JP3905535B2 - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関における燃焼により生じるイオン量の変化を検出することにより、少なくとも内燃機関の失火又はノッキングの発生を検知する内燃機関の燃焼状態検出装置に関するものである。
内燃機関のシリンダー内で燃料を燃焼させるとイオンが発生することが一般に知られている。そこで、シリンダー内に高電圧を印加したプローブを設置すると、このイオンをイオン電流として観測することができる。
また、内燃機関でノックが発生すると、このイオン電流にノックの振動成分が重畳するため、この振動成分を抽出することでノックの発生を検出することができる。
従来のノック検出装置について図面を参照しながら説明する。図9は、例えば特開2001-140740号公報に示された、イオン電流を用いた従来の内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す図である。また、図10は、従来の内燃機関の燃焼状態検出装置のイオン電流検出装置の詳細構成を示す図である。さらに、図11は、従来のノック検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
図9において、まず、点火プラグ1をイオン電流の検出プローブとしている。そして、イグニションコイル2の2次電圧を利用してイオン電流を検出するための高電圧(バイアス電圧)をバイアス手段3にチャージしている。点火のための放電が終了すると、放電期間中にバイアス手段3にチャージされたバイアス電圧が点火プラグ1端に印加され、イオン電流が検出される。なお、4はイオン電流検出装置、5はECUである。
図10において、バイアス手段3によって印加される高電圧によってイオン電流が入力されると、イオン電流3sはイオン電流検出装置4の電流分配器6によって、ノック振動成分を抽出するバンドパスフィルタ(BPF)7と、燃焼判定用比較部8に分配される。この比較部8は、所定の燃焼パルスしきい値8aよりも大きい場合には燃焼ありと判定し、ECU5にパルスを出力する。このパルスによって燃焼/失火が判定可能である。このパルスを以降、燃焼パルス8sと呼ぶ。
ノックの振動成分はBPF7で抽出された後、アンプ9で増幅される。その振動成分がノック判定用比較部10で所定のノック検出しきい値10aよりも大きい場合にはノックありと判定され、出力部11はECU5にノックパルス11sを出力する。
また、特開2001-73862号公報では、イオン電流に重畳している振動成分を積分(充電)する積分回路と、積分(充電)された電荷から所定電荷量の放電を行う放電回路を有し、上記積分回路と上記放電回路の放電バランスによりノック検出しきい値を自律的に調整するノック検出装置が提案されている。
さらに、特開平10−77944号公報では、次のようなノック検出装置が記載されている。図12は、特開平10−77944号公報に示された別の従来のノック検出装置の構成を示す図である。
内燃機関にノックが発生した場合には、イオン電流がピークに到達した後の減少時期に特定の周波数のノック信号が重畳する。従って、イオン電流によってノックを検出するためには、この特定周波数のノック信号だけを検出し他の信号(例えばLC共振波形)は除去することが好ましい。従って、余分な信号のなくなる時刻以降の時刻で開となり、イオン電流減少後の適当な時刻(例えば、ATDC60°)で閉となるノッキングウインドを設け、ノッキングウインドが開となっている期間のイオン電流検出部の出力に基づきノックを検出することが好ましい。
このイオン電流検出部の出力信号を、バンドパスフィルタを使用してノック信号を分離し、この分離されたノック信号を積分し、この積分値に基づいてノックを検出する「イオン電流によるノッキング検出方法」が既に提案されている(特開平6−159129号公報参照)。
図12において、イオン電流検出部19の出力は、LC共振マスク部20によりLC共振波形が除去され、バンドパスフィルタ部21、ピークホールド(あるいは積分)部22を介して処理部23に取り込まれる。なお、ピークホールド部22の動作は、点火後の内燃機関の回転数及び負荷に応じて所定時間後に開となり、開後クランク角度に換算して約50℃Aに相当する閉鎖時間後に閉となるウインドによって制御される。そして、イオン濃度の瞬間的な変化と推測されるノイズの積分値はステップ状に増加しノック信号の積分値は連続的に増加することを利用して、ノイズ成分を除去している。なお、放電終了後のLC共振の影響を除去するために、イオン電流検出部19とバンドパスフィルタ部21との間にLC共振マスク部20を設けることも公知である。
特開2001-140740号公報 特開2001-73862号公報 特開平10−77944号公報
上述したような、特開2001-140740号公報に示された、従来のノック検出装置では、他気筒点火コイル又は次気筒点火コイルへの通電開始時に、他気筒点火コイル又は次気筒点火コイルの通電開始による電磁誘導により、図11(c)に示すように、イオン電流検出中の点火コイルにあたかも燃焼したかのような偽のイオン電流又はノックが発生したかのような偽のイオン電流3saが発生する。そして、ノック成分信号9sは、図11(e)に示すように、偽のイオン電流3saによってノック成分信号9saが発生してしまう。この時のノックパルス11sは、図11(f)に示すように、誤ノックパルス11saを発生してしまう。また、燃焼パルス8sは、図11(d)に示すように、誤パルス8saを発生してしまう。このため、間違った燃焼判定もしくは間違ったノック判定をしてしまうという問題点があった。
また、ノック検出しきい値を、積分回路と放電回路の放電バランスにより自律的に調整する方法においては、ノックが発生していないにも関わらず偽のイオン電流により発生したノック成分信号を充電してしまい、ノックを検出するためのしきい値が上昇し、検出漏れが起こるという問題点があった。
さらに、イオン電流検出部19の出力信号から、バンドパスフィルタ部21を使用してノック信号を分離し、この分離されたノック信号を積分(ピークホールド)し、この積分(ピークホールド)値に基づいてノックを検出するという方法においては、偽のイオン電流により発生したノック成分信号をバンドパスフィルタ部21で排除することはできないため、この偽のイオン電流により発生したノック成分信号とノックとを確実に分離することができず、ノックが発生しているとする誤検出が生じる恐れがあるという問題点があった。
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、間違った燃焼判定、間違ったノック判定を防止することができ、検出精度を著しく向上することができる内燃機関の燃焼状態検出装置を得ることを目的とする。
この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、点火信号に基づいて点火用高電圧を発生する点火コイルと、前記点火コイルの点火用高電圧が印加されると点火火花を生じ混合気を着火する点火プラグと、内燃機関の燃焼室内において点火直後に発生するイオン電流を検出し、この検出したイオン電流からノック振動成分を抽出し、このノック振動成分がノック検出しきい値よりも大きい場合にはノックパルスを出力し、他気筒の点火コイルの通電開始による電磁誘導によりイオン電流検出中の点火コイルに発生する偽のイオン電流が発生している間、前記イオン電流の検出を制限するイオン電流検出装置とを備え、前記イオン電流検出装置は、前記イオン電流を分配する電流分配器と、前記点火信号に基づき他気筒の点火コイルが通電開始かどうかを判定する点火信号判定手段と、前記電流分配器の前段に設けられ、他気筒の点火コイルの通電開始後、所定期間、前記電流分配器への前記イオン電流の出力を制限するイオン電流制限手段とを有するとともに、前記電流分配器の出力からノック振動成分を抽出し、このノック振動成分がノック検出しきい値よりも大きい場合にはノックパルスを出力し、前記電流分配器の出力が燃焼パルスしきい値よりも大きい場合には燃焼パルスを出力するものである。
また、この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、点火信号に基づいて点火用高電圧を発生する点火コイルと、前記点火コイルの点火用高電圧が印加されると点火火花を生じ混合気を着火する点火プラグと、内燃機関の燃焼室内において点火直後に発生するイオン電流を検出し、この検出したイオン電流からノック振動成分を抽出し、このノック振動成分がノック検出しきい値よりも大きい場合にはノックパルスを出力し、他気筒の点火コイルの通電開始による電磁誘導によりイオン電流検出中の点火コイルに発生する偽のイオン電流が発生している間、前記ノック振動成分の検出を制限するイオン電流検出装置とを備え、前記イオン電流検出装置は、前記イオン電流を分配する電流分配器と、前記電流分配器の出力から抽出されたノック振動成分がノック検出しきい値よりも大きい場合にはノックパルスを出力するノック判定手段と、前記点火信号に基づき他気筒の点火コイルが通電開始かどうかを判定する点火信号判定手段と、前記電流分配器及び前記ノック判定手段の間に挿入され、他気筒の点火コイルの通電開始後、所定期間、前記ノック判定手段への前記ノック振動成分の出力を制限するノック検出制限手段とを有するとともに、前記電流分配器の出力が燃焼パルスしきい値よりも大きい場合には燃焼パルスを出力するものである。
この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、間違った燃焼判定、間違ったノック判定を防止することができ、検出精度を著しく向上することができるという効果を奏する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るイオン電流検出装置の構成を示す図である。なお、イオン電流検出装置以外は、従来例と同様で、以下に説明する他の実施の形態も同様である。また、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、16はイオン電流制限手段、16aはタイマ手段、12〜15は点火信号判定手段、6は電流分配器、7はBPF、8は燃焼判定用比較部、8aは燃焼パルスしきい値、9はアンプ、17はノック判定手段、11は出力部である。なお、ノック判定手段17は、図10に示す、ノック成分信号の振動成分が所定のノック検出しきい値10aよりも大きい場合にノックありと判定するノック判定用比較部10と同じである。また、燃焼判定用比較部8及び燃焼パルスしきい値8aは、燃焼判定手段を構成する。
つぎに、この実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図2は、この発明の実施の形態1に係るイオン電流検出装置の動作を示すタイミングチャートである。また、図3は、この発明の実施の形態1に係るイオン電流検出装置の動作を示すフローチャートである。
ここでは、1気筒のイオン電流検出について説明するが、他気筒(2気筒〜4気筒)の場合も同様とする。
他気筒点火コイル(2気筒〜4気筒)への通電開始時に発生する電磁誘導により、図2(c)に示すように、偽のイオン電流3saが発生する。そして、ノック成分信号9sは、図2(e)に示すように、偽のイオン電流3saによってノック成分信号9saが発生してしまう。この時のノックパルス11sは、図2(f)に示すように、誤ノックパルス11saを発生してしまう。また、燃焼パルス8sは、図2(d)に示すように、誤パルス8saを発生してしまう。
そこで、イオン電流制限手段16により、イオン電流を制限することにより、図2(g)に示すようなイオン電流となり、燃焼パルスが図2(h)に示すようなパルスになり、偽のイオン電流が検出されない。
そして、ノック成分信号は、図2(i)に示すようになる。また、同様に、イオン電流を制限することにより、ノックパルスが、図2(j)に示すように、正規のノックパルスのみとなる。即ち、イオン電流制限手段16が燃焼状態の検出である燃焼パルス8s、及びノックパルス11sを制限する。
以下、これらの詳細について図3のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ101において、イオン電流制限手段16により、イオン電流の検出を行う。イオン電流がなければ、再度イオン電流の検出を行う。イオン電流が有る場合には、ステップ102へ進む。
次に、ステップ102〜104において、点火信号判定手段13〜15により点火コイル2〜4の通電開始かどうかの判定をする。点火コイル2〜4の通電開始ではない場合は、ステップ105へ進む。一方、点火コイル2〜4の通電開始である場合には、ステップ106へ進む。
次に、ステップ105において、イオン電流制限手段16によりイオン電流を電流分配器6へ出力し、この電流分配器6によりBPF7と燃焼判定用比較部8へ出力される。
一方、ステップ106において、イオン電流制限手段16内のタイマ手段16aにより他気筒の通電開始後の所定期間内であるかどうかを判定する。
所定期間内でない場合、つまり所定期間が過ぎた場合は、ステップ105でイオン電流制限手段16により電流分配器6へイオン電流を出力する。所定期間内である場合には、イオン電流制限手段16内のタイマ手段16aにより、他気筒の通電開始後、所定期間に達するまで待機する。この待機は、電流分配器6へのイオン電流の供給を遮断することになる。
イオン電流の検出を制限し、電流分配器6へイオン電流を供給しないため、図2(g)に示すように、偽のイオン電流が発生しなくなり、図2(h)に示すように、正規の燃焼パルスのみとなる。
また、所定期間、電流分配器6へイオン電流を供給しないために、図2(g)に示すように、偽のイオン電流が発生しなくなり、図2(j)に示すように、正規のノックパルスのみとなる。
さらに、イオン電流制限手段16により、イオン電流をデジタルデータに変換し、デジタル的に他気筒の点火コイルの通電開始時のデータと、他気筒の点火コイルの通電開始から所定期間後のデータをつなぐという方法をとっても良い。後段の適当な場所、例えば電流分配器6等で、アナログ信号に再変換すればよい。
上述したように、他気筒の点火コイルへの通電開始時に他気筒の点火コイルの通電開始による電磁誘導により、イオン電流検出中の点火コイルにあたかも燃焼したかのような偽のイオン電流又はノックが発生したかのような偽のイオン電流が発生するが、本実施の形態1により、イオン電流の出力とノック成分信号の出力を制限し、偽のイオン電流の出力と偽のノック成分信号の出力を防ぐため、間違った燃焼判定、もしくは間違ったノック判定をしてしまうということがなく、検出精度が著しく向上する。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る内燃機関の燃焼状態検出装置について図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係るイオン電流検出装置の構成を示す図である。
図4において、12〜15は点火信号判定手段、6は電流分配器、7はBPF、8は燃焼判定用比較部、8aは燃焼パルスしきい値、9はアンプ、18はノック検出制限手段、18aはタイマ手段、17はノック判定手段、11は出力部である。なお、ノック判定手段17は、図10に示す、ノック成分信号の振動成分が所定のノック検出しきい値10aよりも大きい場合にノックありと判定するノック判定用比較部10と同じである。また、燃焼判定用比較部8及び燃焼パルスしきい値8aは、燃焼判定手段を構成する。
つぎに、この実施の形態2に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図5は、この発明の実施の形態2に係るイオン電流検出装置の動作を示すタイミングチャートである。また、図6は、この発明の実施の形態2に係るイオン電流検出装置の動作を示すフローチャートである。
他気筒の点火コイルに通電が開始されると電磁誘導により、図5(c)に示すように、偽のイオン電流3saが発生する。そして、電流分配器6によって分配されたイオン電流は、BPF7により抽出され、アンプ9で増幅されたノック成分信号9sは、図5(d)に示すように、偽のイオン電流3saによってノック成分信号9saが発生してしまう。このノック成分信号9saを、図5(e)に示すように、ノック検出に用いてしまうと誤ノックパルス11saを発生してしまう。
そこで、ノック検出制限手段18により、ノック成分信号の検出を制限することによりノック成分信号が図5(f)に示すようになり、図5(e)に示すような誤ノックパルス11saを発生しなくなり、図5(g)のように正規のノックパルスのみとなる。
これらの詳細について図6のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ201において、ノック検出制限手段18により、イオン電流が入力されるとノック成分信号の有無が判定される。パルスなしと判定されれば再度パルスの有無を判定する。ノック成分信号が有る場合には、ステップ202へ進む。
次に、ステップ202〜204において、点火信号判定手段13〜15により、他気筒の点火コイル2〜4の通電開始かどうかを判定する。他気筒の点火コイルの通電開始ではない場合は、ステップ205へ進む。他気筒の点火コイルの通電開始である場合には、ステップ206へ進む。
次に、ステップ205において、ノック検出制限手段18により、ノック成分信号がノック判定手段17へ出力される。
一方、ステップ206において、ノック検出制限手段18により、他気筒の通電開始後の所定期間内であるかどうかを判定する。この所定期間は、図5(d)に示す、偽のイオン電流によって発生したノック成分信号9saを実測したものである。
所定期間内でない場合、つまり所定期間が過ぎた場合は、ステップ205でノック検出制限手段18により、ノック成分信号がノック判定手段17へ出力される。所定期間内である場合には、ノック検出制限手段18により、他気筒の通電開始後、最初のパルスに相当する間ノック成分信号の検出を制限する。
所定期間、ノック検出制限手段18により、ノック判定手段17へノック成分信号を供給しないため、ノック判定されず、図5(f)に示すように、偽のノック成分信号が発生されないため、図5(g)のように正規のノックパルスのみとなる。
ここでは、所定期間はこのようにしたが、ノイズ振動が1波で終わらないような時は振動の終了までとすることが望ましい。
また、上記実施の形態1と同様に、ノック検出制限手段18は、ノック検出制限手段18内のタイマ手段18aにより点火コイルの通電開始から所定時間ノック成分信号の検出を制限するという方法をとっても同様の効果を得ることができる。
上述したように、他気筒の点火コイルへの通電開始時に他気筒の点火コイルの通電開始による電磁誘導により、イオン電流検出中の点火コイルにあたかも燃焼したかのような偽のイオン電流又はノックが発生したかのような偽のイオン電流が発生するが、本実施の形態2により、ノック成分信号の出力を制限し、偽のノック成分信号の出力を防ぐため、間違ったノック判定をしてしまうということがなく、検出精度が著しく向上する。
実施の形態3.
上記実施の形態1及び2においては、他気筒の点火コイルの通電開始について説明したが、次気筒の点火コイルの通電開始時に限定してもよい。
上述したように、次気筒の点火コイルへの通電開始時に次気筒の点火コイルの通電開始による電磁誘導により、イオン電流検出中の点火コイルにあたかも燃焼したかのような偽のイオン電流又はノックが発生したかのような偽のイオン電流が発生するが、本実施の形態3により、イオン電流の出力とノック成分信号の出力を制限し、偽のイオン電流の出力と偽のノック成分信号の出力を防ぐため、間違った燃焼判定、もしくは間違ったノック判定をしてしまうということがなく、検出精度が著しく向上する。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る内燃機関の燃焼状態検出装置について図面を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態4に係るイオン電流検出装置の構成を示す図である。
図7において、6は電流分配器、7はBPF、8は燃焼判定用比較部、8aは燃焼パルスしきい値、9はアンプ、10はノック判定用比較部、11は出力部である。また、12〜15は点火信号判定手段、16はタイマ手段16aを有するイオン電流制限手段、18はタイマ手段18aを有するノック検出制限手段である。なお、燃焼判定用比較部8及び燃焼パルスしきい値8aは、燃焼判定手段を構成する。
つぎに、この実施の形態4に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図8は、この発明の実施の形態4に係るイオン電流検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
他気筒の点火コイルに通電が開始されると電磁誘導により、図8(c)に示すように、偽のイオン電流3saが発生する。そして、電流分配器6によって分配されたイオン電流はBPF7により抽出され、アンプ9で増幅されたノック成分信号は、図8(d)に示すように、偽のイオン電流3saによってノック成分信号9saが発生してしまう。このノック成分信号で充放電のバランスにより決定されるしきい値Th1Aは、充電を行い図8(d)に示すように上昇(Th1aA)する。それに伴い、しきい値Th1Aの関数により決定されるノック検出用しきい値Th2Bも、図8(d)に示すように上昇(Th2aB)する。
この時のノックパルス11sは、図8(e)に示されるようになる。偽のノック成分信号9saにより、しきい値Th1A及びしきい値Th2Bが上昇した結果、これ以降に図8(f)のようなノック成分信号が発生したとすると、しきい値Th1A、及びしきい値Th2Bが図8(f)のようになり、ノック成分信号が検出されずノックパルス11sは、図8(g)のようになる。つまり、本来であれば検出されるべきノックが検出されない恐れがでてくる。
そこで、上記の実施の形態1、あるいは実施の形態2のようにして、イオン電流制限手段16、又はノック検出制限手段18により、偽のイオン電流3sa、又は偽のノック成分信号9saを検出しないことにより、ノック成分信号が図8(h)のようになり、しきい値Th1Aが偽のノック成分信号9saにより充電され上昇することがなくなり、しきい値Th2Bも図8(h)に示すようになる。このときのノックパルスは、図8(i)に示されるようになる。
偽のノック成分信号9saにより、しきい値Th1A及びしきい値Th2Bが上昇しなかった結果、これ以降に図8(j)のようなノック成分信号が発生したとしても、しきい値Th1A、及びしきい値Th2Bが図8(j)のようになりノック成分信号が検出される。この時のノックパルスは、図8(k)に示されるようになる。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置のイオン電流検出装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るイオン電流検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1に係るイオン電流検出装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る内燃機関の燃焼状態検出装置のイオン電流検出装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係るイオン電流検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係るイオン電流出装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係る内燃機関の燃焼状態検出装置のイオン電流検出装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4に係るイオン電流検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 従来の内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す図である。 従来の内燃機関の燃焼状態検出装置のイオン電流検出装置の構成を示す図である。 従来のイオン電流検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 別の従来のイオン電流検出装置の構成を示す図である。
符号の説明
6 電流分配器、7 BPF、8 燃焼判定用比較部、8a 燃焼パルスしきい値、9 アンプ、11 出力部、12、13、14、15 点火信号判定手段、16 イオン電流制限手段、16a タイマ手段、17 ノック判定手段、18 ノック検出制限手段、18a タイマ手段。

Claims (2)

  1. 点火信号に基づいて点火用高電圧を発生する点火コイルと、
    前記点火コイルの点火用高電圧が印加されると点火火花を生じ混合気を着火する点火プラグと、
    内燃機関の燃焼室内において点火直後に発生するイオン電流を検出し、この検出したイオン電流からノック振動成分を抽出し、このノック振動成分がノック検出しきい値よりも大きい場合にはノックパルスを出力し、他気筒の点火コイルの通電開始による電磁誘導によりイオン電流検出中の点火コイルに発生する偽のイオン電流が発生している間、前記イオン電流の検出を制限するイオン電流検出装置とを備え
    前記イオン電流検出装置は、
    前記イオン電流を分配する電流分配器と、
    前記点火信号に基づき他気筒の点火コイルが通電開始かどうかを判定する点火信号判定手段と、
    前記電流分配器の前段に設けられ、他気筒の点火コイルの通電開始後、所定期間、前記電流分配器への前記イオン電流の出力を制限するイオン電流制限手段とを有するとともに、
    前記電流分配器の出力からノック振動成分を抽出し、このノック振動成分がノック検出しきい値よりも大きい場合にはノックパルスを出力し、前記電流分配器の出力が燃焼パルスしきい値よりも大きい場合には燃焼パルスを出力する
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
  2. 点火信号に基づいて点火用高電圧を発生する点火コイルと、
    前記点火コイルの点火用高電圧が印加されると点火火花を生じ混合気を着火する点火プラグと、
    内燃機関の燃焼室内において点火直後に発生するイオン電流を検出し、この検出したイオン電流からノック振動成分を抽出し、このノック振動成分がノック検出しきい値よりも大きい場合にはノックパルスを出力し、他気筒の点火コイルの通電開始による電磁誘導によりイオン電流検出中の点火コイルに発生する偽のイオン電流が発生している間、前記ノック振動成分の検出を制限するイオン電流検出装置とを備え
    前記イオン電流検出装置は、
    前記イオン電流を分配する電流分配器と、
    前記電流分配器の出力から抽出されたノック振動成分がノック検出しきい値よりも大きい場合にはノックパルスを出力するノック判定手段と、
    前記点火信号に基づき他気筒の点火コイルが通電開始かどうかを判定する点火信号判定手段と、
    前記電流分配器及び前記ノック判定手段の間に挿入され、他気筒の点火コイルの通電開始後、所定期間、前記ノック判定手段への前記ノック振動成分の出力を制限するノック検出制限手段とを有するとともに、
    前記電流分配器の出力が燃焼パルスしきい値よりも大きい場合には燃焼パルスを出力する
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
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