JP5709492B2 - 画像符号化方式変換装置および画像符号化方式変換プログラム - Google Patents
画像符号化方式変換装置および画像符号化方式変換プログラム Download PDFInfo
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Description
図1に示す画像符号化方式変換装置1は、第1の符号化方式で符号化された入力ビットストリームEs4を順次読み込み、第2の符号化方式で符号化された出力ビットストリームEs2に変換する。本実施の形態1において、入力ビットストリームEs4はMPEG−4で符号化されているものとし、出力ビットストリームEs2はMPEG−2で符号化されているものとする。また、MPEG−4のプロファイルはAdvanced Simple Profileが使用されるものとする。なお、入力ビットストリームおよび出力ビットストリームの符号化方式はMPEG−4およびMPEG−2に限る必要はなく、直交変換および予測符号化を採用する符号化方式であればどのような方式でも良い。ただし、両符号化方式で採用される直交変換の方式は同一である必要があり、本実施の形態1ではDCT(Discrete Cosine Transform)が使用されているものとする。
図2に、補正係数によって復号画像の誤差を解消する処理の流れを示す。この補正係数は図1の補正DCT係数DTsに相当し、逆直交変換した場合に第1の予測信号と第2の予測信号の差分に等しくなるような係数である。
図1において、画像符号化方式変換装置1はMPEG−4分離部10と、補正係数計算部104と、MPEG−2多重化部11と、2つの加算部105,110と、フレームメモリ111とを備える構成である。このMPEG−4分離部10は、MPEG−4VLD(Variable Length Decoding)部101、MPEG−4逆DC/AC予測部102およびMPEG−4逆量子化部103を有する。また、MPEG−2多重化部11は、MPEG−2量子化部106、MPEG−2VLC(Variable Length Coding)部107、MPEG−2逆DCT部108およびMPEG−2逆量子化部109を有する。
まずMPEG−4分離部10は、入力ビットストリームEs4をマクロブロック単位で順次読み込み、MPEG−4符号化パラメータ(第1の予測符号化パラメータ)Cp4を補正係数計算部104へ、および第1のDCT係数(第1の直交変換係数)Ts4を加算部105へそれぞれ出力する。
図中、mb_typeMPEG−4は、MPEG−4に従ってマクロブロックがイントラ符号化されているか、インター符号化されているか等のタイプを指定するパラメータである。motion_vectorMPEG−4は、MPEG−4の予測符号化によってマクロブロックの動きベクトルを指定するパラメータである。
なお、MPEG−4符号化パラメータCp4に含むパラメータは図3に示すものに限らずとも良い。
また、読み込んだマクロブロックがVideoObjectLayerの最初のマクロブロックである場合、MPEG−4符号化パラメータCp4にはさらにquarter_sampleパラメータが含まれる。quarter_sampleは、動き補償予測の画素精度を指定するパラメータである。なお、ここでVideoObjectLayerに含まれる他の符号化パラメータを追加でMPEG−4符号化パラメータCp4に含めても良い。
MPEG−4VLD部101は、入力ビットストリームEs4を読み込み、MPEG−4規格に基づいて符号化パラメータおよびマクロブロックを可変長復号し、MPEG−4符号化パラメータCp4およびマクロブロック1つ分のMPEG−4量子化された差分DCT係数DQs4を出力するものである。
MPEG−2量子化部106は、加算部105が出力した第2のDCT係数Ts2を読み込み、MPEG−2規格に基づいて量子化し、MPEG−2量子化されたDCT係数Qs2を出力するものである。
MPEG−2逆量子化部109は、MPEG−2逆DCT部108が出力した差分画像TLs2をMPEG−2規格に基づいて逆量子化し、局所復号差分画像DLs2を出力する。
図4に、補正DCT係数DTsを計算する補正係数計算部104の内部構成を示す。図示するように補正係数計算部104は、符号化パラメータ変換部201と、MPEG−2予測信号生成部202と、MPEG−4予測信号生成部203と、減算部204と、DCT変換部205とを備えている。
MPEG−4符号化パラメータCp4および参照画像Rs2が補正係数計算部104に入力されると、符号化パラメータ変換部201がそれらを読み込んでMPEG−2符号化パラメータCp2に変換して出力する。
図中、macroblock_typeMPEG−2は、MPEG−2に従ってマクロブロックがイントラ符号化されているか、インター符号化されているか等のタイプを指定するパラメータである。motion_vectorsMPEG−2は、MPEG−2の予測符号化によってマクロブロックの動きベクトルを指定するパラメータであり、MPEG−4の予測符号化より多くの動きベクトルを指定可能である。
なお、MPEG−2符号化パラメータCp2に含むパラメータは図5に示すものに限らずとも良い。
また、変換対象のマクロブロックがVideoObjectLayerの最初のマクロブロックである場合、MPEG−2のシーケンスヘッダに符号化可能なパラメータを追加して、MPEG−2符号化パラメータCp2に含めても良い。
直交変換処理は可逆的な処理であるため、補正DCT係数DTsを計算するには第1の予測信号(MPEG−4予測信号Ps4に相当する)と第2の予測信号(MPEG−2予測信号Ps2に相当する)の差分を求めて、その差分である予測差分信号DPsを直交変換すれば良い。
図4に示す符号化パラメータ変換部201は、図3に示すMPEG−4符号化パラメータCp4を用いて、図5に示すMPEG−2符号化パラメータCp2におけるmacroblock_typeMPEG−2を次のように設定する。
2.変換対象のVideoObjectPlaneがB−VOP以外、かつ、mb_typeMPEG−4がintraでもintra_qでもなければ、macroblock_forwardを有効にする。
3.変換対象のVideoObjectPlaneがB−VOPの場合、さらにmb_typeMPEG−4がbackward_mc+q以外の場合にmacroblock_forwardを有効にし、一方、mb_typeMPEG−4がforward_mc+q以外の場合にmacroblock_backwardを有効にする。
2.motion_vectorMPEG−4が図7に示す条件のいずれかを満たさない場合、参照画像Rs2を用いて動きベクトルの探索を行い、motion_vectorsMPEG−2を設定する。
1.動きベクトル探索範囲Sr2を決定する。
2.motion_vectorMPEG−4および参照画像Rs2を用いてMPEG−4予測信号Ps4を生成する。
3.探索範囲Sr2内の各領域に関してMPEG−4予測信号Ps4との差分を取り、差分が最も小さくなる座標MRfを求める。
4.座標MRfを指す動きベクトルをmotion_vectorsMPEG−2とする。
motion_vectorMPEG−4が図7の番号1の条件を満たさない場合、即ち変換対象のマクロブロックにおいて1/4画素精度動き補償予測が用いられている場合、MPEG−2規格では1/2画素精度動き補償予測しか許可されていないため、このmotion_vectorMPEG−4はMPEG−2規格で利用不可能である。このような場合には、図8に示すように探索範囲Sr2を、motion_vectorMPEG−4が参照している参照座標Rf4の8近傍の1/2画素精度の座標のみとすることで、動きベクトルの再探索を高速化することができる。
motion_vectorMPEG−4が図7の番号2の条件を満たさない場合、即ち変換対象のマクロブロックで8×8ブロック単位の動き補償予測が行われている場合、MPEG−2規格では8×8ブロック単位の動き補償予測は許可されていないため、このmotion_vectorMPEG−4はMPEG−2規格で利用不可能である。このような場合には、探索範囲Sr2を、motion_vectorMPEG−4に含まれる4本の動きベクトルが参照している参照座標Rf4[0]〜Rf4[3]のみとすることで、動きベクトルの再探索を高速化することができる。
motion_vectorMPEG−4が図7の番号3の条件を満たさない場合、MPEG−2規格では動きベクトルが参照画像Rs2の外部を参照することは許可されていないため、このmotion_vectorMPEG−4はMPEG−2規格で利用不可能である。このような場合、図9に示すように探索範囲Sr2を、motion_vectorMPEG−4が参照している画面(画像)外の参照座標Rf4と最も距離の小さい1/2画素精度の座標と、この座標に隣り合う1/2画素精度の座標のみとすることで、動きベクトルの再探索を高速化することができる。
このように、MPEG−4からMPEG−2へ予測符号化パラメータを変換した際に生じる誤差を予測信号同士の減算およびDCT変換によって求めることで、入力ビットストリームを逆DCT変換することなく出力ビットストリームに変換することができる。従って、符号化方式の変換によって生じる誤差を抑制しつつ、変換処理を高速化することが可能である。
図10は、本発明の実施の形態2に係る画像符号化方式変換装置を構成する補正係数計算部104aの内部構成を示すブロック図である。本実施の形態2では、上記実施の形態1の図4に示す補正係数計算部104に代えて、補正係数計算部104aを備える。この補正係数計算部104aは、上記実施の形態1の図4に示す補正係数計算部104における符号化パラメータ変換部201の代わりに、符号化パラメータ変換部201aを備える。この符号化パラメータ変換部201aは、MPEG−4符号化パラメータCp4および参照画像Rs2を入力とする代わりにMPEG−4符号化パラメータCp4のみを入力とし、MPEG−4符号化パラメータCp4のみからMPEG−2符号化パラメータCp2を生成して出力する。そして、本実施の形態2の画像符号化方式変換装置におけるその他の構成は、上記実施の形態1の図1に示す画像符号化方式変換装置1と同一の構成のため、以下では図1を援用する。なお、説明の都合上、本実施の形態2に係る画像符号化方式変換装置を、画像符号化方式変換装置1a(不図示)と称す。
まず符号化パラメータ変換部201aは、上記実施の形態1の符号化パラメータ変換部201と同様に、MPEG−2符号化パラメータCp2におけるmacroblock_typeMPEG−2を設定する。さらに、motion_vectorsMPEG−2に関しても、MPEG−4符号化パラメータCp4におけるmotion_vectorMPEG−4がMPEG−2規格で利用可能な場合、実施の形態1の符号化パラメータ変換部201と同様に設定する。
(例1)
まず、MPEG−4符号化パラメータCp4が図7に示す番号1の条件を満たさない場合、即ち変換対象のマクロブロックにおいて1/4画素精度動き補償予測が用いられている場合、MPEG−2規格では1/2画素精度動き補償予測しか許可されていないため、motion_vectorMPEG−4はMPEG−2規格で利用不可能である。このような場合、符号化パラメータ変換部201aは、下式(2)を用いて1/4画素精度の動きベクトルを1/2画素精度の動きベクトルに丸め、motion_vectorsMPEG−2を設定する。
また、MPEG−4符号化パラメータCp4が図7に示す番号2の条件を満たさない場合、即ち変換対象のマクロブロックで8×8ブロック単位の動き補償予測が行われている場合、MPEG−2規格では8×8ブロック単位の動き補償予測は許可されていないため、このmotion_vectorMPEG−4はMPEG−2規格で利用不可能である。このような場合、符号化パラメータ変換部201aは下式(3)を用いて全ての8×8ブロック単位の動きベクトルを平均し、motion_vectorsMPEG−2を設定する。
また、MPEG−4符号化パラメータCp4が図7の番号3の条件を満たさない場合、MPEG−2規格では動きベクトルが参照画像Rs2の外部を参照することは許可されていないため、このmotion_vectorMPEG−4はMPEG−2規格で利用不可能である。このような場合、符号化パラメータ変換部201aは下式(4)を用いて、補正係数計算部104aが参照する参照画像Rs2の内側にある領域で、現在参照している領域と最も近い領域を参照するようにmotion_vectorsMPEG−2を設定する。なお、式(4)においてmb_posは変換対象マクロブロックの左上座標、picture_sizeは参照画像Rs2のサイズを示す。
図11は、本発明の実施の形態3に係る画像符号化方式変換装置1bの構成を示すブロック図である。画像符号化方式変換装置1bは、上記実施の形態1の図1に示す画像符号化方式変換装置1におけるMPEG−4分離部10の代わりに、MPEG−4分離部10bを備える。また、補正係数計算部104の代わりに補正係数計算部104bを備える。さらに、MPEG−2多重化部11の代わりにMPEG−2多重化部11bを備える。そして、本実施の形態3の画像符号化方式変換装置1bにおけるその他の構成は、上記実施の形態1の図1に示す画像符号化方式変換装置1と同一の構成のため、詳細な説明は省略する。
この直交変換係数は図11に示す出力ビットストリームEs2の第1のDCT係数Ts4に相当する。入力ビットストリームの直交変換係をそのまま利用する場合、直交変換係数の各係数成分は第1の量子化ステップの倍数または第1の量子化ステップの倍数と整数値の和となっていることから、出力ビットストリームの量子化パラメータを上述のように設定することによって量子化方式の違いによる誤差が抑制できる。
図11に示す画像符号化方式変換装置1bにおいて、MPEG−4分離部10bは、上記実施の形態1のMPEG−4分離部10におけるMPEG−4VLD部101の代わりにMPEG−4VLD部101bを備える。MPEG−4分離部10bのその他の構成は、図1に示すMPEG−4分離部10と同一の構成となっている。
このMPEG−4VLD部101bは、MPEG−4VLD部101と同様にMPEG−4符号化パラメータCp4およびMPEG−4量子化された差分DCT係数DQs4を出力する。
本実施の形態3においてMPEG−4VLD部101bが出力するMPEG−4符号化パラメータCp4は、図3に示すパラメータに加えて符号化パラメータquantiser_scaleMPEG−4、quant_matMPEG−4およびquant_typeMPEG−4が含まれる。quantiser_scaleMPEG−4は、MPEG−4量子化ステップQp4を決定するパラメータであり、マクロブロック単位で指定される。quant_matMPEG−4は、DCT係数毎の量子化ステップを決定するパラメータであり、ピクチャ単位で指定される。quant_typeMPEG−4が1の場合、各DCT係数の量子化ステップはquantiser_scaleMPEG−4とquant_matMPEG−4の積に比例する。quant_typeMPEG−4は、量子化に用いる式を決定するパラメータである。quant_typeMETG−4が1の場合、量子化にはMEPG−2に近い量子化マトリックスを使った量子化式が使用される。一方、quant_typeMPEG−4が0の場合、量子化にはH.263に近い量子化マトリックスを使わない量子化式が使用される。これらのパラメータを以降はMPEG−4量子化パラメータ(第1の量子化パラメータ)と呼ぶ。
なお、quant_matMPEG−4およびquant_typeMPEG−4は、変換対象のマクロブロックがVideoObjectLayerの最初のマクロブロックである場合にMPEG−4符号化パラメータCp4に含まれる。
本実施の形態3において補正係数計算部104bが出力するMPEG−2符号化パラメータCp2は、図5に示すパラメータに加えて符号化パラメータquantiser_scaleMPEG−2、q_scale_typeMPEG−2およびquantiser_matrixMPEG−2が含まれる。quantiser_scaleMPEG−2は、MPEG−2量子化ステップQp2を決定するパラメータであり、マクロブロック単位で指定される。q_scale_typeMPEG−2は、quantiser_scaleMPEG−2の値域を制御するパラメータであり、ピクチャ単位で指定される。quantiser_matrixMPEG−2は、DCT係数毎の量子化ステップを決定するパラメータであり、ピクチャ単位で指定される。各DCT係数の量子化ステップは、quantiser_scaleMPEG−2とquantiser_matrixMPEG−2の積に比例する。これらのパラメータを以降はMPEG−2量子化パラメータ(第2の量子化パラメータ)と呼ぶ。
なお、q_scale_typeMPEG−2は、変換対象のマクロブロックがVideoObjectPlaneの先頭である場合にMPEG−2符号化パラメータCp2に含まれる。他方、quantiser_matrixMPEG−2は、変換対象のマクロブロックがVideoObjectLayerの先頭である場合にMPEG−2符号化パラメータCp2に含まれる。
このMPEG−2量子化部106bは、第2のDCT係数Ts2およびMPEG−2符号化パラメータCp2を読み込み、MPEG−2符号化パラメータCp2に含まれるMPEG−2量子化パラメータquantiser_scaleMPEG−2、q_scale_typeMPEG−2およびquantiser_matrixMPEG−2を用いて第2のDCT係数Ts2を量子化し、MPEG−2量子化されたDCT係数Qs2を出力する。
図15に、補正係数計算部104bの内部構成を示す。図示するように補正係数計算部104bは、符号化パラメータ変換部201に代えて符号化パラメータ変換部201bを備える。この符号化パラメータ変換部201bは、内部に量子化マトリックスQMtおよびquantiser_scale変換テーブルQTbを有する。量子化マトリックスQMtは、2つの8×8整数行列(イントラ用およびインター用)からなる。また、quantiser_scale変換テーブルQTbは31個の要素を持つ整数配列であり、quantiser_scaleMPEG−4の取りうる全ての値に対して、変換後のquantiser_scaleMPEG−2の値を格納している。この符号化パラメータ変換部201bは、MPEG−2符号化パラメータCp2にquantiser_scaleMPEG−2を含めて出力するよう動作する。また、変換対象のマクロブロックがVideoObjectPlaneの先頭である場合にはMPEG−2符号化パラメータCp2にq_scale_typeMPEG−2を含めて出力するよう動作する。さらに、変換対象のマクロブロックがVideoObjectLayerの先頭である場合にはMPEG−2符号化パラメータCp2にquantiser_matrixMPEG−2を含めて出力するよう動作する。そして、補正係数計算部104bにおけるその他の構成は、図4に示す補正係数計算部104の構成と同一の構成となっている。
まず読み込んだMPEG−4符号化パラメータCp4にquant_typeMPEG−4が含まれている場合、符号化パラメータ変換部201bは、内部の量子化マトリックスQMtおよびquantiser_scale変換テーブルQTbを初期化する。このとき、量子化マトリックスQMtおよびquantiser_scale変換テーブルQTbは、MPEG−2量子化ステップQp2が常にMPEG−4量子化ステップQp4の約数となるように初期化される。
また、MPEG−4量子化ステップQp4とは、MPEG−4符号化パラメータCp4を用いてMPEG−4規格による量子化を行う際に、割り算に使用される係数と定義する。
まずMPEG−4符号化パラメータCp4におけるquant_typeMPEG−4が1の場合の初期化の例を示す。quant_typeMPEG−4が1の場合、MPEG−4の逆量子化式は下式(5)のように定義される。ここで、Qsは量子化DCT係数、Tsは逆量子化後のDCT係数を示す。また、wはマクロブロック符号化タイプを示す変数であり、v,uはそれぞれ係数の位置を示す変数である。
なお、MPEG−2量子化ステップQp2[v][u]が常に1となるようにMPEG−2量子化パラメータを設定することもできるが、符号量が非常に大きくなるため現実的ではない。
一方、q_scale_typeMPEG−2を0とした場合は、quantiser_scaleMPEG−2は2から62の任意の偶数を取ることができるため、下式(10)によって量子化マトリックスQMtおよびquantiser_scale変換テーブルQTbを初期化すれば、MPEG−2量子化ステップQp2[v][u]が常にMPEG−4量子化ステップQp4[v][u]の約数となるようにすることができる。
quant_typeMPEG−4が0の場合、MPEG−4の逆量子化式は下式(11)および式(12)のように定義される。
あるいは、量子化マトリックスQMt[w][v][u]=4またはQMt[w][v][u]=2で初期化すれば、MPEG−2量子化ステップQp2[v][u]をMPEG−4量子化ステップQp4[v][u]の異なる約数とすることも可能である。
図12において第2の量子化ステップ(MPEG−2量子化ステップQp2に相当する)を第1の量子化ステップ(MPEG−4量子化ステップQp4に相当する)の約数になるように設定する構成を説明したが、この設定が複数存在する場合であって補正係数の加算を行う場合には、加算を行わない場合より第2の量子化ステップが小さくなるように前記設定を行う。これにより、図16に示すように、必ずしも第1の量子化ステップの倍数となっていない補正係数部分をより正確に量子化し、誤差を抑制することができる。
本実施の形態3においては、MPEG−4符号化パラメータCp4に含まれるmotion_vectorMPEG−4が図7に示す条件を全て満たすか否かによって補正DCT係数DTsを出力する必要があるか否かを推測することができる。図16に示したように、補正DCT係数DTsは必ずしもMPEG−4量子化ステップQp4の倍数とはならないため、この補正DCT係数DTsの情報が量子化によって失われることを抑制するためには、MPEG−2量子化ステップQp2がより小さくなるようにMPEG−2量子化パラメータを決定する必要がある。
このため、画像符号化方式変換装置1bは、入力ビットストリームの符号化に使用された量子化方式と出力ビットストリームの符号化に使用する量子化方式が異なる場合でも、より少ない誤差で符号化方式の変換ができる。
図17は、本実施の形態4に係る画像符号化方式変換装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態4では、上記実施の形態3の図11に示すMPEG−4分離部10bに代えてMPEG−4分離部10cを備える。また、図11の補正係数計算部104bに代えて補正係数計算部104cを備える。そして、本実施の形態4の画像符号化方式変換装置1cにおけるその他の構成は、上記実施の形態3の図11に示す画像符号化方式変換装置1bと同一の構成のため詳細な説明を省略する。
図19に示すように、補正係数が微小な場合、補正結果が量子化後の直交変換係数に反映されない。本実施の形態4では、このような場合にも直交変換係数を逆直交変換して生成した差分画像(即ち、図18に示す局所誤差画像ELsに相当する)を変換誤差メモリに蓄積し、次回以降の補正係数の計算に反映することで、第1の符号化方式から第2の符号化方式への変換に伴う誤差を抑制することができる。
本実施の形態4に係る画像符号化方式変換装置1cにおいて、MPEG−4VLD部101cは、VideoObjectPlaneの最初のマクロブロックを読み込んだ場合、MPEG−4符号化パラメータCp4として図13に示すパラメータに加えてvop_rounding_typeMPEG−4を出力するよう動作する。vop_rounding_typeMPEG−4は、1/2画素精度の動き予測を行う際に、予測画像を求めるための割り算を制御するパラメータであり、符号化ツールに相当する。
補正係数計算部104cは、上記実施の形態3に係る画像符号化方式変換装置1bにおける補正係数計算部104bと同様に、MPEG−2符号化パラメータCp2の出力、MPEG−2予測信号Ps2の出力、および予測差分信号(差分画像)DPsの生成を行う。また補正係数計算部104cは、生成した予測差分信号DPsを加算部206cに入力する。加算部206cは、変換誤差メモリ208cに蓄積されている誤差画像ERsをこの予測差分信号DPsに加算し、修正差分信号(修正差分画像)CPsを生成する。
一方、出力しない判定の場合、補正係数出力部207cは修正差分信号CPsをそのまま局所誤差画像ELsとして出力し、補正DCT係数DTsの出力は行わない。よって補正係数計算部104cから補正DCT係数DTsは出力されない。
補正係数出力部207cは、補正DCT係数DTsがMPEG−2量子化によってゼロ係数になる場合には補正DCT係数DTsを出力せず、そうでない場合(即ち、補正DCT係数DTsがMPEG−2量子化によってゼロ係数以外になる場合)には補正DCT係数DTsを出力するように動作する。この動作によって、図19に示したように、変換誤差メモリ208cに局所誤差画像ELsを蓄積し、蓄積分をまとめてDCT変換して量子化で失われない補正DCT係数DTsを出力することができるようになる。
1.motion_vectorMPEG−4が図7に示す条件を全て満たし、かつ、変換中のVideoObjectPlaneにおいてvop_rounding_typeMPEG−4が0である場合、補正DCT係数DTsは量子化によってゼロ係数となる。
2.motion_vectorMPEG−4が図7に示す番号2または番号3のいずれかの条件を満たさない場合、補正DCT係数DTsは量子化によってゼロ係数とならない。
3.上記1.または上記2.以外の場合、修正差分信号CPsの各成分の絶対値の和が閾値を超えるならば、補正DCT係数DTsは量子化によってゼロ係数とならないとし、一方、閾値を超えないならば補正DCT係数DTsは量子化によってゼロ係数となるとする。
本実施の形態4においては、補正係数出力部207cがどちらの方法を使用して判断しても良い。
符号化パラメータ変換部201bは、MPEG−4符号化パラメータCp4のvop_rounding_typeMPEG−4が1であり、mb_typeMPEG−4がイントラ符号化マクロブロックであることを示す値である場合、MPEG−2符号化パラメータCp2にintra_dc_precisionを含めて出力するよう動作する。
intra_dc_precisionは、MPEG−2のイントラDC係数を量子化する際の量子化ステップを決定するパラメータである。符号化パラメータ変換部201bは、その量子化ステップが最小になるよう、intra_dc_precisionを決定する。MPEG−2ではintra_dc_precision=2とする。
反対に、上方向に丸められた予測画素のほうが多ければ、DC成分を1減少させてもよい。
また、vop_rounding_typeMPEG−4による誤差以外にも、発生する誤差が小さい符号化ツールによる誤差であれば、上記同様に補正できる。
このように、補正係数がMPEG−2量子化によってゼロ係数になると予測される場合に、補正係数を出力せずに内部の変換誤差メモリに蓄積し、以降の補正係数の計算に利用することで、量子化によって丸められてしまうような微小な誤差でも補正することができる。
このため、補正DCT係数DTsを操作することにより、符号化ツールに起因する誤差を補正することができる。
Claims (9)
- 直交変換および予測符号化を採用している第1の符号化方式で符号化された入力ビットストリームを、直交変換および予測符号化を採用している第2の符号化方式で符号化された出力ビットストリームに変換する画像符号化方式変換装置であって、
前記第1の符号化方式に基づいた復号プロセスを途中まで進めて前記入力ビットストリームから第1の直交変換係数、第1の予測符号化パラメータおよび第1の量子化パラメータを抽出する分離部と、
前記第2の符号化方式に基づいて、前記分離部が抽出した第1の予測符号化パラメータを第2の予測符号化パラメータに変換し、前記分離部が抽出した第1の量子化パラメータを用いて第2の量子化パラメータを生成する符号化パラメータ変換部と、
前記分離部が抽出した第1の予測符号化パラメータを用いて前記第1の符号化方式に基づいて第1の予測画像を生成すると共に、前記符号化パラメータ変換部が決定した第2の予測符号化パラメータを用いて前記第2の符号化方式に基づいて第2の予測画像を生成し、前記第1の予測画像と前記第2の予測画像の差分画像を求め、前記差分画像を直交変換して補正係数を計算し出力する補正係数計算部と、
前記分離部が抽出した第1の直交変換係数に、前記補正係数計算部が計算した補正係数を加算して、第2の直交変換係数を出力する加算部と、
前記加算部が出力した第2の直交変換係数および前記符号化パラメータ変換部が決定した第2の予測符号化パラメータおよび第2の量子化パラメータを多重化し、前記第2の符号化方式に基づいた符号化プロセスによって符号化して前記出力ビットストリームを生成する多重化部とを備え、
前記第1の符号化方式において丸め誤差を制御する符号化ツールが利用可能、かつ、前記第2の符号化方式において前記符号化ツールを利用できない場合に、
前記分離部は、前記第1の直交変換係数、前記第1の予測符号化パラメータおよび前記第1の量子化パラメータに加えて、前記入力ビットストリームにおいて前記符号化ツールを示すパラメータを抽出し、
前記補正係数計算部は、前記入力ビットストリームに前記符号化ツールが使用されている場合に、前記符号化ツールが指定する丸め方向に基づいて、前記第1の予測画像の上方向に丸められる画素が下方向に丸められる画素より多ければ前記補正係数のうちの一部の係数を減少させ、上方向に丸められる画素より下方向に丸められる画素が多ければ前記一部の係数を増加させることを特徴とする画像符号化方式変換装置。 - 前記多重化部が生成した出力ビットストリームを復号して、予測符号化に使用する参照画像として蓄積するフレームメモリを備え、
前記補正係数計算部は、前記分離部が抽出した第1の予測符号化パラメータおよび前記フレームメモリに蓄積された参照画像を用いて、前記第1の符号化方式に基づいて第1の予測画像を生成すると共に、前記符号化パラメータ変換部が決定した第2の予測符号化パラメータおよび前記フレームメモリに蓄積された参照画像を用いて、前記第2の符号化方式に基づいて第2の予測画像を生成し、前記第1の予測画像と前記第2の予測画像の差分画像を求め、前記差分画像を直交変換して補正係数を計算し出力することを特徴とする請求項1記載の画像符号化方式変換装置。 - 前記第1の符号化方式および前記第2の符号化方式が動き補償予測符号化を採用しており、かつ、前記第1の符号化方式において前記第2の符号化方式より細かい画素単位での動き補償予測が可能である場合に、
前記符号化パラメータ変換部は、割り算によって、前記第1の予測符号化パラメータに含まれる第1の動きベクトルから、前記第2の予測符号化パラメータに含まれる第2の動きベクトルを決定することを特徴とする請求項1記載の画像符号化方式変換装置。 - 前記第1の符号化方式および前記第2の符号化方式が動き補償予測符号化を採用しており、かつ、前記第1の符号化方式において1つの予測符号化パラメータによって前記第2の符号化方式より多くの動きベクトルを指定可能である場合に、
前記符号化パラメータ変換部は、前記第1の予測符号化パラメータに含まれる2本以上の動きベクトルを1本の動きベクトルにまとめることで、前記第2の予測符号化パラメータによって指定可能な全ての動きベクトルを決定することを特徴とする請求項1または請求項3記載の画像符号化方式変換装置。 - 前記第1の符号化方式および前記第2の符号化方式が動き補償予測符号化を採用しており、かつ、前記第1の符号化方式において動きベクトルが参照できる座標の範囲が前記第2の符号化方式において動きベクトルが参照できる座標の範囲より広い場合に、
前記符号化パラメータ変換部は、前記第1の予測符号化パラメータに含まれる第1の動きベクトルの参照座標を、前記第2の符号化方式において参照できる座標の範囲内で最も前記第1の動きベクトルとの距離が小さい座標に丸めることで、前記第2の予測符号化パラメータに含まれる第2の動きベクトルを決定することを特徴とする請求項1、請求項3および請求項4のうちのいずれか1項記載の画像符号化方式変換装置。 - 前記符号化パラメータ変換部は、第2の量子化パラメータを生成するときに、前記分離部が抽出した第1の量子化パラメータを用いて量子化を行う場合に直交変換係数の割り算に用いられる値を第1の量子化ステップとし、前記第2の量子化パラメータを用いて量子化を行う場合に直交変換係数の割り算に用いられる値を第2の量子化ステップとすると、前記第2の量子化ステップが前記第1の量子化ステップの約数となるように前記第2の量子化パラメータを設定することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像符号化方式変換装置。
- 前記符号化パラメータ変換部は、前記第2の量子化ステップが前記第1の量子化ステップの約数となる前記第2の量子化パラメータが複数ある場合に、前記補正係数計算部が補正係数を出力し、かつ、前記補正係数がゼロでないときには、前記補正係数を出力しないときよりも前記第2の量子化ステップが小さくなる前記第2の量子化パラメータを選択することを特徴とする請求項6記載の画像符号化方式変換装置。
- 画像を蓄積する変換誤差メモリを備え、
前記補正係数計算部は、前記差分画像を直交変換して補正係数を計算する代わりに、前記差分画像に前記変換誤差メモリに蓄積された画像を加算して修正差分画像を求めて前記修正差分画像を直交変換して補正係数を計算し、さらに、前記補正係数が閾値より小さい場合には前記補正係数を出力せずに前記修正差分画像を前記変換誤差メモリに蓄積させることを特徴とする請求項6または請求項7記載の画像符号化方式変換装置。 - コンピュータに、直交変換および予測符号化を採用している第1の符号化方式で符号化された入力ビットストリームを、直交変換および予測符号化を採用している第2の符号化方式で符号化された出力ビットストリームに変換させるための画像符号化方式変換プログラムであって、
前記第1の符号化方式に基づいた復号プロセスを途中まで進めて前記入力ビットストリームから第1の直交変換係数、第1の予測符号化パラメータおよび第1の量子化パラメータを抽出する分離手順と、
前記第2の符号化方式に基づいて、前記分離手順で抽出した第1の予測符号化パラメータを第2の予測符号化パラメータに変換し、前記分離手順で抽出した第1の量子化パラメータを用いて第2の量子化パラメータを生成する符号化パラメータ変換手順と、
前記分離手順で抽出した第1の予測符号化パラメータを用いて前記第1の符号化方式に基づいて第1の予測画像を生成すると共に、前記符号化パラメータ変換手順で決定した第2の予測符号化パラメータを用いて前記第2の符号化方式に基づいて第2の予測画像を生成し、前記第1の予測画像と前記第2の予測画像の差分画像を求め、前記差分画像を直交変換して補正係数を計算し出力する補正係数計算手順と、
前記分離手順で抽出した第1の直交変換係数に、前記補正係数計算手順で計算した補正係数を加算して、第2の直交変換係数を出力する加算手順と、
前記加算手順で出力した第2の直交変換係数および前記符号化パラメータ変換手順で決定した第2の予測符号化パラメータおよび第2の量子化パラメータを多重化し、前記第2の符号化方式に基づいた符号化プロセスによって符号化して前記出力ビットストリームを生成する多重化手順とを備え、
前記第1の符号化方式において丸め誤差を制御する符号化ツールが利用可能、かつ、前記第2の符号化方式において前記符号化ツールを利用できない場合に、
前記分離手順は、前記第1の直交変換係数、前記第1の予測符号化パラメータおよび前記第1の量子化パラメータに加えて、前記入力ビットストリームにおいて前記符号化ツールを示すパラメータを抽出し、
前記補正係数計算手順は、前記入力ビットストリームに前記符号化ツールが使用されている場合に、前記符号化ツールが指定する丸め方向に基づいて、前記第1の予測画像の上方向に丸められる画素が下方向に丸められる画素より多ければ前記補正係数のうちの一部の係数を減少させ、上方向に丸められる画素より下方向に丸められる画素が多ければ前記一部の係数を増加させることを特徴とする画像符号化方式変換プログラム。
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