JP3902475B2 - 動画像符号化装置及び動画像復号化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像を効率的に伝送、蓄積、表示するために、画像情報をより少ない符号量でディジタル信号にする動画像符号化装置及び符号化された画像情報を復号化する動画像復号化装置に関し、特に主たる符号化の前段階と主たる復号化の後段階で処理を行い、再生画質を向上させることができる動画像符号化装置及び動画像復号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
<動画像符号化と前後処理>
画像符号化及び画像復号化では、主たる符号化の前処理や、主たる復号化の後処理としてノイズ成分の抑圧を行う場合がある。また、符号化前にプリエンファシスを行い、復号化後にディエンファシスを行って、総合的な伝送周波数特性を保ちながら、符号化及び復号化で生じた量子化歪みを軽減する手法がある。
【0003】
一方、前フレームの量子化誤差を逆相で加算してから符号化を行い、復号化ではフレーム加算を行うことで、再生画像に含まれる量子化誤差を軽減する手法がある。このようにフレーム加算で動き補償を用いることで、フレーム加算による弊害も少なく量子化誤差を軽減できる。これは本発明と同一出願人による特許第2581341号「高能率符号化装置及び復号化装置」に示されている。
【0004】
この処理でのフレーム関係を図8に示す。前フレームの量子化誤差は次のフレームの入来画像に加算され、被符号化信号は量子化誤差が波及したものとなる。また、復号化では前フレームの再生画像と現フレームの復号画像とを混合する。これにより、量子化誤差成分が相殺されて減少する。
<従来の動画像符号化装置の構成>
次に、上述した特許第2581341号に示されている従来の動画像符号化装置の構成について図5を参照して説明する。また、この符号化におけるフレームの関係を上述した図8に示す。なお、図8中の網点は他のフレームの量子化誤差が混入されていることを示している。
【0005】
画像入力端子1より入来する動画像信号は、画像メモリ51、動き推定部52、及び、加算器2に与えられる。加算器2では、画像入力端子1より入来する動画像信号に対して乗算器17から与えられる前フレームの量子化誤差が加算される。そして、前フレームの量子化誤差が加算された入来動画像信号は被符号化画像としてDCT6と減算器14に与えられる。DCT6は被符号化画像に対してDCT(Discrete Cosine Transform)の変換処理を行い、得られた係数を量子化器7に与える。この量子化器7では所定のステップ幅にて係数を量子化し、符号となった係数を符号出力8から出力すると共に逆量子化器9に供給する。
【0006】
一方、逆量子化器9及び逆DCT10では上述したDCT6及び量子化器7の逆処理が行われ、局部復号画像が得られる。このように得られた局部復号画像は減算器14によって被符号化画像から減算され、逆相の量子化誤差が画像メモリ15に与えられる。この画像メモリ15は量子化誤差を1フレーム分遅延させ、動き補償器16に与える。この動き補償器16は量子化誤差を動き推定器52から与えられる動きベクトルに従って空間的に移動させ、乗算器17に与える。この乗算器17では動き推定器51から与えられるマッチング情報に従って、動き補償された量子化誤差に0から1.0の値を乗じて加算器2に与える。
【0007】
また、動き推定器52は、画像メモリ15に蓄積されている前フレームの画像と入来する現フレームの画像から動きベクトルを検出する。その動きベクトルにおけるフレーム間のブロックマッチング値に基づき、マッチング情報を形成する。
<従来の復号化装置の構成>
次に、図5に示す従来の動画像符号化装置に対応する従来の動画像復号化装置について図6を参照して説明する。
【0008】
符号入力端子21より入来する符号列は、逆量子化器9にて再生DCT係数値となり、逆DCT10に与えられる。この逆DCT10は8×8個の係数を復号画像に変換し、動き推定器52、加算器22、及び、減算器28に与える。加算器22では、復号画像に乗算器27から与えられる差分画像信号が加算され、再生画像となる。このようにして得られた再生画像は、画像出力端子24より出力されると共に、画像メモリ26に与えられる。この画像メモリ26では再生画像を1フレーム分遅延させ、この画像を動き補償器16と動き推定器52に与える。
【0009】
動き補償器16は前フレームの再生画像を画像メモリ26から得て、動き推定器52から与えられる動きベクトルに従って空間的に移動させ、減算器28に与える。減算器28は動き補償された前フレームの再生画像から現フレームの復号画像を減算し、差分画像信号を得て、乗算器27に与える。この乗算器27では動き推定器52から与えられるマッチング情報に従って動き補償された差分信号に0から0.8の値を乗じて、加算器22に与える。
【0010】
動き推定器52は、画像メモリ26に蓄積されている前フレームの再生画像と現フレームの復号画像とから動きベクトルを検出する。また、その動きベクトルにおけるフレーム間のブロックマッチング値に基づき、マッチング情報を形成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の量子化誤差のフレーム間加算を行う動画像符号化装置及び動画像復号化装置は、基本的な符号化手法として画像内独立符号化を対象としている。これは、フレーム間予測符号化では、予測信号に局部復号画像を用いるので、それには量子化誤差が含まれており、画像間予測自体で誤差加算(減算)が既に行われているためである。一方、復号化では前フレームの復号画像を参照画像として画像間予測信号が形成され、それと予測残差が加算されることで再生画像が得られる。従って、現フレームは前フレームから形成されており、前フレームを更に加算しても予測残差の値を小さくするようにしか作用せず、量子化誤差は軽減されない。従って復号化手法は画像内符号化のみを対象としていた。
【0012】
本発明は以上の点に着目してなされたものであり、画像間予測の参照画像となるフレームと参照画像とならない非参照フレームがある場合に、画像間予測の関係にない非参照フレーム間でのみ量子化誤差の加算を行うことで、フレーム間予測符号化であっても量子化誤差を軽減することが可能な動画像符号化装置及び動画像復号化装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、入来する動画像に対して画像間予測の参照画像となる参照フレームと、画像間予測の参照画像とならない非参照フレームとを設定して画像間予測を行う動画像符号化装置において、前記非参照フレームの被符号化画像を画像間予測符号化し、符号列を得る符号化手段と、前記非参照フレームの符号列を局部復号化し、局部復号化画像を得る局部復号化手段と、前記被符号化画像と前記局部復号画像との差である量子化誤差成分を得る量子化誤差検出手段と、前記量子化誤差成分を、前記量子化誤差成分を得た非参照フレームとは別の非参照フレームの入来画像に逆相で加算し、被符号化画像を得る加算手段とを有することを特徴とする動画像符号化装置を提供する。
【0014】
また、前記加算手段は、前記量子化誤差成分に対して動き補償を施し、この動き補償を施した後の量子化誤差成分を用いて加算を行うものであり、前記動き補償で使用する動きベクトルを、前記画像間予測処理で用いる動きベクトルを基にして、前記画像間のフレーム距離に応じた補正、又は、再度探索することにより求めることを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置を提供する。
【0015】
更に、入来する動画像に対して画像間予測の参照画像となる参照フレームと、画像間予測の参照画像とならない非参照フレームとを設定して画像間予測符号化された符号列を復号化する動画像復号化装置において、他のフレームの量子化誤差成分を含めて符号化された前記非参照フレームの符号列を画像間予測復号化し、当該フレームの復号画像を得る復号化手段と、前記当該フレームにおける当該フレームとは別の非参照フレームの再生画像を加算画像として得る手段と、前記当該フレームの復号画像に、前記加算画像に重み付けを加えた信号を加算し、再生画像を得る加算手段とを有することを特徴とする動画像復号化装置を提供する。
【0016】
また更に、前記加算手段は、前記量子化誤差成分に対して動き補償を施し、この動き補償を施した後の量子化誤差成分を用いて加算を行うものであり、前記動き補償で使用する動きベクトルを、前記画像間予測処理で用いる動きベクトルを基にして、前記画像間のフレーム距離に応じた補正、又は、再度探索することにより求めることを特徴とする請求項3に記載の動画像復号化装置を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
<第一実施例の動画像符号化装置>
本発明に係る動画像符号化装置の第一実施例について図1を参照して説明する。なお、図5に示す従来技術と同一の構成要素については同一の符号を付すものである。図1の各構成要素において、画像計数器20、スイッチ4、減算器5、加算器11、画像間予測器13、MV出力端子19が新たに追加された構成要素であり、画像メモリ2,12、動き推定器18は動作が異なるものである。
【0018】
第一実施例の動画像符号化装置における基本的な符号化処理動作はMPEG型の画像間予測符号化であり、従来技術におけるフレーム内独立符号化とは大きく異なる。本実施例のフレーム間の処理を図9に示す。同図に示すように、各フレームは周期的にフレーム内独立(Iピクチャ)、片方向画像間予測(Pピクチャ)、双方向画像間予測(Bピクチャ)が設定される。Iピクチャ及びPピクチャは画像間予測の参照画像となり、Pピクチャ及びBピクチャの予測に使用される。Bピクチャは前後のP(I)ピクチャより予測されるが、それ自身は予測の参照画像とはならない非参照フレームである。図9(a)は、毎秒30フレームの画像で、P(I)ピクチャの周期が3フレーム(M=3)の場合である。
【0019】
次に、量子化誤差のフレーム間加算(誤差は逆相なので減算とも見なせる)について説明する。画像間予測処理では、実効的に量子化誤差の波及やフレーム加算が行われており、画像間予測の関係にあるフレーム間で量子化誤差加算を行っても、量子化誤差軽減効果はない。
【0020】
一方、参照画像とならないBピクチャは、Bピクチャが連続する場合、隣接するBピクチャ間では画像間予測の関係がない。そこで、Bピクチャ間では量子化誤差のフレーム間加算が有効となる。従って、Iピクチャ及びPピクチャでは通常の画像間予測のみとし、Bピクチャでは、符号化で次のBピクチャに量子化誤差を波及させ、復号化でフレーム間加算を行う。図9において網点がかかったフレームは他のフレームの量子化誤差が混入されていることを示している。
【0021】
次に第一実施例の動画像符号化装置の動作について説明する。画像入力端子1より入来する動画像信号は、スイッチ4、画像メモリ2、画像計数器20と動き推定器18に与えられる。画像メモリ2は、非参照フレームであるBピクチャの画像信号をPピクチャに挟まれたBピクチャの分だけ遅延させ、加算器3に与える。Bピクチャの画像信号は、加算器3において他のフレームの量子化誤差が加算され、被符号化画像となってスイッチ4に与えられる。
【0022】
スイッチ4はIピクチャ及びPピクチャでは入来画像信号を選択し、Bピクチャでは加算器3の出力である被符号化画像信号を選択して減算器5と減算器14に与える。減算器5は画像間予測器13から与えられる画像間予測信号を減算し、DCT6に与える。DCT6は予測残差に対してDCTの変換処理を行い、得られた係数を量子化器7に与える。量子化器7は所定のステップ幅で係数を量子化し、符号となった係数を符号出力8から出力すると共に逆量子化器9に与える。
【0023】
逆量子化器9及び逆DCT10ではDCT6及び量子化器7の逆処理が行われ、局部復号予測残差を得る。その予測残差には加算器11で予測信号が加算され、局部復号画像となり、画像メモリ12と減算器14に与えられる。このような局部復号化処理は、通常のMPEG型符号化では、Bピクチャに関しては必ずしも必要ない。しかし、本実施例では量子化誤差を得るためにBピクチャでも必ず行われる。
【0024】
画像メモリ12は画像間予測処理のため数フレーム分の局部復号画像を保持する。画像間予測器13は、画像メモリ12に蓄えられているIピクチャ及びPピクチャの局部復号画像を、動き推定器18から与えられる動きベクトルに従ってピクチャタイプに合わせて空間的に移動させ、予測信号として減算器5に与える。
【0025】
一方、減算器14では、局部復号画像が被符号化画像から減算され逆送の量子化誤差が画像メモリ15に与えられる。動き補償器16はこの量子化誤差を動き推定部18から与えられる隣接フレーム間の動きベクトルに従って空間的に移動させ、乗算器17に与える。乗算器17では、動き推定部18から与えられるマッチング情報に従って動き補償された量子化誤差に0から1.0の値(1−k)を乗じて加算器3に与える。
【0026】
動き推定器18は、入来画像を数フレーム分保持し、画像間予測で必要な動きベクトルを求め、画像間予測器13に与える。また、Bピクチャの動きベクトルをフレーム距離に応じて補正し、隣接フレーム間の動きベクトルとして、動き補償器16に与える。また、その動きベクトルにおけるフレーム間のブロックマッチング値に基づき、マッチング情報(k)を形成する。なお、kはマッチングに比例するが、所定マッチングで1.0となり、それ以上は1.0とする。また、マッチング値は空間アクティビティで正規化しても良い。
【0027】
画像計数器20は、入来動画像のフレームを計数し、Iピクチャ又はPピクチャを周期的に設定し、そのピクチャタイプ情報をスイッチ4に与える。本実施例ではBピクチャが連続する必要があるので、その周期は3フレーム以上となる。なお、信号線は図示しないが、画像間予測器13の動作もピクチャタイプにより変更される。
【0028】
図9(b)は、毎秒60フレームの動画像で、P(I)ピクチャの周期を6フレームとした場合で、Bピクチャは5フレームが連続するので、量子化誤差加算処理の効果が大きい。なお、上記フレーム間処理は、インターレース走査信号でのフィールド間としても良いことは言うまでもない。
<第一実施例の動画像復号化装置>
図2は図1に示す動画像符号化装置に対応する動画像復号化装置の第一実施例を示す図である。なお、図6に示す従来技術と同一の構成要素には同一の符号を付している。また、図6に対して図2はMV入力端子25、MV補正器29、画像メモリ12、画像間予測器13、加算器11、スイッチ23が追加されているものである。
【0029】
本実施例における動画像復号化装置は、基本的な復号化処理動作がMPEG型の画像間予測符号化に対するものであり、従来例のフレーム内独立符号化とは異なる。なお、本実施例のフレーム間の処理関係は図9に示す通りである。Iピクチャ及びPピクチャの復号画像は、画像間予測の参照画像となり、Pピクチャ及びBピクチャの予測に使用される。Bピクチャは前後のP(I)ピクチャより予測されるが、それ自身は予測の参照画像とはならない。
【0030】
次に、画像間のフレーム加算について説明する。画像間予測の関係にあるフレーム間でフレーム加算を行っても、予測残差の値を小さくしたのと等価になり無意味である。従って、IピクチャやPピクチャでは、フレーム加算を行わない。一方、参照画像とならないBピクチャは、Bピクチャが連続する場合、隣接するBピクチャ間では画像間予測の関係がなく、符号化装置においてBピクチャ間に対しては量子化誤差の加算が行われている。そこで、復号化装置ではBピクチャ間でのみフレーム加算を行う。
【0031】
次に図2の動画像復号化装置の動作を説明する。符号入力端子21より入来する符号列は、逆量子化器9で再生DCT係数値となり、逆DCT10に与えられる。逆DCT10は8×8個の係数を復号画像に変換し、加算器11に与える。加算器11は画像間予測器13から与えられる画像間予測信号を加算し復号画像を得て、加算器22,減算器28,画像メモリ12に与える。画像メモリ12は復号画像を保持し、フレーム単位で遅延した復号画像を画像間予測器13とスイッチ23に与える。
【0032】
画像間予測器13は、MV入力端子25から入来する動きベクトル情報とピクチャタイプに従って、参照画像を動き補償して画像間予測信号を形成し、加算器11に与える。一方、加算器22は非線形変換器27から与えられる差分画像信号を加算してBピクチャの再生画像を得てスイッチ23と画像メモリ26に与える。画像メモリ26は再生画像を1フレーム遅延させて動き補償器16に与える。
【0033】
動き補償器16は1フレーム遅延したBピクチャの再生画像信号を、MV補正器29から与えられる動きベクトルに従って空間的に移動させ、減算器28に与える。減算器28は動き補償された前フレームの再生画像信号から、復号画像信号を減算し、差分信号として非線形変換器27に与える。
【0034】
非線形変換器27は、入力される差分信号が小さい場合には、1に近い0.8程度のゲインをもって信号を出力し、入力される差分信号が大きくなるに従ってゲインを下げ、所定値(概ね画像振幅の5%程度)以上で出力を0とする。すなわち、微小差分のみが通過して、加算器22に与えられる。
【0035】
MV補正器29は、MV入力端子25から入来した動きベクトル情報を基に、フレーム加算処理のための動きベクトルを求め、動き補償器16に与える。MV補正の様子を図7に示すが、MPEG型符号化のフレーム間予測は、2フレーム以上離れた距離で行われる場合がある。そこで、その動きベクトルは、フレーム距離に応じて動きベクトルを小さくして、1フレーム間の動きベクトルを得る。図7では、図中の細い矢印が画像間予測の動きベクトルの例で、図中の太い矢印が補正で得た動きベクトルである。このようなMV補正により、動き推定を行うことなく動き補償されたフレーム間加算処理を行うことができる。
<第二実施例の動画像符号化装置>
本発明に係る動画像符号化装置の第二実施例について、図3を参照して説明する。同図はその構成を示す図であり、図1に示す第一実施例と同一の構成要素には同一の符号を付している。なお、図3は図1に対してMV(動きベクトル)再探索器32が追加されているものである。また、第二実施例が第一実施例と異なるのは、量子化誤差フレーム間加算のための動きベクトルの求め方であり、基本的な符号化動作は第一実施例と同じである。以下、第一実施例と異なる部分のみ説明する。
【0036】
画像間予測での動き補償は16×16画素〜8×8画素程度のブロック単位で行われる。これは動きベクトル情報を伝送する必要があるため、あまり小さなブロックにすると、動きベクトルの情報量が多くなりすぎるためである。一方、量子化誤差フレーム間加算のための動き補償では、動きベクトルの情報は必ずしも伝送されず、復号化装置側で再度求めることができる。従って、量子化誤差フレーム間加算のための動きベクトルは、画像間予測のための動きベクトルと同一である必要はない。量子化誤差フレーム間加算のための動きベクトルは、画像間予測のための動きベクトルと大きく異なるものではないので、画像間予測の動きベクトルを基に、ブロックサイズや精度を変えて再度探索する。
【0037】
図3において、画像入力端子1より入来する動画像信号は、スイッチ4、画像メモリ2,画像計数器20の他に、動き推定器31とMV再探索器32にも与えられる。動き推定器31は、画像間予測のための動きベクトルを求め、画像間予測器13の他にMV再探索器32にも与える。
【0038】
MV再探索器32は、画像間予測のための動きベクトルを基に、入来画像信号を用いて、量子化誤差フレーム間加算のための動きベクトルを求める。画像間予測のための動きベクトルを、フレーム間の距離を考慮して、1フレーム間の動きベクトルとする。その動きベクトルの周辺の動きベクトルを仮ベクトルとし、入来画像を用いてより細かなブロックで再度ベクトル探索を行う。そして、得られた動きベクトルは動き補償器16に与えられる。
<第二実施例の動画像復号化装置>
本発明に係る動画像復号化装置の第二の実施例について説明する。図4は図3に示す第二実施例の動画像符号化装置に対応する第二実施例の動画像復号化装置の構成を示す図である。また、図2に示す第一実施例の動画像復号化装置と同一の構成要素には同一の符号が付されている。図4に示す動画像復号化装置は図2に示す動画像復号化装置に対して、MV補正器29の代わりにMV再探索器42が、非線形変換器27の代わりに乗算器41があるものとする。
【0039】
第二実施例の動画像復号装置が第一の実施例の動画像復号装置と異なるのは、フレーム間加算処理のための動きベクトルの求め方と、差分画像の処理であり、基本的な復号化動作は第一実施例と同じである。以下、第一実施例と異なる点について説明する。
【0040】
第一実施例の動画像復号化装置では、量子化誤差フレーム間加算のための動きベクトルは、画像間予測のための動きベクトルを距離に応じて補正して用いていた。しかし、量子化誤差フレーム間加算のための動き補償では、より細かなブロックで高精度な動きベクトルが望まれる。そこで、量子化誤差フレーム間加算のための動きベクトルは、画像間予測の動きベクトルを基に、ブロックサイズや精度を変えて再度探索する。
【0041】
図4において、MV入力端子25より入来する動きベクトル情報は、画像間予測器13の他に、MV再探索器42にも与えられる。MV再探索器42は、画像間予測のための動きベクトルを基に、加算器11の出力である復号画像と、画像メモリ26に蓄えられている再生画像を用いて、量子化誤差フレーム間加算のための動きベクトルを求める。
【0042】
処理は、画像間予測のための動きベクトルを、フレーム間の距離を考慮して、1フレーム間の動きベクトルとする。その動きベクトルの周辺の動きベクトルを仮ベクトルとし、復号画像と1フレーム前の再生画像を用いてより細かなブロックで再度ベクトル検索を行う。このようにして得られた動きベクトルは動き補償器16に与えられる。
【0043】
このように、本発明に係る動画像符号化装置及び動画像復号化装置は、IピクチャやPピクチャなど画像間予測の参照画像となるフレームと、Bピクチャなど参照画像とならない非参照フレームとがある場合に、非参照フレームでのみ量子化誤差の加算処理を行う。また、量子化誤差のフレーム間加算を行わない通常の符号化において、非参照フレームは予測されるのみで、局部復号画像が予測に使われることはない。従って、他のフレームに量子化誤差が影響していない。また、非参照フレームは、復号化における加算処理も参照フレームとの間のみで行われ、非参照フレームの間では行われない。従って、非参照フレームの間は、量子化誤差に関しては独立である。そこで非参照フレームの間で量子化誤差のフレーム間加算処理を行うと、量子化誤差の削減が有効に作用する。これにより、画像間予測符号化において、量子化誤差軽減が可能になる。
【0044】
また、動き補償フレーム間加算に用いる動きベクトルを、フレーム間予測に用いる動きベクトルを基に、フレーム距離補正や再探索で求める。これは、従来技術のように画像のみで動きベクトルを求めるものと比較して僅かな処理量である。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明に係る動画像符号化装置及び動画像復号化装置によれば、IピクチャやPピクチャなど画像間予測の参照画像となるフレームと、Bピクチャなど参照画像とならない非参照フレームがある場合に、非参照フレーム間でのみ量子化誤差の加算処理を行うことで、画像間予測符号化においても再生画像における量子化誤差軽減が可能になる。その結果、符号化ビットレートの低減や再生画像品質の向上が可能になる。
【0046】
また、動き補償フレーム間加算に用いる動きベクトルを、フレーム間予測に用いる動きベクトルを基に、フレーム距離補正や再探索で求めることにより、通常の動き推定と比較して僅かな処理で、適正な動きベクトルを得ることができ、画質劣化を生じない補償フレーム間加算処理が可能になるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動画像符号化装置の第一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る動画像復号化装置の第一実施例の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る動画像符号化装置の第二実施例の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る動画像復号化装置の第二実施例の構成を示す図である。
【図5】従来の動画像符号化装置の構成を示す図である。
【図6】従来の動画像復号化装置の構成を示す図である。
【図7】時空間処理の様子を示す図である。
【図8】従来の符号化、復号化におけるフレーム関係を示す図である。
【図9】本発明に係る動画像符号化装置及び動画像復号化装置における符号化、復号化でのフレーム関係を示す図である。
【符号の説明】
1 画像入力端子
2,12,15,51 画像メモリ
3,11,22 加算器
4,23 スイッチ
5,14,28 減算器
6 DCT
7 量子化器
8 符号出力端子
9 逆量子化器
10 逆DCT
13 画像間予測器
16 動き補償器
17,41 乗算器
18,31,52 動き推定器
19 MV補正器
20 画像計数器
21 符号列入力端子
27 非線形変換器
29 MV補正器
32,42 MV再探索器
Claims (4)
- 入来する動画像に対して画像間予測の参照画像となる参照フレームと、画像間予測の参照画像とならない非参照フレームとを設定して画像間予測を行う動画像符号化装置において、
前記非参照フレームの被符号化画像を画像間予測符号化し、符号列を得る符号化手段と、
前記非参照フレームの符号列を局部復号化し、局部復号化画像を得る局部復号化手段と、
前記被符号化画像と前記局部復号画像との差である量子化誤差成分を得る量子化誤差検出手段と、
前記量子化誤差成分を、前記量子化誤差成分を得た非参照フレームとは別の非参照フレームの入来画像に逆相で加算し、被符号化画像を得る加算手段と、
を有することを特徴とする動画像符号化装置。 - 前記加算手段は、前記量子化誤差成分に対して動き補償を施し、この動き補償を施した後の量子化誤差成分を用いて加算を行うものであり、前記動き補償で使用する動きベクトルを、前記画像間予測処理で用いる動きベクトルを基にして、前記画像間のフレーム距離に応じた補正、又は、再度探索することにより求めることを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。
- 入来する動画像に対して画像間予測の参照画像となる参照フレームと、画像間予測の参照画像とならない非参照フレームとを設定して画像間予測符号化された符号列を復号化する動画像復号化装置において、
他のフレームの量子化誤差成分を含めて符号化された前記非参照フレームの符号列を画像間予測復号化し、当該フレームの復号画像を得る復号化手段と、
前記当該フレームにおける当該フレームとは別の非参照フレームの再生画像を加算画像として得る手段と、
前記当該フレームの復号画像に、前記加算画像に重み付けを加えた信号を加算し、再生画像を得る加算手段と、
を有することを特徴とする動画像復号化装置。 - 前記加算手段は、前記量子化誤差成分に対して動き補償を施し、この動き補償を施した後の量子化誤差成分を用いて加算を行うものであり、前記動き補償で使用する動きベクトル、前記画像間予測処理で用いる動きベクトルを基にして、前記画像間のフレーム距離に応じた補正、又は、再度探索することにより求めることを特徴とする請求項3に記載の動画像復号化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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