JP3818819B2 - 画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体 - Google Patents

画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および該方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体に係り、特に、必要な演算量が少なく、画質の劣化を抑えた圧縮符号化方式の方式変換を可能とする画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル映像信号を扱う機器が増加し、これらの機器で扱うデジタル映像信号はある符号化方式(以下、画像符号化方式という)によって圧縮符号化されている。ところが、異なる画像符号化方式の間には互換性がなく、ある機器で符号化したビットストリームは、他の画像符号化/復号化方式で符号化/復号化を行う機器では復号化できず、前記ある機器で符号化したビットストリームを再生できない。例えば、放送局等では、蓄積された符号化映像を放送するとき、蓄積した映像の画像符号化方式とは異なる画像符号化方式で符号化された映像を復号化して放送したいという要求がある。
【0003】
このような要求を満たすためには、第1の画像符号化方式で符号化されたビットストリームを復号し、第2の画像符号化方式で再び符号化しなおすといった圧縮符号化方式の変換が必要となる。通常、第1の画像符号化方式に対応したデコーダと、第2の画像符号化方式に対応したエンコーダをつなぎ合わせれば、このような変換を行う変換装置が実現する。
【0004】
デジタル映像信号の画像符号化方式で用いられる圧縮符号化方式のほとんどは、DCT(離散コサイン変換)によるブロック内の空間的な冗長度の削減と、動き補償によるフレーム間の時間的な冗長度の削減とが組み合わされたハイブリッド型であり、さらにエントロピー符号化によりデータが圧縮されている。実際に、ビデオCDやビデオクリップで用いられるMPEG1や、DVDやデジタル衛星放送で用いられるMPEG2、テレビ会議/電話で用いられるH.261、アナログ回線用テレビ電話で用いられるH.263、次世代の動画符号化方式として注目されているMPEG4などは全てこの符号化方式が取り入れられ、DCT、量子化、動き補償、可変長符号化が施されている。
【0005】
したがって、これらの符号化方式間における方式変換においては、実際のビットストリームの構造が互いによく似たものとなるため、第1の画像符号化方式で符号化されたビットストリームを復号化する際に、ピクチャやマクロブロックごとのビット量を計数することによって、復号されたビットストリームを第2の画像符号化方式で符号化する際の、ビットレート制御等の処理量を削減できる。
【0006】
例えば、特表平9−512410号公報は、符号化されたビデオ信号を符号変換する方法およびその方法を用いた符号変換装置を開示しており、上述した処理量を削減している。以下、従来技術として当該符号変換装置2000を、図17を用いて簡単に説明する。
【0007】
図17は、特表平9−512410号公報に記載の符号変換装置を簡単に示したブロック構成図である。当該符号変換装置2000は、復号化サブアセンブリ2001および符号化サブアセンブリ2002を備えて構成されている。復号化サブアセンブリ2001は、入力ビットストリームを各レイヤに分ける機能を有するデマルチプレクシング回路2003と、通常のデコーダ2004とを内部に有する。また、符号化サブアセンブリ2002は、フレームメモリ2005と、遅延回路2006と、通常のエンコーダ2007と、ビットレート制御回路2008と、目標ビット計算器2009と、出力バッファ2010とを有する。
【0008】
デコーダ2004は、符号化された入力ビットストリームをデコードするものであり、可変長復号手段、逆量子化手段、逆DCT手段等を有する。また、エンコーダ2007は、非圧縮画像データを符号化するものであり、可変長符号化手段、量子化手段、DCT手段、フレームメモリ、動き補償手段等を有する。また、ビットレート制御回路2008および目標ビット計算器2009は、出力ビットストリームのビット量を参照して、実際の符号化における量子化ステップを決定するものである。なお、符号変換装置2000は、エンコーダで符号化する前にある量子化ステップで入力画像を符号化する、エンコーダと似た構成のプレアナライザを備えていない。
【0009】
次に、符号変換装置2000の動作について簡単に説明する。
デマルチプレクシング回路2003は、入力ビットストリームを符号化されたデータと、それ以外のヘッダ情報やスタートコードなどのオーバヘッドとに分離する。データとオーバヘッドは、デコーダ2004と目標ビット計算器2009とにそれぞれ送られる。デコーダ2004では、送られたデータのデコードを行い、フレームメモリ2005に非圧縮画像データを順次書き込む。目標ビット計算器2009は、データとオーバヘッドからマクロブロック等の各サブ画像のビット量Bを計数する。次に、計数されたビット量Bを画像全体に渡って加算し、一画像のビット量Sを得る。さらに、ある量子化ステップQ2を一画像のビット量Sに乗算することにより、該画像のアクティビティXを得る。
【0010】
目標ビット計算器2009は、内部にメモリを有し、前のフレームのアクティビティXprevおよび得られたアクティビティXから、そのフレームのビットTを計算する。ターゲットビットTは、目標ビット計算器2009内の配分回路でマクロブロックごとのローカル目標値Tnに配分され、ローカル目標値Tnはビットレート制御回路2008に送られる。ビットレート制御手段2008は、送られたローカル目標値Tnと出力バッファ2010の状態b(パッキング密度)から修正すべき量子化ステップQ1を計算し、エンコーダ2007の図示しない量子化手段に送る。遅延回路を経た後、非圧縮画像はエンコーダ2007に送られ、符号化される。この時、エンコーダ2007内の量子化手段は、量子化ステップQ1を用いて量子化を行う。エンコーダ2007は、符号化されたビットストリームを順次出力バッファ2010に出力する。
【0011】
以上説明したように、符号変換装置2000は、デマルチプレクシング回路2003でビットストリームをデマックスし、それらを目標ビット計算器2009に入力することでプレアナライザを省きつつも、入力ビットストリームと出力ビットストリームとのビットレートを等しくすることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の符号変換装置2000にあっては、デマルチプレクシング回路2003でマクロブロックレイヤまでデマックスを行おうとすると、デマルチプレクシング回路2003は可変長復号化の機能が必要となるため、回路規模が大きくなり、演算量も増えてしまうといった問題点があった。また、デコーダ、エンコーダを単に直列接続した場合と比較しても、デコーダでの復号化およびエンコーダでの符号化に必要な演算量は減少しないという問題点があった。さらに、図18に示すように、一度符号化した入力ビットストリームを完全に復号化してから符号化しなおしているため、画質の劣化が生じてしまうという問題点があった。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ある画像符号化方式から別の画像符号化方式に方式変換する際に、高速かつ画質の劣化を抑えた画像符号化方式変換が可能な画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、前記ピクチャのデータ量情報を含む付加情報データと、を有する入力データを前記符号化画像データと前記付加情報データとに分離する分離手段を有し、前記符号化画像データを逆直交変換する復号化手段、および前記ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャが備えた各ブロックに上限データ量を割り当てる割り当て手段を有し、対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに割り当てられた上限データ量以上であれば前記対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換する符号化手段を備えたものである。
【0015】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、前記複数のブロックのデータ量情報を含む付加情報データと、を有する入力データを前記符号化画像データと前記付加情報データとに分離する分離手段を有し、前記符号化画像データを逆直交変換する復号化手段、および前記複数のブロックのデータ量情報に基づいて各ブロックの上限データ量を設定する割り当て手段を有し、対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに設定された上限データ量以上であれば前記対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換する符号化手段を備えたものである。
【0016】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、各ブロックの符号化情報および量子化パラメータ情報を含む付加情報データと、を有する入力データを前記符号化画像データと前記付加情報データとに分離する分離手段と、対象とするブロックの符号化情報を参照して該対象ブロックの符号化形式を判断するブロック符号化形式判断手段と、を有し、前記ブロック符号化形式判断手段による判断結果に応じて前記対象ブロックを逆直交変換または逆直交変換および逆量子化する復号化手段、および前記量子化パラメータ情報に基づいて新たな量子化パラメータを出力する量子化パラメータ出力手段を有し、前記復号化手段で逆直交変換されたブロックに対しては、量子化を行わずに直交変換し、前記復号化手段で逆直交変換および逆量子化されたブロックに対しては、前記量子化パラメータ出力手段から出力された新たな量子化パラメータを該ブロックのDCT係数に乗じた後、前記ブロックを量子化および直交変換する符号化手段を備えたものである。
【0017】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記ブロック符号化形式判断手段は、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、前記復号化手段は、前記ブロック符号化形式判断手段で、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換および逆量子化するものである。
【0018】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記ブロック符号化形式判断手段は、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、前記復号化手段は、前記ブロック符号化形式判断手段で、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは、該対象ブロックが属するフレームより時間的に後ろのフレームの前記対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化形式を判断し、該ブロックがイントラ符号化されたブロックであれば前記対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックであれば前記対象ブロックを逆直交変換および逆量子化するものである。
【0019】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記付加情報データが各ブロックのビット量情報を有し、前記ブロック符号化形式判断手段は、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、前記復号化手段は、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは前記対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは、該対象ブロックのビット量と量子化パラメータとの乗算によって求められる符号化の難易度を示すアクティビティに基づいて、前記対象ブロックを逆直交変換または逆直交変換および逆量子化するものである。
【0020】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記符号化手段は、画像符号化方式変換前後の圧縮率の違いによる変換係数を算出する変換係数算出手段を有し、前記量子化パラメータ出力手段は、前記変換係数算出手段が算出した変換係数が1よりも大きいときは、新たな量子化パラメータを前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数とし、前記変換係数が1よりも小さいときは新たな量子化パラメータを前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの約数とし、該新たな量子化パラメータを出力するものである。
【0021】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記量子化パラメータ出力手段は、前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数または約数を前記新たな量子化パラメータとしてブロックのDCT係数に乗じて得られたDCT係数が元のDCT係数よりも小さくなるときは、前記元のDCT係数を前記ブロックのDCT係数として出力するものである。
【0022】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記変換係数は、変換前の符号化方式の圧縮率を変換後の符号化方式の圧縮率で除した値である。
【0023】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記付加情報データは前記ピクチャのデータ量情報を有し、前記符号化手段は、前記ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャの上限データ量を算出する上限データ量算出手段を有し、前記変換係数は、前記ピクチャのデータ量情報が示すデータ量と前記上限データ量算出手段が算出した前記ピクチャの上限データ量との比から求められる値である。
【0024】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記変換係数は、変換前の符号化形式と変換後の符号化形式との組み合わせごとに、量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータに応じて予め決定された所定の値である。
【0025】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、前記量子化パラメータ出力手段は、前記復号化手段で逆直交変換および逆量子化されたブロックに対して、対象となるブロックよりも後の連続した複数のブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象ブロックの新たな量子化パラメータを決定して出力するものである。
【0026】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置は、本発明の画像符号化方式変換装置において、当該画像符号化方式変換装置がMPEG4規格に準拠した方式で符号化された画像データを出力するとき、前記量子化パラメータ出力手段は、前記復号化手段で逆直交変換および逆量子化された対象とするブロックに対して、連続した複数のマクロブロックの各量子化パラメータを読み出し、量子化パラメータの差が所定値よりも小さな隣り合うマクロブロックの集合領域を決定し、該集合領域内で対象となるマクロブロックよりも後の連続した複数のマクロブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象マクロブロックの量子化パラメータを決定して出力するものである。
【0027】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、前記ピクチャのデータ量情報を含む付加情報データと、を有する入力データを前記符号化画像データと前記付加情報データとに分離する分離ステップと、前記符号化画像データを逆直交変換する復号化ステップと、前記ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャが備えた各ブロックに上限データ量を割り当てる割り当てステップと、対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに割り当てられた上限データ量以上であれば前記対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換する符号化ステップと、を有するものである。
【0028】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、前記複数のブロックのデータ量情報を含む付加情報データと、を有する入力データを前記符号化画像データと前記付加情報データとに分離する分離ステップと、前記符号化画像データを逆直交変換する復号化ステップと、前記複数のブロックのデータ量情報に基づいて各ブロックの上限データ量を設定する割り当てステップと、対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに設定された上限データ量以上であれば前記対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換する符号化ステップと、を有するものである。
【0029】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、各ブロックの符号化情報および量子化パラメータ情報を含む付加情報データと、を有する入力データを前記符号化画像データと前記付加情報データとに分離する分離ステップと、対象とするブロックの符号化情報を参照して該対象ブロックの符号化形式を判断するブロック符号化形式判断ステップと、前記ブロック符号化形式判断ステップによる判断結果に応じて前記対象ブロックを逆直交変換または逆直交変換および逆量子化する復号化ステップと、前記復号化ステップで逆直交変換されたブロックに対しては、量子化を行わずに直交変換する第1の符号化ステップを行い、前記復号化ステップで逆直交変換および逆量子化されたブロックに対しては、前記量子化パラメータ情報に基づいて新たな量子化パラメータを出力する量子化パラメータ出力ステップ、および前記量子化パラメータ出力ステップで出力された新たな量子化パラメータを前記ブロックのDCT係数に乗じた後に、前記ブロックを量子化および直交変換する第2の符号化ステップを行う符号化ステップと、を有するものである。
【0030】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記ブロック符号化形式判断ステップは、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、前記復号化ステップは、前記ブロック符号化形式判断ステップで、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換し、前記対象ブロックがインター符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換および逆量子化するものである。
【0031】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記ブロック符号化形式判断ステップは、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、前記復号化ステップは、前記ブロック符号化形式判断ステップで、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換し、前記対象ブロックがインター符号化されたブロックと判断されたときは、該対象ブロックが属するフレームより時間的に後ろのフレームの前記対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化形式を判断する前ブロック符号化形式判断ステップをさらに有し、該前ブロック符号化形式判断ステップで該ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは前記対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは前記対象ブロックを逆直交変換および逆量子化するものである。
【0032】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記付加情報データが各ブロックのビット量情報を有し、前記ブロック符号化形式判断ステップは、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、前記復号化ステップは、前記ブロック符号化形式判断ステップで、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは前記対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは、符号化の難易度を示すアクティビティを前記対象ブロックのビット量と量子化パラメータとの乗算によって求めるアクティビティ算出ステップをさらに有し、該アクティビティ算出ステップで求められたアクティビティに基づいて前記対象ブロックを逆直交変換または逆直交変換および逆量子化するものである。
【0033】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記量子化パラメータ出力ステップは、画像符号化方式変換前後の圧縮率の違いによる変換係数を算出する変換係数算出ステップを有し、前記変換係数算出ステップで算出された変換係数が1よりも大きいときは、新たな量子化パラメータを前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数とし、前記変換係数が1よりも小さいときは新たな量子化パラメータを前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの約数とし、該新たな量子化パラメータを出力するものである。
【0034】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記量子化パラメータ出力ステップは、前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数または約数を前記新たな量子化パラメータとしてブロックのDCT係数に乗じて得られたDCT係数が元のDCT係数よりも小さくなるときは、前記元のDCT係数を前記ブロックのDCT係数として出力するものである。
【0035】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記変換係数は、変換前の符号化方式の圧縮率を変換後の符号化方式の圧縮率で除した値である。
【0036】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記付加情報データは前記ピクチャのデータ量情報を有し、前記ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャの上限データ量を算出する上限データ量算出ステップを有し、前記変換係数は、前記ピクチャのデータ量情報が示すデータ量と前記上限データ量算出ステップで算出された前記ピクチャの上限データ量との比から求められる値である。
【0037】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記変換係数は、変換前の符号化形式と変換後の符号化形式との組み合わせごとに、量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータに応じて予め決定された所定の値である。
【0038】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、前記量子化パラメータ出力ステップは、前記復号化ステップで逆直交変換および逆量子化されたブロックに対して、対象となるブロックよりも後の連続した複数のブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象ブロックの新たな量子化パラメータを決定して出力するものである。
【0039】
また、本発明に係る画像符号化方式変換方法は、本発明の画像符号化方式変換方法において、当該画像符号化方式変換方法がMPEG4規格に準拠した方式で符号化された画像データを出力するとき、前記量子化パラメータ出力ステップは、前記復号化ステップで逆直交変換および逆量子化された対象とするマクロブロックに対して、連続した複数のマクロブロックの各量子化パラメータを読み出し、量子化パラメータの差が所定値よりも小さな隣り合うマクロブロックの集合領域を決定し、該集合領域内で対象となるマクロブロックよりも後の連続した複数のマクロブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象マクロブロックの量子化パラメータを決定して出力するものである。
【0040】
さらに、本発明に係るコンピュータにより読み取り可能な記録媒体は、本発明の画像符号化方式変換方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして記録したものである。
【0041】
本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、分離手段(分離ステップ)において、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、ピクチャのデータ量情報を含む付加情報データとに入力データを分離し、復号化手段(復号化ステップ)において、符号化画像データを逆直交変換し、割り当て手段(割り当てステップ)において、ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャが備えた各ブロックに上限データ量を割り当て、符号化手段(符号化ステップ)において、対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに割り当てられた上限データ量以上であれば対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換している。
【0042】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、分離手段(分離ステップ)において、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、ブロックのデータ量情報を含む付加情報データとに入力データを分離し、復号化手段(復号化ステップ)において、符号化画像データを逆直交変換し、割り当て手段(割り当てステップ)において、複数のブロックのデータ量情報に基づいて各ブロックの上限データ量を設定し、符号化手段(符号化ステップ)において、対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに設定された上限データ量以上であれば対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換している。
【0043】
このように、復号化手段(復号化ステップ)では逆直交変換のみを行って逆量子化および逆DCTを行わず、符号化手段(符号化ステップ)ではDCTおよび量子化を行わず直交変換のみを行っているため、ある画像符号化方式から別の画像符号化方式に方式変換するために必要な演算量を大きく削減することができる。したがって、高速な画像符号化方式変換が可能となる。また、上限データ量に基づいてブロックのデータを切り詰めることによって、ある画像符号化方式から圧縮率の異なる別の画像符号化方式に変換する場合においても、画質に大きな影響を与えずに、元のビットレートと略同じビットレートで方式変換することができる。
【0044】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、分離手段(分離ステップ)において、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、各ブロックの符号化情報および量子化パラメータ情報を含む付加情報データとに入力データを分離し、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)において対象とするブロックの符号化情報を参照して該対象ブロックの符号化形式を判断し、復号化手段(復号化ステップ)において、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)の判断結果に応じて対象ブロックを逆直交変換または逆直交変換および逆量子化し、復号化手段(復号化ステップ)で逆直交変換されたブロックに対しては、符号化手段(第1の符号化ステップ)において量子化を行わずに直交変換し、復号化手段で逆直交変換および逆量子化されたブロックに対しては、量子化パラメータ出力手段(量子化パラメータ出力ステップ)で量子化パラメータ情報に基づいて新たな量子化パラメータを出力し、符号化手段(第2の符号化ステップ)で新たな量子化パラメータを前記ブロックのDCT係数に乗じた後、該ブロックを量子化および直交変換している。
【0045】
特に、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)において対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、復号化手段(復号化ステップ)は、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)で対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換および逆量子化している。
【0046】
このように、イントラ符号化形式のブロックに対しては、量子化されたDCT係数をそのまま用いるため、復号化手段(復号化ステップ)における逆量子化のための演算および符号化手段(符号化ステップ)における量子化のための演算を省略することができる。したがって、高速な画像符号化方式変換が可能となる。また、インター符号化形式のブロックに対しては、新たな量子化パラメータを該ブロックのDCT係数に乗じて新たな量子化パラメータを生成し、該新たな量子化パラメータで再量子化しているため、ある画像符号化方式から別の画像符号化方式に変換する場合においても、画質に大きな影響を与えずに方式変換することができる。
【0047】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)において対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、復号化手段(復号化ステップ)は、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)で対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは、前ブロック符号化形式判断ステップで該対象ブロックが属するフレームより時間的に後ろのフレームの前記対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化形式を判断し、該ブロックがイントラ符号化されたブロックであれば前記対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックであれば前記対象ブロックを逆直交変換および逆量子化している。
【0048】
このように、イントラ符号化形式のブロック、および対象ブロックが属するフレームより時間的に後ろのフレームの前記対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化形式がイントラ符号化形式であるインター符号化形式のブロックに対しては、量子化されたDCT係数をそのまま用いるため、復号化手段(復号化ステップ)における逆量子化のための演算および符号化手段(符号化ステップ)における量子化のための演算を省略することができる。したがって、より高速な画像符号化方式変換が可能となる。また、上記ブロック以外のブロックは、時間的に後のフレーム中の同じ位置のブロックがインター形式であるうちは画質の劣化が生じ得るが、いずれイントラ符号化形式のブロックとなるため、画質の劣化を抑えた画像符号化方式変換を実現することができる。なお、前ブロック符号化形式判断ステップが対象とするフレーム数を少なくすることによって、画質の劣化が生じ得る時間を短くすることができる。
【0049】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、付加情報データが各ブロックのビット量情報を有し、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)において対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、復号化手段(復号化ステップ)は、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)で対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは、アクティビティ算出ステップで該対象ブロックのビット量と量子化パラメータとの乗算によって求められた符号化の難易度を示すアクティビティに基づいて、対象ブロックを逆直交変換または逆直交変換および逆量子化している。
【0050】
このように、アクティビティを用いることによって、インター符号化形式のブロックのうち、どのブロックに対しては量子化されたDCT係数をそのまま用いることができるかを簡単な演算で判別することができるため、従来よりも演算量の少ない、高速な画像符号化形式変換が可能となる。
【0051】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、変換係数算出手段(変換係数算出ステップ)において、画像符号化方式変換前後の圧縮率の違いによる変換係数を算出し、量子化パラメータ出力手段(量子化パラメータ出力ステップ)において、変換係数算出手段(変換係数算出ステップ)で算出された変換係数が1よりも大きいときは、新たな量子化パラメータを量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数とし、変換係数が1よりも小さいときは新たな量子化パラメータを量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの約数とし、該新たな量子化パラメータを出力している。
【0052】
したがって、ある画像符号化方式から圧縮率の異なる別の画像符号化方式に変換する場合においても、元の量子化パラメータで逆量子化されたときのDCT係数と新たな量子化パラメータで量子化されたDCT係数との差である量子化誤差を小さくすることができるため、量子化の変換に伴う量子化誤差による画質の劣化を抑えた画像符号化方式変換を実現することができる。
【0053】
特に、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、量子化パラメータ出力手段(量子化パラメータ出力ステップ)において、量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数または約数を新たな量子化パラメータとしてブロックのDCT係数に乗じて得られたDCT係数が元のDCT係数よりも小さくなるときは、元のDCT係数を前記ブロックのDCT係数として出力している。
【0054】
新たな量子化パラメータをブロックのDCT係数に乗じて得られたDCT係数が元のDCT係数よりも小さくなるときは量子化誤差が発生してしまい、かえって画質が劣化してしまうため、上記装置、上記方法および上記記録媒体によれば、量子化の変換に伴う量子化誤差による画質の劣化が非常に抑えられた画像符号化方式変換を実現することができる。
【0055】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、変換係数は、変換前の符号化方式の圧縮率を変換後の符号化方式の圧縮率で除した値であることが望ましい。
【0056】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、付加情報データは前記ピクチャのデータ量情報を有し、上限データ量算出手段(上限データ量算出ステップ)でピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャの上限データ量を算出し、変換係数は、ピクチャのデータ量情報が示すデータ量と上限データ量算出手段(上限データ量算出ステップ)で算出されたピクチャの上限データ量との比から求められる値であることが望ましい。
【0057】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、変換係数は、変換前の符号化形式と変換後の符号化形式との組み合わせごとに、量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータに応じて予め決定された所定の値である。
【0058】
このように、変換係数に対応する量子化パラメータを予め決定しておくことによって、演算負荷の少ない高速な画像符号化方式変換を実現することができる。
【0059】
また、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、量子化パラメータ出力手段(量子化パラメータ出力ステップ)において、復号化手段(復号化ステップ)で逆直交変換および逆量子化されたブロックに対して、対象となるブロックよりも後の連続した複数のブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象ブロックの新たな量子化パラメータを決定して出力している。
【0060】
このように、対象ブロックの新たな量子化パラメータを決定する際に、該対象ブロックよりも後のブロックを先読みして最適な量子化パラメータの増減制御を行うことによって、量子化パラメータの変換に伴う画質の劣化が起こり得るブロックの数を抑えることができる。
【0061】
さらに、本発明に係る画像符号化方式変換装置、本発明に係る画像符号化方式変換方法および本発明に係る記録媒体では、量子化パラメータ出力手段(量子化パラメータ出力ステップ)において、当該画像符号化方式変換装置および当該画像符号化方式変換方法がMPEG4規格に準拠した方式で符号化された画像データを出力するとき、復号化手段(復号化ステップ)で逆直交変換および逆量子化された対象とするマクロブロックに対して、連続した複数のマクロブロックの各量子化パラメータを読み出し、量子化パラメータの差が所定値よりも小さな隣り合うマクロブロックの集合領域を決定し、該集合領域内で対象となるマクロブロックよりも後の連続した複数のマクロブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象マクロブロックの量子化パラメータを決定して出力している。
【0062】
MPEG4規格では、隣り合うマクロブロック間での量子化パラメータの差は±2以下でなければならないという制限があるため、新たな量子化パラメータをどうしても±3以上に大きく変更したいときは、量子化パラメータの差が所定値よりも小さな隣り合うマクロブロックの集合領域を決定して、該集合領域内においてマクロブロック間での量子化パラメータの差を±2以下とすれば良いので、前記制限にかかわらず新たな量子化パラメータを決定することができる。したがって、柔軟性の高い画像符号化方式変換が実現可能となる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体の実施の形態について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。なお、それぞれの実施形態の説明では、本発明に係る画像符号化方式変換装置および画像符号化方式変換方法について詳述するが、本発明に係る記録媒体については、画像符号化方式変換方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であることから、その説明は以下の画像符号化方式変換方法の説明に含まれるものである。また、本発明はこれら実施の形態に何等限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0064】
本発明に係る画像符号化方式変換装置は、ある符号化方式で圧縮符号化された動画ビットストリームを別の異なる符号化方式に圧縮符号化しなおして出力するものである。また、本発明に係る画像符号化方式変換装置および画像符号化方式変換方法が対象とする符号化方式は、DCT(離散コサイン変換)等の直交変換、量子化、可変長符号化、動き補償、エントロピー符号化等の処理を行うものであり、例えば、H.261、H.263、MPEG1、MPEG2、MPEG4等が考えられる。
【0065】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像符号化方式変換装置を示すブロック構成図である。
同図において、本実施形態の画像符号化方式変換装置100は、入力手段102と、特許請求の範囲の復号化手段に該当するデコーダ部103と、データバッファ104と、付加情報バッファ105と、符号化手段に該当するエンコーダ部106と、出力手段107とを備えて構成されている。
【0066】
まず、入力手段102は、一フレーム分の入力ビットストリーム101を順次読み込んで、内部のビットバッファ(図示せず)に蓄積するものであり、ビットバッファが空になると次の一フレームの入力ビットストリーム101を読み込んで、ビットバッファに蓄積するものである。
【0067】
また、デコーダ部103は、入力手段102のビットバッファから必要なデータを順番に受け取って、入力されたデータを復号化(デコード)するものである。また、デコーダ部103は、YUV(Y:輝度信号、U,V:色差信号)まで完全に復号化された非圧縮画像データ、または途中までデコードした画像データをデータバッファ104に格納し、画像データに関する付加情報または符号化方式に関する付加情報を付加情報バッファ105に格納する。
【0068】
また、データバッファ104は、非圧縮画像データまたは途中までデコードした画像データを保持するものである。また、付加情報バッファ105は、画像データに関する付加情報または符号化方式に関する付加情報を保持するものである。
【0069】
また、エンコーダ部106は、データバッファ104から読み込んだ画像データを符号化(エンコード)するものである。その際、エンコーダ部106は、付加情報バッファ105から読み込んだ付加情報を参照して、該付加情報に応じた符号化を行う。また、エンコーダ部106は、符号化された画像データを出力手段107が有するビットバッファ(図示せず)に順次格納する。
【0070】
さらに、出力手段107は、内部のビットバッファ(図示せず)に一フレーム分の符号化されたデータが格納されると、出力ビットストリーム108として該データを順次出力するものである。
【0071】
次に、デコーダ部103の内部構成および動作について以下詳細に説明する。まず、デコーダ部103の内部構成について、図2を参照して説明する。図2は、デコーダ部103の内部構成を示すブロック構成図である。デコーダ部103は、特許請求の範囲の分離手段に該当する上位レイヤ情報復号化手段201と、ブロック符号化形式判断手段に該当するMB情報復号化手段202と、可変長復号化手段203と、逆量子化手段204と、逆DCT手段205と、動き補償手段206と、フレームメモリ207とを備えて構成されている。
【0072】
まず、上位レイヤ情報復号化手段201は、動画ビットストリームシーケンスを構成するレイヤのうち、ピクチャレイヤ以上の上位のレイヤ情報を復号化するものである。例えば、MPEG2の場合、動画ビットストリームシーケンスは、上位から「シーケンスレイヤ」、「GOP(Group Of Picture)レイヤ」、「ピクチャレイヤ」、「スライスレイヤ」、「マクロブロックレイヤ」および「ブロックレイヤ」の6つのレイヤから構成されているため、上位レイヤ情報復号化手段201は、シーケンスレイヤおよびGOPレイヤの情報を復号化する。
【0073】
また、MB情報復号化手段202は、各マクロブロック(MB)に固有のMB情報を復号化するものである。なお、マクロブロックとは、輝度信号に関しては、8×8ピクセルで構成されたブロック(サブブロックともいう)を2×2にまとめたものであり、16×16ピクセルで構成されている。
【0074】
また、可変長復号化手段203は、可変長符号化されたマクロブロックを可変長復号化するものでり、逆量子化手段204は、可変長復号化されたマクロブロックを逆量子化するものであり、逆DCT手段205は、逆量子化されたマクロブロックを逆DCT変換するものである。
【0075】
特に、逆量子化手段204は、マクロブロックが「イントラ(I)」であるか「インター(P)」であるかに応じて、選択的に逆量子化する。また、逆DCT手段205も、マクロブロックが「イントラ」であるか「インター」であるかに応じて、選択的に逆DCT変換する。
【0076】
なお、「イントラ(I)」タイプのマクロブロックとは、量子化されたDCT係数と量子化パラメータを可変長符号化したものである。一方、「インター(P)」タイプのマクロブロックとは、対象フレームよりも時間的に前のフレームに含まれ、対象マクロブロックに対して誤差の最も小さい予測マクロブロックを検出し、該予測マクロブロックへの相対位置を示す動きベクトルを検出し、該検出された動きベクトルに基づいて最適な予測マクロブロックを取得し、対象マクロブロックと対応する予測マクロブロックとの差分である差分マクロブロックに対してDCT変換した後、DCT係数を量子化した量子化DCT係数を動きベクトルや量子化パラメータと共に可変長符号化したものである。すなわち、イントラマクロブロックは動き補償が施されずに符号化されたものであり、インターマクロブロックは動き補償が施されて符号化(動き補償付き予測符号化)されたものである。
【0077】
また、動き補償手段206は、マクロブロックが「イントラ」である場合、可変長復号化手段203で可変長復号化された、量子化およびDCTされているマクロブロックを受け取り、該マクロブロックをデータバッファ104に出力する。一方、マクロブロックが「インター」である場合、動き補償手段206は、可変長復号化手段203、逆量子化手段204、逆DCT手段205でそれぞれ可変長復号化、逆量子化、逆DCT変換された差分マクロブロックおよび動きベクトルを受け取り、既にデコードされフレームメモリ207に記憶されている前のフレームと受け取った動きベクトルとから予測マクロブロックを切り出して、該予測マクロブロックに受け取った差分マクロブロックを加算する。
【0078】
さらに、フレームメモリ207は、復号化されたフレームを一時記憶するものであり、動き補償手段206から復号化されたマクロブロックが順次格納される。
【0079】
次に、これらの構成要素を有するデコーダ部103が行う本実施形態の復号化処理について、図3を参照して説明する。図3は、デコーダ部103が行う復号化処理について説明するフローチャートである。まず、ステップS101では、上位レイヤ復号化手段201が、各レイヤのスタートコードやレイヤ情報などを読み出して、ピクチャレイヤに含まれているピクチャを画面に出力するタイミングを記録した時間情報を復号化し、「Time_info」として付加情報バッファ105に出力する。
【0080】
次に、ステップS102では、デコードするピクチャが最初のピクチャであるかを判定して、最初でなければステップS103に進み、最初であればステップS104に進む。ステップS103では、上位レイヤ情報復号化手段201が、前のピクチャのスタートコードから次のピクチャのスタートコードまでの総ビット量を「picbit_amount」として付加情報バッファ105に出力し、ステップS104に進む。
【0081】
ステップS104では、MB情報復号化手段202が、各マクロブロックに関する情報を復号化し、量子化パラメータを「Quant」とし、「イントラ」または「インター」などマクロブロックのタイプを「MB_type」とし、マクロブロック内のブロックごとの符号化/非符号化情報を「MB_coded」として付加情報バッファ105に出力する。
【0082】
次に、ステップS105では、デコードするマクロブロックが最初のマクロブロックであるかを判定して、最初でなければステップS106に進み、最初であればステップS107に進む。ステップS106では、MB情報復号化手段202が、前のマクロブロックの先頭から次のマクロブロックの先頭までの総ビット量を「MBbit_amount」として付加情報バッファに出力し、ステップS107に進む。
【0083】
ステップS107では、デコードするマクロブロックのタイプが「イントラ」であるか「インター」であるかを判別し、イントラであればステップS108に進み、インターであればステップS109に進む。ステップS108(イントラの場合)では、可変長復号化手段203が可変長復号化を行い、量子化およびDCTされているマクロブロックを得る。該マクロブロックは、逆量子化手段204および逆DCT手段205を介さずに動き補償手段206に送られる。
【0084】
一方、ステップS109(インターの場合)では、可変長復号化手段203、逆量子化手段204、逆DCT手段205でそれぞれ可変長復号化、逆量子化、逆DCT変換することよって差分マクロブロックおよび動きベクトルをデコードして、これら差分マクロブロックおよび動きベクトルを逆DCT手段205から動き補償手段206に送る。次に、ステップS110では、動き補償手段206が、既にデコードされフレームメモリ207に記憶されている前のフレームと動きベクトルとを用いて予測マクロブロックを切り出して、該予測マクロブロックに差分マクロブロックを加算する。このとき、切り出された予測マクロブロックの精度が悪いと、該予測マクロブロックを用いて復号化した画像が劣化してしまう。
【0085】
ステップS108またはステップS110が終了すると、ステップS111に進み、動き補償手段206は、マクロブロックがイントラのときは量子化およびDCTされたマクロブロックをデータバッファ104に出力し、マクロブロックがインターのときは予測マクロブロックに差分マクロブロックを加算して作成された非圧縮のマクロブロックをデータバッファ104に出力する。
【0086】
次に、ステップS112では、デコードしたマクロブロックが最後のマクロブロックであるかを判定し、最後でなければステップS104に戻り次のマクロブロックに対してステップS104以降の処理を行い、最後であればステップS113に進む。ステップS113では、デコードしたピクチャが最後のピクチャであるかを判定し、最後でなければステップS101に戻り次のピクチャに対してステップS101以降の処理を行い、最後であれば当該復号化処理を終了する。
【0087】
図4に、1ピクチャがデコードされたときの、付加情報バッファ105に書き込まれたデータの一形式を示す。同図に示す形式では、或るピクチャの時間情報である「Time_info」と、該ピクチャのトータルビットである「Pictbit_amount」とを有し、さらに、量子化パラメータである「Quant」、マクロブロックのタイプを示す「MB_type」、マクロブロックの符号化/非符号化情報である「MB_coded」、および一マクロビットのトータルビットである「MBbit_amount」を一セットとして、これらの情報を当該ピクチャが有するマクロビットの数だけ有する。なお、付加情報バッファ105には、マクロブロックの集まりであるGOB(Group Of Blocks)の総ビット量である「GOBbit_amount」や、ブロックごとのビット量である「Blockbit_amount」等を書き込んでも良い。また、以下では、これらの情報を総称して付加情報と称す。
【0088】
次に、エンコーダ部106の内部構成および動作について詳細に説明する。まず、エンコーダ部106の内部構成について、図5を参照して説明する。図5は、エンコーダ部106の内部構成を示すブロック構成図である。エンコーダ部106は、変換係数算出手段または上限データ量算出手段であるビットレート制御部511と、減算器501と、DCT手段502と、量子化手段503と、可変長符号化手段504と、逆量子化手段505と、逆DCT手段506と、動き補償手段507と、フレームメモリ508と、MB情報符号化手段509と、上位レイヤ情報符号化手段510とを備えて構成されている。
【0089】
まず、ビットレート制御部511は、ビットレートの調整を制御するものであり、量子化パラメータ出力手段512および割り当て手段に該当するMBビット割り当て手段513を有する。以下、ビットレート制御部511におけるビットレートの調整方法について詳しく説明する。入力ビットストリームと出力ビットストリームとは、異なる画像符号化方式で符号化されているので、これら入力ビットストリームおよび出力ビットストリームを全く同じ画質で再生するためには、通常、各ビットストリームは異なるビットレートとなる。この原因としては、例えば、レイヤ構造の違い、同じレイヤ内に属する情報の数の違い、同じ情報でも割り当てるビット長の違い、量子化方法の違い、可変長符号化の違いなどが考えられる。しかしながら、画像符号化方式を変更しても入力ビットストリームに等しいビットレートのビットストリームを出力可能な画像符号化方式変換装置および方法が求められているため、ビットレートの違いを吸収するためにビットレート制御部511が設けられている。
【0090】
また、ビットレート制御部511は、付加情報バッファ105から読み込んだ付加情報を一時的に保存可能なレジスタ(図示せず)を内部に有している。また、ビットレート制御部511は、該レジスタとは別にメモリも内部に有し、既に符号化したピクチャのビット量やエンコーダ間での圧縮率を保持しておくことができる。圧縮率とは、ある一定画質の画像を符号化したときの圧縮画像データと非圧縮画像データのビット量の比であり、画像のサンプルごとに値は変わるが、統計的に得られた平均値を用いたものである。なお、圧縮率は量子化パラメータによって左右され、量子化パラメータが大きいと圧縮率が高くなる。
【0091】
また、圧縮率は、符号化方式によって異なるため、本実施形態の画像符号化方式変換装置を初期化するときに、入力ビットストリームの画像符号化方式の圧縮率および出力ビットストリームの画像符号化方式の圧縮率の両方が、外部から図示しないエンコーダ制御手段を介してビットレート制御部511のメモリに格納される。ビットレート制御部511は、これらの圧縮率から画像符号化方式変換に伴う変換係数を計算して、メモリに格納する。
【0092】
例えば、H.261の圧縮率が1/aで、MPEG4の圧縮率が1/bであるとき、H.261の入力ビットストリームからMPEG4の出力ビットストリームへの画像符号化方式変換に伴う変換係数は、b/aとなる。反対に、MPEG4の入力ビットストリームからH.261の出力ビットストリームへの画像符号化方式変換に伴う変換係数は、a/bとなる。
【0093】
以下に、ビットレート制御部511が行う第1のビットレート調整方法を説明する。ビットレート制御部511は、1ピクチャの符号化を始める前に、付加情報バッファ105から1ピクチャのトータルビット「Picbit_amount」を読み込んで、該「Picbit_amount」からそのピクチャを符号化するときのターゲット(目標)ビット量を計算する。このとき、ターゲットビット量は、過去のピクチャのビット量がそのピクチャのターゲットビット量よりも少ないときは、読み込まれた「Picbit_amount」よりも多めに設定され、逆に、過去のピクチャのビット量がそのピクチャのターゲットビット量よりも多いときは、読み込まれた「Picbit_amount」よりも少なめに設定される。
【0094】
また、ビットレート制御部511が有するMBビット割り当て手段513は、対象ピクチャのターゲットビット量を各マクロブロックに割り当て、各マクロブロックのターゲットビット量を得る。次に、MBビット割り当て手段513は、各マクロブロックのターゲットビット量をマクロブロックの上限ビット量として可変長符号化手段504に送る。一方、ビットレート制御部511が有する量子化パラメータ出力手段512は、レジスタに保持されている量子化パラメータ「Quant」を読み出し、その値に画像符号方式変換に伴う変換係数を乗じて得られた量子化パラメータを量子化手段503に送る。
【0095】
次に、ビットレート制御部511が行う第2のビットレート調整方法を説明する。該第2のビットレートの調整方法では、MBビット割り当て手段513がビットの割り当てを行う際、ピクチャのターゲットビット量は用いずに、ビットレート制御部511内のレジスタに保持されている付加情報に含まれている一マクロビットのトータルビット「MBbit_amount」を読み出して、その値に基づいて該マクロビットの上限ビット量を設定し、可変長符号化手段504に送る。一方、量子化パラメータ出力手段512は、レジスタから付加情報に含まれている量子化パラメータ「Quant」を読み出して、その値に画像符号化方式変換に伴う変換係数を乗じて得られた量子化パラメータを量子化手段503に送る。
【0096】
続いて、量子化パラメータ出力手段512が行う、他の量子化パラメータ決定方法について説明する。図6(a)に、入力ビットストリームの量子化されたDCT係数Aと、該DCT係数を逆量子化した逆量子化DCT係数Bとを示す。例えば、量子化パラメータが5であり、量子化されたDCT係数Aが左から[16,5,2,3]であるとき、逆量子化されたDCT係数Bは左から[80,25,10,15](B=A×5)となる。該DCT係数Bを、量子化パラメータ5で量子化すれば量子化誤差は0になるが、前述したように符号化方式の圧縮率の違いからビットレートが変わってきてしまう。
【0097】
このため、図6(b)に示すように、画像符号化方式変換に伴う変換係数を先の量子化パラメータに乗じて、再量子化の量子化パラメータを決定する。ここで変換係数を1.4とすると、再量子化の量子化パラメータが7(=5×1.4)となるため、該量子化パラメータ7を用いてDCT係数B[80,25,10,15]を再び量子化すると、DCT係数Cは[11,3,1,2](C=B÷7)になる。しかしながら、DCT係数は小さくなったものの、DCT係数Cを逆量子化すると逆量子化されたDCT係数Dは[77,21,7,14](D=C×7)となるため、[3,4,3,1]といった量子化誤差X(=B−D)が生じてしまう。
【0098】
これに対し、図6(c)に示すように、元の量子化パラメータ5の倍数、例えば2倍の10を再量子化のための量子化パラメータとして用いて、DCT係数B[80,25,10,15]を再び量子化すると、DCT係数Eは[8,2,1,1](E=B÷10)になる。該DCT係数Eを逆量子化すると逆量子化されたDCT係数Fは[80,20,10,10](F=E×10)となり、量子化誤差Yは[0,5,0,5](Y=B−F)となる。このように、量子化パラメータが10のときは、量子化されたDCT係数(E)が小さく、量子化誤差の累積も、量子化パラメータが7のとき(図6(b))は「11」であるのに対して「10」と少なくなっている。
【0099】
このように、量子化誤差はDCT係数の値によって左右される可能性があるが、変換係数が1より大きい場合には、変換係数を乗ずることによって得られた量子化パラメータ(7)よりも、元の量子化パラメータ(5)の倍数に当たる量子化パラメータ(10)の方が、量子化誤差が0の係数を増やすことができる。したがって、変換係数が1よりも大きいときは、元の量子化パラメータの倍数を実際の量子化値とすると、量子化誤差の累計を小さくすることができる。また、変換係数が1より小さい場合には、元の量子化パラメータの約数を実際の量子化値として用いることによって、量子化誤差が0の係数を増やすことができるため、量子化誤差の累計を小さくすることができる。
【0100】
また、減算器501は、マクロブロックがインターの場合、動き補償手段507から得られた予測マクロブロックとデータバッファ104から読み込んだマクロブロックとの差分を計算して、差分マクロブロックを生成するものである。また、DCT手段502は、減算器501から得られた差分マクロブロックに対してDCT変換するものである。また、量子化手段503は、ビットレート制御部511が有する量子化パラメータ出力手段512から得られた量子化パラメータで、DCT変換された差分マクロブロックを量子化するものである。
【0101】
また、可変長符号化手段504は、ビットレート制御部511が有するMBビット割り当て手段513から得られた上限ビット量を参照して、DCTおよび量子化された/されているマクロブロックを可変長符号化するものである。但し、可変長符号化されたマクロブロックのビット量が上限ビット量を超えたとき、可変長符号化手段504は、マクロブロックの後半(高周波成分)のDCT係数を0に置き換えてビットの切り詰めを行った後、可変長符号化を行う。
【0102】
以下、可変長符号化手段504によるビット切詰め処理を、図7を参照して詳しく説明する。図7は、H.261等で用いられる可変長符号化の例を示し、特に、図7(a)は量子化されたDCTブロックを示し、図7(b)はビット切り詰め処理を行った後のDCTブロックを示す。まず、DCTブロックは、矢印で示したように、左上から右下にDCT係数がジグザグスキャンされて一次元の係数列に並べ替えられ、可変長符号化される。一次元に並べ替えられたときの一次元データは、DCTブロックに対してジグザグスキャンしたとき、対象となるDCT係数の前に0のDCT係数が幾つ連続してあるかを示す個数「run」と、0以外の対象となるDCT係数の値「level」との組み合わであり、最後の非ゼロ・DCT係数の後にスキャン打ち切り符号として「EOB(End Of Block)」が付加される。なお、MPEG4では、「run」と「level」に加えて、そのDCTブロックの中で最後の非ゼロ・DCT係数であるかどうかを示す符号「last」を用いた3次元の可変長符号化が行なわれる。
【0103】
可変長符号化手段504は、ビットレート制御部511が有するMBビット割り当て手段513からマクロブロックのターゲットビット量を受け取ると、該ターゲットビット量を一マクロブロックが有するブロックの数で割って、一ブロック当たりのターゲットビット量を求める。次に、DCTブロックをジグザグスキャンしてDCT係数の可変長符号化を行い、同時に符号化ビットをカウントする。符号化ビット量がブロックのターゲットビット量と等しくなるか超えたら、可変長符号化をそこで打ち切ってEOBを付加するか、MPEG4の場合、「last」を1にする。
【0104】
例えば、図7(a)に示したDCTブロックを可変長符号化しているとき、DCT係数の値が−5のところで符号化ビット量がターゲットビット量に達してしまうと、図7(b)に示すように、−5のDCT係数の次以降のDCT係数が全て0のDCTブロックを符号化したときと同様の結果が得られることとなる。このように、可変長符号化手段504がマクロブロックのターゲットビット量を用いて可変長符号化時にビットの切詰めを行うので、入力ビットストリームと等しいビットレートで符号化を行える。
【0105】
また、逆量子化手段505はマクロブロックを逆量子化するものであり、逆DCT手段506は逆量子化手段505で逆量子化されたマクロブロックを逆DCT変換するものである。また、フレームメモリ508は、動き補償手段507に送られる逆量子化および逆DCTされたマクロブロックを順次格納し、フレームとして記憶するものである。
【0106】
また、動き補償手段507は、逆DCT手段506から送られたマクロブロックのタイプに応じて、動き予測を行って、動き補償するものである。より詳細には、逆DCT手段506から送られたマクロブロックがインターマクロブロックである場合、対象マクロブロックの動き予測を行って動きベクトルを検出し、該動きベクトルに基づいてフレームメモリ508内の1フレーム前のピクチャから予測マクロブロックを取得する。該予測マクロブロックを所得した後、動き補償手段507は、該予測マクロブロックを減算器501に送る一方で、差分マクロブロックを予測マクロブロックに加算した後、加算されたマクロブロックをフレームメモリ508内の現マクロブロックの位置に書き込む。また、逆DCT手段506から送られたマクロブロックがイントラマクロブロックである場合は、逆量子化および逆DCTされたマクロブロックをフレームメモリ508内の現マクロブロックの位置に書き込む。
【0107】
また、MB情報符号化手段509は、可変長符号化手段504によって符号化されたマクロブロックに、マクロブロックタイプや動きベクトル等、各マクロブロックに固有の情報を符号化して、上位レイヤ情報符号化手段510に送るものである。
【0108】
また、上位レイヤ情報符号化手段510は、付加情報バッファ105から時間情報「Time_info」を読み込み、MB情報符号化手段509から送られた符号化された情報に、動画ビットストリームシーケンスを構成するレイヤのうちピクチャレイヤ以上の上位のレイヤ情報を符号化するものである。
【0109】
次に、これらの構成要素を有するエンコーダ部106が行う本実施形態の符号化処理について、図8を参照して説明する。図8は、エンコーダ部106が行う符号化処理について説明するフローチャートである。まず、ステップS201では、ビットレート制御部511が付加情報バッファ105から「Picbit_amount」を読み込んで、図示しない内部のレジスタに保存する。次に、ステップS202では、エンコーダ制御手段(図示せず)が付加情報バッファ105から「MB_coded」を読み込んで、マクロブロックの各ブロックの符号化情報をMB情報符号化手段509に送る。ここで、全てのブロックにおいて符号化が必要ない場合は、フレームメモリ508から1フレーム前の現マクロブロックの位置データを、フレームメモリ508内の現マクロブロックの位置にコピーする。
【0110】
次に、ステップS203では、エンコーダ制御手段が、付加情報バッファ105から「MB_type」を読み込んで、マクロブロックのタイプが「イントラ」であるか「インター」であるかを判別し、イントラであればステップS204に進み、インターであればステップS205に進む。ステップS204(イントラの場合)では、ビットレート制御部511が、付加情報バッファ105から「MBbit_amount」を読み込んで、図示しない内部のレジスタに保存する。このとき、ビットレート制御部511が備えるMBビット割り当て手段513は、「Picbit_amount」、「MBbit_amount」および現在の符号化ビット量等から現マクロブロックに割り当てる上限ビット量を算出して、可変長符号化手段504に送る。可変長符号化手段504は、データバッファ104から読み込んだマクロブロックの可変長符号化を行う。その際、可変長符号化されたマクロブロックのビット量が算出された上限ビット量を超えたとき、可変長符号化手段504は、マクロブロックの後半(高周波成分)のDCT係数を0に置き換えてビットの切り詰めを行った後、可変長符号化を行う。
【0111】
一方、ステップS205(インターの場合)では、動き補償手段507が、データバッファ104から読み込んだマクロブロックの動き予測を行って動きベクトルを検出した後、該動きベクトルに基づいて予測マクロブロックを取得し、該取得された予測マクロブロックを減算器501に送る。減算器501は、送られた予測マクロブロックとエンコーダ制御手段がデータバッファ104から読み込んだマクロブロックとの差分を計算して差分マクロブロックを得て、得られた差分マクロブロックをDCT手段502に送る。
【0112】
次に、ステップS206では、DCT手段502が差分マクロブロックに対してDCT変換を行い、量子化手段503に送る。次に、ステップS207では、ビットレート制御部511が付加情報バッファ105から「MBbit_amount」および「Quant」を読み込んで、図示しない内部のレジスタに保存する。次に、ビットレート制御部511が備える量子化パラメータ出力手段512が、「Picbit_amount」、「MBbit_amount」および現在の符号化ビット量等から現マクロブロックの量子化パラメータを決定する。
【0113】
次に、ステップS208では、量子化手段503が、量子化パラメータ出力手段512によって決定された量子化パラメータを用いてDCT係数の量子化を行う。次に、可変長符号化手段504は、量子化手段503によって量子化されたマクロブロックの可変長符号化を行う。その際、可変長符号化された差分マクロブロックの符号化ビット量が割り当てられた上限ビット量を超えたとき、可変長符号化手段504は、差分マクロブロックの後半(高周波成分)のDCT係数を0に置き換えてビットの切り詰めを行った後、可変長符号化を行う。
【0114】
ステップS204またはステップS208が終了すると、ステップS209に進み、MB情報符号化手段509は、可変長符号化手段504で符号化された差分マクロブロックに、マクロブロックのタイプや動きベクトル等のMB情報を付加して上位レイヤ情報符号化手段510に送る。
【0115】
次に、ステップS210では、DCTおよび量子化されたマクロブロックが、逆量子化手段505、逆DCT手段506によってそれぞれ逆量子化、逆DCT変換された後、動き補償手段507に送られる。次に、動き補償手段507は、送られたマクロブロックがイントラマクロブロックである場合、逆量子化および逆DCTされたマクロブロックをフレームメモリ508内の現マクロブロックの位置に書き込む。一方、送られたマクロブロックがインターマクロブロックである場合、フレームメモリ508内の1フレーム前のピクチャから予測マクロブロックを読み出して、差分マクロブロックを該予測マクロブロックに加算した後、加算されたマクロブロックをフレームメモリ508内の現マクロブロックの位置に書き込む。
【0116】
次に、ステップS211では、現マクロブロックがピクチャ内で最初のマクロブロックであるかを判定して、最初であればステップS212に進み、最初かつ最後でなければステップS213に進む。ステップS212では、上位レイヤ情報符号化手段510が付加情報バッファ105から「Time_info」を読み込み、MB情報符号化手段509から送られたマクロブロックのビットストリームに、各レイヤのスタートコードやピクチャのデコードのタイミングを示す時間情報等の上位レイヤ情報を付加して出力手段107に出力した後、ステップS202に戻って次のマクロブロックに対して処理を始める。
【0117】
ステップS213では、現マクロブロックがピクチャ内で最後のマクロブロックであるかを判定して、最後でなければ、上位レイヤ情報符号化手段510はMB情報符号化手段509から送られたマクロブロックのビットストリームをそのまま出力手段107に出力した後、ステップS202に戻り、最後であればステップS214に進む。ステップS214では、現フレームが最後のピクチャであるかを判定し、最後でなければ、上位レイヤ情報符号化手段510はMB情報符号化手段509から送られたマクロブロックのビットストリームをそのまま出力手段107に出力した後、ステップS201に戻り、最後であれば当該符号化処理を終了する。
【0118】
以上説明したように、本実施形態に係る画像符号化方式変換装置および画像符号化方式変換方法によれば、デコーダ部103が復号化する過程でマクロブロックタイプ「MB_type」等を含む付加情報を付加情報バッファ105に書き込み、エンコーダ部106においてイントラマクロブロックとインターマクロブロックとが混在するフレームを符号化する際には、付加情報バッファ105から読み込んだ付加情報に含まれているマクロブロックタイプ「MB_type」を参照して、動き補償手段507がイントラ/インターの判別を行っている。このため、マクロブロックがイントラである場合、エンコーダ部106ではDCTおよび量子化の処理が省略することができる。また、デコーダ部103では、逆量子化および逆DCTの処理を省略することができる。
【0119】
したがって、画像データのみから符号化/復号化する場合と比較して、画質の劣化無くまたは画質の劣化を最小限に抑えることができる。また、符号化されたビットレートの調整するための演算など、画像符号化方式変換に係る演算負荷を削減できるため、高速に画像符号化方式変換することができる。
【0120】
さらに、イントラマクロブロックでは、入力ビットストリームと出力ビットストリームとで等しい量子化パラメータを用いているので、エンコーダ部106における量子化誤差が無い状態で完全に入力ビットストリームの画質を再現することができる。
【0121】
また、逆DCT変換を行わなかったとき、データバッファ104に格納されるデータは非圧縮画像であり、該非圧縮画像はエンコーダ部106で動き補償しなおされるため、対象マクロブロックの画質は良い。一方、逆DCT変換を行ったとき、データバッファ104に格納されるデータは差分マクロブロックのDCT係数であり、該差分マクロブロックはエンコーダ部106で動き補償されず、動きベクトルも同じものを用いる。このとき、エンコーダ部106で取得される予測マクロブロックが対象マクロブロックと全く同一であれば対象マクロブロックの画質は全く劣化しないが、そうではない場合、画質は多少の劣化が生じ得る。
【0122】
次に、本実施形態の画像符号化方式変換装置の、特にエンコーダ部106の動作に係る実施例について説明する。
(第1実施例)
第1実施例では、図9(a)に示すように、マクロブロックのタイプの如何にかかわらずエンコーダ部106におけるDCTおよび量子化を行わない。但し、可変長符号化を行う際には、可変長符号化手段504は、MBビット割り当て手段513から得られた各マクロブロックの上限ビット量を利用して作成された図9(b)に示すようなビット割り当てマップに基づいて、マクロブロックのビット切り詰めを行う。なお、本実施例においては、MBビット割り当て手段513が各マクロブロックの上限ビット量を割り当てる際、イントラマクロブロックに対しては優先的に同じ値の上限ビット量を割り当てるか、または上限を設定ぜずにビット切り詰めを全く行わない。
【0123】
本実施例では、画像符号化方式を変換する過程において、イントラおよびインター両方のマクロブロックに対して量子化およびDCT変換を全く行わないため、演算量を大きく削減することができ、高速に方式変換することができる。
【0124】
(第2実施例)
次に、第2実施例では、図10(a)に示すように、イントラマクロブロックに対しては量子化されたDCT係数をそのまま使用し、インターマクロブロックに対しては、上述したように量子化パラメータ出力手段512で、圧縮率の違いによる変換係数に応じて元の量子化パラメータの倍数または約数を実際の量子化値として用いる。
【0125】
但し、図10(b)に示すように、元の量子化パラメータに該変換係数を乗じて得られた帯小数となり得る量子化値を四捨五入して求められた量子化値では、量子化値が元の量子化パラメータよりも小さくなってしまうことがあり得る。例えば、図11(b)に示すように、例えば元の量子化後のDCT係数13を量子化パラメータ8で逆量子化するとDCT係数は104になり、該DCT係数を量子化パラメータ5で再量子化すると再量子化されたDCT係数が20となるため、該DCTを再び逆量子化すると100となってしまう。
【0126】
このように、異なる量子化パラメータによって再量子化されることによってDCT係数が下がってしまう(104→100)と画像が劣化してしまうため、このようなケースが適応するマクロブロックのDCT係数に対しては、図11(a)に示すように元のDCT係数のままとする。なお、再量子化によってDCT係数が上がった場合は、得られたDCT係数をそのまま用いる。
【0127】
なお、変換係数は、上述したような入力ビットストリームの画像符号化方式の圧縮率と出力ビットストリームの画像符号化方式の圧縮率と比から決定しても良いが、付加情報バッファ105から読み込まれた1ピクチャのトータルビット「Picbit_amount」とターゲットビットとの比を用いて、ピクチャごとに変換係数を決定しても良い。
【0128】
また、図12に示すように、H.261→MPEG4やMPEG4→H.261というように、入力ビットストリームから出力ビットストリームへの符号化方式の変換タイプごとに、元の量子化パラメータの値と変換係数とが対応した変換テーブルを予め作成しておき、該変換テーブルを用いて変換係数を決定しても良い。
【0129】
本実施例では、画像符号化方式を変換する過程において、イントラマクロブロックに対しては量子化およびDCTを行わないため、演算量を削減することができる。但し、インターマクロブロックに対しては量子化または量子化およびDCTを行うため、画質の劣化を抑えたまま高速に方式変換することができる。
【0130】
〔第2の実施形態〕
図13は、本発明の第2の実施形態に係る画像符号化方式変換装置を示すブロック構成図である。なお、同図において、図1(第1の実施形態)と重複する部分には同一の符号を附して説明を省略する。図13において、本実施形態の画像符号化方式変換装置900は、入力手段902と、デコーダ部903と、データバッファ904と、付加情報バッファ905と、エンコーダ部906と、第1の実施形態と同様の出力手段107とを備えて構成されている。
【0131】
まず、本実施形態の入力手段902は、第1の実施形態の入力手段102と異なり、複数フレーム分の入力ビットストリームを内部のビットバッファ(図示せず)に蓄積できるものである。また、デコーダ部903は、エンコーダ部906の処理より先行して数フレーム分先までデコードすることができ、デコードされた画像データまたは途中までデコードされたデータをデータバッファ904に格納し、付加情報を付加情報バッファ905に格納する。
【0132】
また、データバッファ904および付加情報バッファ905のデータの記憶容量は、第1の実施形態のデータバッファ104および付加情報バッファ105よりもそれぞれ数倍大きい。さらに、エンコーダ部906は、付加情報バッファ905に保持されている対象フレームの付加情報、および対象フレームよりも後ろ(未来)のフレームの付加情報を参照して符号化を行う。
【0133】
次に、本実施形態の画像符号化方式変換装置900がMPEG4またはH.261からH.261またはMPEG4に方式変換する場合の、エンコーダ部906が行う符号化について説明する。MPEG4とH.261では、一般にMPEG4の方が圧縮率が高いため、MPEG4からH.261への画像符号化方式変換に伴う変換係数は1より大きくなる。このとき、第1の実施形態では、上限ビット値を参照したビット割り当て(第1実施例、図9参照)か、インターマクロブロックの実際の量子化パラメータを元の量子化パラメータの倍数とする(第2実施例、図10参照)か、変換テーブルを用いて量子化パラメータを変更している(第2実施例、図12参照)ため、フレーム全体に一様に誤差が配分されてしまう。
【0134】
そこで、本実施形態では、対象マクロブロックの実際の量子化パラメータを決定する際に、時間的に後ろ(未来)のフレームの対象マクロブロックと同じ位置のマクロブロックのタイプを参照して、図14に示すように、イントラマクロブロック(I)および所定数のフレームにおいてはインターであるが数フレーム後にはイントラとなる(以下、「リフレッシュされる」という)マクロブロック(P)に対しては、量子化されたDCT係数をそのまま使用する。一方、リフレッシュされないインターマクロブロック(P′)に対しては、量子化パラメータを変更する。
【0135】
また、量子化パラメータを変更するマクロブロックの決定方法としては、上記未来のフレームを先読みする方法の他に、符号化の難易度を示すアクティビティをマクロブロックの符号ビット量と量子化パラメータとの乗算によって求め、求められたアクティビティに基づいて決定する方法を用いても良い。アクティビティが大きいマクロブロックは細かい画像であるため多少劣化させても構わないというアルゴリズムであれば、当該マクロブロックに対しては量子化されたDCT係数をそのまま使用し、アクティビティが小さいマクロブロックに対しては量子化パラメータを変更する。
【0136】
なお、リフレッシュされるインターマクロブロックは、量子化されたDCT係数をそのまま使用しても使用しなくても良いが、量子化パラメータは前と同じ値のパラメータを用いる。また、リフレッシュされるインターマクロブロックの量子化パラメータに乗じられる変換係数をそのまま用いたのでは出力ビットストリームのビットレートが大きくなりすぎるため、量子化パラメータを変更するマクロブロックの数に応じた変換係数の調整が必要となる。
【0137】
次に、本実施形態の画像符号化方式変換装置900がH.261からMPEG4に方式変換する場合の、エンコーダ部906が行う符号化について説明する。H.261では、マクロブロックの量子化パラメータとして1から31までの値を自由に用いることができる。ところが、MPEG4では、隣り合うマクロブロック間での量子化パラメータは、±2以下でなければならないという制限があるため、H.261のマクロブロックで用いられた量子化パラメータをそのまま用いることができない。例えば、H.261のあるマクロブロックでは量子化パラメータ5が用いられ、その隣のマクロブロックでは10が用いられている場合、MPEG4に方式変換するときには、隣のマクロブロックの量子化パラメータを7までしか上げることができない。
【0138】
図15(a)に示すグラフは、H.261で用いられた量子化パラメータの例を示す。横軸はマクロブロックナンバー(MBナンバー)であり、縦軸は用いられた量子化パラメータであり、量子化パラメータは、順に[5,5,10,12,12,8,6,5]である。また、図15(b)は、MPEG4で符号化する際に用いる量子化パラメータの例である。なお、同図に示されているMBナンバーのマクロブロックは、イントラマクロブロックまたはリフレッシュされるインターマクロブロックであって、量子化パラメータを変更する必要がないものとする。
【0139】
上述したように、MPEG4では、隣り合うマクロブロック間での量子化パラメータは±2以下でなければならないという制限があるため、量子化パラメータが増えたら+1または+2だけ量子化パラメータを上げ、量子化パラメータが減ったら−1または−2だけ量子化パラメータを下げるというアルゴリズムで調整を行うと、量子化パラメータ(a)のように[5,5,7,9,11,9,7,5]となる。
【0140】
これに対し、量子化パラメータの先読みを行うと、MBナンバー6、7、8で量子化パラメータが下がることが分かっているので、MBナンバー5では量子化パラメータを11まで上げずに10とし、量子化パラメータ(b)を[5,5,7,9,10,8,6,5]とすると、H.261で用いられた量子化パラメータと異なるMBナンバーの数が、量子化パラメータ(a)では5つ(MBナンバー3、4、5、6、7)であるに対し、量子化パラメータ(b)では3つ(MBナンバー3、4、5)となる。このように、マクロブロックの量子化パラメータを先読みして最適な量子化パラメータの増減制御を行うことによって、画質劣化の起こるマクロブロックの数を抑えることができる。
【0141】
次に、本実施形態の画像符号化方式変換装置900がH.261からMPEG4に方式変換する場合の、エンコーダ部906が行う他の符号化について説明する。先に説明したように、MPEG4では、隣り合うマクロブロック間での量子化パラメータの差は±2以下でなければならないという制限があるが、新たな量子化パラメータをどうしても±3以上に大きく変更したい場合は、以下に説明する「vpacket(ブイパケット)」方式を用いる。該ブイパケットとは、図16に示すように、フレーム中のマクロブロックを上から順に左端から右方向にマクロブロックを走査していき、量子化パラメータが大きく異なる連続した2つのマクロブロックを端部として一フレーム中に複数の領域を作成すると、その領域がブイパケットとされる。したがって、ブイパケットは少なくとも1つのマクロブロックから構成され、一ブイパケットを構成するマクロブロックは分散していない。
【0142】
該ブイパケットを用いることによって、図15に示した例では、マクロブロックの先読みによって量子化パラメータの調整を行っていたが、ブイパケットを利用することによってマクロブロックを先読みする必要がなくなるため、該先読みに必要な演算の処理量を削減することができる。また、量子化パラメータを変更しないため、量子化誤差を無くすこともできる。
【0143】
なお、MPEG4では、イントラマクロブロック内のブロックでは、DC(直流)係数に対し非直線量子化が用いられている。このため、H.261およびMPEG4でイントラブロックのDC係数については、同じ量子化パラメータを用いることはできない。したがって、デコーダ部903内の逆量子化手段によるDC係数の逆量子化と、エンコーダ部906内の量子化手段によるDC係数の量子化が必要となる。
【0144】
以上説明したように、本実施形態に係る画像符号化方式変換装置および画像符号化方式変換方法によれば、対象フレームの付加情報、および対象フレームより後ろ(未来)のフレームの付加情報参照して、リフレッシュするインターマクロブロックに対しては量子化されたDCT係数をそのまま用いるため、該マクロブロックは数フレームの間画質が劣化するが、画像符号化方式変換に係る演算量を削減することができる。
【0145】
また、H.261からMPEG4に画像符号化方式変換する場合においても、マクロブロックの先読みを行うことによって量子化誤差が小さくなるように、量子化パラメータを変更することができる。さらに、ブイパケット(vpacket)を用いることによってMPEG4に特有な性質に制限されることなく、量子化パラメータを変更する必要のないマクロブロックに対してはそのままの量子化パラメータを用いることができるため、画質の劣化を抑えた画像符号化方式変換を行うことができる。。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体によれば、分離手段(分離ステップ)において、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、ピクチャのデータ量情報を含む付加情報データとに入力データを分離し、復号化手段(復号化ステップ)において、符号化画像データを逆直交変換し、割り当て手段(割り当てステップ)において、ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャが備えた各ブロックに上限データ量を割り当てるか、複数のブロックのデータ量情報に基づいて各ブロックの上限データ量を設定し、符号化手段(符号化ステップ)において、対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに割り当てられたまたは設定された上限データ量以上であれば対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換している。
【0147】
このように、復号化手段(復号化ステップ)では逆直交変換のみを行って逆量子化および逆DCTを行わず、符号化手段(符号化ステップ)ではDCTおよび量子化を行わず直交変換のみを行っているため、ある画像符号化方式から別の画像符号化方式に方式変換するために必要な演算量を大きく削減することができる。したがって、高速な画像符号化方式変換が可能な画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体を提供することができる。また、上限データ量に基づいてブロックのデータを切り詰めることによって、ある画像符号化方式から圧縮率の異なる別の画像符号化方式に変換する場合においても、画質に大きな影響を与えずに、元のビットレートと略同じビットレートで方式変換することができる。
【0148】
また、本発明の画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体によれば、分離手段(分離ステップ)において、所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、各ブロックの符号化情報および量子化パラメータ情報を含む付加情報データとに入力データを分離し、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)において対象とするブロックの符号化情報を参照して該対象ブロックの符号化形式を判断し、復号化手段(復号化ステップ)において、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)の判断結果に応じて対象ブロックを逆直交変換または逆直交変換および逆量子化し、復号化手段(復号化ステップ)で逆直交変換されたブロックに対しては、符号化手段(第1の符号化ステップ)において量子化を行わずに直交変換し、復号化手段で逆直交変換および逆量子化されたブロックに対しては、量子化パラメータ出力手段(量子化パラメータ出力ステップ)で量子化パラメータ情報に基づいて新たな量子化パラメータを出力し、符号化手段(第2の符号化ステップ)で新たな量子化パラメータを前記ブロックのDCT係数に乗じた後、該ブロックを量子化および直交変換している。
【0149】
特に、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)において対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、復号化手段(復号化ステップ)は、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)で対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換および逆量子化している。
【0150】
このように、イントラ符号化形式のブロックに対しては、量子化されたDCT係数をそのまま用いるため、復号化手段(復号化ステップ)における逆量子化のための演算および符号化手段(符号化ステップ)における量子化のための演算を省略することができる。したがって、高速な画像符号化方式変換が可能な画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体を提供することができる。また、インター符号化形式のブロックに対しては、新たな量子化パラメータを該ブロックのDCT係数に乗じて新たな量子化パラメータを生成し、該新たな量子化パラメータで再量子化しているため、ある画像符号化方式から別の画像符号化方式に変換する場合においても、画質に大きな影響を与えずに方式変換することができる。
【0151】
また、特に、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)において対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、復号化手段(復号化ステップ)は、ブロック符号化形式判断手段(ブロック符号化形式判断ステップ)で対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックと判断されたときは、前ブロック符号化形式判断ステップで該対象ブロックが属するフレームより時間的に後ろのフレームの前記対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化形式を判断し、該ブロックがイントラ符号化されたブロックであれば前記対象ブロックを逆直交変換し、インター符号化されたブロックであれば前記対象ブロックを逆直交変換および逆量子化している。
【0152】
このように、イントラ符号化形式のブロック、および対象ブロックが属するフレームより時間的に後ろのフレームの前記対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化形式がイントラ符号化形式であるインター符号化形式のブロックに対しては、量子化されたDCT係数をそのまま用いるため、復号化手段(復号化ステップ)における逆量子化のための演算および符号化手段(符号化ステップ)における量子化のための演算を省略することができる。したがって、より高速な画像符号化方式変換が可能な画像符号化方式変換装置、画像符号化方式変換方法および記録媒体を提供することができる。また、上記ブロック以外のブロックは、時間的に後のフレーム中の同じ位置のブロックがインター形式であるうちは画質の劣化が生じ得るが、いずれイントラ符号化形式のブロックとなるため、画質の劣化を抑えた画像符号化方式変換を実現することができる。なお、前ブロック符号化形式判断ステップが対象とするフレーム数を少なくすることによって、画質の劣化が生じ得る時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像符号化方式変換装置を示すブロック構成図である。
【図2】デコーダ部の内部構成を示すブロック構成図である。
【図3】デコーダ部が行う復号化処理について説明するフローチャートである。
【図4】付加情報バッファに書き込まれたデータの一形式を示す説明図である。
【図5】エンコーダ部の内部構成を示すブロック構成図である。
【図6】量子化パラメータを用いたDCT係数の算出を説明する説明図である。
【図7】可変長符号化手段によるビット切詰め処理を説明する説明図である。
【図8】エンコーダ部が行う符号化処理について説明するフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係る画像符号化方式変換方法の第1実施例を示す説明図である。
【図10】第1の実施形態に係る画像符号化方式変換方法の第2実施例を示す説明図である。
【図11】量子化誤差の発生および第2実施例に係る量子化パラメータの決定を説明する説明図である。
【図12】変換テーブルを示す説明図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る画像符号化方式変換装置を示すブロック構成図である。
【図14】第2の実施形態に係る画像符号化方式変換方法を示す説明図である。
【図15】第2の実施形態に係るマクロブロックの先読み方式による量子化パラメータの決定を説明する説明図である。
【図16】ブイパケット(vpacket)の生成とその一例を示す説明図である。
【図17】特表平9−512410号公報に記載の符号変換装置を簡単に示したブロック構成図である。
【図18】従来の符号化変換方法の処理の流れを説明する説明図である。
【符号の説明】
101 入力ビットストリーム
102,902 入力手段
103,903 デコーダ部
104,904 データバッファ
105,905 付加情報バッファ
106,906 エンコーダ部
107 出力手段
108 出力ビットストリーム
201 上位レイヤ情報復号化手段
202 MB情報復号化手段
203 可変長復号化手段
204,505 逆量子化手段
205,506 逆DCT手段
206,507 動き補償手段
207,508 フレームメモリ
501 減算器
502 DCT手段
503 量子化手段
504 可変長符号化手段
509 MB情報符号化手段
510 上位レイヤ情報符号化手段

Claims (25)

  1. 所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、前記ピクチャのデータ量情報を含む付加情報データと、を有する入力データを前記符号化画像データと前記付加情報データとに分離する分離手段を有し、前記符号化画像データを逆直交変換する機能を有する復号化手段、および
    前記ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャが備えた各ブロックに上限データ量を割り当てる割り当て手段を有し、対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに割り当てられた上限データ量以上であれば前記対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換する機能を有する符号化手段を備え、
    前記付加情報データは、各ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを示す符号化情報および量子化パラメータ情報を含み、
    前記復号化手段は、対象とするブロックの符号化情報を参照して該対象ブロックの符号化形式を判断するブロック符号化形式判断手段を有し、前記ブロック符号化形式判断手段による判断結果に応じて、前記対象ブロックを処理し、
    前記符号化手段は、前記量子化パラメータ情報に基づいて新たな量子化パラメータを出力する量子化パラメータ出力手段を有し、前記復号化手段で逆量子化および逆直交変換されていないブロックに対しては、直交変換及び量子化を行わず、前記復号化手段で逆量子化および逆直交変換、または逆量子化されたブロックに対しては、前記量子化パラメータ出力手段から出力された新たな量子化パラメータを該ブロックのDCT係数に乗じる画像符号化方式変換装置。
  2. 前記付加情報データは、前記複数のブロックのデータ量情報を含み、前記割り当て手段は、前記複数のブロックのデータ量情報に基づいて各ブロックの上限データ量を設定することを特徴とする請求項1記載の画像符号化方式変換装置。
  3. 前記ブロック符号化形式判断手段は、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、
    前記復号化手段は、前記ブロック符号化形式判断手段で、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックの逆量子化および逆直交変換を行わず、インター符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆量子化および逆直交変換することを特徴とする請求項1記載の画像符号化方式変換装置。
  4. 前記ブロック符号化形式判断手段は、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、
    前記復号化手段は、前記ブロック符号化形式判断手段で、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆量子化し逆直交変換せず、インター符号化されたブロックと判断されたときは、該対象ブロックが属するフレームより時間的に後ろのフレームの前記対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化形式を判断し、該ブロックがイントラ符号化されたブロックであれば前記対象ブロックを逆量子化し逆直交変換せず、インター符号化されたブロックであれば前記対象ブロックを逆量子化および逆直交変換することを特徴とする請求項1記載の画像符号化方式変換装置。
  5. 前記付加情報データが各ブロックのビット量情報を有し、
    前記ブロック符号化形式判断手段は、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、
    前記復号化手段は、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは前記対象ブロックを逆量子化し逆直交変換せず、インター符号化されたブロックと判断されたときは、該対象ブロックのビット量と量子化パラメータとの乗算によって求められる符号化の難易度を示すアクティビティが大きいときは、前記復号化手段は前記対象ブロックを逆量子化および逆直交変換せず、前記アクティビティが小さいときは、前記復号化手段は前記対象ブロックを逆量子化及び逆直交変換するかまたは逆量子化し逆直交変換しないことを特徴とする請求項1記載の画像符号化方式変換装置。
  6. 前記符号化手段は、画像符号化方式変換前後の圧縮率の違いによる変換係数を算出する変換係数算出手段を有し、
    前記量子化パラメータ出力手段は、前記変換係数算出手段が算出した変換係数が1よりも大きいときは、新たな量子化パラメータを前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数とし、前記変換係数が1よりも小さいときは新たな量子化パラメータを前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの約数とし、該新たな量子化パラメータを出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項記載の画像符号化方式変換装置。
  7. 前記量子化パラメータ出力手段は、前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数または約数を前記新たな量子化パラメータとしてブロックのDCT係数に乗じて得られたDCT係数が元のDCT係数よりも小さくなるときは、前記元のDCT係数を前記ブロックのDCT係数として用いることを特徴とする請求項6記載の画像符号化方式変換装置。
  8. 前記変換係数は、変換前の符号化方式の圧縮率を変換後の符号化方式の圧縮率で除した値であることを特徴とする請求項6または7記載の画像符号化方式変換装置。
  9. 前記付加情報データは前記ピクチャのデータ量情報を含み、
    前記符号化手段は、前記ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャの上限データ量を算出する上限データ量算出手段を有し、
    前記変換係数は、前記ピクチャのデータ量情報が示すデータ量と前記上限データ量算出手段が算出した前記ピクチャの上限データ量との比から求められる値であることを特徴とする請求項6または7記載の画像符号化方式変換装置。
  10. 前記変換係数は、変換前の符号化形式と変換後の符号化形式との組み合わせごとに、量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータに応じて予め決定された所定の値であることを特徴とする請求項6または7記載の画像符号化方式変換装置。
  11. 前記量子化パラメータ出力手段は、前記復号化手段で逆量子化および逆直交変換されたブロックに対して、対象となるブロックよりも後の連続した複数のブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象ブロックの新たな量子化パラメータを決定して出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項記載の画像符号化方式変換装置。
  12. 当該画像符号化方式変換装置がMPEG4規格に準拠した方式で符号化された画像データを出力するとき、
    前記量子化パラメータ出力手段は、前記復号化手段で逆量子化および逆直交変換された対象とするブロックに対して、連続した複数のマクロブロックの各量子化パラメータを読み出し、量子化パラメータの差が所定値よりも小さな隣り合うマクロブロックの集合領域を決定し、該集合領域内で対象となるマクロブロックよりも後の連続した複数のマクロブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象マクロブロックの量子化パラメータを決定して出力することを特徴とする請求項11記載の画像符号化方式変換装置。
  13. 所定数のピクセルで構成された複数のブロックを備えたピクチャをブロック単位で符号化した画像データと、前記ピクチャのデータ量情報、各ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを示す符号化情報および量子化パラメータ情報を含む付加情報データと、を有する入力データを前記符号化画像データと前記付加情報データとに分離する分離ステップと、
    前記符号化画像データを逆直交変換する復号化ステップと、
    前記ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャが備えた各ブロックに上限データ量を割り当てる割り当てステップと、
    対象とするブロックのデータ量が該対象ブロックに割り当てられた上限データ量以上であれば前記対象ブロックのデータを切り詰めて直交変換する符号化ステップと、を実行する機能を有する画像符号化方式変換装置における画像符号化方式変換方法であって、
    対象とするブロックの符号化情報を参照して該対象ブロックの符号化形式を判断するブロック符号化形式判断ステップと、
    前記ブロック符号化形式判断ステップによる判断結果に応じて、前記対象ブロックを処理する復号化ステップと、
    前記復号化ステップで逆量子化および逆直交変換されていないブロックに対しては、直交変換及び量子化を行わない第1の符号化ステップを行い、前記復号化ステップで逆量子化および逆直交変換、または逆量子化されたブロックに対しては、前記量子化パラメータ情報に基づいて新たな量子化パラメータを出力する量子化パラメータ出力ステップ、および前記量子化パラメータ出力ステップで出力された新たな量子化パラメータを前記ブロックのDCT係数に乗じる第2の符号化ステップを行う符号化ステップと、
    を有することを特徴とする画像符号化方式変換方法。
  14. 前記付加情報データは、前記複数のブロックのデータ量情報を含み、
    前記割り当てステップは、前記複数のブロックのデータ量情報に基づいて各ブロックの上限データ量を設定することを特徴とする請求項13記載の画像符号化方式変換方法。
  15. 前記ブロック符号化形式判断ステップは、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、
    前記復号化ステップは、
    前記ブロック符号化形式判断ステップで、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆量子化および逆直交変換せず、
    前記対象ブロックがインター符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆量子化および逆直交変換することを特徴とする請求項13記載の画像符号化方式変換方法。
  16. 前記ブロック符号化形式判断ステップは、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、
    前記復号化ステップは、
    前記ブロック符号化形式判断ステップで、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは該対象ブロックを逆量子化し逆直交変換せず、
    前記対象ブロックがインター符号化されたブロックと判断されたときは、該対象ブロックが属するフレームより時間的に後ろのフレームの前記対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化形式を判断する前ブロック符号化形式判断ステップをさらに有し、該前ブロック符号化形式判断ステップで該ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは前記対象ブロックを逆量子化し逆直交変換せず、インター符号化されたブロックと判断されたときは前記対象ブロックを逆量子化および逆直交変換することを特徴とする請求項13記載の画像符号化方式変換方法。
  17. 前記付加情報データが各ブロックのビット量情報を有し、
    前記ブロック符号化形式判断ステップは、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックかインター符号化されたブロックかを判断し、
    前記復号化ステップは、
    前記ブロック符号化形式判断ステップで、前記対象ブロックがイントラ符号化されたブロックと判断されたときは前記対象ブロックを逆量子化し逆直交変換せず、
    インター符号化されたブロックと判断されたときは、符号化の難易度を示すアクティビティを前記対象ブロックのビット量と量子化パラメータとの乗算によって求めるアクティビティ算出ステップをさらに有し、該アクティビティ算出ステップで求められたアクティビティが大きいときは、前記復号化手段は前記対象ブロックを逆量子化および逆直交変換せず、前記アクティビティが小さいときは、前記復号化手段は前記対象ブロックを逆量子化及び逆直交変換するかまたは逆量子化し逆直交変換しないことを特徴とする請求項13記載の画像符号化方式変換方法。
  18. 前記量子化パラメータ出力ステップは、画像符号化方式変換前後の圧縮率の違いによる変換係数を算出する変換係数算出ステップを有し、
    前記変換係数算出ステップで算出された変換係数が1よりも大きいときは、新たな量子化パラメータを前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数とし、前記変換係数が1よりも小さいときは新たな量子化パラメータを前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの約数とし、該新たな量子化パラメータを出力することを特徴とする請求項13ないし17のいずれか一項記載の画像符号化方式変換方法。
  19. 前記量子化パラメータ出力ステップは、前記量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータの倍数または約数を前記新たな量子化パラメータとしてブロックのDCT係数に乗じて得られたDCT係数が元のDCT係数よりも小さくなるときは、前記元のDCT係数を前記ブロックのDCT係数として用いることを特徴とする請求項18記載の画像符号化方式変換方法。
  20. 前記変換係数は、変換前の符号化方式の圧縮率を変換後の符号化方式の圧縮率で除した値であることを特徴とする請求項18または19記載の画像符号化方式変換方法。
  21. 前記付加情報データは前記ピクチャのデータ量情報を有し、前記ピクチャのデータ量情報に基づいて該ピクチャの上限データ量を算出する上限データ量算出ステップを有し、
    前記変換係数は、前記ピクチャのデータ量情報が示すデータ量と前記上限データ量算出ステップで算出された前記ピクチャの上限データ量との比から求められる値であることを特徴とする請求項18または19記載の画像符号化方式変換方法。
  22. 前記変換係数は、変換前の符号化形式と変換後の符号化形式との組み合わせごとに、量子化パラメータ情報が示す量子化パラメータに応じて予め決定された所定の値であることを特徴とする請求項18または19記載の画像符号化方式変換方法。
  23. 前記量子化パラメータ出力ステップは、前記復号化ステップで逆量子化および逆直交変換されたブロックに対して、対象となるブロックよりも後の連続した複数のブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象ブロックの新たな量子化パラメータを決定して出力することを特徴とする請求項16、17、18または19記載の画像符号化方式変換方法。
  24. 当該画像符号化方式変換方法がMPEG4規格に準拠した方式で符号化された画像データを出力するとき、
    前記量子化パラメータ出力ステップは、前記復号化ステップで逆量子化および逆直交変換された対象とするマクロブロックに対して、連続した複数のマクロブロックの各量子化パラメータを読み出し、量子化パラメータの差が所定値よりも小さな隣り合うマクロブロックの集合領域を決定し、該集合領域内で対象となるマクロブロックよりも後の連続した複数のマクロブロックの量子化パラメータに基づいて、前記対象マクロブロックの量子化パラメータを決定して出力することを特徴とする請求項23記載の画像符号化方式変換方法。
  25. 請求項13乃至24のいずれか一項に記載の画像符号化方式変換方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
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