JP3901108B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱手段により加熱された給湯用の湯を貯える貯湯タンクを備える貯湯式給湯装置に関するものであり、特に、加熱手段の沸き上げ運転の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
貯湯タンク内に電気ヒータなどを設けて給湯用の湯を貯える電気温水式加熱手段を備える貯湯式給湯装置では、単位時間内に消費した給湯量に相当する給湯用の湯を貯湯タンク内に満たすために電気ヒータに電源を通電する沸き上げ時間Tを求める計算式として、T=V(T−T)/860×P×ζ(ここで、Vは貯湯タンクの容量、Tは沸き上げ温度、Tはタンク内平均温度、Pは、電気ヒータの容量、ζは加熱効率)の式があって、これにより、沸き上げ時間Tの算出が容易にできる。つまり、貯湯タンク内の貯湯水の温度を貯湯タンクの垂直方向に亘って設けられた温度センサなどによりタンク内の平均温度Tを検出することで、精度の良い電気ヒータの沸き上げ時間Tが算出できるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2858788号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加熱手段を冷媒圧縮機、凝縮用水熱交換器、膨張弁、および空気熱交換器などの冷凍サイクル部品からなるヒートポンプ式給湯手段を用いる貯湯式給湯装置によれば、高温の冷媒と貯湯タンク内の水とを熱交換する凝縮用水熱交換器の加熱効率ζは冷媒と熱交換する水の温度に応じて異なる。
【0005】
つまり、この種のヒートポンプ式給湯手段では、貯湯タンクから取水する貯湯水の温度が低いほど加熱効率ζが上昇し、貯湯水の温度がある温度を超えると急激に加熱効率ζが低下する特性を有している。このため、ヒートポンプ式給湯手段においては、上記、特許文献1の電気温水式加熱手段のように沸き上げ時間Tの算出が精度良く求めることができない問題がある。
【0006】
さらに、この沸き上げ時間Tは、電力料金設定が異なる複数の時間帯の中で料金設定が最も安い深夜時間帯が終了する直前の時刻に沸き上げ運転を終了する制御処理が行なわれるため、精度の良い算出が要求されるものである。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みたものであり、ヒートポンプ式給湯手段であっても、所定の加熱効率が得られる沸き上げ運転させることで、沸き上げ時間の予測が精度良く求められることを可能とした貯湯式給湯装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項3に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、給水源から水が給水側に供給され、貯湯側に給湯用の湯を貯える貯湯タンク(1)と、この貯湯タンク(1)内の貯湯温度を検出する複数の貯湯温度検出手段(33a〜33h)と、貯湯タンク(1)の給水側から取水し、加熱した湯を貯湯側に送り込んで沸き上げ運転する加熱手段(2)と、貯湯タンク(1)内を湯で満たすために必要な沸き上げ時間を算出する沸き上げ時間算出手段(240)と、この沸き上げ時間算出手段(240)により算出した沸き上げ時間に基づいて、料金設定が異なる複数の時間帯の中で料金設定が最も安い深夜時間帯が終了する直前の時刻に沸き上げが終了するような沸き上げ開始時刻を算出する沸き上げ開始時刻算出手段(250)とを有し、所定の沸き上げ温度に基づいて加熱手段(2)を制御する制御手段(200)とを備える貯湯式給湯装置において、
複数の貯湯温度検出手段(33a〜33h)により検出された貯湯温度に基づいて、貯湯タンク(1)内を複数の温度層に区分し、
沸き上げ時間算出手段(240)は、温度層毎に、貯湯温度に応じた最適な加熱能力が得られる沸き上げ流量から沸き上げ時間を算出し、温度層毎の沸き上げ時間を積算して沸き上げ時間を算出することを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、発明者らの研究によると、ヒートポンプ方式による加熱手段(2)においては、貯湯タンク(1)から取水する貯湯温度がある温度を超えると急激に加熱効率が低下するが、貯湯温度が高くなったときに冷媒側の高圧を上昇させるとともに、沸き上げ流量を増加させることで加熱効率を最適にすることができることを見出した。つまり、貯湯温度に応じて高温の冷媒と水とが熱交換する凝縮用水熱交換器に循環する沸き上げ流量を可変することで最適な加熱効率が得られることが分かった。
【0010】
そこで、本発明では、沸き上げ時間算出手段(240)を貯湯温度に応じた沸き上げ流量から沸き上げ時間を算出することにより、最適な加熱効率が得られる加熱手段(2)の沸き上げ運転ができるため、従来の電気ヒータと同様に貯湯タンク(1)内の貯湯温度を検出することで沸き上げ時間の算出が精度良くできる。
【0011】
また、貯湯タンク(1)内の貯湯温度に基づいて沸き上げ時間の算出が容易にできるため、従来の熱量算出手段より求める方式よりも簡素に求めることができる。
【0013】
また、貯湯温度を複数の温度層に区分し、その温度層毎に沸き上げ時間を求めて積算することにより、細分化することで沸き上げ時間の算出の精度がより高めることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、沸き上げ時間算出手段(240)には、温度層毎に算出された沸き上げ時間のうち、貯湯温度が高い側の沸き上げ時間に、その貯湯温度に応じた沸き上げ流量に可変させたときにおける加熱手段(2)の加熱能力に伴う加熱効率が考慮されていることを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、所定温度よりも高い貯湯温度のときは、概して加熱効率が低下してしまうが、貯湯温度が高いときほど沸き上げ流量を可変させて加熱効率の低下を防止することができるため、沸き上げ時間の算出が精度良くできる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、沸き上げ時間算出手段(240)には、温度層毎に算出された沸き上げ時間のうち、貯湯温度が低い側の沸き上げ時間に、加熱手段(2)の着霜に伴う加熱効率が考慮されていることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、ヒートポンプ方式の加熱手段(2)においては、特有の着霜による加熱効率の低下を持っているため、これを考慮することで、沸き上げ時間の算出算出がより精度良くできる。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の貯湯式給湯装置を図1ないし図5に基づいて説明する。図1は、貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。本実施形態の貯湯式給湯装置は、図1に示すように、1は耐食性に優れた金属製(例えば、ステンレス製)の貯湯タンクであり、外周部に図示しない断熱材が配置されており、高温の給湯用の湯を長時間に渡って保温することができるようになっている。貯湯タンク1は縦長形状であり、その底面には導入口11が設けられ、この導入口11には貯湯タンク1内に水道水を導入する給水経路である導入管12が接続されている。
【0020】
導入管12には温度検出手段である給水サーミスタ21が設けられており、導入管12内の温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。また、導入管12には導入される水道水の水圧が所定圧となるように調節するとともに、断水などにおける湯の逆流を防止する減圧逆止弁51が設けられている。そして、導入管12の給水サーミスタ21および減圧逆止弁51が設けられた位置より下流の給水分岐点12aと後述する混合弁16とはバイパス経路である給水配管15により繋がれている。
【0021】
一方、貯湯タンク1の最上部には導出口13が設けられ、導出口13には貯湯タンク1内の湯を導出するための給湯経路である導出管14が接続されている。なお、導出管14の経路途中には、逃がし弁53を配設した排出配管52が接続されており、貯湯タンク1内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、貯湯タンク1内の湯を外部に排出して、貯湯タンク1等にダメージを与えないようになっている。
【0022】
16は混合手段である混合弁であり、導出管14と給水配管15との合流点に配置されている。そして、混合弁16は開口面積比(導出管14に連通する湯側の開度と給水配管15に連通する水側の開度の比率)を調節することにより、導出管14からの湯と給水配管15からの水道水との混合比を調節できるようになっている。
【0023】
なお、混合弁16はサーボモータ等の駆動源により弁体を駆動して各経路の開度を調節する電動弁であり、後述する制御装置200からの制御信号により作動するとともに、作動状態を制御装置200に出力するようになっている。
【0024】
混合弁16の出口側には、混合湯経路である配管17が接続されている。この配管17は図示しない給湯水栓、シャワー水栓および浴槽等へ混合された給湯水を導く配管である。そして、配管17には温度検出手段である給湯サーミスタ71と給湯検出手段である流量カウンタ72が設けられており、給湯サーミスタ71は配管17内の温度情報を、流量カウンタ72は配管17内の流量情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。
【0025】
なお、流量カウンタ72が配管17内の水の流れを検出したときには、給湯水栓、シャワー水栓および浴槽等のいずれかで湯が使用されようとしているということである。このとき制御装置200は、給湯設定温度に応じて、まず給水サーミスタ21からの温度情報と後述する出湯サーミスタ32からの温度情報とから混合弁16の開口面積比を概略調節し、その後給湯サーミスタ71からの温度情報に基づいて給湯温度が設定温度となるように混合弁16の開口面積比を微細制御するようになっている。
【0026】
また、貯湯タンク1の下部には、貯湯タンク1内の水を吸入するための吸入口18が設けられ、貯湯タンク1の上部には、貯湯タンク1内に湯を吐出する吐出口19が設けられている。吸入口18と吐出口19とは循環回路20で接続されており、循環回路20の一部は加熱手段であるヒートポンプユニット2内に配置されている。
【0027】
この循環回路20のヒートポンプユニット2内に配置された部分には、図示しない凝縮用水熱交換器および給水ポンプが設けられており、吸入口18から吸入した貯湯タンク1内の水を高温冷媒との熱交換により加熱し、吐出口19から貯湯タンク1内に戻すことにより貯湯タンク1内の水を沸き上げることができるようになっている。
【0028】
また、図示しない給水ポンプは、図2(a)に示すように、吸入口18から吸入した貯湯タンク1内の水の温度(給水温度)に応じて沸き上げ流量を可変させるように制御している。詳しくは後述するが、ある給水温度を超えると順次沸き上げ流量を増加させて給水温度の上昇によるヒートポンプユニット2の加熱効率の低下を防止させたものである。
【0029】
なお、本実施形態の加熱手段であるヒートポンプユニット2は、図示しない圧縮機、凝縮用水熱交換器、減圧器、蒸発器などのヒートポンプサイクルを構成する冷媒機能部品からなる超臨界ヒートポンプである。この超臨界ヒートポンプとは、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクルを言い、例えば、二酸化炭素、エチレン、エタン、酸化窒素などを冷媒とするヒートポンプサイクルである。
【0030】
因みに、超臨界ヒートポンプによれば、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温(例えば、85℃〜90℃程度)の給湯水を沸き上げることができる。また、ヒートポンプユニット2は後述する制御装置200からの制御信号により作動するとともに、作動状態を制御装置200に出力するようになっている。
【0031】
次に、貯湯タンク1の上部外壁面には、貯湯タンク1内上部の水温を検出する出湯サーミスタ32が設けられており、導出口13から導出される水の温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。
【0032】
また、貯湯タンク1の外壁面には上部から計って貯湯量が20L、50L、100L、150L、200L、240L、300Lおよび350Lの位置に、その位置の湯の温度を検出する貯湯温度検出手段である水位サーミスタ33a〜33hが配設されている。なお、これらの水位サーミスタ33a〜33hは、後述する有効貯湯量を求めるための貯湯量センサとして機能して各水位レベルでの温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。
【0033】
なお、水位サーミスタ33hで検出される温度情報は、沸き上げ運転を行なうときの沸き上げ温度Tpを検出するものであって、この水位サーミスタ33hが沸き上げ温度Tpに達すると沸き上げ運転を終了させるための温度センサであって、ヒートポンプユニット2に吸入される吸入口18の近傍に設けられている。
【0034】
また、200は制御手段である制御装置であり、各サーミスタ21、32、33a〜33h、71からの温度情報、流量カウンタ72からの流量情報および操作手段である操作盤100に設けられた図示しない各種操作スイッチ等からの操作信号に基づいて、ヒートポンプユニット2、混合弁16等を制御するように構成されている。
【0035】
次に、上記構成による貯湯式給湯装置の作動を図3に基づいて説明する。図3は、本発明の要部である制御装置200の深夜時間帯における沸き上げ運転の制御処理を示すフローチャートである。この沸き上げ運転は、電力料金が異なる時間帯の中で、電力料金の最も安い時間帯である深夜時間帯(例えば、23:00)に達すると、その深夜時間帯(例えば、23:00〜翌朝7:00まで)において、例えば、前日の23時から当日の23時までの単位期間(例えば、一日)内に、給湯用に消費した使用熱量に相当する給湯用の湯を所定の沸き上げ温度Tになるまで沸き上げ運転するようになっている。
【0036】
まず、図示しない各種操作スイッチのうち、沸き上げ運転スイッチ(図示せず)を操作する。これにより、図3に示すように、制御装置200は沸き上げ運転の制御処理をスタートする(ステップ210)。
【0037】
そして、ステップ220にて、現在時刻が深夜時間帯(例えば、23:00)に達したか否かを判定する。時刻が23:00に達しておれば、ステップ230にて、現在の貯湯タンク1内の貯湯温度を水位サーミスタ33a〜33hにより読み込む。そして、次の沸き上げ時間算出手段であるステップ240にて、この温度情報に基づいてヒートポンプユニット2の沸き上げ時間を算出するものである。
【0038】
本実施形態では、この沸き上げ時間を二つ以上の温度層に区分してそれぞれの温度層における沸き上げ時間を求めて加算するようにしている。これを具体的な一例として図4および図5に基づいて説明する。図4は、水位サーミスタ33a〜33hの温度データより、貯湯タンク1の上部から貯湯量A(例えば、150L)、貯湯量B(例えば、130L)および貯湯量C(例えば、70L)までの3つの層に区分したものである。
【0039】
貯湯量Aの層は、水位サーミスタ33a〜33dの平均温度が図中に示すTwHであり、このTwHは、残湯ありと判定される中温水判定温度(例えば、60℃程度)である所定温度Bよりも高く、沸き上げ温度Tpである所定温度Aよりも低い温度である。また、貯湯量Bの層は、水位サーミスタ33d〜33gの平均温度が図中に示すTwMであり、残湯なしと判定される中温水判定温度(例えば、60℃程度)である所定温度Bよりも低く、貯湯量CのTwLよりも高い。さらに、貯湯量Cの層は、同じように、水位サーミスタ33g〜33hの平均温度が図中に示すTwLであり所定温度Bおよび貯湯量BのTwMよりも低い。従って、貯湯タンク1内の残湯の温度層が3層に区分されそれぞれの平均温度がTwL<TwM<TwHの関係となっている。
【0040】
ところで、このような場合には、貯湯量Cおよび貯湯量Bの温度層に相当する熱量の沸き上げ運転を行なうようになっており、その沸き上げ運転の沸き上げ時間の算出は、下記数式(1)ないし(3)に示すように、それぞれの温度層における沸き上げ時間を求めて加算させて算出する。
【0041】
【式1】 沸き上げ時間T=TB1+TB2
ただし、TB1:貯湯量Cにおける沸き上げ時間、TB2:貯湯量Bにおける沸き上げ時間である。
【0042】
【式2】TB1=貯湯量C×(TP−TwL)/定格加熱能力
【0043】
【式3】TB2=貯湯量B×(TP−TwM)×K1/定格加熱能力
ただし、TP:沸き上げ温度、K1:流量係数である。
【0044】
また、上記数式(2)、(3)に示す貯湯量Cおよび貯湯量Bの算出は、下記数式(4)ないし下記数式(6)により求める。なお、流量係数K1は、冷媒に二酸化炭素を用いるヒートポンプユニット2の場合には1〜2.5が望ましい。また、上記数式(3)に示すTwLは、ここでは水位サーミスタ33d〜33gの平均温度であったが、導入口11から水道水を給水しているため、前日23:00〜当日23:00の間に貯湯タンク1に給水される給水サーミスタ21により検出される給水温度の平均値でも良い。
【0045】
なお、上記数式(1)は、貯湯温度の温度形態が、図4に示すように、中温水判定温度(例えば、60℃程度)である所定温度BがTwMよりも高くてTwHよりも低いときであって、この所定温度Bが水位サーミスタ33a〜33hより検出したTwHよりも高いとき、つまり、貯湯タンク1内の貯湯温度のTwHが所定温度Bよりも低いときには、沸き上げ時間Tは、数式(1)の第1項のTB1のみ算出し、第2項のTB2側は算出しない。
【0046】
【式4】 貯湯量=最大貯湯量L−有効貯湯量Lt
ただし、最大貯湯量L:本実施形態では350Lである。
【0047】
【式5】 有効貯湯量(Lt1)=Lhi+(Thi−TS)×(Llo−Lhi)/(Thi−Tlo)
【0048】
【式6】 有効貯湯量(Lt2)=Lhi+(Llo−Lhi)/2
ただし、TS:貯湯判定温度であり有効貯湯量(Lt1)および有効貯湯量(Lt2)は、図5に示すように、水位サーミスタ33a〜33hの中から貯湯判定温度TSを二点間に含む水位サーミスタの組み合わせを検出するものであり、この二点間温度差≦20℃以下のときに上記数式(5)により、二点間温度差>20℃のときは.上記数式(6)により求めるようにしている。
【0049】
なお、上記数式(2)および数式(3)に示す定格加熱能力は、図2(a)に示すように、吸入口18から吸入した貯湯タンク1内の水の温度(給水温度)に応じて沸き上げ流量を可変させるようにして最適な加熱効率を得ることのできる能力である。因みに、貯湯量Cの領域の時は、給水温度がTwLに応じた沸き上げ流量とすることで最適な加熱能力が得られ、貯湯量Bの領域の時は、給水温度がTwMに応じた沸き上げ流量とすることで最適な加熱能力が得られるようにしてある。
【0050】
この流量特性は、発明者らの研究によって見出したものであって、ヒートポンプユニット2に吸入される給水温度が上昇したときは、図2(b)に示すように、冷凍サイクルにおける冷媒側の高圧を上昇させるとともに、図示しない凝縮用水熱交換器に流通される沸き上げ流量を図2(a)のように増加させることで加熱効率の低下を防止できるものである。ただし、この流量には上限値が規制されており最大沸き上げ流量GwMax以下とする。これにより、給水温度に応じて沸き上げ流量を可変させることで最適な加熱効率が得られる。
【0051】
次に、沸き上げ開始時刻算出手段であるステップ250にて、沸き上げ開始時刻の算出を行なう。これは、電力料金が最も安い深夜時間帯の終了する直前の時刻にヒートポンプユニット2の沸き上げ運転が終了するように沸き上げ開始時刻を求めるものである。具体的には、上記ステップ240で求めた沸き上げ時間Tが翌朝の7:00に終了するための沸き上げ開始時刻を算出する。
【0052】
そして、次のステップ260にて、沸き上げ開始時刻に達したか否かを判定して、沸き上げ開始時刻に達したときに、ステップ270にて、ヒートポンプユニット2の沸き上げ運転を行なう。そして、ステップ280にて、現在時刻が深夜時間帯の終了する7:00に達したか否かを判定してステップ290にて沸き上げ運転を終了させるものである。なお、この沸き上げ運転の終了は、ステップ280に判定される前に水位サーミスタ33hの検出温度が沸き上げ温度Tに達したときに優先的に終了するようにしてある。これにより、沸き上げ運転が深夜時間帯の終了する直前の時刻に終了される。
【0053】
以上の一実施形態の貯湯式給湯装置によれば、発明者らの研究によると、冷凍サイクル部品から構成されるヒートポンプユニット2では、貯湯タンク1から取水する貯湯温度がある温度を超えると急激に加熱効率が低下する。この貯湯温度が高くなったときに冷媒側の高圧を上昇させ、かつ沸き上げ流量を増加させることで加熱効率を最適にすることができることを見出した。つまり、貯湯温度に応じて高温の冷媒と水とが熱交換する水熱交換器に循環する沸き上げ流量を可変することで最適な加熱効率が得られることが分かった。
【0054】
そこで、本発明では、沸き上げ時間算出手段(ステップ240)を貯湯温度に応じた沸き上げ流量から沸き上げ時間Tを算出することにより、最適な加熱効率が得られる沸き上げ運転ができるため、従来の電気ヒータと同様に貯湯タンク1内の貯湯温度を検出することで沸き上げ時間の算出が精度良くできる。
【0055】
しかも、上記貯湯温度を少なくとも二層以上の温度層に区分し、それぞれの層の貯湯温度に応じて沸き上げ流量からそれぞれの沸き上げ時間を求めて加算することにより、細分化することで沸き上げ時間の算出の精度がより高めることができる。
【0056】
また、貯湯タンク1内の貯湯温度に基づいて沸き上げ時間の算出が容易にできるため、従来の熱量算出手段より求める方式よりも簡素に求めることができる。また、貯湯タンク1内の貯湯温度が所定温度よりも高いときには、概して加熱効率が低下してしまうが、貯湯温度が高いときほど沸き上げ流量を可変させて加熱効率の低下を防止することができるため、沸き上げ時間の算出が精度良くできる。
【0057】
(他の実施形態)
以上の一実施形態では、ヒートポンプユニット2の定格加熱能力を設定するにあたり、図示しない蒸発器の着霜の可能性、沸き上げ流量の最大値の規制、および放熱損失などについては、沸き上げ時間Tを算出する数式(1)ないし(3)において説明しながったが、これに限らず、着霜の可能性、沸き上げ流量の最大値および放熱損失を沸き上げ時間Tに考慮することも可能である。
【0058】
具体的には、上述の数式(2)および(3)に対して下記数式(7)および(8)に置き換えて沸き上げ時間TB1および沸き上げ時間TB2を算出すると良い。
【0059】
【式7】TB1=貯湯量C×(TP−TwL)/(定格加熱能力×ηq×ηd

【0060】
【式8】TB2=貯湯量B×Max{(1/GwMax),(TP−TwM)
×K1/(定格加熱能力×ηq×ηd)
ただし、ηq:定格加熱効率、ηd:着霜時加熱効率、GwMax:最大沸き上げ流量である。なお、上記数式(8)に示す沸き上げ時間TB2の算出は、貯湯量Cにおける貯湯温度が最大沸き上げ流量GwMaxを超えたときの算出式である。また、上記数式(8)の{ }内に示す{,カンマ}は、数式(1/GwMax)か、数式(TP−TwM)×K1/(定格加熱能力×ηq×ηd)のいずれか一方を選択するものである。
【0061】
また、一実施形態と同様に、貯湯タンク1内の貯湯温度のTwHが所定温度Bよりも低いときには、沸き上げ時間Tは、数式(7)のTB1のみ算出し、数式(8)のTB2側は算出しない。
【0062】
これにより、ヒートポンプユニット2においては、着霜による加熱効率の低下、および放熱損失などを考慮してあるため沸き上げ時間の算出算出がより精度良くできる。
【0063】
以上の実施形態では、貯湯量A、貯湯量B、貯湯量Cにおける平均温度TwH、TwM、TwLを水位サーミスタ33a〜33hより検出した温度情報より算術平均によって求めたが、これに限らず、加重平均より求めても良い。
【0064】
また、以上の実施形態では、本発明を圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発器などのヒートポンプサイクルを構成する冷媒機能部品からなる超臨界ヒートポンプからなるヒートポンプユニット2に適用したが、これに限らず、一般のヒートポンプサイクルを構成する加熱手段に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態における(a)はヒートポンプユニット2の沸き上げ流量と給水温度との関係を示す特性図、(b)はヒートポンプユニット2の給水温度と冷凍サイクルの挙動との関係を示す特性図である。
【図3】本発明の一実施形態における制御装置200の沸き上げ運転の制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における貯湯タンク1内の貯湯温度の温度形態を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における有効貯湯量を求めるための温度と容量との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1…貯湯タンク
2…ヒートポンプユニット(加熱手段、ヒートポンプ式給湯手段)
200…制御装置(制御手段)
240…沸き上げ時間算出手段
250…沸き上げ解し時刻算出手段

Claims (3)

  1. 給水源から水が給水側に供給され、貯湯側に給湯用の湯を貯える貯湯タンク(1)と、
    前記貯湯タンク(1)内の貯湯温度を検出する複数の貯湯温度検出手段(33a〜33h)と、
    前記貯湯タンク(1)の給水側から取水し、加熱した湯を貯湯側に送り込んで沸き上げ運転する加熱手段(2)と、
    前記貯湯タンク(1)内を湯で満たすために必要な沸き上げ時間を算出する沸き上げ時間算出手段(240)と、
    前記沸き上げ時間算出手段(240)により算出した沸き上げ時間に基づいて、料金設定が異なる複数の時間帯の中で料金設定が最も安い深夜時間帯が終了する直前の時刻に沸き上げが終了するような沸き上げ開始時刻を算出する沸き上げ開始時刻算出手段(250)とを有し、所定の沸き上げ温度に基づいて前記加熱手段(2)を制御する制御手段(200)とを備える貯湯式給湯装置において、
    前記複数の貯湯温度検出手段(33a〜33h)により検出された貯湯温度に基づいて、前記貯湯タンク(1)内を複数の温度層に区分し、
    前記沸き上げ時間算出手段(240)は、温度層毎に、前記貯湯温度に応じた最適な加熱能力が得られる沸き上げ流量から沸き上げ時間を算出し、前記温度層毎の沸き上げ時間を積算して沸き上げ時間を算出することを特徴とする貯湯式給湯装置。
  2. 前記沸き上げ時間算出手段(240)には、温度層毎に算出された沸き上げ時間のうち、前記貯湯温度が高い側の沸き上げ時間に、その貯湯温度に応じた沸き上げ流量に可変させたときにおける前記加熱手段(2)の加熱能力に伴う加熱効率が考慮されていることを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  3. 前記沸き上げ時間算出手段(240)には、温度層毎に算出された沸き上げ時間のうち、前記貯湯温度が低い側の沸き上げ時間に、前記加熱手段(2)の着霜に伴う加熱効率が考慮されていることを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
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