JP3907966B2 - 微細濾過フィルター装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂をフィルム、シートなどに溶融押出する装置における異物濾過構造に関し、特に熱分解物や架橋ゲル化を生じやすい熱安定性の低い樹脂の溶融押出に適した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂をフィルム、シートなどに溶融押出する装置において異物を濾過するには、図示しないが、押出機と口金との間の流路途中の押出機シリンダ先端にストレーナ(金網)を配するのが普通であるが、これは濾過面積が少なく、短時間で目詰まりするため、連続して生産可能な時間が短い。
【0003】
図3は、従来の微細濾過フィルターの概略断面図である。
濾過面積を大きくするためには、図3に示すように円盤型濾過体30を組み合わせたフイルタを採用する方法がある。
【0004】
図5はこの円盤型濾過体30を中央から切った状態の斜視図であって、2枚の円板状濾過材31、31が中央にパッキン兼用流路34を備えた支持材32、33により支えられたものである。円板状濾過材31、31は例えばステンレス繊維の焼結体からなる。矢印は樹脂の流れを示す。
【0005】
図3に示す従来の微細濾過フィルタ1では、押出機等により可塑化された溶融樹脂は、微細濾過フィルタ1の押出機側内壁5と整流具2とで溶融樹脂を整流しながら、円盤型濾過体30に至る。
【0006】
微細濾過フィルタ1は円盤型濾過体30を複数枚串刺し状に配列したものであり、円盤型濾過体30は前記した図5に示す構造を有する。
【0007】
円盤型濾過体30とスペーサー3は、孔21を有するセンターコア20を中心軸として、円盤型濾過体30とスペーサー3を交互に挿入し、複数枚串刺し状に配列したもので、円盤状濾過体30のパッキン兼用流路34の両側パッキン面からの樹脂漏れが生じない程度の圧力で円盤状濾過体30を締め付け、締め付けボルト4にて固定を行う。
溶融樹脂は、円盤状濾過体30の円盤状濾過材31の両外側面より内側に濾過され通過して、孔21を通じてセンターコア20の集合管6に流入し、微細濾過フィルター1の出口へと向かう。
スペーサー3は、リング状あるいは、隣り合う円盤状濾過体30間の間隔を保つために、リングより放射状に金属棒を取り付けたもの等がある。
【0008】
図3に示すセンターコア20を図4の従来のセンターコア説明図を用いて説明する。図4のセンターポスト22は円盤型濾過体30を安定して挿入するためおよび濾過された溶融樹脂を孔21に導くために、多角形のものが多く採用されおり、図4では8角形のものを示している。また、図4のセンターポスト22には前記説明した孔21がセンターポスト22に対して直角に配置され、かつ樹脂の流入量を増すために隣り合う孔21が、互い違いに配置されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図4に示すセンターコア20では、円盤型濾過体30と孔21が同一位置にあることが、圧力損失や溶融樹脂滞留の問題からみても望ましいが、実際には、円盤型濾過体30は、フィルターの使用の都度厚み寸法が変化すること、スペーサー3を交互に配置していることから結果として、孔21と円盤型濾過体30との位置がずれてしまうことが多々にあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するものであって、押出機により押し出された溶融樹脂中のゲル又は異物を濾過するための円盤型濾過体30と円盤型濾過体30間の間隔を保つためのスペーサー3と円盤型濾過体30により濾過された溶融樹脂流入するための孔11がセンターコア10に形成されたセンターポスト12とを有し円盤型濾過体30スペーサー3とは、センターコア10を中心軸として交互に串刺し状に配列され、孔11は、センターポスト12の軸線方向に対して平行にセンターコア10に形成され、複数枚円盤型濾過体30の総厚みを跨ぐ長さを有し、かつ長形状であることを特徴とする濾過フィルター装置1を提供しようとするものである。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1は本発明装置の一例の断面図である、図2は本発明の一例を示す本発明のセンターコアの説明図である。
【0012】
図1に示す本発明の微細濾過フィルター装置では、押出機等により可塑化された溶融樹脂は、微細濾過フィルター1の押出機側内壁5と整流具2とで溶融樹脂を整流しながら、円盤型濾過体30に至る。
【0013】
微細濾過フィルタ1は、円盤型濾過体30とスペーサー3とを交互に複数枚に串刺し状に配列したものであり、円盤型濾過体30は図5に示す構造を有する。
【0014】
円盤型濾過体30とスペーサー3は、孔11を有するセンターコア10を中心軸として、円盤型濾過体30とスペーサー3を交互に挿入し、複数枚串刺し状に配列したもので、円盤状濾過体30のパッキン兼用流路34の両側パッキン面からの樹脂漏れが生じない程度の圧力で円盤状濾過体30を締め付け、締め付けボルト4にて固定を行う。
【0015】
溶融樹脂は、円盤状濾過体30の円盤状濾過材31の両外側面より内側に濾過され通過して、孔11を通じてセンターコア10の集合管6に流入し、微細濾過フィルター1の出口へと向かう。
【0016】
スペーサー3は、従来公知のリング状あるいは、隣り合う円盤状濾過体30間の間隔を保つために、リングより放射状に金属棒を取り付けたものを問題なくしようできる。
【0017】
溶融樹脂流入する孔11は、センターポスト12の軸線方向に対して平行に形成する。また、溶融樹脂の流入の面から孔11は、センターコア10の集合6に向かうにつれて微細フィルターの出口方向に傾斜した形状としたものが好ましい。また、形成する孔11の形状は、長孔状あるいは長形状のものが好ましいが、複数枚の円盤型濾過体30を跨ぐ長さ、センターポスト12の強度維持ができれば問題ない。
【0018】
本発明の微細フィルタの設置位置は、押出機と口金の間に設置されれば良く、例えば図6、図7に示すような設置位置が考えられる。
図6では、押出機101、微細濾過フィルタ1、口金102の順番で設置している。熱劣化し易い樹脂は、熱劣化防止の面から考えると押出機101と口金102の距離は短い方が好ましく、押出機101の直後に設置することも可能である。
また、従来使用していたブレーカープレート、メッシュ金網は積層物を粗濾過するフィルターとして併用使用することも可能である。この場合、粗濾過フィルターは比較的に目詰まりが早いことから、生産時間を長くするため、メッシュ金網を少し粗いメッシュ金網で構成することもある。
【0019】
図7では、押出機101、ギアポンプ103、微細フィルタ1、口金102の順番で設置している。樹脂の押出量が安定しない樹脂を使用する場合ギアポンプ103を使用することは従来公知であるが、この様な生産ラインにも使用することができる。
【0020】
また、この場合も同様に微細濾過フィルタ1以外に粗濾過フィルタを設置している場合、同様にメッシュを粗くすることが好ましい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、1)従来型で問題になっていた、円盤型濾過30とセンターポスト12に配置される溶融樹脂流入の孔11との不一致による溶融樹脂の滞留に対して、センターポスト12の孔11を長に形成したことにより、円盤型濾過30の厚み寸法の変化等により円盤型濾過材の取付位置が変化しても、無理なくセンターコア10の集合管6の導管部へと流入することが可能となり、溶融樹脂の滞留が低減され、溶融樹脂の熱劣化が低減される。
【0022】
2)上記の様に、無理なくセンターコア10の集合管6の導管部へと流出することにより微細濾過フィルター1での圧力損失も少なく抑えられる。
【0023】
3)センターコア10の構造が簡単になり、加工費等が削減可。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微細濾過フィルターの説明図
【図2】本発明のセンターコアの一部断面図及びA−A断面図
【図3】従来の微細濾過フィルターの説明図
【図4】従来のセンターコアの一部断面図及びB−B断面図
【図5】円盤型濾過体の斜視断面図
【図6】微細濾過フィルター配置例1の説明図
【図7】微細濾過フィルター配置例2の説明図
【符号の説明】
1 微細濾過フィルター
2 整流
3 スペーサー
4 締め付け金具
5 微細濾過フィルターの押出機側内壁
6 集合管10 センターコア
11 孔
12 センターポスト
20 センターコア
21 孔
22 センターポスト
30 円盤型濾過体
31 円盤状濾過材
32 支持材
33 支持材
34 流路
101 押出機
102 口金
103 ギアポンプ

Claims (1)

  1. 押出機により押し出された溶融樹脂中のゲル又は異物を濾過するための円盤型濾過体と、
    前記円盤型濾過体間の間隔を保つためのスペーサーと、
    前記円盤型濾過体により濾過された溶融樹脂流入するための孔がセンターコアに形成されたセンターポストとを有し、
    前記円盤型濾過体と前記スペーサーとは、前記センターコアを中心軸として交互に串刺し状に配列され、
    前記孔前記センターポストの軸線方向に対して平行にセンターコアに形成され、複数枚の前記円盤型濾過体の総厚みを跨ぐ長さを有し、かつ長形状であることを特徴とする濾過フィルター装置。
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