JP3903326B2 - 銅基合金およびその製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、銅基合金(銅及び銅合金を含む。以下単に「銅基合金」という。)およびその製造法に関し、更に詳しくは、例えば自動車の電気配線等に使用される多ピンのコネクタの表面のように挿抜に際しての摩擦を小さくすることを要求される表面や、電気自動車の充電用ソケットのように挿抜回数が多いものや、モータのブラシのように回転体と接して耐摩耗性を要求される表面や、バッテリー端子のように耐摩耗性・耐腐食性が要求される表面を有した銅基合金とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のエレクトロニクスの発達により、種々の機械の電気配線は複雑化,高集積化が進み、それに伴いコネクタの多ピン化も進んできている。従来のSnめっきをしたコネクタでは抜き差しに際し摩擦が大きくなり、コネクタの挿抜が困難になるという問題が生じてきている。
【0003】
また、現在の電気自動車では1日1回以上の充電を必要としており、充電用ソケット部品の耐摩耗性の確保が必要である。その上に10A以上の大電流が流れるため発熱が大きく、従来のSnめっき等の方法では該めっきが剥離してしまう等の問題も生じている。
【0004】
上記のような問題に対し、従来の表面処理方法では対応しきれないことが明らかになってきており、また本発明が提案する銅基合金を表面処理後、熱拡散させる技術も従来から存在したが、従来の技術は表面処理層と素材との拡散により、加工または熱的な影響等による表面処理層の剥離を防止するだけのものであったため、やはり上記の問題には対応できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点を解決したもので、銅基合金素材表面にSnまたはSn合金を被覆した後に熱処理を施し、該素材の表面処理層に非常に硬いCu−Sn系金属間化合物(Cu3Sn,Cu4Sn等)を適正に形成させることにより、例えばコネクタや電気自動車の充電ソケット等に好適な表面の摩擦係数が小さく、しかも耐摩耗性に優れた表面を有する銅基合金とその製造法を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定組成の銅基合金に被覆するSnの膜厚と熱処理条件を限定することにより、従来技術では難しく不可能であったCu−Sn系金属間化合物(Cu3Sn,Cu4Sn等)を積極的に形成させることにより、表面硬度を著しく向上させることができるとの知見を得て開発された技術であって、自動車のコネクタや電気自動車の充電用ソケット等に好適な表面の摩擦係数の小さい、耐摩耗性に優れた銅基合金とその製造法を提供するものである。
【0007】
即ち、まず、本発明は、重量%において、Ni:0.1〜15%、Sn:0.1〜10%、P:0.005〜0.5%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅基合金素材の表面に、CuとSnの金属間化合物を含むCu−Sn系拡散層が形成されており、該拡散層と銅基合金素材の界面ないし該拡散層においてNi−Sn及び/またはCu−Ni−Snの金属間化合物が形成されている銅基合金材であり、
【0008】
また、本発明は、重量%において、Ni:0.1〜15%、Sn:0.1〜10%、P:0.005〜0.5%を含有し、更にFe、Co、Zn、Ti、Mg、Zr、Ca、Si、Mn、Cd、Al、Pb、Be、Te、In、Ag、B、Y、La、Cr、Ce、Auの群から選ばれる1種または2種以上を総量で0.01〜40%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅基合金素材の表面に、CuとSnの金属間化合物を含むCu−Sn系拡散層が形成されており、該拡散層と銅基合金素材の界面ないし該拡散層においてNi−Sn及び/またはCu−Ni−Snの金属間化合物が形成されている銅基合金材であり、
【0009】
また、本発明は、重量%において、Ni:0.1〜15%、Sn:0.1〜10%、P:0.005〜0.5%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅基合金素材の表面を、厚さ0.5〜20μmのSnで被覆した後、200〜500℃の温度で0.5〜24時間加熱処理することにより、銅基合金素材の表面に、CuとSnの金属間化合物を含むCu−Sn系拡散層と、該拡散層と銅基合金素材の界面ないし該拡散層においてNi−Sn及び/またはCu−Ni−Snの金属間化合物を形成することを特徴とする銅基合金材の製造方法に関するものであり、
【0010】
また、本発明は、重量%において、Ni:0.1〜15%、Sn:0.1〜10%、P:0.005〜0.5%を含有し、更にFe、Co、Zn、Ti、Mg、Zr、Ca、Si、Mn、Cd、Al、Pb、Be、Te、In、Ag、B、Y、La、Cr、Ce、Auの群から選ばれる1種または2種以上を総量で0.01〜40%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅基合金素材の表面を、厚さ0.5〜20μmのSnで被覆した後、200〜500℃の温度で0.5〜24時間加熱処理することにより、銅基合金素材の表面に、CuとSnの金属間化合物を含むCu−Sn系拡散層と、該拡散層と銅基合金素材の界面ないし該拡散層においてNi−Sn及び/またはCu−Ni−Snの金属間化合物を形成することを特徴とする銅基合金材の製造方法に関するものである。
【0013】
本発明において、Snの被覆厚さは0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmで、最も好ましくは1〜5μmであり、被覆後の熱処理条件としては、温度200〜500℃で処理時間0.5〜24時間の範囲が好ましく、より好ましくは温度250〜500℃で処理時間3〜10時間の範囲である。
【0014】
また、本発明において、Ni:Pの組成比は、重量百分率比率で5〜50の範囲であることが好ましい。
【0015】
【作用】
次に、本発明の内容を具体的に説明する。
まず、本発明に係る銅基合金の添加元素の選択とその含有量の範囲の限定理由について述べると、次の通りである。
【0016】
(1)Ni
Niは、素材の強度,弾性,耐熱性および耐応力緩和特性等の向上に寄与する元素であり、更にPと化合物を形成して分散析出させることにより電気伝導性も向上する。また、表面被覆処理後の熱処理によるCu−Sn系拡散層の形成を効果的に行うことができる。また、更に添加したNiの一部が表面処理層側に拡散し、その界面ないし拡散層においてNi−Sn,Cu−Ni−Sn等の金属間化合物を形成し、強度,硬さ,密着性および耐食性等を向上させる。
【0017】
上記の効果を発揮するためには、0.1wt%以上の含有が必要であり、15wt%を超えて含有すると、電気伝導性の低下が顕著になり、経済的にも不利になる。従って、Niの含有量は0.1〜15wt%の範囲が好ましいのである。
【0018】
(2)Sn
Snは、素材のCuマトリックス中に固溶して強度,弾性および耐食性を向上させる。しかし、Sn含有量が0.1wt%未満では、強度,弾性の向上が充分でなく、10wt%を超えると電気伝導性や加工性の抵下が顕著となり、更に耐マイグレーション性の低下を招くおそれがある。従って、Snの含有量は0.1〜10wt%の範囲が好ましいのである。
【0019】
(3)P
PはNiと化合物を形成して分散析出することにより、電気伝導性を向上させ、かつ強度,弾性、耐応力緩和特性を向上させる。しかし、Pの含有量が0.005wt%未満では上記の効果が充分に得られず、0.5wt%を超えるとNi共存下でも電気伝導性,加工性や半田耐候性の低下が著しくなり、更に耐マイグレーション性の低下を招く。従って、Pの含有量は0.005〜0.5wt%の範囲が好ましいのである。
【0020】
(4)Ni:Pの組成比について
また、本発明に係る銅基合金においては、添加したNi,Pの一部がNi−P系化合物を形成し、これが均一微細に分散析出することにより電気伝導性をはじめ、強度,弾性,耐応力緩和特性を向上させることができる。従って、NiとPの重量百分率の比(Ni/P)を限定するのが好ましく、そのNi/Pの重量百分率組成比率は、5〜50の範囲が好ましいのである。
【0021】
(5)副成分について
更に副成分として、Fe,Co,Zn,Ti,Mg,Zr,Ca,Si,Mn,Cd,Al,Pb,Be,Te,In,Ag,B,Y,La,Cr,Ce,Auの群のうち1種または2種以上を0.01〜40wt%含有させると上記諸特性をより向上させる。
【0022】
ここで、Znは、銅基合金のめっき耐候性を更に向上させるばかりかその他、比重が小さいので、該合金の重量の軽減化や安価であるので経済的である等の利点がある。しかし、添加量が多くなると耐応力腐食割れ性や電気伝導性が低下するので、Znの含有量は0.01〜40wt%の範囲が好ましいのである。
【0023】
その他の元素Fe,Co,Zn,Ti,Mg,Zr,Ca,Si,Mn,Cd,Al,Pb,Be,Te,In,Al,B,Y,La,Cr,Ce,Auにつては、それらの含有により強度,弾性等の特性を向上させる。また、これらの副成分は、本発明に係る銅基合金の電気伝導性を低下させることなく、強度,弾性および加工性の向上にも効果的である。
【0024】
ただし、電気伝導性や成形加工性または製造のし易さ等から、より好ましい範囲としては、
Fe:0.01〜5wt%,Co:0.01〜5wt%,Ti:0.01〜5wt%,Mg:0.01〜3wt%,Zr:0.01〜3wt%,Ca:0.01〜1wt%,Si:0.01〜3wt%,Mn:0.01〜10wt%,Cd:0.01〜5wt%,Al:0.01〜10wt%,Pb:0.01〜5wt%,Be:0.01〜3wt%,Te:0.01〜5wt%,In:0.01〜5wt%,Ag:0.01〜5wt%,B:0.01〜1wt%,Y:0.01〜5wt%,La:0.01〜5wt%,Cr:0.01〜5wt%,Ce:0.01〜5wt%,Au:0.01〜5wt%である。
【0025】
(6)銅基合金の銅成分量について
工業的に生産し得る銅合金としてCuに最も多量に添加される元素はZnであるが、その最大含有量は45wt%であり、またCu−Sn系金属間化合物(Cu3Sn,Cu4Sn等)を効果的に形成させるためにも、Cuは少なくとも55wt%以上含有する必要がある。
【0026】
上記のように調整した銅基合金は耐熱性に優れ、次に行なう被覆後の熱拡散にも充分耐えられ、熱拡散によるCu−Sn系の金属間化合物の形成を効果的に行なうことができる。
【0027】
次に、Snの被覆厚さおよび拡散処理条件の限定理由について述べる。
【0028】
(7)Snの被覆厚さについて
Snの被覆の厚さが0.5μm未満では耐食性が低下し易く、特にH2Sガスによる腐食が問題になることがある。また、金属間化合物の層が薄くなり物性面でも不利になる。Sn被覆の厚さが20μmを超えると拡散層の厚さが厚くなり過ぎ、加工時に割れが発生するなどの成形加工性の低下が認められ、更に疲労特性の低下や、経済的にも不利になる等の問題が生じる。
【0029】
従って、Sn被覆の厚さは、0.5〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜10μmの範囲で、最も好ましくは1〜5μmの範囲である。
【0030】
Sn被膜層の形成方法としては、電気めっき,化学めっき,蒸着,溶融めっき等の公知の方法が適用できるが、被覆の密着性や均一ならびに経済的な面から、電気めっきや溶融浸漬法が好ましいのである。
【0031】
また、被覆するSnについては、Snの含有量が50%以上のSn−Pb合金であってもよい。
【0032】
(8)熱処理条件について
100℃未満の熱処理ではSnの拡散に要する時間が長くなり過ぎ、経済的に不利となる。また600℃を超えると短時間で素材の銅基合金が軟化し始めるため、強度,硬度が低下する。
【0033】
加熱処理時間については、0.5時間未満ではSnの拡散が不充分となり、有効な金属間化合物の形成ができなくなり、また24時間を超えると経済的に不利となって生産性も低下する。
【0034】
従って、熱処理条件としては、温度200〜500℃で処理時間0.5〜24時間が好ましく、より好ましい範囲としては温度250〜500℃で処理時間3〜10時間である。
【0035】
また、熱処理時の雰囲気としては、不活性または還元性雰囲気を特に必要としないので、経済的に有利である。
【0036】
上記の工程を経ることにより、素材表面に形成された金属間化合物と素材との密着性が向上し、また焼鈍による素材の特性の劣化を防ぐことができる。更に、表層の金属間化合物と素材との密着性が向上することから、曲げ加工や張り出し加工時の表層の剥離や割れの発生を防ぐことができ、一般に言われるクラッド材の難加工性の問題も解決される。
【0037】
更に、熱処理後、表面の酸化皮膜は酸洗等の化学的処理またはバフかけ等の機械的処理により除去すればなお好ましい。この皮膜除去によって、より一層の接触抵抗値や半田付け性の向上が望める。従って、表層から0.01〜0.2μmの範囲で除去するのが好ましい。
次に、本発明の実施例を説明する。
【0038】
【実施例】
実施例1
表1に示される化学成分(wt%)を有する本発明銅基合金No.1〜2と、比較のための銅基合金No.3を、それぞれ0.3tmmまで圧延したものにSnを被覆(硫酸浴を用いた電気めっきによる)した後、熱処理を行なった。この熱処理条件は、Sn膜厚7.0μm,熱処理温度350℃,処理時間5時間とした。
【0039】
【表1】
【0040】
以上のようにして得られた試験材を用いて、硬度,引張強さ,ばね限界値および導電率の測定を行ない、それぞれJIS−Z−2244,JIS−Z−2241,JIS−H−3130およびJIS−H−0505に従って行なった。
【0041】
曲げ加工性は、90°W曲げ試験(CES−M−0002−6,R=0.2mm,圧延方向および垂直方向)も行ない、中央部の山表面が良好なものを○印、しわの発生したものを△印、割れの発生したものを×印として評価した。張り出し加工性は、エリクセン試験を行ない、JIS−Z−2247A法に従った。
【0042】
以上の測定結果を表2に示す。表2の結果から、本発明に係るNo.1,No.2の銅基合金は表面の硬度が著しく改善され、かつ引張強さ,ばね限界値および導電率のバランスに優れ、また曲げ加工性,張り出し加工性も良好である。従って、コネクタ,充電用ソケット等の用途に非常に優れた特性を有する銅基合金である。これに対して、本発明の成分組成範囲外のNo.3の比較合金は、熱処理時に合金が軟化し、合金の硬度および引張強さが著しく低下していることが分る。
【0043】
【表2】
【0044】
実施例2
本発明合金No.1について、めっき厚,熱処理温度の条件を変化させたときに、実施例1と同様に硬度,引張強さ,ばね限界値,導電率,曲げ加工性および張り出し加工性について試験測定した。その結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
表3の結果から、表面処理後に熱処理を行なうことにより、表面の硬さが著しく向上し、例えばめっき厚3.5μm,7.0μmで熱処理温度250,350℃の場合、表面硬度,母材硬度およびばね限界値の向上が認められる。
【0047】
しかし、本発明に係る条件からはずれると、表面と素材の特性を同時に充分発現させることができない。例えば、めっき厚7μmで熱処理温度700℃の場合、熱処理時に軟化して素材硬度や引張強さ,ばね限界値および曲げ加工性が著しく劣化しており、まためっき厚22μmで熱処理温度350℃の場合、曲げ加工性が著しく劣化していることが分る。
【0048】
従って、本発明に係る銅合金はコネクタ用,充電用ソケット用等の用途に充分適用できる優れた諸特性を有している。
【0049】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように、本発明に係る銅基合金は、高強度,高弾性および高電気伝導率を有し、しかも曲げ加工性,張り出し加工性に優れたコネクタ用,充電用ソケット用等として好適な銅合金であり、近年の自動車電装品の高密度化に対応できるコネクタ材および電気自動車の大電流の充電に充分対応できる充電用ソケット材を製造できるのである。
【0050】
また、本発明法によって製造された銅基合金は、上記のような耐摩耗性,耐腐食性に優れた特性を有しているので、かかる特性を利用して電気,電子部品用材料や構造材として多くの分野に利用することができる。
Claims (8)
- 重量%において、Ni:0.1〜15%、Sn:0.1〜10%、P:0.005〜0.5%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅基合金素材の表面に、CuとSnの金属間化合物を含むCu−Sn系拡散層が形成されており、該拡散層と銅基合金素材の界面ないし該拡散層においてNi−Sn及び/またはCu−Ni−Snの金属間化合物が形成されている銅基合金材。
- 重量%において、Ni:0.1〜15%、Sn:0.1〜10%、P:0.005〜0.5%を含有し、更にFe、Co、Zn、Ti、Mg、Zr、Ca、Si、Mn、Cd、Al、Pb、Be、Te、In、Ag、B、Y、La、Cr、Ce、Auの群から選ばれる1種または2種以上を総量で0.01〜40%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅基合金素材の表面に、CuとSnの金属間化合物を含むCu−Sn系拡散層が形成されており、該拡散層と銅基合金素材の界面ないし該拡散層においてNi−Sn及び/またはCu−Ni−Snの金属間化合物が形成されている銅基合金材。
- 銅基合金材の最表面が前記Cu−Sn系拡散層であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の銅基合金材。
- 表面硬度Hvが320以上である請求項1又は2記載の銅基合金材。
- 重量%において、Ni:0.1〜15%、Sn:0.1〜10%、P:0.005〜0.5%を含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅基合金素材の表面を、厚さ0.5〜20μmのSnで被覆した後、200〜500℃の温度で0.5〜24時間加熱処理することにより、銅基合金素材の表面に、CuとSnの金属間化合物を含むCu−Sn系拡散層と、該拡散層と銅基合金素材の界面ないし該拡散層においてNi−Sn及び/またはCu−Ni−Snの金属間化合物を形成することを特徴とする銅基合金材の製造方法。
- 重量%において、Ni:0.1〜15%、Sn:0.1〜10%、P:0.005〜0.5%を含有し、更にFe、Co、Zn、Ti、Mg、Zr、Ca、Si、Mn、Cd、Al、Pb、Be、Te、In、Ag、B、Y、La、Cr、Ce、Auの群から選ばれる1種または2種以上を総量で0.01〜40%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅基合金素材の表面を、厚さ0.5〜20μmのSnで被覆した後、200〜500℃の温度で0.5〜24時間加熱処理することにより、銅基合金素材の表面に、CuとSnの金属間化合物を含むCu−Sn系拡散層と、該拡散層と銅基合金素材の界面ないし該拡散層においてNi−Sn及び/またはCu−Ni−Snの金属間化合物を形成することを特徴とする銅基合金材の製造方法。
- 前記銅基合金素材の表面を厚さ1〜10μmのSnで被覆した後、250〜500℃の温度で3〜10時間加熱処理することを特徴とする請求項5又は6記載の銅基合金材の製造方法。
- 請求項5又は6に記載の前記加熱処理を行った後に、前記銅基合金材の表層から厚さ0.01〜0.2μmの範囲で酸洗またはバフかけにより表層を除去することを特徴とする銅基合金材の製造方法。
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