JP4278013B2 - 薄膜素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイ(LCD)におけるスイッチング素子として用いられる薄膜素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜トランジスタ(TFT)に代表される薄膜電子素子は、液晶表示ディスプレイにおいて、ガラス基板からなるアレイ基板上にマトリクス状に配列された複数の画素のそれぞれを駆動するためのスイッチング素子として用いられている。アレイ基板上に形成される薄膜電子素子の動作半導体層(チャネル層)には一般にアモルファス(非晶質)シリコンが用いられているが、近年、ポリシリコン(多結晶シリコン)を動作半導体層とする薄膜トランジスタも製造されるようになってきている。また、ポリシリコンを動作半導体層に用いた薄膜電子素子の製造プロセスの適用範囲も拡大されつつある。例えば、アレイ基板上のゲートバスラインにゲート信号を供給して薄膜トランジスタを駆動制御するドライバICは、従来、薄膜トランジスタの製造とは全く異なる別プロセスにより単結晶ウェハ上に形成されているが、ガラス基板上にポリシリコンTFTを形成する製造プロセスで同時にドライバICをアレイ基板上に形成することも可能になってきている。
【0003】
特に、比較的低い温度(例えば、600°C以下)でポリシリコン層を形成させる低温ポリシリコンTFT製造プロセスは、耐熱性の低い安価なガラス基板上にポリシリコン薄膜を形成することができるため、多数の薄膜電子素子をアレイ基板上に形成する次世代のアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイの製造方式として大いに期待されている。
【0004】
この低温ポリシリコンTFT製造技術では、石英等に比べて耐熱性の劣る無アルカリガラス基板等が許す熱的な負荷の範囲内において、良好な結晶性を有するポリシリコン層を形成する必要がある。従来の低温ポリシリコン製造プロセスを図10を用いて簡単に説明する。図10は、ガラス基板面に垂直な方向で切断した基板の一部断面を示している。まず、ガラス等の基板1上にアモルファスシリコン(a−Si)膜2をプラズマCVD法などを用いて形成する。次いで、a−Si膜2での吸収が大きい紫外光を照射できるエキシマレーザを用い、当該レーザ光5を基板1に照射してアモルファスシリコン膜のみを選択的に溶融して多結晶化させる。
【0005】
通常、照射されるレーザ光5の強度は、シリコンが溶融するほどの高温に達する極めて強力なものとなる。従って、ガラス基板1にダメージを与えないようにするためレーザ光の照射は300ナノ秒以内で終了させるようにしている。
【0006】
ところがこの方法では、レーザ光5の照射時間が極めて短時間であるため、レーザ光5の照射により発生したシリコン層2の熱はガラス基板へ短時間で伝導してしまい、溶融したシリコンは急速に冷却されてしまう。この急速な冷却は、シリコンの結晶成長において結晶核がランダムに生成してしまうと共に、核生成密度の増加をもたらすので、この方法により得られるシリコンの結晶粒径が小さくなってしまうという問題が生じている。小さな結晶粒径で構成されているポリシリコンで形成されたTFTのチャネルでは、キャリアについて高い移動度を得ることが困難になる。
【0007】
この問題を解決するため、位相シフトマスク等の光学素子(図示せず)を用い、レーザ光5の空間的な強度分布を変調させてa−Si膜2の面内に温度分布を発生させ、実質的な冷却速度を低下させて大きな粒径の結晶を得る方法が知られている。この方法では、シリコン膜2内の基板面方向について大きな結晶粒の得られる位置は、レーザ光5の空間分布に依存してしまう。そのため、TFT等の薄膜電子素子のチャネル領域に大きな粒径の結晶が位置するように、レーザ5を照射する際に光学素子を正確に位置合わせ(アライメント)する必要が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、光学素子は基板1から離れて配置されており、その基板1からの距離は、形成するチャネル領域の幅と比較して極めて長いため、基板1上の素子形成領域内のチャネル領域に合わせて光学素子をアライメントすることは極めて困難であり、高精度の精密機械装置を用いなければならず製造コストを引き上げる一因となってしまうという問題が生じる。
また、光源として一般に用いられているエキシマレーザ(アルゴンレーザ等のガスレーザを含む)は、レーザ媒体が気相であるためにレーザ光の進行方向や空間的な強度分布が時間的に変化し易く、薄膜電子素子に対して適切な強度分布でレーザ光を照射することが困難であるという問題も生じる。
【0009】
本発明の目的は、チャネル領域に結晶粒径の大きなポリシリコン層を形成できる薄膜素子の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、チャネル領域にポリシリコン層を形成する際、正確で容易にアライメントできる薄膜素子の製造方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイ等に用いて好適な薄膜素子の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、絶縁性基板上に形成される薄膜素子の製造方法において、絶縁性基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、非晶質シリコン膜上にガラス膜を形成する工程と、ガラス膜の光学的性質を、少なくとも絶縁性基板の表面に平行な方向で変化させる工程と、ガラス膜に光を入射させ、当該光の強度分布をガラス膜で変調させて非晶質シリコン膜に入射させ、非晶質シリコン膜を結晶化させる工程とを有することを特徴とする薄膜素子の製造方法によって達成される。
【0011】
また上記目的は、絶縁性基板上に形成される薄膜素子の製造方法において、絶縁性基板上にガラス膜を形成する工程と、ガラス膜の光学的性質を、少なくとも絶縁性基板の表面に平行な方向で変化させる工程と、ガラス膜上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、ガラス膜に光を入射させ、当該光の強度分布をガラス膜で変調させて非晶質シリコン膜に入射させ、非晶質シリコン膜を結晶化させる工程とを有することを特徴とする薄膜素子の製造方法によって達成される。
【0012】
本発明の薄膜素子の製造方法において、前記ガラス膜の光学的性質を変化させる工程でイオン交換法を用いることができる。また、前記ガラス膜の光学的性質を変化させる工程でイオン注入法を用いてもよい。さらに、前記ガラス膜の光学的性質を変化させる工程で、同時にガラス膜中に位置合わせ用のアライメントマークを形成するようにしてもよい。そして、前記ガラス膜は、シリコン系酸化物を含むように形成することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による薄膜素子の製造方法を図1を用いて説明する。図1は、ガラス基板面に垂直な方向で切断した基板の一部断面を示している。まず、図1(a)において、基板1上にシリコン膜2が形成されている。基板1としては、通常ガラス基板が用いられる。シリコン膜2は、薄膜電子素子のチャネル領域を形成するためにあり、プラズマCVD法等によリアモルファス膜として形成された後、レーザ光の照射により結晶化される。シリコン膜2上には、酸化シリコン(SiO2)を含むガラス膜3が形成されている。このガラス膜3は、レーザ光の強度分布を変調させて透過させる光学素子として機能するようになっている。そのため、ガラス膜3には光学的な性質が変化している変調領域4が設けられている。ガラス膜3の変調領域4は、ガラス膜3の他の領域とは異なる屈折率を有しており、例えば変調領域4を透過するレーザ光の強度が他の領域に比べて高くなるように形成されている。
【0014】
次に、図1(b)に示すように、ガラス膜3から基板1に向かう方向にレーザ光5を照射する。光学素子として機能するガラス膜3に入射したレーザ光5は、その強度が、ガラス膜3の光学素子中に作られている変調領域4により空間的に変調された強度分布にさせられる。基板1表面と平行な面内で一様でない強度分布に変換させられたレーザ光5は、ガラス膜3から射出してアモルファスシリコン膜2に入射する。アモルファスシリコン膜2は、レーザ光5からエネルギを与えられて発熱して膜内部に温度分布を生じさせる。この温度分布は、図1(b)中で濃淡の変化として図示しており、レーザ光の強度分布に対応して基板1表面と平行な面内で一様でない分布となる。このため、シリコン膜2内では温度が低い領域から徐々に凝固が始まり、基板1面と平行な方向に結晶が成長して大きな結晶粒が得られる。図1(b)では2つの変調領域4を示しており、また、これら変調領域4直下のシリコン膜2から基板1表面に平行な方向に結晶の成長が進んでいることを濃淡で示している。
【0015】
このように本実施の形態による薄膜素子の製造方法によれば、まず第1に、光学素子を用いない従来の方法が有している問題を解決できる。すなわち、図10に示す従来の方法では、レーザ光5を照射しても溶融したシリコンによる熱は基板1に短時間で殆ど伝導してシリコン膜2から逃げてしまい、シリコン膜2内に形成されるポリシリコンの結晶粒が小さくなってしまっているが、本実施の形態ではそのような問題は生じ得ない。第2に、本実施の形態では、光学素子として機能するガラス膜3を被加工物であるシリコン膜2に近接させて安定して配置できるので、従来のようなアライメントの困難性を緩和することができる。従って、高精度の位置決め用精密機械装置を用いる必要もなく製造コストを抑えることが可能になる。第3に、本実施の形態ではガラス膜3内に光強度分布を強制的に変更させる変調領域4を形成しているため、エキシマレーザ等のガスレーザが有するレーザ光の偏向や強度分布の時間的変化の影響を抑えることができるようになる。
【0016】
次に、本発明の第2の実施の形態による薄膜素子の製造方法について図2を用いて説明する。図1を用いて説明した第1の実施の形態と同一の機能作用を有する構成要素については同一の符号を付してその説明は省略するものとする。図2は、ガラス基板面に垂直な方向で切断した基板の一部断面を示している。本実施の形態では被加工物であるシリコン膜2とガラス基板1との間に光学素子として機能するガラス膜3を設けている点に特徴を有している。
【0017】
まず、図2(a)に示す基板1上にガラス膜3が形成されている。基板1としてはガラス基板が用いられている。通常、ガラス基板は、シリコン酸化物だけでなく、アルミニウム、バリウム等の各種金属酸化物の混合物から構成されている。このため、基板1上に成膜するシリコン膜2中にこれらの元素が拡散することは好ましくない。そこで、バリア層として基板1とシリコン膜2との間に酸化シリコン膜等のガラス膜が形成される。本実施の形態では、このバリア層としてのガラス膜3を光学素子として使用することにより素子構造を簡単化している。
【0018】
このガラス膜3は、第1の実施の形態と同様に、レーザ光の強度分布を変調させて透過させる光学素子として機能するようになっている。そのため、ガラス膜3には光学的な性質が変化している変調領域4が設けられている。ガラス膜3の変調領域4は、ガラス膜3の他の領域とは異なる屈折率を有しており、例えば変調領域4を透過するレーザ光の強度が他の領域に比べて高くなるように形成されている。
【0019】
図2(a)に示すように、基板1からガラス膜3に向かう方向にレーザ光5を照射する。光学素子として機能するガラス膜3に入射したレーザ光5は、その強度が、ガラス膜3の光学素子中に作られている変調領域4により空間的に変調された強度分布にさせられる。基板1表面と平行な面内で一様でない強度分布に変換させられたレーザ光5は、ガラス膜3から射出してアモルファスシリコン膜2に入射する。アモルファスシリコン膜2には、レーザ光5からエネルギを与えられて発熱して膜内部に温度分布が生じる。この温度分布は、図2(a)中で濃淡の変化として図示しており、レーザ光の強度分布に対応して基板1表面と平行な面内で一様でない分布となる。このため、シリコン膜2内では温度が低い領域から徐々に凝固が始まり、基板1面と平行な方向に結晶が成長して大きな結晶粒が得られる。図2(a)では2つの変調領域4を示しており、また、これら変調領域4直上のシリコン膜2から基板1表面に平行な方向に結晶の成長が進んでいることを濃淡で示している。この図2(a)に示した本実施の形態による薄膜素子の製造方法によっても、第1の実施の形態で説明した効果と同一の効果を得ることができる。
【0020】
図2(b)は、図2(a)の構成の変形例を示している。ガラス膜3内に変調領域4を形成して光学素子として機能させるには、膜内の光学的な性質を変調させるために各種元素を添加する必要がある。そこで図2(b)では、ガラス膜3をバリア層として用いることをせず、ガラス膜3とシリコン膜2との間に、プラズマCVD法等により堆積した酸化シリコン膜や室化シリコン膜のバリア層6を設けている。この図2(b)に示した本実施の形態による薄膜素子の製造方法によっても、第1の実施の形態で説明した効果と同一の効果を得ることができる。
【0021】
次に、本発明の第3の実施の形態による薄膜素子の製造方法について図3乃至図5を用いて説明する。図1を用いて説明した第1の実施の形態と同一の機能作用を有する構成要素については同一の符号を付してその説明は省略するものとする。図3乃至図5は、ガラス基板面に垂直な方向で切断した基板の一部断面を示しており、本実施の形態による具体的な薄膜素子の製造工程を示している。
まず、図3(a)において、テトラエトキシシランをエタノール中に溶解させた溶液中に浸漬し、アンモニア水溶液を添加しつつ攪拌した溶液中に、コーニング1737(商品名)ガラス基板1を浸漬した後引き上げて、いわゆるゾルゲル法によりガラス膜3を基板1表面に被着する。なお、当該溶液中には硝酸カリウムや硝酸鉛等を用いて金属イオンを含ませてもよい。本例では、硝酸ナトリウムを用いてナトリウムを含ませている。
【0022】
次に、図3(b)において、DCスパッタ法によりチタン膜を約0.5μmの厚さに堆積させ、フォトリソグラフィ工程によりパターニングし、光学的性質を変化させる変調領域4となる位置に開口部が形成されたパターンを有するマスク7を形成する。
【0023】
次に、図3(c)に示すように、マスク7が形成された基板1を硫酸亜鉛・硫酸カリウム・硫酸タリウムを混合した500℃の溶融塩溶液12に浸漬させ、電界を加えてタリウム、カリウムによりナトリウムを置換させた。このときの電界は、基板1裏面に負電極10を近接させ、基板1表面側に正電極11を近接させて直流電源9から15Vの直流電圧を印加して発生させている。両電極10、11への電圧の印加時間は8時間である。
【0024】
いわゆるイオン交換法であり、加えられた電界によりマスク7の開口部からガラス膜3中にタリウム・カリウムが拡散してナトリウムを置換するため、開口部に露出したガラス膜3の屈折率を他の領域より大きくさせることができる。
処理が終わった後、希塩酸溶液中でマスク7を除去する。次にシラン・水素ガスを原料としてプラズマCVD法により、アモルファスシリコン膜2を厚さ50nmに堆積させ、電気炉中で450℃、1時間の加熱処理を行い、アモルファスシリコン膜2中に含まれる水素を除去する。
【0025】
次に、図4(a)に示すように、基板1裏面から、XeClエキシマレーザ(発振波長308nm、パルス時間30ns)、330mJ/cm2の照射エネルギでレーザ光を照射して、アモルファスシリコン膜2をポリシリコン化する。
次に、図4(b)に示すように、笑気ガス・シランガスを原料としてプラズマCVD法により基板1上に酸化シリコン膜を厚さ約120nmに形成し、さらに、DCスパッタ法によりアルミニウム膜を約200nmの厚さに堆積させる。次いで、酸化シリコン膜とアルミニウム膜とをパターニングして、酸化シリコン膜とアルミニウム膜がこの順に積層されて形成されたゲート絶縁膜14とゲート電極13とを作製する。図4(b)における符号19は、シリコン膜2中に生じている結晶粒界を示している。この図で示したように本実施の形態によれば、素子に対して整合するようにレーザ光強度分布を容易に与えることができるため、素子のチャネル領域内の結晶粒界19の数を少なくして、チャネル領域外だけに結晶粒界19が存在するようにすることも可能であり、素子製造の歩留まりを向上させることができるようになる。
【0026】
次に、図5(a)に示すように、ゲート電極13をマスクとしてシリコン膜2中にリン(P)のイオン注入を行い、ソース領域15及びドレイン領域16を形成する。
次に、図5(b)に示すように、DCスパッタ法によりアルミニウム膜を厚さ約200nmに堆積し、フォトリソググラフィ技術により、ソース電極17及びドレイン電極18を形成する。これらソース電極17、ドレイン電極18のパターニングに際しては、変調領域4の形成と同時にガラス膜3内に形成しておいたアライメントマークを用いてフォトリソグラフィの際の位置合わせを行うが、これについては後程詳述する。
【0027】
次に、本発明の第4の実施の形態による薄膜素子の製造方法について図6を用いて説明する。図3乃至5を用いて説明した第3の実施の形態と同一の機能作用を有する構成要素については同一の符号を付してその説明は省略するものとする。図6は、ガラス基板面に垂直な方向で切断した基板の一部断面を示しており、本実施の形態による具体的な薄膜素子の製造工程を示している。
まず、図6(a)において、コーニング社製1737ガラス基板1上に、プラズマCVD法により酸化シリコン膜のガラス膜3を厚さ約300nm堆積する。
【0028】
次に、図6(b)において、全面にフォトレジストを塗布した後フォトリソグラフィ工程によりパターニングし、光学的性質を変化させる変調領域4となる位置に開口部が形成されたパターンを有するマスク7を形成する。
【0029】
次に、図6(c)に示すように、マスク7を介して、ホウ素(B)イオン20を80keVの加速電圧でドーズ量1×1017/cm2として注入する。次いでこの基板1を450℃で1時間、窒素雰囲気中で加熱処理を行い、マスク7開口部からガラス膜3に打ち込まれたホウ素を安定化させて当該領域の屈折率を大きくさせる。上記例ではホウ素を用いたが、このイオン注入法で用いることができる材料としては、光学的な性質を変調させることができる、例えば、Al、In、Bi、Cu、Au、Ag、N等がある。なお、この後の素子形成の工程は第3の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0030】
本実施の形態では、第3の実施の形態のような、取り扱いの難しい溶融塩を使うことなく半導体プロセスを利用して屈折率を変調した光学素子を形成できる点に特徴を有している。さらに、注入するイオンを自由に選択できるため、所望の屈折率を容易に得ることができるようになる。
【0031】
次に、本発明の第5の実施の形態による薄膜素子の製造方法について図7乃至図9を用いて説明する。上記第1乃至第4の実施の形態に示したものと同一の機能作用を有する構成要素については同一の符号を付してその説明は省略する。図7乃至図9の(a)は、基板1を素子形成側から見た基板の一部平面を示しており、図7乃至図9の(b)は、各図の(a)のA−A線で基板1面に垂直な方向に切断した基板の一部断面を示している。
【0032】
図7(a)に示すように基板1上のガラス膜3には、変調領域4と共に、所定位置にアライメントマーク21が形成されている。このアライメントマーク21は、フォトリソグラフィ工程で基板とマスクの位置合わせに用いられる。アライメントマーク21は、ガラス膜3の変調領域4の形成と同時に形成されるので、周辺領域と異なる屈折率を有している。そのためこのアライメントマーク21は、シリコン膜2側あるいはガラス基板1側からの光学的な観察によってその存在を確認することができる。従って、アライメントマーク21の位置を基準として、各変調領域4および結晶粒径が拡大されて結晶化された領域22の相対位置を位置決めできるようになる。なお、領域23は変調領域4が配置されていない領域であり、領域22に対して結晶粒径が小さいポリシリコン膜の領域である。
【0033】
薄膜素子の製造工程において、各構成要素の形成位置とマスクの位置とを正確に位置合わせする必要のあるフォトリソグラフィ工程では本実施の形態によるアライメントマーク21は極めて有効に作用するので、素子製造におけるスループットを向上させることが可能となる。
【0034】
さて、図7乃至図9を用いて本実施の形態による薄膜素子の製造方法について説明する。第3の実施の形態で示した工程と同様にして、テトラエトキシシランをエタノール中に溶解させた溶液中に浸漬し、アンモニア水溶液を添加しつつ攪拌した溶液中に、コーニング1737ガラス基板1を浸漬した後引き上げて、ゾルゲル法によりガラス膜3を基板1表面に被着させる。その後、ガラス膜3表面に変調領域4と共にアライメントマーク21を形成するように所定パターンのマスクを形成して、イオン交換法により屈折率を変化させた変調領域4及びアライメントマーク21を形成する。形成するアライメントマーク21のマーク形状は、図7に示すような十字パターンだけでなく、円形パターンや正方形パターン、あるいはそれらを組合せた種々のパターンを用いることができる。
【0035】
次に、図8に示すように、シラン、水素、笑気ガスを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200nmの酸化シリコン膜を形成する。この酸化シリコン膜はバリア層6として機能する。次に、シラン、水素ガスを原料としてプラズマCVD法により、約50nmの厚さのアモルファスシリコン膜2を堆積させ、電気炉中で450℃、1時間の加熱処理を行い、アモルファスシリコン膜2中に含まれる水素を除去する。
【0036】
次に、図9に示すように、基板1裏面から、XeClエキシマレーザ(発振波長308nm、パルス時間30ns)、330mJ/cm2の照射エネルギでレーザ光を照射して、アモルファスシリコン膜2をポリシリコン化する。
【0037】
結晶粒径の大きな領域22は変調領域4に対して整合して配列されるため、薄膜トランジスタのチャネル領域を結晶粒径の大きな領域22に整合させるには、チャネル形成領域も変調領域4に対応した位置に配列させる必要がある。ところが、変調領域4の存在する領域22と存在しない領域23とでの光学的な性質の差異は小さいため、結晶粒径の大きい領域22の位置を光学的に検出して位置合わせすることは困難である。そこで、本実施の形態のアライメントマーク21を用いることにより、薄膜トランジスタのチャネル領域と変調領域4の整合を容易に取ることができるようになる。例えば、フォトレジストを基板全面に塗布した後、本実施の形態によるアライメントマーク21を利用したフォトリソグラフィ工程によりポリシリコン膜2中の結晶粒界の大きい領域22を薄膜素子のチャネル形成領域に正確にパターニングすることができるようになる。また、このパターニングの際ポリシリコン膜2にアライメントマークを形成してもよく、その場合には以降のフォトリソグラフィは通常のアライメント動作と同一となる。なお、これ以後の薄膜トランジスタの形成工程は第3の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0038】
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、ガラス膜3とシリコン膜2とを直接接触させる構造と、ガラス膜3とシリコン膜2との間に酸化シリコン膜や窒化シリコン膜等のバリア層を介在させる構造のいずれか一方を実施形態毎に示しているが、何れの実施の形態も双方の構造で薄膜素子を製造することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、機械的精度を必要とせずに素子に整合するようにレーザ光の強度を変調して照射することができ、電気的特性不良の原因となる結晶粒界を素子のチャネル領域から減少させて素子特性に優れた薄膜素子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態による薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【図10】従来の薄膜素子の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 基板
2 シリコン膜
3 ガラス膜
4 変調領域
5 レーザ光
6 バリア層
7 マスク
9 直流電源
10、11 電極
12 溶融塩溶液
13 ゲート電極
14 ゲート絶縁膜
15 ソース領域
16 ドレイン領域
17 ソース電極
18 ドレイン電極
19 結晶粒界
20 イオン
21 アライメントマーク

Claims (6)

  1. 絶縁性基板上に形成される薄膜素子の製造方法において、
    前記絶縁性基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    前記非晶質シリコン膜上にガラス膜を形成する工程と、
    前記ガラス膜の光学的性質を、少なくとも前記絶縁性基板の表面に平行な方向で変化させる工程と、
    前記ガラス膜に光を入射させ、当該光の強度分布を前記ガラス膜で変調させて前記非晶質シリコン膜に入射させ、前記非晶質シリコン膜を結晶化させる工程と
    を有することを特徴とする薄膜素子の製造方法。
  2. 絶縁性基板上に形成される薄膜素子の製造方法において、
    前記絶縁性基板上にガラス膜を形成する工程と、
    前記ガラス膜の光学的性質を、少なくとも前記絶縁性基板の表面に平行な方向で変化させる工程と、
    前記ガラス膜上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    前記ガラス膜に光を入射させ、当該光の強度分布を前記ガラス膜で変調させて前記非晶質シリコン膜に入射させ、前記非晶質シリコン膜を結晶化させる工程と
    を有することを特徴とする薄膜素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の薄膜素子の製造方法において、
    前記ガラス膜の光学的性質を変化させる工程でイオン交換法を用いること
    を特徴とする薄膜素子の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の薄膜素子の製造方法において、
    前記ガラス膜の光学的性質を変化させる工程でイオン注入法を用いること
    を特徴とする薄膜素子の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の薄膜素子の製造方法において、
    前記ガラス膜の光学的性質を変化させる工程で、同時に前記ガラス膜中に位置合わせ用のアライメントマークを形成すること
    を特徴とする薄膜素子の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の薄膜素子の製造方法において、
    前記ガラス膜は、シリコン系酸化物を含むように形成されること
    を特徴とする薄膜素子の製造方法。
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