JP3907034B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に設けられる給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
給紙装置の構成を、図1に示す。給紙トレイ1に積載された用紙Sは図示されない上昇機構によって給紙コロ2に押し当てられている。給紙コロ2に対向して分離パッド3、分離パッド3の加圧スプリング3−aが設置されている。給紙信号により給紙コロ2が回転すると、最上紙のみが分離されて次の搬送ローラ4に送られる。搬送ローラ4は給紙部に対してほぼ垂直上方向に位置し、用紙はガイド板5にそって搬送される、その後、用紙S先端が搬送ローラ4に到達しさらに搬送ローラ4によってレジストローラ6に送られ感光体上の顕像とのタイミングをとる為にタルミを形成し待機状態になる。ここで、用紙S後端が、タルミを形成する前に給紙コロ2と分離パッド3の間を抜けると分離パッド3は、用紙Sの後端に弾かれ、用紙 S の後端が給紙トレイ1のガイド面5に当たり衝撃音が発生又は共鳴し、騒音は大きくなる。尚、給紙コロ2からレジストローラ6直前までのスピードは、レジストローラ6より下流(レジストローラ→感光体→定着→排紙)のスピードより速い設定である。これは1枚目のプリント時間低減を狙う為にレジストローラ6直前までの用紙Sの搬送スピードを上げているからである。
【0003】
また、給紙トレイが2段ある給紙装置では、図3に示すように、下段の給紙コロ2と分離パッド3とのニップ部とレジストローラ6との距離が長く2段目の給紙トレイから用紙Sを搬送するとレジストローラ6に用紙Sが到達する前に用紙Sの後端は給紙コロ2と分離パッド3とのニップ部を抜けるためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在一般的に使用される紙種は、A4、LT(レター)サイズが圧倒的に多く、騒音測定基準でもA4紙を用いて行う旨指定されているため、A4紙の長さに起因する騒音低減対策が必要である。
【0005】
上述したように、用紙の後端が、タルミを形成する前に給紙コロと分離パッドとのニップ部を抜けると分離パッドは、用紙の後端に弾かれ、用紙の後端が給紙トレイのガイド面5に当たり衝撃音が発生又は共鳴し、騒音は大きくなるという問題点がある。また、レジストローラ前後の搬送スピードが同じ場合でも、用紙先端タルミ形成とほぼ同時に用紙の後端分離パッドを通過すると分離パッドが弾かれた衝撃音とタルミ形成で用紙のガイドをたたく音が重なり騒音を大きくするという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、用紙を搬送する給紙装置において、用紙の搬送に伴って発生する音を低減する給紙装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、2段の給紙トレイと、前記2段の給紙トレイに積載された用紙をそれぞれ分離して搬送ローラに送給する給紙コロと、この給紙コロにそれぞれ対向して設けられた分離パッドと、前記搬送ローラを経て送給されてくる用紙を、感光体上の顕像とのタイミングをとって後流側に搬送するレジストローラと、このレジストローラまで搬送された用紙が待機状態に入る際、前記用紙の先端部に形成されるタルミ部が衝突する搬送ガイド板と、を有する給紙装置において、前記給紙コロの用紙搬送スピードを、前記レジストローラの用紙搬送スピードより速いものとし、前記2段の給紙トレイのうち前記レジストローラから遠い方の給紙トレイに設けられた給紙コロと前記分離パッドとで形成されるニップ部から、前記レジストローラまでのの距離を、用紙の長さより短くし、前記レジストローラから遠い方の給紙トレイから搬出された用紙の後端部が前記給紙コロと前記分離パッドとのニップ部に挟まれた状態で、前記用紙先端部に形成されるタルミ部が前記搬送ガイド板をたたいて待機状態に入るようにした給紙装置とする。
請求項2に記載の発明は、 請求項1に記載の給紙装置において、前記レジストローラから遠い方の給紙トレイの前記ニップ部とレジストローラとの距離が、210mmより短い給紙装置とする。
請求項3に記載の発明は、 請求項1記載の給紙装置において、前記レジストローラから遠い方の給紙トレイの前記ニップ部とレジストローラとの距離が、279mmより短い給紙装置とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
長さの基準となる用紙SをA4紙とし、搬送方向は短手を基準に考える。A4紙の短手の長さは210mmで、LTの短手の長さは216mmであるが、ほぼ同等の長さであり、ここではLTは、A4紙に含める。長手方向だと、レジストローラ6と分離パッド3が両方用紙Sを搬送する時間が長く、用紙先端でタルミが生じるタイミングと用紙後端が分離パッド3を抜けるタイミングはずれ同じになることは無い。
A4紙短手基準の搬送設定の無い装置では、LT(レターサイズ)長手(279mm)の長さを基準に考える。LTの長手の長さは279mmで、A4紙の長手の長さは297mmであるため、ほぼ同等の長さであり、ここでは、A4紙はLTに含める。
【0009】
図1は、給紙装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、給紙トレイが2段有り各段の用紙積載枚数が500枚程度の給紙装置では、従来のものでは、2段目(レジストローラ6から距離が遠い方)給紙コロ2とレジストローラ6の距離LがA4横短手(210mm)に近い場合がある。本発明の給紙装置は、レジストローラ6手前で形成されるタルミ量を5mmとすると、給紙コロ2のニップ部とレジストローラ6のニップ部の距離Lを205mm未満に設定する。用紙S先端はレジストローラ6ニップ部手前に止まり5mmのタルミを作り、用紙S後端は給紙コロ2と分離パッド3のニップ部に挟まれた状態で待機状態になる。レジストローラ6の搬送スピードと給紙コロ2の搬送スピードが同じ場合で5mmのタルミを作る時、図2に示すように、用紙S先端のタルミ部が搬送ガイド板8に当たるタイミングと用紙S後端が分離パッド3を弾くタイミングをずらすことで音の重ね合わせを回避出来、騒音低減が可能になる。
【0010】
給紙コロ2の用紙S搬送スピードがレジストローラ6の搬送スピードより速い場合、レジストローラ6の搬送スピードで用紙Sの後端が分離パッド3を弾く方が分離パッド3で生じる衝撃音は小さく騒音低減に有利である。さらに、レジストローラ6の搬送スピードと給紙コロ2の搬送スピードが同じ場合でも、レジストローラ6が待機状態から再スタートした場合、レジストローラ6ニップ部でスタート直後のスリップ又は、タルミを解きながら搬送され用紙Sはレジストローラ6の搬送スピードより遅い速さで分離パッド3を通過する確率を高くすることが可能になるため分離パッド3で生じる衝撃音は小さく騒音低減に有利である。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の給紙装置では、レジストローラで用紙がタルミを形成し待機状態になっても用紙の後端が給紙コロと分離パッドとのニップ部に挟まった状態になるように、レジストローラと給紙コロのニップ部の距離を紙サイズより短く設定しているので、最も使用頻度の多い紙サイズ(A4(短手210mm)もしくはレターサイズ(短手216mm))を横送り(短手方向を搬送方向と平行に)する場合、用紙の後端を給紙コロのニップ部に挟むことが可能で用紙の先端のタルミ形成とほぼ同時に用紙の後端が分離パッドを弾いて生じる衝撃音とタルミ形成で用紙がガイドをたたく音が重ならず騒音は小さくなる。本発明の給紙装置では、用紙搬送スピードがレジストローラの用紙搬送スピードより速い設定では、レジストローラで用紙がタルミを形成し待機状態になっても用紙の後端が給紙コロと分離パッドとのニップ部に挟まった状態になるように、レジストローラとニップ部の距離を紙サイズよりより短く設定しているので、最も使用頻度の多い紙サイズ(A4(短手210mm)もしくはレターサイズ(短手216mm))を横送り(短手方向を搬送方向と平行に)した時用紙後端は、遅いスピード(レジストローラの用紙搬送スピード)で分離パッドを通過し分離パッドが弾かれ生じる騒音も小さく出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】給紙装置の構成を示す概略図である。
【図2】レジストローラとニップ部の距離が、A4紙サイズより短い場合の状態を説明するための図である。
【図3】レジストローラとニップ部の距離が、A4紙サイズより長い場合の状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 給紙カセット
2 給紙コロ
3 分離パッド
3−a 加圧スプリング
4 搬送ローラ
5 ガイド
6 レジストローラ
8 ガイド板
S 用紙

Claims (3)

  1. 2段の給紙トレイと、前記2段の給紙トレイに積載された用紙をそれぞれ分離して搬送ローラに送給する給紙コロと、この給紙コロにそれぞれ対向して設けられた分離パッドと、前記搬送ローラを経て送給されてくる用紙を、感光体上の顕像とのタイミングをとって後流側に搬送するレジストローラと、このレジストローラまで搬送された用紙が待機状態に入る際、前記用紙の先端部に形成されるタルミ部が衝突する搬送ガイド板と、を有する給紙装置において、前記給紙コロの用紙搬送スピードを、前記レジストローラの用紙搬送スピードより速いものとし、前記2段の給紙トレイのうち前記レジストローラから遠い方の給紙トレイに設けられた給紙コロと前記分離パッドとで形成されるニップ部から、前記レジストローラまでのの距離を、用紙の長さより短くし、前記レジストローラから遠い方の給紙トレイから搬出された用紙の後端部が前記給紙コロと前記分離パッドとのニップ部に挟まれた状態で、前記用紙先端部に形成されるタルミ部が前記搬送ガイド板をたたいて待機状態に入るようにしたことを特徴とする給紙装置。
  2. 請求項1に記載の給紙装置において、前記レジストローラから遠い方の給紙トレイの前記ニップ部とレジストローラとの距離が、210mmより短いことを特徴とする給紙装置。
  3. 請求項1に記載の給紙装置において、前記レジストローラから遠い方の給紙トレイの前記ニップ部とレジストローラとの距離が、279mmより短いことを特徴とする給紙装置。
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