JP3906774B2 - 天井置き空調ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
いものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の天井置き空調ユニットは、図7に示すように、空気通路を形成する空調ケース10の上面を、車両の天井に複数のボルト21、22で固定するようにしている。そして、空調ケース10のうち車両左右方向の両端部分を固定するボルト21は意匠カバー21aにて目隠しされ、車両左右方向の略中央部分を固定するボルト22は、空調ユニット1の操作スイッチや室内灯等の電気部品240にて目隠しされている。
【0003】
そして、電気部品240には部品側コネクタ242を有するハーネス241が備えられており、空調ユニット1に備えられた空調側コネクタC3に部品側コネクタ242を結合した後に、電気部品240を空調ユニット1に組み付けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の天井置き空調ユニット1では、ボルト22を目隠しする電気部品240にハーネス241が備えられているので、電気部品240を空調ユニット1に組み付ける際にハーネス241が邪魔となり、組付作業性が悪いといった問題が生じる。例えば、図7に示す場合には、電気部品240のうち空調ケース10に対向する面240aと空調ケース10との間にハーネス241が介在してしまわないように電気部品240を組み付けることは、組付作業性が非常に悪い。
【0005】
因みに、ハーネス241を短くして上記組付作業性の向上を図ろうとすると、電気部品240と空調ユニット1の間の作業空間が狭くなってしまい、部品側コネクタ242を空調側コネクタC3に結合する作業性が困難となる。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、ネジ部材で車両の天井に固定される天井置き空調ユニットにおいて、ネジ部材を目隠しするための部材を空調ユニットに組み付ける作業の作業性向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気通路を形成する空調ケース(10)を備え、空調ケース(10)に設けられた挿入穴(11d)に、雄ネジ部(22a)を有するネジ部材(22)を挿入し、ネジ部材(22)により空調ケース(10)を車両の天井に固定するようにした天井置き空調ユニットにおいて、空調ケース(10)に形成された開口部(12b)に車室内の側から着脱可能に取り付けられ、空気通路内の空調空気を車室内に吹き出す吹出グリル(24)を備え、挿入穴(11d)にネジ部材(22)を挿入する際の挿入軌跡上に、開口部(12b)を位置させることを特徴とする。
【0008】
これによれば、ネジ部材(22)を、開口部(12b)から空調ケース(10)内に挿入するとともに挿入穴(11d)に挿入して、空調ケース(10)を車両の天井に固定することができる。そして、ネジ部材(22)で空調ケース(10)を固定した後に、吹出グリル(24)を開口部(12b)に取り付けることができ、吹出グリル(24)によりネジ部材(22)を目隠しすることができる。
【0009】
従って、ハーネスおよびコネクタを必要としない吹出グリル(24)でネジ部材(22)を車室内側から目隠しすることができるので、ネジ部材(22)を目隠しする部材としての吹出グリル(24)を空調ケース(10)に組み付ける作業の、作業性向上を図ることができる。
【0010】
ここで、空調ケース(10)のうち車両左右方向の略中央部分を固定するネジ部材(22)に関しては、図7に示す意匠カバーで当該ネジ部材(22)を目隠ししようとすると、空調ユニットの意匠上の設計自由度が著しく制約されてしまう。よって、請求項2に記載の発明のように、空調ケース(10)のうち車両左右方向の略中央部分に挿入穴(11d)が配置されている場合に請求項1に記載の発明を適用すれば、上記意匠カバーで目隠しする場合に比べて、空調ユニットの意匠上の設計自由度の制約を抑制できる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、吹出グリル(24)に一体に形成されたグリル側係合部(24a)と、空調ケース(10)に一体に形成されたケース側係合部(26)との係合により、吹出グリル(24)は開口部(12b)に取り付けられていることを特徴とするので、吹出グリル(24)および空調ケース(10)とは別に両係合部(24a、26)を形成する場合に比べて、部品点数の低減を図ることができる。
【0012】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の天井置き空調ユニットを示す分解斜視図であり、図中の上下前後左右方向を示す矢印は、当該空調ユニット1を車両に搭載した状態での車両に対する方向を示している。そして、本実施形態の空調ユニット1は、空気通路を形成する空調ケース10内に、図示しない送風機および冷房用熱交換器を備えて構成されており、車室内の後席に向けて冷風を吹き出して後席を冷房するものである。
【0015】
また、空調ケース10は樹脂製であり、上下に2分割された上側ケース11および下側ケース12とから構成されている。上側ケース11には、ビス20が挿入される挿入穴11aが複数備えられ、下側ケース12には、これらの挿入穴11aに対応する位置のそれぞれにボス部12aが備えられている。そして、挿入穴11aからビス20を挿入してボス部12aに締結することにより、上側ケース11と下側ケース12とは組み付けられている。
【0016】
また、上側ケース11の車両左右方向長さは、下側ケース12の左右長さよりも長く形成されており、このように延出した上側ケース11の延出部11bには、ボルト21が挿入される挿入穴11cが形成されている。また、上側ケース11のうち車両左右方向の略中央、かつ、車両後方部分には、ボルト22が挿入される挿入穴11dが形成されている。なお、当該ボルト22は、上記特許請求の範囲に記載のネジ手段に相当するものである。また、符号22aはボルト22のネジ部を示している。
【0017】
そして、各挿入穴11c、11dに挿入されるボルト21、22を車両の天井に締結することにより、空調ユニット1を天井に固定するようにしている。なお、挿入穴11dおよびボルト22の詳細構造については、後に説明する。
【0018】
因みに、左右両延出部11bには樹脂製の意匠カバー21aが取り付けられており、当該意匠カバー21にてボルト21を車室内側から目隠ししている。なお、右側に位置する意匠カバーは図1では省略されている。
【0019】
下側ケース12のうち車両後方側部分には、複数(本実施形態では3つ)の吹出グリル23、24が備えられており、これらの吹出グリル23、24から、冷房用熱交換器にて冷却された冷風が車室内に吹き出されるようになっている。
【0020】
車両左右方向の略中央部分に位置する吹出グリル24およびその両側に位置する吹出グリル23は、下側ケース12とは別体の樹脂部材であり、下側ケース12に形成された開口部12bに車室内の側から着脱可能に取り付けられている。そして、車両左右方向の略中央部分に位置する吹出グリル24が取り付けられる開口部12bは、車両左右方向の略中央部分に位置する挿入穴11dにボルト22を挿入する際の挿入軌跡P上に位置している。
【0021】
具体的には、空調ユニット1の挿入穴11d部分における断面図である図2に示すように、ボルト22を、挿入軌跡Pに沿って、開口部12bから空調ケース10内に挿入するとともに、挿入穴11d挿入可能となるように、開口部12bの位置および形状は設定されている。本実施形態では挿入軌跡Pは上下方向に延びる直線であり、開口部12bの寸法のうち、挿入軌跡Pに対して垂直な方向の寸法Lは、ボルト22が上述のように挿入可能となるように設定されている。
【0022】
また、図2中の符号2は、車両左右方向に延びて車両ボデーの天井を構成する金属製の強度部材を示しており、強度部材2の上側面にはナット3が溶接等の手段により固定されている。そして、ボルト22はナット3に締結されることにより、上側ケース11を強度部材2に固定するようになっている。
【0023】
次に、上記吹出グリル24の取付構造の詳細を説明する。図1に示すように、下側ケース12のうち開口部12bの車両左右方向両側には、車両前後方向に延びるリブ部材25が一体に形成されている。そして、図2のA−A断面図である図3に示すように、リブ部材25には吹出グリル24に向かって突出する係合ピン26が一体に形成されている。
【0024】
図4は図1のB矢視図、図5は図4のC−C断面図であり、吹出グリル24のうち車両左右方向の側面には、上記係合ピン26が係合する係合穴24aが形成されている。また、吹出グリル24には、係合穴24aから車両前方側に向かって延びるガイド溝24bが形成されている。
【0025】
そして、図6の矢印に示すように吹出グリル24を開口部12bに向けて押し付けると、係合ピン26がガイド溝24b内を摺動し、吹出グリル24の車両左右方向両側面を弾性変形させながら、係合ピン26は係合穴24aに案内されることとなる。また、ガイド溝24bおよび係合ピン26の摺動面は、テーパ状に形成されており、係合ピン26のガイド溝24b内の摺動を容易にならしめている。
【0026】
そして、係合ピン26が係合穴24aに挿入されて係合して吹出グリル24が開口部12bに組み付けられた状態では、吹出グリル24は係合ピン26を回転軸として回転可能となっており、吹出グリル24による吹き出しの向きを調節可能になっている。
【0027】
因みに、係合ピン26は、上記特許請求の範囲に記載のケース側係合部に相当し、係合穴24aは、上記特許請求の範囲に記載のグリル側係合部に相当するものである。
【0028】
また、図1中の符号27は、空調ユニット1の作動を操作する操作スイッチを示しており、操作スイッチ27に接続されたワイヤハーネス28は、下側ケース12内に配索されて下側ケース12外に延出している。そして、ワイヤハーネス28の延出端部にはコネクタC1が接続されており、車両天井に設けられたコネクタC2に接続されている。
【0029】
以上により、本実施形態によれば、開口部12bは、挿入穴11dにボルト22を挿入する際の挿入軌跡P上に配置されているので、ボルト22を、開口部12bから空調ケース10内に挿入するとともに挿入穴11dに挿入してナット2に締結することにより、空調ケース10を車両の天井に固定することができる。そして、ボルト22で空調ケース10を固定した後に、吹出グリル24を開口部12bに取り付けることができ、吹出グリル24によりボルト22を目隠しすることができる。
【0030】
従って、図7に示す従来のハーネス241およびコネクタ242を必要としない吹出グリル24でボルト22を車室内側から目隠しすることができるので、ボルト22を目隠しする部材としての吹出グリル24を空調ケース10に組み付ける作業の、作業性向上を図ることができる。
【0031】
また、従来のハーネス241およびコネクタ242を必要としない吹出グリル24でボルト22を車室内側から目隠しすることができるので、従来必要であった空調側コネクタC3を廃止することができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0032】
(他の実施形態)
上記実施形態では、車両左右方向の略中央部分に位置する吹出グリル24にて、ボルト22を車室内側から目隠しするようにしているが、本発明の吹出グリル24は、車両左右方向の略中央部分に位置する吹出グリル24に限られるものではなく、例えば、上記吹出グリル24の両側に位置する吹出グリル23にて、ボルト22を車室内側から目隠しするようにしてもよい。具体的には、吹出グリル23を、空調ケース10に形成された図示しない開口部に車室内の側から着脱可能に取り付け、挿入穴11dにボルト22を挿入する際の挿入軌跡上に、前記開口部12bが位置することとなるように、挿入穴11dの位置を設定する。
【0033】
また、本発明のネジ部材22は、ボルトに限られるものではなく、雄ネジ部22aを有する部材であればよく、例えば、小ネジやビス等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る天井置き空調ユニットの、分解斜視図である。
【図2】図1の空調ユニットの挿入穴部分における断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1のB矢視図である。
【図5】図4のC−C断面図である。
【図6】図5に示す吹出グリルの係合ピンを、図3に示す係合穴に挿入する状態を示す断面図である。
【図7】従来の天井置き空調ユニットを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10…空調ケース、11d…挿入穴、12b…開口部、
22…ボルト(ネジ部材)、24…吹出グリル。
Claims (3)
- 空気通路を形成する空調ケース(10)を備え、
前記空調ケース(10)に設けられた挿入穴(11d)に、雄ネジ部(22a)を有するネジ部材(22)を挿入し、
前記ネジ部材(22)により前記空調ケース(10)を車両の天井に固定するようにした天井置き空調ユニットにおいて、
前記空調ケース(10)に形成された開口部(12b)に車室内の側から着脱可能に取り付けられ、前記空気通路内の空調空気を車室内に吹き出す吹出グリル(24)を備え、
前記挿入穴(11d)に前記ネジ部材(22)を挿入する際の挿入軌跡上に、前記開口部(12b)を位置させることを特徴とする天井置き空調ユニット。 - 前記挿入穴(11d)は、前記空調ケース(10)のうち車両左右方向の略中央部分に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の天井置き空調ユニット。
- 前記吹出グリル(24)に一体に形成されたグリル側係合部(24a)と、前記空調ケース(10)に一体に形成されたケース側係合部(26)との係合により、前記吹出グリル(24)は前記開口部(12b)に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の天井置き空調ユニット。
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