JP3910170B2 - 可変分散補償装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
前記ファイバグレーティングを基板上に固定するステップと、
前記ファイバグレーティング近傍の前記基板上に長手方向に沿って複数の温度可変手段を設けるステップと、
前記複数の温度可変手段に電力を印加する制御回路を用意するステップと、
前記複数の温度可変手段に印加する電力分布パターンを決定するステップであって、
a)所定の第1電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加するステップと、
b)前記第1電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加した場合の前記ファイバグレーティングの波長に対する群遅延時間を測定するステップと、
c)測定された前記群遅延時間又は前記群遅延時間の波長微分である分散と、前記第1電力分布パターンを印加した場合の所望の特性曲線との差であるリップルを算出するステップと、
d)算出された前記リップルの大きさが設定された許容範囲であるか否かを判断するステップと、
e)前記リップルが許容範囲にないと判断された場合に、前記リップルに相当する、前記各温度可変手段に印加する第2電力分布パターンを算出するステップと、
f)前記第2電力分布パターンを最適化するステップであって、
f−1)前記第1電力分布パターンと前記第2電力分布パターンとの総和である第3電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加するステップと、
f−2)前記第3電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加した場合の前記ファイバグレーティングの波長に対する群遅延時間を測定するステップと、
f−3)測定された前記群遅延時間又は前記群遅延時間の波長微分である分散と、前記所望の特性曲線との差であるリップルを算出するステップと、
f−4)算出された前記リップルの大きさが設定された許容範囲であるか否かを判断するステップと、
f−5)前記リップルが許容範囲にないと判断された場合に、前記リップルの大きさを小さくする方向に前記第2電力分布パターンを変化させるステップと、
f−6)前記ステップf−1)から前記ステップf−5)を繰り返して前記リップルが許容範囲となる前記第2電力分布パターンを得るステップと
を含む前記第2電力分布パターンを最適化するステップと、
g)前記第1電力分布パターンと最適化された前記第2電力分布パターンとの総和である第3電力分布パターンを電力分布パターンとして決定するステップと
を含む、電力分布パターンを決定するステップと、
前記電力分布パターンをメモリに記録するステップと、
前記メモリを前記制御回路と接続するステップと
を含む。
本発明の実施の形態1に係る温度制御装置について、図1及び図2を用いて説明する。図1の(a)は、この可変分散補償装置の構成を示すブロック図である。図1の(b)は、図1の(a)のA−A’線に沿った断面図であり、基板4上に固定されたファイバグレーティングの断面構造を示す断面図である。この可変分散補償装置は、基板4の上に固定されたファイバグレーティング2と、該ファイバグレーティング2の近傍に長手方向に沿って設けられた複数の薄膜ヒータ3と、該薄膜ヒータ3に電極5を介して電力を供給する制御部であるヒータ制御回路6と、該ヒータ制御回路6に接続されており、各ヒータ3に印加する制御信号の組み合わせである複数の電力分布パターンを記憶しているメモリ7、及び、メモリ7からどの電力分布パターンを選択するかを伝えるインターフェース回路8とを備えている。図1の(b)の断面図に示すように、ファイバグレーティング2は、コア10と該コア10の周囲を覆うクラッド11とからなる光ファイバ9の一端のコア10にグレーティングが所定長さにわたって設けられたものである。このグレーティングは、グレーティングピッチが線形に変化するチャープグレーティングである。また、基板4としては、例えば、石英,ガラスなどのセラミックスやポリイミドなどの樹脂からなる基板を用いることができる。また、薄膜ヒータ31,32、…、3Nは、34個設けられており、ファイバグレーティング2と基板4の間に配置されている。なお、電極51a,52a,…,5Na,51b,52b,…,5Nbは、薄膜ヒータ31,32,…,3Nと同時に薄膜プロセスにより形成される。この電極51a,52a,…,5Na,51b,52b,…,5Nbは、薄膜ヒータと同じ材質であるが線幅を十分広くして抵抗値を小さくしている。そのため、各電極5では、薄膜ヒータ3に比較し温度上昇は無視できるほど小さい。さらに上部に銅や銀など電気伝導率の高い金属薄膜を形成すればさらに高効率化できる。この電極51a,52a,…,5Naはリード線によってヒータ制御回路6に接続され、一方、電極51b,52b,…,5Nbはリード線によってグランド(GND)に接続される。またヒータ3に電力を供給する電極5のうち、ヒータ制御回路6に接続された電極51a、52a・・・5Naは各ヒータ31、32・・・3Nごとに設けられている。他方の電極51b、52b・・・5Nbは、単一の電極としてもよい。また、光ファイバ9がファイバグレーティング2への光信号入出力部となる。
λB=2NeffΛ (1)
(a)まず、コンピュータ23からは可変分散補償装置で所定の分散および分散スロープとなるようにヒータ制御回路6を介して各薄膜ヒータ3に電力分布パターン1が印加される。(S01)。
(b)次に、各ヒータ3に電力分布パターン1が印加されたファイバグレーティング2からの光出力について光サーキュレータ21を介して分散測定装置22で群遅延時間特性を測定する(S02)。
(c)得られた群遅延時間特性又はその波長微分である分散と所望の群遅延時間特性または分散との差(リップル)を算出する(S03)。
(d)次いで、該リップルの大きさが設定した許容値の範囲内であるか否かをコンピュータ23で判断する(S04)。リップルが許容値の範囲内であれば(YES)、電力分布パターン1を補償すべき電力分布パターン2は0とし(S13)電力分布パターン1を所定の分散を与える電力分布パターンとしてメモリに書き込んで(S11)、終了する。
(f)各薄膜ヒータ3に電力分布パターン1にさらに電力分布パターン2を加えて印加する(S07)。
(g)ファイバグレーティング2からの光出力を光サーキュレータ21を介して分散測定装置22で群遅延時間特性を測定する(S08)
(h)得られた群遅延時間特性又はその波長微分である分散と所望の群遅延時間特性または分散との差(リップル)を算出する(S09)。
(i)次いで、該リップルの大きさが設定した許容値の範囲内であるか否かをコンピュータ23で判断する(S10)。
(j)リップルが許容値の範囲内であれば(YES)、電力分布パターン1と電力分布パターン2との和である電力分布パターン3を所定の分散を与える電力分布パターンとしてメモリに書き込んで(S11)、終了する。
(k)一方、リップルが許容範囲内にない場合(NO)には、電力分布パターン2を調整し、ステップS07にもどる。
以上の各ステップを行うことによって、所定の分散を与える電力分布パターンを決定し、メモリに記録することができる。
(a)まず、所定の分散を補償するために各薄膜ヒータ3の位置に関して1次関数の電力分布パターン1(図8の(1)又は(2))を各薄膜ヒータ3に印加する(S01)。
(b)次に、ファイバグレーティング2の群遅延時間の波長特性を測定する(S02)。
(c)測定した群遅延時間(図9:実線)と、1次関数で表される理想的な群遅延時間(図9:破線)の差(リップル)を算出する(S03)。
(d)リップルの大きさが設定した許容範囲内にあるか否かを判断し(S04)、許容値の範囲内にないと判断された場合には、リップルに相当する、図10に示す電力分布パターン2を算出する(S05,S06)。
(e)各薄膜ヒータ3に電力分布パターン1にさらに電力分布パターン2を印加する(S07)。具体的には、電力分布パターン1−(1)(図8の(1))には電力分布パターン2−(1)(図10の(1))を加算して印加する。また、電力分布パターン1−(2)(図8の(2))には電力分布パターン2−(2)(図10の(2))を加算して印加する。
(f)ファイバグレーティング2の特性を再度測定し(S08)、理想的な特性との差が許容値の範囲を超えている場合には(S09,S10)、電力分布パターン2を調整する(S12)。なお、電力分布パターン2の調整方法は、例えば、電力分布パターン2の関数のパラメータを種々変化させてリップルを抑える方法がある。なお、調整方法はこれに限られず、各回ごとに算出したリップルについて対応する電力分布パターンを算出し、これを累積していき最適化した電力分布パターン2を得てもよい。
(g)リップルの大きさが許容範囲内となるまで上記ステップ(e)及び(f)を繰り返し、最適化した電力分布パターン2を決め、電力分布パターン1と最適化した電力分布パターン2の合計である電力分布パターン3(図11)を所定の分散を補償する電力分布パターンとしてメモリに記録する(S11)。
i)100パターンのそれぞれの電力分布パターンを記録してもよく、
ii)電力分布パターン(1)と、電力分布パターン(1)と(2)との間の100パターンのそれぞれの差分を記録してもよい。
ii)の場合には、電力分布パターン(1)に各差分を加えてそれぞれの場合の電力分布パターンを得ることができる。
(a)まず、所定の分散スロープを補償するために各薄膜ヒータ3の位置に関して2次関数の電力分布パターン1(図14の(1)又は(2))を各薄膜ヒータ3に印加する(S01)。
(b)次に、ファイバグレーティング2の群遅延時間の波長特性を測定する(S02)。
(c)測定した群遅延時間(図15:実線)と、2次関数で表される理想的な群遅延時間(図15:破線)の差(リップル)を算出する(S03)。
(d)リップルの大きさが設定した許容範囲内にあるか否かを判断し(S04)、許容値の範囲内にないと判断された場合には、リップルに相当する、図16に示す電力分布パターン2を算出する(S05,S06)。
(e)各薄膜ヒータ3に電力分布パターン1にさらに電力分布パターン2を印加する(S07)。具体的には、電力分布パターン1−(1)(図14の(1))には電力分布パターン2−(1)(図16の(1))を加算して印加する。また、電力分布パターン1−(2)(図14の(2))には電力分布パターン2−(2)(図16の(2))を加算して印加する。
(f)ファイバグレーティング2の特性を再度測定し(S08)、理想的な特性との差が許容値の範囲を超えている場合には(S09,S10)、電力分布パターン2を調整する(S12)。なお、電力分布パターン2の調整方法は、例えば、電力分布パターン2の関数のパラメータを種々変化させてリップルを抑える方法がある。なお、調整方法はこれに限られず、各回ごとに算出したリップルについて対応する電力分布パターンを算出し、これを累積していき最適化した電力分布パターン2を得てもよい。
(g)リップルの大きさが許容範囲内となるまで上記ステップ(e)及び(f)を繰り返し、最適化した電力分布パターン2を決め、電力分布パターン1と最適化した電力分布パターン2の合計である電力分布パターン3(図17)を所定の分散スロープを補償する電力分布パターンとしてメモリに記録する(S11)。
本発明の実施の形態2に係る可変分散補償装置のメモリに記録する電力分布パターンの決定方法について説明する。この電力分布パターンの決定方法は、実施の形態1に係る電力分布パターンの決定方法と比較すると、1次関数の電力分布パターン2を算出する点で相違している。電力分布パターン2を直線状とすることによって、波長に対する群遅延時間の直線状の歪みを簡便に修正できる。なお、実施の形態1のように測定した特性と理想的な特性の差から電力分布パターン2を求める方法と比較して簡易的であるが、群遅延時間の細かいリップルは無視しても良い場合などに有効である。
(a)まず、所定の分散を補償するために各薄膜ヒータ3の位置に関して1次関数の電力分布パターン1(図18の(1)又は(2))を各薄膜ヒータ3に印加する(S01)。
(b)次に、ファイバグレーティング2の群遅延時間の波長特性を測定する(S02)。
(c)測定した群遅延時間(図19:実線)と、1次関数で表される理想的な群遅延時間(図19:破線)の差(リップル)を算出する(S03)。
(d)リップルの大きさが設定した許容範囲内にあるか否かを判断し(S04)、許容値の範囲内にないと判断された場合、リップルが1次関数で近似できる場合(S05)には、該リップルに対応する、図20に示すY=aX+bで表される1次関数の電力分布パターン2を算出する(S06)。Xは薄膜ヒータ3の位置であり、Yはその位置の薄膜ヒータに印加する電力値である。また、a,bは定数である。
(e)各薄膜ヒータ3に電力分布パターン1にさらに電力分布パターン2を印加する(S07)。具体的には、電力分布パターン1−(1)(図18の(1))には電力分布パターン2−(1)(図20の(1))を加算して印加する。また、電力分布パターン1−(2)(図18の(2))には電力分布パターン2−(2)(図20の(2))を加算して印加する。
(f)ファイバグレーティング2の特性を再度測定し(S08)、理想的な特性との差が許容値の範囲を超えている場合には(S09,S10)、1次関数の電力分布パターン2を調整する(S12)。
(g)リップルの大きさが許容範囲内となるまで上記ステップ(e)及び(f)を繰り返し、最適化した電力分布パターン2を決め、電力分布パターン1と最適化した電力分布パターン2の合計である電力分布パターン3(図21)を所定の分散スロープを補償する電力分布パターンとしてメモリに記録する(S11)。
本発明の実施の形態3に係る可変分散補償装置のメモリに記録する電力分布パターンの決定方法について説明する。この電力分布パターンの決定方法は、実施の形態1及び2に係る電力分布パターンの決定方法と比較すると、2次関数の電力分布パターン2を算出する点で相違している。電力分布パターン2を2次関数型とすることによって、波長に対する群遅延時間の2次関数的な歪みを簡便に修正できる。なお、実施の形態1のように測定した特性と理想的な特性の差から電力分布パターン2を求める方法と比較して簡易的であるが、群遅延時間の細かいリップルは無視しても良い場合などに有効である。
(a)まず、所定の分散を補償するために各薄膜ヒータ3の位置に関して1次関数の電力分布パターン1(図22の(1)又は(2))を各薄膜ヒータ3に印加する(S01)。
(b)次に、ファイバグレーティング2の群遅延時間の波長特性を測定する(S02)。
(c)測定した群遅延時間(図23:実線)と、1次関数で表される理想的な群遅延時間(図23:破線)の差(リップル)を算出する(S03)。
(d)リップルの大きさが設定した許容範囲内にあるか否かを判断し(S04)、許容値の範囲内にないと判断された場合、リップルが2次関数で近似できる場合には、該リップルに対応する、図24に示すY=aX2+bX+cで表される2次関数の電力分布パターン2を算出する(S05,S06)。Xは薄膜ヒータ3の位置であり、Yはその位置の薄膜ヒータに印加する電力値である。また、a,b,cは定数である。
(e)各薄膜ヒータ3に電力分布パターン1にさらに電力分布パターン2を印加する(S07)。具体的には、電力分布パターン1−(1)(図22の(1))には電力分布パターン2−(1)(図24の(1))を加算して印加する。また、電力分布パターン1−(2)(図22の(2))には電力分布パターン2−(2)(図24の(2))を加算して印加する。
(f)ファイバグレーティング2の特性を再度測定し(S08)、理想的な特性との差が許容値の範囲を超えている場合には(S09,S10)、2次関数の電力分布パターン2を調整する(S12)。
(g)リップルの大きさが許容範囲内となるまで上記ステップ(e)及び(f)を繰り返し、最適化した電力分布パターン2を決め、電力分布パターン1と最適化した電力分布パターン2の合計である電力分布パターン3(図21)を所定の分散を補償する電力分布パターンとしてメモリに記録する(S11)。
Y=ΣciXi
ここで、Xは薄膜ヒータ3の位置であり、Yはその位置の薄膜ヒータに印加する電力値である。また、ci(0≦i≦n)は定数である。
本発明の実施の形態4に係る可変分散補償装置のメモリに記録する電力分布パターンの決定方法について説明する。この電力分布パターンの決定方法は、実施の形態1から3に係る電力分布パターンの決定方法と比較すると、ガウス関数型の電力分布パターン2を算出する点で相違している。電力分布パターン2をガウス関数型とすることによって、波長に対する群遅延時間のガウス関数型の歪みを簡便に修正できる。なお、実施の形態1のように測定した特性と理想的な特性の差から電力分布パターン2を求める方法と比較して簡易的であるが、群遅延時間の細かいリップルは無視しても良い場合などに有効である。
(a)まず、所定の分散を補償するために各薄膜ヒータ3の位置に関して2次関数の電力分布パターン1(図27の(1)又は(2))を各薄膜ヒータ3に印加する(S21)。
(b)次に、ファイバグレーティング2の群遅延時間の波長特性を測定する(S22)。
(c)測定した群遅延時間(図28:実線)と、2次関数で表される理想的な群遅延時間(図28:破線)の差(リップル)を算出する(S23)。
(d)リップルの大きさが設定した許容範囲内にあるか否かを判断し(S24)、許容値の範囲内にないと判断された場合、リップルがガウス関数で近似できる場合には(S25)、該リップルに対応する、図29に示すY=a/exp((X−b)2/c)で表されるガウス関数型の電力分布パターン2を算出する(S26)。Xは薄膜ヒータ3の位置であり、Yはその位置の薄膜ヒータに印加する電力値である。また、a,b,cは定数である。
(e)各薄膜ヒータ3に電力分布パターン1にさらに電力分布パターン2を印加する(S27)。具体的には、電力分布パターン1−(1)(図27の(1))には電力分布パターン2−(1)(図30の(1))を加算して印加する。また、電力分布パターン1−(2)(図27の(2))には電力分布パターン2−(2)(図29の(2))を加算して印加する。
(f)ファイバグレーティング2の特性を再度測定し(S28)、理想的な特性との差が許容値の範囲を超えている場合には(S29,S30)、2次関数の電力分布パターン2を調整する(S32)。
(g)リップルの大きさが許容範囲内となるまで上記ステップ(e)及び(f)を繰り返し、最適化した電力分布パターン2を決め、電力分布パターン1と最適化した電力分布パターン2の合計である電力分布パターン3(図30)を所定の分散スロープを補償する電力分布パターンとしてメモリに記録する(S31)。
本発明の実施の形態5に係る可変分散補償装置のメモリに記録する電力分布パターンの決定方法について説明する。この電力分布パターンの決定方法は、実施の形態1から4に係る電力分布パターンの決定方法と比較すると、少なくとも一つの薄膜ヒータ3を含む複数の領域ごとに異なる関数型の電力分布パターン2を算出する点で相違している。各領域ごとに電力分布パターン2を算出することによって、波長に対する群遅延時間特性が波長範囲ごとに異なる関数型の歪みを有する場合にも、各波長範囲に対応する薄膜ヒータを含む各領域ごとに詳細に修正できる。
(a)まず、所定の分散を補償するために各薄膜ヒータ3の位置に関して1次関数の電力分布パターン1(図31の1−(1)又は1−(2))を各薄膜ヒータ3に印加する(S01,S21)。
(b)次に、ファイバグレーティング2の群遅延時間の波長特性を測定する(S02,S22)。図32は、電力分布パターン1−(1)を各薄膜ヒータに印加した場合のファイバグレーティングの群遅延時間特性を示す図である。図33は、電力分布パターン1−(2)を各薄膜ヒータに印加した場合のファイバグレーティングの群遅延時間特性を示す図である。
(c)測定した群遅延時間(図32、図33:実線)と、1次関数で表される理想的な群遅延時間(図32、図33:破線)の差(リップル)を算出する(S03)。この場合、長波長側の領域1と短波長側の領域2でそれぞれ理想的な群遅延時間特性の直線から外れている。また、領域1と領域2とでは理想曲線からの差(リップル)は異なる関数型を示している。具体的には、領域1でのリップルは1次関数的であり、一方、領域2でのリップルはガウス関数的であることがわかる。
(d)リップルの大きさが設定した許容範囲内にあるか否かを判断し(S04、S24)、許容値の範囲内にないと判断された場合、領域1ではリップルが1次関数で近似でき(S05)、該リップルに対応する、Y=aX+bで表される1次関数の電力分布パターン2(図34の2−(1)−1)を算出する(S06)。Xは薄膜ヒータ3の位置であり、Yはその位置の薄膜ヒータに印加する電力値である。また、a,b,cは定数である。一方、領域2ではリップルがガウス関数で近似でき(S25)、該リップルに対応する、Y=c/exp((X−d)2/e)で表されるガウス関数型の電力分布パターン2(図34の2−(1)−2)を算出する(S26)。Xは薄膜ヒータ3の位置であり、Yはその位置の薄膜ヒータに印加する電力値である。また、c,d,eは定数である。
(e)各薄膜ヒータ3に電力分布パターン1にさらに電力分布パターン2を印加する(S07、S27)。具体的には、電力分布パターン1−(1)(図31の1−(1))には領域1については電力分布パターン2−(1)−1(図34の2−(1)−1)を加算して印加し、領域2については電力分布パターン2−(1)−2(図34の2−(1)−2)を加算して印加する。なお、電力分布パターン1−(2)(図31の1−(2))については図示していないが、同様にして電力分布パターン1−(2)に各領域ごとに算出した電力分布パターン2を加算して印加する。
(f)ファイバグレーティング2の特性を再度測定し(S08、S28)、理想的な特性との差が許容値の範囲を超えている場合には(S09,S10、S29,S30)、2次関数の電力分布パターン2を調整する(S12、S32)。
(g)リップルの大きさが許容範囲内となるまで上記ステップ(e)及び(f)を繰り返し、最適化した電力分布パターン2を決め、電力分布パターン1と最適化した電力分布パターン2の合計である電力分布パターン3(図35の3−(1))を所定の分散を補償する電力分布パターンとしてメモリに記録する(S11、S31)。なお、領域1及び領域2での電力分布パターン2の最適化を別々に行ってもよい。
Claims (6)
- 光ファイバのコアの所定長さにわたってグレーティングが形成されたファイバグレーティングを用意するステップと、
前記ファイバグレーティングを基板上に固定するステップと、
前記ファイバグレーティング近傍の前記基板上に長手方向に沿って複数の温度可変手段を設けるステップと、
前記複数の温度可変手段に電力を印加する制御回路を用意するステップと、
前記複数の温度可変手段に印加する電力分布パターンを決定するステップであって、
a)所定の第1電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加するステップと、
b)前記第1電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加した場合の前記ファイバグレーティングの波長に対する群遅延時間を測定するステップと、
c)測定された前記群遅延時間又は前記群遅延時間の波長微分である分散と、前記第1電力分布パターンを印加した場合の所望の特性曲線との差であるリップルを算出するステップと、
d)算出された前記リップルの大きさが設定された許容範囲であるか否かを判断するステップと、
e)前記リップルが許容範囲にないと判断された場合に、前記リップルに相当する、前記各温度可変手段に印加する第2電力分布パターンを算出するステップと、
f)前記第2電力分布パターンを最適化するステップであって、
f−1)前記第1電力分布パターンと前記第2電力分布パターンとの総和である第3電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加するステップと、
f−2)前記第3電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加した場合の前記ファイバグレーティングの波長に対する群遅延時間を測定するステップと、
f−3)測定された前記群遅延時間又は前記群遅延時間の波長微分である分散と、前記所望の特性曲線との差であるリップルを算出するステップと、
f−4)算出された前記リップルの大きさが設定された許容範囲であるか否かを判断するステップと、
f−5)前記リップルが許容範囲にないと判断された場合に、前記リップルの大きさを小さくする方向に前記第2電力分布パターンを変化させるステップと、
f−6)前記ステップf−1)から前記ステップf−5)を繰り返して前記リップルが許容範囲となる前記第2電力分布パターンを得るステップと
を含む前記第2電力分布パターンを最適化するステップと、
g)前記第1電力分布パターンと最適化された前記第2電力分布パターンとの総和である第3電力分布パターンを電力分布パターンとして決定するステップと
を含む、電力分布パターンを決定するステップと、
前記電力分布パターンをメモリに記録するステップと、
前記メモリを前記制御回路と接続するステップと
を含む、可変分散補償装置の製造方法。 - 前記ステップf−5)では、前記リップルを補償する差分の電力分布パターンを算出し、前記第2電力分布パターンに前記差分の電力分布パターンを加算して前記第2電力分布パターンを変化させることを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償装置の製造方法。
- 前記ステップe)では、前記リップルに対応してn次関数で表される第2電力分布パターンを算出することを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償装置の製造方法。
- 前記ステップe)では、前記リップルに対応してガウス型関数で表される第2電力分布パターンを算出することを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償装置の製造方法。
- 基板に固定されたファイバグレーティングと、前記ファイバグレーティング近傍の前記基板上に長手方向に沿って設けられた複数の温度可変手段と、前記複数の温度可変手段に印加する電力分布パターンを記録したメモリと、前記メモリから前記電力分布パターンを読み出して前記各温度可変手段に電力を印加して前記ファイバグレーティングを伝搬する光の分散を補償する制御回路とを備える可変分散補償装置の前記メモリに書き込む前記電力分布パターンを決定する方法であって、
a)所定の第1電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加するステップと、
b)前記第1電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加した場合の前記ファイバグレーティングの波長に対する群遅延時間を測定するステップと、
c)測定された前記群遅延時間又は前記群遅延時間の波長微分である分散と、前記第1電力分布パターンを印加した場合の所望の特性曲線との差であるリップルを算出するステップと、
d)算出された前記リップルの大きさが設定された許容範囲であるか否かを判断するステップと、
e)前記リップルが許容範囲にないと判断された場合に、前記リップルに相当する、前記各温度可変手段に印加する第2電力分布パターンを算出するステップと、
f)前記第2電力分布パターンを最適化するステップであって、
f−1)前記第1電力分布パターンと前記第2電力分布パターンとの総和である第3電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加するステップと、
f−2)前記第3電力分布パターンを前記各温度可変手段に印加した場合の前記ファイバグレーティングの波長に対する群遅延時間を測定するステップと、
f−3)測定された前記群遅延時間又は前記群遅延時間の波長微分である分散と、前記所望の特性曲線との差であるリップルを算出するステップと、
f−4)算出された前記リップルの大きさが設定された許容範囲であるか否かを判断するステップと、
f−5)前記リップルが許容範囲にないと判断された場合に、前記リップルの大きさを小さくする方向に前記第2電力分布パターンを変化させるステップと、
f−6)前記ステップf−1)から前記ステップf−5)を繰り返して前記リップルが許容範囲となる前記第2電力分布パターンを得るステップと
を含む前記第2電力分布パターンを最適化するステップと、
g)前記第1電力分布パターンと最適化された前記第2電力分布パターンとの総和である第3電力分布パターンを電力分布パターンとして決定するステップと
を含む、可変分散補償装置のメモリに書き込む電力分布パターンを決定する方法。 - 請求項5に記載の可変分散補償装置の前記メモリに書き込む前記電力分布パターンの決定する方法の各ステップをコンピュータにおいて実行させるためのプログラム。
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