JP2006279573A - 符号化装置と方法、ならびに復号装置と方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 動き補償のダイレクトモードは、線形動きモデルから外れた場合に符号化効率が悪化する。
【解決手段】 動きベクトル線形予測部64は、動画像の対象Bフレームの対象マクロブロックと空間的な位置が一致する後方参照Pフレームの参照マクロブロックの動きベクトルを対象Bフレームの対象マクロブロックの動きベクトルと想定する。動きベクトル線形予測部64は、想定された動きベクトルから対象マクロブロックの順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルを線形予測する。差分ベクトル探索部66は、順方向動きベクトルを補正するための差分ベクトルと、逆方向動きベクトルを補正するための差分ベクトルをそれぞれ独立に求める。動き補償予測部68は、順方向差分ベクトルと逆方向差分ベクトルによりそれぞれ補正された順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルを用いて対象マクロブロックを動き補償して、予測画像を生成する。
【選択図】 図3
【解決手段】 動きベクトル線形予測部64は、動画像の対象Bフレームの対象マクロブロックと空間的な位置が一致する後方参照Pフレームの参照マクロブロックの動きベクトルを対象Bフレームの対象マクロブロックの動きベクトルと想定する。動きベクトル線形予測部64は、想定された動きベクトルから対象マクロブロックの順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルを線形予測する。差分ベクトル探索部66は、順方向動きベクトルを補正するための差分ベクトルと、逆方向動きベクトルを補正するための差分ベクトルをそれぞれ独立に求める。動き補償予測部68は、順方向差分ベクトルと逆方向差分ベクトルによりそれぞれ補正された順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルを用いて対象マクロブロックを動き補償して、予測画像を生成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、動画像を符号化する符号化装置と方法、ならびに符号化された動画像を復号する復号装置と方法に関する。
ブロードバンドネットワークが急速に発展しており、高品質な動画像を利用したサービスに期待が集まっている。また、DVDなど大容量の記録媒体が利用されており、高画質の画像を楽しむユーザ層が広がっている。動画像を通信回線で伝送したり、記録媒体に蓄積するために不可欠な技術として圧縮符号化がある。動画像圧縮符号化技術の国際標準として、MPEG4の規格やH.264/AVC規格がある。また、1つのストリームにおいて高画質のストリームと低画質のストリームを併せもつSVC(Scalable Video Codec)のような次世代画像圧縮技術がある。
動画像の圧縮符号化では、動き補償が行われる。特許文献1には、双方向動き補償を利用して動画像を符号するビデオ画像符号化装置が開示されている。
特開平9−182083号公報
高解像度の動画像をストリーム配信したり、記録媒体に蓄積する場合、通信帯域を圧迫しないように、あるいは、記憶容量が大きくならないように、動画ストリームの圧縮率を高める必要がある。しかし、高い画質を維持するために、より細かい画素単位で動き補償をする必要があり、たとえば、1/4画素精度での動きベクトルの探索などが行われ、動きベクトルに関する符号量が非常に多くなる。動きベクトルに関する情報量が増えると、動画ストリームの圧縮率を高める上で一つの障害となる。そこで、動きベクトル情報に起因する符号量を減らす技術が求められている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたもので、その目的は、符号化効率が高く、また、精度の高い動き予測を行うことのできる動画像の符号化技術および復号技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の符号化装置は、動画像のフレームを符号化する符号化装置であって、符号化対象フレームの対象ブロックと対応する他のフレームのブロックの動きベクトルを利用して、第1参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第1動きベクトルと、第2参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第2動きベクトルとを線形予測する動きベクトル線形予測部と、前記第1動きベクトルを補正するための第1差分ベクトルと、前記第2動きベクトルを補正するための第2差分ベクトルとをそれぞれ独立に探索する差分ベクトル探索部と、前記第1差分ベクトルにより補正された前記第1動きベクトルと、前記第2差分ベクトルにより補正された前記第2動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う動き補償予測部とを含む。
「符号化対象フレームの対象ブロックと対応する他のフレームのブロック」とは、符号化対象フレームの対象ブロックと他のフレームのブロックとが画像上で同一位置にある場合やほぼ同一の位置にある場合の他、画面のスクロールなどにより、両ブロックが画像上の位置は異なっていても、対応関係がある場合なども含む。
この態様によると、動き補償の精度を高め、また、動きベクトル情報の符号量を減らすことができる。
本発明の別の態様は、動画像ストリームのデータ構造である。この動画像ストリームのデータ構造は、動画像のフレームが符号化された動画像ストリームのデータ構造であって、符号化対象フレームの対象ブロックと対応する他のフレームのブロックの動きベクトルを利用して線形予測された第1参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第1動きベクトルおよび第2参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第2動きベクトルのそれぞれを独立に補正するための第1差分ベクトルおよび第2差分ベクトルとが、動きベクトル情報として前記符号化対象フレームともに可変長符号化されてなる。
本発明のさらに別の態様は、復号装置である。この装置は、動画像のフレームが符号化された動画像ストリームを復号する復号装置であって、復号対象フレームの対象ブロックと対応する他のフレームのブロックの動きベクトルを利用して、第1参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第1動きベクトルと、第2参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第2動きベクトルとを線形予測する動きベクトル線形予測部と、前記第1動きベクトルを補正するための第1差分ベクトルと、前記第2動きベクトルを補正するための第2差分ベクトルとを前記動画像ストリームから取得し、前記第1差分ベクトルを前記第1動きベクトルに合成し、前記第2差分ベクトルを前記第2動きベクトルに合成する差分ベクトル合成部と、前記第1差分ベクトルにより補正された前記第1動きベクトルと、前記第2差分ベクトルにより補正された前記第2動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う動き補償予測部とを含む。
この態様によると、動き補償の精度を高め、高画質で動画を再生することができる。
本発明のさらに別の態様は、符号化装置である。この装置は、動画像のフレームをMPEG規格もしくはH.264/AVC規格に準拠して符号化する符号化装置であって、符号化対象Bフレームの対象ブロックと対応する位置にある後方参照Pフレームのブロックの動きベクトルを利用して、前方参照Pフレームに対する前記対象ブロックの順方向の動きを示す順方向動きベクトルと、前記後方参照Pフレームに対する前記対象ブロックの逆方向の動きを示す逆方向動きベクトルとを線形予測する動きベクトル線形予測部と、前記順方向動きベクトルを補正するための順方向差分ベクトルと、前記逆方向動きベクトルを補正するための逆方向差分ベクトルとをそれぞれ独立に探索する差分ベクトル探索部と、前記順方向差分ベクトルにより補正された前記順方向動きベクトルと、前記逆方向差分ベクトルにより補正された前記逆方向動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う動き補償予測部とを含む。
本発明のさらに別の態様は、復号装置である。この装置は、動画像のフレームが符号化された動画像ストリームをMPEG規格もしくはH.264/AVC規格に準拠して復号する復号装置であって、復号対象Bフレームの対象ブロックと対応する位置にある後方参照Pフレームのブロックの動きベクトルを利用して、前方参照Pフレームに対する前記対象ブロックの順方向の動きを示す順方向動きベクトルと、前記後方参照Pフレームに対する前記対象ブロックの逆方向の動きを示す逆方向動きベクトルとを線形予測する動きベクトル線形予測部と、前記順方向動きベクトルを補正するための順方向差分ベクトルと、前記逆方向動きベクトルを補正するための逆方向差分ベクトルとを前記動画像ストリームから取得し、前記順方向差分ベクトルを前記順方向動きベクトルに合成し、前記逆方向差分ベクトルを前記逆方向動きベクトルに合成する差分ベクトル合成部と、前記順方向差分ベクトルにより補正された前記順方向動きベクトルと、前記逆方向差分ベクトルにより補正された前記逆方向動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う動き補償予測部とを含む。
本発明のさらに別の態様は、符号化方法である。この方法は、MPEG規格もしくはH.264/AVC規格のダイレクトモードにより動画像の符号化対象フレームを双方向予測符号化する際に、後方参照フレームの動きベクトルにもとづいて線形予測された順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルのそれぞれを独立に補正するための順方向差分ベクトルと逆方向差分ベクトルを求め、前記順方向差分ベクトルにより補正された前記順方向動きベクトルと、前記逆方向差分ベクトルにより補正された前記逆方向動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う。
本発明のさらに別の態様は、復号方法である。この方法は、MPEG規格もしくはH.264/AVC規格のダイレクトモードにより動画像の符号化フレームを双方向予測により復号する際に、後方参照フレームの動きベクトルにもとづいて線形予測された順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルのそれぞれを独立に補正するための順方向差分ベクトルと逆方向差分ベクトルを前記符号化ストリームから取得し、取得した前記順方向差分ベクトルと前記逆方向差分ベクトルをそれぞれ順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルに合成することで補正し、補正された前記順方向動きベクトルと補正された前記逆方向動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、動画像の符号化効率を向上し、また、高い精度の動き予測を行うことできる。
図1は、実施の形態に係る符号化装置100の構成図である。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた画像符号化機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
本実施の形態の符号化装置100は、国際標準化機関であるISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission)によって標準化されたMPEG(Moving Picture Experts Group)シリーズの規格(MPEG−1、MPEG−2およびMPEG−4)、電気通信に関する国際標準機関であるITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector)によって標準化されたH.26xシリーズの規格(H.261、H.262およびH.263)、もしくは両方の標準化機関によって合同で標準化された最新の動画像圧縮符号化標準規格であるH.264/AVC(両機関における正式勧告名はそれぞれMPEG-4 Part 10: Advanced Video CodingとH.264)に準拠して動画像の符号化を行う。
MPEGシリーズの規格では、フレーム内符号化を行う画像フレームをI(Intra)フレーム、過去のフレームを参照画像として順方向のフレーム間予測符号化を行う画像フレームをP(Predictive)フレーム、過去と未来のフレームを参照画像として双方向のフレーム間予測符号化を行う画像フレームをBフレームという。
一方、H.264/AVCでは、参照画像として利用できるフレームは、時間の先後を問わず、過去の2枚のフレームを参照画像としてもよく、未来の2枚のフレームを参照画像としてもよい。また、参照画像として利用できるフレームの枚数も問わず、3枚以上のフレームを参照画像として用いることもできる。したがって、MPEG−1/2/4では、Bフレームは双方向予測(Bi-directional prediction)フレームのことを指していたが、H.264/AVCでは、Bフレームは、参照画像の時間の先後は問わないため、双予測(Bi-predictive prediction)フレームのことを指すことに留意する。
なお、本願明細書では、フレームとピクチャを同じ意味で用いており、Iフレーム、Pフレーム、Bフレームは、それぞれIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャとも呼ばれている。
符号化装置100は、フレーム単位で動画像の入力を受け取り、動画像を符号化し、符号化ストリームを出力する。
ブロック生成部10は、入力された画像フレームをマクロブロックに分割する。画像フレームの左上から右下方向の順にマクロブロックが形成される。ブロック生成部10は生成したマクロブロックを差分器12と動き補償部60に供給する。
差分器12は、ブロック生成部10から供給される画像フレームがIフレームであれば、そのままDCT部20に出力するが、PフレームまたはBフレームであれば、動き補償部60から供給される予測画像との差分を計算してDCT部20に供給する。
動き補償部60は、フレームバッファ80に格納されている過去または未来の画像フレームを参照画像として利用し、ブロック生成部10から入力されたPフレームまたはBフレームのマクロブロック毎に動き補償を行い、動きベクトルと予測画像を生成する。動き補償部60は、生成した動きベクトルを可変長符号化部90に供給し、予測画像を差分器12と加算器14に供給する。
差分器12は、ブロック生成部10から出力される現在の画像と、動き補償部60から出力される予測画像との差分を求め、DCT部20に出力する。DCT部20は、差分器12から与えられた差分画像を離散コサイン変換(DCT)し、DCT係数を量子化部30に与える。
量子化部30は、DCT係数を量子化し、可変長符号化部90に与える。可変長符号化部90は、動き補償部60から与えられた動きベクトルとともに差分画像の量子化されたDCT係数を可変長符号化し、符号化ストリームを生成する。可変長符号化部90は、符号化ストリームを生成する際、符号化されたフレームを時間順序に並べ替える処理を行う。
量子化部30は、画像フレームの量子化されたDCT係数を逆量子化部40に供給する。逆量子化部40は、与えられた量子化データを逆量子化し、逆DCT部50に与え、逆DCT部50は、与えられた逆量子化データを逆離散コサイン変換する。これにより、符号化された画像フレームが復元される。復元された画像フレームは加算器14に入力される。
加算器14は、逆DCT部50から供給される画像フレームがIフレームであれば、そのままフレームバッファ80に格納する。加算器14は、逆DCT部50から供給される画像フレームがPフレームまたはBフレームであれば、それは差分画像であるため、逆DCT部50から供給された差分画像と動き補償部60から供給される予測画像とを加算することにより、元の画像フレームを再構成し、フレームバッファ80に格納する。
PフレームもしくはBフレームの符号化処理の場合は、上述のように動き補償部60が動作するが、Iフレームの符号化処理の場合は、動き補償部60は動作せず、ここでは図示しないが、フレーム内予測が行われる。
動き補償部60は、Bフレームの動き補償をする際、改良ダイレクトモードで動作する。MPEG−4やH.264/AVCの規格には、Bフレームの動き補償にダイレクトモードがあるが、改良ダイレクトモードはこのダイレクトモードを改良したものである。
まず、比較のために通常のダイレクトモードを説明し、その後、本実施の形態の改良ダイレクトモードを説明する。
図2は、通常のダイレクトモードによる動き補償の手順を説明する図である。ダイレクトモードでは、線形動きモデルにしたがって、一つの動きベクトルを順方向、逆方向に線形補間することで双方向予測の効果をもたせる。
同図は左から右を時間の流れとして、4枚のフレームを表示時間順に図示しており、Pフレーム201、Bフレーム202、Bフレーム203、Pフレーム204の順に表示がなされる。符号化の順序はこの表示順序とは異なり、まず同図の1番目のPフレーム201が符号化され、次に、4番目のPフレーム204が、1番目のPフレーム201を参照画像として動き補償が行われて符号化される。その後、Bフレーム202、Bフレーム203が、前後の2枚のPフレーム201、204を参照画像として動き補償が行われて符号化される。なお、同図の1番目のPフレームはIフレームであってもよい。また、同図の4番目のPフレームはIフレームであってもよい。その際、Iフレーム内の対応するブロックにおける動きベクトルは(0,0)として扱われる。
今、2枚のPフレーム201、204の符号化が完了し、Bフレーム203を符号化する段階であるとする。このBフレーム203を対象Bフレームと呼び、対象Bフレームより後に表示されるPフレーム204を後方参照Pフレーム、対象Bフレームより前に表示されるPフレーム201を前方参照Pフレームと呼ぶ。
双方向予測モードでは、対象Bフレーム203を前方参照Pフレーム201、後方参照Pフレーム204の2枚のフレームによって双方向に予測して、前方参照Pフレーム201に対する動きを示す順方向動きベクトルMVFと、後方参照Pフレーム204に対する動きを示す逆方向動きベクトルMVBをそれぞれ独立に求め、2つの動きベクトルを生成する。それに対して、ダイレクトモードでは、対象Bフレーム203を前方参照Pフレーム201、後方参照Pフレーム204の2枚のフレームによって双方向に予測する点は同じであるが、生成する動きベクトルは1つであり、1つの動きベクトルから順方向、逆方向の動きベクトルを線形予測する点が異なる。
ダイレクトモードでは、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213と空間的な位置が一致する後方参照Pフレーム204の参照マクロブロック214について既に求められた動きベクトル(符号224)が、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の動きベクトルMV(符号223)であると想定する。そして、この動きベクトルMVを、次式のようにフレーム間の時間間隔の比で内分することにより、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の順方向動きベクトルMVFと、逆方向動きベクトルMVBを求める。
MVF=(TRB×MV)/TRD
MVB=(TRB−TRD)×MV/TRD
MVB=(TRB−TRD)×MV/TRD
TRBは、前方参照Pフレーム201から対象Bフレーム203までの時間間隔であり、TRDは、前方参照Pフレーム201から後方参照Pフレーム204までの時間間隔である。
ダイレクトモードは、動きの速度が一定であるという線形動きモデルにもとづくものであるが、実際は動きの速度が一定であるとは限らないため、対象マクロブロック213の線形予測された移動位置と実際の移動位置との差分ベクトルΔVを用いて、順方向動きベクトルMVFと、逆方向動きベクトルMVBを次式のように補正する。
MVF’=(TRB×MV)/TRD+ΔV
MVB’=(TRB−TRD)×MV/TRD−ΔV
MVB’=(TRB−TRD)×MV/TRD−ΔV
同図では、2次元画像を1次元的に図示しているが、動きベクトルが画像の水平方向と垂直方向の2次元成分をもつのに対応して、差分ベクトルΔVも水平方向と垂直方向の2次元成分をもつ。
ダイレクトモードでは、順方向動きベクトルMVF’と、逆方向動きベクトルMVB’で共通の差分ベクトルΔVを用いている。したがって、逆方向動きベクトルMVB’による後方参照Pフレーム204の参照位置から順方向動きベクトルMVF’による前方参照Pフレーム201の参照位置への動きを示す動きベクトル(符号225)は、後方参照Pフレーム204の参照マクロブロック214の動きベクトル(符号224)すなわち対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の想定された動きベクトルMV(符号223)と平行であり、動きベクトルの傾きに変化がないことに留意する。
ダイレクトモードでは、共通の差分ベクトルΔVにより補正された順方向動きベクトルMVF’と逆方向動きベクトルMVB’を用いて対象マクロブロック213を動き補償し、予測画像を生成する。ダイレクトモードの動きベクトル情報は、動きベクトルMVと差分ベクトルΔVである。双方向予測と比べると、双方向予測の動きベクトル情報は、順方向動きベクトルMVFと逆方向動きベクトルMVBという互いに独立した2つのベクトルである。
動きベクトルの符号量を考えた場合、双方向予測では、順方向と逆方向で独立した動きベクトルを検出するため、参照画像との差分誤差は小さくなるが、2つの独立した動きベクトルの情報を符号化するため、動きベクトル情報の符号量が多くなる。最近の高画質の圧縮符号化では、1/4画素精度での動きベクトルの探索が行われることが多く、動きベクトル情報の符号量が一層増大することになる。
一方、ダイレクトモードでは、後方参照Pフレーム204の動きベクトルを利用して順方向と逆方向の動きベクトルを線形予測するため、動きベクトルの符号化は不要であり、差分ベクトルΔVの情報だけを符号化すればよい。しかも、差分ベクトルΔVは、実際の動きが線形動きに近いほど小さい値になる。線形動きモデルで近似できる場合は、差分ベクトルΔVの符号量は十分に小さい。
しかしながら、図2で説明したように、逆方向動きベクトルMVB’による後方参照Pフレーム204の参照位置から順方向動きベクトルMVF’による前方参照Pフレーム201の参照位置への動きを示す動きベクトル(符号225)は、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の想定された動きベクトルMV(符号223)の傾きと同じであるため、線形動きモデルの近似から外れると、前方参照Pフレーム201、後方参照Pフレーム204との差分誤差が大きくなり、符号量が増えてしまう。ダイレクトモードは、双方向予測画像であるBフレーム203と後方参照画像であるPフレーム204の間に相関がある場合に、符号化効率が高いが、そうでない場合は、差分誤差により符号化効率が悪くなる傾向がある。
このように、ダイレクトモードは、双方向予測モードに比べて符号化効率の面では優れているものの、線形動きモデルの近似からずれた場合の差分誤差による影響によって符号量が大きくなることがあり、改良の余地があることを本出願人は認識するに至った。以下、ダイレクトモードを改良した「改良ダイレクトモード」を説明する。
図3は、動き補償部60の構成を説明する図である。図4も合わせて参照しながら、動き補償部60により改良ダイレクトモードを実行する手順を説明する。図4は、通常のダイレクトモードによる動き補償を説明した図2と同符号を用いて、改良ダイレクトモードによる動き補償を説明した図であり、図2と共通する説明は省略する。
動き補償部60は、後方参照Pフレーム204の動き補償を行ったときに、後方参照Pフレーム204の各マクロブロックの動きベクトルを検出しており、既に検出した後方参照Pフレーム204の動きベクトル情報を動きベクトル保持部61に保持する。
動きベクトル線形予測部64は、後方参照Pフレーム204の動きベクトルの情報を動きベクトル保持部61から参照して、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213と空間的な位置が一致する後方参照Pフレーム204の参照マクロブロック214の動きベクトル(符号224)を取得し、それを対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の動きベクトルMV(符号223)と想定する。
動きベクトル線形予測部64は、ダイレクトモードと同様に、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の想定された動きベクトルMVから対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の順方向動きベクトルMVFと逆方向動きベクトルMVBを線形予測する。
後方参照Pフレーム204の参照マクロブロック214の動きベクトルMVは、後方参照Pフレーム204と前方参照Pフレーム201の時間差TRDの間に、参照マクロブロック214が動く量と方向を示すものであるから、線形動きモデルにしたがえば、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213は、対象Bフレーム203と前方参照Pフレーム201の時間差TRBの間に、MV×(TRB/TRD)の動きを示すことが予測される。したがって、動きベクトル線形予測部64は、順方向動きベクトルMVFを次式により求める。
MVF=(TRB×MV)/TRD
MVF=(TRB×MV)/TRD
同様に、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213は、対象Bフレーム203と後方参照Pフレーム204の時間差(TRD−TRB)の間に、−MV×(TRD−TRB)/TRDの動きを示すことが予測される。したがって、動きベクトル線形予測部64は、逆方向動きベクトルMVBを次式により求める。
MVB=(TRB−TRD)×MV/TRD
MVB=(TRB−TRD)×MV/TRD
動きベクトル線形予測部64は、求めた順方向動きベクトルMVFと逆方向動きベクトルMVBを差分ベクトル探索部66に与える。
次に、差分ベクトル探索部66は、動きベクトル線形予測部64により求めた順方向動きベクトルMVFを補正するための差分ベクトルΔV1と、逆方向動きベクトルMVBを補正するための差分ベクトルΔV2とをそれぞれ独立に求める。
対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の実際の動きは、後方参照Pフレーム204の参照マクロブロック214の動きから線形予測したものからずれるため、差分ベクトル探索部66は、対象マクロブロック213の順方向の実際の動きと、逆方向の実際の動きを探索する。
差分ベクトル探索部66は、順方向動きベクトルMVFにより線形予測された対象マクロブロック213の順方向の予測マクロブロックと実際の順方向の移動位置との差分を示す順方向差分ベクトルΔV1を求める。同様に、差分ベクトル探索部66は、逆方向動きベクトルMVBにより線形予測された対象マクロブロック213の逆方向の予測マクロブロックと実際の逆方向の移動位置との差分を示す逆方向差分ベクトルΔV2を求める。
差分ベクトル探索部66は、次式のように、順方向差分ベクトルΔV1により順方向動きベクトルMVFを補正し、逆方向差分ベクトルΔV2により逆方向動きベクトルMVBを補正する。差分ベクトル探索部66は、補正後の順方向動きベクトルMVF’と逆方向動きベクトルMVB’を動き補償予測部68に与える。
MVF’=(TRB×MV)/TRD+ΔV1
MVB’=(TRB−TRD)×MV/TRD−ΔV2
MVF’=(TRB×MV)/TRD+ΔV1
MVB’=(TRB−TRD)×MV/TRD−ΔV2
動き補償予測部68は、順方向差分ベクトルΔV1と逆方向差分ベクトルΔV2によりそれぞれ補正された順方向動きベクトルMVF’と逆方向動きベクトルMVB’を用いて対象マクロブロック213を動き補償して、予測画像を生成し、差分器12と加算器14に出力する。
改良ダイレクトモードの動きベクトル情報は、動きベクトルMV、順方向差分ベクトルΔV1と逆方向差分ベクトルΔV2であり、そのうち、符号化される順方向差分ベクトルΔV1と逆方向差分ベクトルΔV2は、差分ベクトル探索部66から可変長符号化部90に出力される。
図4に示すように、改良ダイレクトモードでは、順方向動きベクトルMVFを補正するための順方向差分ベクトルΔV1と、逆方向動きベクトルMVBを補正するための逆方向差分ベクトルΔV2とを独立に定めるため、補正された逆方向動きベクトルMVB’による後方参照Pフレーム204の参照位置から、補正された順方向動きベクトルMVF’による前方参照Pフレーム201の参照位置への動きを示す動きベクトル(符号225)を、対象Bフレーム203の対象マクロブロック213の想定された動きベクトルMV(符号223)の傾きとは異ならせることができる。したがって、改良ダイレクトモードでは、線形動きモデルの近似からずれても、順方向動きベクトルMVFと逆方向動きベクトルMVBを独立に補正して、前方参照Pフレーム201、後方参照Pフレーム204との差分誤差が大きくなるのを避けることができる。
このように、本実施の形態の符号化装置100による改良ダイレクトモードでは、通常のダイレクトモードで利用する後方参照Pフレーム204の動きベクトルMVに対し、2つの差分ベクトルΔV1、ΔV2をもたせる。このため、通常のダイレクトモードに比べて、動きベクトル情報が差分ベクトル1つ分だけ増えることになるが、2つの差分ベクトルを用いたことで参照画像との差分誤差は少なくなるため、全体の符号量は少なくすることができる。
また、双方向予測モードと比べても、改良ダイレクトモードでは、参照画像との差分誤差による符号量は理論上は同じになるが、動きベクトル情報の符号量は同等かそれ以下になる。双方向予測では、動きベクトル情報は、順方向および逆方向の独立した2つの動きベクトルであるが、改良ダイレクトモードでは、動きベクトル情報は、後方参照フレームの動きベクトルと2つの差分ベクトルである。改良ダイレクトモードでは、双方向予測画像と後方参照画像との間に強い相関がある場合には、線形動きモデルの近似精度が高くなり、2つの差分ベクトルは小さい値になる。
また、画像の解像度が高くなるほど、動きベクトルの大きさが大きくなるため、符号全体に占める動きベクトル情報の符号量の割合が高くなる。したがって、改良ダイレクトモードの動きベクトル情報の符号量が少ないことの効果が大きくなり、他のモードと比較して符号化効率が一層向上する。
また、符号化された動画の画質の面から見れば、本実施の形態の符号化装置100によれば、対象Bフレームの順方向動きベクトルMVFと逆方向動きベクトルMVBをそれぞれ独立に前方差分ベクトルΔV1、後方差分ベクトルΔV2により補正するため、精度の高い動き補償を行うことができ、画質を高めることができる。対象Bフレームと後方参照Pフレームとが相関が高い、すなわち、時間軸方向の変化を見た場合の線形性が高い場合は、線形動きモデルが有効に働くが、時間線形性から多少ずれていても、順方向動きベクトルMVFと逆方向動きベクトルMVBをそれぞれ独立に補正することにより、精度を高めることができ、時間線形性からのずれによる画質の劣化を防ぐことができる。
図5は、実施の形態に係る復号装置300の構成図である。これらの機能ブロックもハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現することができる。
復号装置300は、符号化ストリームの入力を受け取り、符号化ストリームを復号して出力画像を生成する。
可変長復号部310は、入力された符号化ストリームを可変長復号し、復号された画像データを逆量子化部320に供給し、動きベクトル情報を動き補償部360に供給する。
逆量子化部320は、可変長復号部310により復号された画像データを逆量子化し、逆DCT部330に供給する。逆量子化部320により逆量子化された画像データはDCT係数である。逆DCT部330は、逆量子化部320により逆量子化されたDCT係数を逆離散コサイン変換(IDCT)することにより、元の画像データを復元する。逆DCT部330により復元された画像データは、加算器312に供給される。
加算器312は、逆DCT部330から供給された画像データが、Iフレームである場合、そのIフレームの画像データをそのまま出力するとともに、PフレームやBフレームの予測画像を生成するための参照画像として、フレームバッファ380に格納する。
加算器312は、逆DCT部330から供給された画像データが、Pフレームである場合、その画像データは差分画像であるから、逆DCT部330から供給された差分画像と動き補償部360から供給される予測画像を加算することにより、元の画像データを復元し、出力する。
動き補償部360は、可変長復号部310から供給される動きベクトル情報と、フレームバッファ380に格納された参照画像を用いて、PフレームまたはBフレームの予測画像を生成し、加算器312に供給する。改良ダイレクトモードで符号化されたBフレームを復号するための動き補償部360の構成と動作を説明する。
図6は、動き補償部360の構成図である。動き補償部360は、後方参照Pフレームの動き補償を行ったときに、後方参照Pフレームの各マクロブロックの動きベクトルを検出しており、既に検出した後方参照Pフレームの動きベクトル情報を動きベクトル保持部361に保持する。
動きベクトル取得部362は、可変長復号部310から動きベクトル情報を取得する。この動きベクトル情報には、前方差分ベクトルΔV1と後方差分ベクトルΔV2が含まれている。動きベクトル取得部362は、2つの差分ベクトルΔV1、ΔV2を差分ベクトル合成部366に与える。
動きベクトル線形予測部364は、後方参照Pフレームの動きベクトルの情報を動きベクトル保持部361から参照して、対象Bフレームの対象マクロブロックと空間的な位置が一致する後方参照Pフレームの参照マクロブロックの動きベクトルを取得し、それを対象Bフレームの対象マクロブロックの動きベクトルMVと想定する。
動きベクトル線形予測部364は、動きベクトルMVを線形補間することにより、対象Bフレームのマクロブロックの順方向動きベクトルMVFと逆方向動きベクトルMVBを線形予測する。
差分ベクトル合成部366は、線形予測された順方向動きベクトルMVFに前方差分ベクトルΔV1を合成することにより、補正後の順方向動きベクトルMVF’を生成する。同様に、差分ベクトル合成部366は、線形予測された逆方向動きベクトルMVBに後方差分ベクトルΔV2を合成することにより、補正後の逆方向動きベクトルMVB’を生成する。差分ベクトル合成部366は、補正後の順方向動きベクトルMVF’と逆方向動きベクトルMVB’を動き補償予測部368に与える。
動き補償予測部368は、補正後の順方向動きベクトルMVF’と逆方向動きベクトルMVB’を用いて、Bフレームの予測画像を生成して加算器312に出力する。
本実施の形態の復号装置300によれば、対象Bフレームの順方向動きベクトルMVFと逆方向動きベクトルMVBをそれぞれ独立に前方差分ベクトルΔV1、後方差分ベクトルΔV2により補正することにより、動き補償の精度を高め、高画質で動画を再生することができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の説明では、表示時間の前後のPフレームを用いた双方向予測によりBフレームを動き補償する場合のダイレクトモードを改良した改良ダイレクトモードを説明したが、本実施の形態の符号化装置100の動き補償部60による改良ダイレクトモードは、必ずしも時間前後の参照画像を用いる場合に限定されない。過去の2枚のPフレーム、未来の2枚のPフレームを用いた線形予測において、同様に、2つの差分ベクトルを用いて補正を行うようにしてもよい。
また、上記の説明では、対象Bフレームの対象マクロブロックと同一位置にある後方参照Pフレーム204の参照マクロブロックの動きベクトルを利用して線形予測を行ったが、対象マクロブロックと参照マクロブロックが、必ずしも画像上で同一位置になくてもよい。たとえば、画面のスクロールなどにより、画素の位置が変わることもあるため、対象マクロブロックと参照マクロブロックが画像上の位置は異なっていても、対応関係にあることもある。参照ブロックの動きベクトルを対象マクロブロックの動きベクトルと想定する上で、対象マクロブロックと参照マクロブロックとの間に何らかの対応関係があればよい。
10 ブロック生成部、 12 差分器、 14 加算器、 20 DCT部、 30 量子化部、 40 逆量子化部、 50 逆DCT部、 60 動き補償部、 61 動きベクトル保持部、 64 動きベクトル線形予測部、 66 差分ベクトル探索部、 68 動き補償予測部、 80 フレームバッファ、 90 可変長符号化部、 100 符号化装置、 201 前方参照Pフレーム、 203 対象Bフレーム、 204 後方参照Pフレーム。
Claims (9)
- 動画像のフレームを符号化する符号化装置であって、
符号化対象フレームの対象ブロックと対応する他のフレームのブロックの動きベクトルを利用して、第1参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第1動きベクトルと、第2参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第2動きベクトルとを線形予測する動きベクトル線形予測部と、
前記第1動きベクトルを補正するための第1差分ベクトルと、前記第2動きベクトルを補正するための第2差分ベクトルとをそれぞれ独立に探索する差分ベクトル探索部と、
前記第1差分ベクトルにより補正された前記第1動きベクトルと、前記第2差分ベクトルにより補正された前記第2動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う動き補償予測部とを含むことを特徴とする符号化装置。 - 前記第1および第2参照フレームは、前記動画像のフレームの表示順序において前記対象フレームの前後のフレームであることを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
- 前記第1差分ベクトルと前記第2差分ベクトルとを動きベクトル情報として前記符号化対象フレームともに可変長符号化する可変長符号化部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
- 動画像のフレームが符号化された動画像ストリームのデータ構造であって、
符号化対象フレームの対象ブロックと対応する他のフレームのブロックの動きベクトルを利用して線形予測された第1参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第1動きベクトルおよび第2参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第2動きベクトルのそれぞれを独立に補正するための第1差分ベクトルおよび第2差分ベクトルとが、動きベクトル情報として前記符号化対象フレームともに可変長符号化されてなることを特徴とする動画像ストリームのデータ構造。 - 動画像のフレームが符号化された動画像ストリームを復号する復号装置であって、
復号対象フレームの対象ブロックと対応する他のフレームのブロックの動きベクトルを利用して、第1参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第1動きベクトルと、第2参照フレームに対する前記対象ブロックの動きを示す第2動きベクトルとを線形予測する動きベクトル線形予測部と、
前記第1動きベクトルを補正するための第1差分ベクトルと、前記第2動きベクトルを補正するための第2差分ベクトルとを前記動画像ストリームから取得し、前記第1差分ベクトルを前記第1動きベクトルに合成し、前記第2差分ベクトルを前記第2動きベクトルに合成する差分ベクトル合成部と、
前記第1差分ベクトルにより補正された前記第1動きベクトルと、前記第2差分ベクトルにより補正された前記第2動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う動き補償予測部とを含むことを特徴とする復号装置。 - 動画像のフレームをMPEG規格もしくはH.264/AVC規格に準拠して符号化する符号化装置であって、
符号化対象Bフレームの対象ブロックと対応する位置にある後方参照Pフレームのブロックの動きベクトルを利用して、前方参照Pフレームに対する前記対象ブロックの順方向の動きを示す順方向動きベクトルと、前記後方参照Pフレームに対する前記対象ブロックの逆方向の動きを示す逆方向動きベクトルとを線形予測する動きベクトル線形予測部と、
前記順方向動きベクトルを補正するための順方向差分ベクトルと、前記逆方向動きベクトルを補正するための逆方向差分ベクトルとをそれぞれ独立に探索する差分ベクトル探索部と、
前記順方向差分ベクトルにより補正された前記順方向動きベクトルと、前記逆方向差分ベクトルにより補正された前記逆方向動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う動き補償予測部とを含むことを特徴とする符号化装置。 - 動画像のフレームが符号化された動画像ストリームをMPEG規格もしくはH.264/AVC規格に準拠して復号する復号装置であって、
復号対象Bフレームの対象ブロックと対応する位置にある後方参照Pフレームのブロックの動きベクトルを利用して、前方参照Pフレームに対する前記対象ブロックの順方向の動きを示す順方向動きベクトルと、前記後方参照Pフレームに対する前記対象ブロックの逆方向の動きを示す逆方向動きベクトルとを線形予測する動きベクトル線形予測部と、
前記順方向動きベクトルを補正するための順方向差分ベクトルと、前記逆方向動きベクトルを補正するための逆方向差分ベクトルとを前記動画像ストリームから取得し、前記順方向差分ベクトルを前記順方向動きベクトルに合成し、前記逆方向差分ベクトルを前記逆方向動きベクトルに合成する差分ベクトル合成部と、
前記順方向差分ベクトルにより補正された前記順方向動きベクトルと、前記逆方向差分ベクトルにより補正された前記逆方向動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行う動き補償予測部とを含むことを特徴とする復号装置。 - MPEG規格もしくはH.264/AVC規格のダイレクトモードにより動画像の符号化対象フレームを双方向予測符号化する際に、後方参照フレームの動きベクトルにもとづいて線形予測された順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルのそれぞれを独立に補正するための順方向差分ベクトルと逆方向差分ベクトルを求め、前記順方向差分ベクトルにより補正された前記順方向動きベクトルと、前記逆方向差分ベクトルにより補正された前記逆方向動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行うことを特徴とする符号化方法。
- MPEG規格もしくはH.264/AVC規格のダイレクトモードにより動画像の符号化フレームを双方向予測により復号する際に、後方参照フレームの動きベクトルにもとづいて線形予測された順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルのそれぞれを独立に補正するための順方向差分ベクトルと逆方向差分ベクトルを前記符号化ストリームから取得し、取得した前記順方向差分ベクトルと前記逆方向差分ベクトルをそれぞれ順方向動きベクトルと逆方向動きベクトルに合成することで補正し、補正された前記順方向動きベクトルと補正された前記逆方向動きベクトルとを用いて、前記対象ブロックの動き補償予測を行うことを特徴とする復号方法。
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