JP3907446B2 - イオン性金属錯体の合成法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学ディバイス用支持電解質、ポリオレフィン等の重合触媒、また、有機合成用触媒として利用されるイオン性金属錯体の合成法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、PF6 -、BF4 -、AsF6 -のようなルイス酸とFイオンの結合したイオン性錯体がその溶解性、イオン解離性、反応に対する高活性という特性のため、電気化学ディバイス用支持電解質、ポリオレフィン等の重合触媒、また、有機合成用触媒等の用途に使用されてきた。
【0003】
応用範囲が多種多様化している中で、それぞれの用途に対する最適なイオン性錯体が探索されており、その性質として耐熱性、耐加水分解性、低毒性、リサイクル性等が求められている。そういう中で従来のように単純に中心元素にフッ素、酸素などが結合した形の錯体だけではなく、有機系の配位子が中心元素に結合した様式の錯体も多数見られるようになってきた。その合成法も多様である。例えば、中心元素に相当する元素の水酸化物と酸性度の高い活性水素を持った配位子の中和反応、中心元素に相当する元素のハロゲン化物とアルカリ金属等高い乖離性を持った配位子の脱塩反応、等が挙げられるが配位子と中心元素の組み合わせによっては反応性が低い場合もあり、自由に設計通りの錯体を得ることが困難な場合も多い。
【0004】
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑み鋭意検討の結果、配位子とハロゲン含有化合物とを原料として有機溶媒中において、Al、B、またはSiを含む反応助剤の存在下で反応させることにより新規な錯体の合成法を見出し本発明に到達したものである。
【0005】
すなわち本発明は、一般式(1)で示される化学構造式よりなるイオン性金属錯体を合成するに際し、一般式(2)で示される化合物と一般式(3)で示されるハロゲン含有化合物、または一般式(2)で示される化合物と一般式(4)で示されるハロゲン含有化合物とフッ化リチウムを、有機溶媒中において、Al、B、またはSiを含む反応助剤の存在下で反応させることを特徴とする一般式(1)で示されるイオン性金属錯体の合成法を提供するものである。
【0006】
【化2】
【0007】
ただし、Mは、B、またはP、Aa+は、金属イオン、水素イオンまたはオニウムイオン、aは、1、bは、1、pは、1、mは、1〜3、nは、0〜4、qは、0または1をそれぞれ表し、R1は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C 6 〜C20のアリーレン、またはC 6 〜C20のハロゲン化アリーレン、R2は、フッ素、X1、X2 は、O、を表し、E1、E2は、それぞれ独立で、水素、またはアルカリ金属、R5は、フッ素を表す。
【0008】
以下に、本発明をより詳細に説明する。
【0009】
ここで、本発明の目的とする合成される錯体は、中心元素に無機及び有機系の配位子が結合した構造を有するものであればよく、好ましくは一般式(1)で示される構造を有するものである。
【0010】
【化3】
【0011】
式中のMは、遷移金属、周期律表の III族、IV族、またはV族元素から選ばれるもので、好ましくはB、P、である。Aa+は、金属イオン、水素イオンまたはオニウムイオンで好ましくはLiイオン、4級アルキルアンモニウムイオンまたは水素イオンである。具体的なAa+としてはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、セシウムイオン、銀イオン、亜鉛イオン、銅イオン、コバルトイオン、鉄イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、チタンイオン、鉛イオン、クロムイオン、バナジウムイオン、ルテニウムイオン、イットリウムイオン、ランタノイドイオン、アクチノイドイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、水素イオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルスルホニウムイオン、トリエチルスルホニウムイオン、トリフェニルメチルイオン等が挙げられる。
【0012】
Aa+のカチオンの価数aは1から3が好ましく、3より大きい場合、結晶格子エネルギーが大きくなるため、溶媒に溶解することが困難になるという問題が起こる。そのため溶解度を必要とする場合は1がより好ましい。アニオンの価数bも同様に1から3が好ましく、特に1がより好ましい。カチオンとアニオンの比を表す定数pは、両者の価数の比b/aで必然的に決まってくる。
【0013】
一般式(1)中のR1は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C 6 〜C20のアリーレン、またはC 6 〜C20のハロゲン化アリーレンから選ばれるものよりなるが、これらのアルキレン及びアリーレンはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよい。具体的には、アルキレン及びアリーレン上の水素の代わりにハロゲン、鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、水酸基、また、アルキレン及びアリーレン上の炭素の代わりに、窒素、イオウ、酸素が導入された構造等を挙げることができる。さらには、複数存在するR1はそれぞれが結合してもよく、例えば、エチレンジアミン四酢酸のような配位子を挙げることができる。
【0014】
R2は、フッ素がよい。R2がフッ素の場合、その強い電子吸引性による電解質の解離度の向上とサイズが小さくなることによる移動度の向上の効果により、イオン伝導度が非常に高くなる。
【0015】
X1、X2 は、O、であり、これらのヘテロ原子を介して配位子がMに結合する。ここで、O以外で結合することは、不可能ではないが合成上非常に煩雑なものとなる。この化合物の特徴として同一の配位子内にX1とX2によるMとの結合があるため、これらの配位子がMとキレート構造を構成している。このキレートの効果により、この化合物の耐熱性、化学的安定性、耐加水分解性が向上している。この配位子中の定数qは0または1であるが、特に、0の場合はこのキレートリングが五員環になるため、キレート効果が最も強く発揮され安定性が増すため好ましい。
【0017】
また、ここまでに説明した配位子の数に関係する定数mおよびnは、中心のMの種類によって決まってくるものであるが、mは1から3、nは0から4が好ましい。
【0018】
次にこの錯体の具体例を次に示す。
【0019】
【化4】
【0020】
以上のような錯体を合成する本発明の方法について説明する。この方法は配位子と錯体の中心元素の供給源になるハロゲン含有化合物とを原料として反応助剤の存在下に有機溶媒中で反応させることを特徴とするものである。
【0021】
配位子としては中心元素の供給源になるハロゲン含有化合物の有するハロゲンと結合しさらに脱離させるために活性な水素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を有するものがよく、具体的にはアルコール類、その金属アルコキシド、カルボン酸類、そのカルボン酸塩、スルホン酸類、そのスルホン酸塩、スルフィン酸類、そのスルフィン酸塩、等が挙げられる。さらに好ましくはこの化合物が一般式(2)で示される構造を有する化合物である。
【0022】
【化5】
【0023】
式中のE1、E2以外の記号は、一般式(1)のものと同様である。ここで、E1、E2は、それぞれ独立で、水素、またはアルカリ金属を示す。
【0024】
次に、中心元素の供給源になるハロゲン含有化合物は遷移金属、周期律表のIII族、IV族、またはV族を中心元素として有しており、この中心元素に少なくとも一つのハロゲンが結合したもので、ハロゲンのみが結合したものでもよいし、その他の置換基も結合していてもよい。好ましくはこのハロゲン含有化合物は一般式(3)または一般式(4)で示される構造を有する化合物である。
【0025】
【化6】
【0026】
式中のR5以外の記号は、一般式(1)のものと同様である。ここで、R5は、ハロゲンを示し、好ましくはフッ素を示す。具体例としては、LiPF6、LiBF4、LiAlCl4、LiPF3(CF3)3、LiBF3(Ph)、BF3、PF5、等が挙げられる(ただし、Phは、フェニル基を表す。)。
【0027】
反応助剤は、周期律表の I族、II族、III族、またはIV族元素を含むもので、好ましくは、Al、B、またはSiを含むものである。これらの元素とハロゲンの強力な結合ができることにより本発明における目的の反応の進行を助ける。また、これらの反応助剤は、前記元素の塩化物、臭化物、ヨウ化物、アルコキシ化合物、カルボキシ化合物から選ばれるものより成り、好ましくはこれらの反応助剤が、AlCl3、BCl3、SiCl4、または(CH 3 O) 3 Bから選ばれるものより成る。一般式(2)と一般式(3)の化合物が混合されたとき、わずかに発生するE1R5およびE2R5をこの反応助剤を用いて、反応を利用して除外することにより平衡が目的とする錯体の方向にずれて目的の反応が進行する。このとき副生物が沈殿、もしくは蒸気圧の高い成分として系外に取り除きやすいように配位子、中心元素の供給源になるハロゲン含有化合物、反応助剤を選択することが望ましい。
【0028】
反応させる量比は、特に限定するものではないが、配位子は中心元素の供給源になるハロゲン含有化合物に対して1から8倍モル反応させる。反応助剤は中心元素の供給源になるハロゲン含有化合物に対して0.1から10倍モルで反応させる。
【0029】
以上述べた合成法に用いられる溶媒は、化合物の構造にもよるが原料となる化合物を極微量でも溶解するもので、系内の化合物と反応を起こさないものが良く、好ましくは比誘電率が2以上のものが良い。ここで全く溶解力のない溶媒を使用した場合、反応が非常に遅くなるため好ましくない。わずかにでも溶解度があれば、目的のイオン性金属錯体の溶解度が非常に大きいため、反応は速やかに進行する。例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン類、アルコール類、芳香族類等が使用でき、単一の溶媒だけでなく、二種類以上の混合溶媒でもよい。具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、エタノール、メタノール等を挙げることができる。
【0030】
反応温度については、−80℃から100℃、好ましくは0℃から80℃が用いられる。これは−80℃より低い温度では反応が十分に進行せず、100℃以上では溶媒、原料の分解が起こる場合がある。また、十分な反応速度を得て、なおかつ全く分解を起こさないためには0℃から80℃の範囲が最適である。
【0031】
本発明で用いる原料は、加水分解性を有するものも多いため、低水分の空気、窒素、アルゴン等の雰囲気中で合成を行うことが望ましい。
【0032】
以上の方法で得られたイオン性金属錯体はその溶液を濃縮して結晶を析出させる再結晶法や溶液に貧溶媒を大量に投入して析出させる再沈法、そして得られた固体を洗浄する方法等により精製することも可能である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。
【0034】
実施例1
露点−50℃のグローブボックス中でシュウ酸1.31g、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)1.37g、ジメチルカーボネート20mlを混合し、十分に撹拌した。このとき、テトラフルオロホウ酸リチウムは完全に溶解したがシュウ酸は溶け残りスラリー状となった。次に、反応助剤である四塩化ケイ素1.38gを室温でこの混合液に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加開始と同時に激しく気体を発生して、未溶解のシュウ酸が溶解し反応が進行した。添加終了後、3時間撹拌を続け完全に気体の発生が停止したのを確認して反応終了とした。得られた反応液から40℃、133Paの減圧条件でジメチルカーボネートを除去し、白色の固体2.09gが生成物として得られた。これをジメチルエーテル20mlで洗浄して、固体をろ別し、120℃、133Paで減圧条件で24時間乾燥することにより、
【0035】
【化7】
【0036】
ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム2.09g(収率:99.5%)を得た。
【0037】
実施例2
露点−50℃のグローブボックス中でシュウ酸1.31g、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)1.37g、ジメチルカーボネート20mlを混合し、十分に撹拌した。このとき、テトラフルオロホウ酸リチウムは完全に溶解したがシュウ酸は溶け残りスラリー状となった。次に、反応助剤である三塩化アルミニウム1.30gを室温でこの混合液に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加開始と同時に乳白色の沈殿が発生した。添加終了後、3時間撹拌を続けた。得られた反応液から沈殿をろ別し、ろ液から40℃、133Paの減圧条件でジメチルカーボネートを除去し、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム2.09g(収率:99.5%)を得た。
【0038】
実施例3
露点−50℃のグローブボックス中でシュウ酸3.93g、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)1.37g、フッ化リチウム0.76g、エチルメチルカーボネート50mlを混合し、十分に撹拌した。このとき、テトラフルオロホウ酸リチウムは完全に溶解したがシュウ酸及びフッ化リチウムは溶け残りスラリー状となった。次に、反応助剤であるトリメトキシボラン((CH3O)3B)3.03gを0℃でこの混合液に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加開始と同時に未溶解成分が溶解し始めた。添加終了後、すべてのものが溶解した時点で、0℃、133Paの減圧条件でエチルメチルカーボネートを除去し、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム6.28g(収率:99.9%)を得た。
【0039】
実施例4
露点−50℃のグローブボックス中でシュウ酸3.93g、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)1.37g、フッ化リチウム0.76g、エチルメチルカーボネート50mlを混合し、十分に撹拌した。このとき、テトラフルオロホウ酸リチウムは完全に溶解したがシュウ酸及びフッ化リチウムは溶け残りスラリー状となった。次に、反応助剤である三塩化ホウ素(BCl3)3.43gを0℃でこの混合液に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加開始と同時に未溶解成分が溶解し始め、HClガスが発生し始めた。添加終了後、すべてのものが溶解した時点で、30℃、133Paの減圧条件でエチルメチルカーボネートを除去することにより、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム6.28g(収率:99.9%)を得た。
【0040】
実施例5
露点−50℃のグローブボックス中でシュウ酸1.31g、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)2.21g、ジエチルエーテル20mlを混合し、十分に撹拌した。このとき、シュウ酸、ヘキサフルオロリン酸リチウムは完全に溶解した。次に、反応助剤である四塩化ケイ素1.38gを室温でこの混合液に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加開始と同時に激しく気体を発生して反応が進行した。添加終了後、5時間撹拌を続け完全に気体の発生が停止したのを確認してNMRにより原料の消失を確認して反応終了とした。得られた反応液をろ過したのち、そのろ液を60℃、133Paの減圧条件でジエチルエーテルを除去することにより、
【0041】
【化8】
【0042】
テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウム2.93gが生成物として得られた。
【0043】
実施例6
露点−50℃のグローブボックス中でシュウ酸2.62g、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)1.37g、γ−ブチロラクトン50mlを混合し、十分に撹拌した。このとき、テトラフルオロホウ酸リチウム、シュウ酸は完全に溶解した。次に、反応助剤である四塩化ケイ素2.75gを室温でこの混合液に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加開始と同時に激しく気体を発生して反応が進行した。添加終了後、3時間撹拌を続け完全に気体の発生が停止したのを確認して反応終了とした。得られた反応液から60℃、133Paの減圧条件でγ−ブチロラクトンを除去し、白色の固体を得た。これをジメチルカーボネート50mlで洗浄して、固体をろ別し、その固体を120℃、133Paで減圧条件で24時間乾燥することにより、
【0044】
【化9】
【0045】
ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム2.81g(収率:99.3%)を得た。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、リチウム電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学ディバイス用支持電解質、ポリオレフィン等の重合触媒、または有機合成用触媒等として利用される錯体を容易にかつ効率よく合成することを可能にしたものである。
Claims (3)
- 一般式(1)で示される化学構造式よりなるイオン性金属錯体を合成するに際し、一般式(2)で示される化合物と一般式(3)で示される化合物、または一般式(2)で示される化合物と一般式(4)で示されるハロゲン含有化合物とフッ化リチウムを、有機溶媒中において、Al、B、またはSiを含む反応助剤の存在下で反応させることを特徴とする一般式(1)で示されるイオン性金属錯体の合成法。
Aa+は、金属イオン、水素イオンまたはオニウムイオン、
aは、1、
bは、1、
pは、1、
mは、1〜3、
nは、0〜4、
qは、0または1をそれぞれ表し、
R1は、C1〜C10のアルキレン、C1〜C10のハロゲン化アルキレン、C 6 〜C20のアリーレン、またはC 6 〜C20のハロゲン化アリーレン、
R2は、フッ素、
X1、X2 は、O、を表し、
E1、E2は、それぞれ独立で、水素、またはアルカリ金属、
R5は、フッ素を表す。 - 反応助剤が、AlCl3、BCl3、(CH 3 O) 3 B、またはSiCl4であることを特徴とする請求項1記載のイオン性金属錯体の合成法。
- Aa+が、Liイオン、4級アルキルアンモニウム、または水素イオンのいずれかであることを特徴とする請求項1記載のイオン性金属錯体の合成法。
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