JP3903637B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用交流発電機に用いられる固定子として、複数の導体セグメントを接合することにより形成された巻線を有するものが従来から知られている。例えば、WO92/06527には、U字状の複数の導体セグメントを固定子鉄心の一方の端面側から挿入した後に、反挿入側の端部同士を接合することにより巻線が形成された固定子が開示されている。この固定子は、連続した導体巻線を巻いて巻線を構成する場合に比べて、規則的に配置された巻線が形成しやすいという特長がある。また、同じようにU字状の導体セグメントを用いて巻線が形成されているものとして、WO98/54823に開示された車両用交流発電機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したWO92/06527に開示された車両用交流発電機においては、固定子鉄心の各スロットに挿入された導体は、異なるスロットに収納されたもの同士の端部が接合され、それぞれの接合部が固定子鉄心の形状に沿って円周方向に等間隔に並んで配置されている。例えば、各スロットには4本の導体が収容されており、一のスロットから同じ方向に延びた2本の導体の端部と、他のスロットから同じ方向に延びた2本の導体の端部とがそれぞれ接合され、この2つの接合部が円周方向に沿って一列に配置されている。このとき、同一のスロットから引き出される導体セグメントの2つの接合部は接近し、異なるスロットから引き出される接合部は離れており、接合部の間隔が一様でなかった。このため、近接した接合部においては、溶接電極の干渉防止等の対策が必要になり、また接合部の間隔を等しくするためには、導体セグメントを固定して曲げ加工する治具100、102を、同一スロットの同じスロット深さ位置にある導体セグメントごとに設ける必要があり、製造工程が複雑になるという問題点があった。また、車両用交流発電機は、塩水やカーシャンプーなどの電解液にさらされるといった厳しい環境の下で使用されることが多いため、近接した接合部間が短絡して発電異常を起こすおそれがあり、耐環境性が悪化するという問題があった。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、製造工程の簡略化が可能であり、耐環境性に優れた車両用交流発電機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明によれば、固定子は、複数のスロットを有する固定子鉄心と、前記スロット内で回転周方向に沿って複数列が収納される複数の導体セグメントとを有し、複数の前記導体セグメントは、前記スロット内に収納される直線部と、回転軸方向に沿った前記スロットの両側に突出して互いに周方向に沿って反対の向きに傾斜する2つの斜行部と、前記斜行部の端部に形成される2つの接合部とを含んでおり、前記2つの斜行部の周方向長さは異なり、前記端部どうしの周方向距離は前記NS磁極ピッチに対向した長さであり、前記スロット内の同じ周方向に沿って収納された複数の前記導体セグメントは、2本を単位として同じ形状のものが含まれており、これらの同じ形状を有する2本の前記導体セグメントを回転軸方向に逆向きに配置され、径方向に隣接する前記接合部どうしを接合することによって固定子巻線をする。これにより、使用する導体セグメントの種類を減らすことができるため、製造工程の簡略化が可能になる。
【0006】
請求項2に記載された発明によれば、前記スロット内の同じ周方向に沿って偶数本の前記導体セグメントが備わっており、位相数をn、1スロットあたりの周方向の列数を2kとし、n及びkは1以上の自然数とし、前記NS磁極ピッチに対向した長さをPとし、xを1以上k以下の自然数をしたときに、前記導体セグメントに含まれる前記斜行部の周方向の長さを、{2n(2k−1)±(2x−1)}P/{4n(2k−1)}に設定している。また、請求項3に記載された発明によれば、前記スロット内の同じ周方向に沿って奇数本の前記導体セグメントが備わっており、位相数をn、1スロットあたりの周方向の列数を2h+1とし、nおよびhは1以上の自然数とし、前記NS磁極ピッチに対向した長さをPとし、yを0以上h以下の自然数としたときに、前記導体セグメントに含まれる前記斜行部の周方向の長さを、(2nh±y)P/(4nh)に設定している。このようにして各導体セグメントの斜行部の長さを設定することにより、各接合部の間隔を等しくすることができるため、一部の接合部が接近して生じる接合部間の短絡やこれによる発電異常の発生を防止することができ、耐環境性を向上させることができる。
【0007】
請求項4に記載された発明によれば、前記導体セグメントは、前記スロット内に収納された前記直線部が、前記スロット形状に沿ったほぼ矩形の断面形状を有している。これにより、スロット内で導体セグメントの周囲に形成される隙間を減らすことができるため、高いスロット収容占積率を確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は、本実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、フレーム4、整流器5等を含んで構成されている。
【0010】
固定子2は、固定子鉄心22と、固定子巻線21を構成するほぼ1種類の導体セグメント23と、固定子鉄心22と各導体セグメント23との間を電気絶縁するインシュレータ24とを備えている。固定子2の詳細な構造については後述する。
【0011】
回転子3は、絶縁処理された銅線を円筒状かつ同心状に巻き回した界磁巻線31を、それぞれが6個の爪部を有するポールコア32によって、回転軸33を通して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロント側のポールコア32の端面には、フロント側から吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すための冷却ファン35が溶接等によって取り付けられている。同様に、リヤ側のポールコア32の端面には、リヤ側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すための冷却ファン36が溶接等によって取り付けられている。また、回転軸33のリヤ側端部近傍には、界磁巻線31の両端に電気的に接続された2つのスリップリング37、38が形成されており、これらのスリップリング37、38を介してブラシ装置7から界磁巻線31に対して給電が行われる。
【0012】
フレーム4は、固定子2および回転子3を収容しており、回転子3が回転軸33を中心に回転可能な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコア32の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2が固定されている。また、フレーム4は、固定子鉄心22の軸方向端面から突出した固定子巻線21のコイルエンドに対向した部分に冷却風の吐出窓41を有し、軸方向端面に吸入窓42を有している。
【0013】
上述した構造を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ20にエンジン(図示せず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に回転する。この状態で回転子3の界磁巻線31に外部から励磁電圧を印加することにより、ポールコア32のそれぞれの爪部が励磁されて回転子3の回転周方向に沿って交互にNS磁極が形成されるため、固定子巻線21に三相交流電圧を発生させることができ、整流器5の出力端子からは所定の直流電流が取り出される。
【0014】
次に、固定子2の詳細について説明する。図2は、固定子2の部分的な断面図である。図2に示すように、固定子鉄心22は複数のスロット25を有しており、各スロット25には多相の固定子巻線21が収容されている。本実施形態では、回転子3の磁極数に対応して、三相の固定子巻線21を収容するように、36個のスロット25が回転周方向に等間隔に配置されている。また、複数のスロット25のそれぞれには、4本の電気導体が収容される。一のスロット25内の4本の電気導体は、固定子鉄心22の径方向(奥行き方向)と周方向のそれぞれに二列ずつ配置されている。
【0015】
図3は、固定子巻線21を構成する導体セグメント23の詳細形状を示す斜視図である。図3に示す導体セグメント23は、折り返しを有しない棒状の導体であり、ほぼ矩形断面を有している。この導体セグメント23は、スロット25内に収容される直線部23aと、この直線部23aの両側において固定子鉄心22の軸方向両側に延びる斜行部23b、23cとを有している。この斜行部23b、23cは、軸方向に対して周方向に所定の角度傾斜しており、それぞれの端部は、回転子3のNS磁極ピッチに対応して離間した他のスロット25に収納されている他の導体セグメント23の端部同士を溶接等によって接合するために用いる接合部23dとなる。
【0016】
また、この導体セグメント23に含まれる一方の斜行部23cは、周方向の長さが5P/12に、他方の斜行部23bは、周方向の長さが7P/12に設定されている。各スロット25には、4本の導体セグメント23がそれぞれの向きを異ならせた状態で収納されており、それぞれの直線部23aが図2に示したスロット25内の4本の電気導体となる。例えば、スロット25の内層側に対応した2本の導体セグメント23は、互いの直線部23aを周方向に重ねるとともに、固定子鉄心22の一方の端面側においてそれぞれの斜行部23bと23cが同一周方向に沿って並ぶように配置される。このような内層側の2本の導体セグメント23の配置は、全てのスロット25において同じ向きに行われる。また、スロット25の外層側に対応した2本の導体セグメント23は、互いの直線部23aを周方向に重ねる点は同じであるが、固定子鉄心22の一方の端面側において、内層側の導体セグメント23とは反対向きになるようにそれぞれの斜行部23b、23cが同一周方向に沿って並ぶように配置される。このようにしてスロット25の内層側に配置された2本の導体セグメント23と外層側に配置された2本導体セグメント23のそれぞれの接合部23dが、回転子3のNS磁極ピッチPだけ離れたもの同士接合されて、波巻がなされた固定子巻線21が形成される。
【0017】
図4は、固定子2の部分的な巻線仕様図である。例えば、図4に示すように、スロット番号「4」のスロット25の内層側には、上下方向を反対にして組み合わせた2本の導体セグメント23が収納されており、スロット番号「4」と1磁極ピッチ離れたスロット「1」のスロット25の外層側には、上述した2本の導体セグメント23とは周方向に沿って反対向きとなるように配置された2本の導体セグメント23が収納されている。そして、スロット番号「4」のスロット25から固定子鉄心22の一方の端面側に延びた斜行部23cとスロット番号「1」のスロット25から同じ側に延びた斜行部23bとが結線されるように、これらに対応した2つの接合部23dを溶接等によって接合する。また、スロット番号「4」のスロット25から固定子鉄心22の一方の端面側に延びた斜行部23bとスロット番号「1」のスロット25から同じ側に延びた斜行部23cとが結線されるように、これらに対応した2つの接合部23dを溶接等によって接合する。
【0018】
図5は、導体セグメント23が固定子鉄心22に装備された状態を示す斜視図である。上述したように、各スロット25の内層側に収納された各導体セグメント23は、固定子鉄心22の両端面のそれぞれにおいて、同一周方向に沿って斜行部23bと23cが組み合わされて延びている。そして、各斜行部23b、23cの端部である接合部23dは、1磁極ピッチ離れた他のスロット25から延びた斜行部23cと23bの端部である接合部23dと接合される。
【0019】
ところで、上述した導体セグメント23は、固定子鉄心22の各スロット25に収納される前に、図3に示した形状に整形される。したがって、各スロット25に収納するために、固定子鉄心22の軸方向から挿入することはできない。このため、本実施形態では、固定子鉄心22の形状を工夫することにより、スロットの内径側から導体セグメント23を挿入できるようになっている。
【0020】
図6は、導体セグメント23を径方向から挿入するための形状を有する固定子の部分的な断面図である。図6に示すように、固定子鉄心22は、径方向に沿った突起部130が形成された歯先先端部124を有している。これにより、各スロット25′は、内径側の開口部の周方向の幅と、スロット25′内部の周方向の幅と同じに設定することができる。このような固定子鉄心22を用いることにより、図3に示した両端近傍に斜行部23b、23cが形成された導体セグメント23をスロット25′の内径側から挿入することができる。その後、スロット25′の内径側の開口を塞ぐように突起部130を周方向に折り曲げて、図2に示すスロット25が形成される。図3に示したような両側の斜行部23b、23cが形成された後の導体セグメント23を用いる場合には、各スロットに導体セグメントを挿入した後に整形する場合に比べて、製造工程の簡略化が可能になる。また、スロット25′に導体セグメント23を挿入した後に、径方向から加圧して導体セグメント23のスロット25′内の直線部23aをスロット形状に合わせて変形することも可能になるため、スロット25内の占積率を高めて出力向上を図る効果もある。
【0021】
このように、本実施形態の車両用交流発電機1では、一のスロット25の同じ深さ位置(内層あるいは外層)に2本の導体セグメントが収納される場合であっても、図3に示すような1種類の導体セグメント23を用いて固定子巻線21を形成することができ、このとき導体セグメント23の端部に形成される各接合部を等間隔に配置することができる。したがって、隣接する一部の接合部のみ接近しすぎたために生じる接合部間の短絡や発電異常の発生を防止することができ、耐環境性を向上させることができる。
【0022】
また、固定子鉄心22に挿入する前に導体セグメント23の斜行部33b、33cを形成することができるため、固定子鉄心22に各導体セグメント23を挿入した後の整形作業等が不要であり、行程の簡略化が可能となる。また、基本的に図3に示した1種類の導体セグメント23を用いて固定子巻線21のほとんどを形成することができるため、部品点数低減による製造コストの低減が可能になる。
【0023】
さらに、図2に示すように、導体セグメント23の断面を矩形形状に形成することにより、スロット25内の占積率を高めることができるため、固定子巻線21の抵抗値を低減し、発電能力を向上させることができる。しかも、連続巻線を用いずに導体セグメント23を用いることにより、上述した高占積率化に加えて、コイルエンド間の隙間を形成する工程を簡略化でき、固定子2の製造コストを低減することができる。
【0024】
ところで、上述した実施形態では、スロット25内に収容された電気導体は、回転周方向に二列の場合を考えたが、この周方向の電気導体の列数は、3列以上の場合に一般化することができ、その具体的な設定内容は以下のようになる。
【0025】
(1)1スロットあたりの周方向列数が2k(偶数)の場合
1スロット内の周方向の列数が2kの場合には、導体セグメントの直線部とその両端の接合部のそれぞれまでの周方向長さa、bは、以下のようになる。
【0026】
ここで、PはNS磁極ピッチを、nは位相数をそれぞれ示している。また、xは1,2,…kである。例えば、k=1(2列)、n=3(三相)の場合に、上述した(1)式にこれらの値を代入して計算すると、(6±1)P/12となって、直線部から各接合部までの長さが5P/12と7P/12の1種類の導体セグメントを用いればよいことがわかる。これは、図3に示した導体セグメント23そのものである。
【0027】
また、k=2(4列)、n=3(三相)の場合に、上述した(1)式にこれらの値を代入して計算すると、(18±1)P/36、(18±3)P/36となって、直線部から各接合部までの長さが17P/36と19P/36の第1の導体セグメントと、15P/36と21P/36の第2の導体セグメントを用いればよいことがわかる。図7は、これら2種類の導体セグメントを用いた場合の各接合部の周方向位置を説明するための図である。図7に示すように、例えばスロット番号「1」を基準に考えた場合に、このスロットに収納される4列分の導体セグメントに対応する4つの接合部のそれぞれの周方向位置は、基準位置からそれぞれ15P/36、17P/36、19P/36、21P/36となって、隣接する接合部の間隔がP/18となる。
【0028】
(2)1スロットあたりの周方向列数が2h+1(奇数)の場合
1スロット内の周方向の列数が2h+1の場合には、導体セグメントの直線部とその両端の接合部のそれぞれまでの周方向長さa、bは、以下のようになる。
【0029】
(2n×h±y)P/(4n×h) …(2)
ここで、yは0,1,2,…hである。例えば、h=1(3列)、n=3(三相)の場合に、上述した(2)式にこれらの値を代入して計算すると、6P/12、(6±1)P/12となって、直線部から各接合部までの長さが6P/12の第1の導体セグメントと、5P/12と7P/12の第2の導体セグメントを用いればよいことがわかる。図8は、これら2種類の導体セグメントを用いた場合の各接合部の周方向位置を説明するための図である。図8に示すように、例えばスロット番号「1」を基準に考えた場合に、このスロットに収納される3列分の導体セグメントに対応する3つの接合部のそれぞれの周方向位置は、基準位置からそれぞれ5P/12、6P/12、7P/12となって、隣接する接合部の間隔がP/12となる。
【0030】
このように、スロット内の周方向に配置された導体セグメントの列数が3以上の任意の値になった場合であっても、最小限の数の導体セグメントを組み合わせるだけで、接合部を等間隔に配置することができる。このため、隣接する接合部間の短絡や発電異常の発生を防止することができ、耐環境性を向上させることができる。
【0031】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、図6に示した固定子鉄心22は、歯先先端部124に2つの突起部130を形成しておいて、これらを周方向の両側に向けて変形することにより、スロット25′の内径側の開口部を塞ぐようにしたが、図9に示すように、固定子鉄心22の歯先先端部124に1つの突起部132を形成しておいて、これを所定の周方向に沿って変形することにより、スロット25′の内径側の開口部を塞ぐようにしてもよい。
【0032】
また、上述した実施形態では、直線部23aの両側に斜行部33b、33cが形成されている導体セグメントの23を固定子鉄心22の各スロット25に内径側から挿入する場合を説明したが、これらの斜行部33b、33cのいずれかが形成されていない状態の導体セグメント、すなわち、図10に示すように、一方の斜行部23cが形成されておらず、直線部23aが斜行部23bと反対側の端部まで延びた導体セグメント123と、図11に示すように、他方の傾斜部23dが形成されておらず、直線部23aが斜行部23cと反対側の端部まで延びた導体セグメント223を用意し、これら2種類の導体セグメント123、223をスロット25へ軸方向から挿入し、スロット25の反対側から突出した導体セグメント23の一部を折り曲げて、斜行部23c、23bを形成するようにしてもよい。この折り曲げ加工において、軸方向に沿って固定子鉄心22の端面から離れた位置で折れ曲がる一方の導体セグメント123の方が斜行部23cを形成する際の曲げRが大きくなって加工硬化が少ないため、スプリングパックによって、より固定子鉄心22側に配置された他方の導体セグメント223の斜行部23bから浮き上がる。したがって、同一スロットから延びた2つの導体セグメント123、223に対応した2つの接合部が離れるように配置され、容易に等間隔に近い状態で各接合部を配置することができる。
【0033】
また、上述した実施形態では、各接合部が完全に等間隔で配置される場合を説明したが、各接合部を多少不等間隔で配置するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す図である。
【図2】固定子の部分的な断面図である。
【図3】固定子巻線を構成する導体セグメントの詳細形状を示す斜視図である。
【図4】固定子の部分的な巻線仕様図である。
【図5】導体セグメントが固定子鉄心に装備された状態を示す斜視図である。
【図6】導体セグメントを径方向から挿入するための形状を有する固定子の部分的な断面図である。
【図7】1スロット内の周方向に4列の導体セグメントが収容されている場合に、2種類の導体セグメントを用いた場合の各接合部の周方向位置を説明するための図である。
【図8】1スロット内の周方向に3列の導体セグメントが収容されている場合に、2種類の導体セグメントを用いた場合の各接合部の周方向位置を説明するための図である。
【図9】導体セグメントを径方向から挿入するための形状を有する他の固定子の部分的な断面図である。
【図10】各スロットに軸方向から挿入する導体セグメントを示す斜視図である。
【図11】各スロットに軸方向から挿入する他の導体セグメントを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機
2 固定子
3 回転子
4 フレーム
21 固定子巻線
22 固定子鉄心
23、123 導体セグメント
23a 直線部
23b、23c 斜行部
23d、23e 接合部
24 インシュレータ
25 スロット
Claims (4)
- 回転周方向に沿って交互にNS磁極が形成された回転子と、前記回転子と対向配置された固定子とを有する車両用交流発電機において、
前記固定子は、複数のスロットを有する固定子鉄心と、前記スロット内で回転周方向に沿って複数列が収納される複数の導体セグメントとを有し、
複数の前記導体セグメントは、前記スロット内に収納される直線部と、回転軸方向に沿った前記スロットの両側に突出して互いに周方向に沿って反対の向きに傾斜する2つの斜行部と、前記斜行部の端部に形成される2つの接合部とを含んでおり、
前記2つの斜行部の周方向長さは異なり、前記端部どうしの周方向距離は前記NS磁極ピッチに対向した長さであり、
前記スロット内の同じ周方向に沿って収納された複数の前記導体セグメントは、2本を単位として同じ形状のものが含まれており、これらの同じ形状を有する2本の前記導体セグメントを回転軸方向に逆向きに配置され、
径方向に隣接する前記接合部どうしを接合することによって固定子巻線を形成することを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1において、
前記スロット内の同じ周方向に沿って偶数本の前記導体セグメントが備わっており、位相数をn、1スロットあたりの周方向の列数を2kとし、n及びkは1以上の自然数とし、前記NS磁極ピッチに対向した長さをPとし、xを1以上k以下の自然数をしたときに、前記導体セグメントに含まれる前記斜行部の周方向の長さを、
{2n(2k−1)±(2x−1)}P/{4n(2k−1)}
に設定することを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1において、
前記スロット内の同じ周方向に沿って奇数本の前記導体セグメントが備わっており、位相数をn、1スロットあたりの周方向の列数を2h+1とし、nおよびhは1以上の自然数とし、前記NS磁極ピッチに対向した長さをPとし、yを0以上h以下の自然数としたときに、前記導体セグメントに含まれる前記斜行部の周方向の長さを、
(2nh±y)P/(4nh)
に設定することを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記導体セグメントは、前記スロット内に収納された前記直線部が、前記スロット形状に沿ったほぼ矩形の断面形状を有することを特徴とする車両用交流発電機。
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