JP3901335B2 - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関のシリンダブロックに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ウェット式のシリンダライナが用いられるシリンダブロックは、シリンダライナの外周にウォータジャケットが形成され、ウォータジャケットにはシリンダ配列方向に沿ってウォータジャケット外壁に設けられた冷却水通路より冷却水が導入されるようになっている。
【０００３】
また、このようなシリンダブロックに、ウォータジャケット外壁の外側にさらに外壁が形成され、その間の空間を通してシリンダヘッド側からのオイルをオイルパン側へ戻すようにしたものが考えられている（実開平６ー６３８２５号）。また、特開平９ー２０９８２１号、６ー６６１９９号公報等も知られているが、これらはいずれもドライ式ライナを用いたシリンダブロックの技術で本願とは無関係である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような実開平６ー６３８２５号に開示のシリンダブロックは、片側は、ウォータジャケット外壁の外側にさらに外壁が設けられているため、エンジンの騒音が低減されるが、もう片側は、ウォータジャケット外壁がブロック外壁となっていたため、その分エンジンの騒音が放出されてしまうという問題がある。
【０００５】
この発明は、このような問題点を解決することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
第１の発明は、挿着されるウェット式のシリンダライナの周囲にウォータジャケットが形成される内燃機関のシリンダブロックにおいて、シリンダブロックの両側面に、シリンダ配列方向に沿うウォータジャケット外壁の外側にそれぞれブロック外壁を形成して、シリンダブロックの両側のウォータジャケット部位全面を二重壁構造とすると共に、一方のウォータジャケット外壁とブロック外壁との間をウォータジャケットへの冷却水通路空間とし、他方のウォータジャケット外壁とブロック外壁との間をシリンダヘッド側からのオイルを戻すオイル戻し空間とし、前記冷却水通路空間は、機関の排気経路側に設ける。
【０００８】
【発明の効果】
第１の発明によれば、エンジン音の遮音性が向上し、エンジン騒音を十分に低減できる。また、ウォータジャケット外壁の外側にさらにブロック外壁を設け、二重壁構造としたので、全体として剛性も高まり、振動の低減も図れる。
【０００９】
また、シリンダブロックの排気の排出側にある熱負荷の大きい部位の良好な冷却性を確保できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１１】
図１〜図３は、ディーゼルエンジンのシリンダブロック１０を示すものである。
【００１２】
シリンダブロック１０には、ブロック前後方向に各シリンダが配列されるように、ブロック上面にそれぞれウェット式のシリンダライナ１１の挿入口１２が形成され、挿入された各シリンダライナ１１は、それぞれ挿入口１２および内方の環状部１３，１４に支持される。
【００１３】
それぞれシリンダライナ１１の回りには、挿入口１２の開口端から環状部１４にかけて形成されたウォータジャケット外壁１５によって、それぞれシリンダライナ１１の外周にウォータジャケット１６が形成される。隣合うシリンダの間のウォータジャケット外壁１５は一体に形成される。
【００１４】
そして、このシリンダブロック１０の両側面に、シリンダ配列方向に沿うウォータジャケット外壁１５の外側にそれぞれブロック外壁１７，１８が形成され、二重壁構造に形成される。
【００１５】
この片側のウォータジャケット外壁１５とブロック外壁１７との間はウォータジャケット１６への冷却水通路空間１９に、もう片側のウォータジャケット外壁１５とブロック外壁１８との間はシリンダヘッド側からのオイルを戻すオイル戻し空間２０に形成される。
【００１６】
冷却水通路空間１９は、各シリンダの排気の排出側（排気経路側）に形成される。冷却水通路空間１９のブロック外壁１７には、所定の位置にウォータポンプからの冷却水を冷却水通路空間１９に導く冷却水入口２１が設けられ、冷却水通路空間１９に面するウォータジャケット外壁１５には、冷却水通路空間１９に入った冷却水をそれぞれウォータジャケット１６に導く開口２２が形成される。図示しないが、シリンダブロック１０の冷却水通路空間１９ならびにウォータジャケット１６の上部には、冷却水通路空間１９内ならびにウォータジャケット１６内の冷却水をシリンダヘッド側に送る導孔が形成される。
【００１７】
オイル戻し空間２０は、各シリンダの吸気の吸入側（吸気経路側）に形成される。シリンダブロック１０のオイル戻し空間２０の上部には、図示しないがシリンダヘッド側からのオイルを落とすオイル落とし孔が形成され、オイル戻し空間２０の下部には、オイル戻し空間２０に入ったオイルをオイルパン側に逃すオイル逃がし孔２３が形成される。
【００１８】
なお、図中２５はクランク軸の軸受部、２６はスカート部、２７，２８はオイルギャラリ等を示す。
【００１９】
このように、シリンダブロック１０の両側面に、シリンダ配列方向に沿うウォータジャケット外壁１５の外側にそれぞれブロック外壁１７，１８を形成して、二重壁構造としたので、エンジン音が的確に遮音され、エンジン騒音が十分に低減される。また、ウォータジャケット外壁１５の外側にさらにブロック外壁１７，１８を設け、二重壁構造としたので、全体として剛性も高まり、振動の低減も図れる。
【００２０】
また、エンジンの排気経路側に冷却水が満たされる冷却水通路空間１９を形成したので、シリンダブロック１０の排気の排出側にあって熱負荷の大きい部位の良好な冷却性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態を示すシリンダ中心を通る断面図である。
【図２】シリンダ間の断面図である。
【図３】シリンダ列方向の横断面図である。
【符号の説明】
１０ シリンダブロック
１１ シリンダライナ
１５ ウォータジャケット外壁
１６ ウォータジャケット
１７，１８ ブロック外壁
１９ 冷却水通路空間
２０ オイル戻し空間
２１ 冷却水入口
２２ 開口
２３ オイル逃がし孔
Claims (1)
- 挿着されるウェット式のシリンダライナの周囲にウォータジャケットが形成される内燃機関のシリンダブロックにおいて、
シリンダブロックの両側面に、シリンダ配列方向に沿うウォータジャケット外壁の外側にそれぞれブロック外壁を形成して、シリンダブロックの両側のウォータジャケット部位全面を二重壁構造とすると共に、
一方のウォータジャケット外壁とブロック外壁との間をウォータジャケットへの冷却水通路空間とし、他方のウォータジャケット外壁とブロック外壁との間をシリンダヘッド側からのオイルを戻すオイル戻し空間とし、
前記冷却水通路空間は、機関の排気経路側に設けることを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08143998A JP3901335B2 (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 内燃機関のシリンダブロック |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08143998A JP3901335B2 (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 内燃機関のシリンダブロック |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11280537A JPH11280537A (ja) | 1999-10-12 |
| JP3901335B2 true JP3901335B2 (ja) | 2007-04-04 |
Family
ID=13746437
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08143998A Expired - Lifetime JP3901335B2 (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 内燃機関のシリンダブロック |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3901335B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AT501296B8 (de) * | 2004-12-23 | 2007-02-15 | Avl List Gmbh | Zylinder-kurbelgehäuse für eine brennkraftmaschine |
| JP5590848B2 (ja) * | 2009-10-07 | 2014-09-17 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関のシリンダブロック |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP08143998A patent/JP3901335B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11280537A (ja) | 1999-10-12 |
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