JP3901758B2 - 液晶表示装置の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体材料の結晶化工程、アニール工程等に利用される半導体デバイスのレーザー処理方法に関するものである。特に、薄膜トランジスタを用いた液晶表示装置の作製方法に利用される半導体デバイスのレーザー処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置として、映像を表示する画素領域と、画素を駆動するための周辺回路とを1枚の透明基板上に集積化した構成が知られている。一般に、液晶ディスプレイにはガラス基板が利用されている。
【0003】
画素領域にはマトリクス状に多数の画素が配置され、画素毎に薄膜トランジスタが接続されている。周辺回路は薄膜トランジスタで構成され、画素に接続された薄膜トランジスタに流す電流値を制御する機能を有する。
【0004】
画素領域において、画素は周辺駆動回路から送られた情報を保持する役割を果たしており、画素に接続されている薄膜トランジスタのオフ電流が充分に小さくないと、その情報を保持することができない。更に、これらの薄膜トランジスタのオフ電流値が素子毎に大きく異なっていると、周辺駆動回路から同じ情報が送られてきても、画素毎に表示の仕方が違ってしまう。
【0005】
他方、周辺回路において、薄膜トランジスタは高移動度が要求されており、移動度が高ければ高いほど、回路構造を簡単にでき、かつ表示装置を高速に動作させることができる。
【0006】
以上のように、同一の基板上に形成される薄膜トランジスタであっても、周辺回路と画素領域とでは、配置される薄膜トランジスタに要求される特性が異なる。即ち、画素領域に配置される薄膜トランジスタはそれほど高移動度は要求されないが、オフ電流が小さく、かつ画素領域でその値が均一であることが要求される。逆に、周辺回路に配置される薄膜トランジスタはオフ電流特性よりも移動度が優先され、高移動度が要求されている。
【0007】
近年、半導体素子の作製プロセスの低温化に関して盛んに研究が進められている。その大きな理由は、液晶電気光学装置において、ディスプレイの部分を光が透過する必要があるので、基板として安価で加工性の高いガラス基板を利用する必要があり、ガラス基板は、1000℃あるいはそれ以上の高温での加熱処理に耐えることができない。従って、従来よりのシリコンウエハーを用いたICの作製技術を直接利用することができない。このような背景から半導体素子の作製プロセスを低温化する要求が高まっている。
【0008】
薄膜トランジスタの作製プロセスにおいて低温化が必要とされる技術は、薄膜トランジスタの特性を向上するための技術であり、
(1)半導体材料に含まれる非晶質成分、もしくは非晶質の半導体材料自体を結晶化させる。
(2)もともと結晶性であったものの、イオンを照射したために結晶性が低下した半導体材料の結晶性を回復させる。
(3)結晶性であるのだが、より結晶性を向上させる。
というような技術である。
【0009】
従来、上記のようなプロセスには熱的なアニールが採用されている。半導体材料として珪素を用いる場合には、600℃から1100℃の温度で0.1〜48時間、もしくはそれ以上の時間のアニールを行うことによって、非晶質の結晶化、結晶性の回復、結晶性の向上等がなされていた。
【0010】
一般に、熱アニールは温度が高いほど、処理時間が短縮でき、結晶化の効果が大きくなる。しかしながら、500℃以下の温度では、ほとんど効果がないため、プロセスの低温化の観点からは、熱アニールによってなされていた工程を他の技術により置き換えることが必要とされている。
【0011】
熱アニール代わる技術として、レーザー光を照射することによってアニールを行う技術が注目されている。レーザー光は熱アニールに匹敵する高いエネルギーを必要とされる箇所に限定して与えることができるため、基板全体を高い温度にさらす必要がないからである。
【0012】
レーザー光の照射に関して、大きく分けて2つの方法が提案されている。第1の方法はアルゴンイオンレーザー等の連続発振レーザーを用いて、スポット状のビームを半導体材料に照射する方法である。スポット状のビームが半導体材料に照射されると、ビーム内部でのエネルギー分布の差、およびビームの移動によって、半導体材料が溶融されて、緩やかに凝固して、結晶化される。
【0013】
第2の方法はエキシマーレーザー等のパルス発振レーザーを用いる方法である。高いエネルギー密度でレーザーパルスを半導体材料に照射して、半導体材料を瞬間的に溶融・凝固させて、半導体材料を結晶化させる方法である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザーアニールのみで、液晶表示装置に要求される程度の高い移動度を有する結晶性珪素膜を得ることは大変困難である。そこで、従来では、熱アニールとレーザーアニールとを併用して、結晶性珪素膜を形成する方法が提案されている。
【0015】
先ず熱アニール法により、珪素膜を550℃程度の温度で数時間加熱して、結晶化させる。この後、結晶化された珪素膜にレーザー光を照射して、結晶性を向上させている。この方法で得られた結晶性珪素膜により作製された薄膜トランジスタはオフ電流も低く、10-12 A程度であり、素子毎のオフ電流のばらつきも小さく、オーダーで合っている。また、画素部が必要とする程度の移動度(20cm2 / Vs程度)を有する。従って、この方法により、画素領域に好適な薄膜トランジスタを作製することが可能であるが、周辺回路に必要とされる100cm2 / Vs以上の移動度を有する薄膜トランジスタを得ることは困難である。
【0016】
高移動度を有する薄膜トランジスタを作製する技術として、本発明者は、既に、珪素の結晶化を促進する金属元素を用いて、非晶質珪素膜を結晶化する技術を提案している。珪素の結晶化を助長する金属元素は、非晶質珪素が結晶化する際に核の役割を果たせば良いので、様々な金属を使用することができる。我々の実験によれば、Niを添加したものが最も良い結晶性を示した。
【0017】
非晶質珪素膜にNiを添加する方法には、Ni酢酸塩溶液を非晶質珪素膜の表面に塗布する方法を挙げることができる。非晶質珪素膜にNi元素を導入して、550℃の雰囲気中において4時間程度保持することによって、非晶質珪素膜が結晶化される。
【0018】
更に、結晶化された珪素膜(結晶性珪素膜)に対してレーザー光を照射して、結晶性を高める。レーザー光の照射には、線状レーザーを使用する。レーザー光の照射には、強いパルスレーザー光の照射の前に、それよりも弱いパルスレーザー光の予備的な照射をおこなう方法を採用する。なお、レーザー光の照射の間に、ガラス基板温度は数100℃(100℃〜600℃)に保たれている。
【0019】
このようにレーザー光を2段階に照射するのは、レーザー照射による膜表面の均一性悪化を極力抑制するためである。なぜ、予備照射が膜の均一性維持に効果的かというと、これまで述べたような方法で作られた結晶性を有する珪素膜は、非晶質部分が多く残っており、レーザーエネルギーの吸収率が多結晶膜とかなり異なるような性質を有しているからである。つまり、1回目の照射で膜に残っている非晶質部分を結晶化して、さらに2回目の照射では全体的な結晶化を促進させるのが、2段階照射の作用である。この効果は大変高く、完成される半導体デバイスの特性をも著しく向上させることができる。さらに、その均一性を高めるためには2回のビーム照射方向が互いに概略直交させるようにするとよい。
【0020】
レーザー光の照射の際に、基板温度を数100度(100℃〜600℃)に保つ必要がある。これは、レーザー光の照射に従う被照射面の表面温度の上昇と下降の速度を和らげるためである。一般に環境の急激な変化は物質の均一性を損うことが知られているが、基板温度を高く保つことで、レーザー光の照射による基板表面の均一性を保つことができる。なお、レーザー光の照射における雰囲気制御は特に行わずに、大気中で照射を行えばよい。
【0021】
上記の方法で得られた結晶性珪素膜を用いて作製された薄膜トランジスタは、高い移動度を有し、その値は100 cm2 / Vs 以上であるため、周辺回路に好適である。その反面、この薄膜トランジスタはオフ電流が高く、しかも個々の薄膜トランジスタ間でその値が大きくばらついている。具体的には、オーダーで2桁から5桁もばらついており、画素領域に配置する薄膜トランジスタには、不適当である。即ち、従来のレーザー処理方法では、画素領域と周辺回路とに好適な薄膜トランジスタを同一基板上に作製することができない。
【0022】
本発明の目的は、上述の問題点を解決して、同一基板上に、異なる特性を要求される半導体装置を作り分けることが可能な半導体デバイスのレーザー処理方法を提供することにある。更に、他の目的は、画素領域に配置される薄膜トランジスタと、周辺回路領域に配置される薄膜トランジスタとを作り分ける技術を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上述したように、画素領域に配置される薄膜トランジスタにおけるオフ電流値の画素毎のばらつきは、液晶ディスプレイを動作させる上で致命的な欠点となる。他方、周辺駆動回路に配置される薄膜トランジスタはオフ電流値がばらついても、液晶ディスプレイの動作に影響がないことが明らかになっている。なお、ここでいう周辺駆動回路の具体的な例としては、シフトレジスタ回路を挙げることができる。
【0024】
また、周辺駆動回路に配置される薄膜トランジスタは高い移動度(100 cm2 / Vs 以上)が必要とされるが、画素領域に配置される薄膜トランジスタは低い移動度(20 cm2 / Vs 程度)でよいことも判明している。
【0025】
以上のことを考慮すると、図4に示されるような構成において、周辺回路領域の非晶質珪素膜のみにNiを添加することによって、結晶性珪素膜を形成することにより、周辺回路領域に配置される薄膜トランジスタの活性層の結晶性をより高い結晶性とする構成が結論される。この場合、周辺回路領域に配置される薄膜トランジスタはオフ電流特性は犠牲にして、高移動度を有する薄膜トランジスタとすることができる。一方で、画素領域の非晶質珪素膜にはNiを導入しないで、結晶化させることにより、画素領域に配置される薄膜トランジスタには、移動度を犠牲にしてもオフ電流の小さい薄膜トランジスタを得ることができる。これは、活性層を構成する半導体層の結晶性を悪くすることで(Niを導入しないで、結晶性はそれ程向上されない。)、移動度は低下するが、オフ電流の値は小さくすることができる、という現象を利用したものである。
【0026】
しかしながら、上記の方法を採用すると、周辺回路領域と画素領域とで著しく膜質が異なることになるので、結晶化の方法、具体的にはレーザー光の照射方法を工夫しなければならない。というのは、膜質や半導体材料の上に乗っている膜(自然酸化膜や、Niを添加する際に画素領域に製膜されるマスク)の状態によって、レーザー光の照射に際する最適エネルギーや、照射方法が異なるからである。また、Ni添加を部分的に行うために、工程を工夫する必要がある。
【0027】
そこで本明細書で開示する発明においては、同一基板上に集積化された半導体デバイスの作製工程において、必要とする半導体特性に合わせて異なるレーザーエネルギーで選択的にレーザー光の照射による処理を行うことを特徴とする。
【0028】
本発明においては、レーザー光を線状のビームに加工して、照射するのが好ましい。これにより、ビームを一次元のみに走査させることで、基板全体にレーザー光を照射することができるので、処理時間が短縮され、大面積に対する処理が可能になる。なお、試料面積が小さい場合や、大面積のビームパターンを得られる場合には、スポットレーザーを利用してもよい。
【0029】
以下に、本明細書で開示する発明を利用した工程の一例を簡潔に述べる。まず、ガラス基板上の全面に非晶質珪素膜を成膜する。そして、Niを部分的に添加するために、非晶質珪素膜上にSiO2膜(300Å以上の厚さが必要)を成膜し、パターニングにより、Niを添加すべき領域(周辺回路領域)のみSiO2膜を除去して、その領域の非晶質珪素膜を露呈させる。その後、Ni酢酸塩溶液を全表面に塗布する。この結果、露呈している非晶質珪素膜の表面のみにNi元素が導入される。そして、550℃、4時間の加熱処理を行う。この結果、珪素膜はNiが添加された部分のみが結晶化した状態となる。これは、550℃、4時間の条件では、Niが添加されていない非晶質珪素膜は結晶化しないためである。
【0030】
この状態でさらにNiが添加された領域(結晶化している)と、Niが添加されていない領域(非晶質のままでである)それぞれに、所定の照射エネルギー密度でレーザー光を照射する。このため、それぞれの領域に対するレーザー光の照射条件を工夫する必要がある。そこで、本明細書に開示する発明においては、レーザー光を画素領域のみに照射するマスクA(図5)と、周辺駆動回路領域のみに照射するマスクB(図6)とを使い分け、かつ、レーザー光を2回に分けて照射する。これにより、画素領域と周辺駆動回路領域とで異なるエネルギーのレーザー光を照射することが可能となる。
【0031】
1回目の照射は、図5、図6に示すマスクA、Bを用いずに、画素領域と周辺回路領域を同一のエネルギーで照射する。この際の照射エネルギー密度は、画素領域の結晶化が確実に促進される値とする。画素領域が結晶化したか否かは、色の変化として観察される。
【0032】
2回目の照射は、図5、図6に示すマスクA、Bそれぞれを用いて、画素領域と周辺回路領域を互いに異なるエネルギーで照射する。周辺回路領域に対する照射エネルギーは一回目のエネルギーの140%〜190%の値とする。他方、画素領域に対する照射エネルギーは、周辺回路領域に施す2回目の照射エネルギーよりも5%〜30%高い値とする。
【0033】
2回のレーザー光の照射を行うことによって、Niが添加され結晶化している領域はさらにその結晶性が助長される。他方、Niが導入されず非晶質のままで残存した領域は結晶化される。
【0034】
この結果、結晶化の過程が異なる2種類の結晶性珪素膜が得られる。即ち、加熱によってNiの触媒作用により結晶化され、さらにレーザー光の照射によって結晶化された結晶性珪素膜と、Niが添加されず、レーザー光の照射のみによって結晶化された結晶性珪素膜とが得られる。この2種類の結晶性珪素膜は結晶化過程の違いのため膜質が大きく異なり、この膜質の違いはそれらの膜(結晶性珪素膜)を用いて薄膜トランジスタを作製した場合に、その特性の違いとして計測することができる。
【0035】
具体的には、Niが添加された領域を用いて作製した薄膜トランジスタはオフ電流値が大きく、素子毎にその値が2桁以上ばらついているが、平均の移動度が100 cm2 / Vs 以上である。このため、周辺回路に好適である。他方、Niが添加されていない領域を用いて作製した薄膜トランジスタは移動度が20 cm2 / Vs 以下と比較的小さいが、オフ電流特性のバラツキがほとんど同じ桁の範囲内に納まっている。このため、画素部に好適である。
【0036】
本発明に係るレーザー処理方法を採用することで、同一基板上に、画素領域に配置される薄膜トランジスタとして最適な特性を有するものを得ることができ、他方で周辺回路に配置する薄膜トランジスタとして最適な特性を有するものを得ることができる。
【0037】
本明細書で開示する発明において、珪素の結晶化を助長する金属元素としては、Ni以外に、Fe、Co、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類の材料を挙げることができる。またNi以外の材料の導入方法として以下に示す化合物(溶液)を用いれることができる。
【0038】
例えば、珪素の結晶化を助長する金属元素としてFe(鉄)を用いる場合には、その化合物として鉄塩として知られている材料、例えば臭化第1鉄(FeBr2 6H2 O)、臭化第2鉄(FeBr3 6H2 O)、酢酸第2鉄(Fe(C232)3xH2 O)、塩化第1鉄(FeCl2 4H2 O)、塩化第2鉄(FeCl3 6H2 O)、フッ化第2鉄(FeF3 3H2 O)、硝酸第2鉄(Fe(NO3)3 9H2 O)、リン酸第1鉄(Fe3 (PO4)2 8H2 O)、リン酸第2鉄(FePO4 2H2 O)から選ばれたものを用いることができる。
【0039】
またCo(コバルト)を用いる場合には、その化合物としてコバルト塩として知られている材料、例えば臭化コバルト(CoBr6H2 O)、酢酸コバルト(Co(C232)2 4H2 O)、塩化コバルト(CoCl2 6H2 O)、フッ化コバルト(CoF2 xH2 O)、硝酸コバルト(Co(No3)2 6H2 O)から選ばれたものを用いることができる。
【0040】
またRu(ルテニウム)を用いる場合には、その化合物としてルテニウム塩として知られている材料、例えば塩化ルテニウム(RuCl32 O)を用いることができる。
【0041】
また、Rh(ロジウム)を用いる場合には、その化合物としてロジウム塩として知られている材料、例えば塩化ロジウム(RhCl3 3H2 O)を用いることができる。
【0042】
Pd(パラジウム)を用いる場合には、その化合物としてパラジウム塩として知られている材料、例えば塩化パラジウム(PdCl2 2H2 O)を用いることができる。
【0043】
Os(オスニウム)を用いる場合には、その化合物としてオスニウム塩として知られている材料、例えば塩化オスニウム(OsCl3 )を用いることができる。
【0044】
Ir(イリジウム)を用いる場合には、その化合物としてイリジウム塩として知られている材料、例えば三塩化イリジウム(IrCl3 3H2 O)、四塩化イリジウム(IrCl4 )から選ばれた材料を用いることができる。
【0045】
またPt(白金)を用いる場合には、その化合物として白金塩として知られている材料、例えば塩化第二白金(PtCl4 5H2 O)を用いることができる。
【0046】
またCu(銅)を用いる場合には、その化合物として酢酸第二銅(Cu(CH3 COO)2 )、塩化第二銅(CuCl2 2H2 O)、硝酸第二銅(Cu(NO3)2 3H2 O)から選ばれた材料を用いることができる。
【0047】
また金を用いる場合には、その化合物として三塩化金(AuCl3 xH2 O)、塩化金塩(AuHCl4 4H2 O)、テトラクロロ金ナトリウム(AuNaCl4 2H2 O)から選ばれた材料を用いることができる。
【0048】
また上記各種化合物を複数混合して用いてもよい。
【0049】
【作用】
レーザー光の照射エネルギーを異ならせることにより、同一基板上に電気的な特性が異なる結晶性珪素膜を選択的に形成することができる。このような結晶性珪素膜を利用して、多数の薄膜トランジスタを作製することで、高移動度の薄膜トランジスタと、オフ電流特性の低い薄膜トランジスタとを同一基板上に選択的に作り分けることができる。
【0050】
更に、この技術を利用することで、アクティブマトリクス型の液晶表示装置において、周辺回路領域を高移動度を有する薄膜トランジスタで構成し、画素領域を低オフ電流特性を有する薄膜トランジスタで構成することができる。
【0051】
【実施例】
非晶質状態もしくは結晶性を有する状態の珪素膜、又は珪素化合物膜にレーザー光を照射して、珪素膜の結晶性を高める過程で、Niが添加された領域と添加されていない領域とで、レーザーエネルギーを変えて打たなければならないことをこれまで述べてきた。さらに実際の実施では、課題を解決するための手段で述べたように、Niの無添加部分にマスクとなるSiO2膜(酸化珪素膜)が成膜されている(本実施例では厚さ500Å)ので、SiO2膜を除去してからレーザー光を照射する方法や、SiO2膜を除去する前にレーザー光を照射する方法等の様々な工程が考えられる。
【0052】
以下に示す実施例において、SiO2膜の除去とレーザー照射の順序、方法を変えて、液晶ディスプレイ装置の材料に適した半導体材料の製作方法を検討し、提案する。
【0053】
〔実施例1〕 図1には本実施例で使用するレーザーアニール装置の構成図を示す。基台1上には、レーザー光を発振する発振器2が配置されている。発振器2の出射方向の光路上には、全反射ミラー5、6が配列され、全反射ミラー6の反射方向の光路上には、増幅器3、全反射ミラー7、8、光学系4、全反射ミラー9が順次に配列されている。全反射ミラー9により下方に屈曲された光路上には、試料11を載置するステージ10が配置されている。
【0054】
ステージ10はコンピュータにより制御されて、一次元方向に往復移動可能とされ、また、ステージ10面内で回転可能とされている。ステージ10にはヒーターが内臓されており、試料11を所定の温度に保つことができるようになっている。
【0055】
更に、図1には示さないが、全反射ミラー8と光学系4との間に減光フィルターが挿脱自在に配置されている。図2に減光フィルターの駆動機構の構造を示す。遠隔操作により、減光フィルター31〜34はレール35〜38に沿って移動可能とされており、この直線移動により光路から挿脱自在とされている。減光フィルター31〜34は透過率が互いに異なっており、それらを組み合わせることにより15通りの異なる減光率を得ることができる。本実施例では、減光フィルター31〜34の透過率をそれぞれ96%、92%、85%、77%とする。これら4つの減光フィルター31〜34を組み合わせて、透過率57〜96%の領域をほぼカバーすることができる。例えば、透過率96%の減光フィルター31と92%の減光フィルター32とを組み合わせることで、透過率88%の減光フィルターを得ることができる。
【0056】
なお、減光フィルター31〜34は石英に酸化ハフニウムと二酸化珪素とを層状に交互にコーティングしたものであり、減光フィルター31〜34の透過率はコーティングされた層数に依存する。
【0057】
レーザー光は発振器2で発振される。発振器2で発振されるレーザー光は、KrFエキシマレーザー(波長248nm、パルス幅25ns)である。勿論、他のエキシマレーザーさらには他の方式のレーザーを用いることもできる。
【0058】
発振器2で発振されたレーザー光は全反射ミラー5、6を経由して増幅器3で増幅されて、全反射ミラー7、8でそれぞれ反射されて、光学系4に入射される。
【0059】
図3は光学系4の内部の光学配置図であり、光学系4に入射したレーザー光はシリンドリカル凹レンズA、シリンドリカル凸レンズB、横方向のフライアイレンズC、Dを通過することによって、レーザー光はそれまでのガウス分布型から短形分布に変化する。さらに、シリンドリカル凸レンズE、Fを通過して、ミラーG(図1ではミラー9に相当)で反射されて、シリンドリカルレンズHによって集束されて、線状ビームに成形されて、試料11に照射される。
【0060】
光学系4に入射する直前のレーザービームの形状は3×2cm2 程度の矩形であるが、光学系4によって、長さ10〜30cm、幅0.1〜1cm程度の細長い線状ビームに成形される。また、光学系4を経た線状のレーザー光のエネルギーは最大で1000mJ/ショットである。
【0061】
レーザー光をこのような細長い線状ビームに成形するのは、生産性を向上させるためである。線状のビームは光学系4を出射した後に、全反射ミラー9を経て、試料11に照射されるが、ビームの幅は試料11の幅よりも長いので、試料11を1方向のみに移動させることで、試料11全体に対してレーザー光を照射することができる。従って、ステージ10の駆動装置の構造を簡素にでき、保守も容易になる。更に、試料11を固定する際のアラインメントも容易になる。
【0062】
図4はアクティブマトリックス型の液晶表示装置の基板の上面図であり、基板上には、映像を表示する矩形の画素領域と、画素を駆動するための「L」字型の周辺回路領域とが設けられている。図5、6は基板にレーザー光を部分的に照射するためのマスクの上面図であり、図5は画素領域照射用のマスクAを示し、図6は周辺回路領域照射用のマスクBを示す。マスクA、Bは、黒い部分をレーザー光が透過するように構成されている。
【0063】
以下に本明細書で開示する発明を用いて、レーザー光の照射によって、ガラス基板上に結晶性を有する珪素膜を形成する例を示す。まず、10cm角のガラス基板(例えばコーニング7059ガラス基板、又はコーニング1737ガラス基板)を用意する。このガラス基板上に、プラズマCVD法により、TEOSを原料にして酸化珪素膜を2000Åの厚さに形成する。この酸化珪素膜はガラス基板側から不純物が半導体膜に拡散するのを防止する下地膜として機能する。
【0064】
次にプラズマCVD法によって、非晶質珪素膜(アモルファスシリコン膜)を成膜する。ここでは、プラズマCVD法を用いるが、減圧熱CVD法を用いてもよい。なお、非晶質珪素膜の厚さは500Åとする。勿論この厚さは、必要とする厚さとすればよい。次に、スパッタ法によりSiO2膜(酸化珪素膜)を500Åの厚さに成膜する。このSiO2膜は後のNi元素の添加工程において、マスクとして機能する。従って、少なくとも300Å以上の厚さが必要とされる。
【0065】
パターニングによって周辺回路領域(図4参照)上のSiO2膜を除去して、周辺回路領域の非晶質珪素膜を露呈した状態とする。次に、過水アンモニアに基板を浸して、70℃に5分間保つことにより、露呈された非晶質珪素膜の表面にSiO2膜を厚さ50〜80Å程度に形成する。これは、非晶質珪素膜に直接溶液を塗布すると弾かれてしまうため、非晶質珪素膜の表面にSiO2膜を薄く形成して、溶液の濡れ性を高めるようにするためである。
【0066】
次に、珪素膜の結晶化を助長するNi元素を周辺回路領域の非晶質膜に導入する。本実施例では、液相Ni酢酸塩をスピンコート法により基板の表面に塗布する。この際、画素領域の非晶質珪素膜の表面は厚さ500ÅのSiO2膜に覆われているために、Ni元素が導入されない。他方、周辺回路領域にはSiO2膜が形成されているが、その膜厚を100Å以下としたため、SiO2膜はマスクとしては機能せずに、このSiO2膜を透過して、Ni元素が周辺回路領域の非晶質珪素膜中に拡散することができる。
【0067】
この工程において、Ni元素が非晶質珪素膜中に1×1016〜5×1019atoms cm-3の濃度範囲で添加されるようにしなければならない。これは、Ni濃度が1×1016atoms cm-3以下である場合は、その結晶化を助長する作用を得ることができず、5×1019atoms cm-3以上である場合は、得られた珪素膜中にニッケルシリサイドの成分が多く形成されてしまい、半導体としての特性が損なわれてしまうからである。実際には、上記の濃度範囲となるように、Ni酢酸塩溶液中のNi濃度を調整する。
【0068】
次に窒素雰囲気中において、450℃の温度で1時間保持することにより、非晶質珪素膜中の水素を離脱させる。これは、非晶質珪素膜中に不対結合手を意図的に形成することにより、後の結晶化に際してのしきい値エネルギーを下げるためである。
【0069】
そして窒素雰囲気中において、550℃、4時間の加熱処理を施す。この加熱処理により、Ni元素が添加されない画素領域の非晶質珪素膜を結晶化されず、Niを添加した周辺回路領域の非晶質珪素膜のみを結晶化させることができる。この結晶化の際の温度を550℃とすることができたのは、ニッケル元素の作用によるものである。こうして、ガラス基板上に選択的に結晶性を有する領域を有する珪素膜を得ることができる。
【0070】
次に、図1に示す装置を用いて、KrFエキシマレーザー(波長248nm、パルス幅25ns)を珪素膜の全面に照射する。
【0071】
レーザービームはビーム形状変換レンズを用いて長方形に整形し、被照射部分でのビーム面積は125mm×1mmとする。試料11はステージ10上に載せられており、ステージが2mm/s速度で移動されて、試料11全面にレーザー光が照射される。
【0072】
レーザー光の照射は2段階照射とし、パルス数を30パルス/sとする。予備照射には、レーザーエネルギーを150〜250mJ/cm2とし、本照射には、レーザーエネルギーを200〜380mJ/cm2 としてする。2段階照射とするのはレーザー照射による膜表面の均一性悪化を極力抑さえ、結晶性のよりよい膜を作るためである。
【0073】
予備照射から本照射を行うためにレーザーエネルギーを変化させるには、図2に示す減光フィルター31〜34を適宜に組み合わせて、光路中に挿入する。このようにすると、レーザー照射装置の出力エネルギーを変更して、照射エネルギー密度を変化させるよりも手間がかからない。また、レーザー照射装置の出力を変化させないため、レーザー照射装置を終始安定に発振させることができる。
【0074】
なお、レーザー光照射の間、基板温度は500℃に保たれている。これは、レーザーによる基板表面温度の上昇と下降の速度を和らげるためである。レーザー光照射の間の基板の加熱温度は450℃〜700℃、好ましくは500〜600℃とする。特に、基板にガラス基板を用いる場合には、その上限を600℃程度とすることが重要である。また、雰囲気制御は特に行わずに、大気中で照射を行う。
【0075】
このレーザー照射の終了後に、SiO2膜を除去して、再びレーザー光を照射する。SiO2膜の除去には BHF(バッファフッ酸)を使用する。画素領域には、Ni元素が非晶質珪素膜に混入することを防止するために、SiO2膜が非晶質珪素膜上に500Åの厚さに堆積している。他方、Niを添加した周辺回路領域にも50〜80Å程度の薄いSiO2膜が形成されている。このように、周辺回路領域と他の領域に堆積しているSiO2膜の厚さが異なるため、SiO2膜の除去には工夫が必要である。本実施例では、 BHFに対して、SiO2膜は結晶性珪素膜よりもエッチング速度が速いという性質を利用して、SiO2膜を除去する。
【0076】
まず、基板をBHF に5秒間浸して、直ちに水洗して、BHF を充分に洗浄する。5秒程度の時間で、Ni添加部分の極薄いSiO2膜はほぼ完全に除去できるため、周辺回路領域の非晶質珪素膜の表面が露呈される。基板を充分に乾燥した後に、図6に示すマスクBを用いて、周辺回路領域にレーザー光を照射する。
【0077】
このレーザー光を照射は、先のレーザー照射と同様に、予備照射・本照射の2段階に分けて行う。これにより、周辺回路領域には、より結晶性の高い結珪素膜を形成することができる。
【0078】
次に、上記基板をBHF に40秒間浸して、その後、直ちに水洗して、基板を充分に乾かす。40秒の時間で画素領域上の500Åの酸化膜はほぼ完全に除去できる。このとき周辺回路領域は先のレーザー照射により多結晶珪素化しているので、SiO2と多結晶珪素のエッチングレートの違いにより、ほとんどエッチングされない。
【0079】
もし、Ni添加部に前もって、レーザー光を照射せずに(即ちレーザー光の照射による結晶化の助長を行わずに)、そのまま40秒間 BHFでのエッチングを行った場合には、Ni添加部の結晶性珪素膜(この場合は加熱のみによって結晶化されている)はかなりダメージを受けてしまう。これは、この結晶性珪素膜がBHF に対して耐性が非常に悪い(Niの存在に起因すると考えられる)ことに起因する。このような不都合を避けるために、先にNi添加部にレーザー光を照射して、Niが添加された領域の珪素膜の結晶性を向上させておく。
【0080】
最後に、図5に示すマスクAを用いて、画素領域に2段階照射の方法で照射を行う。図10に示すように、マスクAを用いてレーザー光を照射することによって、マスクAのパターンに従ってレーザー光が照射されて、画素領域に結晶性珪素膜が形成される。
【0081】
本実施例に示すような工程を採用した場合に、ガラス基板上の所定の領域を必要とする結晶性とすることができる。従って、同一基板上において、高移動度が要求される薄膜トランジスタで周辺駆動回路を構成すると同時に、良好なOFF電流特性を有する薄膜トランジスタを画素領域に配置することができる。
【0082】
〔実施例2〕 先ず、実施例1と同様に、非晶質珪素膜を形成して、その表面SiO2膜を形成して、周辺回路領域のSiO2膜を除去する。SiO2膜をマスクにして、周辺回路領域の非晶質珪素膜にNiを添加して、加熱処理して、周辺回路領域の珪素膜を結晶化させる。この後、本実施例では、周辺回路領域に形成されているごく薄いSiO2膜を除去せずに、レーザー光を照射する。
【0083】
レーザー光を照射する際には、図6に示すマスクBを使用して、周辺回路領域のみにレーザー光を照射する。このときの照射は予備照射のみ行い、その後周辺回路領域のSiO2膜をエッチングして、本照射を行う。
【0084】
予備照射では、SiO2膜の上からレーザを照射することになるので、SiO2膜と非晶質珪素膜との界面が乱されることが懸念されるが、SiO2膜が非常に薄いため、膜の特性に影響を及ぼすほどの乱れは起こらない。
【0085】
予備照射の後に、基板をBHFに40秒間浸して、SiO2膜をエッチングする。このときNi添加部分は予備照射しか行われていないため、エッチングの影響で表面の耐レーザー性が低下することが懸念されるが、予備照射のみでもNi添加部分は十分に結晶化されているため、問題はない。
【0086】
エッチングの処理の終了後、図6に示すマスクBを使用して、Niが添加されている周辺回路領域に本照射を行う。続けて、図5に示すマスクAを使用して画素領域にレーザー光を2段階で照射する。
【0087】
〔実施例3〕 本実施例は実施例2の工程でNi添加部分の照射方法を変更したものであり、本実施例では、SiO2膜をエッチングせずに、図6に示すマスクBを用いて、Niが添加された周辺回路領域にレーザー光の予備照射、本照射とを連続的に実施する。その後、エッチング処理を施して、SiO2膜を完全に除去して、図5に示すマスクAを用いて、画素領域にレーザー光を2段階で照射する。
【0088】
〔実施例4〕 本実施例では、レーザー光の照射装置の例を示す。本実施例で示す装置は実施例1〜3に示す半導体装置の作製工程に利用することができる。
【0089】
図7に本実施例で示すレーザー照射装置の概略の上面図を示す。また図8は、図7のA−A’で切った断面図である。また図9は、図7のB−B’で切った断面図である。
【0090】
このレーザー照射装置は、多数枚の基板711(レーザー光が照射されるべき試料)が収納されるカセット712が配置される基板搬入搬出室702が設けられている。カセット712はエレベータステージ754上に載置されており、エレベータ753によって上下に微動させることができる。基板711はカセット712に収納された状態で、外部から基板搬入搬送室702に移送される。
【0091】
ロボットアーム710によって、カセット712に収納された基板711は1枚づつ、ゲイトバルブ706を介して基板搬入搬出室702と接続されているアライメント室701に移送される。アライメント室701にはアライメント機構750が配置されており、アライメント機構750は、エレベータ752によって上下に微動されて、動作機構751によって基板711とロボットアーム710との位置関係を修正する機能を有する。
【0092】
基板711はアライメント機構750によって、ロボットアーム710との位置関係を修正された後に、ゲイトバルブ708を介して基板搬送室700と接続されている加熱室704に移送される。加熱室704はレーザー光を照射すべき基板711(試料)を予め加熱し、所定の温度にしておくためのものであり。基板711を加熱するのは、レーザー光の照射をより効果的にするためである。
【0093】
加熱室704は円筒状の石英758で構成され、石英で構成された基板ホルダー759を備えている。基板ホルダー759にはサセプター757が備えられており、基板711が多数枚収納される構成となっている。また、基板ホルダー759は、エレベータ755によって上下に微動する構成となっている。加熱室704における基板711の加熱はヒータ756によって行われる。
【0094】
加熱室704において、所定の時間予熱された基板711はロボットアーム710によって基板搬送室700に移送され、再度、アライメント機構750によって位置合わせが行われる。
【0095】
位置合わせの終了後に、ロボットアーム710によって、基板711はゲイトバルブ707を介して基板搬送室700と接続されているレーザー光の照射室703に移送される。レーザー発振装置776から照射されるレーザー光はミラー777で反射されて、石英で構成された窓775を介してレーザー光の照射室703に導かれて、基板713に照射される。レーザー光は前述した線状のレーザーパターンを有したものである。
【0096】
基板713は基板ステージ771上に配置され、基板ステージ771内に配置されたヒータの加熱により、所定の温度(450〜700℃)に保たれる。基板ステージ771は、エレベータ770によって上下に微動させることができ、移動機構800によって一方向に移動させることができる。上下に微動させるのは、必要に応じてレーザー光の焦点を変更させるためである。また、一方向に移動させるのは、線状のレーザー光を試料に対して走査して照射するためである。また、図示しないが、レーザー光の照射の際には、試料上に図5や図6で示されるようなマスクA、Bが配置されている。
【0097】
なお、レーザー光の照射室703は、バルブ772と773を介して真空排気ポンプ774を備えており、必要に応じて、内部を減圧状態または真空状態にすることができる。
【0098】
レーザー光照射の終了後、基板711はロボットアーム710によって基板搬送室700に移送されて、ゲイトバルブ709を介して、基板搬送室700と接続されている徐冷室705に移送される。この際、再度、アライメント機構750によって基板711とロボットアーム710との位置合わせがされる。
【0099】
徐冷室705において、ランプ779から出射された赤外光は反射板778を経て、ステージ780上に配置された基板711に照射されて、基板が711徐々に冷却される。
【0100】
ロボットアーム710によって、徐冷された基板711は徐冷室705から基板搬送室700に移送されて、再び基板ホルダー712に収納される。以上の工程を経て、基板1枚に対するレーザー光の照射工程が終了する。多数枚の基板に対するレーザー光の照射を行う場合には、上記の工程を連続して行えばよい。
【0101】
【発明の効果】
本発明のレーザー処理方法によって、半導体デバイスとなるべき膜の特性を選択的に著しく変えることが可能になる。本発明は半導体デバイスのプロセスに利用される全てのレーザー処理プロセスに利用できるが、特に、半導体デバイスとしてTFT液晶パネルを取り上げる場合、移動度が100cm2 / Vs以上の周辺回路に好適な素子と、特性が素子毎に均一で、特にオフ電流のばらつきの少ない画素部に好適な素子を作製する場合に有用である。
【0102】
この効果は低温プロセスでつくられるTFT液晶ディスプレイ装置の画面の動きの高速化と、点欠陥線欠陥等をもった不良基板の発生率の減少として得ることができる。このように本発明は工業上、有益なものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のレーザー光の照射装置の構成図である。
【図2】レーザー光の照射装置の減光器の構成図である。
【図3】レーザー光の照射装置の光学系の配置図である。
【図4】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の上面図である。
【図5】レーザー光を照射する際に用いるマスクの上面図である。
【図6】レーザー光を照射する際に用いるマスクを示す。
【図7】実施例2の レーザー光の照射装置の上面図である。
【図8】図7のA−A’での断面図である。
【図9】図7のB−B’での断面図である。
【図10】マスクを用いたレーザー光の照射を説明する模式図である。
【符号の説明】
2・・・・・・・・・レーザー発振器
5〜9・・・・・・・全反射ミラー
3・・・・・・・・・増幅器
4・・・・・・・・・光学系
31〜34・・・・・減光フィルター
10・・・・・・・・駆動装置
11・・・・・・・・ステージ
711・・・・・・・基板
712・・・・・・・カセット
753・・・・・・・エレベータ
754・・・・・・・エレベータステージ
700・・・・・・・基板搬送室
702・・・・・・・基板搬入搬出室
701・・・・・・・アライメント室
710・・・・・・・ロボットアーム
706・・・・・・・ゲイトバルブ
750・・・・・・・アライメント機構
752・・・・・・・エレベータ
751・・・・・・・動作機構
704・・・・・・・加熱室
708・・・・・・・ゲイトバルブ
759・・・・・・・基板ホルダー
757・・・・・・・サセプター
703・・・・・・・レーザー光の照射室
707・・・・・・・ゲイトバルブ
776・・・・・・・レーザー発振装置
777・・・・・・・ミラー
775・・・・・・・石英で構成された窓
713・・・・・・・基板
771・・・・・・・基板ステージ
770・・・・・・・エレベータ
800・・・・・・・移動機構
772、773・・・バルブ
774・・・・・・・真空排気ポンプ
705・・・・・・・徐冷室
780・・・・・・・石英製のステージ
779・・・・・・・ランプ
778・・・・・・・反射板

Claims (6)

  1. 周辺駆動回路と画素を同一基板に形成する液晶表示装置の作製方法であって、
    前記基板上に非晶質の珪素膜を形成する工程と
    前記珪素膜の前記周辺駆動回路となる領域に、珪素の結晶化を助長する金属元素を選択的に導入し、前記珪素膜の画素となる領域が結晶化しない温度で前記珪素膜を加熱して、前記周辺駆動回路となる領域を選択的に結晶化させる工程と
    前記画素となる領域が結晶化される照射エネルギーで、前記周辺駆動回路となる領域および前記画素となる領域にレーザー光を照射する工程と
    前記周辺駆動回路となる領域にレーザー光を照射する工程と
    前記周辺駆動回路となる領域に照射するレーザー光より高い照射エネルギーで、前記画素となる領域にレーザー光を照射する工程とを有する液晶表示装置の作製方法。
  2. 周辺駆動回路と画素を同一基板に形成する液晶表示装置の作製方法であって、
    前記基板上に、非晶質の珪素膜を形成する工程と
    前記珪素膜上に第1の酸化珪素膜を形成し、パターニングにより前記第1の酸化珪素膜を選択的に除去して、前記珪素膜の前記周辺駆動回路となる領域の表面を露呈させる工程と
    前記露呈された珪素膜の表面に、前記第1の酸化珪素膜よりも薄い第2の酸化珪素膜を形成する工程と
    前記基板の表面に珪素の結晶化を助長する金属元素を含む溶液を塗布することにより、前記第2の酸化珪素膜を通して、前記金属元素を前記周辺駆動回路となる領域に選択的に導入する工程と
    前記珪素膜の画素となる領域が結晶化しない温度で前記珪素膜を加熱して、前記周辺駆動回路となる領域を選択的に結晶化させる工程と
    前記周辺駆動回路となる領域および前記画素となる領域にレーザー光を照射する工程と
    前記第2の酸化珪素膜を除去した後、前記周辺駆動回路となる領域に対して選択的にレーザー光を照射する工程と
    前記第1の酸化珪素膜を全て除去した後、前記周辺駆動回路となる領域に選択的に照射されたレーザー光より高い照射エネルギーで、前記画素となる領域に対して選択的にレーザー光を照射する工程とを有する表示装置の作製方法。
  3. 請求項1または2において、前記周辺駆動回路となる領域に照射されるレーザー光の照射エネルギーは、前記画素となる領域が結晶化される照射エネルギーよりも40%〜90%高く、
    前記画素となる領域に照射されるレーザー光の照射エネルギーは、前記周辺駆動回路となる領域に照射されるレーザー光の照射エネルギーよりも5%〜30%高いことを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
  4. 請求項1、2又は3において、前記周辺駆動回路となる領域および前記画素となる領域にレーザー光を照射する工程、前記周辺駆動回路となる領域にレーザー光を照射する工程、及び前記画素となる領域にレーザー光を照射する工程は、それぞれ、予備照射工程と、前記予備照射工程よりも高い照射エネルギーで照射する本照射工程とを有する液晶表示装置の作製方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記珪素膜に照射されるレーザー光は線状に成形されており、前記線状のレーザー光を走査しながら、前記珪素膜に照射することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、前記レーザー光の光路中にマスクを挿入することにより、前記珪素膜において、前記レーザー光が照射される領域を限定することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
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