JP3901474B2 - 吸気プリクリーナ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気プリクリーナ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、図5及び図6に示される如く、トラック等の車両1の場合、該車両1のキャブ2後面における左右方向一側下部に、図示していないエンジンに空気を供給するエアクリーナ3を配置し、該エアクリーナ3に対し接続されるよう吸気ダクト4を立設し、該吸気ダクト4の上端部に吸気フード5を被せ、これにより、雨等の水が吸気ダクト4内に侵入することを防止しつつ、空気を吸気フード5の下面側に形成された開口部から吸い込んでUターンさせるように吸気ダクト4へ導き、エアクリーナ3で濾過し、清浄な空気としてエンジンへ供給するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図5及び図6に示されるような、吸気フード5を被せた吸気ダクト4の構造では、降雨に対する水の吸い込み防止性に優れ、且つ構造もシンプルであるというメリットを有しているものの、Uターン吸気のため、吸気抵抗が大きく、エンジン性能に影響を及ぼすと共に、走行時に他車が吹き上げたスプラッシュミストが侵入しやすいというデメリットがあった。
【0004】
このため、本発明者等は、図7及び図8に示される如く、車両1のエンジンに空気を供給するエアクリーナ3に接続されるよう立設された吸気ダクト4の側面(図7及び図8の例では車両1の後面側)に大きな吸込口6を開口せしめ、該吸込口6に、空気中に含まれるダスト及び水等の異物を分離捕集するプリクリーナ7を配設し、これにより、吸気抵抗を低減させ、エンジン性能向上を図ると共に、吸気ダクト4内へのダスト及び水等の異物の侵入を防いでエンジンの信頼性向上を図る吸気プリクリーナ構造の開発を進めていた。
【0005】
前記プリクリーナ7は、図9及び図10に示される如く、表面が開口された箱状のハウジング部8と、該ハウジング部8の開口を覆うように一体に組み付けられるウィング部9とを備えてなり、吸気ダクト4の吸込口6に、ウィング部9が一体に組み付けられたハウジング部8を嵌め込むようになっている。
【0006】
前記ハウジング部8の吸気ダクト4内側に位置する壁面8aには、左右に複数列(図9の例では二列)で上下に複数段(図9の例では五段)の軸方向両端が開口したインナパイプ10が略水平に配置されている。
【0007】
前記ウィング部9におけるインナパイプ10の対応箇所には、軸方向両端が開口し且つ口径がインナパイプ10の口径よりも大径のアウタパイプ11が、インナパイプ10に対し同心状に配置されている。
【0008】
前記アウタパイプ11の空気入口側先端部には、外部に向いた部分が半球状に形成された円筒状のガイド部材12が同心状に配置され、ガイド部材12外周とアウタパイプ11内周とは、円周方向へ所要のピッチで配置した複数(図9の例では八枚)の羽根13により接続されて旋回流形成体14が形成されている。旋回流形成体14は羽根13の間を通ってアウタパイプ11内に導入される空気に旋回流を生じさせるためのもので、例えば、羽根13は捩りを与えられた扇形の形状になっている。
【0009】
而して、図9及び図10に示されるプリクリーナ7では、各アウタパイプ11、アウタパイプ11とガイド部材12との間に設けた羽根13により形成された旋回流形成体14、インナパイプ10により、左右に二列で上下に五段、合計十組の分離捕集部15が形成され、該各分離捕集部15で分離捕集されたダスト及び水等の異物がハウジング部8の底部に集められるようになっており、前記ウィング部9の下端部には、ハウジング部8の底部に集められたダスト及び水等の異物を外部へ排出するための排水口16が形成されている。
【0010】
前述の如きプリクリーナ7においては、エンジンの駆動時には、空気はウィング部9の各分離捕集部15における旋回流形成体14の羽根13の間に流入して羽根13により旋回力を付与され、旋回流となってアウタパイプ11内へ導入される。このため、空気に同伴されているダスト及び水等の異物は、遠心力によりアウタパイプ11の内周に沿い、該アウタパイプ11の空気流れ方向下流端からハウジング部8内に流出し、該ハウジング部8の底部に集められて、排水口16から外部へ排出される。
【0011】
アウタパイプ11内でダスト及び水等の異物を除去された空気は、インナパイプ10を通って吸気ダクト4内に導入され、下方へ向かい、エアクリーナ3で更に濾過され、清浄な空気としてエンジンへ供給される。
【0012】
しかしながら、図9及び図10に示されるプリクリーナ7のように、アウタパイプ11のハウジング部8における壁面8aに対向している側を開口させ且つ該壁面8aとの間に隙間を形成するだけでは、ダスト及び水等の異物がハウジング部8内に流出しにくく、アウタパイプ11内にダストが堆積したり水が溜まったりする虞があった。
【0013】
本発明は、斯かる実情に鑑み、アウタパイプ内からのダスト及び水等の異物の排出性を向上し得る吸気プリクリーナ構造を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表面が開口された箱状で且つ複数のインナパイプが水平方向へ延びるよう形成されるハウジング部と、該ハウジング部のインナパイプと同心状に配設される複数の軸方向両端が開口したアウタパイプが形成され且つハウジング部の開口を覆うように一体に嵌合されるウィング部とを備えてなるプリクリーナを、車両のエンジンに空気を供給するエアクリーナに接続されるよう立設された吸気ダクトの側面に開口する吸込口に組み込み、
空気をアウタパイプ内に旋回流として導入し、空気中に含まれる異物を遠心力により分離捕集し、異物が分離捕集された空気をインナパイプから吸気ダクト内に導くよう構成した吸気プリクリーナ構造であって、
アウタパイプとハウジング部における壁面との間に隙間を形成し、アウタパイプの下部に、軸方向へ延在し且つ壁面側端部が開口したスリットを、アウタパイプの中心を通る垂線に対し空気の旋回方向へ角度θ≒10°だけ位相をずらして形成すると共に、該空気の旋回方向上流側におけるスリットの軸方向へ延在する縁部をアウタパイプ外周側へ変形させることにより、異物排出補助部を形成したことを特徴とする吸気プリクリーナ構造にかかるものである。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0019】
エンジンの駆動時には、空気がアウタパイプ内に旋回流として導入され、空気中に含まれるダスト及び水等の異物は、遠心力によりアウタパイプの内周に沿い、スリット並びにアウタパイプの空気流れ方向下流端からハウジング部内に流出し、外部へ排出され、異物が分離捕集された空気はインナパイプから吸気ダクト内に導かれる。
【0020】
ここで、仮に、前記スリットを単なる切欠きとし、その縁部がアウタパイプの円弧に倣う形状として異物排出補助部を形成しなかった場合、ダスト及び水等の異物が旋回に伴う慣性によりスリットからハウジング部内に流出せずにそのまま旋回を続けてアウタパイプ内に留まる可能性もあるが、本発明においては、前記空気の旋回方向上流側におけるスリットの軸方向へ延在する縁部をアウタパイプ外周側へ変形させてなる異物排出補助部を形成してあるため、ダスト及び水等の異物がアウタパイプ内に留まることなく効率よく排出される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0022】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図7〜図10と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図7〜図10に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1〜図3に示す如く、アウタパイプ11とハウジング部8における壁面8aとの間に隙間を形成し、アウタパイプ11の下部に、軸方向へ延在し且つ壁面8a側端部が開口したスリット17を、アウタパイプ11の中心を通る垂線に対し空気の旋回方向へ所定の角度θだけ位相をずらして形成すると共に、該スリット17の軸方向へ延在する縁部に、異物排出補助部17aを形成した点にある。
【0023】
本図示例の場合、前記異物排出補助部17aは、空気の旋回方向上流側におけるスリット17の軸方向へ延在する縁部をアウタパイプ11外周側へ変形させることにより構成してある。
【0024】
尚、前記スリット17を形成する位置については、アウタパイプ11の中心を通る垂線に対し空気の旋回方向へθ≒10°だけ位相のずれた位置とすると、ダスト及び水等の異物が排出されやすくなることが確認されている。
【0025】
次に、上記図示例の作動を説明する。
【0026】
エンジンの駆動時には、空気がアウタパイプ11内に旋回流として導入され、空気中に含まれるダスト及び水等の異物は、遠心力によりアウタパイプ11の内周に沿い、スリット17並びにアウタパイプ11の空気流れ方向下流端からハウジング部8内に流出し、外部へ排出され、異物が分離捕集された空気はインナパイプ10から吸気ダクト4内に導かれる。
【0027】
ここで、仮に、前記スリット17を単なる切欠きとし、その縁部がアウタパイプ11の円弧に倣う形状として異物排出補助部17aを形成しなかった場合、ダスト及び水等の異物が旋回に伴う慣性によりスリット17からハウジング部8内に流出せずにそのまま旋回を続けてアウタパイプ11内に留まる可能性もあるが、本図示例においては、空気の旋回方向上流側におけるスリット17の軸方向へ延在する縁部をアウタパイプ11外周側へ変形させてなる異物排出補助部17aを形成してあるため、ダスト及び水等の異物がアウタパイプ11内に留まることなく効率よく排出される。
【0028】
こうして、アウタパイプ11内からのダスト及び水等の異物の排出性を向上し得る。
【0029】
前記異物排出補助部17aは、例えば、図4に示す変形例の如く、空気の旋回方向上流側におけるスリット17の軸方向へ延在する縁部をアウタパイプ11外周側へ変形させることにより構成してもよく、このようにした場合にも、前述と同様、ダスト及び水等の異物はアウタパイプ11内に留まることなく効率よく排出されるようになる。
【0030】
【0031】
尚、本発明の吸気プリクリーナ構造は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1記載の吸気プリクリーナ構造によれば、アウタパイプ内からのダスト及び水等の異物の排出性を向上し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する形態の一例の側断面図である。
【図2】 図1のII−II断面図である。
【図3】 図2のIII部拡大図である。
【図4】 本発明を実施する形態の変形例の拡大断面図であって、図2のIII部相当図である。
【図5】 従来の吸気ダクトが設けられた車両の側面図である。
【図6】 図5のVI−VI矢視図である。
【図7】 本発明者等によって開発が進められているプリクリーナを搭載した車両の側面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII矢視図である。
【図9】 図7に示されるプリクリーナの従来例を表わす正面図である。
【図10】 図9のX−X断面図である。
【符号の説明】
1 車両
3 エアクリーナ
4 吸気ダクト
6 吸込口
7 プリクリーナ
8 ハウジング部
8a 壁面
10 インナパイプ
11 アウタパイプ
14 旋回流形成体
15 分離捕集部
17 スリット
17a 異物排出補助部
Claims (1)
- 表面が開口された箱状で且つ複数のインナパイプが水平方向へ延びるよう形成されるハウジング部と、該ハウジング部のインナパイプと同心状に配設される複数の軸方向両端が開口したアウタパイプが形成され且つハウジング部の開口を覆うように一体に嵌合されるウィング部とを備えてなるプリクリーナを、車両のエンジンに空気を供給するエアクリーナに接続されるよう立設された吸気ダクトの側面に開口する吸込口に組み込み、
空気をアウタパイプ内に旋回流として導入し、空気中に含まれる異物を遠心力により分離捕集し、異物が分離捕集された空気をインナパイプから吸気ダクト内に導くよう構成した吸気プリクリーナ構造であって、
アウタパイプとハウジング部における壁面との間に隙間を形成し、アウタパイプの下部に、軸方向へ延在し且つ壁面側端部が開口したスリットを、アウタパイプの中心を通る垂線に対し空気の旋回方向へ角度θ≒10°だけ位相をずらして形成すると共に、該空気の旋回方向上流側におけるスリットの軸方向へ延在する縁部をアウタパイプ外周側へ変形させることにより、異物排出補助部を形成したことを特徴とする吸気プリクリーナ構造。
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