JP3904613B2 - 電気機械のための波巻線を作製するための方法および装置 - Google Patents
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Description
本発明は、合衆国特許第4857787号明細書に記載の電気機械のための波巻線を作製するための方法および装置から出発する。ここでは三相交流発電機の各々の相の巻線は最初に円筒形または多角形に所要の巻き数で巻き取られて星状に成形される。その後で巻線が2つの半部に分割されて両半部が相並ぶ。その後で両半部を旋回させて、一方の巻線半部の星状のループもしくは波の隙間にそれぞれ他方の巻線半部のループが位置するようにする。その後で、こうして準備された1つの相の波巻線が、公知の仕方で軸方向で固定子積層鉄心のスロット内に導入される。同様に、次に三相交流発電機の第2の相および第3の相の巻線が順次予備成形され、分割され、互いにずらされて上下に旋回させられ、固定子積層鉄心内に導入される。
この方法では相巻線をそれぞれ2つの部分に分割すること、および相対して旋回させることが比較的厄介であり、大量生産用の自動処理装置によって、故障しやすい多数の製造工程によってしか実現できない。
本解決手段により、互いにずらされた波を有する2分割された波巻線の自動大量生産を単純化し、改善しようとする。
発明の利点
請求項1および請求項3に記載された本発明による方法およびそのために設けられた互いにずらされた波巻線半部を作製するための装置は、次のような利点を有している。すなわち、すでに巻き鐘上で連続して相前後して巻かれた両巻線半部が互いに反対の巻き方向に巻かれて星状に成形される。次いで、両巻線半部の間で成形された巻きループを介して、両巻線半部が相反的に左または右に向かって極ピッチだけずらされ、それから両巻線半部の星状に形成された波が互いに極ピッチだけずらされている。次に、このように予備成形された波巻線は公知の仕方で発電機の固定子積層鉄心内に導入される。同様に三相交流発電機の3つすべての相巻線が波巻線として個々に作製され、順次固定子積層鉄心内に導入される。このようにすることによって、互いにずらされた巻線半部を有する波巻線は巻きステーションにおいて簡単かつ確実に少ない作業工程で作製され、導入ステーションに引き渡される。
図面
以下に、本発明の詳細を実施例において図面に示し、詳しく説明する。第1図は、第1のコイル半部の概要図を示しており、第2図は、巻き方向を逆にしたループの巻きを示しており、第3図は、第2の巻線半部の巻きを示しており、第4図は、巻き装置とその下に配置された導入工具を示しており、第5図は、星状に予備成形された波巻線を示しており、第6図は、一方の半部が導入工具内にかき落とされている波巻線を示しており、第7図は、上側巻線半部の回動を示しており、第8図は、導入工具内の完成した波巻線を示しており、第9図は、波巻線を導入した後の導入工具の縦断面図を示しており、第10図は、分割された波巻線を有する固定子積層鉄心を示しており、第11図は、3つの相巻線を有する完成した固定子を示している。
実施例の説明
第11図に示す三相波巻線11を有する固定子10を製造するために、互いにずらされた巻線半部12aおよび12bを有する3つの相巻線12の各々が第4図に示す巻き装置13上で予備作製される。第1図〜第3図は第10図に基づくそのような波巻線12の作製を概略的に示している。ワイヤクランプ14は第1図bに示す巻線ワイヤ15の端部15aを成形ジョー16の下側端部に固持する。第1図aに従い6個のこのような成形ジョーが巻き装置13内に星状に配置されている。この際に、巻線ワイヤ15はワイヤノズル17を通して貯蔵ドラム(図示しない)から抜き取られる。成形ジョー16は第4図に示す巻き装置13の巻き鐘18内に半径方向で可動に配置されている。第1の巻線半部12aを作製するために、成形ジョー16が巻き鐘18により時計方向に回転され、その結果として4本の完全な巻線を有する第1の巻半部12aが多角形で生じる。
ここで巻き装置が停止されるが、このとき成形ジョー16aはワイヤノズル17の高さに留まっている。第2図から、成形ジョー16aがその前側の範囲にセグメント状の切欠19を有していて、この切欠内に軸方向に延びたウェブ状のループ通し20が留まっていることが判る。このときワイヤノズル17がこのループ通しに引き寄せられ、巻線ワイヤ15がワイヤノズル17から出てループ通し20を巡って下方から上方に案内され、その際に成形ジョー16および16aは巻き鐘18と一緒に軸方向で下方に移動される。
このとき巻き鐘18は時計と反対方向にさらに回転され、ワイヤノズル17は再び外側の位置に戻される。第2図bに見られるように、このときノズル通し20に巻きループ21が生じる。
第3図に従い、次に第2の巻線半部12bが反対の巻き方向で巻き鐘18の相応の回転数によって作製される。
第4図は、波巻線12を作製するための巻き装置13の斜視図を示している。ここでは、巻き鐘18の下側に6個の成形ジョー16が多角形配置において、半径方向内側に向かって延びている軸22上で移動可能に配置されていることが判る。この場合、駆動装置16bは空気圧、ボーデンケーブルまたはその他の手段によって作動される。成形ジョー16の間には、それぞれ成形レバー23が配置されており、これらの成形レバーも同様にそれぞれ1つの駆動装置23aを介して半径方向に配置された軸24に沿って空気圧、ボーデンケーブルなどにより移動可能である。第4図には、6個の成形レバー23がそれらの外側の位置で内側に向かい上方旋回させられた状態で示されており、これらの成形レバー23は第1の巻線半部12aおよび第2の巻線半部12bを巻く際に巻き範囲内に突入できない。成形ジョー16の裏側では、それぞれ一方のかき落とし部材25が軸方向に移動可能に配置されており、第1の巻線半部12aの上方ではかき落としアーム25aで、また第2の巻線半部12bの上方では他方のかき落としアーム25bで突出しているが、これは第1図b〜第3図bでも判る。巻き鐘18は駆動装置26により矢印の方向で両回転方向に回転可能であり、かつまた軸方向に移動可能である。
巻き鐘18の下方には、受容冠28とこれに対して半径方向内側に位置する導入ニードル29(第8図に示す)とを有する導入工具27がある。導入ニードル29の間で受容冠28には長手方向スリット30が設けられている。導入工具27は旋回可能な工具盤31上に載っているが、これは場合によって高さ調節も可能である。
その後の方法ステップにおいて、上側巻線半部12aと下側巻線半部12bとが第5図に従い同時に星状に成形されるが、このことは6個の成形ジョー23が最初に駆動装置23aによって垂直方向にフラップ式に開き出され、次に第5図に矢印で略示されているように軸24に沿って半径方向内側に動かされることによってなされる。この場合、同時に成形ジョー16が追従して軸22に沿って半径方向内側に移動されるが、これも同様に第5図に相応の矢印で示されている。このとき両巻線半部12aおよび12bは互いに上下に間隔を置いて成形ジョー16および成形レバー23上に星状に載っている。
その後のステップでは、成形ジョー16が第5図に示す矢印方向に3mm動かされ、コイル12の緊張が低減され、ワイヤクランプ14が開かれ、それから第6図に従いかき落とし部材25で下側巻線半部12aが成形ジョー16からかき落とされて、その星状の脚辺部で導入工具27の受容冠18の長手方向スリット30内に保持される。この際に、上側の巻線半部12bは同様にかき落とし部材25bによって下方に移動されるが、まだ成形ジョーの下側範囲に留まっている。このとき上側巻線半部12aと下側巻線半部12bとは、巻線ループ21を介して互いに接続されている。
次の方法ステップでは、巻き鐘18が12極の波巻線12の極ピッチp、すなわち30°だけ矢印の方向で左方向に回し戻され、その結果として両巻線半部12aおよび12bの星状に形成された波は互いにずらされている。この場合、巻線ループ21は左に向かって倒されて、同様に上側巻線半部12bの経過に従う。
その後の方法ステップでは、上側巻線半部12bもかき落とし部材25で成形ジョー16からかき落とされ、導入工具の受容冠28に設けた長手方向スリット30内に導入される。第8図に示すように、このとき両巻線半部12aおよび12bの波は互いに対称的にずらされて受容冠28の長手方向スリット30内に位置している。この状態でかき落とし部材25が再び持ち上げられる。成形レバーは再び外側の位置に戻されて、第4図に示す初期位置に後退旋回し、巻き鐘18は上方に移動する。受容冠28の上側部分28a(第4図)に固定子積層鉄心32が固定される。次に工具盤31が第9図に概略的に示された導入ステーション34に向かって旋回する。ここでは予備成形された波巻線12が公知の仕方で導入ラム33によって固定子積層鉄心32のスロット内に導入され、上側の巻きヘッド12cが後押しジョー35によって第10図から見て取れる位置に半径方向外側に向かって押される。さらにこのステーションでスロット閉鎖も行われる。このような仕方で、これらの両巻線半部によって両側に固定子積層鉄心32の外周にわたって交互する巻きヘッド12cが形成される。この際に固定子積層鉄心32は積層緊定リング36により受容冠28上に保持される。
上述の仕方で第4図に従う巻き装置で別の波巻線が作製され、星状に成形される。次いで、両巻線半部は上述のように極ピッチだけ相反的に回動され、次に導入工具によって受容されて、最後に固定子積層鉄心内に第1の波巻線と並んで専用に設けられたスロット内に導入される。同様に第3の波巻線の作製および導入も行われるので、最後に第11図に従い三相波巻線11を有する完成した固定子が出現した。ここでは三相交流波巻線の3相の始端部と終端部はU、V、WおよびX、Y、Zで示されている。
それぞれ互いに反対方向にずらされた波巻線半部を有するこれらの波巻線において、固定子積層鉄心32内のスロット占積率は1部分からなる波巻線に比べて最大10%高められる。比較的大きい出力を有する発電機では、さらに比較的大きい断面積の1本の巻線ワイヤの代わりに、相応に小さい断面積の2本またはそれ以上の巻線ワイヤが互いに平行に巻かれ、接続されることによってもスロット占積率が高められる。
第4図に示す巻き装置で両巻線半部12aおよび12bを相反的に旋回させることは、同様に上側巻線半部12bを下側巻線半部12aに対して右側に向かって回動させることによっても行うことができる。この場合、巻きループ21は第7図に示すように上側巻線半部12bに向かって反転せずに、下側巻線半部12aに向かって反転するであろう。この場合に下側巻線半部12aがより長くなり、上側巻線半部12bがより短くなることのないように、下側巻線半部12bの巻線始端部と上側巻線半部12aの巻線終端部とは相応に位置決めされなければならない。同様に両巻線半部12aおよび12bが交互に反対の巻き方向で(つまり第1の半部は右回り、第2の半部は左回りに)成形ジョーに巻き取られることもできる。この場合、ループ通しは成形ジョー16aの右側に配置されなければならない。成形ジョー16aの中央にループ通し21を配置すると、巻き装置は両巻き方向に使用できる。
この場合、30°、すなわち極ピッチだけ回動することにより積層鉄心のスロット内部における両巻線半部の巻線区分の電流の流れは常に等しい。
スロット出口で波巻線は両方向で2つの半部に分割されるので、コイルヘッドで3本の巻線ストランドは常に隣接する相巻線の導線の半分の数でしか交差しない。その結果として、分割されない巻線に対してより扁平で、均一なワイヤ案内、電流雑音低下およびより良好な冷却を伴う巻きヘッドが提供される。
Claims (5)
- 電気機械、特に三相交流発電機の固定子のための波巻線を作製するための方法であって、3つの巻線相(12)の各々を2つの半部(12a、12b)に分割された波巻線(12)から形成し、この波巻線を少なくとも1つの連続する巻線ワイヤ(15)から円形もしくは多角形に巻いて波状星形に成形し、この際に両巻半部(12a,12b)を互いに極ピッチ(p)だけずらし、最後に固定子積層鉄心(32)のスロット内に一緒に通し、そうすることによって積層鉄心の両側にその外周にわたって両巻線半部の交互する巻きヘッド(12c)を形成する形式の方法において、
最初に第1の巻線半部(12a)を第1の巻き方向に円形もしくは多角形に巻き、次いで連続する巻線ワイヤ(15)を巻きループ(21)を介して反対の巻き方向に移行し、次に第2の巻線半部(12b)を反対方向に巻き、さらに両巻線半部(12aと12b)を有利には同時に同様に星形に成形し、最後に両巻線半部を相反的に極ピッチ(p)だけ回動させ、その際に両巻線半部(12aと12b)の間の巻きループ(21)を共に星形内に移行させることを特徴とする、電気機械のための波巻線を作製するための方法。 - 外周に配設された半径方向に可動な成形ジョー(16)を有する両回転方向に駆動可能な巻き鐘(18)上で、最初に第1の巻線半部(12)を成形ジョー(16)に巻き、次いで巻線ワイヤ(15)を有利には成形ジョー(16a)に配置されたループ通し(20)を介して反対の巻き方向のための接続ループ(21)を成すように成形し、次いで軸方向でずらして第2の巻線半部(12b)を回転方向を変えて成形ジョー(16)に巻き、それから両巻線半部を同時に外側から半径方向内側に向かって動かされる成形レバー(23)を用いて同時に、かつ同様に波状星形に成形し、その後で一方の巻線半部(12a)を巻き鐘(18)から収容器、有利には導入工具(27)に収容し、このとき残っている他方の巻線半部(12b)を有する巻き鐘(18)を有利には第1の回転方向に極ピッチ(p)だけ回動し、最後にこの巻線半部(12b)も巻き鐘(18)からかき落として、受容器内で第1の巻線半部(12a)の上方に収容する、請求項1記載の方法。
- 請求項1記載の方法により電気機械、特に三相交流発電機の固定子のための波巻線を作製するための装置において、
外周に配設された半径方向に可動な成形ジョー(16)を有する、両回転方向に駆動可能な巻き鐘(18)上で、第1の巻線半部(12a)が巻取り可能であり、さらにループ通し(20)が設けられていて、このループ通し(20)を介して巻線ワイヤ(15)は第1の巻線半部(12a)の端部で巻きループ(21)を介して第2の巻線半部(12b)に移行可能であり、その後で反対方向で成形ジョー(16)に巻取り可能であり、さらに成形ジョー(16)の間にそれぞれ半径方向で外側から内側に移動可能な成形体、特に成形レバーが配置されていて、この成形レバーを用いて両巻線半部が有利には同時に星形に成形されることを特徴とする、電気機械のための波巻線を作製するための装置。 - 成形ジョー(16)の範囲に両巻線半部(12aと12b)のためにかき落とし部材(25)が軸方向に移動可能に配置されており、これらのかき落とし部材(25)により最初に下側の巻線半部(12a)がかき落とされ、この巻線半部(12a)を上側の巻線半部(12b)に対して極ピッチ(p)だけ回動して、巻きループ(21)が共に星形に移行するようにした、請求項3記載の装置。
- 少なくとも1つの成形ジョー(16)に、成形ジョー(16a)の前側に設けたセグメント状の切欠(19)内の軸方向ウェブとして形成されたループ通し装置(20)が配置されている、請求項3または4記載の装置。
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