JP3902367B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図柄表示装置に大当り図柄の組合せが表示されたときに、大当り遊技状態となって変動入賞装置を所定の態様(例えば、一定時間が経過するまで、又は所定個数の入賞玉が発生するまで)で開放し、その開放中に変動入賞装置内に形成される継続入賞口(V入賞口ともいう)に入賞玉が入賞したことに基づいて変動入賞装置の次回の開放が留保される継続権を成立させ、そのような継続権の成立回数を所定回数可能として、変動入賞装置の開放状態を短時間に繰り返し行うパチンコ機が市場に多数提供されていた。このようなパチンコ機においては、大当り図柄の組合せが表示される確率が一定であるものが主流を占めていたが、近年、その確率を変更するものが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような確率が変更されるパチンコ機においては、その変更条件として、複数個ある大当り図柄の組合せのうち、1乃至3個の予め定められた大当り図柄の組合せが表示されたときに高確率に変更されて、次回の大当り遊技状態の発生周期を短くして遊技者の興趣を引き付けるようにしていたが、このような変更条件は、大当り図柄の出現確率以上に低い確率でしか出現せず、特に開店時からかなりの時間が経過してからでないと確率変更が行われず、開店時に雰囲気を盛り上げようとする遊技場の要望を満たすことができないという欠点があった。即ち、電源投入時には常に全ての情報がリセットされた通常遊技状態にあった。また、確率の変更条件が大当り図柄の組合せのうち所定の組合せといった一義的なものであり、遊技者にとっては確率の変更が行われる決定時期が大当り時に毎回決まっていることによりその時以外の遊技中には何ら確率変更の期待をもつことがなく、確率変更の面白味を好適に遊技者に味わわせることができないという問題もある。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、確率変更の面白味を今以上に遊技者に味わわせることができる遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、
図柄を変動表示する表示装置(図柄表示装置25)と、
始動口(始動入賞口4a〜4c)への入球を検出する検出スイッチ(始動入賞玉検出スイッチ15a〜15c)と、
該検出スイッチによる検出結果に基づき、前記表示装置の始動条件の成立を検出する始動条件検出手段(マイクロコンピュータ50におけるステップ110の処理)と、
前記表示装置を表示制御する表示制御手段(マイクロコンピュータ50)と、
前記始動条件検出手段が始動条件の成立を検出した場合に所定の確率で当りとなる当否抽選を行い、該抽選結果に応じた変動表示を前記表示制御手段に行わせる遊技制御手段(マイクロコンピュータ50)とを備え、
前記当否抽選において当りが抽選された場合は、前記表示装置の変動表示の結果として当りの図柄が表示され、
該当りの図柄が表示される場合に所定の価値を付与する当り遊技状態(大当り遊技状態)を発生させ、
前記当否抽選の抽選確率として、第1の確率(低確率)と該第1の確率より高確率な第2の確率(高確率)とを備える遊技機において、
前記表示装置は、前記図柄を複数の表示列において変動表示するものであり、
前記当り図柄は前記複数の図柄列に表示される特定の図柄の組合せであり、該特定の図柄の組合せのうち予め定められた図柄の組合せが確率変更図柄の組合せ(「3」、「7」又は「9」のゾロ目)として設定され、
前記遊技制御手段は、
電源投入後、前記検出スイッチが球検出する毎に積算される積算カウンタ(始動積算カウンタC2)と、
前記当否抽選の抽選確率を前記第1の確率から前記第2の確率に変更する確率変更手段(マイクロコンピュータ50におけるステップS40の処理機能)とを備え、
前記表示装置に前記確率変更図柄の組合せが停止表示された場合に、前記確率変更手段によって変更された前記第2の確率で前記当否抽選を行う高確率状態となり(ステップS30→ステップS40)、
さらに、前記表示装置に前記確率変更図柄の組合せ以外の前記当り図柄が停止表示された場合であっても、前記積算カウンタから抽出されたカウンタ値が予め定めた範囲内の値である場合には、前記確率変更手段によって変更された前記第2の確率で前記当否抽選を行う高確率状態となる(ステップS20→ステップS40)ことを特徴とする。
なお、実施例において本発明と対応する構成等について括弧書きで示している。
【0005】
【作用】
上記手段により、表示装置に確率変更図柄の組合せが停止表示された場合には、確率変更手段によって変更された第2の確率で当否抽選を行う高確率状態となる。しかも、表示装置に前記確率変更図柄の組合せ以外の前記当り図柄が停止表示された場合であっても、積算カウンタの値が所定の範囲内の値である場合には前記確率変更手段によって変更された前記第2の確率で前記当否抽選を行う高確率状態となる。
【0006】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。まず、図5を参照して、実施例に係る図柄表示装置25を含む変動入賞装置20が設けられるパチンコ機の遊技盤1の全体の構成について説明する。図5において、遊技盤1には、周知のように、打球を誘導する誘導レール2がほぼ円状に植立され、その誘導レール2に囲まれた範囲が打球が落下する遊技領域3を構成している。
【0007】
遊技領域3のほぼ中央には、可変表示装置としての図柄表示装置25を含む変動入賞装置20が配置され、その変動入賞装置20の下方に3つの始動入賞口4a〜4cが水平方向に併設されている。また、変動入賞装置20と中央の始動入賞口4aとの間には、変動入賞装置20の後述する落下口39から落下する打球が通過する通過口5が配置されている。また、遊技領域3には、上記した部品以外に入賞口6a,6b、7a,7b、8a,8b、ランプ付風車9a,9b、風車10a〜10d、大当りランプ11a,11bがそれぞれ垂直方向のセンターラインに対して左右対称の位置に配置されている。また、遊技領域3の最下方には、上記した入賞口や入賞装置に入賞しなかった打球が取入れられるアウト口12が設けられている。なお、上記した部品のうち、入賞口7a,7b及び入賞口8a,8bには、大当り時や図柄表示装置25の変動時に点滅したりして動作する動作ランプ13a,13b、14a,14bが内蔵され、前記始動入賞口4a〜4cには、始動入賞玉検出スイッチ15a〜15cが内蔵されている。ランプ付風車9a,9bも上記した動作ランプと同じ機能を有する。
【0008】
ところで、遊技領域3のほぼ中央に設けられる変動入賞装置20は、遊技盤1の表面に取付けられる取付基板21を有し、その取付基板21の最上部に通常の入賞口22が形成されている。この入賞口22に入賞した打球は、遊技盤1の裏面に誘導されて通常の入賞玉として処理される。また、入賞口22の下方には、長方形状の打球入口23が開設されると共に打球入口23の下縁に沿って誘導突片24が突設されている。このため、遊技領域3の左右側方から飛来した打球が誘導突片24に受け止められて打球入口23に取込まれるようになっている。打球入口23に取込まれた打球は、変動入賞装置20の側方を通って変動入賞装置20の下部に形成される落下口26から再度遊技盤1の前面側に排出されるようになっている。
【0009】
上記した誘導突片24は、下方を除いてほぼ長方形状に突設されるものであり、誘導突片24に囲まれるように図柄表示装置25が設けられている。本実施例において、図柄表示装置25は、3つのドットマトリックスLEDで構成されており、各ドットマトリックスLEDが15個の識別情報を構成する図柄(例えば、0〜9までの数字とA〜Eまでの英文字)を表示し得るようになっている。そして、前記始動入賞口4a〜4cのいずれかに打球が入賞すると、図柄表示装置25のドットマトリックスLEDが遊技者に視認できない速度でスクロール変動を開始し、一定時間(例えば、5秒)経過後したときに変動表示が停止されて3つの図柄が停止表示される。停止表示された図柄の組合せが大当り図柄の組合せであるときに、特別遊技状態の一つである大当り遊技状態となる。大当り図柄の組合せとしては、3つのドットマトリックスLEDに同一図柄が表示された場合であり、このため、大当り図柄の組合せは、15個あることになる。そして、この15個の大当り図柄の組合せのうち、通常の遊技時において、予め定めた大当り図柄の組合せ(例えば、3のゾロ目、7のゾロ目、9のゾロ目)となったときには、次の変動時に大当り図柄が表示される確率が高確率(例えば、1/25)に変更設定される。このような高確率に設定された遊技状態は特別遊技状態の一つである。なお、高確率に変更される前の通常の確率(以下、低確率という)は、例えば、1/250に設定されている。
【0010】
大当り遊技状態になると、取付基板21のほぼ中央左右に軸支される開閉部材27a,27bが一定時間(例えば、30秒)開放される。ただし、その開放中に開閉部材27a,27bに受け入れられた入賞玉が10個となった場合には、一定時間が経過する前であっても開閉部材27a,27bは、閉じられる。なお、開閉部材27a,27bは、図示しないリンク部材を介してソレノイド28(図示しない;ただし図4のブロック図に表示)に連結され、ソレノイド28が励磁したときに開閉部材27a,27bが開放されるようになっている。
【0011】
開閉部材27a,27bに受け入れられた打球は、取付基板21のほぼ中央に形成された入賞空間29を後方に向って転動する。入賞空間29の後方は、入賞した打球が下方に向って落下する落下口が3つ形成され、その中央が継続入賞口としてのV入賞口30とされ、左右が通常入賞口とされる。V入賞口30には、V入賞玉検出スイッチ31(図示しない;ただし図4のブロック図に表示)が臨み、V入賞口30に入賞した打球を検出するようになっている。V入賞玉検出スイッチ31がONすると、前記した開閉部材27a,27bの一定時間の開放状態が繰り返されるようになっている。つまり、大当り遊技状態となった場合には、開閉部材27a,27bの開放によって受け入れられた入賞玉がV入賞口30に入賞することにより、継続権が成立し、その継続権の成立回数に対応する回数だけ変動入賞装置20の開放状態が繰り返し行われるので、短時間に多量の入賞球が発生することになる。ただし、上記した繰り返し回数は、V入賞口30への打球の入賞を条件として、最高16回に設定されている。
【0012】
また、開閉部材27a,27bに受け入れられた打球の数を計数するために、V入賞玉検出スイッチ31の下方には、入賞玉数検出スイッチ32(図示しない;ただし図4のブロック図に表示)が配置されている。この入賞玉数検出スイッチ32は、入賞空間29に導かれた入賞玉であってV入賞口30に入賞した入賞玉だけでなく、V入賞口30の左右に形成される通常入賞口に入賞した入賞玉をも検出できる位置に配置されるものである。そして、入賞玉数検出スイッチ32を通過した入賞玉は、遊技盤1の裏面に沿って流下して入賞玉として処理される。
【0013】
変動入賞装置20には、上記した構成以外に、大当り遊技状態時又は図柄表示装置25の変動表示時に前記始動入賞口4a〜4cに入賞した打球を記憶した旨を報知する始動記憶ランプ33(図柄表示装置25の下方に位置する)を有している。
【0014】
上記したパチンコ機1の遊技動作は、制御回路基板ボックス(図示しない)に収納される制御回路基板に形成される制御回路によって制御されるが、その制御回路は、図4に示される。図4は、制御回路のブロック図である。制御回路には、制御中枢としてのマイクロコンピュータ50が使用されている。そのマイクロコンピュータ50には、記憶手段としての外部ROM51、記憶手段としての外部RAM52が接続されている。
【0015】
一方、始動入賞口4a〜4cにおける入賞玉を検出する始動入賞玉検出スイッチ15a〜15c、V入賞口30における入賞玉を検出するV入賞玉検出スイッチ31、開閉部材27a,27bに受け入れられた入賞玉を検出する入賞玉数検出スイッチ32は、波形整形回路53を介してマイクロコンピュータ50に接続されている。クロック発生回路55は、分周器54を介して外部割込み信号をマイクロコンピュータ50のINT 端子に出力している。また、電源回路57に電源が投入されると、リセット信号発生回路56がリセット信号を出力する。そのリセット信号は、マイクロコンピュータ50のRST1端子に入力され、図示しない初期プログラムが起動される。
【0016】
マイクロコンピュータ50の各出力ポートには、表示器駆動回路58、表示器選択回路59、ドライバ60が接続されている。表示器駆動回路58、表示器選択回路59には、図柄表示装置25及び始動記憶ランプ33が接続されている。それらの表示器は、マイクロコンピュータ50からの選択データと表示データとを定周期で出力することにより、ダイナミック駆動される。すなわち、表示器選択回路59により各表示単位が選択され、その時の表示器駆動回路58の出力信号に応じて表示される。ドライバ60は、マイクロコンピュータ50からの信号に応じて、開閉ソレノイド28駆動動作、大当りランプ11a,11b、動作ランプ13a,13b、14a,14b等の点灯動作をそれぞれ制御する。
【0017】
次に、上記した制御回路によって制御される遊技動作のうち、確率向上処理の一例を示した図1及び図2のフローチャートに基づいて説明する。まず、図2に示すように、ステップ110で始動入賞玉検出スイッチ33がONしたか否かが判別され、ONしていないときには、始動入賞サブルーチンが終了し、一方、ONしたときには、ステップ120で記憶手段を構成する始動記憶カウンタC1の値が4より小さいか否かが判定され、小さいときには、ステップ130で始動記憶カウンタC1の値が1ずつ更新される。この始動記憶カウンタC1は、図柄表示装置25の変動を許容するためのものであり、その値が1以上のときに図柄表示装置25が図示しない変動ルーチンによって変動を開始する。また、変動開始と共に始動記憶カウンタC1の値が1づつ減算される。上記したステップ120、130の処理の後、ステップ140で記憶手段を構成する始動積算カウンタC2の値が1ずつ更新される。始動積算カウンタC2は、電源投入時からの始動入賞口4a〜4cへの打球の入賞個数を計数するものである。この実施例では、上記始動記憶カウンタC1が第1記憶手段に、上記始動積算カウンタC2が第2記憶手段に、それぞれ対応する。
【0018】
次に、図1に示す確率向上サブルーチンについて説明すると、ステップ10において、大当りか否かが判別され、大当りでなければ、確率向上サブルーチンが終了し、一方、いずれの大当り図柄の組合せに関係なく大当りであれば、ステップ20で始動積算カウンタC2の値が51よりも小さいか否かが判別される。始動積算カウンタC2の値が51よりも大きいときには、開店時の電源投入から所定期間経過したとみなされ、ステップ30で前記ステップ10で判別された大当りが「3」又は「7」又は「9」のいずれかのゾロ目であるか否かが判別される。いずれのゾロ目でもない場合には、確率向上サブルーチンは、終了する。一方、ステップ20で始動積算カウンタC2の値が51より小さいと判別された場合、又はステップ30で大当りが「3」又は「7」又は「9」のいずれかのゾロ目であると判別されたときには、ステップ40で高確率フラグがセットされる。これにより、次回以降の変動における大当り図柄の出現する周期が短くなる。このような始動積算カウンタC2の値が51より小さい場合の高確率への移行可能性を有する遊技は、特別遊技状態の一つである。なお、確率の変更は、図示しない確率変更サブルーチンで上記したフラグに基づいて設定される。
【0019】
以上のように、本実施例においては、開店時の電源投入時から始動入賞口4a〜4cへの打球の入賞個数が50個になるまでの間に、いずれの大当り図柄の組合せに関係なく大当りとなったときには、確率が向上するので、開店時における遊技場の雰囲気を盛り上げることができる。また、電源投入時から始動入賞口4a〜4cへの打球の入賞個数が50個より多くなったときには、開店時から時間も経過しているので、高確率への変更条件が通常の状態に設定される。なお、高確率から低確率への移行は、最初の大当りの発生に基づいて低確率に移行するようにしても良いし、2回目の大当りの発生又はそれ以上の回数の大当りの発生に基づいて低確率に移行するようにしても良い。
【0020】
上記した実施例では、電源投入時の確率向上条件として、すべての大当り図柄の組合せとなったことを例示したが、他の条件、例えば、停止時に表示される図柄の組合せが特定の図柄のみから構成されているかどうかを条件としても良い。このような条件による動作の一例を図3に示す。以下、図3のフローチャートについて説明する。
【0021】
まず、ステップ210で表示図柄の組合せが「3」と「7」とだけから構成されているか否かが判別され、そのように構成されていると判断されたときには、ステップ220で図柄表示装置25の電源投入時からの変動回数を計数している記憶手段としての変動回数カウンタC3の値が51より小さいか否かが判別される。変動回数カウンタC3が51より大きいと判別されたときには、開店時の電源投入から所定期間経過したとみなされて確率向上サブルーチンは、終了し、一方、51より小さいと判別されたときには、次のステップ250に進む。一方、前記ステップ210で表示図柄が「3」と「7」とだけから構成されていないと判別されたときには、ステップ230で大当りか否かが判別され、大当りでなければ、確率向上サブルーチンは、終了し、大当りであれば、その大当りが「3」又は「7」又は「9」のいずれかのゾロ目であるか否かが判別される。いずれのゾロ目でもない場合には、確率向上サブルーチンは、終了する。また、ステップ220で変動回数カウンタC3の値が51より小さいと判別された場合、又はステップ240で大当りが「3」又は「7」又は「9」のいずれかのゾロ目であると判別されたときには、ステップ250で高確率フラグがセットされる。これにより、次回以降の変動における大当り図柄の出現する周期が短くなる。なお、確率の変更は、図示しない確率変更サブルーチンで上記したフラグに基づいて設定される。
【0022】
上記した実施例においても、開店時の電源投入時から図柄表示装置25の変動回数が50回になるまでの間に、表示図柄が特定の図柄の組合せのみから構成されているときには、確率が向上するので、開店時における遊技場の雰囲気を盛り上げることができる。また、電源投入時から図柄表示装置25の変動回数が50回より多くなったときには、開店時から時間も経過しているので、高確率への変更条件が通常の状態に設定される。なお、この実施例においても、高確率から低確率への移行は、最初の大当りの発生に基づいて低確率に移行するようにしても良いし、2回目の大当りの発生又はそれ以上の回数の大当りの発生に基づいて低確率に移行するようにしても良い。
【0023】
以上、実施例に係るパチンコ機1の構成及び作用について説明してきたが、本実施例によれば、開店時の電源投入時から所定期間内に従来よりも比較的よく出現する図柄の組合せが出現したときに、確率が高確率に変更されるので、開店時における遊技場の雰囲気を盛り上げることができる。
また、確率の変更の契機となる条件として、相異なる複数の条件が設定されていることから、これらの複数の条件が有効化されている場合には、例えば従来みられるような特定の識別情報としての大当り図柄のうちの所定の限られた大当り図柄に限って確率変更が行われるもののように確率の変更条件が一義的なものとならず、遊技者にとって有利になる確率変更が得られる機会が増大したり場合によっては不利になる確率変更が行われるかもしれないといったバリエーションに富んだ確率変更を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、全ての確率変更条件を常に有効化するのではなく、始動入賞回数や変動回数等に基づく一定条件下でのみ有効化されたり一定条件下では無効化される確率変更条件が存在するように構成すれば、実際の確率変更条件数に比べて多くのバリエーションをもたせることができ、一層遊技の興趣が高まる。
さらに、大当り確率の変更条件が、従来では特定の識別情報としての大当り図柄のうちの所定の限られた大当り図柄に限っていたため、結果的に特別遊技状態の発生が確率変更の条件となっており、最初に特別遊技状態たる大当りを発生させなければ、遊技者は確率変更という特別な利益を得ることができなかった。ところが、本実施例では、大当りとは無関係に確率変更の条件を満たし得るように設定されているため、例えば最初に大当りを発生させなくても遊技者は確率変更という特別な利益を得ることが可能となる。従って、例えば遊技ホールの開店時から遊技を始めた場合に最初に確率変更されその後特別遊技状態が発生するといった特異な利益付与を遊技者に対し行うことができ、確率変更には最初に大当りの発生ありきといった固定観念を覆した豊富な遊技パターンを提供でき、遊技の興趣がますます向上するという効果がある。特に、前記大当りと無関係な確率変更条件として図柄表示装置25中の大当り図柄とは異なる所定の図柄の組合せが表示されることとしておけば、遊技者は大当り図柄とは別に当該所定の図柄の組合せが出現するか否かについても強く意識することとなり、遊技者を図柄表示装置25の可変表示に集中させることができる利点がある。
なお、上記した実施例においては、電源投入時からの所定期間として、始動入賞口への入賞個数、図柄表示装置の変動回数を示したが、例えば、所定時間(例えば、30分)経過したことを条件としても良い。また、上記した実施例における始動入賞個数、変動回数、高確率、低確率の値は、一例であって、任意に設定すれば良い。また、開店時の電源投入と故障復帰時等における電源投入とを区別する等のため、操作スイッチの所定のスイッチ操作又は管理コンピュータからの許可信号が導出されたときにのみ、電源投入に基づく高確率への変更処理、即ち記憶手段を構成するカウンタの利用有無の決定を行った上での処理が実行されるようにしても良い。かかる処理を行うマイクロコンピュータ40によって決定手段が構成されている。更に、上記した実施例では、図柄表示装置25の表示結果に基づいて開閉部材27a,27bが開放するものを示したが、図柄表示装置に表示結果に基づいて所定の遊技価値を付与する形式のものであれば、どのような遊技内容を有するパチンコ機であっても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、確率変更図柄の組合せ以外の当り図柄が停止表示された場合であっても、積算カウンタの値が所定の範囲内の値である場合には高確率状態となるため、高確率状態を得る機会が増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】確率向上処理を示すフローチャートである。
【図2】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図3】他の確率向上処理を示すフローチャートである。
【図4】図柄表示装置を含むパチンコ機の遊技動作を制御する制御回路のブロック図である。
【図5】実施例に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【符号の説明】
1…弾球遊技機としてのパチンコ機、4a〜4c…始動入賞口、20…変動入賞装置、25…可変表示装置としての図柄表示装置、50…マイクロコンピュータ。
【産業上の利用分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図柄表示装置に大当り図柄の組合せが表示されたときに、大当り遊技状態となって変動入賞装置を所定の態様(例えば、一定時間が経過するまで、又は所定個数の入賞玉が発生するまで)で開放し、その開放中に変動入賞装置内に形成される継続入賞口(V入賞口ともいう)に入賞玉が入賞したことに基づいて変動入賞装置の次回の開放が留保される継続権を成立させ、そのような継続権の成立回数を所定回数可能として、変動入賞装置の開放状態を短時間に繰り返し行うパチンコ機が市場に多数提供されていた。このようなパチンコ機においては、大当り図柄の組合せが表示される確率が一定であるものが主流を占めていたが、近年、その確率を変更するものが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような確率が変更されるパチンコ機においては、その変更条件として、複数個ある大当り図柄の組合せのうち、1乃至3個の予め定められた大当り図柄の組合せが表示されたときに高確率に変更されて、次回の大当り遊技状態の発生周期を短くして遊技者の興趣を引き付けるようにしていたが、このような変更条件は、大当り図柄の出現確率以上に低い確率でしか出現せず、特に開店時からかなりの時間が経過してからでないと確率変更が行われず、開店時に雰囲気を盛り上げようとする遊技場の要望を満たすことができないという欠点があった。即ち、電源投入時には常に全ての情報がリセットされた通常遊技状態にあった。また、確率の変更条件が大当り図柄の組合せのうち所定の組合せといった一義的なものであり、遊技者にとっては確率の変更が行われる決定時期が大当り時に毎回決まっていることによりその時以外の遊技中には何ら確率変更の期待をもつことがなく、確率変更の面白味を好適に遊技者に味わわせることができないという問題もある。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、確率変更の面白味を今以上に遊技者に味わわせることができる遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、
図柄を変動表示する表示装置(図柄表示装置25)と、
始動口(始動入賞口4a〜4c)への入球を検出する検出スイッチ(始動入賞玉検出スイッチ15a〜15c)と、
該検出スイッチによる検出結果に基づき、前記表示装置の始動条件の成立を検出する始動条件検出手段(マイクロコンピュータ50におけるステップ110の処理)と、
前記表示装置を表示制御する表示制御手段(マイクロコンピュータ50)と、
前記始動条件検出手段が始動条件の成立を検出した場合に所定の確率で当りとなる当否抽選を行い、該抽選結果に応じた変動表示を前記表示制御手段に行わせる遊技制御手段(マイクロコンピュータ50)とを備え、
前記当否抽選において当りが抽選された場合は、前記表示装置の変動表示の結果として当りの図柄が表示され、
該当りの図柄が表示される場合に所定の価値を付与する当り遊技状態(大当り遊技状態)を発生させ、
前記当否抽選の抽選確率として、第1の確率(低確率)と該第1の確率より高確率な第2の確率(高確率)とを備える遊技機において、
前記表示装置は、前記図柄を複数の表示列において変動表示するものであり、
前記当り図柄は前記複数の図柄列に表示される特定の図柄の組合せであり、該特定の図柄の組合せのうち予め定められた図柄の組合せが確率変更図柄の組合せ(「3」、「7」又は「9」のゾロ目)として設定され、
前記遊技制御手段は、
電源投入後、前記検出スイッチが球検出する毎に積算される積算カウンタ(始動積算カウンタC2)と、
前記当否抽選の抽選確率を前記第1の確率から前記第2の確率に変更する確率変更手段(マイクロコンピュータ50におけるステップS40の処理機能)とを備え、
前記表示装置に前記確率変更図柄の組合せが停止表示された場合に、前記確率変更手段によって変更された前記第2の確率で前記当否抽選を行う高確率状態となり(ステップS30→ステップS40)、
さらに、前記表示装置に前記確率変更図柄の組合せ以外の前記当り図柄が停止表示された場合であっても、前記積算カウンタから抽出されたカウンタ値が予め定めた範囲内の値である場合には、前記確率変更手段によって変更された前記第2の確率で前記当否抽選を行う高確率状態となる(ステップS20→ステップS40)ことを特徴とする。
なお、実施例において本発明と対応する構成等について括弧書きで示している。
【0005】
【作用】
上記手段により、表示装置に確率変更図柄の組合せが停止表示された場合には、確率変更手段によって変更された第2の確率で当否抽選を行う高確率状態となる。しかも、表示装置に前記確率変更図柄の組合せ以外の前記当り図柄が停止表示された場合であっても、積算カウンタの値が所定の範囲内の値である場合には前記確率変更手段によって変更された前記第2の確率で前記当否抽選を行う高確率状態となる。
【0006】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。まず、図5を参照して、実施例に係る図柄表示装置25を含む変動入賞装置20が設けられるパチンコ機の遊技盤1の全体の構成について説明する。図5において、遊技盤1には、周知のように、打球を誘導する誘導レール2がほぼ円状に植立され、その誘導レール2に囲まれた範囲が打球が落下する遊技領域3を構成している。
【0007】
遊技領域3のほぼ中央には、可変表示装置としての図柄表示装置25を含む変動入賞装置20が配置され、その変動入賞装置20の下方に3つの始動入賞口4a〜4cが水平方向に併設されている。また、変動入賞装置20と中央の始動入賞口4aとの間には、変動入賞装置20の後述する落下口39から落下する打球が通過する通過口5が配置されている。また、遊技領域3には、上記した部品以外に入賞口6a,6b、7a,7b、8a,8b、ランプ付風車9a,9b、風車10a〜10d、大当りランプ11a,11bがそれぞれ垂直方向のセンターラインに対して左右対称の位置に配置されている。また、遊技領域3の最下方には、上記した入賞口や入賞装置に入賞しなかった打球が取入れられるアウト口12が設けられている。なお、上記した部品のうち、入賞口7a,7b及び入賞口8a,8bには、大当り時や図柄表示装置25の変動時に点滅したりして動作する動作ランプ13a,13b、14a,14bが内蔵され、前記始動入賞口4a〜4cには、始動入賞玉検出スイッチ15a〜15cが内蔵されている。ランプ付風車9a,9bも上記した動作ランプと同じ機能を有する。
【0008】
ところで、遊技領域3のほぼ中央に設けられる変動入賞装置20は、遊技盤1の表面に取付けられる取付基板21を有し、その取付基板21の最上部に通常の入賞口22が形成されている。この入賞口22に入賞した打球は、遊技盤1の裏面に誘導されて通常の入賞玉として処理される。また、入賞口22の下方には、長方形状の打球入口23が開設されると共に打球入口23の下縁に沿って誘導突片24が突設されている。このため、遊技領域3の左右側方から飛来した打球が誘導突片24に受け止められて打球入口23に取込まれるようになっている。打球入口23に取込まれた打球は、変動入賞装置20の側方を通って変動入賞装置20の下部に形成される落下口26から再度遊技盤1の前面側に排出されるようになっている。
【0009】
上記した誘導突片24は、下方を除いてほぼ長方形状に突設されるものであり、誘導突片24に囲まれるように図柄表示装置25が設けられている。本実施例において、図柄表示装置25は、3つのドットマトリックスLEDで構成されており、各ドットマトリックスLEDが15個の識別情報を構成する図柄(例えば、0〜9までの数字とA〜Eまでの英文字)を表示し得るようになっている。そして、前記始動入賞口4a〜4cのいずれかに打球が入賞すると、図柄表示装置25のドットマトリックスLEDが遊技者に視認できない速度でスクロール変動を開始し、一定時間(例えば、5秒)経過後したときに変動表示が停止されて3つの図柄が停止表示される。停止表示された図柄の組合せが大当り図柄の組合せであるときに、特別遊技状態の一つである大当り遊技状態となる。大当り図柄の組合せとしては、3つのドットマトリックスLEDに同一図柄が表示された場合であり、このため、大当り図柄の組合せは、15個あることになる。そして、この15個の大当り図柄の組合せのうち、通常の遊技時において、予め定めた大当り図柄の組合せ(例えば、3のゾロ目、7のゾロ目、9のゾロ目)となったときには、次の変動時に大当り図柄が表示される確率が高確率(例えば、1/25)に変更設定される。このような高確率に設定された遊技状態は特別遊技状態の一つである。なお、高確率に変更される前の通常の確率(以下、低確率という)は、例えば、1/250に設定されている。
【0010】
大当り遊技状態になると、取付基板21のほぼ中央左右に軸支される開閉部材27a,27bが一定時間(例えば、30秒)開放される。ただし、その開放中に開閉部材27a,27bに受け入れられた入賞玉が10個となった場合には、一定時間が経過する前であっても開閉部材27a,27bは、閉じられる。なお、開閉部材27a,27bは、図示しないリンク部材を介してソレノイド28(図示しない;ただし図4のブロック図に表示)に連結され、ソレノイド28が励磁したときに開閉部材27a,27bが開放されるようになっている。
【0011】
開閉部材27a,27bに受け入れられた打球は、取付基板21のほぼ中央に形成された入賞空間29を後方に向って転動する。入賞空間29の後方は、入賞した打球が下方に向って落下する落下口が3つ形成され、その中央が継続入賞口としてのV入賞口30とされ、左右が通常入賞口とされる。V入賞口30には、V入賞玉検出スイッチ31(図示しない;ただし図4のブロック図に表示)が臨み、V入賞口30に入賞した打球を検出するようになっている。V入賞玉検出スイッチ31がONすると、前記した開閉部材27a,27bの一定時間の開放状態が繰り返されるようになっている。つまり、大当り遊技状態となった場合には、開閉部材27a,27bの開放によって受け入れられた入賞玉がV入賞口30に入賞することにより、継続権が成立し、その継続権の成立回数に対応する回数だけ変動入賞装置20の開放状態が繰り返し行われるので、短時間に多量の入賞球が発生することになる。ただし、上記した繰り返し回数は、V入賞口30への打球の入賞を条件として、最高16回に設定されている。
【0012】
また、開閉部材27a,27bに受け入れられた打球の数を計数するために、V入賞玉検出スイッチ31の下方には、入賞玉数検出スイッチ32(図示しない;ただし図4のブロック図に表示)が配置されている。この入賞玉数検出スイッチ32は、入賞空間29に導かれた入賞玉であってV入賞口30に入賞した入賞玉だけでなく、V入賞口30の左右に形成される通常入賞口に入賞した入賞玉をも検出できる位置に配置されるものである。そして、入賞玉数検出スイッチ32を通過した入賞玉は、遊技盤1の裏面に沿って流下して入賞玉として処理される。
【0013】
変動入賞装置20には、上記した構成以外に、大当り遊技状態時又は図柄表示装置25の変動表示時に前記始動入賞口4a〜4cに入賞した打球を記憶した旨を報知する始動記憶ランプ33(図柄表示装置25の下方に位置する)を有している。
【0014】
上記したパチンコ機1の遊技動作は、制御回路基板ボックス(図示しない)に収納される制御回路基板に形成される制御回路によって制御されるが、その制御回路は、図4に示される。図4は、制御回路のブロック図である。制御回路には、制御中枢としてのマイクロコンピュータ50が使用されている。そのマイクロコンピュータ50には、記憶手段としての外部ROM51、記憶手段としての外部RAM52が接続されている。
【0015】
一方、始動入賞口4a〜4cにおける入賞玉を検出する始動入賞玉検出スイッチ15a〜15c、V入賞口30における入賞玉を検出するV入賞玉検出スイッチ31、開閉部材27a,27bに受け入れられた入賞玉を検出する入賞玉数検出スイッチ32は、波形整形回路53を介してマイクロコンピュータ50に接続されている。クロック発生回路55は、分周器54を介して外部割込み信号をマイクロコンピュータ50のINT 端子に出力している。また、電源回路57に電源が投入されると、リセット信号発生回路56がリセット信号を出力する。そのリセット信号は、マイクロコンピュータ50のRST1端子に入力され、図示しない初期プログラムが起動される。
【0016】
マイクロコンピュータ50の各出力ポートには、表示器駆動回路58、表示器選択回路59、ドライバ60が接続されている。表示器駆動回路58、表示器選択回路59には、図柄表示装置25及び始動記憶ランプ33が接続されている。それらの表示器は、マイクロコンピュータ50からの選択データと表示データとを定周期で出力することにより、ダイナミック駆動される。すなわち、表示器選択回路59により各表示単位が選択され、その時の表示器駆動回路58の出力信号に応じて表示される。ドライバ60は、マイクロコンピュータ50からの信号に応じて、開閉ソレノイド28駆動動作、大当りランプ11a,11b、動作ランプ13a,13b、14a,14b等の点灯動作をそれぞれ制御する。
【0017】
次に、上記した制御回路によって制御される遊技動作のうち、確率向上処理の一例を示した図1及び図2のフローチャートに基づいて説明する。まず、図2に示すように、ステップ110で始動入賞玉検出スイッチ33がONしたか否かが判別され、ONしていないときには、始動入賞サブルーチンが終了し、一方、ONしたときには、ステップ120で記憶手段を構成する始動記憶カウンタC1の値が4より小さいか否かが判定され、小さいときには、ステップ130で始動記憶カウンタC1の値が1ずつ更新される。この始動記憶カウンタC1は、図柄表示装置25の変動を許容するためのものであり、その値が1以上のときに図柄表示装置25が図示しない変動ルーチンによって変動を開始する。また、変動開始と共に始動記憶カウンタC1の値が1づつ減算される。上記したステップ120、130の処理の後、ステップ140で記憶手段を構成する始動積算カウンタC2の値が1ずつ更新される。始動積算カウンタC2は、電源投入時からの始動入賞口4a〜4cへの打球の入賞個数を計数するものである。この実施例では、上記始動記憶カウンタC1が第1記憶手段に、上記始動積算カウンタC2が第2記憶手段に、それぞれ対応する。
【0018】
次に、図1に示す確率向上サブルーチンについて説明すると、ステップ10において、大当りか否かが判別され、大当りでなければ、確率向上サブルーチンが終了し、一方、いずれの大当り図柄の組合せに関係なく大当りであれば、ステップ20で始動積算カウンタC2の値が51よりも小さいか否かが判別される。始動積算カウンタC2の値が51よりも大きいときには、開店時の電源投入から所定期間経過したとみなされ、ステップ30で前記ステップ10で判別された大当りが「3」又は「7」又は「9」のいずれかのゾロ目であるか否かが判別される。いずれのゾロ目でもない場合には、確率向上サブルーチンは、終了する。一方、ステップ20で始動積算カウンタC2の値が51より小さいと判別された場合、又はステップ30で大当りが「3」又は「7」又は「9」のいずれかのゾロ目であると判別されたときには、ステップ40で高確率フラグがセットされる。これにより、次回以降の変動における大当り図柄の出現する周期が短くなる。このような始動積算カウンタC2の値が51より小さい場合の高確率への移行可能性を有する遊技は、特別遊技状態の一つである。なお、確率の変更は、図示しない確率変更サブルーチンで上記したフラグに基づいて設定される。
【0019】
以上のように、本実施例においては、開店時の電源投入時から始動入賞口4a〜4cへの打球の入賞個数が50個になるまでの間に、いずれの大当り図柄の組合せに関係なく大当りとなったときには、確率が向上するので、開店時における遊技場の雰囲気を盛り上げることができる。また、電源投入時から始動入賞口4a〜4cへの打球の入賞個数が50個より多くなったときには、開店時から時間も経過しているので、高確率への変更条件が通常の状態に設定される。なお、高確率から低確率への移行は、最初の大当りの発生に基づいて低確率に移行するようにしても良いし、2回目の大当りの発生又はそれ以上の回数の大当りの発生に基づいて低確率に移行するようにしても良い。
【0020】
上記した実施例では、電源投入時の確率向上条件として、すべての大当り図柄の組合せとなったことを例示したが、他の条件、例えば、停止時に表示される図柄の組合せが特定の図柄のみから構成されているかどうかを条件としても良い。このような条件による動作の一例を図3に示す。以下、図3のフローチャートについて説明する。
【0021】
まず、ステップ210で表示図柄の組合せが「3」と「7」とだけから構成されているか否かが判別され、そのように構成されていると判断されたときには、ステップ220で図柄表示装置25の電源投入時からの変動回数を計数している記憶手段としての変動回数カウンタC3の値が51より小さいか否かが判別される。変動回数カウンタC3が51より大きいと判別されたときには、開店時の電源投入から所定期間経過したとみなされて確率向上サブルーチンは、終了し、一方、51より小さいと判別されたときには、次のステップ250に進む。一方、前記ステップ210で表示図柄が「3」と「7」とだけから構成されていないと判別されたときには、ステップ230で大当りか否かが判別され、大当りでなければ、確率向上サブルーチンは、終了し、大当りであれば、その大当りが「3」又は「7」又は「9」のいずれかのゾロ目であるか否かが判別される。いずれのゾロ目でもない場合には、確率向上サブルーチンは、終了する。また、ステップ220で変動回数カウンタC3の値が51より小さいと判別された場合、又はステップ240で大当りが「3」又は「7」又は「9」のいずれかのゾロ目であると判別されたときには、ステップ250で高確率フラグがセットされる。これにより、次回以降の変動における大当り図柄の出現する周期が短くなる。なお、確率の変更は、図示しない確率変更サブルーチンで上記したフラグに基づいて設定される。
【0022】
上記した実施例においても、開店時の電源投入時から図柄表示装置25の変動回数が50回になるまでの間に、表示図柄が特定の図柄の組合せのみから構成されているときには、確率が向上するので、開店時における遊技場の雰囲気を盛り上げることができる。また、電源投入時から図柄表示装置25の変動回数が50回より多くなったときには、開店時から時間も経過しているので、高確率への変更条件が通常の状態に設定される。なお、この実施例においても、高確率から低確率への移行は、最初の大当りの発生に基づいて低確率に移行するようにしても良いし、2回目の大当りの発生又はそれ以上の回数の大当りの発生に基づいて低確率に移行するようにしても良い。
【0023】
以上、実施例に係るパチンコ機1の構成及び作用について説明してきたが、本実施例によれば、開店時の電源投入時から所定期間内に従来よりも比較的よく出現する図柄の組合せが出現したときに、確率が高確率に変更されるので、開店時における遊技場の雰囲気を盛り上げることができる。
また、確率の変更の契機となる条件として、相異なる複数の条件が設定されていることから、これらの複数の条件が有効化されている場合には、例えば従来みられるような特定の識別情報としての大当り図柄のうちの所定の限られた大当り図柄に限って確率変更が行われるもののように確率の変更条件が一義的なものとならず、遊技者にとって有利になる確率変更が得られる機会が増大したり場合によっては不利になる確率変更が行われるかもしれないといったバリエーションに富んだ確率変更を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、全ての確率変更条件を常に有効化するのではなく、始動入賞回数や変動回数等に基づく一定条件下でのみ有効化されたり一定条件下では無効化される確率変更条件が存在するように構成すれば、実際の確率変更条件数に比べて多くのバリエーションをもたせることができ、一層遊技の興趣が高まる。
さらに、大当り確率の変更条件が、従来では特定の識別情報としての大当り図柄のうちの所定の限られた大当り図柄に限っていたため、結果的に特別遊技状態の発生が確率変更の条件となっており、最初に特別遊技状態たる大当りを発生させなければ、遊技者は確率変更という特別な利益を得ることができなかった。ところが、本実施例では、大当りとは無関係に確率変更の条件を満たし得るように設定されているため、例えば最初に大当りを発生させなくても遊技者は確率変更という特別な利益を得ることが可能となる。従って、例えば遊技ホールの開店時から遊技を始めた場合に最初に確率変更されその後特別遊技状態が発生するといった特異な利益付与を遊技者に対し行うことができ、確率変更には最初に大当りの発生ありきといった固定観念を覆した豊富な遊技パターンを提供でき、遊技の興趣がますます向上するという効果がある。特に、前記大当りと無関係な確率変更条件として図柄表示装置25中の大当り図柄とは異なる所定の図柄の組合せが表示されることとしておけば、遊技者は大当り図柄とは別に当該所定の図柄の組合せが出現するか否かについても強く意識することとなり、遊技者を図柄表示装置25の可変表示に集中させることができる利点がある。
なお、上記した実施例においては、電源投入時からの所定期間として、始動入賞口への入賞個数、図柄表示装置の変動回数を示したが、例えば、所定時間(例えば、30分)経過したことを条件としても良い。また、上記した実施例における始動入賞個数、変動回数、高確率、低確率の値は、一例であって、任意に設定すれば良い。また、開店時の電源投入と故障復帰時等における電源投入とを区別する等のため、操作スイッチの所定のスイッチ操作又は管理コンピュータからの許可信号が導出されたときにのみ、電源投入に基づく高確率への変更処理、即ち記憶手段を構成するカウンタの利用有無の決定を行った上での処理が実行されるようにしても良い。かかる処理を行うマイクロコンピュータ40によって決定手段が構成されている。更に、上記した実施例では、図柄表示装置25の表示結果に基づいて開閉部材27a,27bが開放するものを示したが、図柄表示装置に表示結果に基づいて所定の遊技価値を付与する形式のものであれば、どのような遊技内容を有するパチンコ機であっても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、確率変更図柄の組合せ以外の当り図柄が停止表示された場合であっても、積算カウンタの値が所定の範囲内の値である場合には高確率状態となるため、高確率状態を得る機会が増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】確率向上処理を示すフローチャートである。
【図2】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図3】他の確率向上処理を示すフローチャートである。
【図4】図柄表示装置を含むパチンコ機の遊技動作を制御する制御回路のブロック図である。
【図5】実施例に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【符号の説明】
1…弾球遊技機としてのパチンコ機、4a〜4c…始動入賞口、20…変動入賞装置、25…可変表示装置としての図柄表示装置、50…マイクロコンピュータ。
Claims (1)
- 図柄を変動表示する表示装置と、
始動口への入球を検出する検出スイッチと、
該検出スイッチによる検出結果に基づき、前記表示装置の始動条件の成立を検出する始動条件検出手段と、
前記表示装置を表示制御する表示制御手段と、
前記始動条件検出手段が始動条件の成立を検出した場合に所定の確率で当りとなる当否抽選を行い、該抽選結果に応じた変動表示を前記表示制御手段に行わせる遊技制御手段とを備え、
前記当否抽選において当りが抽選された場合は、前記表示装置の変動表示の結果として当りの図柄が表示され、
該当りの図柄が表示される場合に所定の価値を付与する当り遊技状態を発生させ、
前記当否抽選の抽選確率として、第1の確率と該第1の確率より高確率な第2の確率とを備える遊技機において、
前記表示装置は、前記図柄を複数の表示列において変動表示するものであり、
前記当り図柄は前記複数の図柄列に表示される特定の図柄の組合せであり、該特定の図柄の組合せのうち予め定められた図柄の組合せが確率変更図柄の組合せとして設定され、
前記遊技制御手段は、
電源投入後、前記検出スイッチが球検出する毎に積算される積算カウンタと、
前記当否抽選の抽選確率を前記第1の確率から前記第2の確率に変更する確率変更手段とを備え、
前記表示装置に前記確率変更図柄の組合せが停止表示された場合に、前記確率変更手段によって変更された前記第2の確率で前記当否抽選を行う高確率状態となり、
さらに、前記表示装置に前記確率変更図柄の組合せ以外の前記当り図柄が停止表示された場合であっても、前記積算カウンタから抽出されたカウンタ値が予め定めた範囲内の値である場合には、前記確率変更手段によって変更された前記第2の確率で前記当否抽選を行う高確率状態となることを特徴とする遊技機。
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