JP3904746B2 - 半導体製造装置用部材およびその製造方法 - Google Patents

半導体製造装置用部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセラミックス部材を接合してなる半導体製造装置用部材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミックスは軽量、高剛性、高強度、高硬度という特徴を有し、また、耐熱性、耐食性に優れているという特性を活かし、構造部材・耐摩耗部材・耐触部材として広く使用されており、また、その期待も高い素材である。
【0003】
また、現在、半導体業界ではLSIの高集積化に伴い微細化が進み、パターン最小線幅は年々減少している。現在の設計線幅0.35μmであるが1998年には0.25μm、2001年には0.18μm、2004年には0.13μmへ移行すると予想されている。デバイスの製作に用いる露光方式は現在、光露光方式であるが、将来的には高精度・高品質な処理が可能な電子ビーム描画方式、X線描画方式に変更されるようになるといわれている。
【0004】
さらに、ウェハーサイズは、現在の200mmから2000年もしくは1999年に300mmへのサイズアップが予定されている。サイズアップに伴う描画面積の増大のため、より高精度な対応と高速描画対応の2点が半導体製造装置に望まれる。
【0005】
この時に用いられる露光装置は、図5に構成を示すように、光源にあたる照明学系11、石英マスク(レチクル)を搭載したレチクルステージ12、光線誘導用鏡筒13、シリコンウェハーを搭載したウェハーステージ14、レチクルステージ・鏡筒を支持する鏡筒定盤15、装置全体を支持する定盤16から構成される。
【0006】
露光装置は現在、縮小投影露光方式を採るものが主流である。露光装置ではウェハーを移動させつつ、ウェハー全面に数十回のパターンを順次露光していく。このため、露光装置では、ウェハーを高速にステップ移動し、高精度に位置決めする要素が描画速度向上の重要な構成要素となる。位置決め時間の短縮は、機構系自体の重量の軽減と、案内機構の精度向上が具体的なアプローチの手段といえる。
【0007】
Figure 0003904746
に示すように重量の軽減は、慣性力の軽減と同義である。
【0008】
具体的に、機構系の重量軽減についての選択肢は大きく以下の2点が考えられる。(1) 機構系を構成する部材に軽比重材料を使用すれば良く、例えば金属材料からセラミック材料に置き換わってきている。(2) 部材の設計変更し、軽量化を行えば良く、例えば部材設計を肉抜き構造・中空化構造とする対応が見られる。また、(1) 項と(2) 項の併用による対応も見られる。
【0009】
先に述べたように、セラミックスは高強度・高硬度である特性を有する反面、難削性の材料であるため、製品形状に制限が多い。従って、金属や樹脂と比較して、製品コストが高いのが実状である。製品コストを低く抑えるには、加工工数または、加工量を低減することが有効な方法の一つであり、単純な形状に作製したもの同士を接合する方法は具体的な手法である。そして、セラミックスの用途拡大のためにセラミックスの接合方法が研究されている。
【0010】
近年、金属同士、または、金属とセラミックスとを強固に接合する方法として有用なホットプレス法(HP法)または熱間等方加圧(HIP法)をセラミックス同士の接合に適用する研究が進められている。
【0011】
HP法とは、接合する部材をプレスパンチ部で挟持し、高温に加熱しつつ、パンチで一軸加圧することにより接合する方法である。HIP法とは、加圧媒体としてガスを使用する方法で高圧円筒内に構成される高圧容器内に接合する部材を加熱しつつ圧縮し、接合する方法である。これらの研究は、C.Scoffらによって行われている。日本では、特開平5−97530号公報等に研究事例が見られる。
【0012】
この他の方法では、酸化物を接合媒体として接合する酸化物ソルダー法がある。酸化物ソルダーには各種あり、PbOを多く含み、融点が300℃〜400℃程度かそれ以下の低融点ソルダーから、Al、CaO、MgO、ZrO、Y、ThO、Si、SiC、AlNなどを主成分とする融点が1200℃から2000℃以上に至る高融点ソルダーまで各種ある。ソルダー法の一般的な手順は、被接合体の接合面にソルダーを塗布し、同様に処理された部材の接合面を対向圧着の後、およそ500〜1200℃、大気雰囲気中で熱処理行う方法である。
【0013】
以上が磁器同士の接合であるのに対し、焼成前の成形体を用いた接合方法では、鋳込み成型法で得られた成形体同士を成形前前駆体である泥しょうを接合媒体とするノタ付けまたはヌタ付け、とも付け法と称すコーヒーカップの取っ手の接合方法として知られている接合方法がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記、接合方法の問題点を以下に述べる。
【0015】
HPまたはHIPは、一般的な設備の内径がおよそφ300〜400mmであり、これ以下の寸法の製品しか得られなかった。この設備内径では、現在、300mmウェハーに主流が移行しつつある半導体製造装置用部材適応できる製品は限定されるという問題があった。
【0016】
酸化物ソルダー法は、接合層に空気、水分等の気泡による欠陥または、ソルダー成分の凝集による接合特性バラツキが生じやすく、接合特性のバラツキは熱処理条件への依存が大きいため、制御が難しいという問題があった。
【0017】
成形体同士の接合方法であるノタ付け法は、鋳込み成形による成形体を用いる製法であるため鋳込み成形で適応できる成形体形状に限定されてしまう問題があった。
【0018】
以上のように、従来の接合方法では、さまざまな寸法、形状の製品に対応できず、また接合特性のバラツキという課題があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明では、前記の問題点を解決するために、大気雰囲気で、かつ常圧下での熱処理仕様とすることで製品寸法の制限を緩和し、また、セラミックス焼結体を使用することで形状の制限を緩和し、また、接合特性が良好でバラツキが少ない製品の提供を可能とするべく、以下の仕様を確立した。
【0020】
本発明では、複数のセラミックス部材の接合面を接合材として酸化物ソルダーで被覆した後、ソルダー層厚みと平面度を整え、該接合面を対向させたまま熱処理を行う。具体的には、空気および水分による欠陥は、ソルダー内から表面への移行をスムーに行わせるために、オープン状態で熱処理温度をソルダー融点よりも十分に高く設定することで低減することが出来る。ソルダーの凝集は、ソルダー厚み0.2mm未満に制御して表面に塗布することで抑えることが出来る。ここまでの仕様にて、ソルダー層欠陥・凝集は解決することが出来る。
【0021】
次に、この接合前駆体の表面を平面度50μm未満、ソルダー層厚み20〜50μmに研磨し、このソルダー被覆面を互いに対向させ圧着した状態で700〜1100℃で熱処理行うことで欠陥・凝集のない接合体を得ることが出来る。
【0022】
また、本発明は、上記接合材を成すソルダーとして、セラミックス部材に対して90〜97%の熱膨張係数を有する、SiO 、B 、ZnOおよびNaで、または、SiO 、B 、ZnO、Al およびNa で構成された接合材を使用することにより、内部が中空構造である半導体製造装置用部材を得られるようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図によって説明する。
【0024】
図1(a)に示す構造体1は半導体製造装置用ステージ等に利用されるセラミックス製板状体であるが、これを図1(b)に示すようにセラミックス製の天板2と箱材3に分割製作し、図1(c)に示すように接合することで本発明の半導体製造装置用部材としてのセラミックス構造体4を得ることができる。このセラミックス構造体4は、中空で軽量部材とすることができる。
【0025】
図2(a)に示す構造体1は、図1と同様のステージに配線部材5を接合したものであるが、これを図2(b)(c)に示すようにセラミックス製の天板2と箱材3に分割製作し、接合することで本発明の半導体製造装置用部材としてのセラミックス構造体4を得ることができる。これは、中空、軽量でかつ配線部材5を中空内部に収納することでコンパクト構造とすることができる。
【0026】
図3(a)に示す構造体1は定盤であるが、これを図3(b)(c)に示すようにセラミックス製の平定盤6と支持部材7に分割製作し、接合することにより本発明の参考例としてのセラミックス構造体4を得ることができる。これは、一体製作で発生する加工代、原料ロスを低減させ、安価部材を供給することを可能とし、半導体製造装置の支持部材に利用することができる。
【0027】
図4(a)に示す構造体1は、半導体製造装置用ステージ、チャックに利用するテーブルであるが図4(b)(c)に示すように、これを天板2と溝付き支持台8に分割製作し、接合することにより本発明の半導体製造装置用部材としてのセラミックス構造体4を得ることができる。これは、温度調整用配管を内蔵する付加機能付き部材とすることができる。
【0028】
以上のセラミックス構造体において、接合材を成すソルダーは、被接合体となるセラミックス部材の熱膨張係数に対して、90〜97%の熱膨張係数を有するものを用いる。
【0029】
基本的には熱膨張差が無いことが望ましいが、熱処理後の冷却時、セラミックス部材がソルダー部を圧縮する形態、すなわちソルダーの熱膨張係数がセラミックスより小さいことが安定な接合体が得られやすい傾向にある。この点からソルダーの熱膨張係数は、セラミックス部材に対して97%以下のものを用いる。ただし、熱膨張差が大きくなると圧縮破壊を引き起こすようになるため、ソルダーの熱膨張係数は、セラミックス部材に対して90%以上とする。
【0030】
以上の理由で、接合部に圧縮が加わる構造とすることにより、安定したセラミックスの接合が可能となる。
【0031】
なお、ソルダーの熱膨張係数を上記範囲に調整するためには、ソルダーとして、SiO 、B 、ZnOおよびNaで、または、SiO 、B 、ZnO、Al およびNa で構成されたものを用いればよく、上記各成分の比率を調整することによって、自由にソルダーの熱膨張係数を調整することができる。
【0032】
また、最終的なソルダーの熱膨張係数は、ソルダーを成す各成分の組成比率から求められる。例えば、Al2 3 の熱膨張係数は7ppmで、SiO2 は0ppmであることから、ソルダーの熱膨張係数を3.5ppmとしたい場合、Al2 3 とSiO2 を体積比率で1:1の組成比率とすれば良い。
【0033】
ただし、実際には互いの反応生成物が存在するため、正確な計算はその反応生成物の存在比率を計算式に加えなければならない。
【0034】
なお、ソルダー自体からの熱膨張係数の測定は、測定用試験片を製品の接合部ごと切り出し、先ず、全体の熱膨張係数を測定する。次に被接合体となるセラミックスの総長さの試験片に占める比率を求め、セラミックスの熱膨張係数から試験片中の伸び率を求める。従って、全体の伸び率との差が接合層の伸び率となり、以上の作業から、接合層の実際の熱膨張係数を求めることが出来る。
【0035】
また、接合に用いるソルダーの溶融点は、出来るだけ低いことがセラミックスの熱劣化を防ぐために望ましい。例えばAl2 3 とSiO2 の組成では、融点が期待するほど下げられないような場合、さらにB2 3 を加えるとソルダーの融点を下げることが出来る。
【0036】
以上のように、ソルダーの選定には、熱膨張係数と溶融点の要素を基準に行い、SiO 、B 、ZnOおよびNaの、または、SiO 、B 、ZnO、Al およびNa の組み合わせによるものが有効である。以上の組み合わせの結果、熱膨張係数で2.0〜9.8ppmの設定と溶融点で00〜1100℃の設定が可能となる。
【0037】
また、本発明におけるセラミックス部材の対象セラミックスとしては、酸化物セラミックスでは、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。非酸化物セラミックスでは、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン等が挙げられる。
【0038】
次に、本発明の半導体装置用部材の製造方法における接合方法について説明する。
【0039】
先ず、被接合体となるセラミックス部材を準備する。セラミックス部材の接合面は、平面度20〜40μm、表面粗さRa0.2〜0.5μmに研磨・ラップ加工行う。加工後、接合面を400〜500℃にて熱処理の後、アセトンを使用して脱脂処理行う。
【0040】
次に、ソルダーはペースト状に調整するため、粉体充填率50〜60体積%の割合で樹脂と有機溶媒混合する。原料粘度40〜80PaSとなるように粉体充填率と樹脂/有機溶媒比率を調整する。
【0041】
次に、ソルダーを接合面へ塗布する。塗布は、#100〜#200のスクリーンを使用し、膜0.1〜0.2mmに設定し行う。塗布後、ソルダーを700〜1100℃にて熱処理しソルダーを被接合体に焼き付ける。
【0042】
焼付け後、接合面の研磨・ラップ加工を行い、平面度50μm未満、ソルダー層厚み20〜50μmとする。加工後、接合面アセトンを使用して脱脂処理行う。以上の手順にて準備された接合前駆体を接合面同士を対向した後、700〜1100℃にて熱処理行い、接合体を得る。
【0043】
以上のようにして得られた本発明の半導体製造装置用部材としてのセラミックス構造体の用途は、半導体製造装置用の部材として、ステージ部材、支持支柱、テーブル、治具(ホルダー)、ガイドレール、スライダー、計測用部材等に用いることができる。
【0044】
【実施例】
実施例1
セラミックス部材の試験片として、アルミナセラミックス(アルミナ純度99.5%、比重3.85)を用い、試験片形状は10×10×20mmとした。その熱膨張係数は、7.2×10-6/℃(測定範囲;室温〜500℃)である。以下のような接合を行い、それぞれ接合状態の良否は、接合面積率が95%以上であれば良好接合体と判断することとした。
【0045】
酸化物ソルダーは、以下の▲1▼〜▲5▼の材料を選定した。それぞれ、かっこ内は室温〜500℃の熱膨張係数を示す。
【0046】
1.ZnO−B−SiO 4.8×10−6/℃)
2.SiO−BaO−B−Al 6.0×10−6/℃)
3.SiO−B−ZnO−Na O(6.5×10−6/℃)
4.SiO−B−ZnO−Al−NaO(6.9×10−6/℃)
5.SiO−B−Bi−Na O(8.4×10−6/℃)
これらについてソルダーが凝集することなしに気泡を生じさせない温度条件の確認を行った結果、700〜1100℃であることが確認できた。確認は接合部の観察で空隙の存在の有無で判断を行った。ソルダーの凝集に対しては、昇温速度50℃/hが効果的な条件であることを確認できた。これは、熱処理温度一定の場合、昇温速度が遅くなるほど総熱量が増加するため、ソルダーの凝集を促進することが要因と考えられる。
【0047】
作業の手順は、上記試験片の端面にスクリーン印刷法にて、厚み0.1〜0.2mmでソルダーを塗布した後、上記温度設定で熱処理行う。塗布厚みは、0.2mmを超えると凝集が見られるようになるため前記条件に設定を行った。以上の工程で、被接合材の表面にソルダー被膜を有する接合前駆体が得られる。
【0048】
次に、ソルダー被膜を平面度50μm未満となるように研磨加工を施す。平面度50μmの仕様で得られる特性は、平面度が更に小さい値となる表面条件であっても同等の特性が得られることが予想できる。最終的に、膜厚み20〜50μmに仕上げを行った接合前駆体のソルダー被覆面を対向させ、先に述べた温度条件で接合処理を行った。接合処理温度は、800℃とした。加重は特に設定しなかった。得られた接合体の接合層厚みは30〜80μmであった。
【0049】
得られた接合体を4点曲げ試験法で曲げ強度の測定を行い、サンプル数5本の平均値を求めた。また、超音波探傷法で得られた接合層マップから接合面積率(=接合面積/接合総面積)を求めた。
【0050】
結果を表1に示すように、▲3▼、▲4▼のソルダーで良好な接合状態の接合体が得られ、試験片をなすセラミックスの熱膨張係数7.2×10-6/℃に対し、90〜97%の範囲内のソルダーを用いれば良いことがわかる。
【0051】
なお、ソルダーの成分として、Al2 3 、SiO2 、MgO、CaO、Y2 3 、B2 3 、Bi2 3 、ZnO、ZrO2 、Na2 O等のいずれの成分を用いても、熱膨張係数値を被接合材の90〜97%に合わせれば、同様に良好な接合体が得られた。
【0052】
【表1】
Figure 0003904746
【0053】
ソルダーの熱膨張係数が90%未満または97%を超えた場合、接合部には引っ張りまたは圧縮応力の発生による接合部の剥離が発生すると考えられる。その現象が接合面積率の低下となって現れていると考えられる。
【0054】
また、比較例として単純にソルダーを試験片の間に挟んだだけで熱処理を行った接合体についても同様の測定を行った。結果を表2に示すように、接合強度および接合面積率ともに低い値であった。
【0055】
【表2】
Figure 0003904746
【0056】
以上の結果、アルミナセラミックスの接合において、熱膨張係数6.5×10 −6 /℃及び6.9×10−6/℃(セラミックスの熱膨張係数に対して、それぞれ90%、97%)のソルダーを使用して、被接合材の表面に被覆後、表面を平面度50μmに仕上げ、対向させ圧着して800℃で処理することによって良好な接合強度が得られた。
【0057】
実施例2
実施例1に記載のアルミナセラミックスを用いて、図1に概略図を示す300×280×15mm、肉厚3mmで内部が中空構造のセラミックス構造体を作製した。
【0058】
比較例として、同じ外径の中実体を作製した。それぞれの重量・固有振動数を計算したところ、表3に示す通り、本発明の半導体製造装置用部材としてのセラミックス構造体は、中空化により、製品重量は中実体の72%となる。肉厚を更に薄くすることで重量の軽減は可能となるが製品強度・剛性が低下することが予想されるため、肉厚3mmに限定した。なお、接合は、接合材に実施例1の素材を選定し、800℃で熱処理を行った。接合面の処理も平面度20μmとし、対向接合仕様とした。
【0059】
実際に作製されたセラミックス構造体の重量、固有振動数を実測した結果は表4の通り、表3に示す計算値と同様の値であった。
【0060】
【表3】
Figure 0003904746
【0061】
【表4】
Figure 0003904746
【0062】
次に、得られたセラミックス構造体の信頼性評価を行った。評価は、セラミックス構造体に下記の熱サイクル試験と加速度試験を行い、試験前後での固有振動数の変化発生の有無で判断した。
【0063】
熱サイクル試験は、−30℃→室温→80℃→室温を1サイクルとして、100サイクルの熱サイクル試験を行った。加速度試験は、3G(200Hz、正弦波振動)の加速度を720時間与えた。
【0064】
試験結果を表5に示すように、本発明のセラミックス構造体は、固有振動数に変化は生じることがなく、本発明による接合体の信頼性を確認することができた。
【0065】
【表5】
Figure 0003904746
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数のセラミックス部材同士を、該セラミックス部材に対して90〜97%の熱膨張係数を有する、SiO 、B 、ZnOおよびNaで、または、SiO 、B 、ZnO、Al およびNa で構成された接合材を使用して接合したことによって、高い接合強度と信頼性を有する内部が中空構造の半導体製造装置用部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の半導体製造装置用部材としてのセラミックス構造およびその製造方法を示す図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の半導体製造装置用部材としてのセラミックス構造およびその製造方法を示す図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明の参考例としてのセラミックス構造およびその製造方法を示す図である。
【図4】(a)〜(c)は本発明の半導体製造装置用部材としてのセラミックス構造およびその製造方法を示す図である。
【図5】半導体製造装置の一例である露光装置の概略図である。
【符号の説明】
1:構造体
2:天板
3:箱材
4:セラミックス構造(半導体製造装置用部材)
5:配線部材

Claims (3)

  1. SiO 、B 、ZnOおよびNaを、または、SiO 、B 、ZnO、Al およびNa を調合し、被接合材であるセラミックス部材の90〜97%の熱膨張係数とした接合材を用いて、複数の上記セラミックス部材同士を接合した、内部が中空構造であることを特徴とする半導体製造装置用部材。
  2. 前記接合材が、SiO、B、ZnO、AlおよびNaOで構成されたことを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置用部材。
  3. 複数のセラミックス部材同士の接合面に、該セラミックス部材に対して90〜97%の熱膨張係数を有する、SiO 、B 、ZnOおよびNaで、または、SiO 、B 、ZnO、Al およびNa で構成された接合材を焼き付け、その表面を平面度50μm以下とした後、圧着して700〜1100℃で熱処理する工程からなる半導体製造装置用部材の製造方法。
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