JP3901397B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
感光性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3901397B2 JP3901397B2 JP17600099A JP17600099A JP3901397B2 JP 3901397 B2 JP3901397 B2 JP 3901397B2 JP 17600099 A JP17600099 A JP 17600099A JP 17600099 A JP17600099 A JP 17600099A JP 3901397 B2 JP3901397 B2 JP 3901397B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- photosensitive resin
- parts
- film
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CCC(C)(CC)c1cc(Oc2cc([U-]c3cccc(*c(cc(cc4)-c(cc5)cc([*-])c5C(O)=O)c4C(O)=O)c3)ccc2)ccc1 Chemical compound CCC(C)(CC)c1cc(Oc2cc([U-]c3cccc(*c(cc(cc4)-c(cc5)cc([*-])c5C(O)=O)c4C(O)=O)c3)ccc2)ccc1 0.000 description 1
Landscapes
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアミド酸を主成分とする感光性樹脂組成物に関する。より詳しくは本発明は特定の構造を有するポリイミドの前駆体であるポリアミド酸に、特定の構造を有する(メタ)アクリレート化合物、特定の構造を有するアクリルアミド化合物、光重合開始剤を特定の比率で配合した、アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物であり、液状レジストインキ組成物、カバーコート剤、多層プリント基板用絶縁膜に適する。また硬化物は良好な耐熱性、接着性、電気特性、更には良好な伸び特性を有し、可とう性回路基板等の製造に最適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板は、スクリーン印刷法でエッチングレジストまたはメッキレジストパターンを形成した後、金属箔のエッチングまたはめっきを施し、所望の導体回路パターンを形成していた。この導体回路パターンの酸化防止や絶縁性を維持する目的から熱硬化性の樹脂組成物または光硬化性の樹脂組成物を導体回路形成時と同様に、スクリーン印刷法を用いて目的とする形状の皮膜を形成していた。最近では、パターン密度を高めるために導体回路の微細化が進んでいる。このことから導体回路形成時のエッチングまたはめっきレジストもフォト法を用いて形成することが広く用いられている。
【0003】
フォト法で形成したエッチングまたはめっきレジストパターンは、スクリーン印刷法に比べて位置精度や寸法精度が一段と高まっている。導体回路パターンの微細化と位置精度の向上と、更に実装部品の小型化、ICパッケージのリードのファインピッチ化に依って、ソルダーレジスト皮膜等の絶縁皮膜形成も画像精度や位置精度の向上を必要とされていた。従って、近年では、精度良く皮膜形成ができる方法として上記フォト法を用いて、ソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜を形成する方法が広く使用されるようになった。
【0004】
上記フォト法では、所望の大きさに感光性樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて乾燥して、感光性皮膜を形成する。この感光性皮膜にネガのフォトマスクを乗せて、紫外線等の活性光線で、露光焼き付けを行う。フォトマスクの透明部分を透過した活性光線が感光性皮膜を硬化させる。未露光部分は、現像で剥離して、感光性皮膜を除去する。上記フォト法で形成した感光性皮膜は更に、熱硬化や活性光線で硬化して、ソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜に成るが、形成された画像は、フォトマスクに極めて近い精度で形成できるため、微細な画像や位置精度を容易に得ることができる。
【0005】
しかしながら、この方法は、後に現像工程を必要とする。現像では、未露光部の未硬化部分を有機溶剤で溶解剥離することで除去していた。溶剤は、1,1,1−トリクロロエタン等の毒性の強い溶剤または可燃性の溶剤が一般的に使用されていて、作業安全性の面からアルカリ水溶液を現像液としたフォトソルダ−レジストが望まれていた。そこで、アルカリ水溶液現像型のフォトソルダ−レジストの研究が近年盛んとなり、幾つかの組成物については開示されている。
【0006】
例えば、特公昭56−40329公報には、エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を付加させ更に多塩基酸無水物を付加させて成る反応生成物をベ−スポリマ−とする感光性樹脂組成物が開示されている。特開昭61−243869公報には、それぞれノボラック型エポキシアクリレ−ト等に多塩基酸無水物を付加させた反応生成物をベ−スポリマ−とし、アルカリ水溶液を現像液とするフォトソルダ−レジスト組成物が開示されている。しかしながら、上記の組成物で得られるソルダ−レジスト皮膜は耐熱性、耐溶剤性や耐薬品性において不十分であり、絶縁性、誘電率に関する特性も十分とはいえない。また、可とう性に乏しいために、可とう性回路基板には適用できない。
【0007】
また、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を加熱処理することによって得られるポリイミドが、その優れた耐熱性、誘電特性から、ICの保護膜、層間絶縁膜として使用されており、さらに、露光、現像により直接パターンが形成できる感光性ポリイミド前駆体が提案されている(特開昭60−228537公報、特開昭59−52822号公報)。
【0008】
しかしながら、これらの感光性ポリイミドは、現像に有機溶剤が使用されており、作業安全の観点から、アルカリ水溶液で現像できる感光性ポリイミドが望まれている。
また、上記感光性ポリイミドは、銅箔等の導体との接着力が不十分であり、十分な接着力を得るためには、導体表面を粗化するなどの、なんらかの処理が必要である。更には、可とう性回路基板に適用できるだけの十分な硬化皮膜の伸びにも欠ける。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液で現像することができるとともに、露光による画像の焼き付け時に十分に硬化した皮膜を得ることができ、現像後の熱処理によるイミド化後の皮膜特性として、優れた耐熱性、導体との接着性、電気特性、更には良好な伸び特性により、可とう性を発現し、フォトソルダーレジスト、可とう性回路基板のカバーコート剤に適した感光性樹脂組成物を提供することである。
また、これらの感光性皮膜により耐熱、耐酸化性、電気絶縁特性に優れた金属加工品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)(A)下記式(1)
【化3】
で表される繰り返し単位を有し、それの対数粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶媒、濃度0.5g/100ml、35℃で測定)が0.3〜1.0dl/gであるポリアミド酸100重量部に対して、
(B)アルコール性水酸基を含有し、少なくとも3つ以上の光重合可能なC−C不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物10〜100重量部と、C)ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物5〜100重量部と、(D)下記式(2)
【0011】
【化4】
(式中R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は水素原子、CH2またはCH2OHを表し、nは1又は2である。)
で表されるアクリルアミド化合物5〜50重量部と、
(E)光重合開始剤
を必須成分として配合せしめた感光性樹脂組成物、
(2)(1)に記載の感光性樹脂組成物を、含チッソ有機溶剤100部に対し、10〜1000部のグリコールエーテル系有機溶剤を含む混合溶剤で希釈してなる感光性樹脂組成物、および
(3)硬化後の皮膜の伸び率が20%以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物、および
(4)(1)〜(3)に記載の感光性樹脂組成物を金属、プラスチックまたはセラミックに塗布乾燥して形成してなる感光性皮膜を有する加工品、
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるポリアミド酸、すなわち、前記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、芳香族ジアミンとして1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを使用し、また芳香族二酸無水物として3,3' −4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を使用する。これらを、有機溶剤中、縮合させて製造することができる(特開昭61−143477号公報に記載)。 上記の縮合反応において、反応温度は通常10〜60℃、好ましくは20〜50℃であり、圧力は特に限定されず、常圧で十分行うことができる。反応時間は、使用する有機溶剤の種類、及び反応温度によりことなるが、通常、ポリアミド酸の生成が完了するに十分な時間、すなわち4〜24時間である。
【0013】
本発明において、上記のように得られるポリアミド酸の対数粘度は0.3〜1.0dl/gの範囲であることが必要である。ここで、対数粘度とは次の数式(1)
【数1】
(式中、lnは自然対数、ηは溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド100m中にポリアミド酸0.5gを溶かした溶液の35℃で測定した粘度、η0は該溶媒の35℃で測定した粘度、及びCは該溶媒100ml当たりポリアミド酸のgで表された重合体の溶液濃度である。)で算出した値である。
【0014】
このポリアミド酸の対数粘度が0.3dl/g未満では、ポリアミド酸の重合度が小さく、現像時、露光部の塗膜が十分な強度を得られない。一方、この対数粘度が1.0dl/gを越えると、ポリアミド酸の重合度が余りにも大きくなり、現像時、未露光部が溶解不良となる。この対数粘度は、芳香族ジアミンと芳香族二酸無水物のモル比を変えることにより、任意に調整できる。
【0015】
本発明に用いる溶剤は、含チッソ系有機溶剤である。含チッソ系有機溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチルー2−イミダゾリジノン等が挙げられる。本発明では、含チッソ系有機溶剤とグリコールエーテル系有機溶剤を併用することが好ましい。グリコールエーテル系有機溶剤としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。含チッソ系有機溶剤またはグリコールエーテル系有機溶剤は2種以上混合して使用することもできる。より好ましくは、上記含チッソ系有機溶剤とグリコールエーテル系有機溶剤の混合割合は、含チッソ系有機溶剤100重量部に対しグリコールエーテル系有機溶剤が10重量部〜1000重量部、更に好ましくは、20重量部〜500重量部の範囲である。グリコールエーテル系有機溶剤の量が10重量部未満では、アルカリ現像の際に、塗膜にクラックが生じる。
また、グリコールエーテル系有機溶剤の量が1000重量部を越えると、ポリアミド酸の溶解が困難になり好ましくない。
【0016】
本発明に用いる、アルコール性水酸基を含有し、少なくても3つ以上の光重合可能なC−C不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート等が挙げられるが、該ポリアミド酸との相溶性、また露光時の硬化性、更には、現像時のアルカリ水溶液への未露光部の溶解性から、ペンタエリスリトールトリアクリレートが最も好ましい。
【0017】
上記(メタ)アクリレート化合物の配合量は、該ポリアミド酸100重量部に対して10〜100重量部である。10重量部未満では、露光後の皮膜が十分に硬化せず、またアルカリ現像の際に、未露光部が完全に溶解せず現像残りを生じる。100重量部を越えると、該ポリアミド酸との相溶性が低下し、塗布、乾燥後に皮膜が白化する場合がある。更に、露光部の可とう性を損ない、露光後の皮膜の伸び率が著しく低下する。本発明に用いる、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物としては、つぎの式、式(3)〜式(8)で示される化合物が挙げられる。
【0018】
【化5】
(式中、nは2〜12である。)
【0019】
【化6】
(式中、nは2〜12である。)
【0020】
【化7】
(式中、nは2〜12である。)
【0021】
【化8】
(式中、nは2〜12である。)
【0022】
【化9】
(式中、nは2〜12である。)
【0023】
【化10】
(式中、nは2〜12である。)
上記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物の配合量は、該ポリアミド酸に対して5〜100重量部である。5重量部未満では、露光部の可とう性が十分でなく、露光後の皮膜の伸び率が低下する。100重量部を越えると、耐熱性が著しく損なわれる。
本発明に用いる、つぎの式(2)
【0024】
【化11】
(式中R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は水素原子、CH2またはCH2OHを表し、nは1又は2である。)
で表されるアクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド等が挙げられ、これらを単独もしくは2種以上混合して使用できる。
【0025】
上記アクリルアミド化合物を、該ポリアミド酸に対して5〜50重量部配合することにより、該ポリアミド酸とアクリレート化合物の相溶性が向上すると同時に、露光時の硬化性が向上し、低露光量での硬化が可能となり、解像性の向上も期待できる。5重量部未満では、硬化性が十分ではなく、50重量部を越えると析出が起こり、良好な皮膜が得られない。
【0026】
本発明に用いる光重合開始剤は公知のものであり、具体的にはベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシー2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシー4−イソプロピルー2−メチルプロピオフェノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、ジエチルチオキサントン、クロルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイル安息香酸、2−メチルー1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0027】
さらにベンゾインとエチレンオキサイドの等モル付加物や、2倍モル付加物から4倍モル付加物、ベンゾインとプロピレンオキサイドの等モル付加物や2倍モル付加物から4倍モル付加物、αーアリルベンゾイン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとエチレンオキサイドの等モル付加物、2倍モル付加物から4倍モル付加物、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとプロピレンオキサイドの等モル付加物、2倍モル付加物から4倍モル付加物、ベンゾイル安息香酸とエチレングリコール等モル反応物、ベンゾイル安息香酸とプロピレングリコール等モル反応物、ヒドロキシベンゾフェノンとエチレンオキサイドの等モル付加物、2倍モル付加物から4倍モル付加物、ヒドロキシベンゾフェノンとプロピレンオキサイドの等モル付加物、2倍モル付加物、4倍モル付加物、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルー(2−ヒドロキシー2−プロピル)ケトン、4−(2−アクロオキシエトキシ)−フェニルー(2−ヒドロキシー2−プロピル)ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルー(2−ヒドロキシー2−プロピル)ケトンとエチレンオキサイドの等モル付加物、2倍モル付加物から4倍モル付加物、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシー2−プロピル)ケトンとプロピレンオキサイドの等モル付加物、2倍モル付加物から4倍モル付加物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシー2−メチルプロパンー1−オン、1−(4−デシルフェニル)−2−ヒドロキシー2−メチルプロパンー1−オン等が挙げられる。これらは1種または2種以上混合して使用する。また公知光重合開始助剤を併用してもよい。これら光重合開始助剤として具体的には、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、プロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。
上記光重合開始助剤は1種または2種以上混合して使用する。上記光重合開始剤の感光性樹脂組成物の固形分総量に対する配合量は0.1wt%〜20wt%、より好ましくは1.0wt%〜10wt%である。
【0028】
該感光性樹脂組成物を使用して、金属、金属積層板やセラミック板の表面にソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜を形成する方法は、既に公知のロールコーターやスクリーン塗布、バーコーター等を用いて容易に塗布することができる。塗布した感光性樹脂組成物は、有機溶剤を揮発させることで感光性皮膜となるが、乾燥も公知の方法でよく、例えば、熱風乾燥機や遠赤外線、近赤外線等の乾燥機を用いて50〜150℃で10から60分乾燥することで感光性皮膜を形成することができる。感光性皮膜の膜厚は、5〜200μm が適当で、好ましくは15〜100μm である。膜厚が5μm に満たないと、絶縁信頼性が乏しく、200μm を越えると露光感度の低下を招き、現像時間がかかるので好ましくない。 また、本発明の感光性樹脂組成物は、ソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜の形成材料となるばかりでなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の無色透明なフィルムに塗布乾燥することで、感光性フィルムを得ることができる。上記感光性フィルムは、上記した膜厚10〜100μm のフィルムに、リバースロールコーターやグラビアロールコーター、コンマコーター、カーテンコーター等の、公知の方法で塗布することができる。乾燥は、熱風乾燥や遠赤外線、近赤外線を用いた乾燥機で温度50〜120℃で乾燥でき、より好ましくは60〜100℃で10〜60分乾燥することにより、感光性フィルムを得ることができる。この際の感光性樹脂組成物の膜厚は、5〜200μm であり、より好ましくは15〜100μm である。膜厚が5μm に満たないと、絶縁信頼性に欠け、200μm を越えると露光感度の低下を招き、現像に時間がかかるので好ましくない。
【0029】
なお、上記感光性フィルムを用いて、ソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜を得るには、平板プレスやロールプレス等の公知の方法により、40〜150℃に加熱しながら、98kPa〜490kPa(1〜5Kgf/cm2)で熱圧着することで感光性皮膜を金属板、金属積層板やセラミック板の表面に形成することができる。 このようにして、感光性皮膜は、通常のフォトマスクを用いて露光される。この際に使用される活性光線としては、例えば、紫外線、電子線、X線等が挙げられるが、これらの中でより好ましくは紫外線であり、その光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ等が挙げられる。露光後、現像液を使用して現像を行う際には、浸漬法やスプレー法を用いることができる。
現像液としては、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液が使用される。現像後は、希塩酸、希硫酸等の酸性水溶液でリンスすることが望ましい。現像によって得られたパターンは、その後、加熱処理することによって、ポリイミドのパターンに変換される。加熱処理は、150〜450℃の温度のもとで、0.1〜5時間、連続的または段階的に行われる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
〔合成例1〕 (ポリアミド酸PA1)
反応器(攪拌機、還流冷却器および窒素導入管付き)中、窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド135g、ジエチレングリコールジメチルエーテル135gに1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン53.29g(0.1825モル)を溶解し、これを攪拌しながら、3,3' −4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物53.214g(0.1810モル)を乾燥固体のまま少量ずつ添加した。この間、反応器の温度を25〜30℃に保ち、添加後20時間、窒素雰囲気下で攪拌を継続し、固形分30%のポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の対数粘度を表1に示す。
【0032】
〔合成例2〕 (ポリアミド酸PA2)
合成例1の3,3' −4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のかわりに、ピロメリット酸二無水物を用いた以外は、合成例1と全く同様に操作し、ポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の対数粘度を表1に示す。
【0033】
〔合成例3〕 (ポリアミド酸PA3)
合成例1の1,3ービス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンのかわりに、4,4' −ジアミノジフェニルエーテルを用いた以外は、合成例1と全く同様に操作し、ポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の対数粘度を表1に示す。
【0034】
〔合成例4〜5〕 (ポリアミド酸PA4〜5)
合成例1の3,3' −4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の量を44.1g(0.15モル)(PA4)または、53.655g(0.1825モル)(PA5)に変える以外は、合成例1と全く同様に操作し、2種ポリア ミド酸を得た。このポリアミド酸の対数粘度を表1に示す。
【0035】
〔合成例6〕 (ポリアミド酸PA6)
合成例1の有機溶剤全量をN,N−ジメチルアセトアミド270gに変えた以外は、合成例1と全く同様に操作し、ポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の対数粘度を表1に示す。
【0036】
【表1】
上記合成例で示したポリアミド酸を用い、本発明の感光性樹脂組成物の実施例を以下に示す。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
上記の感光性樹脂組成物を調整して、導体回路パターンを描いたプリント配線板に、ドクターブレードを用い均一に塗布した。その後、80℃で40分間乾燥して、試験用のサンプルを作成した。また、厚み1mmの金属板および1オンスの銅箔光沢面に塗布乾燥して、テストサンプルとした。乾燥した塗布膜厚は、導体回路上および金属板上および銅箔光沢面上で20〜25μm の感光性皮膜が得られるよう調整した。
【0047】
次に、所望のフォトマスクを用いて3kwの超高圧水銀灯にて、感光性皮膜に500mj/cm2 の光量が照射できるように露光した。
露光した感光性皮膜を1.0wt%の水酸化ナトリウム水溶液で30℃に調節 した現像液に50秒間浸漬して現像を行った。実施例1〜2および比較例1〜2、6〜7では、未露光部は容易に現像液で剥離され所望の画像が得られた。なお比較例3では露光部が現像液に全て溶解し画像が得られなかった。比較例4では未露光部が現像液に溶解せず、画像を得ることができなかった。比較例5および8では、所望の画像が得られたものの、塗膜にクラックを生じた。実施例1〜2および比較例1〜2、6〜7を250℃、10分間加熱処理することにより、塗膜をポリイミドに変換せしめた。
上記のポリイミドに変換せしめたテストサンプルを、以下の方法を用い各評価 を行った。
評価1:鉛筆硬度試験は、(JIS K−5405)に記載の方法で行った。
評価2:クロスカット後の密着性は、(JIS K−5405)に記載の方法で行った。
評価3:耐溶剤性試験は、(JIS K−5405)に記載のクロスカットを入れた後、室温のアセトンに12時間浸漬し、碁盤目の残量を測定した。
評価4:耐薬品性試験は、(JIS K−5405)に記載のクロスカットを入れた後、60℃の10wt%の塩酸水溶液に12時間浸漬し、碁盤目の残量を測定した。
評価5:耐薬品性試験は、(JIS K−5405)に記載のクロスカットを入れた後、60℃の10wt%の水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬し、碁盤目の残量を測定した。
評価6:感光性皮膜でソルダーレジストパターンを形成した銅箔積層板を、60℃−95%RHの環境下で100時間放置した。このサンプルを280℃で溶融したはんだに20秒間浸漬して銅箔とソルダーレジスト皮膜の剥離や膨れの有無を確認した。
評価7:0.2mm銅板上に形成したテストサンプルにおいて、90°の角度の折り曲げ試験を行い、皮膜のクラックの有無を確認した。
評価8:1オンス、圧延銅箔光沢面上に形成したテストサンプルにおいて、その後、銅箔を2mm幅にエッチングし、皮膜と二mm幅銅箔とを、角度90°で引き剥がした時の強度をPeel強度(Kg/cm)で示した。
評価9:1オンス、圧延銅箔光沢面上に形成したテストサンプルにおいて、その後、銅箔を全面エッチングし皮膜のみのテストサンプルを作成した。これを幅15mm、長さ150mmの試験片に切断し、引っ張り伸度試験を行った時の皮膜の伸び率(%)を示した。
【0048】
実施例1〜2および比較例1〜8の評価結果を表2に示す。この評価結果から、実施例1〜2においては、アルカリ水溶液で現像することが可能で導体との接着性、屈曲性、耐薬品性、皮膜の伸び性に優れ、さらに、はんだ耐熱性で剥離や膨れが発生しない。比較例1においては、皮膜の伸び率が著しく低かった。比較例2においては、導体との接着性が十分ではない。比較例6においては、皮膜の伸び率が低かった。比較例7においては、耐熱性が低く、はんだ浸漬後に剥離を生じた。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明による感光性樹脂組成物からなる絶縁皮膜およびソルダーレジスト皮膜は、表2からも分かるように、アルカリ水溶液で現像することができる。またポリアミド酸を主成分とすることで、このポリアミド酸に対応するポリイミド自体が有する、優れた耐熱性、加工性、電気特性、可とう性を発現させることができ、プリント配線板の絶縁皮膜形成材料に最適である。また、該ポリアミド酸は特定の構造を有することにより熱可塑性を示し、金属箔等の導体に対して、強い接着力を持ち、更には特定の(メタ)アクリレート化合物、特定のアクリルアミド化合物を配合することにより、良好な皮膜の伸び性を持つことから、多層プリント配線板の層間絶縁材料、可とう性回路基板のカバーコート材料として、優れた性能が期待できる。
Claims (4)
- (A)下記式(1)
(B)アルコール性水酸基を含有し、少なくとも3つ以上の光重合可能なC−C不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物10〜100重量部と、
(C)ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物5〜100重量部と、
(D)下記式(2)
で表されるアクリルアミド化合物5〜50重量部と、
(E)光重合開始剤
を必須成分として配合した感光性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の感光性樹脂組成物を、含チッソ有機溶剤100部に対し、10〜1000部のグリコールエーテル系有機溶剤を含む混合溶剤で希釈してなる感光性樹脂組成物。
- 硬化後の皮膜の伸び率が20%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜3に記載の感光性樹脂組成物を金属、プラスチックまたはセラミックに塗布乾燥して形成してなる感光性皮膜を有する加工品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17600099A JP3901397B2 (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | 感光性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17600099A JP3901397B2 (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | 感光性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001005182A JP2001005182A (ja) | 2001-01-12 |
JP3901397B2 true JP3901397B2 (ja) | 2007-04-04 |
Family
ID=16005968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17600099A Expired - Fee Related JP3901397B2 (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | 感光性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3901397B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5233442B2 (ja) * | 2008-06-26 | 2013-07-10 | 日立化成株式会社 | 感光性樹脂組成物 |
JP2010016097A (ja) * | 2008-07-02 | 2010-01-21 | Fujikura Ltd | プリント配線板の製造方法 |
JP5492793B2 (ja) * | 2011-01-06 | 2014-05-14 | 日本化薬株式会社 | ポリアミドアミック酸、ポリアミドイミド及び感光性樹脂組成物 |
JP5869458B2 (ja) * | 2012-09-27 | 2016-02-24 | 新日鉄住金化学株式会社 | ポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物、積層体、回路基板、その使用方法、積層体の製造方法及び回路基板の製造方法 |
WO2018154688A1 (ja) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | 日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社 | 樹脂組成物、硬化物、パターン硬化物、硬化物の製造方法、層間絶縁膜、表面保護膜及び電子部品 |
CN115011172A (zh) * | 2022-06-23 | 2022-09-06 | 北京大华博科智能科技有限公司 | 一种可喷印绝缘结构墨水 |
-
1999
- 1999-06-22 JP JP17600099A patent/JP3901397B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001005182A (ja) | 2001-01-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101744211B1 (ko) | 카르복실기 함유 수지, 솔더 레지스트용 수지 조성물, 및 카르복실기 함유 수지의 제조 방법 | |
JPH0288615A (ja) | 難燃性液状感光性樹脂組成物 | |
JP3134037B2 (ja) | メラミンの有機酸塩を用いた熱硬化性もしくは光硬化性・熱硬化性コーティング組成物 | |
JP2017116652A (ja) | 感光性樹脂組成物、それを用いたドライフィルム、プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法 | |
JP2021032916A (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージ、並びに多層プリント配線板の製造方法 | |
JP3901397B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
TW201842407A (zh) | 感光性樹脂組成物 | |
JP3444795B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP3901398B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPH101596A (ja) | 多層プリント配線板用層間電気絶縁材料 | |
JP2018163207A (ja) | 感光性樹脂組成物、それを用いたドライフィルム、プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法 | |
JP5100716B2 (ja) | ネガ型感光性樹脂組成物及びそれを用いたポリイミド樹脂膜、フレキシブルプリント配線板 | |
JP2005316131A (ja) | 感光性樹脂組成物及び感光性ドライフィルムレジスト、並びにこれを用いたプリント配線板 | |
JP3444796B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP6603155B2 (ja) | ソルダーレジストパターンの形成方法 | |
JPH1152570A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP4316093B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP3274545B2 (ja) | 液状感光性樹脂組成物 | |
JP4238100B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびそれを用いた加工品 | |
JP3807789B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPH1152569A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP7457614B2 (ja) | ソルダーレジストパターンの形成方法 | |
JPH10104831A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP2695359B2 (ja) | 感光性樹脂組成物及び用途 | |
TWI704174B (zh) | 硬化性樹脂組成物、乾膜、硬化物以及印刷配線板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040528 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061010 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061226 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061226 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140112 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |