JP3902161B2 - 国際混載物流システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、日本国外に物流拠点を設置し、この海外物流拠点に世界各地の商品を集約し、保税貨物のまま保管し、インターネット等の通信ネットワークの利用と国際物流とにより日本国内の顧客に宅配まで絡めて所望の商品を海外物流拠点からのコンテナに混載して配送する海外一貫物流体制に基づく国際混載物流システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、海外から商品を国内に輸入して顧客に販売・配送する物流システムでは、国内にこれら輸入商品の大型物流倉庫を置き、かつ、その傘下に多数の配送センターを設置して顧客への配送を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の海外からの商品の物流システムでは、大型物流倉庫を国内に置き、かつ、多数の配送センターを各地域別に設置する必要があるため、多額の初期投資と管理費用を必要とする。また、このような国内にこれら物流拠点を設けることは、マーケットの変化への対応上もリスクが極めて大きい。
【0004】
そこで、本発明の国際混載物流システムでは、我が国から近距離にあり、また低コストで運行が可能な海外(例えば、中国)に海外物流拠点を置く、ビジネスモデルを構築し、IT、とくにインターネット等の通信ネットワーク、の利用により、このビジネスモデルを具体化して、世界中のあらゆる商品を低コストで集約し、かつ、コンテナーに混載し、顧客の個性化、多様化、情報化等のニーズに対応した国際混載物流システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の国際混載物流システムは、日本国外に物流拠点を設置し、世界各地の商品を保税貨物のまま保管し、通信ネットワークを介して所望商品を海外物流拠点からコンテナに混載して、日本国内の顧客に配送する国際混載物流システムであって、該物流システムで扱う商品の販売・会計・物流・倉庫・通関工程を分析し、前記物流システムを構成する手段を一元的に管理し、かつ、各メーカーへの商品の発注情報、ならびに海外物流拠点及び国内物流拠点の在庫・入庫情報と配送情報を海外物流拠点、各店舗、自社配送センター、物流業者の大型倉庫・配送センター、国内メーカー及び海外メーカーへ送信する管理サーバと、前記管理サーバから前記メーカーへの発注情報ならびに前記海外物流拠点及び国内物流拠点からの在庫・入庫情報と配送情報を海外物流拠点、各店舗、自社発送センター及び物流業者の大型倉庫・配送センターへ送信するとともに、各メーカーからの納品情報ならびに前記海外物流拠点及び国内物流拠点の在庫・入庫と完納情報とを海外物流拠点、自社配送センター及び物流業者の大型倉庫・配送センターから受信する電子データ交換サーバと、前記管理サーバから通信ネットワークを介して前記物流システムで扱う商品の詳細情報をインターネット上に公開し、顧客からの該商品に関する注文・配送情報を受信し、前記管理サーバに該情報を送信し、かつ、納品及び配送に関する送信するインターネット公開用サーバと、海外物流拠点に設置され、前記管理サーバによって分析・送信される倉庫管理最適手段に基づき扱う商品をミニマムロットで入荷・保管・管理し、前記管理サーバに入荷・在庫・出荷情報を送信する端末装置と、各店舗に設置され扱う商品の販売に関する情報を前記管理サーバに送信する端末装置と、自社の配送センターに設置され、前記管理サーバから発信した入荷予定情報及び配送情報に基づき入荷報告及び配送結果報告を送信する端末装置と、物流業者の大型倉庫に設置され、前記管理サーバから発信された入荷予定情報、在庫情報及び配送情報に基づいて入荷報告及び配送結果報告を送信し、一時在庫商品の管理と配送別の仕分け、ならびに前記管理サーバから発信される出荷情報を受信し、これに対する出荷報告を送信する端末装置と、物流業者の配送センターに設置され、前記管理サーバから発信される入荷予定情報、在庫情報及び配送情報に基づいて前記自社配送センターの端末装置より入荷した商品の入荷・配送結果報告を送信する端末装置と、国内メーカー及び海外メーカーに設置され、前記管理サーバから発信される発注情報に基づいて納品回答する装置と、前記管理サーバに注文情報及び配送情報を入力し、また、前記管理サーバから送信される納品回答及び配送情報を受信する受信装置と、からなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の国際混載物流システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0007】
本発明の国際混載物流システムの全体構成
本発明の国際混載物流システムのビジネスモデルは、まず、低コストで管理・運営ができる海外物流拠点(例えば中国)を設け、この海外物流拠点を設置した国の国内商品の外、欧州、アメリカ、東南アジアその他全世界の商品をこの海外物流拠点に保税貨物のまま保管する。そして、必要な時に必要な商品を必要な我が国内の場所(顧客)にバイヤーズコンソリ(「混載」という、略称CFS、同じコンテナー内に異った商品を混載すること)で配送する。ここで、海外物流拠点への商品の納入は、所定の検品に合格したものに限定する。
【0008】
ここで、図1に基づいて本発明の国際混載物流システム(以下、“本発明のシステム”と称する)の全体構成を説明する。
【0009】
まず、本発明のシステムでは、システムを構成する端末装置、コンピュータ等を効率よく稼働させるため、インターネット、イントラネット、専用回線、有線回線、無線回線等の通信ネットワークを駆使し、リアルタイムで必要な情報を共有する。
【0010】
図1に示すように、本発明のシステムは、国内にある管理サーバAと海外物流拠点等に設置した各端末装置等との通信ネットワークを構築して商品の国際物流を実施する(図1において、破線は、「情報」の流れ、実線は、「商品」の流れを示す)。
【0011】
まず、管理サーバAでは、本発明のシステムで扱う商品の販売・会計・物流・倉庫・通関ステップを分析し、電子データ交換サーバBを介して管理サーバAへ、同時にインターネットサーバ、イントラネットサーバである電子データ交換(EDI)サーバBを一元的に管理し、国内メーカー及び海外メーカーへの商品の発注情報、海外物流拠点、自社の配送センター(TC)、物流業者の国内大型物流倉庫(DC)及び物流業者(海外物流業者を含む)のTCの在庫・入庫情報と配送情報を海外物流拠点、各店舗、自社配送センター及び物流業者の大型倉庫・配送センターへ送信して本発明の全システムを統括する。
【0012】
電子データ交換(EDI)サーバBでは、管理サーバAから国内メーカー、海外メーカーへの発注情報、ならびに海外物流拠点、自社TC、物流業者国内DC及び物流業者TCの在庫・入庫情報と配送情報を海外物流拠点、各店舗、自社配送センター、物流業者の大型倉庫・配送センター、国内メーカー及び海外メーカーへ送信すると同時に、国内メーカー及び海外メーカーからの納品情報、ならびに海外物流拠点、自社TC、物流業者国内DC及び物流業者TCの在庫・入庫情報と完納情報とを海外物流拠点、各店舗、自社発送センター及び物流業者の大型倉庫・配送センターへ受信する。
【0013】
インターネット公開用サーバCでは、管理サーバAからインターネット(WEB)等の通信ネットワークを介して全世界に取り扱う商品の詳細情報を公開し、全世界の企業、小売店、個人顧客等からの当該商品に関する注文・配送の情報を受信し、管理サーバAにこれらの情報を送信し、全世界の企業、小売店、個人顧客等に向けて当該商品に関する納品及び配送に関する情報を送信する。
【0014】
端末装置D(ハンディターミナル、モバイル端末も含む)は、海外物流拠点(例えば、中国)に設置され、ここでは、管理サーバAによって分析され、送信される展示店舗、回転日数、納期を基に算出された倉庫管理最適計画手段に基づき、全世界からあらゆる商品をミニマムロットで扱い、入荷、保管、管理し、管理サーバAに入荷情報、在庫情報及び出荷情報を送信する。さらに管理サーバAから発信される出荷情報に基づき所望の商品を所望の数量だけ所望の地域にバイヤーズコンソリ(混載)で配送する。
【0015】
各店舗に設置された端末装置Eでは、各店舗で販売に関する商品、納期、配送先等全ての情報を管理サーバAに送信する。
【0016】
自社TCに設置される端末装置Fでは、管理サーバAから発信される入荷予定情報及び配送情報に基づき入荷報告及び配送結果報告を電子データ交換サーバBを介して管理サーバAへ、さらに管理サーバAから電子データ交換サーバBを介して各店舗Eへ送信する。
【0017】
物流業者のDCに設置される端末装置Gでは、管理サーバAから発信される入荷予定情報、在庫情報及び配送情報に基づき入荷報告及び配送結果報告を電子データ交換サーバBを介して管理サーバAへ、さらに管理サーバAから電子データ交換サーバBを介して各店舗Eへ送信し、一時在庫商品の管理と配送先別の仕分け、全システムを統括する管理サーバAから発信される出荷情報を受信し、これに対する出荷報告を電子データ交換サーバBを介して管理サーバAへ、さらに管理サーバAを介して物流業者のTCへ送信する。
【0018】
物流業者のTCに設置される端末装置Hでは、管理サーバAから発信される入荷予定情報、在庫情報及び配送情報に基づき前記端末装置Gが配置されている物流業者DCより入荷した商品の入荷報告と配送結果報告を電子データ交換サーバBを介して管理サーバAへ、さらに管理サーバAから電子データ交換サーバBを介して各店舗Eと物流業者の大型倉庫Gへ送信する。
【0019】
国内メーカーに設置される端末装置Iは、管理サーバAから発信される発注情報に基づいた納品回答を電子データ交換サーバBを介して管理サーバAへ、さらに管理サーバAから電子データ交換サーバBを介して各店舗E、自社TCFと物流業者Dへ納品回答をする。また、海外メーカーに設置される端末装置J,K,Lは、管理サーバーAから発信される発注情報に基づいて電子データ交換サーバBを介して管理サーバAへ、さらに管理サーバAから電子データ交換サーバBを介して海外物流拠点Dへ納品回答をする。
【0020】
インターネットに接続された企業、小売店、個人のコンピュータM、N、Oでは、管理サーバAに注文情報及び配送情報を入力し、管理サーバAから送信される納品回答及び配送情報を受信する。
【0021】
このようにして、構成された本発明のシステムでは、各種情報は、下記(1)から(12)までの手順で扱われることになる。
【0022】
(1)発注(メーカーへの発注情報。新規発注、変更発注、取消発注、返品発注)、(2)納品回答(メーカーからの納期、納品数の回答情報)、(3)海外物流拠点の在庫計画(展示店舗、回転日数、納期を基に在庫計画)、(4)商品移動発注(DC、TC、店舗間の在庫移動情報)、(5)出荷(発注に基づく商品移動の出荷情報)、(6)入荷予定(納品回答、出荷に基づく商品移動先への入荷予定情報)、(7)入荷(商品移動先での商品入荷情報)、(8)配送(顧客へのお届け情報)、(9)配送結果(顧客へのお届け結果情報)、(10)引取検品結果(引取商品の良不良判定及び不良原因の情報)、(11)代引(顧客へのお届け時に商品と引き換えに集金させて頂く情報)、(12)代引結果(お届け時の入金結果情報)。
【0023】
なお、ここで本発明のシステムで取り扱う商品は、商品を構成するパーツが複数の梱包から構成される商品(以下、“個口”と称する)が多いため、入荷、在庫、出荷、配送に関する全てのセクションで容易に管理ができる方法として、各種の情報を、図2に示すように、商品の梱包に貼付されるパーツラベル(PARTS LABEL)に印字された下記の各種データから生起される(当該レベルに記した下記(1)〜(13)に係るデータ)。
(1)入荷予定日: 国際物流拠点への納品予定日
(2)商品名: 管理サーバ登録上の商品名(英語名)
…商品を確認するため必要
(3)P/O(発注番号):発注ナンバー(国際物流拠点入荷確定発注分)
…入荷時にラベルを貼る際、複数の個口で構成される商品に付番されている個口番号等を貼り間違えた場合このNOが判別する基点となる。また、イレギュラーが発生した場合、検品指示に基づき検品を実施し、その詳細が追跡できる。
(4)商品コード:管理サーバ登録上の商品コード
…商品を確認するため必要、(ピッキング時に最も重要なコード)。また、一貫したデータ管理に必要なコード
(5)サプライヤー名(現地):管理サーバ登録上のサプライヤーコード(番号のみ)
(6)サブライン:管理サーバ登録上のサブライン
…この商品がどのような物か、商品名だけでは確認しきれない場合の補足事項として必要(ロケーション番号としても使用可能)
(7)梱包サイズ:管理サーバ登録上の梱包サイズ
…国際物流拠点で、複数の個口で構成される商品にパーツラベルを貼る際、個口を判別するための補足事項として必要
…国際物流拠点から、世界各国向けコンテナに混載し、顧客へ宅配をする場合に必要
(8)個口重量: 管理サーバ登録上の個口重量
…国際物流拠点で、複数の個口で構成される商品にパーツラベルを貼る際、個口を判別するための、補足事項として必要
…国際物流拠点から、世界各国向けコンテナに混載し、顧客宅へ宅配をする場合に必要
(9)総個口数: 管理サーバ登録上の総個口数
…商品が複数の個口で構成されている場合、管理上必要な数
…宅配する際に個口を全て揃えるために必要
(10)個口番号: 管理サーバ登録上の個口番号
…複数の個口で構成されている商品の場合、同じパーツだけで商品を揃えないために必要(個口の判別に必要)
(11)入り数: 管理サーバ登録上の入り数
…1つの梱包の中に同一商品がいくつ入っているか判別するために必要
(12)個口名: 管理サーバ登録上の個口名
…この梱包は商品を構成するどこのパーツなのかを判別させるために必要
(13)検品チェック欄:突発的追加検品が発生した際のチェック欄
…万が一クレームが発生した場合、検品指示を出し指示どおりの検品作業を完了したことを示すため、検品者の名前を記入する欄
また、図2に示したラベルは、個口ラベルとして、図3に示すように他のマークとともに梱包の所定個所に貼付される。
【0024】
本発明のシステム構成
次に本発明の国際混載物流システムのシステム構成を図4に基づいて説明する。このシステム構成は、図1に示した本発明のシステムの概念構成と重複していて、より具体的に当該システム構成を示すために、図1に図示されたものを加えて、検品に合格した良品のみをバイヤーズコンソリ(混載)で客先まで配送することを可能とするように構成されている。
【0025】
すなわち、すでに図1に示した、管理サーバA、電子データ交換サーバB、インターネット公開用サーバC及び各種端末装置D、E、F、G、Hに加えて、企業、小売業者、検品会社及び顧客個人のパーソナルコンピュータ(PC)が追加されている。これらのPCはインターネットC(WEBサーバ)を通じて接続された管理サーバAからインターネットC(WEB)を通じて全世界に商品の詳細を公開し、全世界からの企業、小売店及び個人からの商品に関する注文及び配送の全情報を受信し、管理サーバAに情報を送信し、全世界の企業、小売店、個人に向けて商品に関する納品、配送の全情報を送信するために設置されたインターネット公開用サーバのインターネット等の通信ネットワークを介して当該システムに接続される。ここで、検品会社のPCでは、管理サーバから送信される検品指示や検品結果とその詳細画像を管理サーバに送信する。
【0026】
また、ここでは、管理サーバAに後述する各サブシステムが接続され、各種の所望の機能を果すようになっている。
【0027】
以下、これらのサブシステムを説明する。
【0028】
CFSコンテナ積載把握システム
このCFSコンテナ積載把握システムでは、発注に際し、コンテナ積載量をリアルタイムで把握し、コンテナ内の空きスペースには予め付けた優先順位により商品を積み込む、または小売業者、個人がインターネット上に公開されたコンテナの空きスペースを利用して最小単位(1m3=1立方米)で貨物の積み込みができるようにする。
【0029】
図5のフローチャートに示すように、本CFSコンテナ積載把握システムでは、各店舗、小売店及び個人の顧客がインターネットで必要な商品の発注を行い(ステップS101、以下“ステップ”の用語は省略する)、発注データを基にして発注商品の詳細をアイテムマスターより抽出する(管理サーバにて処理を行ない発注商品のサイズと重量を把握する)(S102)。出荷コンテナ積載指示待ちし(S103)、管理サーバ内の配船スケジュールを参照して、客先への届け日に合わせた配船スケジュールに基づいて積載状況を算出し(S104)、コンテナに空きがある場合は、優先順位に基づき積み込み指示を行い(S104′)、コンテナ満載時には、輸出必要書類の発行を行い(S105、海外物流拠点で作成)、出港指示を行う(S106)。
【0030】
一方、コンテナ内の空き情報を確認するためには、予め会員登録をする(S107)、登録時に割り当てられた承認コードを入力し、インターネットでコンテナの空き情報を確認し(S108)、空きスペースがある場合には、希望商品と希望数量を入力して、コンテナの空きスペースを予約する(S109)。発注商品に対して積載量及び配送場所により料金が自動計算され、納期が表示され(S110)、発注が行われる(S112)。同時に、管理サーバ内の空きスペースデータの更新が行われる。このシステムにより、会員登録をしている企業、小売店、個人は、最小単位で希望する商品の発注を低コストで実現できると共に、コンテナ内の空きスペースを会員登録している企業、小売店、個人から発注された商品で満たすことにより、効率的な物流が行われる。
【0031】
検品経過報告システム
検品経過報告システムは、本システムで扱う商品の品質を向上させるための検品システムであって、一連の作業工程に属する生産のポイント・ポイントで、商品の品質を一定に保つ検品を実施する。ここで、問題があった商品については、管理サーバからの指示を受け問題個所の前工程と後工程で品質を一定に保つための検品を実施する。製造過程の検品結果データをデジタル画像と合わせてWEBサーバ上にある報告フォームに入力する。検品結果内容に基づき問題があった時は、リアルタイムで指示を与え、B級品が納品される確率を減少させる。
【0032】
図6のフローチャートに示すように、この検品経過報告システムでは、管理サーバAから各メーカーへ送信される生産指示予備データの確定処理を行い(S201)、発注の確定を行いメーカー毎に生産指示送信データを配信・記録する(S202)。予備データに蓄積された検品結果データと画像データとを管理サーバAに送信し(S203)、管理サーバAからメーカーへ送信される生産指示データに基づく生産の完了報告をする(S204)。イントラネット(非公開インターネット)では、各セクションの情報をリアルタイムで送受信する。
【0033】
検品結果に問題が発見された場合には、再検品が必要か否かを判断し(S205)、再検品が不要な場合(A級品)には、A級品に対し当該メーカーに出荷指示データを送信・記録し(S206)、海外物流拠点で、入荷・保管・管理するためのデータを管理サーバに送信する(S207)。
【0034】
一方、再検品が必要な場合には、再検品指示に基づく検品対象商品と各ポイント毎の検品スケジュール調整を行い(S208)、生産指示が出た商品に対する検品ポイントを判断する(S209)。そして、検品ポイントと生産スケジュールに基づく検品スケジュールを判断し、検品スケジュールを作成し(S210)、かつ、先の検品スケジュールに基づく各商品毎の検品作業内容を整理する(S211)。整理された検品作業内容を実作業実行のために出力して検品指示書を作成し(S212)、検品作業内容に基づく検品結果を入力して検品結果予備データを作成して(S213)、ステップS203に戻る。
【0035】
この検品経過報告システムの稼動により、取り扱う商品の検品が生産現場でオン・ザ・スポットででき、B級品が納品される確率を減少され、さらなる商品の品質向上につながる。
【0036】
倉庫管理・補充最適システム
倉庫管理・補充最適システムでは、商品保管スペースと本発明のシステム上の商品データ、在庫量を一致させる。これにより各国内倉庫及び海外物流拠点の商品が予め設定された安全在庫を下回るとこの補充システムが働くことによって、欠品商品がなくなり、商品がスムーズに流れるようになる。さらに、商品に対しての顧客の意見、インストア・プロモーション(店内演出による販売促進)等の状況を予め入力しておくことで、常に最新の情報が入手可能となる。また何か商品に問題が発生した場合、各サプライヤーやバイヤーに情報が流れ、当該問題に対しての対策と補充発注の有無が検討がなされる。また海外物流拠点及び国内倉庫において、各店舗毎の販売予測在庫を持ち、その販売予測値入額(値入率)と商品経費がどれだけかかっているか計上できる。
【0037】
図7のフローチャートに示すように、この倉庫管理・補充最適システムでは、商品を販売した店は、その端末装置から販売した商品の在庫を引き当て(S301)、在庫商品DB(データベース)内で入荷予定日/入荷日及び出荷予定日/出荷日を基にして容積/在庫ブロック場所を確定させ在庫を引き落として在庫DB更新を行う(S302)。次いで、商品マスターDB内で発注のミニマムロット及び製造のリードタイム(補充)を参照して、発注の要否を判断する(S303)。倉庫スペース予約状況、出荷予測、商品別安全在庫数を参照して安全在庫割れ警告を出し(S304)、発注の確定を行い、商品別値入・運送経費を計算して表示、記録する(S306)。売れ数予測・必要在庫数・季節変動・該当商品の展開店舗・店舗別催事予約等を見ながら発注の要否、発注量を調整し(S305)、発注累積DBが更新され、在庫の入荷予定、倉庫のスペース予約が行われる(S307)。ここで、倉庫入荷/出荷予定カレンダー・コンテナ配船予定カレンダーを参照する(S308)。
【0038】
この倉庫管理・補充最適システムにより、各国内倉庫及び海外物流拠点における欠品商品がなくなり、商品が本発明の国際物流システム内をスムーズに流通する。
【0039】
アイテム・パッケージ・システム
このアイテム・パッケージ・システムでは、新商品及び売れ筋情報をコンピュータで集計し、各店他小売業(個人)にWEB上で紹介し、各店舗、他小売業(個人)は、その商品を扱うかどうか判断し、その結果を発注する。各店舗、他小売業(個人)は発注しない場合は何故発注しないか理由を明記し、次回の仕入れに役立てる。また、雑貨等パッケージ化された「くくりの商品」を他業種を含め紹介する。売り方、展示方法、POP(購買時点)等をセットにして最小単位料金で届ける。
【0040】
図8のフローチャートに示すように、アイテム・パッケージ・システムでは、管理サーバ内のデータベースから売れ筋商品を選出し(S401)、売れ筋商品をカテゴリーで供給できるように組み合わせイントラネット上に表示する(S402)。また、テスト商品をカテゴリーで供給できるように組み合わせ、イントラネット上に表示し(S403)、そのまま展示・販売できるように雑貨・小物類をパッケージ化した「くくりの商品」としイントラネット上に表示する(S404)。さらに、商品の売り方・POP広告の使い方をイントラネットに表示する(S405)。
【0041】
また、各カテゴリー及びパッケージの展示方法を写真をつけて表示し(S406)、イントラネット上で運送方法・費用、納期等自動計算できるようにし(S407)、小売店・店舗がイントラネットでWEBサイトにアクセスし、表示された情報を確認し(S408)、小売店・店舗は必要な商品を選定する(S409)。購入しない場合には、その理由をバイヤーへ連絡(商品担当部署)し、選定しない商品については今後の仕入れの参考に利用する(S410)。最後に発注する(S411)。
【0042】
このアイテム・パッケージ・システムを具備することにより、新商品及び売れ筋情報が適確に各店舗、他小売業に流され、正確・迅速な発注がなされるようになる。
【0043】
オープン・プライス・システム
このオープン・プライス・システムでは、海外現地価格(原価)に物流費、手数料等を加算し、プライスを表示し、割安でオープンな商品価格の実現を図る。また、限定商品での対応を行い、インターネットでの購入を可能とする。
【0044】
図9のフローチャートに示すように、このオープン・プライス・システムでは、本システムにより販売される商品及び数量が商品担当部署により限定され(S501)、インターネット上に商品の現地価格を表示する(S502)。さらにインターネット上に運送にかかる物流費用を表示し(S503)、かつ運送にかかる手数料を表示する(S504)。
【0045】
小売店、個人は、WEBサイトにアクセスして、これらの情報を確認し(S505)、利用者がインターネット上で届先・届先搬入条件を入力すれば、管理サーバAが物流費用と手数料を自動見積する(S506)。一方、スポット商品、販売中止商品及び長期在庫商品は(長期在庫となった場合は自動的に限定され販売または、処分へと移行する。)、本システムで販売を行なうものと、販売処分するものとを分別され(S509)、現地で販売・処分するか日本で販売するか判断する(S510)。そして、日本に運送後販売するか(S511)、あるいは現地にて販売・処分(廃棄)する(S512)。これらの商品は、管理サーバAの在庫DBより引落しする。
【0046】
このオープン・プライス・システムを稼働させることにより、企業、小売業、個人のインターネットでの購入を可能にすることで、物流拠点内に商品が滞留するコストを抑えることができ、かつ混載システムにより、企業、小売業、個人は、1商品(最小単位)からの発注が可能となる。
【0047】
集荷システム
この集荷システムでは、その利用者は事前に会員登録をし、集荷先、集荷希望商品、配送先、利用者の名前、電話、連絡先、支払方法等を登録し、承認番号を取得する。これにより毎回同じ内容を登録する必要がなくなる。承認番号を入力し会員画面にある集荷スケジュール表(曜日、各方面)を閲覧し、スケジュールに見合うものがあった場合、希望集荷データ(サプライヤー名及び所在地、商品の荷量、寸法、重量、荷姿)を集荷スケジュールに合わせ、インターネット上から予約を入れる。その際、予め希望日を設定(第1、2、3の希望日)。事前登録されている集荷場所及び荷量と配送場所のデータを基に、瞬時にその料金の見積りを表示する。さらに、予約されたデータに基づいて、集荷可能か否かを管理サーバAで自動判断し、その結果を予め入力されている希望日と照合し、決定した集荷スケジュールを事前登録時に指定されたE−メールアドレスに送信する。
【0048】
図10のフローチャートに示すように、この集荷システムでは、利用者はインターネットを通じ必要事項を入力し会員登録を行なう(S601)。この会員登録により利用者は折り返しE−メールで承認番号を付与される(S602)。ここで利用者はインターネットを通じ承認番号を入力して集荷スケジュールを確認する(S603)。集荷希望場所・商品DBを参照して集荷希望商品を入力し(S604)、集荷スケジュールを参照して集荷希望日を入力する(S605)。集荷の可否・集荷場所・日時等が瞬時に表示され(S606)、集荷の貨物に対する料金が自動計算され表示され(S607)、利用者は表示された見積りを承認して選択する(S608)。
【0049】
そして、インターネット上で集荷の発注が行なわれ(S609)、管理サーバAより海外物流拠点・メーカーに集荷の連絡が自動送信される(S610)。管理サーバより利用者に対し、発注の内容を確認するE−メールを自動送信する(S611)。
【0050】
この集荷システムにより、システムの利用者が工場・倉庫にある商品の集荷について、インターネット上で申し込みを行なうことができ、所要日時・料金の見積を画面上で行い、集荷の可否の回答が容易かつ迅速に得られるようになる。
【0051】
在庫売買・融通システム
在庫売買・融通システムでは、各店舗・小売店が保有する在庫を倉庫内または航海の洋上に置いたまま売買することを可能にする。管理サーバは、各店舗、各小売店の安全在庫を自動計算し、欠品予想、過剰予想のアラームを表示する。各店舗、各小売店は物流拠点在庫・洋上在庫を売買することで、適正在庫を早期に実現する。
【0052】
図11のフローチャートに示すように、この在庫販売・融通システムでは、物流拠点で入荷のデータを端末装置で入力し(S701)、海外物流拠点で船積のデータを端末装置Dで入力し(S702)、在庫商品データベースを更新し在庫の所在場所を確定させ、表示する(S703)。管理サーバAにて、在庫データと売上・発注データを参照し、過剰在庫または欠品の可能性を表示し、アラームを出す(S704)。売上・発注データベースから各店・各小売店での商品回転状況を計算し適正在庫量を算出する(S705)。余剰在庫の売却または貸出、不足する在庫の購入または借受を行なうかどうか判断を行ない(S706)、余剰となった商品及び不足した商品の情報をイントラネットの端末で入力する(S707)。イントラネット上に各店・各小売店の希望する商品情報が表示し(S708)、管理サーバは、イントラネットから注文を受け付け、条件の適合したものを処理する(S709)、管理サーバは売買または貸出/借受による在庫の変動を更新し(S710)、Eメールにより請求書・確認書の送付を行なう(S711)。
【0053】
この在庫売買・融通システムによれば、各店舗・小売店が保有する在庫を倉庫内または航海の洋上に置いたまま売買することにより、余剰在庫による経費の圧迫や欠品による販売機会ロスを軽減することが可能となる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の国際混載物流システムによれば、全世界のあらゆる商品が低コストの海外物流拠点で世界各地から集約した商品を保税貨物のまま長期保管できるので、日本国内で多量の在庫を抱える必要がなくなり、物流・保管コストの削減及び在庫の圧縮が図れるようになる。また、所望な時に、所望の商品を、所望の場所に混載で配送することが可能となり、顧客からの必要最小限の発注が容易になるため、あらゆる商品を扱うことができるようになり、かつ、1サプライヤーに対し、コンテナーで発注せざるを得なかった商品が、サプライヤーのミニマムロットで対応できるため、余分な商品発注による在庫増が生じない。さらに、海外物流拠点への納品は、所定の検品合格品に限るため、運送効率が向上し、製品クレームが減少する。
【0055】
全体として、本発明の国際混載物流システムによれば、海外物流拠点から我が国の主要都市への宅配まで絡めて海外一貫物流体制が構築され最適な国際物流システムが実現する、等の顕著な効果を奏するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの全体構成を示す概念図。
【図2】本発明のシステムの物流対象となる商品の梱包に貼付する個口ラベルの詳細図。
【図3】図3に示した個口ラベルの梱包への貼付個所を示す概念斜視図。
【図4】本発明のシステムのシステム構成を示す概念図。
【図5】図2に示した本発明のシステムのシステム構成に組み込まれ管理サーバに接続されたサブシステムであるCFSコンテナ積載把握管理システムのフローチャート。
【図6】同じくサブシステムである検品経過報告システムのフローチャート。
【図7】同じくサブシステムである倉庫管理・補充最適システムのフローチャート。
【図8】同じくアイテム・パッケージ・システムのフローチャート。
【図9】同じくオープン・プライス・システムのフローチャート。
【図10】同じく集荷システムのフローチャート。
【図11】同じく在庫売買・融通システムのフローチャート。
Claims (3)
- 域外に物流拠点(D)を設置し、該物流拠点(D)で、異った供給元からの異った商品を混載して保管し、前記物流拠点(D)から通信ネットワークを介して所望商品を域内の顧客に配送する広域混載物流システムであって、
該物流システムで扱う商品の販売・会計・物流・倉庫・通関工程を分析し、前記物流システムを構成する手段を一元的に管理し、かつ、各メーカー(I、J、K、L)への商品の発注情報、ならびに域外物流拠点(D)及び域内物流拠点(F、G、H)の在庫・入庫情報と配送情報を域外物流拠点(D)、各店舗(E)、自社配送センター(F)、物流業者の大型倉庫・配送センター(H)、域内メーカー(I)及び域外メーカー(J、K、L)の情報を全て管理する管理サーバ(A)と、
前記管理サーバ(A)から前記メーカー(I、J、K、L)への発注情報ならびに前記域外物流拠点(D)及び域内物流拠点(F、G、H)からの在庫・入庫情報と配送情報を域外物流拠点(D)、各店舗(E)、自社発送センター(F)及び物流業者の大型倉庫・配送センター(G、H)へ送信するとともに、各メーカー(I、J、K、L)からの納品情報ならびに前記域外物流拠点(D)及び域内物流拠点(F、G、H)の在庫・入庫と完納情報とを域外物流拠点(D)、自社配送センター(F)及び物流業者の大型倉庫・配送センター(G、H)から受信した情報を、前記管理サーバ(A)に該情報を送信する電子データ交換サーバ(B)と、
前記管理サーバ(A)から通信ネットワークであるインターネットを介して前記物流システムで扱う商品の詳細情報を公開し、顧客からの該商品に関する注文・配送情報を受信し、前記管理サーバ(A)に該情報を送信し、かつ、納品及び配送に関する情報を送信するインターネット公開用サーバ(C)と、
域外物流拠点(D)に設置され、前記管理サーバ(A)によって分析・送信される倉庫管理最適手段に基づき扱う商品をミニマムロットで入荷・保管・管理し、前記管理サーバ(A)に入荷・在庫・出荷情報を電子データ交換サーバ(B)を介して送信する端末装置と、
各店舗(E)に設置され、扱う商品の販売に関する情報を前記管理サーバ(A)に電子データ交換サーバ(B)を介して送信する端末装置と、
自社の配送センター(F)に設置され、前記管理サーバ(A)から発信した入荷予定情報及び配送情報に基づき入荷報告及び配送結果報告を電子データ交換サーバ(B)を介して送信する端末装置と、
物流業者の大型倉庫(G)に設置され、前記管理サーバ(A)から電子データ交換サーバ(B)を介して発信された入荷予定情報、在庫情報及び配送情報に基づいて入荷報告及び配送結果報告を送信し、一時在庫商品の管理と配送別の仕分け、ならびに前記管理サーバ(A)から電子データ交換サーバ(B)を介して発信される出荷情報を受信し、これに対する出荷報告を電子データ交換サーバ(B)を介して送信する端末装置と、
物流業者の配送センター(H)に設置され、前記管理サーバ(A)から電子データ交換サーバ(B)を介して発信される入荷予定情報、在庫情報及び配送情報に基づいて前記自社配送センター(F)の端末装置より入荷した商品の入荷・配送結果報告を電子データ交換サーバ(B)を介して送信する端末装置と、
全域の企業、小売店及び個人(M、N、O)に配置され、前記管理サーバ(A)に注文情報及び配送情報を入力し、かつ、前記管理サーバ(A)から電子データ交換サーバ(B)を介して送信される納品回答及び配送情報を受信する受信装置と、
からなることを特徴とする広域混載物流システム。 - 前記物流システムにより販売される商品及びその数量を確定する工程と、
顧客が店舗(E)に設置された前記端末装置から購入したい商品のコードを入力して前記管理サーバ(A)に前記購入したい商品に関するデータをインターネット公開用サーバ(C)を介して送信する工程と、
前記データにより前記購入したい商品の現地価格及び物流費用の見積りを計算してインターネット公開用サーバ(C)を介して前記端末装置の画面に表示して確認する工程と、
前記確認に基づいて前記購入したい商品の購入手続と支払いを所定の入力フォームにしたがって各店舗(E)に配置された前記端末装置で実行する工程と、
前記購入手続をした商品を前記管理サーバ(A)のデータベースから引当る工程と、
からなるオープン・プライス・システムを備えた請求項1に記載の広域混載物流システム。 - スポット商品、販売中止商品及びアイテム毎に設定可能な在庫期間を経過した長期在庫商品を、販売を行う商品と販売処分する商品とに分別する工程と、
域外で販売・処分するか域内で販売するか判断する工程と、
域内に運送後販売するか、あるいは域外にて販売・処分するか決定する工程と、
からなる請求項1あるいは請求項2に記載のオープン・プライス・システムを備えた広域混載物流システム。
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