JP3905403B2 - 車椅子固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車内に乗車した車椅子を固定するための車椅子固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の車椅子固定装置の従来例としては、例えば、特開平11−47193号公報の装置が挙げられる。この車椅子固定装置は、図12に示すように、車内のフロア101に設けたケース102と、そのケース内に収容される巻き取り機構103と、その巻取り機構に手動式で引き出し自在に巻き取られている支持ワイヤー104と、その支持ワイヤーの先端に装着されているフック105と、車椅子にフック105を掛止した後に巻き取り機構103でさらに支持ワイヤーを巻き取らせてロックするロック機構106等から構成されている。
【0003】
前記巻き取り機構103は、図13に示すように、ケース102内に回転自在に設けられる回転軸107と、その回転軸に固定される巻き取りドラム108と、回転軸107を巻き取り方向に付勢する渦巻き状のバネ部材109とを備えている。前記ロック機構106は、巻き取りドラム108と一体に回転する歯車110と、その歯車と隣接して、歯車と噛み合う位置と噛み合わない位置との間で軸方向に移動自在に設けられるラック111とを備えている。そのラック111は、図12の軸112およびトグルリンク機構113を介して前後に操作するための操作ハンドル114によって駆動されるように構成している。なお図12の符号115は車椅子の引き上げ装置であり、前述の巻き取り機構103と同様の巻き取り機構116、支持ワイヤー117およびフック118などから構成されている。
【0004】
この車椅子固定装置100では、車椅子をフロア101上に固定する場合、支持ワイヤー104をバネ部材109の付勢力に抗して引き出し、そのフック105を車椅子に引っかけ、ロック機構106の操作ハンドル112を上方へ回動操作する。それによりラック111が歯車110と噛み合う位置まで前進し、さらにいくらか前進して歯車110を回転させる。それにより支持ワイヤー104がドラム108に巻き取られる。その状態では操作ハンドル114はトグルリンク機構113により戻り方向に回動しない。それにより支持ワイヤー104の緊張状態が維持され、車椅子はフロア101上に固定される。
【0005】
車椅子の固定を解除する場合は、操作ハンドル114を逆向きに回動してラック111と歯車110の噛み合いを外す。それによりドラム108は自由に回転するようになり、支持ワイヤー104の緊張が緩み、フック105を外すことができる。フック105を外すと、支持ワイヤー104はバネ部材109の付勢力でドラム108に巻き取られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来例においては、ロックを行なうための操作ハンドルの操作が手動式のため、力がいる。また、倍力作用およびロック作用のためにてこ機構およびトルグ機構を採用するなど、占有スペースが広くなり、レイアウト性に欠けるという問題がある。本発明はそのような従来の装置の問題を解消し、車椅子を車内のフロアへの固定・解除をワンタッチで素早く行なうことができ、レイアウト性が高い車椅子固定装置を提供することを技術課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の車椅子固定装置(請求項1)は、自動車内に乗車した車椅子を固定するための車椅子固定装置であって、正逆転可能なモータと、該モータにより減速機を介して回転駆動され、一部に歯無し部を有する中間ギヤと、該中間ギヤの前記歯無し部以外の部分で回転駆動されるドラムギヤと、該ドラムギヤと共に回転するドラムと、該ドラムに引き出し・巻き取り自在に巻装され、先端に車椅子に引っ掛けるフックを備えた牽引部材と、前記ドラムを、前記牽引部材を常時巻き取る方向に付勢するスプリングと、前記モータを正逆転に駆動する操作部とを備えていることを特徴としている。
【0008】
このような車椅子固定装置では、前記ドラムギヤおよび前記ドラムがベースの上面側に設けられ、前記ドラムギヤの軸部が前記ベースを貫通して下方に延び、前記スプリングが前記ベースの下面側に設けられ、内端が前記ドラムギヤの軸部に係止されており、外端が前記ベース側に係止されているものが好ましい(請求項2)。
【0009】
さらに前記中間ギヤの歯無し部が軸方向の一端側に設けられると共に、他端側には全周に歯が設けられており、その歯が設けられている部位が前記モータ側のギヤと噛み合っているものが好ましい(請求項3)。
【0010】
また前記中間ギヤが前記ドラムギヤと噛み合っている位置から前記歯無し部が前記ドラムギヤと対向する位置まで回動したとき、前記中間ギヤのその方向の回転を停止させるストッパを備えているものが好ましい(請求項4)。さらに前記ドラムギヤのそれぞれの歯の先端が斜めに切り欠かれているものが好ましい(請求項5)。
【0011】
【発明の作用および効果】
本発明の車椅子固定装置(請求項1)は、中間ギヤの歯無し部とドラムギヤとが対応している状態ではドラムがフリーとなっている。そのため、ドラムからスプリングの巻き取り力に抗して牽引部材を引き出し、フックを車椅子に引っ掛けることができる。その状態では、ドラムがスプリングによって巻き取り方向に付勢されているので、牽引部材には弛みが生じていない。この状態で操作部を操作してモータを正転させると、中間ギヤは歯がある部分がドラムギヤと対応する位置まで回転し、噛み合う。さらに回転を続けると、ドラムギヤが回転してドラムが回転し、牽引部材を巻き取る。したがって牽引部材は緊張し、車椅子を確実に固定することができる。このように中間ギヤは歯無し部と歯がある部分とで動力の伝達状態と伝達切りの状態を切り換えるクラッチの作用を奏する。
【0012】
フックを車椅子から外す場合には、操作部を操作してモータを逆転させ、ドラムギヤを牽引部材の送り出し方向に回転させる。それにより牽引部材の緊張が緩む。さらに中間ギヤを歯無し部がドラムギヤと対応する位置で停止させる。その位置では中間ギヤとドラムギヤとの噛み合いが外れているので、牽引部材を引き出しながらフックを車椅子から外す。その後はスプリングの巻き取り力により牽引部材をドラムに巻き取らせる。このように本発明の車椅子固定装置は、簡易な構成で車椅子を車内のフロアへの固定、解除をワンタッチで素早く行なうことができる。また、従来とは異なり手動式の操作ハンドルを無くしているので、レイアウト性および操作性も向上する。
【0013】
前記ドラムギヤおよび前記ドラムがベースの上面側に設けられ、前記ドラムギヤの軸部が前記ベースを貫通して下方に延び、前記スプリングが前記ベースの下面側に設けられ、内端が前記ドラムギヤの軸部に係止されており、外端が前記ベース側に係止されている場合(請求項2)は、スプリングを大きくすることができ、牽引部材の巻き取り量を大きくすることができる。さらに牽引部材とスプリングがベースを介して反対側にあるので、互いに干渉せず、牽引部材が保護される。
【0014】
また前記中間ギヤの歯無し部が軸方向の一端側に設けられると共に、他端側には全周に歯が設けられており、その歯が設けられている部位が前記モータ側のギヤと噛み合っている場合(請求項3)は、中間ギヤのクラッチ作用を奏する歯とモータからの動力伝達ギヤの作用を奏する歯を同時に形成することができ、部品点数も少なくすることができる。
【0015】
前記中間ギヤが前記ドラムギヤと噛み合っている位置から前記歯無し部が前記ドラムギヤと対向する位置まで回動したとき、前記中間ギヤのその方向の回転を停止させるストッパを備えている場合(請求項4)は、中間ギヤを機械的に停止させるので、中間ギヤをより正確に歯無し部とドラムギヤとが対向する位置で停止させることができる。さらに前記ドラムギヤのそれぞれの歯の先端が斜めに切り欠かれている場合(請求項5)は、ドラムギアが中間ギアの歯無し部から歯がある部位にスムーズに噛み合っていくことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の固定装置の一実施形態を示す一部切り欠き概略平面図、図2は図1のII-II線断面図、図3はその固定装置の動作説明図、図4aおよび図4bはそれぞれその固定装置の中間ギヤの平面図及び断面図、図5a、図5bおよび図5cはそれぞれその固定装置のドラムギヤの平面図、断面図および要部拡大平面図、図6はその固定装置のドラムの側面図、図7はその固定装置の電気系統のブロック図、図8および図9はそれぞれその固定装置の車椅子を自動車のフロアに固定する場合の側面図および平面図、図10aおよび図10bはその固定装置で車椅子を固定する場合の動作説明図、図11aおよび図11bはその固定装置の車椅子を解除する場合の動作説明図である。
【0017】
図1の固定装置1は、自動車のフロアに取り付けられるベース2を備えている。ベース2の左右端は下向きに折り曲げられ、さらに水平に折り曲げられて取り付け座2aとなっている。そのため中央部は自動車の床面との間に隙間があく状態で固定される(図2参照)。ベース2の上面側には図2に示すように、正逆転可能なモータMが取り付けられており、このモータMに連結されている減速機Gの出力軸4にはピニオン5がトルク伝達可能に連結されている。ピニオン5はベース2の下面側に突出するボス2bに回転自在に支持されている。
【0018】
さらにベース2の上側には、ピニオン5と噛合するアイドルギヤ6が配置されている。そして図2に示すように、アイドルギヤ6の下部は軸となっており、その軸がベース2の下面側に突出するボス2cに回転自在に支持されている。
【0019】
図1に示すように、ベース2の上面側には左右一対の中間ギヤ7a、7bが配置されており、左側(図1の上側)の中間ギヤ7aは前記アイドルギヤ6と噛み合っている。左右の中間ギヤ7a、7bの下半分同士は同じ歯数および有効径を有し、互いに噛み合っている。図2に示すように、それぞれの中間ギヤ7a、7bは、ベース2の上面側に突出するように固定されている左右一対の固定軸2d、2eに回転自在に支持されている。
【0020】
ここで、上記中間ギヤ7a、7bの上半分の一部には、図2及び図4に示すように、歯11を一部削除した歯無し部10が形成されている。すなわち歯11は上下方向のすべてを削除して歯無し部10を形成しているのではなく、歯11の上半分を削除して歯無し部10を形成し、下半分は全周に歯11が形成されている。それにより左側の中間ギヤ7aは、角度位置に関わらず常時アイドルギヤ6と噛み合うことができ、また、左右の中間ギヤ同士も常時噛み合うことができる。中間ギヤ7a、7bの回転角度が小さく、アイドルギヤ6や中間ギヤ同士の噛み合いに影響がない場合は、歯11の下半分も削除することができる。
【0021】
さらにこの実施形態では、図4a、図4bに示すように、中間ギヤ7a、7bの下面側に円弧状の溝8が形成されている。そして図2に示すように、ベース2には溝8内に突出するストッパピン9が取り付けられている。そのため中間ギヤ7a、7bは、溝8が形成されていない溝無し部8b、すなわち溝8の両端がストッパピン9に当接するまでの範囲で、往復回動動自在である。ストッパピン9の周囲には環状溝を形成し、その環状溝にOリング9aを係合させている。それにより溝無し部8aがストッパピン9に当接するときの衝撃音を緩和することができる。
【0022】
図1に示すように、ベース2の上側には、左右の中間ギヤ7a、7bとそれぞれ噛み合うことができるドラムギヤ12a、12bが設けられている。左右のドラムギヤ12a、12bは歯数及び有効径が同一である。それらのドラムギヤは、図2に示すように、リング状を呈しており、その中央部に穴13が形成されている。各ドラムギヤ12a、12bは、ベース2に回転自在に支持されているドラム14a、14bの上面に固定されている。すなわちドラム12a、12bの上面の中央に円筒状の突出部15が設けられており、その周囲は一段下がっている(図6参照)。そしてリング状のドラムギヤ12は突出部15に嵌合され、一段下がった段部にビス16により固定されている。
【0023】
また図2に示すように、ベース2にはその上側に突出するボス2fが固定されており、それらのボス2fにドラム14a、14bの軸18が回転自在に支持されている。ドラムギヤ14は中間ギヤ7aの上半分と噛み合うことができるものであり、下半分とは干渉しないように上側にずらせている。ここで、以下の本文中や図面では便宜上、添え字のa、bは省略している場合がある。
【0024】
図5a〜5cに示すように、ドラムギヤ12のそれぞれの歯は、中間ギヤの歯無し部から歯がある部位にスムーズに噛み合っていくことができるように、先端部が斜めに切り欠かれている。また、ドラムギヤ12をドラムに固定するためのビス用の孔は、1個置きに裏及び表に座ぐりが設けられている。そのため、同じドラムギヤ12を表裏を反転するだけで、右側のドラム用にも、左側のドラム用にも兼用することができる。
【0025】
図1に示すように、前記ストッパピン9の位置は、中間ギヤ7a、7bが、ドラムギヤ12と噛み合っている位置から歯無し部10がドラムギヤ12と対向する位置まで回転したとき、溝8の一方の端部(溝無し部8a)がストッパピン9とが当接してそれ以上その方向に回転することを阻止するように定められている。ストッパピン9および溝なし部8aは、請求項4のストッパである。このように溝8内にストッパピン9を収容することにより、スペースを節約してストッパ機構を構成することができる。ただし溝を設けることに代えて中間ギヤの下面に溝無し部に相当する突起を設け、その突起とストッパピンなどにより、ストッパ機構を構成することもできる。
【0026】
図6に示すように、ドラム14の周面にはガイド溝17が凹設されていて、このガイド溝17にワイヤー(図1、図2の符号20、20a、20b参照)が巻回されるようになっている。また、ドラム14の下面に側には、ワイヤーの端部に固着される索端金具を係止するための円柱状の凹部(図2の符号17a参照)が形成され、その凹部は図6のスリット17bによってガイド溝17と連通している。
【0027】
前記ドラム14の軸18はドラム14の下面より下側に突出しており、取り付けた状態でベース2の下面側に突出するような長さを有する(図2参照)。そしてその突出する部位に、スパイラルスプリング21の内側の端部を係止するためのスリット18aが形成されている。他方、ベース2の下面には、スペーサ22aを介してスプリングケース22が固定されている。スプリングケース22は皿状ないし有底筒状を呈し、その内部にスパイラルスプリング21が収容されている。スパイラルスプリング21の外側の端部は、スプリングケース22の周壁に形成されたスリットに係止されている。
【0028】
したがってドラム14はスパイラルスプリング21の付勢力で、一方向に回転付勢される。スパイラルスプリング21の巻き方向は、その付勢力でドラム14にワイヤ20を巻き取る方向である。
【0029】
一方、図1および図2に示すように、ベース2の上面の両端には略コ字型のブラケット26a、26bが設けられており、それらのブラケットに、ワイヤー20a、20bを方向転換するためのリール27a、27bが回転自在に支持されている。それにより上記ドラム14a、14bにて巻装されているワイヤー20a、20bがリール27a、27bの下側から上側に抜けるように係合され(図3参照)、それにより自動車の前方側(図1及び図3の左方側)に引き出されるように方向転換される。外部に引き出されるワイヤー20a、20bの先端には、車椅子に引っかけるための鉤状のフック30a、30bが取り付けられている。なお、ワイヤー20の代わりに自動車のシートベルトに用いられているのと同じ材料で形成したベルトを使用するようにしても良い。
【0030】
図7は前記モータMを制御するための電気関係のブロック図を示している。この実施形態では固定装置1を制御する場合、リモコン操作部32にて行なうようにしており、このリモコン操作部32と固定装置1とは有線、あるいは無線で信号を送信するようにしている。また、リモコン操作部32には、フック30で車椅子を固定する場合の固定スイッチ33と、フック30を車椅子から外す場合の解除スイッチ34が設けられている。リモコン操作部32からの信号は固定装置1側の制御部35に入力され、制御部35ではモータドライバ36を駆動制御してモータMを正転、あるいは逆転制御している。なお、モータの駆動電源および制御部35などの電源は自動車のバッテリからとることができる。
【0031】
次に、固定装置1の作用について説明する。この固定装置1は、図8および図9に示すように、介護者がスロープSを用いて車椅子40を自動車43のフロア44上に乗り上げた後、その車椅子40を固定するためのものである。車椅子40の前後にこの固定装置1を用いることもできるが、通常は自動車の前側に配置される固定用のフック付きベルトやワイヤー、または固定・引き上げ兼用の引き上げ装置51と組み合わせて使用する。引き上げ装置51は左右一対の引きベルト52と、それらを巻き上げるドラムと、それらのドラムを駆動するモータなどから構成されている従来公知のものを使用しうる。引きベルト52の先端にはフック53が連結されている。引きベルト52は、車椅子40を地面からスロープSに乗せて自動車のフロア44まで引き上げるに足る長さを有し、ドラムもそれに応じた巻き取り量を有するものである。
【0032】
上記の引き上げ装置51で車椅子40を引き上げる場合は、引きベルト52を引き出してその先端のフック53を車椅子40の前脚42に引っ掛ける。そしてモータを駆動して、介護者が車椅子40の後方から押しながらスロープSを登らせる。そして車椅子40がフロア44に乗り上げると、モータを停止させる。ついで以下に示すように、固定装置1で車椅子40の後部を固定する。なお、図8では固定装置1はフロア44内に埋設している状態を示しているが、フロア44上に配置してもよい。固定用のベルトを用いる場合は、介護者が車椅子を押し上げ、フック付きのベルトを車椅子に引っかけ、その後、固定装置1で車椅子を固定する。
【0033】
今、図10aのワイヤー20は、固定装置1のドラム14に巻き取られた状態である(図3の実線参照)。この状態では図1に示すように、中間ギヤ7a、7bは溝無し部8aがストッパピン9に当接し、歯無し部10、10がそれぞれドラム14a、14bと一体化しているドラムギヤ12a、12bの歯の部分に位置している。したがって、ドラムギヤ12a、12b及びドラム14a、14bは、自由に回転できる状態、いわゆるフリーな状態となっている。
【0034】
そこで、介護者がフック30を持って図3の二点鎖線に示すように矢印方向に引っ張ることにより、ドラム14が回転してドラムに巻き取られているワイヤー20を引き出し(図10a参照)、フック30を図10bに示すように、車椅子40の後脚41に引っ掛ける。そのとき、ドラム14の回転に伴ってドラムの軸18の周りにスパイラルスプリング21を付勢力に抗して巻き込む。したがってフック30を後脚41に引っ掛けて離すと、スパイラルスプリング21の戻り方向の付勢力によりドラム14が回転し、ワイヤ20を巻き取る。そのため、ワイヤ20の弛みがなくなる。
【0035】
この状態でリモコン操作部32の固定スイッチ33を押操作すると、モータMが回転し、このモータMの回転によりアイドルギヤ6を介して中間ギヤ7a、7bがそれぞれ回転する(図1参照)。そのときの回転方向は溝無し部8a(溝の端部)がストッパピン9から離れる方向である。中間ギヤ7a、7bがそれぞれ反対方向に回転していくと、歯無し部10から歯11がドラムギヤ12a、12bの歯に噛合していき、これにより、ドラムギヤ12a、12bはそれぞれ反対方向に回転する。ドラムギヤ12a、12bが回転すると、ドラム14a、14bがワイヤー20a、20bを巻き取る方向にさらに回転する。それにより、図10bに示すように、ワイヤー20にはテンションが加えられ、車椅子40を後方に、かつ、下向きに引っ張る。そのため引き上げ装置51の引きベルト52が前側に引っ張る力と協同して、車椅子40をフロア44上に確実に固定することができる。
【0036】
なお、ワイヤー20をある程度固定装置1内に引き込んでから固定スイッチ33の押操作を止めることにより、モータMの回転が停止する。この状態で、ドラムギヤ12a、12bと中間ギヤ7a、7bとはそれぞれ噛合しており、また片方の中間ギヤ7aはアイドルギヤを介して減速機Gに連結されているので、ロックされた状態となり、車椅子40は完全に固定される。減速機Gとしては、ウォームギヤ減速機のような自己拘束性を有するものが好ましい。ただしブレーキ付きのモータなどであってもよい。
【0037】
図9はかかる状態を示し、車椅子40の前脚42は、固定装置1と対となす前方固定装置51から引き出したベルト52の先端にフック53にて引っ掛けられて、車椅子40はフロア44上に確実に固定されることになる。
【0038】
次に、フック30を車椅子40の後脚41から取り外す場合の作用について説明する。リモコン操作部32の解除スイッチ34を押操作してモータMを上記とは逆方向に回転させて、図11aに示すようにワイヤー20を緩める。モータMの逆転によりアイドルギヤ6を介して中間ギヤ7a、7bも上記とは逆方向に回転し、中間ギヤ7a、7bの歯無し部10がドラムギヤ12a、12b側に位置するようになったとき、中間ギヤ7a、7bの下面の溝無し部8aがストッパピン9と当接して停止する。そしてその状態でモータMの回転を停止させる。それにより、中間ギヤ7a、7bをその歯無し部10がドラムギヤ12a、12bと対向する位置で確実に停止させることができる。また、中間ギヤ7a、7bが1回転以上して歯無し部10が通過してしまうのを防止することができる。
【0039】
なお、ワイヤー20の引き出しが停止した状態を介護者が見て解除スイッチ34の押操作を止めてモータMを停止させても良く、また、中間ギヤ7a、7bが逆方向に回転してストッパピン9によって回転を阻止させたときに、モータに加わる過電流を検出してモータを停止させてもよい。ストッパを設けない場合は、たとえば図1に示す歯無し部10がドラムギヤ12a、12bと噛合が外れた位置をセンサ等で検出し、この検出信号にて制御部35がモータMの回転を停止させることもできる。
【0040】
中間ギヤ7a、7bが歯無し部10でドラムギヤ12a、12bとの噛合が外れると、ドラムギヤ12a、12b及びドラム14a、14bはフリーの状態となり、スパイラルスプリング21a、21bの復帰力にてワイヤー20を巻き取り固定装置1内に収納する(図11b参照)。
【0041】
このように本実施形態では、モータMによる電動式でフック30を設けたワイヤー20の引き出し、巻き取り及びロックを行なっているので、車椅子の固定、解除をワンタッチで行なうことができる。また、従来のように操作ハンドルを使用していないので、車内でのレイアウト性も向上させることができる。
【0042】
前記実施形態では1個のアイドルギヤ6で1個の中間ギヤ7aを駆動し、中間ギヤ7a、7b同士を噛み合わせて他の中間ギヤ7bを駆動させているが、1個のアイドルギヤ6で2個の中間ギヤ7a、7bを駆動するようにしてもよい。さらに1個のピニオン5で2個のアイドルギヤを駆動して、それぞれ中間ギヤ7a、7bを駆動するようにしてもよい。さらに2個のモータで左右の中間ギヤを別個に駆動するようにしてもよい。その場合は左右のドラム14a、14bを離して配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固定装置の一実施形態を示す一部切り欠き概略平面図である。
【図2】 図1のII-II線断面図である。
【図3】 その固定装置の動作説明図である。
【図4】 図4a及び図4bはそれぞれその固定装置の中間ギヤの平面図及び断面図である。
【図5】 図5a、図5bおよび図5cはそれぞれその固定装置のドラムギヤの平面図、断面図および要部拡大平面図である。
【図6】 その固定装置のドラムの側面図である。
【図7】 その固定装置の電気系統のブロック図である。
【図8】 その固定装置の車椅子を自動車のフロアに固定する場合の側面図である。
【図9】 その固定装置の車椅子を自動車のフロアに固定する場合の平面図である。
【図10】 図10aおよび図10bはその固定装置で車椅子を固定する場合の動作説明図である。
【図11】 図11aおよび図11bはその固定装置の車椅子を解除する場合の動作説明図である。
【図12】 従来の車椅子固定装置の一例を示す平面図である。
【図13】 図12の装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1 固定装置
2 ベース
2a 取り付け座
2b、2c、2f ボス
2d、2e 固定軸
M モータ
G 減速機
5 ピニオン
6 アイドルギヤ
7a、7b 中間ギヤ
8 溝
8a 溝無し部
9 ストッパピン
9a Oリング
10 歯無し部
11 歯
12、12a、12b ドラムギヤ
13 穴
14、14a、14b ドラム
15 突出部
16 ビス
17 ガイド溝
17a 凹部
17b スリット
18 軸
18a スリット
20、20a、20b ワイヤー
21、21a、21b スパイラルスプリング
22、22a、22b スプリングケース
23 スペーサ
27a、27b リール
30a、30b フック
32 リモコン操作部
33 固定スイッチ
34 解除スイッチ
35 制御部
36 モータドライバ
S スロープ
40 車椅子
41 後脚
42 前脚
43 自動車
44 フロア
51 引き上げ装置
52 引きベルト
53 フック
Claims (5)
- 自動車内に乗車した車椅子を固定するための車椅子固定装置であって、正逆転可能なモータと、該モータにより減速機を介して回転駆動され、一部に歯無し部を有する中間ギヤと、該中間ギヤの前記歯無し部以外の部分で回転駆動されるドラムギヤと、該ドラムギヤと共に回転するドラムと、該ドラムに引き出し・巻き取り自在に巻装され、先端に車椅子に引っ掛けるフックを備えた牽引部材と、前記ドラムを、前記牽引部材を常時巻き取る方向に付勢するスプリングと、前記モータを正逆転に駆動する操作部とを備えている車椅子固定装置。
- 前記ドラムギヤおよび前記ドラムがベースの上面側に設けられ、前記ドラムギヤの軸部が前記ベースを貫通して下方に延び、前記スプリングが前記ベースの下面側に設けられ、内端が前記ドラムギヤの軸部に係止されており、外端が前記ベース側に係止されている請求項1記載の車椅子固定装置。
- 前記中間ギヤの歯無し部が軸方向の一端側に設けられると共に、他端側には全周に歯が設けられており、その歯が設けられている部位が前記モータ側のギヤと噛み合っている請求項1記載の車椅子固定装置。
- 前記中間ギヤが前記ドラムギヤと噛み合っている位置から前記歯無し部が前記ドラムギヤと対向する位置まで回動したとき、前記中間ギヤのその方向の回転を停止させるストッパを備えている請求項1記載の車椅子固定装置。
- 前記ドラムギヤのそれぞれの歯の先端が斜めに切り欠かれている請求項1記載の車椅子固定装置。
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