JP3905309B2 - 記録材給送装置及び画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層された記録材をその最上位のものから1枚づつ給送する記録材給送装置、主として複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、印刷装置等の画像処理装置やその他の紙葉類搬送機構に用いられる記録材給送装置、およびこれらの記録材給送装置を用いた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置、例えば、竃子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいは印刷装置等において使用される記録材は、通常、装置本体の記録材収納部に収容される。この記録材収納部は記録材、例えば用紙を多数枚積載状に収容する給送トレーを有し、給送トレーに設けられた給送ローラを用い、最上位のローラ対向用紙が一枚づつ装置内の画像処理部に向けて搬送されている。
【0003】
ところで、多数枚積載状に収容された用紙を最上位のものから順に一枚ずつ給送ローラで画像処理部へ向けて送出しするにあたり、用紙間の摩擦の相違により同時に複数枚が重なった状態で送出され易い。即ち、給送トレーに積載状に収容された用紙は単一種のもののみとは限らず、各種材質の用紙が混在して使用されることがある。特に、環境への配慮から省資源を目的として、片面に画像を記録済みの用紙を再度給送トレーに積載し、更には、オペレーターの用紙積載の不備や用紙そのもののカール等の影響により、紙1枚毎の用紙間摩擦係数が異なることがある。このような場合、多数枚積載状に収容された用紙郡の内で最も小さな摩擦係数の用紙より上側の用紙束が重送され、給送不良を生じる場合がある。
そこで、用紙給送装置は給送トレーの先端部に設けた用紙分離機構により、例えば、下層の用紙に抵抗を与えて最上位の用紙だけを給送することが行われており、この抵抗を与える構成としては、フリクションパッド分離機構やコーナー爪分離方式を採る用紙分離機構が一般的に知られている。
【0004】
特に、フリクションパッド分離機構では、給送ローラと用紙との間の摩擦係数をμ1、フリクションパッドと用紙との間の摩擦係数をμ2、用紙相互間の摩擦係数をμ3とした場合に、μ1>μ2>μ3なる関係が成立するように給送ローラとフリクションパッドとを構成する。その上で、給送ローラによって用紙の一面に搬送方向下流側への送出し力を与えると共に該用紙の他面にフリクションパッドを圧接して摩擦抵抗を与えることにより、用紙を一枚ずつに分離給送することができる。
【0005】
このようなフリクションパッド分離機構の理論的説明はRicoh Tekunical Report(フリクションパッド分離給送方式の余裕度解析:高橋靖弘No.9,May,1983)にて詳細に記載されている。
即ち、図13,14に示すように、用紙給送装置内の給送トレー100はその用紙収容部の底板110上に多数枚積載状に用紙Sを収容し、これら用紙束の送出側部位を底板110を介し加圧用バネ130にて上方の給送ローラ140に押し当てるようにしている。
【0006】
ここで、給送トレー100の送出側縦壁にはフリクションパッド150を給送ローラ140へ押し当てた状態で支持するパッド支持部160が取り付けられている。パッド支持部160はフリクションパッド150を一体接合したパッド支持部材170と、パッド支持部材170の摺動部を嵌挿し同摺動部を突き出し付勢するバネ180を収容するパッド取付け台190とで構成されている。パッド支持部材170はフリクションパッド150への用紙先端の進入角度θが約20〜30度になるようパッド取付け台190を介して給送トレー100に取付けられている。
【0007】
このようなフリクションパッド分離機構部は摩擦力差を利用しており、各部材間の摩擦係数が重要となる。ただし、現在学術的に確立されたゴムと紙などの摩擦理論は無く、経験則としてクーロン摩擦(摩擦力=摩擦係数×垂直抗力)が用いられており、分離現象が説明できている。この摩擦係数の測定方法も前記参考文献に紹介されている。以下に各摩擦係数の記号と定義、各摩擦係数の大小関係をまとめる。
μ1:給送ローラと紙との摩擦係数
μ2:フリクションパッドと紙との摩擦係数
μp:紙と紙との摩擦係数
μp12:最上紙(最上位の紙)と2枚目の紙(次位の紙)との摩擦係数
μp23:2枚目の紙と3枚目の紙との摩擦係数
Δμp=μp12−μp23
ここで、通常、下記の式▲1▼なる関係が成立するように給送ローラとフリクションパッドとを構成する。
μp<μ2<μ1・・・・・▲1▼
図14にはフリクションパッド分離機構を拡大して最上紙Sが受ける摩擦力や加圧力を模式的に示した。分離状態は、不送り、分離、重送の三つに分けられ、ここでは、最上紙Sのみが送られる状態である不送りしない条件を示す。ここで、符号Nは底板加圧力、Pは給送加圧力、Qはパッド加圧力とする。
【0008】
給送加圧力Pは底板加圧力Nから積載用紙の重量による影響を差し引き、最上紙が受ける垂直抗力に相当する。図14において、
Fa:給送加圧力Pにより生ずる給送力=μ1×P
Fb:パッド加圧力Qにより生ずる給送力=μ1×Q
Fc:フリクションパッドによる抵抗力=μ2×Q
Fd:給送加圧力Pにより生ずる2枚目の紙から受ける抵抗力=μp×P
ここで、不送りしないためには、給送力の合計(Fa+Fb)が抵抗力の合計(Fc+Fd)よりも大きいことが条件で、この不等式を整理すると、
P>{(μ2−μ1)/(μ1−μp)}×Q+α0=α×Q+α0・・・・▲2▼
ここで、α0は紙一枚の質量、紙の密着力、給送トレー内にあり積載用紙のセット位置を規制するサイドフェンスとの摺動抵抗に関する補正項全般を表している。もう一方の項はμ2−μ1<0であるから常に負となり、結果として第2項のみを考慮すればよい。
【0009】
しかし、厚紙などでは式▲2▼とは別にフリクションパッド150への進入角度θに依存した進入抵抗をおのおの紙種別に実験にて測定する必要がある。この時、不送りしないための条件式は
P>α’×Q(α’>0)・・・・・▲3▼
となる。
【0010】
次に、図15に示すように、フリクションパッド150と給送ローラ140の間に2枚の紙が侵入した場合に、2枚目の用紙Sを分離(あるいは重送しない)条件を考える。図15には、この時2枚目の紙に作用する摩擦力等を示した。
Fe:給送加圧力により生じ最上紙から受ける給送力=μp12×P
Fg:パッド加圧力により生じ最上紙から受ける給送力=μp12×Q
Ff:給送加圧力により生じ3枚目の紙から受ける抵抗力=μp23×P
Fc:フリクションパッドによる抵抗力=μ2×Q
2枚目の用紙Sを分離する条件は、抵抗力の合計(Ff+Fc)が給送力(Fe+Fg)より大きくなることで、
Ff(=μp23×P)+Fc(=μ2×Q)>Fe(=μp12×P)+Fg(=μp12×Q)
これを整理し、Δμp=μp12−μp23を代入すると
P<(μ2−μp)/Δμp×Q=β×Q・・・・・▲4▼
以上より、図8に示すように、式▲2▼(符号a0線参照),式▲3▼(符号b0線参照),式▲4▼(符号c0線参照)に対応したP−Q線図が引け、ハッチング領域e0が給送適正領域となる。この中で、PとQが確保されるように各種部材の摩擦係数や加圧機構を設計すれば良い。一般的に、紙の積載枚数の変動、セット可能な紙種によって給送加圧力Pは変動幅を持つ。また、パッド加圧力Qも機械的なガタなどの影響で変動するため、結果として、例えば図8のA0域のように機械毎に設定域が決まる。ただし、実際の機械では色々な条件が関係するため、時と場合によって分離不能が発生する。ただし、この設定域A0と重送、不送り境界線までの間隔が広ければ広いほど余裕度があり、どこに設定するかは製作者のノウハウとなる。このことから考えると、一定のPとQを保持制御できれば余裕度がかなり広くなるようであるが、このようなPとQを保持制御する機構は複雑化し易く、このような装置はコストアップを招くこととなるため、それよりも低コストで信頼性の高い他の給送方式を採用することが望まれている。
【0011】
なお、フリクションパッド分離方式を採用した用紙給送装置の一例として、いわゆるコーナー爪分離と重送防止パッドを組み合わせた構成が特許第2522058号公報に開示される。更に、特開平10−152239号公報、特開平10−329968号公報には紙の進行方向に対して垂直に可撓自在な弾性を有する弾性部材を取付け、紙が衝突する部位に摩擦部材を配備しておき、紙が衝突すると弾性部材がその力に打ち負けて撓み、紙が通過し、この時の反作用で分離機能を示す従来の分離機構が開示される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のフリクションパッド分離機構における問題点を考察すべく、図9に各摩擦係数値を一例として設定したP−Q線図を示した。ここでの摩擦部材はコストの低い材質をそれぞれ選び、フリクションパッドとしてゴムコルクを、給送ローラにノーソレックス系ゴム材を用いる。紙は一般的なPPC推奨紙で坪量約70gとした場合で、フリクションパッドと給送ローラが共に経時変化によって摩擦係数が低下することを考慮した上で、給送ローラと紙との摩擦係数μ1(=1.2)、フリクションパッドと紙との摩擦係数μ2(=0.7)を用いた。紙は新品の束を取り出しそのまま載せると、紙と紙との摩擦係数μp(=0.6)程度が一般的な平均値である。この時、Δμp=μp12−μp23(=0.06)とし、この条件による重送境界線を式(4)のβQとして算出し、図9に式▲4▼線(符号c1線)として示した。
【0013】
不送り側はα0=1.0(N)とし、図9に式▲2▼線(符号a1線)として示した。なお、この時のフリクションパッド分離機構で用いた給送加圧力P及びパッド加圧力Qの設定値は一般的な値として2.5(N)≦Q≦3.5(N)、1.8(N)≦P≦3.0(N)として設定域A1を設定した。この条件で設定した分離機構によれば、経時変化後も良好な分離動作が可能なことがわかる。
【0014】
ところが、例えば現在給送トレイにセットした積載用紙の上に、新品の用紙を継ぎ足したり、最近の省資源のために片面を印刷済みの紙を継ぎ足すと、最上部の上下用紙間の摩擦係数がその下方側の上下用紙間の摩擦係数より大きな状態(μp12>μp23)が顕著となり、△μp(=μp12−μp23)は大きくなり易く、例えぱ0.15やそれ以上となる場合がある。図5では△μp=0.2での重送線を式▲4▼線(符号c1−1線)として示した。この場合、重送や不送りを排除できる設定領域A1はほぼ完全な重送領域(符号c1−1線の上側域)に入ってしまい、特に、経時的にフリクションパッドと給送ローラの摩擦係数が低下してくると用紙(同種、異種、印刷済み含め)の継ぎ足しによって重送が多発し易くなる。
【0015】
このように、フリクションパッド分離方式における課題として、フリクションパッドと給送ローラの経時変化により、積載用紙上への用紙継ぎ足しによる重送が多発する点が上げられる。
なお、上述の特許第2522058号公報は厚紙に対する分離性能向上を狙う技術であり、特開平10−152239号公報、特開平10−329968号公報も、厚紙に対する分離性能向上が狙いであり、構成もフリクションパッドとは大きく異なり、多数枚積載状にある各用紙の摩擦係数の相違による重送を防止する手段を何ら与えるものではない。
【0016】
厚紙に限定せず、フリクションパッドの改良による重送防止などに関する技術が特許第2796871号、実新平3−73536号、実公平7−45481号の各公報に開示される。しかし、いずれもパッド部を分割、あるいは第二のパッドを設ける等の構成を採っている。このため、給送ローラの負荷が大きくなり、コストアッブやフリクションパッド特有のパッドと紙のステイックスリップ現象による騒音発生を促進するなど副作用がある。特開平9−267936号公報では平面パッドでなく、搬送方向上流側と下流側の面が所定の角度となるような構成を採っている。ここではパッド角が大きいと、用紙のパッド面への進入角度が大きくなり、重送阻止には有利であるが不送りし易くなるということを解消するため、大きなパッド角を上流側と下流側にて分配することで初期パッド角を小さくして不送り防止を実現した発明であり、多数枚積載状にある各用紙の各用紙間の摩擦係数の相違による重送を防止する手段を何ら与えるものではない。
【0017】
本発明は、以上のような課題に基づき、第1に、記録材を継ぎ足しても所定の分離性能の得られ、記録材の折れ曲がり等の不具合を排除できる改良したフリクションパッド分離方式を用いた記録材給送装置を提供すること、第2に、給送ローラの必要トルクが大きくなることを抑えることができる上に、所定の分離性能が得られる改良したフリクションパッド分離方式を用いた記録材給送装置を提案することを目的とする。第3に、請求項1乃至9のいずれか一つに記載の記録材給送装置を用いて画像処理を行うことで、シート給送時の誤作動を防止できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数枚の記録紙が積層状態で保持されており、前記記録材に搬送方向下流側への送出し力を与える給送ローラと、同給送ローラに対して記録材を弾性的に押圧付勢するフリクションパッドとを備え、給送ローラとフリクションパッドとの間で送られるべき記録材を他の記録材から分離し、送出する記録材給送装置において、前記給送ローラと前記フリクションパッドとニップ部の搬送方向下流側に、長手方向の中間部分がカットされた重送阻止部材を設け、前記給送ローラとフリクションパッドが接触したニップにおけるフリクションパッド面の搬送方向下流側の延出面と前記重送阻止部材の記録材先端が接触する面とが互いに交差する角度の最大値γが、前記重送阻止部材と記録材間の摩擦係数μnから求められる角度tan−1(1/μn−5°)以下であることを特徴とする。
このように、重送阻止部材をフリクションパッドの通紙経路の下流側に設けることで、記録材継ぎ足しによる重送の発生を防止することができ、特に、重送防止部材の摩擦係数と記録材との当接角度を良好にする事ができるので必要な重送阻止力が得られ、かつ不送りや先端析れが生じない分離機能を確保できる。更に、中間部分がカットされた重送阻止部材は直状の場合と同様の分離機能を発揮でき、特に、重送阻止部材の左右半部をフリクションパッドの両端外側にそれぞれ取り付けるようにすると、フリクションパッドの端部と重送阻止部材のつなぎ部が排除され、この部位での用紙の折れ曲がりを低減できる。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1記載の記録材給送装置において、前記最大値γを定義した記録材先端が接触する面と前記延出面とが互いに交差する位置から前記ニップの出口位置までの距離が15mm以下であることを特徴とする。
このように、記録材先端が接触する面と延出面とが互いに交差する位置からニップの出口位置までの距離が15mm以下なので、重送阻止部材の分離機能を記録材の種類に規制されること無く発揮させることができる。
【0023】
請求項の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の記録材給送装置において、前記フリクションパッドを保持するホルダを備え、同ホルダが前記重送阻止部材と同一材質で一体成形されたことを特徴とする。
このように、重送阻止部材をホルダと一体型で作成することでコスト低減となる。
【0024】
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか一つに記載の記録材給送装置において、前記重送阻止部材の基端に前記フリクションパッドと対向する受継ぎ部を形成し、同受継ぎ部を前記フリクションパッド面の延出面よりも、前記給送ローラと反対側に離れて形成されたことを特徴とする記録材給送装置。
このように、重送阻止部材とフリクションパッドが隣り合う箇所でフリクションパッド最表面よりも重送阻止部材端面が奥まることで、つなぎ部の段差などに引っかかり不送りや先端折れが発生することを防止できる。
【0025】
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか一つに記載の記録材給送装置において、前記フリクションパッド面の延出面と前記重送阻止部材の記録材先端が接触する初期当接面とが互いに交差する角度が前記最大値より小さいことを特徴とする。
このように、重送阻止部材に紙先端が始めに衝突する位置の面の角度を阻止面角度より小さくすることで、衝突時の不送りや先端析れを防止できる。
【0026】
請求項の発明は、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の記録材給送装置において、前記フリクションパッドを保持するホルダを備え、同ホルダに対して前記重送阻止部材が着脱可能であることを特徴とする。
このように、重送阻止部材を着脱可能とすることで、紙種に適した重送阻止部材を取り替えることができ、多種の紙種に容易に対応できる。
請求項の発明は、給送部から排紙部に至る通紙経路に記録材を通紙させる間に同記録材を介して画像処理を行う画像処理装置において、請求項1乃至のいずれか一つに記載の記録材給送装置を前記給送部として備えたことを特徴とする。
このように、画像処理装置は請求項1乃至のいずれか一つに記載の記録材給送装置を選択的に採用することで、採用した記録材給送装置相当の作用効果を画像処理装置としても同様に有し、記録材給送時の誤作動の無い画像処理装置として商品性を向上できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態としてのシート給送装置及び同シート給送装置を装備する画像処理装置を説明する。
図1に示す画像処理装置としてのプリンター1は、その筐体101内の下部に給送部をなす記録材給送装置2を上部に排紙部をなす排紙トレイ3をそれぞれ配備しており、記録材給送装置2より通紙経路dを通過して排紙トレイ3に向かう記録材としての用紙Sに画像形成プロセス部4で所望の画像を形成するよう構成されている。
【0028】
このようなプリンター1の筐体101内にはカートリッジ状に形成された作像ケース5が装着されている。作像ケース5はその中央下部に感光体ドラム6を配備し、感光体ドラム6の周縁部に画像形成プロセス部4の要部を成す帯電チャージャ7、露光装置8、現像装置9、転写ローラ11、クリーニング装置12を収容する。感光体ドラム6はプリンター1の基部側に支持された図示しない回転駆動系に連結され、画像形成工程で回転駆動され、これにより、帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程からなる電子写真方式の画像形成プロセスの主要部を実行することで可視像を記録材としての用紙Sに形成する。
【0029】
帯電チャージャ7は帯電ローラ状に形成され、帯電工程において、感光体ドラム6の感光体表面に光導電層を形成し,例えば−600Vの電位を付与する。露光装置8はレーザ書込装置13からの画像光rを感光体ドラム6の表面に導くことで、感光体ドラム6の表面において画像光rの照射を受けた部分の電位のみを光導電作用によって0Vに保持し、感光体ドラム6の表面に静電潜像を形成する。
【0030】
現像装置9は感光体ドラム6の表面にトナー収容器14内のトナーを供給するよう構成される。この現像装置9はトナー収容器14内に磁性を有し、しかも、一例として約−30μC/gに負帯電されたトナーを収容する。しかも、一例として−350Vのバイアス電圧が印加された現像ローラ15が収納され、これは感光体ドラム6に平行に軸支されている。
現像装置9内のトナーは現像ローラ15の表面に層状に付着し、現像ローラ15の回転と共に感光体ドラム6の表面に搬送される。トナーは現像ローラ15の表面と感光体ドラム6の表面とが近接する際に、トナーの帯電電位と現像ローラ15のバイアス電圧及び感光体ドラム6の表面電位との間の電位差により、感光体ドラム6の表面において画像光rの照射を受けた0Vの部分にのみ電気的に吸着され、トナー像を形成する。
【0031】
転写ローラ11は感光体ドラム6の表面に吸着したトナーを用紙Sの表面に移動させるよう機能する。ここで用紙Sは記録材給送装置2から給送ローラ列16により1枚づつレジストローラ対17側に送出され、同レジストローラ対17によって感光体ドラム6の回転によるトナー像の移動に同期して感光体ドラム6と転写ローラ11との間のニップ部に給送され、ニップ部に達した用紙Sは転写ローラ11により感光体ドラム6の表面に押圧されつつ搬送される。ニップ部に用紙Sの先端が進入すると同時に転写ローラ11には一例としてトナーと逆極性の電荷(+1kV)である転写バイアス電圧が印加され、このバイアス電圧により感光体ドラム6の表面に吸着していたトナーを用紙Sの表面に移動させる。感光体ドラム6と転写ローラ11との間を通過してトナー像が転写された用紙Sは通紙経路dを介して定着装置19に搬送される。定着装置19は、一対のローラを備え、これにより用紙Sを加熱及び加圧し、用紙Sの表面に転写したトナー像を溶融して定着するよう機能する。
【0032】
トナー像が定着された用紙Sは排紙ローラ対21により排紙トレイ3に排出される。なお、転写工程を終了した後の感光体ドラム6の表面に付着した廃トナーを除去するようクリーニング装置12を配設し、クリーニング装置12で除去した廃トナーをトナー回収装置22により回収している。
このようなプリンター1では、給送トレー23を有する記録材給送装置2により用紙Sが、手差し用の給送トレー25により用紙Sと異なる他形状の用紙S’が通紙経路dにそれぞれ送出されている。
図1に示すように、用紙Sの束を載置する給送トレー23は筐体101下部のガイドレール24に摺動可能に支持され、側部開口より用紙の補充や取り出しを行えるようにしており、この給送トレー23を備えた記録材給送装置2については更に後述する。
【0033】
手差し用の給送トレー25は筐体101の外壁に支持され、手差し用の給送ローラ26と、フリクションパッド27が対向配備される。底板28に載置された用紙S’は給送ローラ26とフリクションパッド27とにより1枚づつ分離され、分岐路d1を介して通紙経路dに送出され、給送トレー23からの用紙Sと同様に画像形成プロセス部4に送られる。
図1の記録材給送装置2が有する給送トレー23は略皿型箱状の基枠29を備え、同基枠29の外側端(図1で右端)に筐体101の右側部開口を閉鎖可能な蓋部31を一体形成している。なお、開口側で通紙経路dとの対向端には送出側縦壁33が形成される。なお、給送トレー23には図示しないずれ規制凹部が形成され、同部がガイドレール24上の図示しないずれ規制凸部を乗り越えて係合することで摺動方向の位置決めがなされる。
【0034】
基枠29は底部上に用紙Sを載置する底板34を有し、同底板34の基端側のピン32を介し係合部291にピン結合しており、自由端側(図1で左側)である通紙経路dとの対向端側をコイルバネ35により上方へ付勢し、これにより載置する用紙Sを後述の給送ローラ36に押圧しており、コイルバネ35の弾性力を調整することで給送加圧力P(図2、4参照)を設定することができる。
給送トレー23はその蓋部31の裏側で蓋部31と送出側縦壁33との間の領域に中空枠部37を形成する。この中空枠部37の上部にはフリクションパッド38及び重送阻止部材39が配備され、中空枠部37の上方にはフリクションパッド38と当接する給送ローラ36が対向配備され、これらにより記録材給送装置2のフリクションパッド分離機構部(以後単に分離機構部と記す)Bが形成されている。
【0035】
分離機構部Bは給送トレー23に積載された用紙束から最上位の用紙を1枚づつ分離し、分離した用紙Sを縦ガイド壁41や搬送ローラ16により形成された通紙経路dを経てレジストローラ対17側へ送出する。
ここで、記録材給送装置2の分離機構部Bを図2、3、4を用い、更に説明する。
給送トレー23の中空枠部37内にはパッド支持部44が配備される。このパッド支持部44は中空枠部37内に上向きで取付けられるパッド取付台45と、その上端のフリクションパッド38を支持するホルダとしてのパッド支持部材46とを備え、全体としてT字型を成している。
【0036】
ホルダとしてのパッド支持部材46は給送ローラ36の軸方向(図2で紙面垂直方向)に沿って長い矩形板状の本体461と、本体上面に接合されたフリクションパッド38と、本体下部より下方に延出する断面矩形の摺動片462とを備える。しかも、本体461の通紙経路d下流側端部には重送阻止部材39を一体的に形成している。
パッド取付台45は中空枠部37の低壁上に一体結合され、その内部にパッド支持部材46の摺動片462を摺動可能に嵌挿する矩形の縦穴451が形成される。縦穴451の底部には摺動片462を上方の給送ローラ36側に押圧可能なバネ47が配備され、このバネ47の弾性力を調整することでパッド加圧力Qを設定することができる。
パッド支持部材46はフリクションパッド38への用紙(記録材)先端の進入角度θが約20〜30度になるようパッド取付台45に取付けられている。
【0037】
パッド支持部材46の通紙経路下流側(図2で左側)の端部に一体形成された重送阻止部材39はその断面視において、湾曲した頂部より傾斜面を経て裾部zに達する突状断面に形成され、パッド支持部材46の幅(有効幅)C(図3参照)とほぼ同一長さの突状体に形成される。図5に示すように、裾部zは湾曲面を成した上でフリクションパッド38の端部に連続面を成すように形成される。更に、重送阻止部材39は紙先端が当接する重送阻止面faの延長面fa’とフリクションパッド38のパッド面fbの搬送方向下流側の延出面fb’とが互いに交差する交差角である阻止面角度がγを保つように形成されている。
【0038】
ここで、フリクションパッド分離機構Bを用いて、最上部の用紙Sの不送り及び分離機能低下による重送を防止する条件を考察する。
この場合、上述の図9で説明したゴムと紙の摩擦理論(式▲1▼〜▲4▼)が基本的に利用されるが、パッド支持部材46のフリクションパッド38の下流側端部に重送阻止部材39を設けたため分離機能が大きく相違する点を以下に説明する。なお、ここでは同一部材には同一符号を符し重複説明を略す。
図4に示すように、分離機構Bの用紙Sは底板34側より給送加圧力Pが、フリクションパッド38よりパッド加圧力Qが加わる。この状態で、フリクションパッド38と給送ローラ36の狭持部から2枚の用紙Sの先端が重送されて抜けると、重送阻止部材39にその先端が衝突する。
【0039】
この時、給送ローラ36と用紙Sとの摩擦係数μ1、フリクションパッドと用紙Sとの摩擦係数μ2、隣合う用紙間の摩擦係数μp、狭持部出口x1から用紙S先端(阻止面起点x2)までの距離L1(図5参照)、用紙Sの剛性(断面2次モーメント×ヤング率)、重送阻止部材39の有効幅C(図3参照)、重送阻止部材39の材質(フリクションパッドと用紙Sとの摩擦係数μ3)、重送阻止部材39の重送阻止面faの阻止面角度γに依存した抵抗力である重送阻止力Rが重送阻止面faや用紙Sに作用する。なお、重送阻止力Rは用紙先端の給送力(当接力Faに関連する)と逆向きの抵抗力で、重送阻止面faと用紙先端との間の摩擦抵抗力(R=μ3×Fa×cosγ)となる。
ここで、1枚目の用紙Sを不送りしない条件である給送力の合計(Fa+Fb)が抵抗力の合計(Fc+Fd)よりも大きいとした不等式(上述の式▲2▼)を、ここではその抵抗力側に重送阻止力Rを更に加えて再整理して式▲5▼が得られる。
【0040】
P>{(μ2−μ1)/(μ1−μp)}×Q+R/(μ1−μp)+α0
=α×Q+R/(μ1−μp)+α0・・・・▲5▼
一方、2枚目の用紙Sを分離する(重送しない)条件である抵抗力の合計(Ff+Fc)が給送力(Fe+Fg)より大きいとした不等式(上述の式▲4▼)を、ここではその抵抗力側に重送阻止力Rを更に加えて再整理して式▲6▼が得られる。
【0041】
P<(μ2−μp)/Δμp×Q+R/Δμp
=β×Q+R/Δμp・・・・・▲6▼
これらの式より従来の重送阻止部材39の無い場合の不送り境界線(式▲2▼のb0線)はR/(μ1−μp)だけP方向(上側)に、重送境界線c0(式▲4▼のc0線)もR/ΔμpだけP方向(上側)に、それぞれシフトすることを示している(図示せず)。
【0042】
ここで、図9で説明した各種条件(フリクションパッド38としてゴムコルクを、給送ローラ36にノーソレックス系ゴム材を用いる等)をそのまま適用し、その上で重送阻止力R=0.7(N)とすれば、重送境界線(継ぎ足し有で、Δμp=0、2)は式▲6▼のc1−1よりc1−2に上昇し、適正領域(c1−2線の下側)を広く確保でき、継ぎ足し無しの場合(Δμp=0.06のc1線)と同程度の余裕度(幅k1)までになる。
【0043】
一方、不送り境界線(継ぎ足し有、Δμp=0、2における)は式▲5▼のa2−1)であり、(μ2−μ1)<0のため、負の傾きであるが、R/(μ1−μp)だけシフトすることでP=α0とオーバーラップする不送り境界線(a2−1)までになるが、この程度の重送阻止力Rであれば不送り側の余裕度(幅k2)が広い。重送阻止力Rをさらに上れば重送境界線c1−2の余裕度は上がるが、不送り境界線(a2−2)は余裕度(幅k1)が小さくなることを意味している。例えばR=1.5(N)では低いQ値の時に余裕度が狭まってしまうという懸念がある。
【0044】
この場合、不送りに注意して重送阻止力Rが適正な値に設定されれば、例えば図10のa2−2,c1−2線からなる適正領域e1が得られ、フリクションパッド分離方式の課題であった用紙Sの継ぎ足し時に上下記録材間の摩擦係数差△μp(=μp12−μp23)が、例えば0.15〜0、2と大きくなる場合における、重送を確実に防止できることが分かる。
次に、このような重送阻止力Rが得られ、その上で、その他の副作用(用紙S先端の析れ曲がり)が発生しない重送阻止部材39と関連部材との構成を図4、5で更に説明する。
【0045】
即ち、フリクションパッド38の重送阻止面faの阻止面角度γが急峻すぎると、副作用として、衝突時に用紙先端が析れ曲がり(図4で下方向に)、場合によっては不送りとなる。そこで、用紙先端の折れ曲がりや不送りは用紙Sと重送阻止部材39との摩擦係数μ3との相関にあり、これを発生させない阻止面角度γを求める。
まず、フリクションパッド38と給送ローラ36が接触し、用紙Sを挟持するニップ部の用紙搬送方向下流側(図4で左側)の出口をニップ出口x1とする。ニップ出口x1の用紙搬送方向下流側でパッド面fbの延出面fb’と重送阻止面faの延長面fa’とが交差する角度(δ〜γ)のうちの最大角度を阻止面角度γとして設定する。これは重送阻止面faの裾部z側が図5に示すように湾曲していることによる。
【0046】
用紙先端が重送阻止面faへ当接力Faで当接した際、用紙先端が重送阻止面faに沿って用紙搬送方向下流側に移動できる条件、即ち、重送阻止面faが示す摩擦力μ3で用紙先端が座屈しないようにする条件は次のようになる。
図4に示すように、用紙搬送方向下流側(図4で左側)への給送力、即ち、当接力Faの用紙搬送方向下流側の方向の成分(Fa×cosγ)が重送阻止面faと用紙先端との間の摩擦抵抗力である重送阻止力R(=μ3×Fa×sinγ)を上回ることである。即ち、
Fa×cosγ>μ3×Fa×sinγ
この不等式を整理すると、
tanγ<1/μ3・・・・▲7▼
ただし、摩擦係数μ3の測定方法の違いや用紙Sの3次元性の影響から式▲7▼は必ずしも成り立たないため、ここでは、式▲7▼の成立性を確保するための補正値として5°を減じた値(γ=tan-1(1/μ3)−5°)を採用し、これにより、摩擦係数の測定方法によらずに、重送阻止面faに用紙Sの先端が当接した際の不送りや先端折れが発生しないことが確認された。
【0047】
次に、図1の記録材給送装置2の分離機構部Bは重送阻止部材39に、用紙Sの先端が衝突後、2枚目以下の用紙Sは重送阻止部材39に留まり分離され、最上位置の用紙Sのみが搬送される。この時、厚さt1の用紙Sは重送阻止部材39と給送ローラ36との隙間qをすり抜ける必要がある。この時、隙間qが用紙厚t1以下であると、程度にもよるがこの部分が搬送抵抗となり、給送ローラ36のトルクアップが必要になったり、パッド加圧力Qが変動する原因となる場合がある。そこで、図1、2に示す分離機構部Bでは、給送ローラ36の回転中心から重送阻止部材39までの近接距離Gから給送ローラ半径r1を引いた値である隙間q(=G−r1)が用紙Sの厚さt1より大きくなるよう、即ち、式▲8▼を満たすよう設定される。
【0048】
G−r1>t1・・・・▲8▼
これにより、分離機構部Bは給送ローラ36の必要トルクが過度に大きくなることを確実に抑えることができる上に、安定した分離性能が得られた。
【0049】
なお、式▲8▼を採用した図1の記録材給送装置2の分離機構部Bと異なり、隙間q(=G−r1)が用紙Sの厚さt1より小さくなるようあえて設定し、これにより、分離機能を特に高めるように構成しても良い。更に、隙間q(=G−r1)が用紙Sの二枚の厚さ(t1×2)より小さくなるよう設定してもよい。この場合、隙間qが記録材の二枚の厚さより小さいことで、一枚のみが隙間qを容易にすり抜けできるので、確実に重送を防止でき、分離機能を高めることができ、しかも、給送ローラの必要トルクが過度に大きくなることを抑えることができる。
【0050】
このように、重送阻止部材39が生じる重送阻止力Rは、重送阻止部材39の用紙Sとの間の摩擦係数μ3、阻止面角度γに依存するが、この他にも用紙Sの種類(断面2次モーメント×ヤング率の曲げ剛性)、変形する用紙Sの長さ(狭持部出口x1から用紙S先端(阻止面起点)x2)までの距離L1、重送阻止部材39の有効幅Bに依存して発生する。
【0051】
そこで、図1、2に示す分離機構部Bでは、対応紙種相当の距離L1の適正値を求めた。ここでは、通常使用されている給送ローラ36(r=16mm)とフリクションパッド28の幅と同等の幅C(=50mm)で重送阻止部材39を形成した。しかも、重送阻止部材39はパッド支持部材46と同一材料(プラスチック製で摩擦係数μ3(=0.45))で阻止面角度γ=60度を固定条件とした。その上で、給送トレー23での対応紙種(重量で52〜157g/m2)、ニップ出口x1から阻止面起点(阻止面角度γを定義した時の交点)x2の距離L1を変えて実験を行い、対応紙種相当の距離L1の適正値を求めた。この場合、隙間qは式▲8▼を充分に満足していた。
【0052】
その結果、157g/m2の用紙SでL=15mmで重送阻止部材39の高さhを28mmの場合、及び、52g/m2の用紙SでL=2mmで重送阻止部材39の高さhを0.5mmでそれぞれ裏用紙S(片面印刷済み)の継ぎ足しによる重送阻止と不送り不発生であることを確認した。
従って、L≦15mmであれば重送阻止部材39の材質(摩擦係数μ3)と角度γを適当に変え重送阻止力Rを調整することが可能であり、例えば、記録材としての用紙を用いた場合、紙種は157g/m2の乃至52g/m2のもの、及びその近傍の用紙Sとして、ほぼ、全部の市場の紙種に対応できる。
また、重送阻止部材39の有効幅Cを50mmとしたが、この値は重送阻止力Rとほぼ比例関係にあり(用紙Sの曲げ力は幅に比例するため)有効幅を変えることでも重送阻止力Rの調整は可能である。
【0053】
このように、図1のプリンター1に用いられた記録材給送装置2の分離機構部Bは上述のような式▲5▼〜▲8▼を満たすように、フリクションパッド38の材質(紙との間の摩擦係数μ1)と、給送ローラ36の材質(紙との間の摩擦係数μ2)と,重送阻止部材39の材質(紙との間の摩擦係数μ3)と、重送阻止部材39の阻止面角度γ及び対応紙種相当の距離L1とが選択された上で各部が形成された。しかも、ここでは、図2乃至4に示すように、給送ローラ36(r=16mm)とフリクションパッド38の幅C(=50mm)と同等の長さで重送阻止部材39を形成した。なお、重送阻止部材39はパッド支持部材46と同一のプラスチック材料で、摩擦係数μ3(=0.45))で、阻止面角度γ(=60度)で、ニップ出口33から阻止面起点までの距離L(=15mm)で、高さh=28mmで形成された。
【0054】
なお、場合により、図6に示すように、重送阻止部材39aをパッド支持部材46とは異なる材質として、別途形成した上で一体化しても良い。この場合、重送阻止部材39の摩擦係数μ3の調整が容易化される。
このような図1のプリンター1は、図示しない操作部によりスタート指令を受け、画像形成プロセスを駆動し、原稿画像のコピー作製に入る。
【0055】
即ち、レーザ書込装置からの画像光rでの光書き込みが感光体ドラム6に成され、形成された静電潜像がトナー像に現像され、このトナー像形成に連動して、用紙Sが記録材給送装置2からレジストローラ対17を経て感光体ドラム6の周速と同一速度で搬送されてくる。用紙Sには転写ローラ11によりトナー像が転写され、定着装置17を通過して定着され、排紙トレイ3に排紙される。なお、感光体ドラム6の表面の残留トナーはクリーニング装置12で掻き取られ回収され、クリーニング装置12を通過後の感光体面は図示しない除電ランプにより露光され、残留電荷を消去され、次の画像形成プロセスに備えられる。
【0056】
プリンター1の画像形成プロセス部の駆動時に記録材給送装置2が駆動する。その際、上述のような式▲5▼〜▲7▼を満たすよう、即ち、不送りに注意して重送阻止力Rが適正な値を採るように形成された分離機構部Bは、用紙Sの継ぎ足し時の重送及び不送りを防止でき、重送阻止部材39による先端折れや不送りの発生も防止できた。しかも、式▲8▼を満たすため、給送ローラ36の必要トルクが過度に大きくなることを抑えることができ、所定の分離性能が得られた。
また、分離機構部Bはパッド支持部材46と重送阻止部材39がプラスチックなどの型成型によって一体成形され、充分実現できる。このため、余分な摩擦部材を別途に用いることなく、コストの低い構成が実現できる。
このような記録材給送装置2を採用したプリンター1は、記録材給送装置2と同等の作用効果を得られ、シート給送時の不送り、重送、先端折れの発生を確実に排除でき、誤作動の無い安定した装置として商品性を向上できる。
【0057】
上述のところにおいて、図1の記録材給送装置2が用いた重送阻止部材39はパッド支持部材4およびフリクションパッド38の幅と同一の長さBで連続形成されていたが、これに代えて、図11(a)に示すようにパッド支持部材46に取り付けられる重送阻止部材39bを2分割しその長手方向の中間部間をカットし、左右半部39L、39Rで重送阻止部材39bを構成してもよい。更に、図11(b)に示すように2分割した重送阻止部材39bの左右半部39L、39Rをフリクションパッド38の両端外側にそれぞれ取り付けても良い。こられの場合も、用紙Sが変形するのは重送阻止部材39の有効幅(外側から外側)Bによるので、直状の場合と同様の分離機能を示し、特に、図11(b)の場合、図1の場合のような重送阻止面faの裾部zとフリクションパッド38の端部とのつなぎ部(図5の符号J)が排除され、この部位での用紙の折れ曲がりを低減できることとなる。
【0058】
更に、図1の記録材給送装置2が用いた重送阻止部材39はその裾部zが屈曲してフリクションパッド28につなぎ部Jで同一面を成するように形成されていたが、フリクションパッド38に対して搬送方向下流側に重送阻止部材39が位置することより、裾部zとフリクションパッド38のパッド面fbとのつなぎ部Jで公差寸法の影響で段差が生じることがあり、阻止面角度γより大きな角度のあたり面が生じ、これが不送りの原因となる可能性がある。
このような事態を避けるため、図12(a)、(b)に示すように、重送阻止部材39の搬送方向上流側の裾部zの端縁を、フリクションパッド38の搬送方向下流側のパッド面fbよりも下側、即ち、重送阻止部材39の搬送方向上流側の裾部zが給送ローラ36から離れるよう段状に形成される。これによりフリクションパッド38の裾部zと重送阻止部材39とのつなぎ部Jでの不送り発生を確実に防止できる。
【0059】
なお、図1の記録材給送装置2が用いた重送阻止部材39は重送阻止面faの裾部zが比較的小さな曲率半径で湾曲した上でフリクションパッド28のパッド面fbに連続するように形成されていた。この場合、用紙S先端がフリクションパッド38側に曲がり癖がついた場合に重送阻止面faの裾部zに衝突し、その部位の曲率半径が小さいと、不送りや先端折れが発生する可能性がある。
そこで、用紙Sが最初に重送阻止面faの裾部zに衝突する位置での重送阻止面角度(阻止面初期角度δ)を上述の阻止面角度γより小さく設定し、即ち、
γ>δ・・・・▲9▼
とする。ここでは、図12(b)に示すように、重送阻止部材39はその断面視における重送阻止面faの延出面fa’とフリクションパッド38のパッド面fbの搬送方向下流側の延出面fb’とが互いに交差する交差角が裾部zで比較的小さな初期交差角δとなり、頂部側(図12(b)で左側)に向かって増大し、重送阻止面faの主要部において最大値γを保つように形成されている。これにより、用紙Sの衝突時の抵抗力が緩和され、衝突時の不送りや先端折れの確率を低減させることができる。
【0060】
上述のところにおいて、プリンター1が用いる紙種はかなり広範囲のものとしていたため、重送阻止部材39の材質、形状等の条件(μ3、γ、L、有効幅B)は全ての種類の用紙Sに最適なものとは成らなかった。すなわち、薄紙の分離性能をあげると厚紙で不送りが発生し、厚紙で不送りせず分離性能を確保すると薄紙は重送のままとなる可能性があった。従って、単一の重送阻止部材39を用いた場合では、ある範囲の紙種に限定して使用せざるをえなかった。
そこで、図7のように、重送阻止部材39cを独立形成し、パッド支持部材46の一端部に重送阻止部材39cの挿入部51を嵌着する取付け部52を設ける。
【0061】
重送阻止部材39cは重送阻止面faを有する本体391と、本体391の低面から下方に延出する一対の縦嵌合部511(一方のみ図示する)と、本体391の重送阻止面の裾部近傍より突き出る傾斜凸部512とを備える。縦嵌合部511には横向きねじ穴513が形成される。パッド支持部材46の一端の取付け部52は、縦嵌合部511を嵌合する一対の縦穴521(一方のみ図示する)と、傾斜凸部512を嵌着する上向き凹部522と、パッド支持部材46の端部の側壁より縦穴521に達するように形成された横ねじ穴523とを備える。
ここで重送阻止部材39cの各縦嵌合部511を各縦穴521に嵌挿し、傾斜凸部512を上向き凹部522に嵌着し、各横ねじ穴523に止めねじ53を螺合する。止めねじ53は各横ねじ穴523及び横向きねじ穴513に連続して螺合され、これにより重送阻止部材39cの各縦嵌合部511を各縦穴521内に締め付け固定できる。
【0062】
ここでの重送阻止部材39cはその材質(μ3)、形状等の条件(γ、L、有効幅B)が、それぞれ厚紙用、中間紙用、薄紙用と別個に設定されて複数の重送阻止部材(図示せず)が形成され、これらは選択的に使用される。これにより、重送阻止部材39aをユーザーの使用したい用紙Sの種類に応じて適宜取り替え、紙種に適した分離機能を幅広く得ることができ、商品性を向上できる。
上述の記録材給送装置2は、記録材として用紙Sを用いることとして説明したが、これに限定されるものではなく、各種形状の用紙、各種材質からなるシート状の記録材を用いた記録材給送装置2として構成することもでき、これらの場合も同様の作用効果が得られる。
【0063】
上述のところで、画像処理装置としてプリンタ1を説明したが、これに限定されるものではなく、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、あるいは各種の印刷機等に本発明を適用しても良く、これらの場合も同様の作用効果を得られる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明は、重送阻止部材をフリクションパッドの通紙経路の下流側に設けることで、記録材継ぎ足しによる重送の発生を防止することができ、特に、重送防止部材の摩擦係数と記録材との当接角度を良好にすることができるので必要な重送阻止力が得られ、かつ不送りや先端析れが生じない分離機能を確保できる。更に、中間部分がカットされた重送阻止部材は直状の場合と同様の分離機能を発揮でき、特に、重送阻止部材の左右半部をフリクションパッドの両端外側にそれぞれ取り付けるようにすると、フリクションパッドの端部と重送阻止部材のつなぎ部が排除され、この部位での用紙の折れ曲がりを低減できる。
【0065】
請求項2の発明は、記録材先端が接触する面と延出面とが互いに交差する位置からニップの出口位置までの距離が15mm以下なので、重送阻止部材の分離機能を記録材の種類に規制されること無く発揮させることができる。
【0069】
請求項の発明は、重送阻止部材をホルダと一体型で作成することでコスト低減となる。
【0070】
請求項の発明は、重送阻止部材とフリクションパッドが隣り合う箇所でフリクションパッド最表面よりも重送阻止部材端面が奥まることで、つなぎ部の段差などに引っかかり不送りや先端折れが発生することを防止できる。
【0071】
請求項の発明は、重送阻止部材に紙先端が始めに衝突する位置の面の角度を阻止面角度より小さくすることで、衝突時の不送りや先端析れを防止できる。
【0072】
請求項の発明は、重送阻止部材を着脱可能とすることで、紙種に適した重送阻止部材を取り替えることができ、多種の紙種に容易に対応できる。
【0073】
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか一つに記載の記録材給送装置を選択的に採用することで、採用した記録材給送装置相当の作用効果を画像処理装置としても同様に有し、記録材給送時の誤作動の無い画像処理装置として商品性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての記録材給送装置を内蔵するプリンターの概略構成図である。
【図2】図1の記録材給送装置の給送トレーにおける分離機構部Bの部分拡大側断面図である。
【図3】図1の記録材給送装置の給送トレーにおける分離機構部Bの部分拡大平面図である。
【図4】図1の記録材給送装置の給送トレーにおける分離機構部Bの拡大機能説明図である。
【図5】図4の分離機構部Bの要部切欠拡大断面図である。
【図6】図1の記録材給送装置の給送トレーで用いる重送阻止部材及びフリクションパッドの斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態としての記録材給送装置で用いる重送阻止部材及びフリクションパッドの切欠分解断面図である。
【図8】従来の記録材給送装置の分離機能特性説明図である。
【図9】従来の記録材給送装置の一例としての給送ローラ、フリクションパッドを用いた場合の分離機能線図である。
【図10】図1の記録材給送装置の一例としての給送ローラ、重送阻止部材付きのフリクションパッドを用いた場合の分離機能線図である。
【図11】図1の記録材給送装置の給送トレーで用いる重送阻止部材付きのフリクションパッドの変形例を示し、(a)は変形例の斜視図を、(b)は他の変形例の平面図である。
【図12】図1の記録材給送装置の給送トレーで用いる重送阻止部材付きのフリクションパッドの更に他の変形例を示し、(a)は他の変形例の拡大側断面図を、(b)は他の変形例の裾部の切欠拡大断面図である。
【図13】従来の記録材給送装置の部分切欠断面図である。
【図14】図13の従来の記録材給送装置の分離機構部Bの用紙の1枚分離時の部分拡大側断面図である。
【図15】図13の従来の記録材給送装置の分離機構部Bの用紙の2枚分離時の部分拡大側断面図である。
【符号の説明】
1 プリンター
2 記録材給送装置
36 給送ローラ
38 フリクションパッド
39 重送阻止部材
46 パッド支持部材
B 分離機構部
C 重送阻止部材の有効幅
L1 記録材先端が接触する面と延出面とが交差する位置からニップの出口位置までの距離
S 用紙(記録材)
R 重送阻止力
r 通紙経路
fa 重送阻止面(記録材先端が接触する面)
fa’ 重送阻止面の延長面
fb フリクションパッド面
fb’ 延出面
γ 阻止面角度
μ3(μn) 重送阻止部材と記録材間の摩擦係数

Claims (7)

  1. 複数枚の記録紙が積層状態で保持されており、前記記録材に搬送方向下流側への送出し力を与える給送ローラと、
    同給送ローラに対して記録材を弾性的に押圧付勢するフリクションパッドとを備え、
    給送ローラとフリクションパッドとの間で送られるべき記録材を他の記録材から分離し、送出する記録材給送装置において、
    前記給送ローラと前記フリクションパッドとニップ部の搬送方向下流側に、長手方向の中間部分がカットされた重送阻止部材を設け、
    前記給送ローラとフリクションパッドが接触したニップにおけるフリクションパッド面の搬送方向下流側の延出面と前記重送阻止部材の記録材先端が接触する面とが互いに交差する角度の最大値γが、前記重送阻止部材と記録材間の摩擦係数μnから求められる角度tan−1(1/μn−5°)以下であることを特徴とする記録材給送装置。
  2. 前記最大値γを定義した記録材先端が接触する面と前記延出面とが互いに交差する位置から前記ニップの出口位置までの距離が15mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の記録材給送装置。
  3. 前記フリクションパッドを保持するホルダを備え、同ホルダが前記重送阻止部材と同一材質で一体成形されたことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一つに記載の記録材給送装置。
  4. 前記重送阻止部材の基端に前記フリクションパッドと対向する受継ぎ部を形成し、同受継ぎ部を前記フリクションパッド面の延出面よりも、前記給送ローラと反対側に離れて形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の記録材給送装置。
  5. 前記フリクションパッド面の延出面と前記重送阻止部材の記録材先端が接触する初期当接面とが互いに交差する角度が前記最大値より小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の記録材給送装置。
  6. 前記フリクションパッドを保持するホルダを備え、該ホルダに対して前記重送阻止部材が着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の記録材給送装置。
  7. 給送部から排紙部に至る通紙経路に記録材を通紙させる間に同記録材を介して画像処理を行う画像処理装置において、
    請求項1乃至6のいずれか一つに記載の記録材給送装置を前記給送部として備えたことを特徴とする画像処理装置。
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