JP3907214B2 - ポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英ガラス基板の製造方法 - Google Patents
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- Silicon Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英基板、特には低温領域でトランジスター特性の優れたポリシリコン薄膜トランジスターを製造することができる、ポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英ガラス基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリシリコン薄膜トランジスター(以下ポリシリコンTFTと略記する)は液晶ディスプレイ分野において、高画質、小型化可能であることから、従来のアモルファスシリコンTFTより優れた特性を有しており、ビデオカメラのカラービューファインダー、液晶プロジェクションなどの民生用機器に搭載されてきている。
このポリシリコンTFTは石英ガラス基板にポリシリコンを堆積させることによって製造されているが、当初この石英ガラス基板としては天然石英ガラス素材で製造されたものが使用されていたために、この石英ガラス中の泡の存在によってTFTの歩留りが低下し、またこのものはアルカリ金属などの金属不純物含有量が高いためにトランジスター特性に悪影響が与えられるという問題点があった。
【0003】
そのため、この石英ガラス基板については天然石英ガラス素材から高純度、無泡である合成石英ガラスからなるものに切り替ってきた。この合成石英ガラス基板についてもTFTの製造プロセスにおいては 1,000℃以上の高温処理が必要とされることから、高温耐熱性で高温時の反りや伸縮のないものが要求されるので、これは石英ガラスの熱特性、例えば徐冷点、歪点を高くすることが必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この合成石英ガラス基板の特性はその製造方法に起因するところが大きく、これは通常シラン化合物、特には塩素を含有しないアルコキシシランを原料として製造した多孔質シリカ焼結体の溶融からなるスート法によって製造されている(特公平 4-20853号公報参照)が、この方法で得られた合成石英ガラス基板はOH基含有量が 50ppm以下、塩素がフリーであることから熱特性が歪点 1,090℃、徐冷点 1,190℃と天然石英ガラスとほぼ同等の数値を有している。
【0005】
しかし、このポリシリコンTFTの製造については従来高温処理とされているために、ここに使用する(耐熱性に優れた)石英ガラス基板が高価なものとなり、高温処理のためにコスト高になるという不利があることから、これについては低温処理によるポリシリコンTFT製造プロセスの研究が進められている。
他方、このポリシリコンTFTの製造についてはトランジスター特性の向上のために、熱処理温度をより高温にすることも可能であるが、この場合にはこの温度を合成石英ガラス基板の徐冷点以上とするとその反り量が大きくなるので、この温度には限界があるという問題点もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不利、問題点を解決できるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法に関するものであり、これはシラン化合物を原料とし、これを酸水素等の直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化して、合成石英ガラス基板中に含有される水素分子の濃度を1×1015分子/cm3以上とすることを特徴とするものである。
【0007】
すなわち、本発明者らは低温処理によるポリシリコンTFTを製造することができる合成石英ガラス基板を開発すべく種々検討した結果、水素分子を高い濃度で含有している合成石英ガラス基板をウェーハ形状に加工し、これをポリシリコンTFT用基板として使用すると、ポリシリコンTFT製造プロセス中におけるポリシリコン形成時の熱処理工程で、ガラス中から水素分子がシリコン結晶中に拡散し、シリコン結晶欠陥中に水素がトラップされるので、TFTのトランジスター特性、特には電子移動度が50〜100cm2/Vs となり、しきい値電圧が5V以下まで低減されるようになるということを見出し、これによれば低温処理でポリシリコンTFTの製造が可能となり、高温耐熱特性を必要としない安価な合成石英素材を使用できるため、コスト低下もすることができることを確認して本発明を完成させた。
以下にこれをさらに詳述する。
【0008】
【作用】
本発明はポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法に関するものであり、これはシラン化合物を原料とし、これを酸水素等の直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化して、合成石英ガラス基板中に含有される水素分子の濃度を1×1015分子/cm3以上とすることを特徴とするものであるが、この製造方法によって得られる合成石英ガラス基板をポリシリコンTFT用に使用するとポリシリコン形成時の熱処理工程でこの水素分子がシリコン結晶中に拡散されるので、得られるポリシリコンTFTのトランジスター特性が向上されるし、このポリシリコンTFTの製造を低温処理に行なうことができるという有利性が与えられる。
【0009】
本発明によって得られるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板はその中に水素分子を1×1015分子/cm3以上の濃度で含有するものとされるが、この種の合成石英ガラス基板は一般式RnSiX4-n(ここにRは水素原子または脂肪族1価炭化水素基、Xは加水分解性基、nは0〜3の整数)で示されるシラン化合物、特には一般式R1 nSi(OR2)4-n(ここにR1は水素原子またはメチル基、エチル基、R2はメチル基またはエチル基、nは1〜4)で示されるアルコキシシランを原料とし、これを酸水素などの直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化することによって得られる。
【0010】
この直接火炎法によって得られた合成石英ガラス部材中には水素分子が1×1015分子/cm3以上含有されており、特にアルコキシシランを原料とした合成石英ガラス部材中には水素分子が6×1016分子/cm3と高濃度に含有されている。
しかし、この合成石英ガラス中の水素分子含有量はその製造方法によって異なり、上記した直接火炎法によって製造した合成石英ガラス中には水素分子が多く含有されており、特にスート法によれば高温耐熱性が向上させることができるが、ガラス部材中には水素分子はほとんど含有していない。このため圧力下、高温雰囲気で水素をドープする高圧水素ガスドープ法で行なえばよいが、水素分子含有量は1×1017分子/cm3までと限界があり、これはコスト高となるし、生産性が劣るという不利がある。
【0011】
また、この合成石英ガラス基板中の水素分子濃度は熱処理によって拡散し、脱ガスすることが知られており、したがってこの水素分子濃度は熱処理温度条件(保温、保持時間)によって制御することも可能である。したがって、これをポリシリコンTFT用基板として使用すると、ポリシリコンTFT作製プロセス中のポリシリコン形成時の熱処理工程で、この合成石英ガラス中の水素分子がシリコン結晶中に拡散され、シリコン結晶欠陥中に水素がトラップされ、目的とするポリシリコンTFTのトランジスター特性としての電子移動度が上昇し、しきい値電圧が低下されるという有利性が与えられる。
【0012】
したがって、本発明によって得られる合成石英ガラス基板を使用すればポリシリコンTFTを低温処理で容易に得ることができ、この場合にはポリシリコンTFT製造工程における熱処理工程で水素分子がシリコン結晶中に拡散するので、トランジスター特性のすぐれたポリシリコンTFTを得ることができる。この場合には合成石英ガラス基板中に水素分子が含有されているということから従来1,000℃以上の高温処理が必要とされていたポリシリコンTFTの製造を、800℃程度の低温処理でも、従来と同等以上のトランジスタ特性を得ることができ、しかも、この製造コストを大幅に低下させることができるという有利性が与えられる。
【0013】
【実施例】
つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。
実施例1〜3、比較例
シラン化合物としてのメチルトリメトキシシランを原料として酸水素火炎法によって得たシリカ微粒子を耐熱性担体上に堆積し、これを溶融ガラス化して合成石英ガラス部材を作り、これをウェーハ状にカットして合成石英ウェーハ基板を作製したが、このときこの合成石英ガラス部材中の水素分子含有量を制御してこの水素分子含有量が表1に示した3種のものを作った。
【0014】
ついでこの合成石英ガラスウェーハ基板にポリシロキサンを 800℃で堆積させてTFT基板を製作し、このものの電子移動度、しきい値電圧を測定してこのもののトランジスター特性を評価したところ、表1に示したとおりの結果が得られ、これらの合成石英ガラスウェーハ基板中では実施例3としての水素分子含有量が5×1016分子/cm3であるものが最良の結果を示した。
しかし、比較のためにこの合成石英ウェーハ基板をスート法で作製した水素分子を全く含有しないものとし、これを用いてポリシリコンTFTを作り、このもののトランジスター特性をしらべたところ、これは表1に併記したように好ましくない結果を示した。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】
本発明はポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法に関するものであり、これは前記したようにシラン化合物を原料とし、これを酸水素等の直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化して、合成石英ガラス基板中に含有される水素分子の濃度を1×1015分子/cm3以上とすることを特徴とするものであるが、この製造方法で得られる合成石英ガラス基板はこれにポリシリコンを堆積してポリシリコンTFTを製作すると石英ガラス基板中の水素分子がシリコン結晶中に拡散され、TFTのトランジスター特性を向上させるし、このポリシリコンTFTの製造を低温処理に行なうことができ、コストも低下させることができるという有利性を与える。
【産業上の利用分野】
本発明はポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英基板、特には低温領域でトランジスター特性の優れたポリシリコン薄膜トランジスターを製造することができる、ポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英ガラス基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリシリコン薄膜トランジスター(以下ポリシリコンTFTと略記する)は液晶ディスプレイ分野において、高画質、小型化可能であることから、従来のアモルファスシリコンTFTより優れた特性を有しており、ビデオカメラのカラービューファインダー、液晶プロジェクションなどの民生用機器に搭載されてきている。
このポリシリコンTFTは石英ガラス基板にポリシリコンを堆積させることによって製造されているが、当初この石英ガラス基板としては天然石英ガラス素材で製造されたものが使用されていたために、この石英ガラス中の泡の存在によってTFTの歩留りが低下し、またこのものはアルカリ金属などの金属不純物含有量が高いためにトランジスター特性に悪影響が与えられるという問題点があった。
【0003】
そのため、この石英ガラス基板については天然石英ガラス素材から高純度、無泡である合成石英ガラスからなるものに切り替ってきた。この合成石英ガラス基板についてもTFTの製造プロセスにおいては 1,000℃以上の高温処理が必要とされることから、高温耐熱性で高温時の反りや伸縮のないものが要求されるので、これは石英ガラスの熱特性、例えば徐冷点、歪点を高くすることが必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この合成石英ガラス基板の特性はその製造方法に起因するところが大きく、これは通常シラン化合物、特には塩素を含有しないアルコキシシランを原料として製造した多孔質シリカ焼結体の溶融からなるスート法によって製造されている(特公平 4-20853号公報参照)が、この方法で得られた合成石英ガラス基板はOH基含有量が 50ppm以下、塩素がフリーであることから熱特性が歪点 1,090℃、徐冷点 1,190℃と天然石英ガラスとほぼ同等の数値を有している。
【0005】
しかし、このポリシリコンTFTの製造については従来高温処理とされているために、ここに使用する(耐熱性に優れた)石英ガラス基板が高価なものとなり、高温処理のためにコスト高になるという不利があることから、これについては低温処理によるポリシリコンTFT製造プロセスの研究が進められている。
他方、このポリシリコンTFTの製造についてはトランジスター特性の向上のために、熱処理温度をより高温にすることも可能であるが、この場合にはこの温度を合成石英ガラス基板の徐冷点以上とするとその反り量が大きくなるので、この温度には限界があるという問題点もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不利、問題点を解決できるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法に関するものであり、これはシラン化合物を原料とし、これを酸水素等の直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化して、合成石英ガラス基板中に含有される水素分子の濃度を1×1015分子/cm3以上とすることを特徴とするものである。
【0007】
すなわち、本発明者らは低温処理によるポリシリコンTFTを製造することができる合成石英ガラス基板を開発すべく種々検討した結果、水素分子を高い濃度で含有している合成石英ガラス基板をウェーハ形状に加工し、これをポリシリコンTFT用基板として使用すると、ポリシリコンTFT製造プロセス中におけるポリシリコン形成時の熱処理工程で、ガラス中から水素分子がシリコン結晶中に拡散し、シリコン結晶欠陥中に水素がトラップされるので、TFTのトランジスター特性、特には電子移動度が50〜100cm2/Vs となり、しきい値電圧が5V以下まで低減されるようになるということを見出し、これによれば低温処理でポリシリコンTFTの製造が可能となり、高温耐熱特性を必要としない安価な合成石英素材を使用できるため、コスト低下もすることができることを確認して本発明を完成させた。
以下にこれをさらに詳述する。
【0008】
【作用】
本発明はポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法に関するものであり、これはシラン化合物を原料とし、これを酸水素等の直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化して、合成石英ガラス基板中に含有される水素分子の濃度を1×1015分子/cm3以上とすることを特徴とするものであるが、この製造方法によって得られる合成石英ガラス基板をポリシリコンTFT用に使用するとポリシリコン形成時の熱処理工程でこの水素分子がシリコン結晶中に拡散されるので、得られるポリシリコンTFTのトランジスター特性が向上されるし、このポリシリコンTFTの製造を低温処理に行なうことができるという有利性が与えられる。
【0009】
本発明によって得られるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板はその中に水素分子を1×1015分子/cm3以上の濃度で含有するものとされるが、この種の合成石英ガラス基板は一般式RnSiX4-n(ここにRは水素原子または脂肪族1価炭化水素基、Xは加水分解性基、nは0〜3の整数)で示されるシラン化合物、特には一般式R1 nSi(OR2)4-n(ここにR1は水素原子またはメチル基、エチル基、R2はメチル基またはエチル基、nは1〜4)で示されるアルコキシシランを原料とし、これを酸水素などの直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化することによって得られる。
【0010】
この直接火炎法によって得られた合成石英ガラス部材中には水素分子が1×1015分子/cm3以上含有されており、特にアルコキシシランを原料とした合成石英ガラス部材中には水素分子が6×1016分子/cm3と高濃度に含有されている。
しかし、この合成石英ガラス中の水素分子含有量はその製造方法によって異なり、上記した直接火炎法によって製造した合成石英ガラス中には水素分子が多く含有されており、特にスート法によれば高温耐熱性が向上させることができるが、ガラス部材中には水素分子はほとんど含有していない。このため圧力下、高温雰囲気で水素をドープする高圧水素ガスドープ法で行なえばよいが、水素分子含有量は1×1017分子/cm3までと限界があり、これはコスト高となるし、生産性が劣るという不利がある。
【0011】
また、この合成石英ガラス基板中の水素分子濃度は熱処理によって拡散し、脱ガスすることが知られており、したがってこの水素分子濃度は熱処理温度条件(保温、保持時間)によって制御することも可能である。したがって、これをポリシリコンTFT用基板として使用すると、ポリシリコンTFT作製プロセス中のポリシリコン形成時の熱処理工程で、この合成石英ガラス中の水素分子がシリコン結晶中に拡散され、シリコン結晶欠陥中に水素がトラップされ、目的とするポリシリコンTFTのトランジスター特性としての電子移動度が上昇し、しきい値電圧が低下されるという有利性が与えられる。
【0012】
したがって、本発明によって得られる合成石英ガラス基板を使用すればポリシリコンTFTを低温処理で容易に得ることができ、この場合にはポリシリコンTFT製造工程における熱処理工程で水素分子がシリコン結晶中に拡散するので、トランジスター特性のすぐれたポリシリコンTFTを得ることができる。この場合には合成石英ガラス基板中に水素分子が含有されているということから従来1,000℃以上の高温処理が必要とされていたポリシリコンTFTの製造を、800℃程度の低温処理でも、従来と同等以上のトランジスタ特性を得ることができ、しかも、この製造コストを大幅に低下させることができるという有利性が与えられる。
【0013】
【実施例】
つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。
実施例1〜3、比較例
シラン化合物としてのメチルトリメトキシシランを原料として酸水素火炎法によって得たシリカ微粒子を耐熱性担体上に堆積し、これを溶融ガラス化して合成石英ガラス部材を作り、これをウェーハ状にカットして合成石英ウェーハ基板を作製したが、このときこの合成石英ガラス部材中の水素分子含有量を制御してこの水素分子含有量が表1に示した3種のものを作った。
【0014】
ついでこの合成石英ガラスウェーハ基板にポリシロキサンを 800℃で堆積させてTFT基板を製作し、このものの電子移動度、しきい値電圧を測定してこのもののトランジスター特性を評価したところ、表1に示したとおりの結果が得られ、これらの合成石英ガラスウェーハ基板中では実施例3としての水素分子含有量が5×1016分子/cm3であるものが最良の結果を示した。
しかし、比較のためにこの合成石英ウェーハ基板をスート法で作製した水素分子を全く含有しないものとし、これを用いてポリシリコンTFTを作り、このもののトランジスター特性をしらべたところ、これは表1に併記したように好ましくない結果を示した。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】
本発明はポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法に関するものであり、これは前記したようにシラン化合物を原料とし、これを酸水素等の直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化して、合成石英ガラス基板中に含有される水素分子の濃度を1×1015分子/cm3以上とすることを特徴とするものであるが、この製造方法で得られる合成石英ガラス基板はこれにポリシリコンを堆積してポリシリコンTFTを製作すると石英ガラス基板中の水素分子がシリコン結晶中に拡散され、TFTのトランジスター特性を向上させるし、このポリシリコンTFTの製造を低温処理に行なうことができ、コストも低下させることができるという有利性を与える。
Claims (1)
- シラン化合物を原料とし、これを酸水素等の直接火炎法で火炎加水分解してシリカ微粒子を生成させ、これを回転している耐熱性基体上に堆積と同時に溶融してガラス化して、合成石英ガラス基板中に含有される水素分子の濃度を1×1015分子/cm3以上とすることを特徴とするポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英ガラス基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31462093A JP3907214B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | ポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英ガラス基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31462093A JP3907214B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | ポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英ガラス基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07172854A JPH07172854A (ja) | 1995-07-11 |
JP3907214B2 true JP3907214B2 (ja) | 2007-04-18 |
Family
ID=18055503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31462093A Expired - Lifetime JP3907214B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | ポリシリコン薄膜トランジスター用合成石英ガラス基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3907214B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP31462093A patent/JP3907214B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07172854A (ja) | 1995-07-11 |
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