の表面近傍ではエアが複雑に流れている可能性がある。そこで、ミスト供給用のノズル20、排気ダクト23、乾燥用のノズル27,28の位置や向きについてはそれぞれ調整可能とし、実際の装置の運転条件に照らして最適な位置及び向きに設定することが望ましい。
【0052】
図1の充填包装装置1においては、フィルム10をシールする過程で内容物を充填する必要から、充填処理部30におけるフィルム10の走行方向を下向きに設定することが必要不可欠である。本実施形態では、このような事情を考慮して、フィルムロール11から充填処理部30の上方までフィルム10を引き上げる過程で予備加熱部16、ミスト供給部18、排気部22及び乾燥処理部26を順次上下方向に連ねて配置した。このようなレイアウトによれば、殺菌に必要な各部を水平方向に並べる場合と比較して装置1の設置スペースの節約を図ることができる。但し、本発明はそのような例に限らず、殺菌に必要な各種の処理の少なくとも一部をフィルム10が水平に走行している部分にて行ってもよい。
【0053】
【実施例1】
ミスト供給用のノズルと温風供給用のノズルとを図2(b)に示すように配置し、延伸ナイロン(ON)/接着剤/線状低密度ポリエチレン(LLDPE)製のフィルムを対象として、細部の条件を変えながら殺菌処理を行った。フィルムは一定の走行速度で走行させ、熱板ヒータの熱板にその走行中のフィルムを接触させて予備加熱を行った。熱板がフィルムに接触する長さは200mmとした。
【0054】
予備加熱したフィルムに対して、過酸化水素のミストを吹き付けて殺菌処理を行った。フィルムの法線方向に対するミストの噴霧方向の傾斜角θ(図2(b))は30°とした。さらに、ミスト吹き付けが終了したフィルムに対して、乾燥した無菌状態の温風を吹き付けて加熱を行った。
【0055】
各殺菌条件のそれぞれについて、10、10、10の枯草菌芽胞を付着させた5×5cmのフィルムを殺菌処理し、シャーレ内に回収してトリプトソイ寒天培地を無菌的に流し込み、培養し、殺菌性の有無を評価した。各殺菌条件における試験結果から確率論的に最確数(MPN:most probable number)で生残菌数を算出し、付着菌数と生残菌数との対数値を次の式により求めて殺菌効果を評価した。
【0056】
【数1】
殺菌効果=log(付着菌数/生残菌数)
【0057】
また、残留過酸化水素濃度は、各殺菌条件のそれぞれについて、10×10cmのフィルムを殺菌処理し、10mlの水の中に入れて、酸素電極法で測定した。
【0058】
テスト結果の一覧を次表に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0003910398
【0060】
なお、残留判定、殺菌判定及び総合判定はそれぞれ2段階に分けて評価し、最も良好なものから順に◎、○で示している。
【0061】
以上の結果から次の点が確認できる。
【0062】
テスト番号#1は、他の条件を共通にしてフィルムを予備加熱するための熱板温度を変化させたものである。テスト番号#1の結果から、熱板温度の上昇に伴って残留過酸化水素濃度は減少するが、一方殺菌効果も減少することが理解できる。
【0063】
テスト番号#2は、他の条件を共通にして過酸化水素ミスト導入のためのノズルとフィルムとの間隔を変化させたものである。テスト番号#2の結果から、ノズル間隔が開くことによりフィルムへの過酸化水素付着量が減少し、従って殺菌効果が減少することが理解できる。
【0064】
テスト番号#3は、他の条件を共通にしてノズル間隔を変化させ、一方、ノズル間隔の変化によってもフィルムへの過酸化水素付着量をほぼ一定にしたものである。テスト番号#3の結果から、ノズル間隔が開くことによりその分だけ過酸化水素の供給量を増加させているため、フィルムへの残留過酸化水素濃度が上昇していることが理解できる。
【0065】
テスト番号#4は、他の条件を共通にして気化管の温度を変化させたものである。テスト番号#4の結果から、気化管の温度上昇に伴い、ノズル先端部の温度及び吹出エア温度(ノズルから吹き出されたミスト混じりのエアの温度)もこれに連れて上昇し、さらにフィルムへの残留過酸化水素濃度も上昇していることが理解できる。一方、殺菌効果に顕著な変化は見られない。
【0066】
テスト番号#5は、他の条件を共通にしてフィルムの走行速度を変化させたものである。テスト番号#5の結果から、フィルムの走行速度が上昇するに連れて結果としてフィルムへの過酸化水素付着量が減少し、このためにフィルムへの残留過酸化水素濃度が減少していることが理解できる。
【0067】
テスト番号#6は、他の条件を共通にして、ミスト発生装置に供給するエアの圧力を変化させたものである。テスト番号#6の結果から、エア圧を上昇させてもフィルムへの残留過酸化水素濃度は変化しないものの、殺菌効果は減少することが理解できる。
【0068】
以上の実験結果から、表1内に示すような基本条件の設定、すなわち最も好ましい条件の組み合わせの一例が導き出せた。
【0069】
【実施例2】
ミスト供給用のノズルと温風供給用のノズルとを図2(b)に示すように配置し、延伸ナイロン(ON)/接着剤/線状低密度ポリエチレン(LLDPE)製のフィルムを対象として、細部の条件を変えながら殺菌処理を行った。フィルムを20m/minの一定の走行速度で走行させた状態で、予備加熱ヒータの熱板に接触させて予備加熱した。熱板がフィルムに接触する長さは200mmである。次いで、予備加熱したフィルムに対して、過酸化水素のミストを吹き付けて殺菌処理を行った。気化管への過酸化水素の供給量は7g/minとし、気化管の温度は220°C、ノズルの先端付近の温度は150°Cとした。ミスト発生装置に供給するエア圧は1.5×10Paとした。フィルムの法線方向に対する過酸化水素水のミストの噴霧方向の傾斜角θは30°である。さらに、ミスト吹き付けが終了したフィルムに対して乾燥温風を吹き付けて加熱を行った。
【0070】
各殺菌条件のそれぞれについて、10、10、10の枯草菌芽胞を付着させた5×5cmのフィルムを殺菌処理し、シャーレ内に回収してトリプトソイ寒天培地を無菌的に流し込み、培養し、殺菌性の有無を評価した。各殺菌条件における試験結果から確率論的に最確数(MPN:most probable number)で生残菌数を算出し、付着菌数と生残菌数との対数値上述の式により求めて殺菌効果を評価した。
【0071】
また、残留過酸化水素濃度は、各殺菌条件のそれぞれについて、10×10cmのフィルムを殺菌処理し、10mlの水の中に入れて、酸素電極法で測定した。
【0072】
テスト結果の一覧を次表に示す。
【0073】
【表2】
Figure 0003910398
【0074】
なお、残留判定、殺菌判定及び総合判定はそれぞれ3段階に分けて評価し、最も良好なものから順に○、△、×で示している。
【0075】
以上の結果から次の点が確認できる。
【0076】
テスト番号#11は、他の条件を共通にして予備加熱の温度を変化させたものである。テスト番号#11の結果から、フィルムの予備加熱温度は60°C以下、より好ましくは50°C以下であればフィルムの機械適性の低下を招くことなく殺菌処理が行えることが理解できる。
【0077】
テスト番号#12は、他の条件を共通にして乾燥処理時にフィルムに吹き付ける温風の温度を変化させたものである。テスト番号#12の結果から、乾燥用の温風の温度を40°C〜70°Cの範囲に設定すれば、フィルムの機械適性の低下を招くことなく殺菌処理が行えることが理解できる。
【0078】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、殺菌効果の高い殺菌剤のミストを走行中のフィルムと接触させるとともに、そのミストの接触前の段階ではフィルムを殺菌に適した温度まで予備加熱し、ミストの接触後はフィルムを乾燥させる処理を設けたので、フィルムを高速で走行させても確実にこれを殺菌しつつフィルムへの殺菌成分の残留を抑えることできる。このようにして殺菌されたフィルムをそのまま充填処理部まで走行させて充填及び包装を行うことにより、特に内容物を高温に加熱しなくても高速かつ信頼性の高い無菌充填処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である充填包装装置の概略構成を示す図。
【図2】予備加熱部、ミスト供給部、排気部及び乾燥処理部の一例とその変形例とを示す図。
【図3】図1の充填包装装置に適用されるミスト発生装置の概略を示す斜視図。
【図4】図3のミスト発生装置の縦断面図。
【符号の説明】
1 充填包装装置
2 原反供給領域
3 フィルム殺菌領域
4 無菌領域
5 製品排出領域
10 フィルム
11 フィルムロール
15 シャッタ
16 予備加熱部
17 熱板ヒータ
17a 熱板
17b 発熱源
18 ミスト供給部
19 ミスト発生装置
20 ミスト供給用のノズル
22 排気部
23 排気ダクト
26 乾燥処理部
27 温風ノズル
28 冷風ノズル
30 充填処理部
36 無菌エア供給装置
38 ヒータ
40 殺菌剤供給部
41 気化部
43 気化管

Claims (5)

  1. 走行するフィルムを袋状に成形しつつその成形途中の袋体の内部に内容物を充填し、充填後の袋体をシールして袋詰め製品を製造する充填処理部を備えた充填包装装置において、
    前記充填処理部よりも前記フィルムの走行方向上流側には、
    前記フィルムを予備加熱する予備加熱部と、
    殺菌剤を気化させた後に凝縮させて生成したミストを、予備加熱された前記フィルムと接触させるミスト供給部と、
    前記ミストと接触した前記フィルムを乾燥させる乾燥処理部と、
    が設けられ、
    装置の内部には、無菌化されたエアの導入によって陽圧状態に保持可能な無菌領域と、その無菌領域と隔壁を介して区分されかつ前記フィルムが通過可能な開口を介して前記無菌領域と通じているフィルム殺菌領域とが設けられ、前記充填処理部及び前記乾燥処理部が前記無菌領域に配置され、前記予備加熱部及び前記ミスト供給部が前記フィルム殺菌領域に配置され、
    前記装置は、前記フィルムの供給源が設置可能であり、前記フィルム殺菌領域とは前記フィルムが通過可能な開口を介して通じているフィルム供給領域をさらに具備し、
    前記フィルム殺菌領域からエアを吸引して前記フィルム殺菌領域の圧力を前記フィルム供給領域の圧力よりも低下させる手段が前記フィルム殺菌領域に設けられ、
    前記予備加熱部には、前記フィルム殺菌領域と同一領域内でかつ前記ミスト供給部よりも前記走行方向上流側にて走行中のフィルムと接触してこれに直接熱を伝達する手段としての熱板とその熱板を加熱する電気的な発熱源とを有する熱板ヒータが設けられている、
    ことを特徴とする充填包装装置。
  2. 前記フィルム殺菌領域には、前記ミスト供給部にて供給されたミストを吸引して装置外へ排出する排気部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の充填包装装置。
  3. 前記乾燥処理部には、前記フィルムに対して温風を吹き付けるためのノズルが設けられ、前記無菌領域に導入される無菌化されたエアが加熱されて前記ノズルに供給されることを特徴とする請求項1に記載の充填包装装置。
  4. 前記乾燥処理部には、前記温風が吹き付けられたフィルムに対して常温以下の冷風を吹き付けるノズルが設けられ、そのノズルには前記無菌領域に導入される無菌化されたエアが供給されることを特徴とする請求項3に記載の充填包装装置。
  5. 前記充填処理部におけるフィルムの走行方向が下向きに設定され、その充填処理部の上方へフィルムを引き上げる経路に沿って前記予備加熱部、前記ミスト供給部及び乾燥処理部が配置され、かつ前記フィルム供給領域が前記フィルム殺菌領域の下方に配置されている、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の充填包装装置。
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