JP3906557B2 - 信号処理回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学記録媒体上においてトラックを蛇行させることによって記録されている情報を再生する際の信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CD(Compact Disc)やCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などのディスク状光学記録媒体が広く普及している。これらCDやCD−ROMは、その製造時においてプラスチック基板表面上に微少な凹部(物理ピット)を形成し、このピット列によって情報が記録されている。また、このピット列自体がトラックとされており、信号再生のための光ビームスポットは、このピット列によるトラックをトレースするようにされている。
即ち、CDやCD−ROM等のメディアは再生専用であり、製造後において情報の追記や書き換えを行うことができるものではない。
【0003】
これに対して、近年、追記型のCD−R(Recordable)や書き換え型のCD−RW(ReWritable)など、データを記録再生可能なディスクが普及してきている。これらの記録媒体には、記録領域において光ビームスポットが適正にトレースを行えるように、製造工程において案内溝としてのグルーブが形成されている。
データの記録はCD−Rであれば光ビームスポットの強度変調を行うことで、上記グルーブ上の記録層を変形させて物理ピットを形成することにより行われる。また、CD−RWであれば、いわゆる相変化方式により相ピットを形成することにより行う。
【0004】
また、近年においては、CDよりも記録容量の大きいDVD(Digital Versataile Disc又はDigital Video Disc)、DVD−ROMなどの再生専用のディスクも知られてきており、更には、これらDVD、DVD−ROMにほぼ相当する記録容量を有する記録可能なディスクメディアも提案されてきている。
【0005】
上記したような記録可能なディスクにデータを記録するには、データを所定の位置に記録することができるようにアドレス情報を記録する必要がある。このアドレス情報は、ウォブルとしてディスクに記録される場合がある。
【0006】
例えば、アドレス情報をFSK(Frequency shift Keying)変調(周波数シフトキーイング変調)により変調した変調信号をウォブル信号として生成する。
ディスク上でのデータを記録するトラックは、例えばグルーブとして予め形成されるが、このグルーブの側壁を上記ウォブル信号に対応してウォブリングさせる(蛇行させる)、つまりウォブルされたグルーブを形成するものである。
このようにすると、グルーブのウォブルからアドレスを読み取ることができ、例えばアドレスを示すピットデータ等を予めトラック上に形成しておかなくても、所望の位置にデータを記録再生することができる。
【0007】
図10には光ディスクのグルーブ構造例を示している。図10(a)に示したようにディスク100上のトラックは、プリグループ(単にグルーブという場合もある)101としてスパイラル状に内周から外周に向かって予め形成されている。
そして、このグループ101は、図10(b)においてその一部を拡大して示したように、その左右の側壁が、ウォブル信号(アドレス情報)に対応してウォブリングされる。つまりアドレスに基づいて生成されたウォブル信号に対応する所定の周期で蛇行するようにウォブルが与えられる。グルーブ101とその隣のグルーブ101の間はランド102とされ、例えばデータの記録はグルーブ101に行われる。
【0008】
図11は、上記ウォブル信号に対応して構成し得るアドレス再生回路の一例を示すブロック図である。
この図に示すアドレス再生回路200は、ディスクに対する読み出し動作によってウォブリングされたグルーブから得られたウォブル信号を入力し、このウォブル信号について信号処理を施すことでアドレス情報を得るための回路部位とされる。
【0009】
ディスクから読み出されたウォブル信号Wbは、アンプ201に入力されて増幅される。このアンプ201にて増幅されたウォブル信号Wbは、例えばウォブル信号Wbの周期に対応して通過帯域が設定されたバンドパスフィルタ202を通過して二値化回路203に供給されることで二値化され、位相比較器204に入力される。
ここでは、位相比較器204、ローパスフィルタ205、及びVCO((Voltage Controlled Oscillator) 207により閉ループが形成されている。従ってVCO207の出力は、FSK変調により得られたウォブル信号のキャリア周波数のクロックが得られる。つまり、FSK変調に対しての復調処理が行われる。そして、この場合には、位相比較器204の検出信号がローパスフィルタ205を通過することで低域成分が除去されたアナログ信号としてデコード回路206に出力される。ローパスフィルタ205の出力は、データ値(即ちキャリア周波数)に応じて異なるレベルを有する信号となる。
【0010】
デコード回路206では、入力信号について所要のデコード処理を施してアドレス情報を得る。ここで得られたアドレス情報は例えば図示しないシステムコントローラ等に伝送されて、記録再生動作のための制御等に利用される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディスクから読み出したウォブル信号の振幅レベルは、常に一定とは限らず、ディスクの反射率変動や、データ再生のためにディスクに照射するレーザ強度の変動、更には、隣接するグルーブとのクロストークによって大きく変動することがしばしばある。
図12(a)には、ディスク上に形成されるウォブルの形状を概念的に示し、図12(b)には、上記図12(a)のウォブルを再生して得られるウォブル信号波形を示している。
ディスクのグルーブに形成されるウォブルは、例えば図12(a)に示すようにして、本来、所定の一定の振幅レベルを有するウォブル信号に対応して、一定の微少振幅により蛇行するようにして形成される。従って、理想的にはディスクから再生されるウォブル信号もウォブルの物理的振幅に対応して一定の振幅を有するべきものとなる。
しかし、上記したような要因によって、実際にディスクから読み出されるウォブル信号には、図12(b)に示すようにして振幅に大きな変動が現れることがある。このような事情もあって、ウォブルに記録するための信号としては、振幅変調ではなく、前述したようにFSK変調などの周波数変調方式がしばしば採用されるものである。
【0012】
ここで、ウォブル信号からアドレス情報を安定して再生するには、例えば図11に示したアンプ201のゲインをできるだけ大きく取ることが好ましいことが分かっている。
ところが、上述したようにウォブル信号には振幅の変動があることから、上記したアンプ201のゲインとしては、振幅が最大となるときに飽和しないように設定することしかできないため、信頼性の高いアドレス情報の再生を行うには不充分な場合がある。
そこで仮に、振幅が最小になるようなときにぎりぎりアンプ201の飽和に達しないようなゲインを設定したとすると、当然のこととして、振幅が大きくなる方向に変動したときにウォブル信号が飽和して歪むことになり、適正なアドレス情報の再生は期待できなくなる。
【0013】
また、図10に示したグルーブ101には、例えばアドレス情報だけでなくクロック同期のために用いるファインクロックマークとしての情報を含ませることもできる。つまり、ウォブルとして、クロック周期に応じた所定間隔でファインクロックマークとしてのウォブル部分を配置することにより、その再生情報は例えばディスク上の1周回トラックでの細かい半径位置情報とすることもできる。この場合には、ディスクに記録するためのウォブル信号としては、FSK変調により得られるアドレス情報としてのウォブル信号に対して、ファインクロックマークとしての信号を重畳して生成することになる。
【0014】
図13に、ファインクロックマークを含むウォブル形状を概念的に示す。
この図に示すように、アドレス情報に対応するウォブルに対して、一定間隔でファインクロックマークFCKが配置される。この場合、ウォブル形状としては、アドレス情報に対応する部分と、ファインクロックマークFCKに対応する部分とが共存するため、再生されたウォブル信号からファインクロックマークFCKを適正に検出するために、一般にはアドレス情報のウォブルよりもファインクロックマークFCKの振幅を大きくするようにしている。
ところが、このようなファインクロックマークFCKが重畳されたウォブル信号を、アドレス再生の観点より見た場合には、ファインクロックマークFCKの振幅が大きいことにより、ディスクから読み出されたウォブル信号におけるファインクロックマークFCKの前後において、位相方向に波形が歪むような現象が起こる場合があり、結果的にアドレス情報の安定した再生が阻害される可能性があることが分かっている。
【0015】
更には、既に記録が行われてピットが形成されたトラック(グルーブ)をトレースしているとき、このグルーブのウォブルから得られるウォブル信号においては、ピット信号が漏れ込む場合があり、このピット信号の影響によりウォブル信号が歪んだ場合には、やはり、アドレス情報の再生の信頼性が低下することが分かっている。この理由について図14を参照して説明する。
【0016】
図14(a)には、図11に示したアドレス再生回路200に入力されるウォブル信号Wbとして、ピット信号の影響を受けていない理想的なウォブル信号の波形が示されている。これに対して、図14(b)にはピット信号の影響を受けたことにより高周波数成分が重畳するようにして歪んだウォブル信号の波形が示されている。
【0017】
ここで図14(a)に示す波形のウォブル信号Wbがアドレス再生回路200に入力されたとすると、二値化回路203においては、図14(c)に示すような二値化信号としての波形が得られることになる。これは、ウォブル信号Wbの二値化信号として適正な位相及びパルス幅が得られている信号である。
これに対して、図14(b)に示すウォブル信号Wbを入力して二値化回路203により二値化した場合には、図14(d)に示す波形の二値化信号が得られることになる。この図14(d)に示す波形を、上記図14(c)に示す波形とを比較して分かるように、パルス幅及びその位相位置等が適正ではない部分が生じている。このような不安定な二値化信号により以降の信号処理及びデコード処理を行えば、正確なアドレス情報を得ることができる可能性は自ずと低下することになる。
このように、ディスクに形成されたウォブルから得られるウォブル信号に基づいて情報を抽出するのにあたって、その信頼性を確保しようとした場合には、上記したようないくつかの問題が存在する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、ディスク上においてウォブルとして記録されている情報についての再生処理が安定して行われるようにすることを目的とする。
【0019】
このため、データを記録するトラックを或る特定の情報に対応する信号により蛇行させて形成している光学記録媒体から再生された、蛇行に基づいて得られる蛇行再生信号について信号処理を行う信号処理回路として、入力された蛇行再生信号について、この蛇行再生信号が有するとされる最大振幅レベルよりも小さく、かつ、蛇行再生信号が有するとされる最小振幅レベルに近いとされる或る特定のレベルよりも大きいレベルの範囲内における所定レベルでクリップする信号クリップ手段を備えることとした。
【0020】
上記構成のようにして蛇行再生信号をクリップすることで、実際には必ずしも一定でない蛇行再生信号について強制的に一定レベルとすることができ、相対的に大きな信号振幅を得ることができる。つまりは、例えば蛇行再生信号の最小振幅レベル近傍でクリップしてやれば、後段において大きなゲインを与えて増幅させてやることが可能となるものである。
【0021】
また、データを記録するトラックを、或る特定の情報に対応する第1の信号と、この第1の信号よりも大きい振幅レベルを有する第2の信号との重ね合わせ信号によって蛇行させて形成している光学記録媒体から再生された、蛇行に基づいて得られる蛇行再生信号について信号処理を行う信号処理回路として、蛇行再生信号における第1の信号の成分が有するとされる振幅レベルに近いとされる所定レベルでクリップする信号クリップ手段を備えることとした。
【0022】
これにより、第1の信号と大きい振幅レベルを有する第2の信号とから成る蛇行再生信号から第1の信号としての情報を再生するのにあたっては、第1の信号よりも突出した第2の信号の振幅部分を除去することが可能になる。つまり、第2の信号の影響がほぼ排除された、ほとんど第1の信号成分から成る蛇行再生信号を得ることが可能となる。
【0023】
また、データがピットとして記録されるトラックを或る特定の情報について所定のキャリア周波数によりシフトキーイング変調した変調信号により蛇行させて形成している光学記録媒体から再生された、蛇行に基づいて得られる蛇行再生信号について信号処理を行う信号処理回路として、入力された蛇行再生信号の上記ピットによる位相ずれ量が、蛇行再生信号におけるキャリア周波数差の略1/2以下となるように増幅を行う増幅手段と、この増幅手段により増幅された蛇行再生信号が飽和しないとされるレベルで、入力された蛇行再生信号についてクリップする信号クリップ手段とを備えることとした。
【0024】
上記のようにして蛇行再生信号のクリップ及び増幅を行うことで得られる蛇行再生信号としては、蛇行再生信号に重畳したピット信号成分の影響による位相のずれはほぼ無視できる程度にすることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態としての信号処理回路について説明を行うこととする。
以降の説明は次の順序で行う。
1.光ディスクのアドレスフォーマット
2.記録再生装置
2−1.全体構成
2−2.アドレス再生回路
3.アドレス再生回路の信号処理動作
【0026】
1.光ディスクのアドレスフォーマット
本例の光ディスクは、相変化方式でデータの記録を行う光ディスクであり、そのディスクサイズとしては、直径が120mmとされる。また、ディスク厚(サブストレート)0.6mm板の2枚張り合わせディスクとされ、全体としてディスク厚は1.2mmとなる。
【0027】
ディスク上には予めグルーブ(溝)によるトラックが形成され、このグルーブがウォブリング(蛇行)されることにより物理アドレスが表現される。グルーブがアドレスをFM変調(FSK変調)した信号によってウォブリングされることで、グルーブからの再生情報をFM復調することで絶対アドレスが抽出できるようにされている。またディスクはCAV(角速度一定)方式で回転駆動されるものとされ、これに応じてグルーブに含まれる絶対アドレスはCAVデータとなる。
グルーブの深さは記録再生のためのレーザ波長λ/8、グルーブ幅は0.48μm、ウォブリング振幅は12.5nmとされている。
なおレーザ波長λ=650nm(−5/+15nm)、記録再生装置の光学ヘッドの開口率NA=0.6とされる。
【0028】
この光ディスクでは、グルーブ記録方式が採用され(ランドは記録に用いられない)、トラック幅方向にグルーブのセンターから隣接するグルーブのセンターまでがトラックピッチとなる。トラックピッチは0.80μmとされる。
またデータ記録は線密度一定(CLD:Constant Linear Density )とされて記録される。線密度は0.35μm/bit とされる。
但し線密度範囲として或る幅が設定され、実際には非常に多数のゾーニング設定が行われることで、ディスク全体として線密度一定に近い状態とされる。これをゾーンCLD(Zoned Constant Linear Density )と呼ぶ。
直径の120mmのディスクにおけるデータ記録可能なレコーダブルエリアが設定されること、ゾーンCLDとされることで、トラックピッチ0.80μmは、片面(一方の記録層)で3.0Gバイト/の記録容量を実現する値となる。
【0029】
そして本例のディスクにおいては、例えば最内周側と最外周側にエンボスエリアとしてコントロールデータなどの管理情報が読出専用データとして記録されるが、そのエンボスエリア以外は記録再生可能なグルーブエリアとされ、このグルーブエリアでは、ウォブリンググルーブによりトラックが予め形成されており、またそのウォブリンググルーブが絶対アドレスを表現している。従って記録再生装置は、ディスクドライブ時にグルーブのウォブル状況に応じた信号を抽出することで絶対アドレス等の情報を得ることができる。
【0030】
本例の光ディスクのグルーブ構造例としては、図10(a)で説明した例と同様に、プリグループがスパイラル状に内周から外周に向かって予め形成されている。なお、プリグループは、同心円状に形成することも可能である。
【0031】
ディスクの1つのトラック(1周のトラック)は、複数のウォブリングアドレスフレームを有している。
ウォブリングアドレスフレームは、図1に示すようにディスクの回転方向に8分割され、それぞれがサーボセグメント(segment0〜segment7)とされている。
1つのサーボセグメント(以下単にセグメントという)には絶対アドレスを主とする48ビットの情報が含まれ、1セグメントあたりのウォブリングは360波とされている。
各セグメント(segment0〜segment7)としての各ウォブリングアドレスフレームは、48ビットのウォブルデータがFM変調されてウォブルグルーブが形成されていることになる。
【0032】
また、ファインクロックマーク(Fine Clock Mark )がウォブリンググルーブ上に等間隔で形成され、これはデータの記録時の基準クロックをPLL回路で生成するために用いられるが、このファインクロックマークは、ディスク1回転あたり96個形成されており、従って1セグメントあたり12個のファインクロックマークが形成されることになる。
【0033】
各セグメント(segment0〜segment7)としての各ウォブリングアドレスフレームは図3に示した構成となる。
48ビットのウォブリングアドレスフレームにおいて、最初の4ビットは、ウォブリングアドレスフレームのスタートを示す同期信号(Sync)とされる。この4ビットの同期パターンは、8チャンネルビットで4ビットデータを形成するバイフェーズデータとされている。
次の4ビットは、複数の記録層のうちいずれの層であるか、もしくはディスクがどのような層構造であるかを表すレイヤー情報(Layer)とされている。
【0034】
次の20ビットはディスク上の絶対アドレスとしてのトラックアドレス(トラックナンバ)とされる。
さらに次の4ビットはセグメントナンバを表す。セグメントナンバの値はsegment0〜segment7に対応する「0」〜「7」の値であり、つまりこのセグメントナンバはディスクの円周位置を表す値となる。
次の2ビットはリザーブとされ、ウォブリングアドレスフレームの最後の14ビットはエラー訂正符号(CRC)が形成される。
【0035】
また上記のようにウォブリングアドレスフレームにはファインクロックマークが等間隔で形成される。
図2はファインクロックマークの状態を示している。各ウォブリングアドレスフレームに48ビットのデータが記録され、1ビットは図2に示したように、所定の周波教の信号のうちの7波(キャリア)により表されるものとすると、1フレームには、360波が存在することになる。
光ディスク1を毎分1939回転させるものとすると、このキャリアの周波数は93.1KHzとなる。
【0036】
図2に示したように、図3に示したウォブリングアドレスフレームにおいて、ファインクロックマークのために、アドレス情報の4ビット毎に1ビットが割り当てられており、すなわち、4ビットを周期としてそのうちの1ビットにファインクロックマークが重畳される形となる。
4ビット単位での最初の1ビットが、ファインクロックマークが含まれるビットとされ、残りの3ビットは、ファインクロックマークを含まないビットとなる。ファインクロックマークが含まれるビットを図2下部に拡大して示しているが、図示するようにデータビット長の中央位置にファインクロックマークFCKとしての波形が含まれる。
実際のディスク上のグルーブの蛇行形状としては、アドレスデータによるウォブル振幅量は例えば12nm程度とされるが、このファインクロックマークFCKに相当する部分において瞬間的にウォブル振幅が例えば30nm程度に大きくなる。
【0037】
このように1フレーム中には、3ビットおきに12個のファインクロックマークが記録されることになり、従って1回転(1トラック)には、96(=12×8)個のファインクロックマークが記録される。
このファインクロックマーク(記録再生装置においてファインクロックマークから生成されるPLLクロック)は、セグメントナンバよりもさらに細かく、円周位置を示す情報とすることができる。
【0038】
48ビットの各データのキャリアの周波数は、各データに対応した値とされる。トラックナンバ等の各データは、バイフェーズ変調された後、さらに周波数変調され、この周波数変調波でプリグルーブがウォブリングされる。
【0039】
これまでの説明から分かるように、ディスクのウォブルは、ファインクロックマークが重畳されたウォブリングアドレスフレーム(図3参照)について、FM変調(周波数変調)の1つであるFSK変調を施して得られる信号により、グルーブにウォブリングを与えることによって形成される。
つまり、ウォブリングアドレスフレームにおける或るデータ部分のデータ値のシーケンスが、例えば図4(a)に示すように、‘0’,‘1’,‘1’,‘0’,‘1’であるとする。
これをFSK変調することで、図4(b)に示すように例えばビット周期ごとに、周波数f0,f1,f1,f0,f1(f0,f1は互いに異なる所定のキャリア周波数である)のように周波数が変化する信号とされることになる。この場合、その振幅レベルは一定レベルとなる。そして、これが即ち、ウォブルの基本的な振幅形状となる。つまり、一定のウォブル幅とされると共に、周波数f0,f1,f1,f0,f1に対応したウォブルが形成されるものである。
【0040】
そして、実際には、上記図4(b)に示すウォブリングアドレスフレームであるウォブル形状に対してファインクロックマークが重畳されることで、本実施の形態のディスクに記録されるウォブル形状としては、図4(d)に示すものとなる。ファインクロックマークFCKは、ウォブリングアドレスフレームのウォブル形状よりも大きい振幅を有するので、実際のウォブル形状としても、ファインクロックマークFCKの部分は、他のウォブル部分よりも大きな所定のウォブル幅を有するものである。
そして、後述するようにして、ディスクからの読み出し信号(ウォブル信号Wb)からファインクロックマークFCKを検出することで、例えば図4(c)に示すような、ファインクロックマークFCKの挿入タイミングに同期したパルスが得られるのであるが、これがデータの記録時のクロックとして利用されるものである。
【0041】
2.記録再生装置
2−1.全体構成
図5は、上述してきたフォーマットによるディスクに対して、データを記録または再生する光ディスク記録再生装置の構成例を示している。
スピンドルモータ31は、ディスク1を所定の速度で回転させる。即ちCAV回転駆動を実行する。ここで、ディスク1はこれまで説明したフォーマットを有するディスクが含まれるとされる。
光ヘッド32は、ディスク1に対してレーザ光を照射し、ディスク1に対してデータを記録するとともに、その反射光からデータを再生する。
【0042】
記録再生回路33は、図示せぬ装置(例えばホストコンピュータ)から入力される記録データをメモリ34に一旦記録させ、メモリ34に記録単位としての1クラスタ分のデータが記憶されたとき、この1クラスタ分のデータを読み出し、インターリーブ、エラー訂正符号の付加、8−16変調などのエンコードを行って記録データを生成する。そして記録データを光ヘッド32に出力し、ディスク1に対する記録動作を実行させる。
また再生時には、記録再生回路33は、光ヘッド32より得られたデータに対してを8−16復調、エラー訂正処理、でインターリーブなどのデコードを行い、デコードされたデータを図示せぬ装置に出力する。
【0043】
記録時には、アドレス発生読取回路35は、例えばマイクロコンピュータにより形成される制御回路38からの制御に対応して、トラック(プリグループ)内に記録するアドレス(なお、これはウォブリング情報として記録されるアドレスではない)を発生し、記録再生回路33に出力する。
記録再生回路33は、このアドレスを記録データに付加して、光ヘッド32に出力し、アドレスデータとして記録させている。
【0044】
また記録再生回路33は、ディスク1のトラックから再生する再生データ中にアドレスデータが含まれるとき、これを分離し、アドレス発生読取回路35に出力している。アドレス発生読取回路35は、読み取ったアドレスを制御回路38に出力する。
【0045】
さらにアドレス発生読取回路35は、データ中のフレーム同期信号FS(フレームシンク)を検出し、その検出結果を、フレームシンク(FS)カウンタ49に出力する。FSカウンタ49は、アドレス発生読み取り回路35の出力するFS検出パルスをカウントし、そのカウント値を制御回路38に出力する。
【0046】
マーク検出回路36は、光ヘッド32が再生出力するウォブル信号Wb(ウォブリングに基づいて得られる信号)からファインクロックマークに対応する成分を検出している。これは、例えば、ウォブル信号Wbにおけるファインクロックマ−クがゼロクロスするタイミングを検出するようにしている。またファインクロックマークの検出信号としての検出パルスの周期性を判定する。
すなわち、ファインクロックマ−クはー定の周期(4ビット毎)で発生するため、ファインクロックマ−クのゼロクロスエッジ信号が、このー定の周期で発生した検出パルスであるか否かを判定し、ー定の周期で発生した検出パルスであれば、それを正しいファインクロックマーク検出信号として後段のPLL回路41の位相比較器42に出力する。
なお、マーク検出回路36は、一定の周期で検出パルスが入力されてこない場合においては、後段のPLL回路41が誤った位相にロックしないように、所定のタイミングで疑似パルスを発生するようにもされる。
【0047】
アドレス再生回路37は、光ヘッド32の出力するウォブリング信号Wbからアドレス情報Adを再生する。
図3を参照して説明したように、48ビットのウォブリングアドレスフレームには、トラックナンバ(トラックアドレス)、セグメントナンバ(円周位置情報)が記録されているが、これらのデータがアドレス再生回路37によって、アドレス情報Adとして得られ、制御回路38に供給される。
また再生されたアドレス情報Adのうち、トラックアドレスは、クラスタカウンタ46にも供給される。
なお、本実施の形態としてのアドレス再生回路37の内部構成については後述する。
【0048】
PLL回路41は、位相比較器42の他、ローパスフィルタ43、電庄制御発振器(VCO)44、および分周器45とを有している。
位相比較器42は、マーク検出回路36からの入力と、分周器45からの入力との位相を比較し、その位相誤差を出力する。ローパスフィルタ43は、位相比較器42の出力する位相誤差信号の位相を補償し、VCO44に出力する。VCO44は、ローパスフィルタ43の出力に対応する位相のクロックを発生し、分周器45に出力する。分周器45は、VCO44より入力されるクロックを所定の値で分周し、分周した結果を位相比較器42に出力している。
【0049】
またVCO44の出力するクロックは、記録クロックとして所要回路に供給されるとともに、クラスタカウンタ46にも供給される。クラスタカウンタ46は、アドレス再生回路37より供給されるウォブリング信号中のトラックアドレスを基準として、VCO44の出力するクロックの数を計数し、その計数値が予め設定された所定の値(1クラスタの長さに対応する値)に達したとき、クラスタスタートパルスを発生し、制御回路38に出力している。
【0050】
スレッドモータ39は、制御回路38に制御され、光ヘッド32をディスク1の所定のトラック位置に移送するようになされている。また、制御回路38は、スピンドルモータ31を制御し、ディスク1を所定の速度で回転させる。
【0051】
ROM47には、アドレスフレーム中のトラックナンバと、ディスク1のデータ記録領域を区分したゾーンとの対応関係を規定するテーブルと、必要に応じて、ゾーンとそのゾーンが対応するバンドの関係を規定するテーブルが記憶されている。本例のゾーニングフォーマットについては詳述は避けるが、制御回路38は、ゾーニングフォーマットに応じた記録再生動作が実行されるように各部の制御を行う。
【0052】
即ち制御回路38は、アクセスすべき点をセクタ番号で取得したとき、このセクタ番号を、トラックナンバとそのトラックにおけるデータフレーム番号とに置換する処理を行う。このためにROM47には、セクタナンバと、ゾーンナンバ、ECCブロックナンバ、1ゾーン当たりのフレーム数、トラックナンバ、1トラック当たりのフレーム数などとの対応関係を表すテーブルが記億されている。制御回路38は、このテーブルを参照して、指定されたセクタナンバに対応するトラックナンバと、そのトラック内におけるデータフレームの数を読み取る。
【0053】
一方で制御回路38は、アドレス再生回路37にて得られるトラックアドレスに基づき、トラック番号、即ちウォブリング信号から検出される現在のトラックアドレスを検出する。
そして制御回路38は、アドレス再生回路37より所望の(アクセス目的たる)トラック番号が検出されたとき、次に、そのトラックの基準位置を検出する。
ディスク1には、ウォブリング情報としてトラック番号が記録されているとともに、各トラックのアドレスフレームには、4ビット周期でクロック同期マークが記録されているが、制御回路38は、所定のトラックの最初のアドレスフレーム(セグメント番号0のアドレスフレーム)の48のビットのうちの第1ビットに挿入されているファインクロックマークを基準のファインクロックマークとして検出する。
【0054】
さらに制御回路38は、基準となるファインクロックマークが、トラック1周について1個検出されたとき、FSカウンタ49のカウント値をリセットする。FSカウンタ49は、以後、フレーム同期信号が検出されるとこれをカウントする。
FSカウンタ49のカウント値が検索すべきセクタ番号に対応する値となったとき、そのセクタが検索すべきセクタと判別される。
【0055】
そして、制御回路38は、所定のセクタに記録を開始するとき、そのセクタの記録の記録開始位置を、基準となるファインクロックマークのゼロクロスのタイミングから、(0〜2)±4バイトの範囲となるように制御する。
以上のように制御回路38は、例えばフレーム番号0のフレーム(アドレスフレーム)の最初に検出されるクロック同期マークを基準として、記録クロックのカウント値より、トラック上の任意の位置(1回転中の任意の位置)にアクセスさせる制御を行うことが可能となる。
つまりトラックとデータフレーム単位でアクセスできる。
【0056】
このようにして、トラック上の任意の位置にアクセスした場合、さらにそのアクセス点が、どのゾーンに属するか否かを判定し、そのゾーンに対応する周波数のクロックをVCO44に発生させる必要がある。
そのため制御回路38は、読み取ったトラックナンバが、それまでアクセスしていたゾーンと異なる新しいゾーンであるか否かを判定し、新しいゾーンである場合においては、分周器45を制御して、その新しいゾーンに対応する分周比を設定させる。これにより、各ゾーン毎に異なる周波数の記録クロックがVCO44より出力されることになる。
【0057】
2−2.アドレス再生回路
続いて、上記図5におけるアドレス再生回路37の内部構成を図6により説明する。
光ヘッド32から読み出されたウォブル信号Wbは、クリップ/アンプ回路61に対して入力される。このクリップ/アンプ回路61では、後述するようにして、所定のクリップレベルCLによりウォブル信号Wbをクリップしたうえで、増幅を行うようにされる。
【0058】
このクリップ/アンプ回路61の回路構成としては、特に限定されるものではないが、例えば図7に示すようなオペアンプ70と帰還抵抗R2より成る増幅回路に対して、正負の各極性に対応して設けられるダイオードD1,D2を備えてなるクリップ回路を設けて構成すればよい。
この場合、オペアンプ70の非反転入力に対して、端子Tinから抵抗R1を介してウォブル信号Wbが入力される。ダイオードD1は、そのアノードがオペアンプ70の非反転入力と接続され、カソードが抵抗R5を介して正極電源ラインV+と接続されると共に、抵抗R3を介して端子Tout(オペアンプ70の出力)と接続される。ダイオードD2は、そのカソードがオペアンプ70の非反転入力と接続され、アノードが抵抗R6を介して負極電源ラインV−と接続されると共に、抵抗R4を介して端子Tout(オペアンプ70の出力)と接続される。
このような構成により、ウォブル信号Wbは、波形の上下両側において、正極電源ラインV+及び負極電源ラインV−と、クリップ回路を形成する各抵抗により決定されるクリップレベルCLによりその波形がクリップされると共に、帰還抵抗R2により決定される増幅率(ゲイン)により増幅が行われる。
なお、ウォブル信号Wbには前述のようにファインクロックマークFCKが重畳されているが、本実施の形態では、クリップ/アンプ回路61を通過したウォブル信号Wbには、クリップレベルCL以上のファインクロックマークFCKの振幅は除去されるものである。
なお、クリップ/アンプ回路61におけるクリップレベルCL及びゲインの設定については、アドレス再生回路37の信号処理動作として後述する。
【0059】
説明を図6に戻し、上記クリップ/アンプ回路61から出力されたウォブル信号Wbは、例えばアドレス情報をFSK変調した際の周波数f1、f0(図4(b)参照)に対応して設定された通過帯域を有するバンドパスフィルタ62を介して二値化回路63に供給され、ここで二値化が行われる。
二値化されたウォブル信号Wbは、位相比較器64に対して入力される。
【0060】
位相比較器64では、上記二値化されたウォブル信号WbとVCO66の発振周波数信号との位相誤差を比較して得られる信号をローパスフィルタ65に出力する。ローパスフィルタ65では、位相比較器64からの信号から低域成分を抜き出すことで、例えばアナログの電圧信号を出力してVCO66に対する発振制御信号として出力されると共に、デコード回路67に対して出力される。
【0061】
ここで、ローパスフィルタ65は、位相比較器64及びVCO66と共にPLL回路としての閉ループを形成している。従って、VCO66の出力信号は、図4(b)にて説明したFSK変調時のキャリア周波数である周波数f0,f1に相当するクロックとなり、VCO66の入力信号は、ウォブルによって記録されたデータを元とするものである。このような構成により、光ヘッド32から出力されたウォブル信号Wbは、FM復調されたことになる。
【0062】
デコード回路67に入力されるローパスフィルタ65の出力信号は、ウォブル信号Wbが有する周波数f0、f1に応じて異なるレベルとなる。つまり、ウォブリングアドレスフレームのデータが‘0’,‘1’とされるのに応じて異なるレベルとなる信号とされるものである。
デコード回路67では、この信号に基づいてデコード処理を行うことで、図5においても説明したように、アドレス情報Ad(トラックアドレス(トラックナンバ)、円周位置情報(セグメントナンバ))を再生して出力する。
【0063】
3.アドレス再生回路の信号処理動作
続いて、上記図6に示したアドレス再生回路37の信号処理動作として、本実施の形態の特徴となるクリップ/アンプ回路61の動作について説明する。
図8(a)には、ディスクから読み出されたウォブル信号Wbが示されている。なお、このウォブル信号Wbとしては、説明の便宜上、ファインクロックマークFCKが重畳されていない、ウォブリングアドレスフレームの情報のみに対応したウォブル信号Wbが示されている。
【0064】
ディスクに記録されている、ウォブリングアドレスフレームに対応するウォブルは、前述したように一定の振幅を有するものであるが、実際にディスクから読み出されるウォブル信号は、従来例でも述べたように、各主要因によってその振幅が大きく変動する場合がある。図8(a)には、このような振幅の変動が現れているウォブル信号Wbが示されているものである。
【0065】
ここで、本実施の形態においては、クリップ/アンプ回路61におけるクリップレベルCLについて、ウォブル信号Wbの最大振幅レベルよりも小さく、かつ、ウォブル信号Wbの最小振幅レベル近傍のレベルよりも大きいレベルの範囲内における所定レベルを、クリップレベルCLとして設定するものである。
この場合には、例えば図8(a)の破線に示すように、ウォブル信号Wbの最小振幅レベルにほぼ相当するレベルを、クリップレベルCL,CLとして設定している。
【0066】
これにより、クリップ/アンプ回路61においては、例えば図8(a)に示すような振幅変動のあるウォブル信号Wbが入力されたとすれば、破線のクリップレベルCLにてクリップされた波形が得られることになる。これにより、ウォブル信号Wbとしては、最小振幅レベルにほぼ対応する一定の振幅とされることになる。
【0067】
アドレス再生回路37において、アドレス情報Adをできるだけ安定的に再生できるようにするためには、例えば初段(クリップ/アンプ回路61)においてできるだけ大きいゲインで増幅が行われることが好ましい。
【0068】
そこで、本実施の形態では、元のウォブル信号Wbにおける最小振幅レベル(クリップレベルCL)が、増幅回路の飽和レベル以下の範囲内において、できるだけ飽和レベルに近づくようにゲインを設定して増幅を行うようにする。
この場合、増幅されるウォブル信号Wbとしては、図8(a)に示すクリップレベルCLよりも大きい振幅レベルの波形部分(即ちクリップにより除去された元の波形部分)は除去されていることから、例え元のウォブル信号Wbに振幅レベルの変動があったとしても、増幅されたウォブル信号Wbが増幅回路の飽和レベルに達することはないようにされるものである。
つまり、本実施の形態においては、増幅回路の飽和レベルに至らないようにした上で、大きなゲイン設定をしてウォブル信号Wbを増幅することが可能になるものである。
【0069】
また、図8(b)には、ウォブル信号WbにファインクロックマークFCKがある場合が示されている。
前述したように、ウォブル信号Wbからアドレス情報を再生するのにあたっては、振幅の大きいファインクロックマークFCKが残ることは信号の歪みをもたらす場合があり、安定的なアドレス再生に支障を来す可能性がある。
そこで、ウォブル信号WbにファインクロックマークFCKがある場合には、このファインクロックマークFCKの振幅を切り取るようにして、クリップレベルCLを設定するようにされる。
この場合においても、本実施の形態では図8(b)に示すように、ウォブル信号Wbの最小振幅レベルにほぼ相当するレベルをクリップレベルCL,CLとして設定する。つまり、上記図8(a)にて説明した場合と同様のクリップレベルの設定を行うものである。
【0070】
これにより、ウォブル信号Wbからは、その最小振幅レベル以上に突出したファインクロックマークFCKの振幅が除去されることで、例えばアドレス再生回路37における以降の信号処理に際して、ファインクロックマークFCKの影響によりウォブル信号Wbの波形が歪むようなことが防がれるものである。
また、この場合の増幅に関しては、図8(a)にて説明した場合と同様に、元のウォブル信号Wbにおける最小振幅レベルが、増幅回路の飽和レベル以下の範囲内においてできるだけ飽和レベルに近づくように増幅すればよいものである。
【0071】
ここで、上記のようにしてウォブル信号Wbについてクリップを行うことを前提とした上で、クリップ/アンプ回路61におけるウォブル信号Wbの増幅に関しては、次のような側面によっても考えることができる。
【0072】
データが記録済みとされて既にピットが形成されているグルーブ(トラック)からウォブル信号Wbを読み出した場合、このウォブル信号Wbにはピット信号成分が重畳されることがある。このピット信号成分は、一般にはウォブル信号Wbよりも高周波の成分として重畳されるのであるが、このピット信号成分によりウォブル信号Wbの位相誤差を生じ、ウォブル信号Wbの二値化信号について適正な波形が得られなくなる場合が生じるのは、図14にて説明したとおりである。
なお、本明細書においてディスクに形成される「ピット」とは、物理的な凹部等に依る物理ピットに限らず、例えば、相変化方式や光磁気方式等に依る記録動作により形成された相ピットや、磁界ピットなども含まれるものであり、データとしての記録マーク全般をいうものである。
【0073】
そこで、本実施の形態としては、図4にて説明したウォブル信号の周波数f0と周波数f1の周波数差の1/2以内の誤差に対応する範囲内に、ピット信号成分が重畳されたウォブル信号Wbの位相誤差が収まるまでに増幅されるように、ゲインを設定するものである。
このようにゲインを設定することで、二値化回路63により得られる二値化信号の位相誤差も、ウォブル信号の周波数f0と周波数f1の周波数差の1/2以内に対応する範囲内で収まることになるので、以降のアドレス再生動作(ウォブリングアドレスフレームのデータの検出)に際しての安定した動作もほぼ保証されることになる。
【0074】
これについて、図9を参照して説明する。
図9(a)には、波形aと波形bとによる2つのウォブル信号Wbが示されている。
ここで、波形aのウォブル信号Wbは、アドレス再生回路37に入力される段階のウォブル信号Wbとして、本来のウォブル形状に対応する理想的な波形が示されているものである。
これに対して、波形bのウォブル信号Wbは、ピット信号成分が重畳された状態で入力されたウォブル信号Wbを増幅した波形が示されているものである。
【0075】
ここで、波形bのウォブル信号Wbは、上記した根拠に基づいて設定されたゲインにより増幅されていることによって、このウォブル信号Wbに重畳されている高周波のピット信号成分は、本来のウォブル信号成分に対して相対的に小さいレベルとなり、特にピット信号成分によるゼロクロスポイントでの位相誤差は、少なくとも、周波数f0と周波数f1の周波数差の1/2以内に対応する範囲内に収まっているものとされる。
【0076】
そして、図9(a)の波形bに示すウォブル信号Wbを二値化回路63により二値化した場合には次のような動作が得られる。
図9(b)には、図9(a)の波形aのウォブル信号Wbを二値化して得られる二値化信号が示され、図9(c)には、図9(a)の波形bのウォブル信号Wbを二値化した二値化信号が示されている。
これらの図を比較して分かるように、波形bのウォブル信号Wbにおけるピット信号成分の影響によるゼロクロスポイントでの位相誤差が小さくされたことにより、図9(c)に示す二値化信号波形は、理想的とされる図9(b)に示す二値化信号波形により近いものが得られることになる。この結果、二値化回路63以降においても、より確実な信号処理動作が得られ、安定的なアドレス情報の再生が期待されるものである。
【0077】
なお、実際においては、図8にて説明したように、元のウォブル信号Wbにおける最小振幅レベルが、増幅回路の飽和レベルにできるだけ近づくような増幅結果が得られるようにゲインを設定すれば、周波数f0と周波数f1の周波数差の1/2以内の誤差に対応する範囲内にウォブル信号Wbの位相誤差が収まるようにするには充分なゲインが得られるものである。
【0078】
また、本発明としてはウォブルとして記録される情報は、アドレス情報に限定されるものではなく、他の情報が記録されるような場合であっても適用が可能である。また、上記実施の形態ではディスク上のグルーブにウォブルを記録する場合について説明したが、例えば凸部としてのランドがトラックとされて規定され、このランドに対してウォブルを形成するようなフォーマットのディスクにも本発明の適用が可能である。
また、上記説明では、クリップレベルについて、ウォブル信号の最小振幅レベルにほぼ対応するレベルを設定した例について説明したが、これはあくまでも一例であって、安定したアドレス再生動作が行える程度に、増幅回路が飽和しない範囲で増幅が可能なゲインさえ設定されればよく、実際のクリップレベルは任意に変更されて構わないものであり、これに応じて、適切なゲイン設定も行われるようにすればよいものである。
また、本発明としては、上記した実施の形態としての記録再生装置、及びアドレス再生回路の構成に限定されるものではない。
更には、ディスクフォーマットとして説明した各種数値も一例であり、実際には変更が行われて構わないものである。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、トラックにウォブルが施された光学記録媒体を再生して得られるウォブル信号(蛇行再生信号)について、その最大振幅レベルよりも小さく、最小振幅レベル近傍のレベルよりも大きいレベルの範囲内の所定レベルでクリップするようにしている。ここで、例えばウォブル信号のほぼ最小振幅レベルをクリッピングレベルとしてクリップすれば、元のウォブル信号が最小振幅レベルのときに、増幅器の飽和に達しない程度に大きいゲインを与えて増幅を行うことができる。これにより、再生条件等によってウォブル信号の振幅に相当の変動幅があるような場合でも、ウォブル信号が飽和しないようにしたうえで充分に増幅できることになり、例えば以降の機能回路部においては、ウォブルとして記録された、例えばアドレスなどの情報を安定的に再生することが可能となる。
【0080】
また、或る特定の情報信号(第1の信号)に対して、例えばより振幅の大きい同期検出(例;ファインクロックマーク)などのための第2の信号を重畳した信号によりトラックのウォブルが形成されているような場合には、ウォブル信号について、第2の信号成分のピークレベルよりも小さいレベル(例えば第1の信号の最小振幅レベル)でクリップを行うようにすることで、上記第2の信号成分の影響による歪みを排除して、第1の信号成分を安定的に抽出して充分に増幅することが可能となる。つまり、第2の信号成分の存在に関わらず、第1の信号成分としての情報を安定的に再生することが可能となるものである。
【0081】
更には、トラックのウォブルが或る情報(データ)を周波数シフトキーイング変調した変調信号により形成されている場合、入力されたウォブル信号の記録ピットによる位相ずれ量が、変調信号のキャリア周波数差のほぼ1/2以下となるように増幅を行うと共に、増幅されたウォブル信号が飽和しないとされるレベルで、入力されたウォブル信号についてクリップするように構成することで、ピット信号がウォブル信号に漏れ込んで歪みなどの影響が出ているような場合でも、このピット信号の影響を排除することが可能になる。
このように、本発明は光学記録媒体から読み出したウォブル信号としての情報が安定的に再生することができるという効果を有しており、それだけデータの記録又は再生に際しての信頼性が向上されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のディスクのウォブリングアドレスのCAVフォーマットの説明図である。
【図2】実施の形態のディスクのウォブリングアドレスのセグメントの説明図である。
【図3】実施の形態のディスクのウォブリングアドレスのフレーム構造の説明図である。
【図4】実施の形態の、FSK変調により得られるウォブル形状、及びファインクロックマークを含むウォブル形状を示す説明図である。
【図5】実施の形態のディスクが対応する記録再生装置のブロック図である。
【図6】実施の形態のディスクが対応する記録再生装置のアドレス再生回路のブロック図である。
【図7】実施の形態のアドレス再生回路におけるクリップ/アンプ回路の構成例を示す回路図である。
【図8】実施の形態の信号処理動作として、ウォブル信号に対するクリップ動作を示す説明図である。
【図9】実施の形態の信号処理動作として、増幅されたウォブル信号に対する二値化処理結果を示す説明図である。
【図10】ディスクのウォブリングプリグルーブの説明図である。
【図11】従来例としてのアドレス再生回路の構成を示すブロック図である。
【図12】ウォブル形状と、ディスクから読み出したウォブル信号との関係を示す説明図である。
【図13】ファインクロックマークを含むウォブル形状を概念的に示す説明図である。
【図14】従来例としてのウォブル信号に対する二値化処理結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ディスク(光ディスク)、31 スピンドルモータ、32 光ヘッド、
33 記録再生回路、34 メモリ、35 アドレス発生読取回路、36 マーク検出回路、37 アドレス再生回路、38 制御回路、39 スレッドモータ、41 PLL回路、42 位相比較器、43 ローパスフィルタ、44 VCO、45 分周器、46 クラスタカウンタ、47 RAM、61 クリップ/アンプ回路、62 バンドパスフィルタ、63 二値化回路、64 位相比較器、65 ローパスフィルタ、66 VCO、67 デコード回路

Claims (3)

  1. データを記録するトラックを或る特定の情報に対応する信号により蛇行させて形成している光学記録媒体から再生された、上記蛇行に基づいて得られる蛇行再生信号について信号処理を行う信号処理回路として、
    入力された上記蛇行再生信号について、当該蛇行再生信号が有するとされる最大振幅レベルよりも小さく、かつ、当該蛇行再生信号が有するとされる最小振幅レベルに近いとされる或る特定のレベルよりも大きいレベルの範囲内における所定レベルでクリップする信号クリップ手段、
    を備えていることを特徴とする信号処理回路。
  2. データを記録するトラックを、或る特定の情報に対応する第1の信号と、この第1の信号よりも大きい振幅レベルを有する第2の信号との重ね合わせ信号によって蛇行させて形成している光学記録媒体から再生された、上記蛇行に基づいて得られる蛇行再生信号について信号処理を行う信号処理回路として、
    当該蛇行再生信号における上記第1の信号の成分が有するとされる振幅レベルに近いとされる所定レベルでクリップする信号クリップ手段、
    を備えていることを特徴とする信号処理回路。
  3. データがピットとして記録されるトラックを或る特定の情報について所定のキャリア周波数によりシフトキーイング変調した変調信号により蛇行させて形成している光学記録媒体から再生された、上記蛇行に基づいて得られる蛇行再生信号について信号処理を行う信号処理回路として、
    入力された蛇行再生信号の上記ピットによる位相ずれ量が、上記蛇行再生信号におけるキャリア周波数差の略1/2以下となるように増幅を行う増幅手段と、
    上記増幅手段により増幅された蛇行再生信号が飽和しないとされるレベルで、入力された蛇行再生信号についてクリップする信号クリップ手段と、
    を備えていることを特徴とする信号処理回路。
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