JP3901934B2 - 車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステム - Google Patents

車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キーを使用することなく、車両のドアロックを遠隔操作して施錠または解錠する車両用キーレスエントリー装置において、その動作状態をユーザに知らせるためのアンサーバックシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両には、希望の方向に曲がる際や停止した状態を他の走行中の車両に知らせるために、シグナル装置が搭載されている。このシグナル装置は、図2に示すように、車両の前後左側に配設した左ランプ1および前後右側に配設した右ランプ2を備え、これらランプ1,2と電源とを、フラッシャーユニット3と、ターンスイッチ4またはハザードスイッチ5によって接続したものである。
【0003】
前記フラッシャーユニット3は、ランプ1,2に対して間欠的に接続状態と非接続状態とを繰り返すためのリレーを備え、このリレーを図示しない制御手段によってオン、オフ制御するものである。前記ターンスイッチ4は、その操作レバーがハンドルの近傍に配設され、前記イグニッション電源IGがオン状態の際に、該イグニッション電源IGと左右いずれかのランプ1,2とを電気的に接続するものである。前記ハザードスイッチ5は、その操作部が車室内の所定位置に配設され、前記フラッシャーユニット3と接続する電源をイグニッション電源IGからバッテリー電源Bに切り換える第1スイッチ5aと、前記フラッシャーユニット3と左ランプ1を接続する第2スイッチ5bと、フラッシャーユニット3と右ランプ2を接続する第2スイッチ5cとを備えたものである。
【0004】
ところで、近年の車両には、ドアのロック装置をキーを使用することなく、リモートコントロールユニットにて、遠隔操作で施錠または解錠を可能とした車両キーレスエントリー装置が搭載されたものがある。
【0005】
このキーレスエントリー装置は専用のリモコンを備え、そのリモコンを車両に向け、施錠スイッチまたは解錠スイッチを操作することにより、施錠または解錠の信号が送信される。そして、車両側のユニットに設けられた受信機がリモコンからの信号を受信すると、その信号に基づいてドアロック装置を施錠または解錠するものである。
【0006】
また、近年では、前記ドアロック装置を施錠したという状況、または、解錠したという状況をユーザが目視で確認できるようにするために、前記ランプ1,2を利用したアンサーバックシステムが好適に搭載されている。
【0007】
このアンサーバックシステムを適用したキーレスエントリー装置は、図3に示すように、前記フラッシャーユニット3の機能を複合した複合ユニット6を適用している。
【0008】
前記複合ユニット6は、イグニッション電源IGおよびバッテリー電源Bに接続した制御回路7と、バッテリー電源Bと左右のランプ1,2をオン、オフするためのリレー8a,8bとからなる。前記制御回路7は、ターンスイッチ4およびハザードスイッチ5に接続されるとともに、前記キーレスエントリー装置を構成するキーレスエントリーユニット9に接続されている。
【0009】
前記制御回路7は、エンジンを動作させ、イグニッション電源IGと接続されている状態では、運転者がターンスイッチ4の操作部を操作すると、その指示方向に応じてリレー8a,8bのいずれかを間欠的にオン、オフさせる。また、運転者がハザードスイッチ5を操作すると、リレー8a,8bの両方を同期させて間欠的にオン、オフさせる。
【0010】
一方、エンジンを停止している状態で、運転者がキーレスエントリー装置のリモコンを用いてドアの施錠操作または解錠操作をすると、キーレスエントリーユニット9は、ドアの施錠動作または解錠動作を実行する。
【0011】
そして、前記制御手段は、前記キーレスエントリーユニット9による施錠動作を検出すると、または、キーレスエントリーユニット9からのアンサーバック動作の実行指示を受信すると、前記リレー8a,8bの両方を同期させて間欠的にオン、オフさせ、バッテリー電源Bからの電力で左右のランプを所定回数点滅させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステムは、ランプ1,2を点滅させるフラッシャーユニット3の機能を複合した複合ユニット6を適用しているため、その制御が複雑であり、高価になるという問題がある。また、キーレスエントリー装置を適用していないグレードの車と比較すると、スイッチ4,5やランプ1,2の配線が大きく異なるため、同一車種であっても配線するワイヤーハーネスを共用できない。そのため、2種類のワイヤーハーネスを製造する必要があり、コスト高になるという問題がある。さらに、車両の購入時に、キーレスエントリー装置、および/または、アンサーバックシステムを搭載していないものを選択した場合、後からこれらの装置を搭載すると、ユーザの負担費用が非常に高くなるという問題がある。
【0013】
そこで、本発明では、既存のフラッシャーユニットできるようにし、後から機能を追加しても安価な車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステムを提供することを課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステムは、車両に配設した方向指示用の左右のランプと、接続状態と非接続状態とに切り換えるスイッチング素子を有し、イグニッション電源またはバッテリー電源からの電力を前記ランプに対して間欠的に通電するフラッシャーユニットと、前記ランプとフラッシャーユニットとの間に接続し、左右いずれかの所定のランプに対して通電を可能とするターンスイッチと、前記バッテリー電源とフラッシャーユニットとを通電可能に接続するとともに、左右のランプに対して通電を可能とするハザードスイッチと、遠隔操作によって車両のドアロック装置を施錠または解錠するキーレスエントリー装置とを備え、前記キーレスエントリー装置によって施錠または解錠すると、所定のランプを動作させる車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステムにおいて、前記フラッシャーユニットとターンスイッチとの間に第1スイッチング素子を介設するとともに、前記バッテリー電源と左右のランプとを前記フラッシャーユニットからの電源経路とは別の電源経路で第2スイッチング素子を介して接続し、これらスイッチング素子を前記キーレスエントリー装置に接続し、前記キーレスエントリー装置によりドアロック装置を施錠または解錠すると、該キーレスエントリー装置が、前記第1スイッチング素子により前記ランプとフラッシャーユニットとの通電を遮断するとともに、前記第2スイッチング素子により前記ランプを動作させるように構成している。
【0015】
前記アンサーバックシステムによれば、従来のシグナル装置において、フラッシャーユニットとスイッチとの間に第1スイッチング素子を介設し、バッテリー電源と左右のランプを接続する第2スイッチング素子をオン、オフ制御することにより、アンサーバックを行う構成としている。そのため、キーレスエントリー装置は、アンサーバック以外のシグナル装置の機能は不要である。よって、その制御が簡素化される。また、キーレスエントリー装置を適用していないグレードの車の配線において、2つのスイッチング素子を追加するだけであるため、同一のワイヤーハーネスを共用できる。
【0016】
前記アンサーバックシステムでは、前記キーレスエントリー装置から出力されるアンサーバックを実行する信号により、前記第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を同時にオンオフ動作させることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステムを示す。このアンサーバックシステムは、キーレスエントリー装置およびアンサーバックシステムを適用していない図2に示す従来のシグナル装置において、2つのスイッチング素子を配設し、キーレスエントリーユニット16を配設したものである。なお、従来のシグナル装置の構成は、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0018】
第1のスイッチング素子はノーマルクローズ形式のリレー10からなり、このリレー10がフラッシャーユニット3と、ターンスイッチ4およびハザードスイッチ5のスイッチ5b,5cとの間に介設されている。このリレー10のスイッチ11は2位置型スイッチであり、その常閉接点11aがフラッシャーユニット3の側に接続され、共通端子11cが前記ターンスイッチ4およびハザードスイッチ5のスイッチ5b,5cの側に接続されている。また、リレー10のコイル12は、一端がバッテリー電源Bに接続され、他端がキーレスエントリーユニット16に接続されている。そして、このコイル12にバッテリー電源Bの電力を通電することにより、前記スイッチ11を、常開接点11bの側にスイッチングするように構成している。
【0019】
第2のスイッチング素子は、大容量の電流を通電可能な一対のリレー13からなり、前記バッテリー電源Bと左右のランプ1,2とを接続するものである。このリレー13は、ノーマルオープン形式の2つのスイッチ14a,14bを備えたもので、その一方の接続端子がバッテリー電源Bにそれぞれ接続され、他方の接続端子が左ランプ1および右ランプ2に接続されている。また、このリレー13のコイル15は、一端がバッテリー電極Bに接続され、他端がキーレスエントリーユニット16に接続されている。そして、このコイル15にバッテリー電源Bの電力を通電することにより、各スイッチ14a,14bが接点の側にスイッチングするように構成している。
【0020】
本実施形態のキーレスエントリーユニット16は、各リレー10,13のコイル12,15を介してバッテリー電源Bに接続されるとともに、周知のドアロック装置の電動アクチュエータに接続されている。そして、従来と同様に、ユーザがリモコンを車両に向け、施錠スイッチまたは解錠スイッチを操作することにより、施錠または解錠の信号を受信すると、その信号に基づいてドアロック装置を施錠または解錠するものである。
【0021】
また、本実施形態では、前記ドアロック装置の施錠または解錠を行うとともに、前記リレー10によりフラッシャーユニット3と、ターンスイッチ4およびハザードスイッチ5のスイッチ5b,5cとの通電を遮断する。さらに、前記リレー13により前記ランプ1,2を動作させることにより、施錠または解錠の状況をユーザに知らせるアンサーバックを行うように構成している。ここで、このアンサーバックは、キーレスエントリーユニット16による施錠動作と解錠動作とで、前記ランプ1,2の点滅回数または点滅周期を異ならせている。
【0022】
具体的には、ハザードスイッチ5がOFFの状態で、キーレスエントリーユニット16からアンサーバックを実行する信号が出力されると、各リレー10,13がON状態になる。そして、リレー13を間欠的にオン、オフさせることにより、左右のランプ1,2に電力が供給され、点滅する。
【0023】
この際、ターンシグナルスイッチ4がいずれかのランプ1,2を点滅させるようにオン状態になっていた場合、リレー10が常閉接点11aを開状態とし、常開接点11bを閉状態としているため、バッテリー電源Bの電力が、ターンシグナルスイッチ4、リレー10、フラッシャーユニット3、ハザードスイッチ5を経てイグニッション電源IGへと逆流することはない。
【0024】
なお、前記アンサーバックを動作させていない状態では、リレー10が常閉接点11aの側と接続した状態になり、ユーザがターンスイッチ4またはハザードスイッチ5を操作すると、従来と同様に動作する。
【0025】
なお、本発明のキーレスエントリー装置のアンサーバックシステムは前記構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、バッテリー電源Bとランプ1,2とを接続する第2のスイッチング素子としてリレー13を適用したが、パワートランジスタによって構成してもよい。同様に、フラッシャーユニット3とスイッチ4,5との間に介設する第1のスイッチング素子もトランジスタによって構成してもよい。即ち、スイッチング素子は、オン、オフ状態を切換可能な周知の素子であれば適用可能である。しかし、第1スイッチング素子はリレー10によって構成することにより、トランジスタを適用した場合と比較すると、ランプの光量を落とすことなく点滅を行わせることができる。そのため、走行中の車両に対してその状況を確実に知らせることができ、安全性を確保することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステムは、従来のシグナル装置において、フラッシャーユニットとスイッチとの間に第1スイッチング素子を介設し、バッテリー電源と左右のランプを接続する第2スイッチング素子をオン、オフ制御することにより、アンサーバックを行う構成としている。
【0027】
そのため、キーレスエントリー装置は、アンサーバック以外のシグナル装置の機能は不要である。よって、その制御が簡素化され、高価になることを防止できる。また、キーレスエントリー装置を適用していないグレードの車の配線において、2つのスイッチング素子を追加するだけであるため、同一のワイヤーハーネスを共用できる。そのため、複数種のワイヤーハーネスを製造する必要はなく、生産コストの低減を図ることができる。さらに、車両の購入時に、キーレスエントリー装置、および/または、アンサーバックシステムを搭載していないものを選択しても、後からこれらの装置を簡単かつ安価に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアンサーバックシステムを示す回路図である。
【図2】 従来より適用されているシグナル装置の回路図である。
【図3】 従来のアンサーバックシステムを示す回路図である。
【符号の説明】
1…左ランプ、2…右ランプ、3…フラッシャーユニット、4…ターンスイッチ、5…ハザードスイッチ、5a,5b,5c…スイッチ、10…リレー(第1スイッチング素子)、11…スイッチ、11a…常閉接点、11b…常開接点、11c…共通端子、12…コイル、13…リレー(第2スイッチング素子)、14a,14b…スイッチ、15…コイル、16…キーレスエントリーユニット。

Claims (2)

  1. 車両に配設した方向指示用の左右のランプと、
    接続状態と非接続状態とに切り換えるスイッチング素子を有し、イグニッション電源またはバッテリー電源からの電力を前記ランプに対して間欠的に通電するフラッシャーユニットと、
    前記ランプとフラッシャーユニットとの間に接続し、左右いずれかの所定のランプに対して通電を可能とするターンスイッチと、
    前記バッテリー電源とフラッシャーユニットとを通電可能に接続するとともに、左右のランプに対して通電を可能とするハザードスイッチと、
    遠隔操作によって車両のドアロック装置を施錠または解錠するキーレスエントリー装置とを備え、
    前記キーレスエントリー装置によって施錠または解錠すると、所定のランプを動作させる車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステムにおいて、
    前記フラッシャーユニットとターンスイッチとの間に第1スイッチング素子を介設するとともに、前記バッテリー電源と左右のランプとを前記フラッシャーユニットからの電源経路とは別の電源経路で第2スイッチング素子を介して接続し、これらスイッチング素子を前記キーレスエントリー装置に接続し、
    前記キーレスエントリー装置によりドアロック装置を施錠または解錠すると、該キーレスエントリー装置が、前記第1スイッチング素子により前記ランプとフラッシャーユニットとの通電を遮断するとともに、前記第2スイッチング素子により前記ランプを動作させるようにしたことを特徴とする車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステム。
  2. 前記キーレスエントリー装置から出力されるアンサーバックを実行する信号により、前記第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を同時にオンオフ動作させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用キーレスエントリー装置のアンサーバックシステム。
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