JP3906970B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、エンジンと称する)の運転状態に応じて燃料の供給量をフィードバック制御し得る空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車等の車両に搭載されるエンジンの燃料供給量を調節して空燃比を制御する空燃比制御装置においては、空燃比が目標空燃比となるように燃料供給量を調節している。このような空燃比制御装置では、始動から暖機運転を行っている間、実際の空燃比を迅速に目標空燃比に近づけるために、燃料供給量を増量するとともに、所定条件が満たされた場合にはエンジンの運転状態に応じてフィードバック制御している。空燃比制御装置は、エンジンの冷却水温に対応してこの暖機増量の初期値を設定しておき、時間の経過に応じた冷却水温の上昇とともに減少させるように制御するものである。
【0003】
例えば特開昭62−121844号公報のものにあっては、暖機増量補正において、始動時よりフィードバック制御の所定条件が成立するまでの間は、第1の所定割合で暖機増量を減少させ、所定条件が成立した場合に、第1の所定割合よりも大きな第2の所定割合で暖機増量を減少させる構成である。そして、このような構成にすることにより、暖機後の始動において、燃料配管内の燃料に存在するベーパーにより燃料供給量が減少し、暖機増量により燃料供給量の不足分を補った後、ベーパーがなくなった状態で暖機増量をより大きな第2の所定割合で減少させることにより、始動性及びアイドル安定性を向上させるとともに、燃費やエミッションを良好にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の構成にあっては、フィードバック制御を開始した後も暖機増量を行っているために、その増量分だけ空燃比がリッチな状態となる。つまり、燃料供給量は、暖機増量分により増量されているので、冷却水温の上昇とともにこの暖機増量分を減少させても、フィードバック制御における燃料供給量の補正量分が加算されているために、空燃比のリッチな状態が継続する。このため、比較的冷却水温の低い運転状態では、HCの排出量が増加することになった。
【0005】
このような不具合を考慮して、暖機増量の値を、全般に少なく設定することが考えられるが、そのように設定すると、燃料として粗悪なガソリンを使用する場合に、暖機増量が減少することにより始動がしにくくなったりして、ドライバビリティが低下する可能性があった。
【0006】
本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置は、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段の検出結果が所定条件を満足する場合に、実際の空燃比が目標空燃比となるように内燃機関に供給する燃料量をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、内燃機関の暖機運転時に燃料供給量を機関温度が低くなるほど多く増量補正する暖機増量手段と、暖機増量手段による増量補正がなされている期間中に、フィードバック制御手段によりフィードバック制御を開始して運転状態検出手段により実際の空燃比がリッチであることを検出した場合には、暖機増量手段による増量の値を所定の割合で減少させるように補正する減量補正手段とを備え、暖機増量手段による増量の値は、フィードバック制御を開始しても機関温度の低い場合にその減少割合が少なくなるように、かつ暖機後はその減少割合が機関温度の低い場合よりも多くなるように設定することを特徴とする。
【0008】
機関温度とは、水冷式のエンジンの場合は、その冷却水温であってよい。また、機関温度としては、潤滑油温度、吸入空気温度等であってもよい。
【0009】
このような構成のものであれば、暖機増量手段が燃料供給量の増量を実施している間に、フィードバック制御手段がフィードバック制御を開始し、実際の空燃比がリッチである場合には、増量の値を所定の割合で減少させるように減量補正手段が補正するので、フィードバック制御開始時に空燃比がオーバーリッチになることを抑えることが可能になる。
【0010】
減量補正手段としては、減量補正手段による増量値を減少させる制御の実行中に運転状態検出手段がリーンを検出した場合には、リーンの間のみ増量値の減少制御を停止して、その時の減少の割合を維持させて暖機増量を継続させるものが好ましい。このような構成のものであれば、空燃比がリーンである場合には、暖機増量を必要以上に減少させることを抑制することが可能になり、エンジンの暖機状態に合わせたフィードバック制御が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、この方法が実施されるエンジン100を示している。このエンジン100は、燃料噴射弁1と、カムポジションセンサ2と、圧力センサ3と、吸気温センサ13と、アイドルスイッチ4と、水温センサ5と、O2 センサ6とを具備している。カムポジションセンサ2と、圧力センサ3と、吸気温センサ13と、アイドルスイッチ4と、水温センサ5と、O2 センサ6とは、後述の電子制御装置7とともに機能して、エンジン100の運転状態を検出する手段として機能するものである。
【0013】
燃料噴射弁1は、吸気管8に装着してあり、電磁コイル等を主体として構成されている。そして、電磁コイルに電子制御装置7から燃料噴射信号aが入力されると、そのデューティ比等に比例した量の燃料を吸気ポート8a付近に噴射するようにしてある。カムポジションセンサ2は、エンジン回転数信号ne、気筒判別信号G1、及びクランク角度信号G2を発生するように構成されている。圧力センサ3は、サージタンク9に設けてあり、吸気管負圧に比例した吸気圧信号bを出力するようになっている。同様に、サージタンク9に取り付けてある吸気温センサ13は、吸入空気温度に応じた吸気温信号fを出力するようになっている。アイドルスイッチ4は、スロットルシャフトに連結してあり、スロットルバルブ10が閉じている場合はオンになり、スロットルバルブ10が開弁した場合はオフになるオンオフスイッチであって、IDL信号cを出力するようになっている。水温センサ5は、例えば、サーミスタ等を主体として構成されるもので、エンジン冷却水温度THWに応じた水温信号dを出力するようになっている。O2 センサ6は、触媒コンバータたるマニバータ11の上流側に着脱可能に装着してあり、空燃比A/Fを制御するために排気ガス中の酸素濃度に感応して出力信号eを発生するようになっている。具体的には、O2 センサ6は、排気ガス中の酸素濃度が高いすなわち空燃比A/Fがリーンである場合には低い電圧を発生し、排気ガス中の酸素濃度が低いすなわち空燃比A/Fがリッチである場合には高い電圧を発生し得るように構成されている。なお、O2 センサ6としては、活性化を早めるために、ヒータを内蔵したものが望ましい。このようなヒータを内蔵したものであれば、始動から短時間の後に活性化することが可能になる。
【0014】
電子制御装置7は、運転状態検出手段、フィードバック制御手段、暖機増量手段及び減量補正手段として機能するもので、燃焼室12に供給する混合気の空燃比A/Fを調節する役割を担っており、中央演算処理装置7aと、メモリ7bと、入力インターフェース7cと、出力インターフェース7dとを備えている。そして、入力インターフェース7cを介して、エンジン100の運転状態を検出するために、少なくとも、カムポジションセンサ2からのエンジン回転数信号ne、気筒判別信号G1及びクランク角度信号G2と、圧力センサ3からの吸気圧信号bと、アイドルスイッチ4からのIDL信号cと、水温センサ5からの水温信号dと、O2 センサ6からの出力信号eと、吸気温センサからの吸気温信号fとをそれぞれ中央演算装置7aに入力し、この中央演算装置7aにおいてメモリ7b内に格納されている図示しないプログラムに沿って一定クランク角毎に所定の演算処理を実行した後、出力インターフェース7dを介して前記燃料噴射弁1に燃料噴射信号aを出力するようになっている。
【0015】
電子制御装置7には、圧力センサ3から出力される吸気圧信号aとカムポジションセンサ2から出力される回転数信号neとを主な情報とし、エンジン100の運転状態であるエンジン冷却水温度THWに応じて決まる暖機増量補正量たる始動後増量補正係数FWL及び空燃比フィードバック補正量たる空燃比フィードバック補正係数FAFを含む各種の補正係数で基本噴射量に対応する基本噴射時間を補正して有効噴射時間を決定し、有効噴射時間に無効噴射時間を加算して燃料噴射弁開成時間である最終通電時間を決定し、その決定された最終通電時間により燃料噴射弁1を制御して、エンジン100の運転状態に応じた燃料供給量の燃料を燃料噴射弁1から吸気ポート8aに噴射するためのプログラムが内蔵してある。このように、エンジン100の運転状態に応じて供給する燃料量をフィードバック制御することにより、空燃比をフィードバック制御するものである。
【0016】
この実施の形態における制御プログラムの概要について、図2〜4により説明する。
【0017】
図2は、暖機増量補正係数FWLを計算するルーチンの概略構成である。暖機増量補正係数FWLは、まず、ステップS1において、基礎係数FWLBを計算する。この基礎係数FWLBは、エンジン冷却水温度THWが低くなるほど大きな値で、エンジン冷却水温度THWが高くなるにしたがって小さな値となるように基礎係数テーブルに設定してあり、検出したエンジン冷却水温度THWに対応して補間して計算するものである。したがって、基礎係数FWLBは、エンジン100が運転されてエンジン冷却水温度THWが時間とともに上昇すると、その経過時間の長さに対応して小さくなるもので、その減少割合は経過時間に対してほぼ一定となる。ステップS2では、フィードバック補助係数FWLFBを計算する。このフィードバック補助係数FWLFBは、後述する減量条件が成立した場合に減量され、減量条件が成立しない場合には、その時点の値が維持されるか、もしくは所定値例えば1.0に設定される。ステップS3では、ステップS1により得られた基礎係数FWLBに、ステップS2により得られたフィードバック補助係数FWLFBを乗じて、暖機増量補正係数FWLを計算する。この暖機増量補正係数FWLは、例えば32msec.毎に計算されるものである。
【0018】
次に、フィードバック補助係数FWLFBの初期値FWLINIの計算について、図3により説明する。このルーチンは、始動毎に実行されるものである。
【0019】
まず、ステップS11において、暖機増量補正係数FWLの初期減量条件が成立したか否かを判定する。このFWL初期減量条件は、高温再始動時であるかどうかを判断するもので、少なくともエンジン冷却水温度THWが設定された所定温度値を上回っていること、及び吸入空気温度が上記所定温度値とは別の所定温度値を上回っていること、である。ステップS11において、初期減量条件が成立しているすなわち高温再始動時と判定した場合は、ステップS12に進み、フィードバック補助係数FWLFBを初期値FWLINIにより設定する。この初期値FWLINIは、エンジン冷却水温度THWにより設定されるもので、エンジン冷却水温度THWが高いほど小さな値に設定してある。一方、ステップS11において、FWL初期減量条件が成立していないと判定した場合つまり冷間始動である場合は、ステップS13に進み、フィードバック補助係数FWLFBを定数例えば1.0により設定する。
【0020】
次に、図4により、フィードバック補助係数FWLFBの計算について説明する。このルーチンは、ステップS2に対応するものである。
【0021】
まずステップS21において、フィードバック補助係数FWLFBのFWLFB減量条件が成立したか否かを判定する。このFWLFB減量条件は、例えば、1.O2 センサ6が出力する出力信号eに基づいて空燃比フィードバック制御を実行中である、
2.その出力信号eが空燃比のリッチであることを示している、
3.空燃比フィードバック制御において空燃比フィードバック補正係数FAFのリッチスキップが所定回数以内である、である。
【0022】
前記リッチ条件は、この実施の形態にあっては、空燃比フィードバック制御中において、空燃比A/Fがリーンである場合には暖機増量補正係数FWLをフィードバック補助係数FWLFBにより減量せずに、エンジン冷却水温度THWに応じて減少させるためである。
【0023】
前記リッチスキップ条件は、リッチスキップが所定回数以上である場合では、空燃比フィードバック制御において理論空燃比近傍に目標空燃比を設定したストイキ制御が実施されている状態であることを判定するためのものである。
【0024】
ステップS21において、FWLFB減量条件が成立した場合は、ステップS22に進み、成立しない場合はステップS23に移行する。ステップS22では、この時点のフィードバック補助係数FWLFBから減量補助係数KFWLFBDを減算して、今回のフィードバック補助係数FWLFBに設定する。
【0025】
フィードバック補助係数FWLFBは、エンジン冷却水温度THWにより、図5に示すように、その下限値FWLFBMINが設定してある。この下限値FWLFBMINは、エンジン冷却水温THWが低い領域と高い領域において最大値をとり、その中間領域において最低値となる。このように下限値FWLFBMINを設定することにより、エンジン冷却水温THWが低い及び高い場合に、この暖機補正増量制御において空燃比フィードバック制御を開始しても、下限値FWLFBMINが大きいので、フィードバック補助係数FWLFBが下限値FWLFBMINとなっても暖機増量補正係数FWLの減量割合を小さくすることができ、急激な暖機増量補正係数FWLの減少により空燃比A/Fがリーンなることを抑制することが可能となる。一方、その中間のエンジン冷却水温度THWにあっては、下限値FWLFBMINが最低値に設定してあるので、暖機増量補正係数FWLの減量割合を大きくすることができ、空燃比A/Fがリッチ状態にある期間を短縮することが可能になる。
【0026】
また、減量補助係数KFWLFBDは、基礎係数FWLBの冷却水温度THWによる減少を、時間に対するものにした場合の減少割合より大きな割合に設定してある。つまり、減量補助係数KFWLBDによりフィードバック補助係数FWLFBを減量し、そのフィードバック補助係数FWLFBにより基礎係数FWLBを補正した場合の暖機増量補正係数FWLの減少割合は、前記した基礎係数FWLBのみで設定した暖機増量補正係数FWLのそれより大きくなるものである。
【0027】
次に、ステップS23では、暖機増量補正係数FWLのFWL減量条件が成立したか否かを判定する。このFWL減量条件は、例えば、
1.吸気温が所定吸気温を上回っている、
2.エンジン冷却水温度THWが所定水温を上回っている、
3.始動後、所定の経過時間が経過している、
4.自動変速装置を搭載した車両において、シフト位置がドライブ位置になっている、
5.電気負荷が所定量以上である、
などである。このようなFWL減量条件を満たす運転状態としては、例えば冷間始動後のアイドリング運転状態である。以上のFWL減量条件が全てを満足する運転状態である場合には、ステップS24に進み、そうでない場合はステップS25に移行する。
【0028】
ステップS24では、今回のフィードバック補助係数FWLFBを前回のフィードバック補助係数FWLFBにより設定する。ステップS25では、フィードバック補助係数FWLFBを1.0に設定する。以上のフィードバック補助係数FWLFBの計算は、暖機増量補正係数FWLの計算タイミングより長いインターバルをおいて実行されるもので、例えば128msec.毎に実行される。
【0029】
このような構成において、冷間時にエンジン100を始動すると、FWL初期減量条件が成立しないので、ステップS11→S13を実行して、フィードバック補助係数FWLFBを定数である1.0で設定する。一方、高温再始動時にあっては、FWL初期減量条件が成立するので、ステップS11→S12を実行して、フィードバック補助係数FWLFBを初期値FWLINIで設定する。
【0030】
そして、始動後、空燃比フィードバック制御の制御条件が成立するまでつまりFWLFB減量条件が成立しない状態で、かつFWL減量条件が成立しない運転状態では、フィードバック補助係数FWLFBを、ステップS21→S23→S25を実行して、フィードバック補助係数FWLFBを1.0に設定する。そして、このフィードバック補助係数FWLFBにより基礎係数FWLBを補正して暖機増量補正係数FWLを設定する。この場合、フィードバック補助係数FWLFBが1.0であるので、暖機増量補正係数FWLは従来と同様に、エンジン冷却水温度THWの上昇とともに減少するものである(図6のa区間)。
【0031】
この後、空燃比フィードバック制御の制御条件が成立した場合は、暖機増量補正係数FWLによる暖機増量を実施しながら、空燃比フィードバック制御を開始する。空燃比フィードバック制御の制御条件としては、例えば、始動後所定時間が経過した、フューエルカット中でない、パワー増量を実行していない、圧力センサ3が正常である、O2 センサ6が活性している、等である。O2 センサ6の活性化判別は、この分野で知られている各種の方法を採用するものであってよい。 空燃比フィードバック制御を開始した時点では、図6に示すように、実際の空燃比A/Fは暖機増量補正係数FWLによる暖機増量補正によりリッチになっている。しかも、空燃比フィードバック制御の開始後、空燃比A/Fがリーンにならない運転状態では、リッチスキップは実行されていない状態である。したがって、FWLFB制御条件が成立し、ステップS21→S22を実行してフィードバック補助係数FWLFBを減量補助係数KFWLFBDだけ小さくして、新たにフィードバック補助係数FWLFBとして設定するものである。そして、設定されたフィードバック補助係数FWLFBを用いてステップS3を実行することにより、暖機増量補正係数FWLを計算して、空燃比フィードバック制御の実行前の暖機増量補正係数FWLより小さな値、すなわち暖機増量補正係数FWLを減量して、燃料量を減量するように制御するものである。
【0032】
したがって、例えば、冷間始動の後、エンジン100が暖機完了状態になる前に走行を開始すると、O2 センサ6やマニバータ11は加熱されるので、O2 センサ6は活性化される。したがって、空燃比フィードバック制御の制御条件が成立することになる。このような場合に、暖機補正増量係数FWLにより燃料量を増量補正していると、空燃比A/Fがリッチ傾向となり、目標空燃比に制御することが難しくなり、エミッションが低下することになるが、上記のように、暖機補正増量係数FWLをエンジン冷却水温度THWによる減少割合より大きな所定の割合で小さくすることにより、迅速に実際の空燃比を目標空燃比に制御することができるとともに、エミッションの低下を解消するすることができる。
【0033】
加えて、上述したように暖機増量補正係数FWLを減量したより小さな値に設定することにより、空燃比フィードバック制御を開始した後に空燃比A/Fが過度にリッチになるオーバーリッチ状態が生じることを確実に防止することができる。また、早期に空燃比フィードバック制御により燃料量を制御するので、空燃比A/Fがリッチである運転状態を短縮することができ、その結果HCの排出量を低減することができる。
【0034】
そして、上記したステップS21→S22を繰り返してフィードバック補助係数FWLFBを減量し、よって、所定の減少割合で暖機増量補正係数FWLを減少させていくことにより、また実際の空燃比A/Fがリッチであるので、空燃比フィードバック補正係数FAFを減量することにより、空燃比A/Fはリッチからリーンに変化していく(図6のb区間)。
【0035】
この後、空燃比A/Fがリーンになると、FWLFB減量条件が成立しないので、FWLFB計算ルーチンにおいて、ステップS21→S23と進み、FWL減量条件が成立している間は、その後ステップS24を実行して、その時点のフィードバック補助係数FWLFBを今回の計算におけるフィードバック補助係数FWLFBとして設定する。つまり、空燃比A/Fがリーンになった場合で、かつFWL減量条件が成立する場合は、フィードバック補助係数FWLFBの値をこの時点における値に維持するものである。したがって、暖機増量補正係数FWLは、前回と同じ値もしくはエンジン冷却水温THWの上昇により基礎係数FWLBが減少した分だけ減少する(図6のc区間)。
【0036】
このように、空燃比A/Fがリーンになった運転状態において、フィードバック補助係数FWLFBによる基礎係数FWLBの減量補正を行わないことにより、暖機増量補正係数FWLが必要以上に減少されることが抑制されるため、エンジン100の暖機状態に応じた燃料量の増量補正制御が実行でき、空燃比フィードバック制御を適切な状態に維持することができる。
【0037】
この後、空燃比A/Fがリッチになり、再度FWLFB減量条件が成立した場合は、前述と同じくステップS21→S22を繰り返し、その都度フィードバック補助係数FWLFBを減量し、よって暖機増量補正係数FWLを減少させる。
【0038】
そしてさらに時間が経過し、空燃比フィードバック補正係数FAFにおいて、リッチスキップが所定回数以上となると、その後は、FWLFB減量条件が成立しなくなるため、ステップS21→S23→S24を繰り返して実行する。したがって、フィードバック補助係数FWLFBは、リッチスキップが所定回数以上となったその時点における値に固定されることになり、暖機増量補正係数FWLは基礎係数FWLBがエンジン冷却水温THWの上昇に応じて減少するものとなる(図6のd区間)。
【0039】
以上に説明したように暖機増量補正係数FWLを制御することにより、暖機増量補正係数FWL自体をあらかじめ全体に低く設定しておき、暖機増量補正において補正する燃料量を少なくする場合に比べて、粗悪ガソリン等を燃料に使用した場合に生じる空燃比A/Fがリーン傾向にある、つまり空燃比フィードバック制御の制御中心がリーン側に偏ってしまう運転状態における増量の減少を防止することができ、オーバーリーン状態が発生することも防止することができる。したがって、そのような燃料を使用した場合のドライバビリティの低下を防止することができる。
【0040】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0041】
その他、各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、暖機増量手段が燃料供給量の増量を実施している間に、フィードバック制御手段がフィードバック制御を開始し、実際の空燃比がリッチである場合には、増量の値を所定の割合で減少させるように減量補正手段が補正するので、フィードバック制御開始時に空燃比がオーバーリッチになることを抑えることができる。また、暖機増量手段による増量自体をあらかじめ低くすることなく減量補正手段により減量補正するので、空燃比がリーン傾向にある運転状態での暖機増量の減少を防止することができ、質の低い燃料を使用することにより低下することがあるドライバビリティを良好な状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す概略構成説明図。
【図2】同実施の形態の暖機増量補正係数の計算ルーチンの概略を示すフローチャート。
【図3】同実施の形態のフィードバック補助係数の初期値の計算ルーチンの概略を示すフローチャート。
【図4】同実施の形態のフィードバック補助係数の計算ルーチンの概略を示すフローチャート。
【図5】同実施の形態のフィードバック補助係数の下限値のエンジン冷却水温度に対する設定を示すグラフ。
【図6】同実施の形態の作用説明図。
【符号の説明】
1…燃料制御弁
2…カムポジションセンサ
3…圧力センサ
4…アイドルスイッチ
5…水温センサ
6…O2 センサ
7…電子制御装置
7a…中央演算処理装置
7b…メモリ
7c…入力インターフェース
7d…出力インターフェース
Claims (2)
- 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
運転状態検出手段の検出結果が所定条件を満足する場合に、実際の空燃比が目標空燃比となるように内燃機関に供給する燃料量をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、
内燃機関の暖機運転時に燃料供給量を機関温度が低くなるほど多く増量補正する暖機増量手段と、
暖機増量手段による増量補正がなされている期間中に、フィードバック制御手段によりフィードバック制御を開始して運転状態検出手段により実際の空燃比がリッチであることを検出した場合には、暖機増量手段による増量の値を所定の割合で減少させるように補正する減量補正手段とを備え、
暖機増量手段による増量の値は、フィードバック制御を開始しても機関温度の低い場合にその減少割合が少なくなるように、かつ暖機後はその減少割合が機関温度の低い場合よりも多くなるように設定することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 減量補正手段が、減量補正手段による増量値を減少させる制御の実行中に運転状態検出手段がリーンを検出した場合には、リーンの間のみ増量値の減少制御を停止して、その時の減少の割合を維持させて暖機増量を継続させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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