JP3905735B2 - 血栓防止処置用注射器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、輸液を一定時間休止するとき、あるいは間欠的に採血するときに留置する注入(採血)針内に血栓が発生しないようにする手段、例えば血栓防止処置用注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸液を長時間連続的に実施していると、患者の身動きを拘束して苦痛を与えることになり、これを和らげるために一時的に輸液を中断することがある。また、検診の一つとして間欠的に採血するようなことがある。
【0003】
このように一時的に輸液を中断したり、間欠的に採血するときには、留置する注入(採血)針内に血栓ができないように、上記針内に生理食塩水で希釈したヘパリン溶液、または生理食塩水を満たしておく医療技術がある。
【0004】
この血栓防止処置をさらに詳しく説明すると、輸液を一時的に中断するときは輸液注入針(採血針)に繋がっているカテーテルを針から外し、生理食塩水1mlあたりヘパリン1〜1000単位の溶液5〜10mlを注射器で注入(フラッシュ)して針内に残留している血液を追い出してヘパリン溶液で満たし、針から注射器を取外して栓を施すか、活性三方弁によりヘパリン溶液を満たした状態を維持するようにしている。
【0005】
なお、採血間隔が短いとき、あるいは輸液中断時間が短いときは生理食塩水だけで血栓防止処置とすることもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記血栓防止処置において、針から注射器を取り外す際は、陽圧状態を維持しながら外さねばならない。その理由は、血圧より低い圧力になると血液が針内に逆流して血栓の原因になるからである。
【0007】
上記のように陽圧の状態を維持しながら注射器を針から取り外す作業は、熟練を要するとともに、人命に係わることなので施術者に緊張と精神的負担を強いることになる。
【0008】
上記の状況からこの発明は、施術者に緊張と精神的な負担を掛けず、また熟練を要せずに血栓防止処置を実施できる注射器を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明は、前端に排出筒を設けたシリンダーとプランジャーとからなる注射器であって、上記プランジャーのシリンダーへの押し込み抵抗を、押し込みストローク終端前に大きくする手段を付加したものであり、上記押し込み抵抗を大きくする手段が、(1)シリンダーの奥部内面に膨出部を形成したもの、(2)プランジャーの後端に膨出部を形成したもの、(3)シリンダーの後端に形成したフランジとプランジャーの後端に形成したフランジとの間にコルゲートチューブ、中空管体、環状弾性体、またはスプリングを介在させたものである。なお、上記膨出部により押し込み抵抗が大きくなり始めるのは、シリンダー内の薬液の残量が0.2〜1mlの範囲とする。また、必要ならば上記注射器(シリンダー内)に予め薬液を5〜10ml充填しておくこともできる。
【0010】
上記の如く構成するこの発明によれば、プランジャーの押し込み抵抗が大きくなった時点でプランジャーを押しながら排出筒から針を抜くようにすれば陽圧状態を保ちながら針を抜き取ることができる。従って、血液が逆流せず針の内部で血栓が生ずる恐れがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の実施形態について説明する。前端に排出筒11a を設けたシリンダー11にプランジャー13を摺動可能に装入した注射器10であって、上記プランジャー13が押し込みストローク終端前になると押し込み抵抗が大きくなる手段を付加したものである。
【0012】
【実施例】
図1(a)は第一実施例で、シリンダー11の奥部内面に膨出部16を形成したものである。なお、膨出部16はシリンダーの内周面円軌道上に形成した突起を含む。また、膨出部はプランジャーの押し込みにおいて、押し込み抵抗が手に感じる程度とする必要がある。
【0013】
このような膨出部16を設けることにより、シリンダー11内に薬液(生理食塩水1mlあたりヘパリン1〜1000単位の溶液または生理食塩水)が0.2から1ml残っている段階で押し込み抵抗が大きくなり、その時点から排出筒から針を抜き取るようにすれば陽圧状態を維持して針を外すことができる。
【0014】
図1(b)は第二実施例で、プランジャー13の後端手前(シリンダー11内の上記薬液が0.2〜1ml残る位置)に膨出部16を形成したものである。なお、この実施例ではプランジャー13のロッド14部分が断面十字状になっているので、断面十字状ロッド13の外側に膨出部16を形成したが、筒状ロッドのときは膨出部とすることもできる。
【0015】
このようにプランジャー13に突起または膨出部16を設けることにより、該突起または膨出部16がシリンダー11内に入ることにより、押し込み抵抗が大きくなるので、その時点で第一実施例と同じような操作をすれば、陽圧を維持しながら針を外すことができる。
【0016】
図1(c)は第三実施例で、第二実施例の変形で、プランジャー13のロッド14が細い場合に適用され、シリンダー11の後端のフランジ15は求心方向にも延びていている。一方プランジャー13のロッド14の後端の手前(シリンダー11内の上記薬液が0.2〜1ml残る位置)から外径が僅かに大きく(軸方向の膨出部16)なって、シリンダー11内の薬液が少なくなると押し込み抵抗が大きくなるようになっている。
【0017】
図1(d)は第四実施例で、シリンダー11の後端に形成したフランジ12とプランジャー13の後端に形成したフランジ15との間にゴム・プラスチック製のコルゲートハイプ17を介在させたものである。上記コルゲートハイプ17に替えてスポンジの筒形弾性体、円筒中空管、スプリングを介在させることもできる。
【0018】
上記のような構造とすることによりシリンダー内の薬液が少なくなった時点でコルゲートチューブ、環状弾性体、またはスプリングを押さえることになって、シリンダーの押し込み抵抗が大きくなるので、第一実施例と同様の操作をすればよい。
【0019】
なお、上記各実施例の注射器には、予め上記薬液を5〜10ml充填しておき、滅菌状態で包装しておくならば作業を簡略化できる。
【0020】
図2は、三方活栓を用いた場合の輸液、血栓防止処理、輸液中断の各工程を表し、(a)は輸液中、(b)は血栓防止処理(ヘパリンフラッシュ)中、(c)は輸液中断中を示し、上流側のカテーテルは輸液タンクに繋がり、下流側のカテーテルは輸液針に繋がっている。この場合、三方活栓からカテーテルが延びているので血栓防止用薬液は多く必要となる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、シリンダーに摺動可能に装入されたプランジャーが押し込みストロークの手前になると、押し込み抵抗が大きくなりその時点から排出筒から針を外す操作を開始すれば、陽圧を維持しながら針を外すことができ、熟練を要せず血栓防止処置を施すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)第一実施例の横断面図
(b)第二実施例の横断面図
(c)第三実施例の横断面図
(d)第四実施例の横断面図
【図2】三方活栓の(a)輸液中、(b)ヘパリン希釈液フラッシュ中、(c)輸液中断状態を示す。
【符号の説明】
10 注射器
11 シリンダー
12 フランジ(シリンダーの)
13 プランジャー
14 ロッド(プランジャーの)
15 フランジ(プランジャーの)
16 膨出部
17 コルゲートチューブ
18 排出筒
20 三方活栓
21 栓
22 カテーテル
Claims (5)
- 前端に排出筒(18)を設けたシリンダー(11)とプランジャー(13)とからなる注射器(10)であって、上記プランジャー(13)のシリンダー(11)への押し込み抵抗を、押し込みストローク終端前に大きくする手段を付加し、その押し込み抵抗を大きくする手段が、シリンダー(11)の後端に形成したフランジ(12)とプランジャー(13)の後端に形成したフランジ(15)との間にコルゲートチューブ、中空管体、弾性体、またはスプリングのいずれかを介在させたものであることを特徴とする血栓防止処置用注射器。
- 前端に排出筒(18)を設けたシリンダー(11)とプランジャー(13)とからなる注射器(10)であって、上記プランジャー(13)のシリンダー(11)への押し込み抵抗を、押し込みストローク終端前に大きくする手段を付加し、前記シリンダー(11)内に、予めヘパリンの生理食塩水溶液または生理食塩水を5〜10ml充填したことを特徴とする血栓防止処置用注射器。
- 上記押し込み抵抗を大きくする手段が、シリンダー(11)の奥部内面に膨出部(16)を形成したことを特徴とする請求項2に記載の血栓防止処置用注射器。
- 上記押し込み抵抗を大きくする手段が、プランジャー(13)の後端に膨出部(16)を形成したことを特徴とする請求項2に記載の血栓防止処置用注射器。
- シリンダー(11)内部の薬液の残量が0.2〜1mlになったとき押し込み抵抗が大きくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の血栓防止処置用注射器。
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