JP3862479B2 - ビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法 - Google Patents

ビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオに関するものであり、特に高解像度のビデオストリームを受け取り、低解像度のビデオストリームに変換して表示するビデオダウンコンバージョンを必要とするビデオに関するものである。この方法は、従来より簡単であるが効果的であり、必要最小限のコンピュータ処理でビデオダウンコンバージョンにおける歪み、つまりドリフトエラーを防ぐ方法である。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル・テレビ放送方式の標準規格が世界中で広く採用されている。MPEG−2ビデオコーディング規格が、ビデオの符号化および復号化において選択された。米国において、次世代テレビシステム委員会(Advanced Television System Committee)は、デジタルテレビ放送用に標準テレビ(Standard TV)と、高品位テレビ(High Definition TV)との両方を使用することを決定した。以下、標準テレビ(Standard TV)をSDTV、高品位テレビ(High Definition TV)をHDTVと呼ぶ。オーストラリア、日本のようなその他の国々においても、SDTVに加えてHDTVでデジタルテレビが放送される予定である。欧州デジタルテレビ規格、つまり欧州ディジタル・テレビ放送方式の標準規格(DVB)も、HDTV復号化を支持している。
【0003】
SDTV信号とHDTV信号の両方を受信し、復号化するために、デジタルテレビ(Digital TV)受信機は、高解像度のビデオピクチャーを復号化して再生できなければならない。以下、デジタルテレビをDTVと呼ぶ。HDTVは、非常に多くのデータプロセスを必要とするので、上記のようなDTVを開発することは、難しく、またコストがかかる。
【0004】
SDTV用のビデオフォーマットと、HDTV用のビデオフォーマットとの2つの標準的なビデオフォーマットが採用されているが、例として、SDTV用のビデオフォーマットとHDTV用のビデオフォーマットとどれほど違うか説明する。
a)SDTVインターレース方式:720画素(水平方向)x480画素(垂直方向)x30(フレーム/秒)=10,368,000画素。
b)HDTVプログレシブ方式:1280画素(水平方向)x720画素(垂直方向)x60(フレーム/秒)=55,296,000画素。
上記のa)とb)から分かるように、HDTVは、SDTVより1秒当たりに5.3倍のデータ量を処理して表示する必要がある。
【0005】
ハードウェアベースのHDTV−DTV受像機を開発する場合、HDTVピクチャーを復号化するために、もっと多くのDRAMともっと高い処理能力を必要とする。このため、最終的に販売するとき、HDTV−DTV受像機は非常に高価な製品となってしまう。
【0006】
ハードウェアベースのHDTV−DTV受像機だけでなく、ソフトウェアベースのHDTV−DTV受像機も現在開発されている。PC(パーソナルコンピュータ)の性能がますますアップしており、PCモニタは、すでに高解像度のHDTVピクチャーを表示する能力を備えている。
【0007】
しかしながら、例えばペンティアムIII550MHzのような現行のCPUスピードであっても、HDTVピクチャーをリアルタイムで復号化して表示する場合、コンピュータの処理能力がまだ不足している。将来的には、PCの能力がますますアップして、HDTVビデオが最速のPCによって復号化されて再生されることが可能である。しかしながら、性能の低いPCは、依然としてHDTV−DTV番組を復号化して再生することができない。
【0008】
HDTVからSDTVへのダウンコンバージョンは、性能の高いPCでも性能の低いPCでもSDTV番組だけでなく、HDTV番組も受信し再生できる柔軟性を提供するために考えられている。
【0009】
同時に映像と音声をリアルタイムに復号化して再生することを実現するために、PCの処理能力は、複雑なスキームを処理できるほど速くないので、ダウンコンバージョンスキームを実行するために、コンピュータを使用することは、必要とされる最も重要なことである。
【0010】
本発明に関する先行技術は、図1と図2において図示されている。
図1において、図示されているように、高解像度のビデオのビットストリームは、シンタックス復号化またはビットストリームアンパッキングのために、可変長符号復号化部11に送られる。マスキング・逆量子化部12において、各8x8ブロックから4x4ブロックがマスクされ、逆量子化される。8x8ブロックから4x4ブロックがマスクされるとき、例えば、各8x8ブロックの右上の4x4ブロックなど、各8x8ブロックの所定の位置にある画素がマスクされる。逆量子化された4x4ブロックは、4x4ブロックの逆離散コサイン変換を実行するために、逆離散コサイン変換部13に送られる。
【0011】
動きベクトル演算部14は、ダウンコンバージョンの割合と一致するように動きベクトルの演算を行う。例えば、この場合、縮小比は2である。解像度のダウンサイズにおける動き補償は、動きベクトル演算部14において縮小された動きベクトルを用いることによって、動き補償部15で実行される。
【0012】
図2は、図1とほぼ同一である。図1と図2の違いは、逆量子化とマスキングを実行する部分である。図2において、可変長符号復号化・逆量子化部21は、可変長符号復号化と8x8ブロックの逆量子化を実行する。8x8ブロックから4x4ブロックへのマスキングは、逆離散コサイン変換を行う逆離散コサイン変換部23の前に、マスキング部22で行われる。それに対して、図1において、4x4ブロックの逆量子化とマスキングは、マスキング・逆量子化部12において実行される。マスキングと逆量子化において、それほどコンピュータ処理を必要としない。動きベクトルの演算は、動きベクトル演算部24において実行され、動き補償は、動き補償部25において実行される。
【0013】
図1、2において図示されている従来技術のダウンコンバージョンは、直接的なスキームであり、さらに複雑さという点では、非常に簡単である。しかしながら、ドリフトエラーが、実用上有効なスキームを制限する障壁となることがわかっている。ときどきドリフトエラーは、非常にはっきりしており、パニング(panning)とズーミング(zooming)のシーケンスにおいて不快感を与える。ドリフトエラーは、フレーム内符号化(Intra-coded)フレームによってリセットされる。さらに、このようなドリフトエラーは、IPPP……のような構造の符号化されたストリームでは非常に重大である。ここで、Iは、フレーム内符号化フレームのことであり、Pは、フレーム間符号化(predictive-coded)フレームのことである。
【0014】
このようなドリフトエラーを生じさせる単純な理由は、最初のP(フレーム間符号化)フレームにおいて生じる小さなエラーが、次のフレーム、次の次のフレームへと伝播して歪みが蓄積し、目立つようになるからである。
【0015】
経験的な結果に基づいて分析した結果、実際の原因は、動きベクトルをダウンサイズするたびに精度が失われているためであることが分かった。複雑でないスキームが好ましいために、図1、2において示されているように、本来の解像度のダウンサイズに基づいて動き補償が実行される。動き補償のダウンサイズと一致させるために、1/2のダウンコンバージョンの場合、2で割ることによって動きベクトルを縮小させなければならない。
【0016】
上記の操作は、理論的には正しく、多くのシーケンスの場合、画質を良くすることができる。しかしながら、ある特定のシーケンスの場合、ドリフトエラーが非常に目立ち、許容できないほど画質が悪化することが分かっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記の簡単なダウンコンバージョンスキームにおけるドリフトエラーは、特にIPPP……のようなコーディング構造のシーケンス、またはパニング/ズーミングのシーケンスにおいて、非常にはっきりしている。しかしながら、ビデオシーケンスは、多数のパニング/ズーミングのシーケンスを含んでおり、またIPPP……のようなコーディング構造を必要とするケースも多い。そのため、簡単なダウンコンバージョンスキームに基づいてドリフトエラーを除去することが重要である。
【0018】
さらに、ダウンコンバージョンは、高解像度のビデオデータの処理に伴うコンピュータ処理を減らすことなので、生じるドリフトエラーを除去する方法、またはドリフトエラーの発生を防ぐ方法は、非常に簡単であり、必要とされるコンピュータ処理をかなり少なくしなければならないことも重要である。したがって、本発明のキーポイントは、少ないコンピュータ処理でドリフトエラーを除去するとともに、美しくきれいな画質を提供することである。解析する際に、奇数値を有する動きベクトルは、2で除算されることによって、+/−0.5の精度ロス(accuracy loss)が生じる。最終的な動きベクトルは、整数でなければならないので、この精度ロスは避けられない。パニングのシーケンスまたはズーミングのシーケンス場合、毎回+/−0.5の精度ロスが生じるならば、精度ロスが同一方向に蓄積され、数個のPフレーム後(ほぼ10フレームとすると)、+10または−10の精度ロスが蓄積される。この場合、数個のPフレーム後、動きベクトルは、完全に間違っており、したがって、間違った動きベクトルに基づいて参照フレームから間違ったマイクロブロックが得られるという問題が生じる。本発明は、このドリフトエラーの問題を解決するためになされたものであり、ビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法を提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法は、ビットストリームを復号化し、前記ビットストリームを、各NxNブロックに関する量子化された離散コサイン変換係数、動きベクトル、サイド情報にアンパックするステップと、NxNブロックに関する前記量子化された離散コサイン変換係数を、MxMブロックに関する逆量子化された離散コサイン変換係数にマスキングし逆量子化するステップ(M≦N)と、前記逆量子化された離散コサイン変換係数によって、MxMブロックの逆離散コサイン変換を実行するステップと、Pフレームの順番をチェックすることによって、Pフレームにおける動きベクトルについて、動きベクトルの演算を行うステップであって、第1Pフレーム、第2Pフレーム、第3Pフレーム、第4Pフレームのように、Pフレームに順番をつけるステップ、第1Pフレームは奇数のPフレーム、第2Pフレームは偶数のPフレーム、第3Pフレームは奇数のPフレームのように定義するステップ、偶数のPフレームにおける前記動きベクトルをチェックし、前記動きベクトルを、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルに分割するステップ、奇数のPフレームにおける前記動きベクトルをチェックし、前記動きベクトルを、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルに分割するステップ、偶数のPフレームにおける奇数値を有する動きベクトルについて1方向に精度ロスを生じさせ、さらに奇数のPフレームにおける奇数値を有する動きベクトルについて別の方向に精度ロスを生じさせるように前記動きベクトルを縮小するステップ、及び、偶数のPフレームおよび奇数のPフレームの両方における偶数値を有する動きベクトルについて、精度ロスを生じさせずに前記動きベクトルを縮小するステップを含むステップと、全てのBフレームにおける動きベクトルについて動きベクトルの演算を行うステップと、上記縮小された動きベクトルを用いることによって解像度のダウンサイズにおける動き補償を実行するステップと、低解像度のビデオピクチャーを再構築する、または表示するステップとを含むことを特徴とするものである。
【0020】
本発明の請求項2に記載のビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法は、ビットストリームを復号化し、前記ビットストリームを、各NxNのブロックに関する量子化された離散コサイン変換係数、動きベクトル、サイド情報にアンパックするステップと、NxNブロックに関する前記量子化された離散コサイン変換係数を、MxMブロックに関する逆量子化された離散コサイン変換係数にマスキングし逆量子化するステップ(M≦N)と、前記逆量子化された離散コサイン変換係数によって、MxMブロックの逆離散コサイン変換を実行するステップと、Pフレームの順番をチェックし、Pフレームにおける動きベクトルについて、動きベクトルの演算を行い、また、前記動きベクトルの予測モードをチェックし、Bフレームにおける動きベクトルについて、動きベクトルの演算を行うステップであって、第1Pフレーム、第2Pフレーム、第3Pフレーム、第4Pフレームのように、Pフレームに順番をつけるステップ、第1Pフレームは奇数のPフレーム、第2Pフレームは偶数のPフレーム、第3Pフレームは奇数のPフレームのように定義するステップ、偶数のPフレームにおける前記動きベクトルをチェックし、前記動きベクトルを、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルに分割するステップ、奇数のPフレームにおける前記動きベクトルをチェックし、前記動きベクトルを、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルに分割するステップ、偶数のPフレームにおける奇数値を有する動きベクトルについて1方向に精度ロスを生じさせ、さらに奇数のPフレームにおける奇数値を有する動きベクトルについて別の方向に精度ロスを生じさせるように前記動きベクトルを縮小するステップ、偶数のPフレームおよび奇数のPフレームの両方における偶数値を有する動きベクトルについて、精度ロスを生じさせずに前記動きベクトルを縮小するステップ、Bフレームにおける動きベクトルについて、予測モードをチェックするステップ、前記Bフレームにおける前記動きベクトルを、前方向動きベクトルと後方向動きベクトルとに分割するステップ、前記前方向動きベクトルについて、以前のPフレームにおいて使用される前記動きベクトルの値をチェックするステップ、前記後方向動きベクトルについて、以後のPフレームにおいて使用される前記動きベクトルの値をチェックするステップ、前記前方向動きベクトルを、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割するステップ、前記後方向動きベクトルを、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割するステップ、奇数値を有する動きベクトルについて、以前のPフレームの精度ロスが生じる方向とは別の方向に精度ロスを生じさせるように、前記前方向動きベクトルを縮小するステップ、奇数値を有する動きベクトルについて、以後のPフレームの精度ロスが生じる方向とは別の方向に精度ロスを生じさせるように、前記後方向動きベクトルを縮小するステップ、及び、偶数値を有する動きベクトルについて、精度ロスを生じさせないように、前記前方向動きベクトルまたは前記後方向動きベクトルを縮小するステップを含むステップと、上記縮小された動きベクトルを用いることによって解像度のダウンサイズにおける動き補償を実行するステップと、低解像度のビデオピクチャーを再構築する、または表示するステップとを含むことを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。まず、始めに本発明の概略について説明し、後に図面を用いて具体的に説明する。
ビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法は、2つある。一方は、より簡単で複雑でなく、多くの場合十分効果がある方法である。もう一方は、かなり複雑であるが、ドリフトエラーの発生を防ぐことができる理論的に完全な方法である。
【0029】
前者の簡単な方法の場合、Pフレームをチェックし記録することが必要である。動きベクトルが奇数値を有するか偶数値を有するかのチェックが行われる。1つのGOP(Group of Picture)におけるすべてのPフレームによって精度ロスが蓄積しないようにするために、Pフレーム毎に0.5の精度ロスの方向が調整されている。
【0030】
後者の方法の場合、PフレームとBフレームをチェックすることが必要である。1つのGOPにおけるすべてのPフレームとBフレームとによって精度ロスが蓄積しないようにするために、PフレームとBフレーム毎に0.5の精度ロスの方向が調整されている。ここで、Bフレームとは、フレーム内挿符号化(bidirectionally-coded)フレームのことである。
【0031】
高解像度のビットストリームは、可変長符号(VLD)復号化部によって復号化される。可変長符号復号化部からの出力は、マスキング・逆量子化部によって4x4ブロックにマスキング(masking)され逆量子化されて、逆離散コサイン変換(IDCT)部に送られる。逆離散コサイン変換部では、逆離散コサイン変換が行われ、4x4ブロックごとに、それぞれの画素値(輝度、色差)が算出される。ここでの、画素値は、Iフレームでは、実際の画素値そのものの値となっているが、PフレームとBフレームでは対応する画素値間の差分値となっている。再構築されダウンサイズされた離散コサイン変換ブロックは、表示するために、または動き補償のケースにおいて参照するために、メモリに格納される。
【0032】
動きベクトルは、1/2のダウンコンバージョンの場合、2で除算される方法で縮小される(1/2は、本明細書中において使用される例である)。本発明は1/2のダウンコンバージョンに限定されることなく、その他のダウンコンバージョンであってもよい。
【0033】
第1の方法について説明する。奇数値を有する動きベクトルの場合、0.5の精度ロスは、最初のPフレームにおいて、1つの方向に意図的に生じ、次のPフレームにおいて、別の方向に生じる。同じようなことがそれ以降のPフレームにおいても生じる。この操作は、水平方向の動きベクトルと垂直方向の動きベクトルの両方にも適用される。
【0034】
第2の方法について説明する。Pフレームについての上記のステップに加えて、直前のPフレームと直後のPフレームから予測されるBフレームのために、さらにステップが必要とされる。Bフレームについての前方向動きベクトルは、その直前のPフレームにおける方向と異なる方向に0.5の精度ロスを生じさせて縮小される。一方、Bフレームについての後方向動きベクトルは、その直後のPフレームにおける方向と異なる方向に0.5の精度ロスを生じさせて縮小される。
【0035】
動き補償は、上記のダウンサイズされた動きベクトルを使用することによって、PフレームとBフレームとを再構築するためのダウンサイズ基準に基づいて実行される。
【0036】
コンピュータ処理を減らし、復号化を速めるために、ファーストIDCTアルゴリズム、IDCTおよび動き補償のためのMMXコーディング、同時VLDコーディングを使用して、現行のCPU能力に基づいてリアルタイムHDTV復号化を行う。
【0037】
ドリフトエラーの発生を防ぐための、または生じるドリフトエラーを除去するための発明された2つの方法の実施の形態が、図3、4、5、6、7、8によって説明されている。発明された方法についての説明は、先行技術に基づいている。先行技術に本発明の方法を適用することによって、同じように本発明の方法が説明されている。
【0038】
図3において、適応動きベクトルの演算が説明されており、この方法は、かなり簡単であるが、効果的なスキームである。それは、Pフレームにおける動きベクトルのみが演算されるからである。
【0039】
高解像度のビデオのストリームが、可変長符号復号化を行うために可変長符号復号化部31に送られ、ストリーム中の符号化されたビットは、各ブロックについてのDCT係数、動きベクトル、サイド情報にアンパックされる。マスキング・逆量子化部32において、マスキングおよび4x4ブロックの逆量子化が行われる。その後、逆離散コサイン変換部33において、4x4ブロックの逆離散コサイン変換が行われる。
【0040】
適応動きベクトル演算部34において、動き補償部36で実行されるダウンサイズ動き補償と一致するように、P(1方向予測)フレームにおける動きベクトルが縮小される。全てのB(双方向予測)フレームについて、通常/従来の動きベクトルの演算が、動き補償部36で実行されるダウンサイズ動き補償と一致するように、Bフレームにおける動きベクトルを縮小させるために行われる。
【0041】
適応動きベクトル演算部34において、Pフレームは、第1のPフレーム、第2のPフレーム、第3のPフレーム、第4のPフレームとして記録されており、動きベクトルの演算は、Pフレームの順番によって異なって実行される。奇数値を有する動きベクトルは、例えば縮小係数2で縮小されるとき、+/−0.5の精度ロスを生じさせることが分かっている。これは、動きベクトルが最終的に整数でなければならないので、避けることができない。しかしながら、このPフレームについて+0.5の精度ロスを生じさせ、直後のPフレームについて−0.5の精度ロスを生じさせる縮小スキームを実行することによって、動きベクトルの精度におけるロスが蓄積しないようにできる。Pフレームは、次のPフレームとBフレームを予測するための参照として使用される。PフレームからPフレームへ伝播される精度ロスを制御して減らすことができるならば、参照されるPフレームは非常に役に立つであろう。それに対して、Bフレームは、他のフレームを予測するために参照として使用されないので、Bフレームにおける精度ロスは、重要でなく、Bフレームにおける精度ロスによって生じるドリフトエラーは、Pフレームにおける精度ロスによって生じるドリフトエラーと比べてそれほど目立たない。
【0042】
通常動きベクトル演算部35において、全てのBフレームにおける動きベクトルは、Pフレームのように特別なことを考慮しないで、動き補償部36で実行されるダウンサイズ動き補償と一致するように縮小される。
【0043】
図4において、適応動きベクトルの演算方法2が説明されている。この方法は、動きベクトルについての適応縮小スキームを、PフレームとBフレームの両方に適用することによって、ドリフトエラーの発生を防ぐことと生じるドリフトエラーを除去することとをより効果的に行うことができる。
【0044】
高解像度のビデオのストリームが、可変長符号復号化を行うために可変長符号復号化部41に送られ、ストリーム中の符号化されたビットは、各ブロックについてのDCT係数、動きベクトル、サイド情報にアンパックされる。マスキング・逆量子化部42において、マスキングおよび4x4ブロックの逆量子化が行われる。その後、逆離散コサイン変換部43において、4x4ブロックの逆離散コサイン変換が行われる。
【0045】
適応動きベクトル演算部44において、動き補償部46で実行されるダウンサイズ動き補償と一致するように、Pフレーム(1方向予測)における動きベクトルが縮小される。全てのBフレーム(双方向予測)について、通常/従来の動きベクトルの演算が、動き補償部46で実行されるダウンサイズ動き補償と一致するように、Bフレームにおける動きベクトルを縮小させるために行われる。
【0046】
適応動きベクトル演算部44において、Pフレームは、第1のPフレーム、第2のPフレーム、第3のPフレーム、第4のPフレームとして記録されており、動きベクトルの演算は、Pフレームの順番によって異なって実行される。奇数値を有する動きベクトルは、例えば縮小係数2で縮小されるとき、+/−0.5の精度ロスを生じさせることが分かっている。これは、動きベクトルが最終的に整数でなければならないので、避けることができない。しかしながら、このPフレームについて+0.5の精度ロスを生じさせ、直後のPフレームについて−0.5の精度ロスを生じさせる縮小スキームを実行することによって、動きベクトルの精度におけるロスが蓄積しないようにできる。Pフレームは、次のPフレームとBフレームを予測するための参照として使用される。PフレームからPフレームへ伝播される精度ロスを制御して減らすことができるならば、参照されるPフレームは非常に役に立つであろう。
【0047】
Bフレームは、他のフレームを予測するために参照として使用されないので、Bフレームにおける精度ロスは、重要でなく、Bフレームにおける精度ロスによって生じるドリフトエラーは、Pフレームにおける精度ロスによって生じるドリフトエラーと比べて目立たない。しかしながら、ある特定のシーケンスの場合、精度ロスが+/−1であっても問題であり、この精度ロスによって画質が明らかに低下する。
【0048】
図4において示された方法は、全てのPフレームおよびBフレームについて、動きベクトルの縮小における精度ロスから生じる可能性がある全てのものを排除することである。
【0049】
動きベクトルの縮小において、Pフレームは、精度ロスが生じないように制御されるならば、Bフレームにおける精度ロスの最大値は、+/−1となる。このBフレームにおける精度ロスによっても、ある特定のシーケンスにおいて目に見える歪みが生じる。
【0050】
適応動きベクトル演算部45において、Bフレームにおける動きベクトルは、どちらの予測モードで符号化されたかどうかチェックされる。動きベクトルが、前方向動きベクトルであるならば、さらにその直前のPフレームがどちらの方向に精度ロスを生じさせているか、つまり+0.5かまたは−0.5かチェックされる。動きベクトルが、後方向動きベクトルであるならば、さらにその直後のPフレームがどちらの方向に精度ロスを生じさせているか、つまり+0.5かまたは−0.5かチェックされる。この情報に基づいて、Bフレームにおける動きベクトルの縮小は、+1または−1の精度ロスを避けるように行われる。
【0051】
動きベクトルの2つの演算方法は、図5、6、7、8においてさらに詳細に説明されている。
図5は、詳細なフローチャートによって適応動きベクトルの演算方法1を詳細に示す。図5は、適応動きベクトルの演算方法1についての実施の形態を示し、図6は、適応動きベクトルの演算方法1についての別の実施の形態を示す。
【0052】
図5のステップS501において、ビットストリームは、PフレームであるかBフレームであるかチェックされる。ビットストリームがBフレームであるならば、演算方法1において、特別に考慮されることなく従来の動きベクトルの演算が行われる。例えば、ステップS503において、MV≧0ならば、(MV+1)/2の演算を行い、MV<0ならば、(MV−1)/2の演算を行う。ここで、MVとは、動きベクトル(motion vector)のことである。ステップS501において、ビットストリームがPフレームであると判定されたならば、ステップS502において、さらに処理するために、Pフレームの順番が記録され、奇数のPフレームであるか、偶数のPフレームであるか判定される。
【0053】
第1のPフレームが奇数のPフレームであるとするならば、第2のPフレームが偶数のPフレームであり、第3のPフレームは奇数のPフレームであり、以下交互に偶数のPフレーム、奇数のPフレームとなる。全ての偶数のPフレームにおける動きベクトルは、+0.5の精度ロス(負の値を有する動きベクトルの場合、−0.5の精度ロス)を伴って縮小され、それに対して、全ての奇数のPフレームにおける動きベクトルは、−0.5の精度ロス(正の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロス)を伴って縮小される。
【0054】
ステップS504において、偶数のPフレームにおける動きベクトルは、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割される。奇数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS506に送られる。ステップS506において、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、+0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、−0.5の精度ロスを生じる。また、偶数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS507に送られる。ステップS507において、動きベクトルの縮小の際に、精度ロスは全く生じない。
【0055】
ステップS505において、奇数のPフレームにおける動きベクトルは、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割される。奇数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS509に送られる。ステップS509において、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、−0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロスを生じる。また、偶数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS508に送られる。ステップS508において、動きベクトルの縮小の際に、精度ロスは全く生じない。
【0056】
ステップS510において、水平方向と垂直方向の両方において縮小された動きベクトルは、ダウンサイズ動き補償を行うために、各ミクロブロックに出力される。ここで、MVsは動きベクトル、MVxは水平方向の動きベクトル、MVyは、垂直方向の動きベクトルを表す。
【0057】
なお、偶数のPフレームについての破線で囲まれたファンクションは、奇数のPフレームについての破線で囲まれたファンクションと交換されてもよい。図5は、単に例を示す。
【0058】
ステップS506とステップS507は、図6のステップS604において示されているように、1つにまとめることが可能である。それは、1つにまとめても最終的な結果が同じだからである。
【0059】
図6は、図5において示された実施の形態とは別の実施の形態を示す。
図6のステップS601において、ビットストリームは、PフレームであるかBフレームであるかチェックされる。ビットストリームがBフレームであるならば、演算方法1において、特別に考慮されることなく従来の動きベクトルの演算が行われる。例えば、ステップS603において、MV≧0ならば、(MV+1)/2の演算を行い、MV<0ならば、(MV−1)/2の演算を行う。ここで、MVとは、動きベクトル(motion vector)のことである。ステップS601において、ビットストリームがPフレームであると判定されたならば、ステップS602において、さらに処理するために、Pフレームの順番が記録され、奇数のPフレームであるか、偶数のPフレームであるか判定される。
【0060】
第1のPフレームが奇数のPフレームであるとするならば、第2のPフレームが偶数のPフレームであり、第3のPフレームは奇数のPフレームであり、以下交互に偶数のPフレーム、奇数のPフレームとなる。全ての偶数のPフレームにおける動きベクトルは、+0.5の精度ロス(負の値を有する動きベクトルの場合、−0.5の精度ロス)を伴って縮小され、それに対して、全ての奇数のPフレームにおける動きベクトルは、−0.5の精度ロス(正の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロス)を伴って縮小される。
【0061】
ステップS604において、偶数のPフレームにおける動きベクトルは、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割されない。奇数値/偶数値を有する動きベクトルは、ステップS604において縮小が実行される。ステップS604において、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、+0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、−0.5の精度ロスを生じる。偶数値を有する動きベクトルは、ステップS604において、縮小の際に、精度ロスは全く生じない。この演算において、動きベクトルの値における小数点以下の端数は無視される。
【0062】
ステップS605において、奇数のPフレームにおける動きベクトルは、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割される。奇数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS607に送られる。ステップS607において、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、−0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロスを生じる。偶数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS606に送られる。ステップS606において、動きベクトルの縮小の際に、精度ロスは全く生じない。
【0063】
ステップS608において、水平方向と垂直方向の両方において縮小された動きベクトルは、ダウンサイズ動き補償を行うために、各ミクロブロックに出力される。ここで、MVsは動きベクトル、MVxは水平方向の動きベクトル、MVyは、垂直方向の動きベクトルを表す。
【0064】
図7、8は、詳細なフローチャートによって適応動きベクトルの演算方法2を示す。
Pフレームにおける動きベクトルの処理スキームまたは縮小スキームは図5と図6のものと同一である。Bフレームにおける動きフレームの縮小は、ここで説明される。
【0065】
図7のステップS701において、ビットストリームは、PフレームであるかBフレームであるかチェックされる。ビットストリームがPフレームであるならば、ステップS702において、さらに処理するために、Pフレームの順番が記録され、奇数のPフレームであるか、偶数のPフレームであるか判定される。
【0066】
第1のPフレームが奇数のPフレームであるとするならば、第2のPフレームが偶数のPフレームであり、第3のPフレームは奇数のPフレームであり、以下交互に偶数のPフレーム、奇数のPフレームとなる。全ての偶数のPフレームにおける動きベクトルは、+0.5の精度ロス(負の値を有する動きベクトルの場合、−0.5の精度ロス)を伴って縮小され、それに対して、全ての奇数のPフレームにおける動きベクトルは、−0.5の精度ロス(正の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロス)を伴って縮小される。
【0067】
ステップS703において、偶数のPフレームにおける動きベクトルは、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割される。奇数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS705に送られる。ステップS705において、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、+0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、−0.5の精度ロスを生じる。偶数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS706に送られる。ステップS706において、動きベクトルの縮小の際に、精度ロスは全く生じない。
【0068】
ステップS704において、奇数のPフレームにおける動きベクトルは、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割される。奇数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS708に送られる。ステップS708において、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、動きベクトルを縮小する際に、−0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロスを生じる。偶数値を有する動きベクトルは、動きベクトルを縮小するために、ステップS707に送られる。ステップS707において、動きベクトルの縮小の際に、精度ロスは全く生じない。
【0069】
ステップS701において、ビットストリームがBフレームであると判定されたならば、図8のステップS801において、Bフレームにおける動きベクトルがチェックされ、前方向動きベクトルと後方向動きベクトルとに分割される。ここで、F−MVは、前方向動きベクトルを表し、B−MVは、後方向動きベクトルを表す。
【0070】
ステップS801において、動きベクトルが前方向動きベクトルであるならば、ステップS802において、直前のPフレームがチェックされる。次にステップS804において、直前のPフレームが偶数のPフレームか奇数のPフレームか判定される。ここでは、偶数のPフレームにおける動きベクトルが図5または図6に示された実施の形態に基づいて縮小される、つまり、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、縮小の際に+0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、縮小の際に−0.5の精度ロスを生じるとする。それに対して、奇数のPフレームにおける動きベクトルが、図5および図6に示された実施の形態に基づいて縮小される、つまり、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、縮小の際に−0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、縮小の際に+0.5の精度ロスを生じるとする。
【0071】
ステップS806において、前方向動きベクトルは、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルとに分割される。ここで、前方向動きベクトルの予測されるPフレームは、動きベクトルを縮小するための偶数のPフレームである。奇数値を有する動きベクトルは、ステップS808において、動きベクトルの縮小の際に、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きの場合、−0.5の精度ロスを生じる。偶数値を有する動きベクトルは、ステップS809において、動きベクトルの縮小の際に、精度ロスを生じない。
【0072】
ステップS810において、前方向動きベクトルは、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルとに分割されない。ここで、前方向動きベクトルの予測されるPフレームは、動きベクトルを縮小するための奇数のPフレームである。ステップS810において、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルについて、動きベクトルの縮小を行う。動きベクトルの縮小の際に、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、−0.5の精度ロスが生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロスが生じる。さらに偶数値を有するベクトルの場合、動きベクトル縮小の際に、精度ロスが生じない。
【0073】
ステップS801において、動きベクトルが後方向動きベクトルであるならば、ステップS803において、直後のPフレームがチェックされる。ステップS805において、直後のPフレームが奇数のPフレームか偶数のPフレームか判定される。ここでは、偶数のPフレームにおける動きベクトルが図5または図6に示された実施の形態に基づいて縮小される、つまり、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、縮小の際に+0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、縮小の際に−0.5の精度ロスを生じるとする。それに対して、奇数のPフレームにおける動きベクトルが、図5および図6に示された実施の形態に基づいて縮小される、つまり、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、縮小の際に−0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、縮小の際に+0.5の精度ロスを生じるとする。
【0074】
ステップS807において、後方向動きベクトルは、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルとに分割される。ここで、後方向動きベクトルの予測されるPフレームは、動きベクトルを縮小するための偶数のPフレームである。奇数値を有する動きベクトルは、ステップS811において、動きベクトルの縮小の際に、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロスを生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、−0.5の精度ロスを生じる。偶数値を有する動きベクトルは、ステップS812において、動きベクトルの縮小の際に、精度ロスを生じない。
【0075】
ステップS813において、前方向動きベクトルは、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルとに分割されない。ここで、前方向動きベクトルの予測されるPフレームは、動きベクトルを縮小するための奇数のPフレームである。ステップS813において、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルについて、動きベクトルの縮小を行う。動きベクトルの縮小の際に、奇数かつ正の値を有する動きベクトルの場合、−0.5の精度ロスが生じ、奇数かつ負の値を有する動きベクトルの場合、+0.5の精度ロスが生じる。さらに偶数値を有する動きベクトルの場合、動きベクトル縮小の際に、精度ロスが生じない。
【0076】
ステップS709において、水平方向と垂直方向の両方において縮小された動きベクトルは、ダウンサイズ動き補償を行うために、各ミクロブロックに出力される。ここで、MVsは動きベクトル、MVxは水平方向の動きベクトル、MVyは、垂直方向の動きベクトルを表す。
【0077】
なお、本発明において8x8ブロックと4x4ブロックが使用されているが、これらに限定されることはない。ダウンコンバージョンの割合によって適切なブロックが選択される。さらに、本発明は1/2のダウンコンバージョンに限定されることなく、その他の割合のダウンコンバージョンであってもよい。
【0078】
また、本発明に係るダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法は、インターレース方式のビデオプロセスにおいても、プログレッシブ方式のビデオプロセスにおいても使用されることが可能である。
また、本発明に係るダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法は、例えば拡大比が2の場合、動きベクトルを2倍に拡大することによって、アップコンバージョンにも適用することが可能である。
また、本発明に係るダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法は、精度ロスだけでなく、その他のエラーを生じさせる要因が伝播することによって蓄積されるロスを防ぐために適用することも可能である。
【0079】
【発明の効果】
本発明に係るダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法は、ビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐことにおいて、非常に有効であり、また効果的である。例えば、11ビットストリームについて、本発明に係る方法を使用するダウンコンバージョンと本発明に係る方法を使用しないダウンコンバージョンとを比較するテストによれば、本発明に係る方法のスキームに切り換えた後、ビデオダウンコンバージョンにおいて生じる、目立ちかつ不適切なドリフトエラーが完全に消失する。
【0080】
本発明に係るダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法は、最適なビデオ復号化装置において実施される上で非常に簡単であり、動きベクトルの縮小における精度ロスによって、ドリフトエラーが生じることなく、より少ないコンピュータ処理でより速いビデオダウンコンバージョン復号化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の簡単なダウンコンバージョンスキームに関する先行技術の説明図を示す。
【図2】 従来の簡単なダウンコンバージョンスキームに関するまた別の先行技術の説明図を示す。
【図3】 適応動きベクトルの演算の説明図を示す。
【図4】 適応動きベクトルの演算の別の説明図を示す。
【図5】 適応動きベクトルの演算方法1のフローチャートを示す。
【図6】 適応動きベクトルの演算方法1の別のフローチャートを示す。
【図7】 適応動きベクトルの演算方法2のフローチャートを示す。
【図8】 適応動きベクトルの演算方法2のフローチャートを示す。
【符号の説明】
11…可変長符号復号化部、 12…マスキング・逆量子化部、 13…逆離散コサイン変換部、 14…動きベクトル演算部、 15…動き補償部、 21…可変長符号復号化・逆量子化部、 22…マスキング部、 23…逆離散コサイン変換部、 24…動きベクトル演算部、 25…動き補償部、 31…可変長符号復号化部、 32…マスキング・逆量子化部、 33…逆離散コサイン変換部、 34…適応動きベクトル演算部、 35…通常動きベクトル演算部、 36…動き補償部、 41…可変長符号復号化部、 42…マスキング・逆量子化部、 43…逆離散コサイン変換部、 44…適応動きベクトル演算部、 45…適応動きベクトル演算部、 46…動き補償部。

Claims (2)

  1. ビットストリームを復号化し、前記ビットストリームを、各NxNブロックに関する量子化された離散コサイン変換係数、動きベクトル、サイド情報にアンパックするステップと、
    NxNブロックに関する前記量子化された離散コサイン変換係数を、MxMブロックに関する逆量子化された離散コサイン変換係数にマスキングし逆量子化するステップ(M≦N)と、
    前記逆量子化された離散コサイン変換係数によって、MxMブロックの逆離散コサイン変換を実行するステップと、
    Pフレームの順番をチェックすることによって、Pフレームにおける動きベクトルについて、動きベクトルの演算を行うステップであって、第1Pフレーム、第2Pフレーム、第3Pフレーム、第4Pフレームのように、Pフレームに順番をつけるステップ、第1Pフレームは奇数のPフレーム、第2Pフレームは偶数のPフレーム、第3Pフレームは奇数のPフレームのように定義するステップ、偶数のPフレームにおける前記動きベクトルをチェックし、前記動きベクトルを、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルに分割するステップ、奇数のPフレームにおける前記動きベクトルをチェックし、前記動きベクトルを、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルに分割するステップ、偶数のPフレームにおける奇数値を有する動きベクトルについて1方向に精度ロスを生じさせ、さらに奇数のPフレームにおける奇数値を有する動きベクトルについて別の方向に精度ロスを生じさせるように前記動きベクトルを縮小するステップ、及び、偶数のPフレームおよび奇数のPフレームの両方における偶数値を有する動きベクトルについて、精度ロスを生じさせずに前記動きベクトルを縮小するステップを含むステップと、
    全てのBフレームにおける動きベクトルについて動きベクトルの演算を行うステップと、
    上記縮小された動きベクトルを用いることによって解像度のダウンサイズにおける動き補償を実行するステップと、
    低解像度のビデオピクチャーを再構築する、または表示するステップとを含むことを特徴とするビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法。
  2. ビットストリームを復号化し、前記ビットストリームを、各NxNのブロックに関する量子化された離散コサイン変換係数、動きベクトル、サイド情報にアンパックするステップと、
    NxNブロックに関する前記量子化された離散コサイン変換係数を、MxMブロックに関する逆量子化された離散コサイン変換係数にマスキングし逆量子化するステップ(M≦N)と、
    前記逆量子化された離散コサイン変換係数によって、MxMブロックの逆離散コサイン変換を実行するステップと、
    Pフレームの順番をチェックし、Pフレームにおける動きベクトルについて、動きベクトルの演算を行い、また、前記動きベクトルの予測モードをチェックし、Bフレームにおける動きベクトルについて、動きベクトルの演算を行うステップであって、第1Pフレーム、第2Pフレーム、第3Pフレーム、第4Pフレームのように、Pフレームに順番をつけるステップ、第1Pフレームは奇数のPフレーム、第2Pフレームは偶数のPフレーム、第3Pフレームは奇数のPフレームのように定義するステップ、偶数のPフレームにおける前記動きベクトルをチェックし、前記動きベクトルを、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルに分割するステップ、奇数のPフレームにおける前記動きベクトルをチェックし、前記動きベクトルを、偶数値を有する動きベクトルと奇数値を有する動きベクトルに分割するステップ、偶数のPフレームにおける奇数値を有する動きベクトルについて1方向に精度ロスを生じさせ、さらに奇数のPフレームにおける奇数値を有する動きベクトルについて別の方向に精度ロスを生じさせるように前記動きベクトルを縮小するステップ、偶数のPフレームおよび奇数のPフレームの両方における偶数値を有 する動きベクトルについて、精度ロスを生じさせずに前記動きベクトルを縮小するステップ、Bフレームにおける動きベクトルについて、予測モードをチェックするステップ、前記Bフレームにおける前記動きベクトルを、前方向動きベクトルと後方向動きベクトルとに分割するステップ、前記前方向動きベクトルについて、以前のPフレームにおいて使用される前記動きベクトルの値をチェックするステップ、前記後方向動きベクトルについて、以後のPフレームにおいて使用される前記動きベクトルの値をチェックするステップ、前記前方向動きベクトルを、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割するステップ、前記後方向動きベクトルを、奇数値を有する動きベクトルと偶数値を有する動きベクトルとに分割するステップ、奇数値を有する動きベクトルについて、以前のPフレームの精度ロスが生じる方向とは別の方向に精度ロスを生じさせるように、前記前方向動きベクトルを縮小するステップ、奇数値を有する動きベクトルについて、以後のPフレームの精度ロスが生じる方向とは別の方向に精度ロスを生じさせるように、前記後方向動きベクトルを縮小するステップ、及び、偶数値を有する動きベクトルについて、精度ロスを生じさせないように、前記前方向動きベクトルまたは前記後方向動きベクトルを縮小するステップを含むステップと、
    上記縮小された動きベクトルを用いることによって解像度のダウンサイズにおける動き補償を実行するステップと、
    低解像度のビデオピクチャーを再構築する、または表示するステップとを含むことを特徴とするビデオダウンコンバージョンにおけるドリフトエラーを防ぐ方法。
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