JP3907521B2 - タイヤ加硫方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤを加硫するタイヤ加硫方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りタイヤは、例えば、以下のようにして加硫していた。即ち、下金型上に未加硫タイヤを搬入して載置した後、該下金型上に位置する上金型を昇降シリンダにより下降させて下金型に接近させる一方、下方に向かって拡開した傾斜面を内周に有するアウターリングを駆動シリンダにより下降させることで、周方向に複数個並べられたセクター金型を、アウターリングの傾斜面の楔作用によって半径方向内側に同期移動させる。
【0003】
そして、前述した上金型が下降限まで下降するとともに、セクター金型が半径方向内側限まで移動すると、未加硫タイヤが下、上金型およびセクター金型内に密閉状態で収納されるが、このとき、未加硫タイヤ内に加硫媒体を供給し、下、上金型およびセクター金型によって該未加硫タイヤを加硫するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前述の加硫時、セクター金型は未加硫タイヤ内に供給された加硫媒体によって半径方向外側に移動しようとするが、このような移動は前記駆動シリンダによりアウターリングを下方に押し込むことで阻止するようにしている。このように駆動シリンダは加硫時に型締めシリンダとしても機能するため、大出力のものを使用する必要があり、この結果、装置全体が大型で高価となってしまうという問題点がある。
【0005】
一方、前述した駆動シリンダの出力が不足した場合には、セクター金型が半径方向外側に移動して該セクター金型と下、上金型との間に間隙が発生するが、このような間隙が発生すると、加硫時にゴムが間隙にはみ出して空気入りタイヤの表面にバリが生じてしまうのである。
【0006】
この発明は、構造簡単でかつ小型安価でありながら加硫時におけるセクター金型の半径方向外側への移動を防止することができるタイヤ加硫方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、第1に、下金型上に未加硫タイヤを搬入して載置する工程と、上金型と未加硫タイヤが載置された下金型とを相対的に接近させるとともに、下方に向かって拡開した傾斜面を内周に有するアウターリングと周方向に複数個並べられたセクター金型とを相対的に上下方向に移動させることにより、前記セクター金型をアウターリングの傾斜面によって半径方向内側に同期移動させる工程と、前記移動により未加硫タイヤが下、上金型およびセクター金型内に密閉収納されたとき、下金型外周に設けられた第1突出体の下面に、アウターリングの下端部内周に設けられた第2突出体を接触させる工程と、未加硫タイヤ内に加硫媒体を供給し、下、上金型およびセクター金型によって該未加硫タイヤを加硫する工程とを備え、前記未加硫タイヤの加硫時、加硫媒体から下金型に付与される下向き力を第1、第2突出体を通じてアウターリングに伝達した後、アウターリングの傾斜面により半径方向内側力に変換してセクター金型に伝達するようにしたタイヤ加硫方法により達成することができる。
【0008】
第2に、搬入された未加硫タイヤが載置される下金型と、該下金型に相対的に接近離隔することができる上金型と、下金型に載置された未加硫タイヤを半径方向外側から囲むよう設置され、周方向に複数個並べられたセクター金型と、内周に下方に向かって拡開した傾斜面を有するアウターリングと、前記アウターリングとセクター金型とを相対的に上下方向に移動させることにより、セクター金型をアウターリングの傾斜面によって半径方向内側に同期移動させる移動手段と、下金型外周に設けられた第1突出体と、アウターリングの下端部内周に設けられ、前記移動により未加硫タイヤが下、上金型およびセクター金型内に密閉収納されたとき、前記第1突出体の下面に接触する第2突出体とを備え、未加硫タイヤ内に加硫媒体を供給して該未加硫タイヤを加硫しているとき、加硫媒体から下金型に付与される下向き力を第1、第2突出体を通じてアウターリングに伝達した後、アウターリングの傾斜面により半径方向内側力に変換してにセクター金型に伝達するようにしたタイヤ加硫装置により達成することができる。
【0009】
前述のように未加硫タイヤが下、上金型およびセクター金型内に密閉収納されたとき、下金型外周に設けられた第1突出体の下面に、アウターリングの下端部内周に設けられた第2突出体を接触させ、その後、未加硫タイヤ内に加硫媒体を供給し、下、上金型およびセクター金型によって該未加硫タイヤを加硫するようにしたので、加硫媒体から下金型に付与される下向き力は第1、第2突出体を通じてアウターリングに伝達される。
【0010】
ここで、このアウターリングは内周が下方に向かって拡開した傾斜面となっているので、前記した下向き力は該アウターリングの傾斜面により半径方向内側力に変換されてセクター金型に伝達され、移動手段による型締め力に加算される。この結果、セクター金型に対する型締め力が大きくなって下、上金型とセクター金型との間における間隙の発生が防止され、これにより、空気入りタイヤ表面のバリ発生を防止することができる。
【0011】
また、移動手段による型締め力を、最大、前記第1、第2突出体による半径方向内側力の増加分だけ減少させることも可能である。このように第1、第2突出体を設けるだけという簡単な構造でありながら、アウターリング、セクター金型を相対移動させる移動手段、例えばシリンダを小型で安価とすることができる。
【0012】
また、請求項3に記載のように構成すれば、簡単な構造でありながら、未加硫タイヤが下、上金型およびセクター金型内に密閉収納されたとき、第2突出体を第1突出体の下面に確実に接触させることができる。
さらに、請求項4に記載のように構成すれば、簡単な構造で第1突出体をアウターリングの中心軸回りに回転させることができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、加硫時に上金型が加硫媒体によって上方に移動する事態を簡単な構造で効果的に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は床面12上に設置された下フレーム13を有するタイヤ加硫装置であり、この下フレーム13上には下プラテンを含む水平な平板状のベースプレート14が固定され、前記ベースプレート14の下プラテン内には、建設車両用の大型未加硫タイヤMを加硫するとき、高温、高圧の加硫媒体が供給される。前記ベースプレート14上には、前記未加硫タイヤMがタイヤ加硫装置11に搬入されたとき、該未加硫タイヤMが載置される下サイドモールド15が固定され、この下サイドモールド15は加硫時に未加硫タイヤMの下側サイドウォール部を主に型付けする。前述したベースプレート14および下サイドモールド15は全体として金型本体16を構成する。
【0014】
18は前記金型本体16の外周、詳しくはベースプレート14の外周に形成された周方向に連続して延びる周溝であり、この周溝18には、ベースプレート14の半径方向外側に嵌合された回転リング19の内周に形成されている周方向突起20が挿入されている。この結果、前記回転リング19は金型本体16の外側に回転可能に支持されることになる。そして、前述した金型本体16および回転リング19は全体として、未加硫タイヤMが搬入されたとき、該未加硫タイヤMが横置きで載置される下金型21を構成する。
【0015】
24は周方向に並べられた複数個の弧状をしたセクターセグメントであり、これらのセクターセグメント24は下サイドモールド15より半径方向外側の下金型21の上面、詳しくはベースプレート14、回転リング19の上面に摺動可能に係合するとともに、半径方向に移動可能に支持されている。また、これらセクターセグメント24の外周24aは下方に向かうに従い拡開するよう傾斜した傾斜面(円錐面の一部)となっている。
【0016】
各セクターセグメント24の半径方向内側には、加硫時に未加硫タイヤMのトレッド部を主に型付けする弧状のセクターモールド25がそれぞれ固定されている。前述したセクターセグメント24、セクターモールド25は全体として、上金型21に載置された未加硫タイヤMを半径方向外側から囲むよう設置され、周方向に複数個並べられて配置されたセクター金型26を構成する。
【0017】
29は上プラテンを含む水平な平板状のトッププレートであり、このトッププレート29の上プラテン内には、未加硫タイヤMの加硫時に高温、高圧の加硫媒体が供給される。また、このトッププレート29の下面には下サイドモールド15と対をなす上サイドモールド30が固定され、この上サイドモールド30は、加硫時に、未加硫タイヤMの上側サイドウォール部を主に型付けする。
【0018】
そして、これらトッププレート29および上サイドモールド30は図示していない金型搬送装置により、下金型21の直上の加硫位置と、該加硫位置から離れた待機位置との間を搬送される。前述したトッププレート29、上サイドモールド30は全体として、前記金型搬送装置によって下金型21に相対的に接近離隔することができる上金型31を構成する。
【0019】
前記トッププレート29の上側部外周には半径方向外側に向かって延びる環状の突出部29aが形成され、また、前記上サイドモールド30の半径方向外端部はトッププレート29の外周より半径方向外側に突出することで、環状をした第3突出体としての突出部30aを構成している。この結果、これら突出部29aと突出部30aとの間には連続環状の環状溝32が形成されることになる。
【0020】
一方、各セクター金型26、詳しくはセクターセグメント24の上端部には第4突出体としての弧状突起34が形成され、これらの弧状突起34はセクター金型26の内周から半径方向内側に向かって突出している。そして、これら弧状突起34は、セクター金型26が半径方向内側限まで同期移動したとき、環状溝32に挿入され、前記突出部30aの上面に接触する。
【0021】
前記上金型31、詳しくはトッププレート29の半径方向外端部上面には複数のガイドブロック37が周方向に等角度離れて固定され、これらのガイドブロック37には上下方向に延びるガイドロッド38がそれぞれ摺動可能に挿入されている。これらガイドロッド38はその上端に該ガイドロッド38の下降を制限するストッパー39が形成され、一方、その下端にはリング状をした水平なアウターリング40の上端が固定されている。
【0022】
このアウターリング40は内周40aに下方に向かって拡開した傾斜面(円錐面の一部)を有し、この内周40aの勾配は前記セクターセグメント24の外周24aの勾配と同一で、該外周24aに摺接可能である。また、前記外周24aまたは内周40aのいずれか一方に、例えば図示していない断面T字形をしたありが、残り他方に前記ありと補完関係にあるあり溝が設けられており、この結果、アウターリング40がセクターセグメント24の外側に嵌合されたとき、前記あり溝にありが挿入されてセクターセグメント24とアウターリング40とがあり結合される。この状態でアウターリング40が下降すると、複数のセクター金型26は傾斜面の楔作用により下金型21に摺接しながら半径方向内側に向かって同期移動する。
【0023】
43は下フレーム13を半径方向外側から囲むよう床面12上に設置された上下方向に延びる複数のシリンダであり、これらの駆動シリンダ43は周方向に等角度離れて配置されている。これら駆動シリンダ43のピストンロッド44の先端には図示していない首振り機構により水平面内で90度だけ首振りする係止片45の基端部が連結されているが、これら係止片45が首振り機構によって首を振ると、該係止片45はアウターリング40の下端外周に形成された係止爪46の上面に接触する。この状態で前記駆動シリンダ43が作動してピストンロッド44が引っ込むと、アウターリング40はセクター金型26に対して相対的に下方に移動(下降)する。
【0024】
前述した駆動シリンダ43、係止片45は全体として、アウターリング40とセクター金型26とを相対的に上下方向に移動させることにより、セクター金型26をアウターリング40の傾斜面によって半径方向内側に同期移動させる移動手段47を構成する。
【0025】
そして、ブラダ48の両端が取付けられている加硫リム49によって両ビード部が半径方向内側から支持された未加硫タイヤMが下金型21上に載置された後、上金型31が下金型21に接近してセクター金型26の上端に接触して加硫位置に到達するとともに、アウターリング40の下降によりセクター金型26が半径方向に同期移動してセクターモールド25が下、上サイドモールド15、30に接触する半径方向内側限に到達すると、これら下サイドモールド15、セクターモールド25、上サイドモールド30は閉止する。このようにして下、上金型21、31およびセクター金型26が互いに密着すると、これらの内部には未加硫タイヤMを密閉収納する加硫空間が形成される。
【0026】
前記下金型21の外周、詳しくは回転リング19の上側部外周には半径方向外側に向かって突出する第1突出体としての複数の弧状爪51が設けられ、これらの弧状爪51は周方向に等距離離れて設置されている。一方、前記アウターリング40の下端部内周には連続環状の凹み52が形成され、この凹み52の下部底面には半径方向内側に向かって突出する第2突出体としての弧状爪53が設けられている。そして、これらの弧状爪53は前記弧状爪51と同数だけ設けられ、また、これら弧状爪53の周方向長は隣接する弧状爪51間の周方向間隔より僅かに短い。
【0027】
56はベースプレート14の下面にブラケット57を介して支持された回転手段としてのシリンダであり、このシリンダ56は水平面内で首振り可能である。前記シリンダ56のピストンロッド58の先端はブラケット59を介して前記回転リング19に連結されており、この結果、前記シリンダ56が作動してピストンロッド58が突出したり引っ込んだりすると、弧状爪51は一体となって回転リング19と共にアウターリング40の中心軸回りに回転する。
【0028】
このように前記下金型21を、金型本体16と、該金型本体16の外側に回転可能に支持され、外周に弧状爪51が設けられた回転リング19とから構成するとともに、該回転リング19を回転させるシリンダ56を設けるようにすれば、簡単な構造でありながら弧状爪51をアウターリング40の中心軸回りに容易に回転させることができる。
【0029】
そして、アウターリング40の下降によって弧状爪51が弧状爪53間を通過して上側に抜け出ると、前述のように未加硫タイヤMが下、上金型21、31およびセクター金型26内に密閉収納されるが、このとき、回転リング19が回転して弧状爪51、53が上下に重なり合い弧状爪51の下面に弧状爪53が接触する。前述した弧状爪51および弧状爪53は全体として、下金型21とアウターリング40とを必要に応じて締結するバヨネット継手60を構成する。
【0030】
このように第1、第2突出体を共に周方向に離れた複数の弧状爪51、53から構成することで、これら弧状爪51、53によりバヨネット継手60を構成するとともに、弧状爪51をアウターリング40の中心軸回りに一体として回転できるようにすれば、簡単な構造でありながら、未加硫タイヤMが下、上金型21、31およびセクター金型26内に密閉収納されたとき、弧状爪53を弧状爪51の下面に確実に接触させることができる。
【0031】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
今、加硫リム49が装着されている未加硫タイヤMがタイヤ搬送装置によってタイヤ加硫装置11に搬入され、下金型21の下サイドモールド15上に横置きで載置されたとする。このとき、セクター金型26は半径方向外側限まで移動した状態で待機しており、また、上金型31およびアウターリング40は下金型21から離れた待機位置で待機している。その後、金型搬送装置により上金型31およびアウターリング40を下金型21の直上まで搬送するが、このとき、アウターリング40は、図3に示すように、自重によりストッパー39がガイドブロック37に当接するまで下方に移動し、上金型31から吊り下げられている。
【0032】
次に、金型搬送装置により上金型31、アウターリング40を下降させ、該上金型31を下金型21に接近させる。この下降の途中でアウターリング40の下端部がセクター金型26の上端部外側に嵌合され、これらアウターリング40とセクター金型26とがあり結合される。その後も上金型31は下降するが、アウターリング40の自重ではセクター金型26を半径方向内側に移動させることができないため、上金型31のみが下降してアウターリング40は下降を停止し、ガイドロッド38がガイドブロック37から上方に突出する。そして、アウターリング40の上端がガイドブロック37に当接するまで上金型31が下降すると、上金型31の下降力がアウターリング40にも伝達され、上金型31、アウターリング40が一体的に下降する。
【0033】
このようにしてアウターリング40が上金型31と共に下降を開始すると、外周24a、内周40aの楔作用により、複数のセクター金型26は同期して下金型21の上面に摺接しながら半径方向内側に移動する。そして、上金型31のトッププレート29がセクター金型26の上端に接触するとともに、上サイドモールド30が下金型21上に載置されている未加硫タイヤMの上側サイドウォール部に接触すると、前記上金型31およびアウターリング40の下降が停止する。このとき、突出限まで突出していたピストンロッド44の係止片45が首振り機構により90度だけ首を振り、係止爪46の上面に接触する。
【0034】
この状態で駆動シリンダ43が作動してピストンロッド44が引っ込むと、アウターリング40がセクター金型26に対して下降するため、セクター金型26は外周24a、内周40aの楔作用によって再び半径方向内側に向かって同期移動する。そして、このようなアウターリング40の下降によって弧状爪51が弧状爪53間を通過して上側に抜け出る(弧状爪53が弧状爪51間を通過して下側に抜け出る)と、セクター金型26は半径方向内側限に到達して下、上金型21、31およびセクター金型26が互いに密着し、これにより、加硫金型が閉止されその内部に未加硫タイヤMが密閉収納される。
【0035】
ここで、前述のようにセクター金型26が半径方向内側限に到達する直前において、各セクター金型26の弧状突起34が環状溝32内に挿入され、弧状突起34が突出部30aの上面に接触する。このようにして加硫金型が閉止されると、シリンダ56のピストンロッド58が突出して回転リング19が回転し、これにより、弧状爪51と弧状爪53とが上下に重なり合って弧状爪51の下面に弧状爪53が接触し、下金型21とアウターリング40とが締結される。
【0036】
この状態でブラダ48、プラテン内に高温、高圧の加硫媒体が供給されると、未加硫タイヤMは下、上サイドモールド15、30、セクターモールド25により型付けされながら加硫されて加硫済タイヤとするが、このような未加硫タイヤMの加硫時、弧状爪51の下面には前述のように弧状爪53が接触しているので、加硫媒体から下金型21に付与されている下向き力は、これら弧状爪51、53を通じてアウターリング40に伝達される。
【0037】
ここで、このアウターリング40は内周40aが下方に向かって拡開した傾斜面となっているので、前記した下向き力は該アウターリング40の内周40aにより半径方向内側力に変換されてセクター金型26に伝達され、駆動シリンダ43による型締め力に加算される。この結果、セクター金型26に対する型締め力が大きくなって下、上金型21、31とセクター金型26との間における間隙の発生が防止され、これにより、空気入りタイヤ表面のバリ発生を防止することができる。
【0038】
また、セクター金型26に対する駆動シリンダ43の型締め力を、最大、前記弧状爪51、53による半径方向内側力の増加分だけ減少させることも可能である。このように弧状爪51、53を設けるだけという簡単な構造でありながら、アウターリング40、セクター金型26を相対移動させるとともに型締め機能を有する移動手段47、ここでは駆動シリンダ43を小型で安価とすることができる。
【0039】
また、このような加硫時、前述のように突出部30aの上面には弧状突起34が接触しているため、加硫媒体から上金型31に付与される上向き力を、突出部30a、弧状突起34を介してセクター金型26に支持させることができるが、このセクター金型26はアウターリング40の内周40aから付与された下向き力により下金型21に押し付けられているので、上金型31の上方への移動は強力に制限される。これにより、上金型31が加硫媒体によって上方に移動(開釜)する事態を簡単な構造でありながら効果的に防止することができる。
【0040】
なお、前述の実施形態においては、下金型21を静止させた状態で上金型31、アウターリング40を下金型21に対して下降接近させることで加硫金型を閉止させるようにしたが、この発明においては、上金型、アウターリングを下降させ、該アウターリングを下フレームに連結した後、未加硫タイヤが載置されている下金型を上昇させることで、セクター金型を半径方向内側に同期移動させ、加硫金型を閉止させるようにしてもよい。
【0041】
また、前述の実施形態においては、アウターリング40をガイドロッド38を介して上金型31に連結し、セクター金型26を半径方向に移動させるときのみアウターリング40をセクター金型26にあり結合するようにしたが、この発明においては、アウターリングをセクター金型に常時結合するようにしてもよい。
【0042】
さらに、前述の実施形態においては、弧状爪51、53をそれぞれ回転リング19の外周、アウターリング40の内周に形成し、回転リング19を回転させることで弧状爪51の下面に弧状爪53を接触させるようにしたが、この発明においては、第1、第2突出体の少なくともいずれか一方を下金型、アウターリングに出没可能に設け、シリンダ、カム等によって第1、第2突出体を、加硫直前に下金型の外周、アウターリングの内周から突出させるようにしてもよい。
【0043】
また、前述の実施形態においては、下金型21の一部、即ち回転リング19を回転させることで、全弧状爪51を回転させるようにしたが、この発明においては、下金型全体を第1突出体と一体的に回転させたり、あるいは、アウターリングの一部あるいは全部を回転させることで、全第2突出体を回転させるようにしてもよい。
【0044】
さらに、前述の実施形態においては、回転リング19をシリンダ56によって回転させるようにしたが、この発明においては、回転リングの内周にラック歯を形成することともに、このラック歯に噛み合うピニオンをモータの出力軸に固定し、該モータの作動により回転リングを回転させるようにしてもよい。
【0045】
さらに、前述の実施形態においては、セクター金型26とアウターリング40とをありを用いて結合するようにしたが、この発明においては、セクター金型とアウターリングとを単に摺接させるとともに、セクター金型を半径方向外側に向かって常時付勢するスプリングを設けるようにしてもよい。
【0046】
また、前述の実施形態においては、建設車両用の大型空気入りタイヤを加硫する場合について説明したが、この発明は、トラック・バス用あるいは乗用車用の空気入りタイヤの加硫にも適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、構造簡単でかつ小型安価でありながら加硫時におけるセクター金型の半径方向外側への移動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す正面半断面図である。
【図2】図1のI−I矢視断面図である。
【図3】加硫金型が開放されているときの正面半断面図である。
【符号の説明】
11…タイヤ加硫装置 19…回転リング
21…下金型 26…セクター金型
30a…第3突出体 31…上金型
34…第4突出体 40…アウターリング
40a…内周 47…移動手段
51…第1突出体 53…第2突出体
56…回転手段 60…バヨネット継手
M…未加硫タイヤ

Claims (5)

  1. 下金型上に未加硫タイヤを搬入して載置する工程と、上金型と未加硫タイヤが載置された下金型とを相対的に接近させるとともに、下方に向かって拡開した傾斜面を内周に有するアウターリングと周方向に複数個並べられたセクター金型とを相対的に上下方向に移動させることにより、前記セクター金型をアウターリングの傾斜面によって半径方向内側に同期移動させる工程と、前記移動により未加硫タイヤが下、上金型およびセクター金型内に密閉収納されたとき、下金型外周に設けられた第1突出体の下面に、アウターリングの下端部内周に設けられた第2突出体を接触させる工程と、未加硫タイヤ内に加硫媒体を供給し、下、上金型およびセクター金型によって該未加硫タイヤを加硫する工程とを備え、前記未加硫タイヤの加硫時、加硫媒体から下金型に付与される下向き力を第1、第2突出体を通じてアウターリングに伝達した後、アウターリングの傾斜面により半径方向内側力に変換してセクター金型に伝達するようにしたことを特徴とするタイヤ加硫方法。
  2. 搬入された未加硫タイヤが載置される下金型と、該下金型に相対的に接近離隔することができる上金型と、下金型に載置された未加硫タイヤを半径方向外側から囲むよう設置され、周方向に複数個並べられたセクター金型と、内周に下方に向かって拡開した傾斜面を有するアウターリングと、前記アウターリングとセクター金型とを相対的に上下方向に移動させることにより、セクター金型をアウターリングの傾斜面によって半径方向内側に同期移動させる移動手段と、下金型外周に設けられた第1突出体と、アウターリングの下端部内周に設けられ、前記移動により未加硫タイヤが下、上金型およびセクター金型内に密閉収納されたとき、前記第1突出体の下面に接触する第2突出体とを備え、未加硫タイヤ内に加硫媒体を供給して該未加硫タイヤを加硫しているとき、加硫媒体から下金型に付与される下向き力を第1、第2突出体を通じてアウターリングに伝達した後、アウターリングの傾斜面により半径方向内側力に変換してにセクター金型に伝達するようにしたことを特徴とするタイヤ加硫装置。
  3. 前記第1、第2突出体を共に周方向に離れた複数の弧状爪から構成することで、これら第1、第2突出体によりバヨネット継手を構成するとともに、第1、第2突出体のいずれか一方をアウターリングの中心軸回りに一体として回転できるようにした請求項2記載のタイヤ加硫装置。
  4. 前記下金型を、金型本体と、該金型本体の外側に回転可能に支持され、外周に第1突出体が設けられた回転リングとから構成するとともに、該回転リングを回転させる回転手段を設けた請求項3記載のタイヤ加硫装置。
  5. 前記上金型に第3突出体を設けるとともに、各セクター金型の上端部に、前記移動により未加硫タイヤが下、上金型およびセクター金型内に密閉収納されたとき、第3突出体の上面に接触する第4突出体を設け、未加硫タイヤの加硫時、加硫媒体から上金型に付与される上向き力を、第3突出体、第4突出体を介してセクター金型に支持させるようにした請求項2〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫装置。
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