JP3034765B2 - レーザー処理方法 - Google Patents
レーザー処理方法Info
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Description
ザー光の照射によって半導体に対して各種アニールを施
す技術に関する。
射することによって、各種アニールを施す技術が知られ
ている。例えば、プラズマCVD法によってガラス基板
上に成膜された非晶質珪素膜(a−Si膜)に対してレ
ーザー光を照射することによって結晶性珪素膜に変成す
る技術や、不純物イオン注入後のアニール技術等が知ら
れている。このようなレーザー光を用いた各種アニール
技術、およびレーザー光を照射する装置としては、本出
願人による特開平6─51238号公報に記載されてい
る技術がある。
地の基板に対して熱的なダメージを与えないので、例え
ば基板としてガラス基板等の熱に弱い材料を用いた場合
等に有用な技術となる。しかしながら、そのアニール効
果を常に一定なものとすることが困難であるという問題
がある。またレーザー光の照射による非晶質珪素膜の結
晶化を行った場合、必要とする良好な結晶性を常に得る
ことが困難であり、安定してより結晶性の良好な結晶性
珪素膜を得る技術が求められていた。
明は、下記に示す事項の少なくとも一つ以上を解決する
ことを課題とする。 (1)レーザー光の照射による半導体へのアニール技術
において常に一定の効果が得られるようにする。 (2)非晶質珪素膜へのレーザー光の照射によって得ら
れる結晶性珪素膜の結晶性をより高くする。
の一つは、非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素を
導入する工程と、加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結
晶化させる工程と、該工程において結晶化された珪素膜
に対してレーザー光を照射する工程と、を有し、前記レ
ーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理時の温
度の±100℃以内に保たれていることを特徴とする。
において、結晶化を助長する金属元素としては、Fe、
Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、C
u、Zn、Ag、Auから選ばれた一種または複数種類
のものが用いられる。これら金属元素の中でも最も顕著
な効果を得ることができる元素がニッケルである。
ては、450℃〜750℃の温度を選択することができ
る。この温度の上限は基板の耐熱温度によって制限さ
れ、基板としてガラス基板を用いた場合には、600℃
程度が上限とされる。また生産性を考慮するならばこの
温度が550℃以上であることが望ましい。従って、ガ
ラス基板を用いた場合には、550〜600℃程度の温
度で加熱処理を行うことが望ましいことになる。
550℃〜600℃程度することが好ましいが、450
℃程度の温度からの加熱で実用になる。従って、550
℃±100℃の温度範囲での加熱が好ましい。
質珪素膜に結晶化を助長する金属元素を導入する工程
と、600℃以下の温度で加熱処理を施し前記非晶質珪
素膜を結晶化させる工程と、該工程において結晶化され
た珪素膜に対してレーザー光を照射する工程と、を有
し、前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱
処理時の温度の±100℃以内に保たれていることを特
徴とする。
質珪素膜に結晶化を助長する金属元素を導入する工程
と、加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工
程と、該工程で結晶化された珪素膜の少なくとも一部に
不純物イオンの注入を行う工程と、前記不純物イオンが
注入された領域にレーザー光を照射する工程と、を有
し、前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱
処理時の温度の±100℃以内に保たれていることを特
徴とする。
晶化を助長する金属元素を導入する工程と、加熱処理を
施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程と、該工程で
結晶化された珪素膜の少なくとも一部に不純物イオンの
注入を行う工程と、前記不純物イオンが注入された領域
にレーザー光を照射する工程と、を有し、前記レーザー
光の照射時において、試料は前記加熱処理時の温度の±
100℃以内に保たれていることを特徴とする。
長する金属元素が導入された非晶質珪素膜に対して、線
状のビーム形状を有するレーザー光を前記非晶質珪素膜
の一方から他方に向かって順次移動させて照射し、レー
ザー光が照射された領域を順次結晶化させる方法であっ
て、前記レーザー光の照射は、非照射面の温度を450
℃以上の温度に加熱して行われることを特徴とする。
動させて照射することで、必要とする領域に対して効果
的にレーザー光を照射することができる。また非照射面
の温度(加熱温度)の条件は普通600℃程度に制限さ
れる。しかしこの温度は、基板の材質によって限定され
るものであり、さらに高い温度としてもよい。
実施する際に利用されるレーザー処理装置を示す。図1
にレーザー処理装置の上面図を示す。図2に図1のA−
A’で切った断面図を示す。図3に図1のB−B’で切
った断面図を示す。またこのレーザー処理装置のブロッ
ク図を図4に示す。
は、基板(試料)を搬入搬出するための搬送搬入室であ
り、レーザー光を照射する対象の珪素膜や作製工程途中
の状態の薄膜トランジスタが形成された基板100が多
数枚カセット105に収納された状態で収められてい
る。基板の搬入搬出室101に基板を外部から出し入れ
する際には、基板100を収納したカセット105毎移
動が行われる。
いて搬送するための搬送室であり、基板を一枚づつ搬送
するためのロボットアーム106を備えている。このロ
ボットアーム106は加熱手段を内蔵しており、基板を
搬送中においても基板の温度(試料の温度)を一定に保
つ工夫がなされている。
メント手段であり、ロボットアームと基板との位置合わ
せを正確に行うための機能を有する。
に対して照射するための室である。この室では、レーザ
ー照射装置107から照射されたレーザー光108を合
成石英の窓150を介して、基板が置かれるステージ1
09上に配置された基板上に照射することができる。ス
テージ109は、基板を加熱する手段を備えており、矢
印で示されるように、1次元方向に移動する機能を有し
ている。
エキシマレーザーを発振する機能を有し、図5に示すよ
うな光学系を内蔵している。この図5に示す光学系を通
ることにより、レーザー光は、幅数ミリ〜数センチ、長
さ数十センチの線状ビームに成形される。
熱するための加熱室であり、基板100が多数枚収納さ
れる。多数枚収納された基板100は加熱手段(抵抗加
熱手段)110によって所定の温度に加熱される。基板
100はリフト111上に収納されており、必要なとき
にリフト111を上下させ、搬送室102内のロボット
アーム106によって、基板100を搬送させることが
できる。
5〜118によって減圧状態、あるいは高真空状態とす
ることができる。各排気系には、独立して真空ポンプ1
19〜122が備えられている。また各室には、必要と
する気体(例えば不活性気体)を供給するためのガス供
給系112〜114、121を備えている。また各室
は、ゲイトバルブ122〜124を備えており、各室の
気密性を独立して高める構成となっている。
書で開示するレーザー処理方法を用いて薄膜トランジス
タを作製する例を示す。図6に結晶性珪素膜を得るまで
の工程を示す。まず(A)に示すようにガラス基板60
1を用意し、その表面に下地膜として酸化珪素膜602
を3000Åの厚さにスパッタ法を用いて成膜する。ガ
ラス基板としては、例えばコーニング7059ガラス基
板を用いることができる。
プラズマCVD法または減圧熱CVD法によって500
Åの厚さに成膜する。そして酸化性雰囲気中でのUV光
の照射によって極薄い酸化膜604を成膜する。この酸
化膜604は、後の溶液塗布工程において、溶液の濡れ
性を改善するためのものである。この酸化膜604の厚
さは数十Å程度とすればよい。(図6(A))
る金属元素であるニッケル(Ni)の導入を行う。ここ
では、ニッケル酢酸塩溶液を用いて、ニッケル元素を非
晶質珪素膜601の表面に導入する。具体的には、ま
ず、所定のニッケル濃度となるように調整したニッケル
酢酸塩溶液を滴下し水膜605を形成する。そしてスピ
ナー606を用いてスピンドライを行い、非晶質珪素膜
の表面にニッケル元素が接した状態を実現する。ニッケ
ルの導入量は、ニッケル酢酸塩溶液中におけるニッケル
元素の濃度を調整することによって制御される。(図6
(B))
を結晶化させ、結晶性珪素膜607を得る。このときの
加熱温度は、450℃〜750℃程度の温度で行えばよ
い。しかし、ガラス基板の耐熱性の問題を考慮した場
合、600℃以下の温度で行うことが必要である。また
500℃以下の温度であると、結晶化に要する時間が数
十時間以上となるので、生産性の観点から不利となる。
ここでは、ガラス基板の耐熱性の問題、さらに加熱処理
時間の問題に鑑み、550℃で4時間の加熱処理を行
う。こうして結晶性珪素膜607が得られる。(図6
(C))
ら、図1〜図3に示すレーザー処理装置を用いてレーザ
ー光を照射し、結晶性珪素膜607の結晶化をさらに助
長させる。以下にこのレーザー処理工程の概要を示す。
料)が多数枚収納されたカセット105を基板の搬入搬
出室101に収納する。そして各室を高真空状態とす
る。またゲイトバルブは全て閉鎖されている状態とす
る。そして、ゲイトバルブ122を開け、ロボットアー
ム106によって、1枚の基板100をカセット105
から取り出し、搬送室102に移送する。そしてゲイト
バルブ124を開けロボットアーム106に保持された
基板を加熱室104に移送する。この際、加熱室104
は所定の温度に基板を加熱するように予め加熱された状
態とする。
トアーム106によって、次の基板をカセット105か
ら取り出し、加熱室104に移送する。以上の動作を所
定の回数繰り返すことにより、カセット105に収納さ
れた基板の全てを加熱室104に収納する。カセット1
05に収納された基板の全てを加熱室104に収納した
後、ゲイトバルブ122と124とを閉鎖する。
バルブ124を開け、所定の温度(ここでは500℃)
になった基板をロボットアームによって搬送室102に
引き出す。この際、ロボットアーム内に内蔵された加熱
手段によって、移送中も基板は500℃に保たれる。そ
してゲイトバルブ124閉める。さらにゲイトバルブ1
23を開け、この加熱された基板をレーザー光を照射す
るための室103に移送する。そしてゲイトバルブ12
3を閉める。
の線状のレーザー光の幅方向に基板ステージ109を動
かすことにより、所定の面積に対してレーザー光を照射
する。ここでは、図6(D)の状態において、図面の基
板右端から左端へと、レーザー光がスイープされるよう
に基板ステージ109を移動させレーザー光を照射す
る。ここでの基板ステージ109の移動速度は10cm
/分とする。本実施例においては、基板ステージ109
の温度を500℃に保った状態でレーザー光の照射を行
う。
23を開け、基板ホルダーに保持された基板をロボット
アーム106によって搬送室102に移送する。そして
ゲイトバルブ123を閉める。そしてゲイトバルブ12
2を開け、基板を搬入搬出室101内のカセット105
に収納する。この後ゲイトバルブ122は閉鎖する。
に収納された複数の基板全てに対してレーザー光の照射
を行うことができる。そして全ての基板に対するレーザ
ー光の照射が終了後、カセット105に収納された基板
をカセット毎基板の搬入搬出室101から装置の外部に
取り出す。
射により、結晶性珪素膜の結晶性を助長させた後、パタ
ーニングを行うことにより、薄膜トランジスタの活性層
701を形成する。なおこの際、極薄い酸化膜604は
除去する。(図7(A))
膜702をスパッタ法またはプラズマCVD法で100
0Åの厚さに成膜する。次にスカンジウムを0.18wt%
含有したアルミニウム膜を6000Åの厚さに蒸着法で
形成する。そしてパターニングを施すことにより、ゲイ
ト電極703を形成する。ゲイト電極703を形成した
ら5%酒石酸が含まれたエチレングルコール溶液中にお
いてゲイト電極703を陽極として陽極酸化を行い、ア
ルミニウムの酸化物層704を形成する。この酸化物層
の厚さは2500Å程度とする。この酸化物層704の
厚さで、後の不純物イオン注入工程において形成される
オフセットゲイト領域領域の長さが決定される。
ン)の注入をイオンドーピング法またはプラズマドーピ
ング法によって活性層に注入する。この際、ゲイト電極
703とその周囲の酸化物層704とがマスクとなっ
て、705と709の領域に不純物イオンが注入される
こととなる。こうしてソース領域705とドレイン領域
709とが自己整合的に形成される。さらにチャネル形
成領域707とオフセットゲイト領域706、708が
やはり自己整合的に形成される。
領域705とドレイン領域709の再結晶化と注入され
た不純物の活性化を行う。このレーザー光の照射の代わ
りに強光の照射を行ってもよい。ここで行うソース/ド
レイン領域へのレーザー光の照射を図1〜図3に示す装
置で行う。またこのレーザー光の照射においては、基板
を500℃の温度に加熱した状態で行う。
後、層間絶縁膜として酸化珪素膜710をプラズマCV
D法で7000Åの厚さに成膜する。そして孔開け工程
を経て、ソース電極711とドレイン電極712を適当
な金属(例えばアルミニウム)やその他適当な導電材料
を用いて形成する。最後に水素雰囲気中において、35
0℃の加熱処理を1時間施すことにより、図7(C)に
示す薄膜トランジスタを完成させる。
結晶化を助長する金属元素を非晶質珪素膜の表面の一部
に選択的に導入することにより、結晶成長を基板に平行
な方向に行わせ、この基板に平行に結晶成長した珪素膜
を用いて薄膜トランジスタを作製する例である。
す。まずガラス基板601上に下地膜として酸化珪素膜
602をスパッタ法により3000Åの厚さに成膜す
る。さらに非晶質珪素膜603を500Åの厚さにプラ
ズマCVD法または減圧熱CVD法で成膜する。そして
酸化性雰囲気中においてUV光の照射を行い、非晶質珪
素膜603の表面に極薄い酸化膜604を形成する。そ
してレジストを用いてレジストマスク801を形成す
る。レジストマスク801は、802で示される領域の
非晶質珪素膜表面(酸化膜604が形成されている)を
露呈させるように構成されている。802で示される領
域は、図面の奥行き方向に長手方向を有する長方形(ス
リット形状)を有している。(図8(A))
605を形成した後、スピナー606を用いてスピンド
ライを行う。こうして、レジストマスク801によって
部分的に露呈された非晶質珪素膜の表面の一部分802
にニッケルが接して配置された状態が実現される。(図
8(B))
50℃、4時間の加熱処理を施す。この工程において、
802の領域からニッケルが拡散し、それと同時に矢印
803で示すように基板に平行な方向へと結晶成長が進
行していく。この結晶化は、針状あるいは柱状あるいは
枝状に結晶が進行していくことによって行われる。この
結晶化の結果、基板に平行な方向に1次元的あるいは2
次元的に結晶成長した結晶性珪素膜を得ることができ
る。ここでは、802で示される領域が図面の奥手方向
に長手方向を有するスリット状を有しているので、結晶
成長は、矢印803で示す方向にほぼ1時限的に進行し
ていく。なおこの結晶成長は、50〜200μm程度行
わすことができる。(図8(C))
るいは柱状あるいは枝状に進行するのであるが、その結
晶成長した枝の間(隙間)には非晶質成分が残存してい
ることがTEM(透過電子線顕微鏡)の写真観察から判
明している。ここで、レーザー光の照射によるアニール
を行うことにより、上記残存している非晶質成分を結晶
化させ、さらに結晶性を向上させることができる。
実施例と同様にして行う。こうして結晶性の助長された
結晶性珪素膜607が得られる。(図8(D))
すように活性層701を得る。この時、活性層701内
に、結晶成長の起点(802で示された領域)と結晶成
長終点とが存在しないようにすることが重要である。こ
れは、結晶成長の起点と終点においては、導入された金
属元素(この場合はニッケル)の濃度が高いので、この
金属濃度の高い領域を避けて活性層を形成するためであ
る。こうすることで、金属元素の影響によるデバイスの
不安定性を避けることができる。(図9(A))
膜702をスパッタ法またはプラズマCVD法で100
0Åの厚さに成膜する。次にスカンジウムを0.18wt%
含有したアルミニウム膜を6000Åの厚さに電子ビー
ム蒸着法で形成する。そしてパターニングを施すことに
より、ゲイト電極703を形成する。ゲイト電極703
を形成したら5%酒石酸が含まれたエチレングルコール
溶液中においてゲイト電極703を陽極として陽極酸化
を行い、アルミニウムの酸化物層704を形成する。こ
の酸化物層の厚さは2500Å程度とする。この酸化物
層704の厚さで、後の不純物イオン注入工程において
形成されるオフセットゲイト領域領域の長さが決定され
る。
ン)の注入をイオンドーピング法またはプラズマドーピ
ング法によって活性層に注入する。この際、ゲイト電極
703とその周囲の酸化物層704とがマスクとなっ
て、705と709の領域に不純物イオンが注入される
こととなる。こうしてソース領域705とドレイン領域
709とが自己整合的に形成される。さらにチャネル形
成領域707とオフセットゲイト領域706、708が
やはり自己整合的に形成される。(図9(B))
置を用いてレーザー光の照射を行い、ソース領域705
とドレイン領域709の再結晶化と注入された不純物の
活性化を行う。
後、層間絶縁膜として酸化珪素膜710をプラズマCV
D法で7000Åの厚さに成膜する。そして孔開け工程
を経て、ソース電極711とドレイン電極712を適当
な金属(例えばアルミニウム)やその他適当な導電材料
を用いて形成する。最後に水素雰囲気中において、35
0℃の加熱処理を1時間施すことにより、図9(C)に
示す薄膜トランジスタを完成させる。
または柱状または枝状に1次元的に結晶成長した結晶の
結晶成長方向に沿ってキャリアが移動することになるの
で、キャリアの移動に際して結晶粒界の影響を受けるこ
とが少なく、移動度の大きいものを得ることができる。
の結晶化を助長する金属元素の作用を利用したレーザー
光の照射を行うことによって、単結晶あるいは単結晶に
極めて近いと見なせる結晶性を有する領域を形成し、そ
の領域を利用して薄膜トランジスタの活性層を形成する
ことを特徴とする。
いと見なせる結晶性を有する領域を形成する工程を示
す。まずガラス基板601上に下地膜として酸化珪素膜
602をスパッタ法により3000Åの厚さに成膜す
る。さらに非晶質珪素膜603を500Åの厚さにプラ
ズマCVD法または減圧熱CVD法で成膜する。そして
酸化性雰囲気中においてUV光の照射を行い、非晶質珪
素膜603の表面に極薄い酸化膜604を形成する。そ
してレジストを用いてレジストマスク801を形成す
る。レジストマスク801は、802で示される領域の
非晶質珪素膜表面(酸化膜604が形成されている)を
露呈させるように構成されている。802で示される領
域は、図面の奥行き方向に長手方向を有する長方形(ス
リット形状)を有している。(図10(A))
05を形成した後、スピナー606を用いてスピンドラ
イを行う。こうして、レジストマスク801によって部
分的に露呈された非晶質珪素膜の表面の一部分802に
ニッケルが接して配置された状態が実現される。なおこ
こではレジストマスク801を用いた例を示すが、酸化
珪素等をマスクとして利用してもよい。(図10
(B))
き、図1〜図3に示す装置を用いてレーザー光の照射を
行う。このレーザー光の照射に際しては、試料を500
℃の温度に加熱した状態で、線状のレーザー光810を
図面の奥行き方向が長手方向となるようにして、811
で示される方向に移動(スイープ)させていく。この移
動速度は1mm〜10cm/分程度の極めてゆっくりと
したものとする。この時、812で示す領域において
は、加熱によって結晶核または結晶化した領域が形成さ
れる。この結晶核の生成や結晶化した領域が形成される
のは、ニッケル元素の作用によるものである。
に移動させていくと、ニッケルが微量に導入された領域
812から813で示されるように結晶成長が行われて
いく。この813で示される結晶成長は、結晶核あるい
は結晶領域が形成されている812の領域からエピタキ
シャル成長あるはピタキシャル成長と見なせる状態で進
行していく。(図10(C))
域が溶融し、先に結晶化した領域からこの溶融した領域
へと結晶がエピタキシャル成長(またはエピタキシャル
成長と見なせる成長)していくことによって行われる。
そして、線状のレーザー光810を811で示されるよ
うに移動させて行くことで、この結晶成長が813で示
されるようい順次進行していく。また結晶化を助長する
金属元素であるニッケルは、珪素が溶融した領域に偏析
するので、813で示される結晶化が進行していくに従
って、その結晶成長した先端部にニッケル元素が集中す
る。従って、結晶化した領域814の中央部において
は、ニッケル濃度を低くすることができる。
説明する。まず図10(C)の状態を有する基板(試
料)が多数枚収納されたカセット105を基板の搬入搬
出室101に収納する。そして各室を高真空状態とす
る。またゲイトバルブは全て閉鎖されている状態とす
る。そして、ゲイトバルブ122を開け、ロボットアー
ム106によって、1枚の基板100をカセット105
から取り出し、搬送室102に移送する。そしてゲイト
バルブ124を開けロボットアーム106に保持された
基板を加熱室104に移送する。この際、加熱室104
は所定の温度(500℃)に基板を加熱するように予め
加熱された状態とする。
トアーム106によって、次の基板をカセット105か
ら取り出し、加熱室104に移送する。以上の動作を所
定の回数繰り返すことにより、カセット105に収納さ
れた基板の全てを加熱室104に収納する。
バルブ124を開け、所定の温度(ここでは500℃)
になった基板をロボットアーム106によって搬送室1
02に引き出す。この際、ロボットアーム内に内蔵され
た加熱手段によって、移送中も基板は500℃に保たれ
る。そしてゲイトバルブ124閉める。さらにゲイトバ
ルブ123を開け、この加熱された基板をレーザー光を
照射するための室103に移送する。そしてゲイトバル
ブ123を閉める。
の線状のレーザー光の幅方向に基板ステージ109を動
かすことにより、所定の面積にレーザー光を照射する。
ここでは、図6(D)の状態において、図面の基板右側
から左側へと、レーザー光がスイープされるように基板
ステージ109を移動させレーザー光を照射する。ここ
での基板ステージ109の移動速度は1cm/分とす
る。本実施例においては、基板ステージ109の温度を
500℃に保った状態でレーザー光の照射を行う。
23を開け、基板ホルダーに保持された基板をロボット
アーム106によって搬送室102に移送する。そして
ゲイトバルブ123を閉める。そしてゲイトバルブ12
2を開け、基板を搬入搬出室101内のカセット105
に収納する。この後ゲイトバルブ122は閉鎖する。
に収納された複数の基板全てに対してレーザー光の照射
を行うことができる。そして全ての基板に対するレーザ
ー光の照射が終了後、カセット105に収納された基板
をカセット毎基板の搬入搬出室101から装置の外部に
取り出す。
目の基板を搬入する時から最後の基板を加熱室104に
搬入するまでの時間と、加熱室104から1枚目の基板
を取り出し、レーザー光の照射を行う室103へ基板を
搬送し始める時から最後の基板を加熱室104から取り
出し、レーザー光の照射を行う室103へこの基板を搬
送し始める時までの時間とを同じものとする。こうする
と、加熱室に基板が保持されている時間を全ての基板に
おいて同一なものとすることができる。
に、ニッケル元素が導入された非晶質珪素膜が形成され
ており、500℃の温度では短時間において、容易に結
晶核が生成され、ニッケル元素が導入された領域におい
ては、容易に結晶化が進行してしまう。従って、加熱室
104内に保持される時間は、全ての基板において極力
同じ時間とすることが均一な結晶性珪素膜を得るために
は重要となる。
なせる領域814を得ることができる。この単結晶と見
なせる領域は、水素を1016〜1020cm-3含んでお
り、内部の欠陥が水素でターミネイトされた構造を有し
ている。(図10(D))
見なすことができる。またこの領域は、さらに大きくす
ることもできる。
単結晶と見なせる領域814を得たら、この領域を用い
て薄膜トランジスタの活性層を形成する。即ち、パター
ニングを行い図11の701で示す活性層を形成する。
またこのパターニングの際に、極薄の酸化膜802を除
去する。さらにゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜
702をスパッタ法またはプラズマCVD法で1000
Åの厚さに成膜する。(図11(A))
ルミニウム膜を6000Åの厚さに電子ビーム蒸着法で
形成する。そしてパターニングを施すことにより、ゲイ
ト電極703を形成する。ゲイト電極703を形成した
ら5%酒石酸が含まれたエチレングルコール溶液中にお
いてゲイト電極703を陽極として陽極酸化を行い、ア
ルミニウムの酸化物層704を形成する。この酸化物層
の厚さは2500Å程度とする。この酸化物層704の
厚さで、後の不純物イオン注入工程において形成される
オフセットゲイト領域の長さが決定される。
ン)の注入をイオンドーピング法またはプラズマドーピ
ング法によって活性層に注入する。この際、ゲイト電極
703とその周囲の酸化物層704とがマスクとなっ
て、705と709の領域に不純物イオンが注入される
こととなる。こうしてソース領域705とドレイン領域
709とが自己整合的に形成される。さらにチャネル形
成領域707とオフセットゲイト領域706、708が
やはり自己整合的に形成される。(図11(B))
置を用いてレーザー光の照射を行い、ソース領域705
とドレイン領域709の再結晶化と注入された不純物の
活性化を行う。
後、層間絶縁膜として酸化珪素膜710をプラズマCV
D法で7000Åの厚さに成膜する。そして孔開け工程
を経て、ソース電極711とドレイン電極712を適当
な金属(例えばアルミニウム)やその他適当な導電材料
を用いて形成する。最後に水素雰囲気中において、35
0℃の加熱処理を1時間施すことにより、図11(D)
に示す薄膜トランジスタを完成させる。
晶または単結晶と見なせる領域を利用して活性層を構成
するので、活性層内に結晶粒界が実質的に存在せず、薄
膜トランジスタの動作において結晶粒界の影響を受けな
い構成とすることができる。
数の薄膜トランジスタを形成する際に効果的に利用でき
る。例えば、図11(D)に示す薄膜トランジスタを図
面の奥行き方向に1列に多数個同時に作製する際に利用
することができる。このような多数個の薄膜トランジス
タが列を成して形成されている構成は、液晶電気光学装
置の周辺回路(シフトレジスタ回路等)に利用すること
ができる。またこのような単結晶または単結晶と見なせ
る結晶性珪素膜を用いた薄膜トタンジスタは、アナログ
バッファアンプ等に利用するのに有用なものとなる。
射による結晶化のメカニズムを巧みに利用して、より単
結晶に近い(結晶性の良好な)結晶性珪素膜を効率よく
得る例である。
ガラス基板601上に下地の酸化珪素膜602を300
0Åの厚さにスパッタ法で成膜する。そして非晶質珪素
膜603を500Åの厚さにプラズマCVD法または減
圧熱CVD法で成膜する。さらに酸化性雰囲気中におい
てUV光の照射を行い、極薄い酸化膜604を形成す
る。さらにマスクを構成する酸化珪素膜815を成膜す
る。この酸化珪素膜は、スパッタ法やプラズマCVD法
で成膜されるものを用いてよいが、酸化珪素系被膜形成
用塗布液を用いて形成するのでもよい。これは、溶液状
態のものを100〜300℃程度の加熱によって固化す
るタイプのもので、例えば東京応化のOCD(Ohka Diff
usion Source) 溶液を用いることができる。この酸化珪
素膜815は、802で示す領域において図面奥行き方
向に長手方向を有するスリット状を有しており、このス
リット状の領域802で非晶質珪素膜603の表面(酸
化膜604が形成されている)を露呈する構成となって
いる。このスリット状の領域は、必要とする長さで数μ
〜数十μの幅で設ければよい。(図12(A))
05を形成する。そしてスピナー606を用いてスピン
ドライを行い、802の領域で酸化膜604を介して非
晶質珪素膜603の表面にニッケル元素が接して設けら
れ状態を実現する。(図12(B))
ーザー光を811で示す方向に移動(スイープ)させな
がら照射する。この線状のレーザー光は、図面の奥行き
方向に長手方向を有する形状に図5に示す光学系を用い
て成形されている。
00℃に加熱し、移動速度を1mm〜10cm/分程度
の極めてゆっくりとしたものとして行う。この時、81
2で示す領域においては、加熱によって結晶核または結
晶化した領域が形成される。この結晶核の生成や結晶化
した領域が形成されるのは、ニッケル元素の作用による
ものである。レーザー光の照射工程については、実施例
4の場合と同様である。
に移動させながら照射すると、812で示される領域
は、その表面に酸化珪素膜が存在しないので、レーザー
光の照射後急速に冷却される。そしてレーザー光が移動
していった先の非晶質珪素膜は上下を酸化珪素膜によっ
て挟まれているので、熱の逃げ場がなく、瞬間的に高い
温度に加熱される。即ち結晶構造を有する冷たい812
の領域と、高熱で溶融状態にある領域とが存在すること
になる。当然その両者の間には、急激な温度勾配が生じ
ることとなる。この温度勾配の作用によって結晶成長が
促進され、813で示されるようにエピタキシャル成長
と見なせる結晶成長が順次進行していく。そして、単結
晶または単結晶と見なせる領域814を得ることができ
る。
における成長の開始の容易さを実現することができ、部
分的にではあるが、単結晶または単結晶と見なせる領域
を形成することができる。
ような単結晶または単結晶と見なせる領域を得ることが
できる。この単結晶または単結晶と見なせる領域は数十
μm以上の長さに渡って形成することが可能であり、こ
の領域を用いて単結晶薄膜トランジスタを形成すること
が可能である。
いて、より高度なアクティブマトリクス型液晶ディスプ
レーシステムを構築する例を図13に示す。図13の例
は、一対の基板間に液晶を挟持した構成を有する液晶デ
ィスプレーの少なくとも一方の基板上に、通常のコンピ
ュータのメインボードに取り付けられている半導体チッ
プを固定することによって、小型化、軽量化、薄型化を
おこなった例である。
は液晶ディスプレーの基板でもあり、その上にはTFT
11、画素電極12、補助容量13を具備する画素が多
数形成されたアクティブマトリクス回路14と、それを
駆動するためのXデコーダー/ドライバー、Yデコーダ
ー/ドライバー、XY分岐回路がTFTによって形成さ
れている。勿論、TFTとして本明細書で開示する発明
を利用することができる。
取り付ける。そして、これらのチップはワイヤボンディ
ング法、COG(チップ・オン・グラス)法等の手段に
よって、基板15上の回路に接続される。図13におい
て、補正メモリー、メモリー、CPU、入力ポートは、
このようにして取り付けられたチップであり、この他に
も様々なチップを取り付けてもよい。
ら入力された信号を読み取り、画像用信号に変換する回
路である。補正メモリーは、アクティブマトリクスパネ
ルの特性に合わせて入力信号等を補正するためのパネル
に固有のメモリーのことである。特に、この補正メモリ
ーは、各画素固有の情報を不揮発性メモリーとして有
し、個別に補正するためのものである。すなわち、電気
光学装置の画素に点欠陥のある場合には、その点の周囲
の画素にそれに合わせて補正した信号を送り、点欠陥を
カバーし、欠陥を目立たなくする。または、画素が周囲
の画素に比べて暗い場合には、その画素により大きな信
号を送って、周囲の画素と同じ明るさとなるようにする
ものである。画素の欠陥情報はパネルごとに異なるの
で、補正メモリーに蓄積されている情報はパネルごとに
異なる。
ものとその機能は同様で、特にメモリーは各画素に対応
した画像メモリーをRAMとして持っている。これらの
チップはいずれもCMOS型のものである。
を本明細書で開示する発明で構成し、システムの薄膜を
さらに高めてもよい。以上のように、液晶ディスプレー
基板にCPU、メモリーまでもが形成され、1枚の基板
で簡単なパーソナルコンピュータのような電子装置を構
成することは、液晶表示システムを小型化し、その応用
範囲を広げるために非常に有用である。
晶ディスプレーの必要とする回路に本明細書で開示する
発明を用いて作製した薄膜トランジスタを利用すること
ができる。特に、単結晶または単結晶と見なせる領域を
用いて作製された薄膜トランジスタをアナログバッファ
ー回路やその他必要とする回路に利用することは極めて
有用である。
処理によって結晶化された結晶性珪素膜に対して、先の
加熱処理時の温度の±100℃以内の温度に試料を加熱
した状態で、レーザー光の照射によるアニールを施すこ
とにより、結晶性をさらに高め、良好な結晶性を有する
珪素膜を得ることができる。
加熱処理によって結晶化された結晶性珪素膜に対して、
不純物イオンの注入を行い、さらに先の加熱処理時の温
度の±100℃以内の温度に試料を加熱した状態で、レ
ーザー光の照射によるアニールを施すことにより、不純
物領域の形成を効果的に行うこができる。
で非晶質珪素膜の一方から他方に向かって線状のレーザ
ー光を照射することによって、レーザー光の照射に従っ
て、順次結晶成長を行わすことができ、単結晶または単
結晶と見なせる領域を形成することができる。
素膜に導入した状態で上記のようなレーザー光の照射を
行うことで、結晶性がより高い領域(ほとんど単結晶と
見なせる領域)を容易に形成することができる。またこ
の時、線状のレーザー光を移動させながら照射すること
で、結晶成長した終点に金属元素を偏析させることがで
き、結晶化した領域内における金属元素濃度を極力小さ
くすることができる。
図。
Claims (11)
- 【請求項1】非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素
を導入する工程と、 加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程
と、 該工程において結晶化された珪素膜に対してレーザー光
を照射する工程と、 を有し、 前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理
時の温度の±100℃以内に保たれていることを特徴と
するレーザー処理方法。 - 【請求項2】非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素
を導入する工程と、 600℃以下の温度で加熱処理を施し前記非晶質珪素膜
を結晶化させる工程と、 該工程において結晶化された珪素膜に対してレーザー光
を照射する工程と、 を有し、 前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理
時の温度の±100℃以内に保たれていることを特徴と
するレーザー処理方法。 - 【請求項3】請求項1または請求項2において、レーザ
ー光の照射によって、加熱処理によって結晶化された珪
素膜の結晶性がさらに助長されることを特徴とするレー
ザー処理方法。 - 【請求項4】請求項1または請求項2において、結晶化
を助長する金属元素として、Fe、Co、Ni、Ru、
Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Zn、Ag、A
uから選ばれた一種または複数種類のものが用いられる
ことを特徴とするレーザー処理方法。 - 【請求項5】非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素
を導入する工程と、 加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程
と、 該工程で結晶化された珪素膜の少なくとも一部に不純物
イオンの注入を行う工程と、 前記不純物イオンが注入された領域にレーザー光を照射
する工程と、 を有し、 前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理
時の温度の±100℃以内に保たれていることを特徴と
するレーザー処理方法。 - 【請求項6】非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素
を導入する工程と、 加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程
と、 該工程で結晶化された珪素膜の少なくとも一部に不純物
イオンの注入を行う工程と、 前記不純物イオンが注入された領域にレーザー光を照射
する工程と、 を有し、 前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理
時の温度の±100℃以内に保たれていることを特徴と
するレーザー処理方法。 - 【請求項7】請求項5または請求項6において、レーザ
ー光の照射によって、加熱処理によって結晶化された珪
素膜の結晶性がさらに助長されることを特徴とするレー
ザー処理方法。 - 【請求項8】請求項5または請求項6において、結晶化
を助長する金属元素として、Fe、Co、Ni、Ru、
Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Zn、Ag、A
uから選ばれた一種または複数種類のものが用いられる
ことを特徴とするレーザー処理方法。 - 【請求項9】結晶化を助長する金属元素が導入された非
晶質珪素膜に対して、線状のビーム形状を有するレーザ
ー光を前記非晶質珪素膜の一方から他方に向かって順次
移動させて照射し、レーザー光が照射された領域を順次
結晶化させる方法であって、 前記レーザー光の照射は、非照射面の温度を450℃以
上の温度に加熱して行われることを特徴とするレーザー
処理方法。 - 【請求項10】請求項9において、結晶化を助長する金
属元素として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、
Os、Ir、Pt、Cu、Zn、Ag、Auから選ばれ
た一種または複数種類のものが用いられることを特徴と
するレーザー処理方法。 - 【請求項11】請求項9において、結晶化を助長する金
属元素は、非晶質珪素膜の所定の領域に選択的に導入さ
れていることを特徴とするレーザー処理方法。
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