JP3907149B2 - 発光素子材料およびそれを使用した発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる発光素子(代表的には、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子)用材料および発光素子に関し、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア等の分野に好適に使用できる発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機EL素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。例えば、有機化合物の蒸着により有機薄膜を形成するEL素子が知られている(アプライド フィジックス レターズ、51巻、913頁、1987年)。この文献に記載された有機EL素子はトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)を電子輸送材料として用い、正孔輸送材料(アミン化合物)と積層させることにより、従来の単層型素子に比べて発光特性を大幅に向上させている。
【0003】
上記積層型EL素子の発光効率を更に改良する手段として、蛍光色素をドープする方法が知られている。例えば、ジャーナル オブ アプライド フィジックス 65巻、3610頁、1989年に記載のクマリン色素をドープした有機EL素子はドープしない素子に比べて発光効率が大幅に向上している。この場合、用いる蛍光性化合物の種類を変えることにより所望の波長の光を取り出すことが可能であるが、電子輸送材料としてAlqを用いた場合、高輝度を得るために駆動電圧を高くすると、ドープした蛍光性化合物の発光の他にAlqの緑色発光が観測されてくるため、青色や赤色発光させる場合には色純度の低下が問題になり、色純度を低下させないホスト材料の開発が望まれている。
【0004】
また、これまで開発されてきた有機EL素子は、素子構成、材料の改善等により、発光強度、耐久性等が改良されてきているものの、様々な用途展開を考えた場合、未だ十分な性能を有していない。例えば、Alqなどの従来の金属錯体は、電界発光時に化学的に不安定であり、また陰極との密着も悪く、素子劣化の問題も解決されていない。さらにAlqの場合、オキシンを配位子に用いた錯体であり、その素材安全性も懸念されており、安全性上問題のない有機EL素子用の電子輸送材料の開発が求められている。
【0005】
一方、有機EL素子において高輝度発光を実現しているものは有機物質を真空蒸着によって積層している素子であるが、製造工程の簡略化、加工性、大面積化等の観点から塗布方式による素子作製が望ましい。しかしながら、従来の塗布方式で作製した素子では発光輝度、発光効率の点で蒸着方式で作製した素子に劣っており、高輝度、高効率発光化が大きな課題となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、発光特性が良好であり、また繰り返し使用時での安定性に優れた発光素子用材料および発光素子の提供にある。本発明の第二の目的は、色純度に優れた発光素子およびそれを可能にする発光素子用材料の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題は下記手段によって達成された。
【0009】
(1)下記一般式(K−I)で表される金属錯体化合物であることを特徴とする発光素子材料。
【0010】
【化9】
【0011】
(式中、Q1 は6員の含窒素芳香族ヘテロ環を形成するに必要な原子群を表す。Q2 は6員の芳香族環を形成するに必要な原子群を表す。XおよびYは、炭素原子を表す。Zは、SO2R1 またはCOR 2 (R1、R 2 はそれぞれ脂肪族炭化水素基、アリール基(ただし、R 1 が置換基を有してもよい4−メチルフェニル基である場合を除く。)、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはヘテロ環オキシ基を表す。)を表す。Mは金属イオンを表す。nは1〜4の整数を表す。)
(2)(1)における化合物が下記一般式(K−Ia)で表される金属錯体であることを特徴とする発光素子材料。
【0012】
【化10】
【0013】
(式中、Zは、SO2R1 またはCOR 2 (R1、R 2 はそれぞれ脂肪族炭化水素基、アリール基(ただし、R 1 が置換基を有してもよい4−メチルフェニル基である場合を除く。)、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはヘテロ環オキシ基を表す。)を表す。Mは金属イオンを表す。nは1〜4の整数を表す。Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ水素原子または置換基を表す。)
【0014】
(3)(1)又は(2)における化合物が下記一般式(K−Ib)で表される金属錯体であることを特徴とする発光素子材料。
【0015】
【化11】
【0016】
(式中、Rb1は脂肪族炭化水素基、アリール基(ただし、置換基を有してもよい4−メチルフェニル基である場合を除く。)またはヘテロ環基を表す。Mは金属イオンを表す。nは1〜4の整数を表す。Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ水素原子または置換基を表す。)
(4)(1)〜(3)のいずれかにおける化合物が下記一般式(K−Ic)で表される金属錯体であることを特徴とする発光素子材料。
【0017】
【化12】
【0018】
(式中、Rc1は炭素数6以下の脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Mは金属イオンを表す。nは1〜4の整数を表す。Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ水素原子または置換基を表す。)
(5)(1)〜(3)のいずれかにおける化合物が下記一般式(K−Id)で表される金属錯体であることを特徴とする発光素子材料。
【0019】
【化13】
【0020】
(式中、Rd1は炭素数9以上30以下の脂肪族炭化水素基、アリール基(ただし、置換基を有する4−メチルフェニル基である場合を除く。)またはヘテロ環基を表す。Mは金属イオンを表す。nは1〜4の整数を表す。Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ水素原子または置換基を表す。)
(6)(1)〜(5)のいずれかにおける化合物が下記一般式(K−Ie)で表される金属錯体であることを特徴とする発光素子材料。
【0021】
【化14】
【0022】
(式中、Re1は置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基またはヘテロ環オキシ基を持つ脂肪族炭化水素基、アリール基(ただし、置換基を有する4−メチルフェニル基である場合を除く。)またはヘテロ環基を表す。Mは金属イオンを表す。nは1〜4の整数を表す。Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ水素原子または置換基を表す。)
(7)(1)〜(6)のいずれかにおける化合物が2価ないし4価の金属イオンを含有することを特徴とする発光素子材料。
【0023】
(8)(1)〜(7)のいずれかにおける化合物が亜鉛イオンを含有することを特徴とする発光素子材料。
(9)(1)〜(8)のいずれかにおける化合物が「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」で定める「細菌を用いる復帰突然変異試験」において陰性であることを特徴とする発光素子材料。
(10)(1)〜(9)のいずれかにおける化合物がガラス転移温度が130℃以上であることを特徴とする発光素子材
料。
【0024】
(11)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層が(1)〜(10)のいずれかに記載の発光素子材料を少なくとも一種以上含有する層であることを特徴とする発光素子。
(12)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層が(1)〜(10)のいずれかに記載の発光素子材料の少なくとも一種を塗布することにより成膜した層であることを特徴とする発光素子。
(13)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層が(1)〜(10)のいずれかに記載の発光素子材料の少なくとも一種以上をポリマーに分散した層であることを特徴とする発光素子。
【0025】
(14)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、(1)〜(10)のいずれかに記載の発光素子材料を含有する層が、他の蛍光性化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする発光素子。
(15)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、有機化合物薄層が正孔輸送層、発光層、電子輸送層の少なくとも3層以上から成り、電子輸送層に(1)〜(10)のいずれかに記載の発光素子材料を少なくとも一種含有することを特徴とする発光素子。
(16)(15)の発光素子において電子輸送層の膜厚が1〜80nmであることを特徴とする発光素子。
(17)(15)又は(16)の発光素子において、発光層が単一化合物からなることを特徴とする発光素子。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、一般式(K−I)で表される金属錯体化合物について説明する。
Q1 は6員の含窒素芳香族ヘテロ環を形成するに必要な原子群を表す。6員の含窒素芳香族ヘテロ環としては、例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジンなどが挙げられ、好ましくはピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジンであり、より好ましくはピリジン、ピラジンであり、特に好ましくはピリジンである。Q1で形成される6員の含窒素芳香族ヘテロ環は、置換基を有してもよく、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には連結して環を連結してもよい。
【0027】
置換基として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基であり、更に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基である。
【0028】
Q2 は6員の芳香族環を形成するに必要な原子群を表す。Q2で形成される芳香族環は、アリール基であり、例えばベンゼンが挙げられる。
Q2で形成される6員の芳香族環は、置換基を有してもよく、例えばQ1の置換基として挙げたものが適用でき、また好ましい範囲も同様である。また、可能な場合、置換基同士が連結して環を形成してもよい。
【0029】
XおよびYは、炭素原子を表す。
【0030】
Zは、SO2R1 またはCOR 2 (R1、R 2 はそれぞれ脂肪族炭化水素基、アリール基(ただし、R 1 が置換基を有してもよい4−メチルフェニル基である場合を除く。)、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはヘテロ環オキシ基を表す。)を表す。
R1、R 2 で表される脂肪族炭化水素基として好ましくは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基である。
R1、R 2 で表されるアリール基として好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、4−メチルフェニル(ただし、R 1 のときを除く。)、4−メトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが挙げられる。
R1、R 2 で表されるヘテロ環基は、単環または縮環のヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数2〜10のヘテロ環基)であり、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子の少なくとも一つを含む芳香族ヘテロ環基である。R1、R 2 で表されるヘテロ環基の具体例としては、例えばピロリジン、ピペリジン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、チアゾリジン、チアゾール、ベンズチアゾール、ナフトチアゾール、イソチアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、イソオキサゾール、セレナゾール、ベンズセレナゾール、ナフトセレナゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、インドール、インドレニン、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インダゾール、プリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、フェナントリジン、プテリジン、フェナントロリン、テトラザインデンなどが挙げられ、好ましくはフラン、チオフェン、ピリジン、キノリン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリンであり、より好ましくはフラン、チオフェン、ピリジン、キノリンである。
【0031】
R1、R 2 で表されるアミノ基として好ましくは、炭素数0〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、フェニルアミノ、ジフェニルアミノなどが挙げられる。
R1、R 2 で表されるアルコキシ基として好ましくは、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。R1、R 2 で表されるアリールオキシ基として好ましくは、炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、4−メトキシフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。
R1、R 2 で表されるヘテロ環オキシ基として好ましくは、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばピリジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。
【0032】
R1、R 2 は置換基を有してもよく、例えばQ1の置換基として挙げたものが適用できる。R1、R2として好ましくは脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基である。
【0033】
Zとして好ましくはSO2R1であり、より好ましくはSO2R5(R5は脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基)であり、更に好ましくはSO2R6(R6は脂肪族炭化水素基、アリール基、芳香族ヘテロ環基)である。
【0034】
一般式(K−I)で表される金属錯体化合物:
【0035】
【化15】
【0036】
(式中、Q1、Q2、X、YおよびZは、すでに説明したとおりである。Mは金属イオンを表し、好ましくは2〜4価、より好ましくは2または3価の金属イオンである。Mで表される金属イオンの具体例としては、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、ジルコニウムイオン、亜鉛イオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、パラジウムイオン、スズイオン、ストロンチウムイオン、スカンジウムイオン、珪素イオン、ゲルマニウムイオン、ユーロピウムイオン、テルビウムイオンなどが挙げられ、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオンであり、更に好ましくは亜鉛イオンである。nは1〜4の整数を表し、金属イオンの価数によって異なる。nとして好ましくは2〜4であり、より好ましくは2、3である。またnが2〜4の場合、金属錯体の配位子は同一または互いに異なっていてもよい。)
【0037】
一般式(K−I)で表される化合物のうち、より好ましくは一般式(K−Ia)で表される化合物である。
【0038】
【化16】
【0039】
(式中、Z、M、nは、それぞれ一般式(K−I)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ水素原子または置換基を表し、置換基としては例えば一般式(K−I)におけるQ1で形成される環の置換基の例として挙げたものが適用でき、また好ましい範囲も同様である。)
【0040】
一般式(K−I)で表される化合物のうち、さらに好ましくは一般式(K−Ib)で表される化合物である。
【0041】
【化17】
【0042】
式中、M、n、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ一般式(K−Ia)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。Rb1は脂肪族炭化水素基、アリール基(ただし、置換基を有してもよい4−メチルフェニル基である場合を除く。)またはヘテロ環基を表し、一般式(K−I)におけるR1 、R 2 で表される脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基と同義であり、好ましい範囲も同様である。またRb1はRa6と連結して環を形成してもよい。一般式(K−I)で表される化合物のうち、蒸着方式により有機層を形成する場合には一般式(K−Ic)が、また塗布方式により有機層を形成する場合には一般式(K−Id)で表される化合物がさらに好ましい。
【0043】
【化18】
【0044】
式中、M、n、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ一般式(K−Ia)におけるそれら同義であり、また好ましい範囲も同様である。Rc1は炭素数6以下の脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。アリール基およびヘテロ環基は、一般式(K−I)におけるR1 、R 2 で表されるアリール基、ヘテロ環基と同義である。
Rc1の具体例としては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、ブテニル、フェニル、フリル、チエニル、ピリジル、ピタジニル、ピリミジル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリルなどが挙げられ、好ましくはメチル、エチル、フェニル、チエニルであり、より好ましくはメチル、フェニル、チエニルであり、更に好ましくはフェニルである。Rc1は置換基を有してもよく、置換基としては例えばQ1の置換基として挙げたものが適用できる。また、Rc1はRa6と連結して環を形成してもよい。
【0045】
【化19】
【0046】
式中、M、n、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ一般式(K−Ia)におけるそれら同義であり、また好ましい範囲も同様である。Rd1は炭素数9以上30以下の脂肪族炭化水素基(例えば、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、3−[2,5−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ]プロピル、4−[2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]ブチル)、アリール基(ただし、置換基を有する4−メチルフェニル基である場合を除く。)またはヘテロ環基を表す。アリール基およびヘテロ環基は、一般式(K−I)におけるR1 、R 2 で表されるアリール基、ヘテロ環基と同義である。Rd1で表される脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基は置換基を有してもよく、例えばQ1の置換基として挙げたものが適用できる。Rd1として好ましくは置換基を含めた炭素数が9〜30の脂肪族炭化水素基、アリール基であり、より好ましくは炭素数9〜20脂肪族炭化水素基、アリール基であり、更に好ましくは炭素数9〜20のアルキル基、フェニル基である。
【0047】
一般式(K−I)で表される化合物のうち、特に好ましくは一般式(K−Ie)で表される化合物である。
【0048】
【化20】
【0049】
式中、M、n、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5およびRa6は、それぞれ一般式(K−Ia)におけるそれら同義であり、また好ましい範囲も同様である。Re1は置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基を持つ脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。脂肪族炭化水素基、アリール基(ただし、置換基を有する4−メチルフェニル基である場合を除く。)またはヘテロ環基は、一般式(K−I)におけるR1 、R 2 で表される脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基と同義である。
ここでハロゲン原子として好ましくはフッ素原子、塩素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。アルコキシ基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。アリールオキシ基として好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。ヘテロ環オキシ基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜10であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり、例えばピリジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。
【0050】
Re1で表される脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基はハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基の他に置換基を有してもよく、この場合の置換基としては例えばQ1の置換基として挙げたものが適用できる。
Re1として好ましくはアルコキシ基またはアリールオキシ基で置換された脂肪族炭化水素基、アリール基であり、より好ましくはアルコキシ基で置換されたアリール基であり、更に好ましくはアルコキシ基で置換されたフェニル基である。
【0051】
なお、本発明の化合物のうち、さらに好ましくは「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」で定める「細菌を用いる復帰突然変異試験」において陰性である化合物であり、また発光素子の耐久性面ではガラス転移温度が130℃以上の化合物が好ましい。
【0052】
なお、一般式(K−I)、(K−Ia)、(K−Ib)、(K−Ic)、(K−Id)、(K−Ie)で表される化合物は、低分子量化合物であってもよいし、一般式(K−I)、(K−Ia)、(K−Ib)、(K−Ic)、(K−Id)、(K−Ie)で表される残基がポリマー主鎖に接続された高分子量化合物もしくは、一般式(K−I)、(K−Ia)、(K−Ib)、(K−Ic)、(K−Id)、(K−Ie)の骨格を主鎖にもつ高分子量化合物であってもよい。高分子量化合物の場合は、ホモポリマーであっても良いし、他のモノマーとの共重合体であっても良い。また、一般式(K−I)、(K−Ia)、(K−Ib)、(K−Ic)、(K−Id)、(K−Ie)は便宜的に極限構造式で表しているが、その互変異性体であってもよい。
【0053】
以下に本発明の一般式(K−I)で表される金属錯体化合物の具体例を、2〜4,6〜23,29〜32,34〜52に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
【化25】
【0059】
【化26】
【0060】
【化27】
【0061】
【化28】
【0062】
【化29】
【0063】
【化30】
【0064】
【化31】
【0065】
【化32】
【0066】
【化33】
【0067】
【化34】
【0068】
【化35】
【0069】
【化36】
【0070】
【化37】
【0071】
尚、上記化合物は配位構造の一例を挙げているが、他の配位構造のものであってもよい。
【0072】
本発明の金属錯体の合成に際して原料に用いる金属塩としては、特に限定はないが硝酸塩、ハロゲン塩(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)、硫酸塩、カルボン酸塩(酢酸塩など)、ホスホン酸塩、スルホン酸塩、水酸化物などが好適に用いられ、好ましくは硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩である。
金属錯体を合成する際に用いる配位子と金属塩のモル比は合成する錯体に応じて適宜選択するが、通常金属イオンに対して配位子を0.1〜10倍モル、好ましくは0.5〜8倍モル、更に好ましくは0.5〜6倍モルである。
また、錯体の合成に際しては塩基を用いることができる。塩基としては、種々の無機または有機塩基を用いることができ、例えば金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、金属炭酸水素塩(例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、有機塩基(例えばトリエチルアミン、ナトリウムアルコキシドなど)の使用が好ましい。
使用する塩基の量は、特に限定しないが、好ましくは配位子に対して0.01当量〜30当量、より好ましくは1当量〜10当量である。
金属錯体の合成に際しては溶媒を用いてもよく、溶媒としては特に限定はないが水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、2−プロパノールなど)、エステル類(例えば酢酸エチルなど)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなど)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ニトリル類(例えばアセトニトリルなど)、ケトン類(例えばアセトン、シクロヘキサノンなど)、炭化水素類(例えばヘキサン、ベンゼン、トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、カルボン酸類(例えば酢酸など)などを用いることができる。また、これら溶媒を混合して用いてもよい。溶媒として好ましくはアルコール類、エーテル類、ケトン類であり、より好ましくはアルコール類であり、特に好ましくはメタノール、エタノール、2−プロパノールである。
金属錯体を合成する際の反応温度は特に限定はないが、好ましくは10〜150℃、好ましくは10〜100℃、より好ましくは10〜80℃である。
【0073】
以下に本発明の化合物の合成法について具体例をもって説明する。
合成例1.例示化合物6の合成
(1−1)8−ベンゼンスルホニルアミノキノリンの合成
8−アミノキノリン25.0g(0.173モル)をジメチルアセトアミド100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてトリエチルアミン26.5ミリリットル(0.19モル)、4−ジメチルアミノピリジン2g(0.0164モル)を加えた。その後、反応温度を0℃以下に保つようにベンゼンスルホニルクロリド33.6g(0.190モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、10℃にて1時間反応した後、反応液を水に注いだ。析出した固体を濾取し、2−プロパノールで再結晶することにより、目的物を43.7g得た。収率89%
【0074】
(1−2)例示化合物6の合成
上記で合成した8−ベンゼンスルホニルアミノキノリン1.42g(4.99ミリモル)をメタノール15ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液1.03ミリリットル(5.02ミリモル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物550mg(2.51ミリモル)/メタノール10ミリリットル溶液を滴下した。8時間攪拌した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物6を淡黄緑色固体として1.32g得た。収率83%
融点:305〜306℃
【0075】
合成例2.例示化合物7の合成
(2−1)8−(1−ナフタレンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン23.8g(0.165モル)をジメチルアセトアミド100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてトリエチルアミン26.5ミリリットル(0.19モル)、4−ジメチルアミノピリジン2g(0.0164モル)を加えた。その後、反応温度を0℃以下に保つように1−ナフタレンスルホニルクロリド34.5g(0.152モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、10℃にて1時間反応した後、反応液を水に注いだ。析出した固体を濾取し、アセトニトリルで再結晶することにより、目的物を43.0g得た。収率85%
【0076】
(2−2)例示化合物7の合成
上記で合成した8−(1−ナフタレンスルホニルアミノ)キノリン3.34g(0.01モル)をメタノール30ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.10ミリリットル(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.10g(0.005モル)/メタノール15ミリリットル溶液を滴下した。5時間攪拌した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物7を淡黄緑色固体として3.01g得た。収率90%
融点:290℃以上
【0077】
合成例3.例示化合物10の合成
(3−1)8−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン13.5g(0.094モル)をジメチルアセトアミド100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリド25.0g(0.094モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて8時間反応した後、反応液を冷却した希塩酸水に注いだ。析出した固体を濾取し、アセトニトリルで再結晶することにより、目的物を18.3g得た。収率52%
【0078】
(3−2)例示化合物10の合成
上記で合成した8−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノ)キノリン3.74g(0.01モル)をメタノール30ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.05ミリリットル(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.10g(0.005モル)/メタノール15ミリリットル溶液を滴下した。5時間室温で攪拌した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物10を薄黄緑色固体として3.72g得た。収率92%
融点:303℃
【0079】
合成例4.例示化合物11の合成
(4−1)8−[3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルアミノ]キノリンの合成
8−アミノキノリン14.4g(0.100モル)をアセトニトリル150ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてピリジン8.0g(0.10モル)を加えた。その後、反応温度を5℃以下に保つように3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド25.0g(0.102モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて1時間反応した後、反応液を冷却した希塩酸水に注いだ。酢酸エチルで抽出した後、有機相を水で洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)にて精製し、クロロホルム/n−ヘキサンで再結晶することにより、目的物を31.8g得た。収率90%
【0080】
(4−2)例示化合物11の合成
上記で合成した8−[3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルアミノ]キノリン3.52g(0.01モル)をメタノール30ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.05ミリリットル(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.10g(0.005モル)/メタノール15ミリリットル溶液を滴下した。10時間室温にて攪拌した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物11を薄淡黄緑色固体として3.75g得た。収率98%
融点:242℃
【0081】
合成例5.例示化合物12の合成
(5−1)8−(4−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン25.0g(0.173モル)をジメチルアセトアミド200ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてトリエチルアミン26.5ミリリットル(0.19モル)、4−ジメチルアミノピリジン2g(0.0164モル)を加えた。その後、反応温度を5℃以下に保つように4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド39.4g(0.191モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて4時間反応した後、反応液を希塩酸水に注いだ。クロロホルムで抽出した後、有機相を水で洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム→クロロホルム/メタノール=10/1(容積比))にて精製し、クロロホルム/n−ヘキサンで再結晶することにより、目的物を25.3g得た。収率47%
【0082】
(5−2)例示化合物12の合成
上記で合成した8−(4−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)キノリン3.14g(0.01モル)をメタノール30ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.10ミリリットル(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.10g(0.005モル)/メタノール15ミリリットル溶液を滴下した。5時間攪拌加熱還流後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物12を淡黄緑色固体として3.10g得た。収率93%
融点:273〜275℃
【0083】
合成例6.例示化合物13の合成
(6−1)8−(メタンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン26.0g(0.180モル)をアセトニトリル100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてピリジン15.8g(0.20モル)を加えた。その後、反応温度を10℃以下に保つようにメタンスルホニルクロリド21.1g(0.185モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて6時間反応した後、反応液を希塩酸水に注いだ。炭酸カリウム水溶液でpHを5に調整し、析出した固体を濾取した後、水で洗浄した。得られた固体をアセトニトリルで再結晶することにより、目的物を31.0g得た。収率78%
【0084】
(6−2)例示化合物13の合成
上記で合成した8−(メタンスルホニルアミノ)キノリン5.02g(0.023モル)をメタノール60ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液4.36g(0.023モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物2.48g(0.0113モル)/メタノール56ミリリットル溶液を滴下した。2時間攪拌加熱還流後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物13を淡黄緑色固体として5.73g得た。収率99%
融点:300℃以上
【0085】
合成例7.例示化合物15の合成
(7−1)8−(トリフルオロメタンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン12.8g(0.0886モル)をアセトニトリル100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を10℃以下に保つようにトリフルオロメタンスルホン酸無水物25.0g(0.0886モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて5時間反応した後、反応液を氷水に注いだ。飽和食塩水で洗浄した後、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧溜去した。得られた固体をアセトニトリルで再結晶することにより、目的物を18.9g得た。収率77%
【0086】
(7−2)例示化合物15の合成
上記で合成した)8−(トリフルオロメタンスルホニルアミノ)キノリン2.76g(0.01モル)をメタノール15ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.05g(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.108g(0.005モル)/メタノール15ミリリットル溶液を滴下した。室温下6時間攪後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物15を白色固体として2.80g得た。収率91%
融点:288〜289℃
【0087】
合成例8.例示化合物38の合成
(8−1)8−(2−チオフェンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン17.3g(0.120モル)をジメチルアセトアミド100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を10℃以下に保つように2−チオフェンスルホニルクロリド23.0g(0.1261モル)/ジメチルアセトアミド50ミリリット溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて8時間反応した後、反応液を冷却希塩酸水に注いだ。析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、アセトニトリルで再結晶することにより、目的物を9.9g得た。収率28%
【0088】
(8−2)例示化合物38の合成
上記で合成した8−(2−チオフェンスルホニルアミノ)キノリン2.90g(0.01モル)をメタノール30ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.05ミリリットル(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.10g(0.005モル)/メタノール15ミリリットル溶液を滴下した。室温下10時間反応後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物38を淡黄緑色固体として3.00g得た。収率93%
融点:331℃
【0089】
合成例9.例示化合物39の合成
(9−1)8−(ドデカンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン17.3g(0.120モル)をアセトニトリル100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、ピリジン9.89g(0.125モル)を加えた。反応温度を10℃以下に保つようにドデカンスルホニルクロリド35.4g(0.132モル)/アセトニトリル50ミリリット溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて2時間反応した後、反応液を水に注いだ。析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、アセトニトリルで再結晶することにより、目的物を38.3g得た。収率85%
【0090】
(9−2)例示化合物39の合成
上記で合成した8−(ドデカンスルホニルアミノ)キノリン3.76g(0.01モル)をメタノール30ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.05ミリリットル(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.10g(0.005モル)/メタノール15ミリリットル溶液を滴下した。室温下10時間反応後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物39を淡黄緑色固体として1.70g得た。収率42%
融点:122〜125℃
【0091】
合成例10.例示化合物40の合成
(10−1)8−(2−ナフタレンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン28.8g(0.20モル)をジメチルアセトアミド250ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてトリエチルアミン30.5ミリリットル(0.219モル)、4−ジメチルアミノピリジン2g(0.0164モル)を加えた。その後、反応温度を5℃以下に保つように2−ナフタレンスルホニルクロリド50.0g(0.220モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて1時間反応した後、反応液を冷却希塩酸水に注いだ。析出した固体を濾取し、アセトニトリルで再結晶することにより、目的物を47.2g得た。収率71%
【0092】
(10−2)例示化合物40の合成
上記で合成した8−(2−ナフタレンスルホニルアミノ)キノリン3.34g(0.01モル)をメタノール30ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.10ミリリットル(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.10g(0.005モル)/メタノール15ミリリットル溶液を滴下した。8時間攪拌した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物7を淡黄緑色固体として3.23g得た。収率88%
融点:301〜303℃
【0093】
合成例11.例示化合物41の合成
(11−1)8−(p−トルエンスルホニルアミノ)キノリンの合成
8−アミノキノリン50.8g(0.352モル)をアセトニトリル300ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてピリジン29.0ミリリットル(0.359モル)を加えた。その後、反応温度を5℃以下に保つようにp−トルエンスルホニルクロリド67.9g(0.356モル)/アセトニトリル250ミリリットル溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて5時間反応した後、反応液を冷却希塩酸水に注いだ。析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、アセトニトリルで再結晶することにより目的物を96.7g得た。収率92%
【0094】
(11−2)例示化合物41の合成
上記で合成した8−(p−トルエンスルホニルアミノ)キノリン53.7g(0.18モル)をメタノール600ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液34.7g(0.18モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物19.8g(0.09モル)/メタノール450ミリリットル溶液を滴下した。3時間加熱還流した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物41を淡黄緑色固体として58.9g得た。収率99%
融点:300℃以上
【0095】
合成例12.例示化合物42の合成
(12−1)8−ベンゼンスルホニルアミノ−2−メチルキノリンの合成
8−アミノ−2−メチルキノリン10.5g(0.067モル)をアセトニトリル100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてピリジン6.0ミリリットル(0.074モル)を加えた。その後、反応温度を5℃以下に保つようにベンゼンスルホニルクロリド11.9g(0.067モル)/アセトニトリル20ミリリットル溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて3時間反応した後、反応液を冷却希塩酸水に注いだ。析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、エタノールで再結晶することにより目的物を15.1g得た。収率76%
【0096】
(12−2)例示化合物42の合成
上記で合成した8−ベンゼンスルホニルアミノ−2−メチルキノリン2.98g(0.01モル)をメタノール50ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液1.93g(0.01モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物1.10g(0.005モル)/メタノール25ミリリットル溶液を滴下した。3時間加熱還流した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物42を淡黄緑色固体として3.20g得た。収率97%
融点:300℃以上
【0097】
合成例13.例示化合物43の合成
(13−1)8−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)キノリンの合成 8−アミノキノリン15.3g(0.106モル)をアセトニトリル100ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてピリジン8.7ミリリットル(0.108モル)を加えた。その後、反応温度を5℃以下に保つように2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド23.5g(0.107モル)/アセトニトリル100ミリリットル溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて5時間反応した後、反応液を冷却希塩酸水に注いだ。析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、アセトニトリルで再結晶することにより目的物を30.3g得た。収率88%
【0098】
(13−2)例示化合物43の合成
上記で合成した8−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)キノリン13.1g(0.04モル)をメタノール200ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液7.72g(0.04モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物4.38g(0.02モル)/メタノール90ミリリットル溶液を滴下した。2時間加熱還流した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物43を淡黄緑色固体として14.0g得た。収率98%
融点:300℃以上
【0099】
合成例14.例示化合物44の合成
(14−1)8−ベンゼンスルホニルアミノ−6−メトキシキノリンの合成
8−アミノ−6−メトキシキノリン0.90g(5.17ミリモル)をアセトニトリル10ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてピリジン0.5ミリリットル(6.18ミリモル)を加えた。その後、反応温度を5℃以下に保つようにベンゼンスルホニルクロリド0.91g(5.17ミリモル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて2時間反応した後、反応液を冷却希塩酸水に注いだ。析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、アセトニトリルで再結晶することにより目的物を1.25g得た。収率80%
【0100】
(14−2)例示化合物44の合成
上記で合成した8−ベンゼンスルホニルアミノ−6−メトキシキノリン1.00g(3.18ミリモル)をメタノール15ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液0.614g(3.18ミリモル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物0.349g(1.59ミリモル)/メタノール5ミリリットル溶液を滴下した。3時間加熱還流した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物44を淡黄緑色固体として1.1g得た。収率99%
融点:300℃以上
【0101】
合成例15.例示化合物45の合成
(15−1)8−[2−ブトキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルペンチル)ベンゼンスルホニルアミノ]キノリンの合成
8−アミノキノリン11.5g(0.080モル)をアセトニトリル150ミリリットルに溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてピリジン6.6ミリリットル(0.082モル)を加えた。その後、反応温度を5℃以下に保つように2−ブトキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルペンチル)ベンゼンスルホニルクロリド29.5g(0.082モル)/アセトニトリル30ミリリットルをゆっくり滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、室温にて5時間反応した後、反応液を冷却希塩酸水に注いだ。析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、エタノールで再結晶することにより目的物を31.6g得た。収率84%
【0102】
(15−2)例示化合物45の合成
上記で合成した8−[2−ブトキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルペンチル)ベンゼンスルホニルアミノ]キノリン51.6g(0.11モル)をメタノール400ミリリットルに溶解した後、ナトリウムメトキシド28%溶液21.2g(0.11モル)を加えた。室温下攪拌しているところへ、酢酸亜鉛2水和物12.1g(0.055モル)/メタノール250ミリリットル溶液を滴下した。4.5時間加熱還流した後、析出した固体を濾取し、メタノールで洗浄することにより、例示化合物45を淡黄緑色固体として51.4g得た。収率93%
融点:168〜170℃
【0103】
本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
【0104】
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
【0105】
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
【0106】
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)またはそのフッ化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)またはそのフッ化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属等である。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
【0107】
発光層の材料は、電界印加時に陽極または正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極または電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば何でもよい。発光材料としては例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、本発明の化合物等が挙げられる。発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、LB法、インクジェット法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
【0108】
発光層として好ましくは本発明の化合物中に、他の蛍光性化合物を少なくとも一種含有したものである。この場合含有する蛍光性化合物としては有機無機を問わないが、好ましくは有機の蛍光性化合物であり、例えば前述の発光材料等や公知の蛍光性化合物が挙げられる。また含有する蛍光性化合物の量は特に限定されないが、本発明の化合物に対し0.001〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%である。
【0109】
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー等が挙げられる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、インクジェット法、前記正孔注入輸送剤を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)が用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
【0110】
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、本発明の化合物のほかトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmであり、特に好ましくは1〜80μmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、インクジェット法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
【0111】
保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2 、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、インクジェット法、コーティング法を適用できる。
【0112】
なお、本発明の発光素子の構成として好ましくは、有機化合物薄層が正孔輸送層、発光層、電子輸送層の少なくとも3層以上から成り、電子輸送層に本発明の発光素子材料を少なくとも一種含有するものであり、この場合、素子製造法の簡略化、素子特性の再現性向上、経時での性能変化抑制等の点から、発光層が単一化合物からなることが好ましい。
【0113】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
洗浄したITO電極付きガラス基板上に、フタロシアニンを膜厚5nm、ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニル〕ベンジジンを膜厚40nm、表1記載化合物を膜厚60nmで、この順に真空蒸着(8×10-6〜1×10-5torr)した。この上にパターニングしたマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、マグネシウム:銀=10:1を250nm共蒸着した後、銀300nmを蒸着した(8×10-6〜1×10-5Torr)、発光素子を作製した。
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、ITOを陽極、Mg:Agを陰極として直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、発光波長を浜松フォトニクス社製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。また、作製した素子を60℃、20%RHの条件下に3時間放置後発光させた相対輝度(素子作製直後の輝度を100とした場合の経時後の輝度を相対値で表した値(駆動電圧10V))および発光面のダークスポットの有無を評価した。結果を表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【化38】
【0116】
表1の結果より、本発明の化合物を用いると最低駆動電圧が低く、かつ高輝度発光が可能であることがわかる。また、高温保管後の輝度低下、ダークスポットの発生も少なく耐久性に優れていることがわかる。
【0117】
実施例2
実施例1と同様にITO基板をエッチング、洗浄後、銅フタロシアニン5nm、TPD(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン)40nm、赤色発光材料(ナイルレッド)および表2記載の化合物をそれぞれ蒸着速度0.04Å/秒、4Å/秒で膜厚60nmとなるように共蒸着した。次いでAl:Li=100:2比で膜厚200nmとなるように共蒸着して、発光素子を作製した。駆動電圧8Vと15Vでの輝度、色度を測定した結果を表2に示す。
【0118】
【表2】
【0119】
【化39】
【0120】
表2の結果から明らかなように、本発明の化合物を用いた素子では、蛍光性化合物をドープした系でも高輝度発光が可能であることが判る。またAlqをホストに用いた素子では駆動電圧を高くすると赤色純度が低下するのに対し、本発明の化合物をホストに用いた素子では色純度の変化が殆ど見られず、色純度の高い高輝度発光が可能であることが判る。
【0121】
実施例3
洗浄したITO基板上に、ポリ(N−ビニルカルバゾール)40mg、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン0.5mg、表3記載の化合物12mgを1,2−ジクロロエタン3mlに溶解し、洗浄したITO基板上にスピンコートした。生成した有機薄膜の膜厚は、約110nmであった。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1を50nm共蒸着した後、銀150nmを蒸着して、発光素子を作製した。この素子を実施例1と同様な方法で評価した。結果を表3に示す。
【0122】
【表3】
【0123】
【化40】
【0124】
表3の結果から明らかなように、本発明の化合物を用いた素子では、比較化合物に比べ、通常発光輝度が低い塗布方式においても低電圧駆動、高輝度発光が可能であることが判る。また、比較化合物C(PBD)を用いた素子ではダークスポットの発生が顕著に見られるのに対し、本発明の素子では良好な面状発光を示した。更に、比較化合物A(Alq)を用いた素子では、Alqの発光が主に観測され、青色純度が低下し、青色発光用のホスト材料としては有効に機能しないのに対し、本発明の化合物を用いた素子では青色純度が高く、良好な青色発光用ホスト材料として機能することが判る。
【0125】
実施例4
洗浄したITO電極付きガラス基板上に、銅フタロシアニンを膜厚5nm、ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジンを膜厚40nm、表4記載の発光材料を膜厚20nm、表4記載の電子輸送材料を膜厚60nm、LiFを膜厚1nmで、この順に真空蒸着(8×10-6〜1×10-5torr)した。この上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、Al:Li=100:1を250nm共蒸着した後、Alを300nmを蒸着し(8×10-6〜1×10-5Torr)、発光素子を作製した。
作製した素子について実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0126】
【表4】
【0127】
【化41】
【0128】
表4の結果より、本発明の化合物を用いると発光層が単一化合物からなる非ドープ型の素子においても高輝度発光が可能であり、また色純度に優れることがわかる。
【0129】
実施例5
洗浄したITO基板上に、ポリ(N−ビニルカルバゾール)40mgを1,2−ジクロロエタン3mlに溶解し、膜厚60nmとなるようにスピンコートした。次いで本発明例示化合物45(12mg)、赤色発光材料RA(2mg)、ポリ(ブチラール)(40mg)のメタノール3ml溶液を膜厚40nmとなるようにスピンコートした。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1を50nm共蒸着した後、銀150nmを蒸着し、素子を作製した。この素子をITOを陽極、マグネシウム:銀を陰極として10V電圧をかけたところ、1280cd/m2、色度座標(0.64,0.34)と、塗布型素子でも高輝度、赤色純度良好な発光が観測された。
【0130】
【化42】
【0131】
実施例6
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」で定められた「細菌を用いる復帰突然変異試験」(通称Ames試験)を例示化合物6、13、45について行った結果、いずれも陰性となり素材安全性面に優れることがわかった。
実施例7
セイコーインスツルメンツ株式会社製SSCE 5200HおよびRDC220を用いてガラス転移温度を測定した結果、例示化合物6は137℃、例示化合物38は139℃となった。有機EL素子の耐久性には有機材料のガラス転移温度が大きく影響し、一般にガラス転移温度が高い方が耐久性が良好なことが知られており、本発明の化合物は耐熱性、耐久性面に優れることがわかった。
【0132】
【発明の効果】
本発明により、高輝度発光が可能で耐久性良好な有機EL素子が得られる。特に通常輝度の低い塗布方式でも良好な発光特性が得られ、製造コスト面等で有利な素子作製が可能である。また、駆動電圧の違いによる色度変化が小さい有機EL素子が得られる。
Claims (17)
- 請求項1〜6のいずれかにおける化合物が2価ないし4価の金属イオンを含有することを特徴とする発光素子材料。
- 請求項1〜7のいずれかにおける化合物が亜鉛イオンを含有することを特徴とする発光素子材料。
- 請求項1〜8のいずれかにおける化合物が「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」で定める「細菌を用いる復帰突然変異試験」において陰性であることを特徴とする発光素子材料。
- 請求項1〜9のいずれかにおける化合物がガラス転移温度が130℃以上であることを特徴とする発光素子材料。
- 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層が請求項1〜10のいずれかに記載の発光素子材料を少なくとも一種以上含有する層であることを特徴とする発光素子。
- 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層が請求項1〜10のいずれかに記載の発光素子材料の少なくとも一種を塗布することにより成膜した層であることを特徴とする発光素子。
- 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層が請求項1〜10のいずれかに記載の発光素子材料の少なくとも一種以上をポリマーに分散した層であることを特徴とする発光素子。
- 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、請求項1〜10のいずれかに記載の発光素子材料を含有する層が、他の蛍光性化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする発光素子。
- 一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、有機化合物薄層が正孔輸送層、発光層、電子輸送層の少なくとも3層以上から成り、電子輸送層に請求項1〜10のいずれかに記載の発光素子材料を少なくとも一種含有することを特徴とする発光素子。
- 請求項15の発光素子において電子輸送層の膜厚が1〜80nmであることを特徴とする発光素子。
- 請求項15又は16の発光素子において、発光層が単一化合物からなることを特徴とする発光素子。
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