JP3900829B2 - 現像ロールおよびその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,プリンター,ファクシミリ等の電子写真機器に用いられる現像ロールおよびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真機器による複写はつぎのようにして行われる。すなわち、軸中心に回転する感光ドラムに原稿像を静電潜像として形成し、これにトナーを付着させてトナー像を形成する。ついで、このトナー像を複写紙に転写することにより複写が行われる。この場合、上記感光ドラム表面に対して静電潜像を形成させるためには、予め感光ドラム表面を帯電させ、この帯電部分に対して原稿像を光学系を介して投射し、光の当たった部分の帯電を打ち消すことにより静電潜像をつくるということが行われている。そして、上記静電潜像の形成に先立って感光ドラム表面を帯電させる方式としては、最近では、帯電ロールを感光ドラム表面に接触させて感光ドラム表面を帯電させるロール帯電方式が採用されている。さらに、このようにして感光ドラム表面に形成された静電潜像にトナー像を形成させる方法としては、感光ドラムに現像ロールを直接接触させる接触現像方式と、感光ドラムに現像ロールを接触させない非接触現像方式とがある。
【0003】
このうち非接触現像方式は、現像ロールと感光ドラムとが非接触であることから、現像スピードを上げやすく高速化に対応しやすい等の利点がある。その反面、トナーの現像制御は接触現像方式に比べてより難しくなり、感光ドラムと現像ロールとの隙間(ギャップ精度)は数十〜数百μm単位で必要とされ、現像ロールも外径、振れ精度の高いものが必要となる。このため、現像ロールとして金属タイプのものが多く用いられていたが、昨今の高画質化要求や機器の省エネルギー化のため、トナー自体の小粒径化や低融点化が図られるようになり、トナー摩擦に対して層形成ブレードとのソフトな接触が求められるようになってきている。それに伴い、現像ロールも金属タイプのものから、軸体表面にゴム層を形成したソフト現像ロールが用いられるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のソフト現像ロールは、軸体表面にゴム層が形成されているため、金属タイプの現像ロールに比べて、環境による線膨張から外径が変動しやすく、外径精度、振れ精度に劣る等の難点がある。このため、ゴム層の肉厚をできるだけ薄くし、外径変動の絶対量を抑制しているが、これには、軸体となる芯金の面頂部を太くする(太径の芯金を用いる)必要があり、そうすると重量や駆動トルク負荷の問題が生じる。一方、軽量化を図るために、パイプに軸端を溶接(または圧接)した芯金や、軸端をアルミニウムに圧入した芯金等を用いることも考えられるが、この場合は、両端の軸の同軸を取るための後加工が必要となり、またアルミニウムは加工性が悪いため加工コストが高く、また軸部の摺擦による摩耗対策に表面処理が必要となり、コストが高くなるという難点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、振れ精度に優れ、軽量かつ低コストである現像ロールおよびその製法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、軸体と、この軸体の外周面に形成される弾性層とを備えた非接触現像方式の現像ロールであって、上記軸体が、芯金と、この芯金の外周に一定の空間を保って同軸的に設けられる円筒状パイプとからなり、かつ、上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層が形成されてなる現像ロールを第1の要旨とする。
【0007】
また、本発明は、上記非接触現像方式の現像ロールの製法であって、下蓋を外嵌した円筒状パイプを準備し,この円筒状パイプ内に軸体のベースとなる芯金をセットし,さらに上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の空隙に低比重充填層用材料を充填した後,上記円筒状パイプに上蓋を外嵌し,これらを加熱して上記低比重充填層用材料を架橋させ,芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層が形成されてなる軸体を作製する工程と、下蓋を外嵌した円筒状金型を準備し,この円筒状金型内に上記軸体をセットし、この軸体の円筒状パイプの外周面と円筒状金型の内周面との間の空隙に弾性層用材料を注型した後、上記円筒状金型に上蓋を外嵌し、これらを加硫して上記弾性層用材料を架橋させ,軸体の外周面に沿って弾性層を形成する工程とを有する現像ロールの製法を第2の要旨とする。
【0008】
また、本発明は、上記非接触現像方式の現像ロールの製法であって、下蓋を外嵌した円筒状金型を準備し,この円筒状金型内に軸体のベースとなる芯金をセットし、さらに上記芯金の外周に一定の空間を保って円筒状パイプを同軸的に設ける工程と、上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の空隙に低比重充填層用材料を充填するとともに,上記 円筒状パイプの外周面と円筒状金型の内周面との間の空隙に弾性層用材料を充填する工程と、上記円筒状金型に上蓋を外嵌し,これらを同時加熱加硫して,芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層が形成されてなる軸体を形成するとともに,この軸体の外周面に沿って弾性層を形成する工程とを有する現像ロールの製法を第3の要旨とする。
【0009】
すなわち、本発明者らは、振れ精度に優れ、軽量かつ低コストである現像ロールを得るべく、軸体の構造を中心に鋭意研究を重ねた。その結果、軸体を芯金と円筒状パイプとの二重構造にし、かつ、芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層を形成して軸体を構成すると、従来の太径の芯金や溶接芯金等を軸体とする場合に比べて、軸体の外周面に弾性層を形成する際に、芯金を基準にしてパイプの外側に弾性層を形成するため、芯金とパイプ部の同軸に左右されず、軸倒れがなく、精度が確保しやすく、振れ精度に優れ、軽量かつ低コストである現像ロールが得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0010】
また、上記低比重充填層が導電性ゴム層であると、現像ロールとして好適に使用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の現像ロールは、例えば、図1に示すように、軸体1の外周面に沿って弾性層2が形成されて構成されている。そして、本発明は、上記軸体1が、芯金3と、この芯金3の外周に一定の空間を保って同軸的に設けられる円筒状パイプ4とからなり、かつ、上記芯金3の外周面と円筒状パイプ4の内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層5が形成されてなることが最大の特徴である。
【0013】
上記軸体1のベースとなる芯金3の形状は、特に限定するものではなく、中実体であっても、内部を中空にくり抜いた中空体であっても差し支えない。また、上記芯金3の材料も、特に限定はなく、ステンレス,アルミニウム,鉄等や、これらにめっきを施したもの等があげられる。
【0014】
上記芯金3は、従来の太径の芯金に比べて、細径のものを用いることができるため、軽量化を図ることができる。上記芯金3の直径は、特に限定はないが、通常、4〜12mm、好ましくは6〜10mmである。
【0015】
上記芯金3の外周に設けられる円筒状パイプ4の材料は、特に限定はなく、例えば、STKMやSUS−TKA等の材料をメッキまたはメッキ無しで用いることができる。
【0016】
上記円筒状パイプ4の外径は、特に限定はないが、通常、10〜50mm、好ましくは14〜28mmである。また、上記円筒状パイプ4の肉厚は、通常、0.7〜5mm、好ましくは1〜2mmである。
【0017】
上記低比重充填層5における低比重とは、金属よりも比重が小さいという趣旨である。
【0018】
上記低比重充填層5用材料としては、軸体1自体の軽量化を図ることができるものであれば特に限定はなく、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エピクロロヒドリンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム等の非導電性または導電性ゴム材料および発泡性ゴム材料の他、一般的な射出成形樹脂の他に導電性アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、導電性ポリエチレン、導電性ポリビニルクロライド(PVC)等の導電性樹脂材料等があげられる。なお、上記低比重充填層5用材料としては、非導電性または導電性セメント材料(例えば、住友大阪セメント社製の商品名「ZIMA」)を用いても差し支えない。
【0019】
上記低比重充填層5用材料としては、付加反応型シリコーンゴム組成物やウレタンゴムおよび液状ゴムが好適に用いられる。ここで、液状ゴムとは、室温(20℃)で液状を示すゴムであって、自重で塑性変形するものをいう。そして、液状ゴムの数平均分子量(Mn)は、500〜300,000の範囲が好ましく、より好ましくは5,000〜250,000である。
【0020】
上記付加反応型シリコーンゴム組成物の主成分となるシリコーンゴムとしては、特に制限はなく、直鎖状や分岐状のものがあげられるが、一分子中にアルケニル基(ビニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基等)を少なくとも2個有する直鎖状の液状シリコーンゴムが好適に用いられる。そして、上記液状シリコーンゴムは低粘度であっても使用することができるが、粘度(25℃)が0.1Pa・s以上のものが好ましい。
【0021】
上記シリコーンゴムを付加反応させる際に用いる架橋剤としては、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンであれば特に限定されない。なお、架橋剤として有機過酸化物を併用することもできる。また、上記シリコーンゴムを付加反応させるに際して、微粒子状白金,白金黒,白金担持活性炭,白金担持シリカ,塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,白金のオレフィン錯体,白金のアルケニルシロキサン錯体等の白金系触媒が用いられる。
【0022】
そして、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンを用いる場合、オルガノポリシロキサン中の水素原子量が、液状シリコーンゴム中のアルケニル基1モルに対して0.1〜20モルとなるような配合割合とするのが好ましく、さらに、白金系触媒の配合量は、その白金金属が液状シリコーンゴムに対して重量単位で0.1〜1,000ppmとなるような量であることが好ましい。
【0023】
なお、上記付加反応型シリコーンゴム組成物には、導電剤、界面活性剤、補強性充填剤、非補強性充填剤、耐熱剤、難燃剤、内部離型剤、可塑剤、酸化防止剤等を配合しても差し支えない。
【0024】
上記導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 (導電性酸化チタン)、c−ZnO(導電性酸化亜鉛)、c−SnO2 (導電性酸化錫)、イオン導電剤(例えば、第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0025】
上記低比重充填層5の厚みは、通常、1〜22mm、好ましくは2〜10mmである。
【0026】
上記軸体1の外周面に沿って形成される弾性層2用材料は、特に限定はなく、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、液状NBR、液状ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム等があげられる。
【0027】
上記弾性層2用材料としては、付加反応型シリコーンゴム組成物が好適に用いられる。そして、上記付加反応型シリコーンゴム組成物としては、前記低比重充填層5用材料として同様のものが用いられる。
【0028】
上記弾性層2の厚みは、外径精度の点から、できる限り薄肉に形成することが好ましく、通常、100〜3000μm、好ましくは500〜1000μmである。
【0029】
そして、前記図1に示した本発明の現像ロールは、例えば、つぎの2通りの方法により製造することができる。
【0030】
〔第1の製法(弾性層2と低比重充填層5とが異材の場合)〕
まず、内周面に接着剤を塗布した円筒状パイプ4と、外周面に接着剤を塗布した芯金3とを準備した後、下蓋を外嵌した円筒状パイプ4内に、軸体1のベースとなる芯金3を略垂直にセットする。なお、ここで用いる接着剤は導電性であっても非導電性であってもよい。つぎに、上記芯金3の外周面と円筒状パイプ4の内周面との空隙に、低比重充填層5用材料を充填した後、上記円筒状パイプ4に上蓋を外嵌する。その後、これらを所定の条件で加熱して上記低比重充填層5用材料を架橋させた後、脱型して、芯金3と低比重充填層5と円筒状パイプ4とからなる軸体1を作製する。ついで、上記芯金3と低比重充填層5と円筒状パイプ4とからなる軸体1を、下蓋を外嵌した円筒状金型内に略垂直にセットする。そして、上記円筒状パイプ4と円筒状金型との空隙に弾性層2用材料(液状ゴム)を注型した後、上記円筒状金型に上蓋を外嵌する。続いて、これを加硫して上記弾性層2用材料(液状ゴム)を架橋させた後、脱型して、軸体1の外周面に沿って弾性層2が形成されてなる現像ロールを作製することができる。
【0031】
〔第2の製法(弾性層2と低比重充填層5とが同材の場合)〕
まず、下蓋と円筒状金型と上蓋とからなるロール成型用金型を準備する。そして、下蓋を外嵌した円筒状金型内に、軸体1のベースとなる外周面に接着剤を塗布した芯金3を略垂直にセットし、さらに上記芯金3の外周に一定の空間を保って内周面に接着剤を塗布した円筒状パイプ4を同軸的に設ける。なお、ここで用いる接着剤は導電性であっても非導電性であってもよい。つぎに、上記芯金3の外周面と円筒状パイプ4の内周面との空隙に、低比重充填層5用材料(付加反応型ゴム組成物)を充填するとともに、上記円筒状パイプ4の外周面と円筒状金型の内周面との間に、弾性層2用材料(付加反応型ゴム組成物)を充填する。そして、上記円筒状金型に上蓋を外嵌し、所定の条件で同時加熱加硫を行い、低比重充填層5と弾性層2を形成する。その後、脱型して、芯金3と低比重充填層5と円筒状パイプ4とからなる軸体1と、この軸体1の外周面に沿って形成されてなる弾性層2とを有する現像ロールを作製することができる。
【0032】
なお、本発明の現像ロールは、前記図1に示した構造に限定されるものではなく、例えば、弾性層2の表面に表層を形成してもよい。上記表層用材料としては、特に限定はなく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、ヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム材料や、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料等があげられる。
【0033】
上記表層用材料には、シランカップリング剤、導電剤、発泡剤、架橋剤、架橋促進剤、オイル等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
【0034】
そして、上記表層の形成方法としては、特に限定はなく、例えば、スプレーコーティング法、ディッピング法、ロールコート法等があげられる。
【0035】
上記表層の厚みは、特に限定はなく、通常、1〜100μm、好ましくは3〜50μmである。
【0036】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0037】
【実施例1】
〔低比重充填層用材料の調製〕
EPDM100重量部(以下「部」と略す)と、ルナックS30(花王社製)1部と、酸化亜鉛5部と、ケッチェンブラックEC25部と、ダイアナプロセスPW380 91部と、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)3部と、パーヘキサ25B40 8.5部とを配合し、これらをロールを用いて混練して、低比重充填層用材料を調製した。
【0038】
現像ロールの作製〕
まず、内周面に接着剤を塗布した円筒状パイプ(外径16mm、肉厚1.6mm、SUS304製)と、外周面に接着剤を塗布した芯金(直径8mm、SUS304製)とを準備した後、下蓋を外嵌した円筒状パイプ内に、軸体のベースとなる芯金を略垂直にセットした。つぎに、上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との空隙に、上記低比重充填層用材料を充填した後、上記円筒状パイプに上蓋を外嵌した。その後、これらを加熱(180℃×1時間)して上記低比重充填層用材料を架橋させた後、脱型して、芯金と低比重充填層と円筒状パイプとからなる軸体を作製した。ついで、上記軸体の円筒状パイプ外周面に接着剤を塗布し、別途用意した下蓋を外嵌した円筒状金型内にセットした後、円筒状金型と円筒状パイプとの空隙に弾性層形成材料であるシリコーンゴムコンパウンド(導電剤およびシリコーンオイル含有、信越化学工業社製のKE1357A/B)を注型し、上蓋を外嵌した。そして円筒状金型をオーブンに入れ加熱(170℃×15分)することにより架橋させた後、脱型した。これにより、軸体の外周面に沿って弾性層が形成されてなる現像ロールを得た。
【0039】
【実施例2】
〔低比重充填層用材料の調製〕
シリコーンゴムとして分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.14重量%、粘度10Pa・s)100部と、架橋剤として分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(Siに結合するH含有量0.75重量%、粘度0.005Pa・s)2.4部および白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金含有量0.5重量%)0.35部と、乾式シリカ(比表面積200m2 /g、比重1.95)25部と、粉砕石英(平均粒径5μm、比重2.65)30部と、1−エチル−1−シクロヘキサノール(平均粒径5μm、比重2.65)0.08部と、界面活性剤〔分子鎖両末端アリル基封鎖ポリオキシエチレン(粘度0.5Pa・s、重量平均分子量2000)〕10部と、カーボンブラック(トーカブラック#3885、東海カーボン社製)16部とを配合し、これらをロールを用いて混練して、低比重充填層用材料(付加反応型シリコーンゴム組成物)を調製した。
【0040】
〔弾性層用材料の調製〕
上記低比重充填層用材料と同様にして、弾性層用材料(付加反応型シリコーンゴム組成物)を調製した。
【0041】
現像ロールの作製〕
まず、下蓋と円筒状金型と上蓋とからなるロール成型用金型を準備した。そして、下蓋を外嵌した円筒状金型内に、軸体のベースとなる外周面に接着剤を塗布した芯金(直径8mm、SUS304製)をセットし、さらに上記芯金の外周に一定の空間を保って内周面に接着剤を塗布した円筒状パイプ(外径16mm、肉厚1.6mm、SUS304製)を同軸的に設けた。つぎに、上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との空隙に、上記低比重充填層用材料(付加反応型シリコーンゴム組成物)を充填するとともに、上記円筒状パイプの外周面と円筒状金型の内周面との間に、上記弾性層用材料(付加反応型シリコーンゴム組成物)を充填した。そして、上記円筒状金型に上蓋を外嵌し、170℃×15分の条件で同時加熱加硫を行い、さらに200℃×4時間の二次加硫を行い、低比重充填層と弾性層を形成した。その後、脱型して、芯金と低比重充填層(厚み2.4mm)と円筒状パイプとからなる軸体と、この軸体の外周面に沿って形成されてなる弾性層(厚み1000μm)とを有する現像ロールを作製した。
【0042】
【実施例3】
〔表層用材料の調製〕
H−NBR(ゼットポール0020、日本ゼオン社製)100部と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(A189、日本ユニカー社製)0.01部と、ステアリン酸0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、ケッチェンブラック30部と、加硫促進剤(テトラメチルチウラムジスルフィド)0.5部と、加硫促進剤(オルト−トリル−ビグアニジン)1部と、加硫剤(硫黄)0.5部とを配合し、これらをロールを用いて混練して、表層材料(コーティング液)を調製した。
【0043】
現像ロールの作製〕
まず、上記実施例1と同様にして、軸体の外周面に沿って弾性層が形成されてなる現像ロールを作製した。つぎに、上記現像ロールの弾性層の表面に、上記表層用材料(コーティング液)を塗布した後、加熱および乾燥処理を行うことにより、表層(厚み10μm)を形成した。これにより、軸体の外周面に沿って弾性層が形成され、さらにその弾性層の外周面に沿って表層が形成されてなる現像ロールを得た。
【0044】
このようにして得られた実施例品のロールを用いて、下記の基準に従い、振れ精度の評価を行った。
【0045】
〔振れ精度〕
得られたロールを周方向に回転させ、レーザー測定器にてロールの3ヶ所の振れを、ロール両軸部を基準として測定した。
【0046】
その結果、実施例品のロールは、いずれも最大値が0.03mm以下であり、振れ精度に優れていた。また、実施例品のロールは、軸体が細径の芯金と円筒状パイプとの二重構造とからなり、かつ、芯金と円筒状パイプとの間に金属よりも比重が小さい充填層を形成してなるため、太径の芯金や溶接芯金を用いた従来のロールに比べて、軽量かつ低コストである。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明の現像ロールは、軸体と、この軸体の外周面に形成される弾性層とを備えた現像ロールであって、上記軸体が、芯金と、この芯金の外周に一定の空間を保って同軸的に設けられる円筒状パイプとからなり、かつ、上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層が形成されてなる。そのため、従来の太径の芯金や溶接芯金等を軸体とする場合に比べて、軸体の外周面に弾性層を形成する際に、軸倒れがなく、精度が確保しやすく、振れ精度に優れ、軽量かつ低コストである。
【0048】
また、上記低比重充填層が導電性ゴム層であると、現像ロールとして好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の現像ロールの一例を示す断面図であり、(b)はそのA−A断面矢視図である。
【符号の説明】
1 軸体
2 弾性層
3 芯金
4 円筒状パイプ
5 低比重充填層

Claims (7)

  1. 軸体と、この軸体の外周面に形成される弾性層とを備えた非接触現像方式の現像ロールであって、上記軸体が、芯金と、この芯金の外周に一定の空間を保って同軸的に設けられる円筒状パイプとからなり、かつ、上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層が形成されてなることを特徴とする現像ロール。
  2. 上記低比重充填層が導電性ゴム層である請求項1記載の現像ロール。
  3. 上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の空隙が低比重充填層で埋められている請求項1または2記載の現像ロール。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の非接触現像方式の現像ロールの製法であって、下蓋を外嵌した円筒状パイプを準備し,この円筒状パイプ内に軸体のベースとなる芯金をセットし,さらに上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の空隙に低比重充填層用材料を充填した後,上記円筒状パイプに上蓋を外嵌し,これらを加熱して上記低比重充填層用材料を架橋させ,芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層が形成されてなる軸体を作製する工程と、下蓋を外嵌した円筒状金型を準備し,この円筒状金型内に上記軸体をセットし、この軸体の円筒状パイプの外周面と円筒状金型の内周面との間の空隙に弾性層用材料を注型した後、上記円筒状金型に上蓋を外嵌し、これらを加硫して上記弾性層用材料を架橋させ,軸体の外周面に沿って弾性層を形成する工程とを有することを特徴とする現像ロールの製法。
  5. 上記弾性層用材料が、液状ゴムである請求項4記載の現像ロールの製法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の非接触現像方式の現像ロールの製法であって、下蓋を外嵌した円筒状金型を準備し,この円筒状金型内に軸体のベースとなる芯金をセットし、さらに上記芯金の外周に一定の空間を保って円筒状パイプを同軸的に設ける工程と、上記芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の空隙に低比重充填層用材料を充填するとともに,上記円筒状パイプの外周面と円筒状金型の内周面との間の空隙に弾性層用材料を充填する工程と、上記円筒状金型に上蓋を外嵌し,これらを同時加熱加硫して,芯金の外周面と円筒状パイプの内周面との間の長手方向の少なくとも中央部に低比重充填層が形成されてなる軸体を形成するとともに,この軸体の外周面に沿って弾性層を形成する工程とを有することを特徴とする現像ロールの製法。
  7. 上記低比重充填層用材料および弾性層用材料が、付加反応型ゴム組成物である請求項6記載の現像ロールの製法。
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