JP3899170B2 - 組織採取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は患者の体腔内、例えば気管支内に挿入して生体組織を採取する組織採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、患者の体腔内に挿入して生体組織を採取する組織採取装置として従来から例えば特開平5−142号公報に示すように体内に挿入される細長い挿入部の先端部にブラシ式の組織採取部を設け、患者の体腔内に挿入したのち、この組織採取部で体腔内壁面を擦ることにより、ブラシの各刷毛に生体組織を付着させて回収する構成のものが知られている。
【0003】
また、上記ブラシ式の組織採取部に代えて図8に示すように略カップ状の組織採取部aを設けた構成の組織採取装置(キュレット)も開発されている。この組織採取装置には体内に挿入される細長い挿入部の先端部に生体組織を採取する略カップ状の組織採取部aと、この組織採取部aの方向調節を行なう湾曲式の方向調節機構とが配設されている。
【0004】
さらに、挿入部の基端部に配設された手元側の操作部には操作ワイヤを介して方向調節機構を操作する操作部材が設けられている。そして、操作部材の操作によって操作ワイヤが挿入部の中心軸方向に進退駆動され、この操作ワイヤの進退操作にともない方向調節機構が湾曲操作されて組織採取部aの方向調節が行われるようになっている。
【0005】
また、図8に示すようにカップ状の組織採取部aの先端部には先端湾曲面bが形成されている。そして、上記従来構成のものにあってはこの組織採取部aのカップの深さが比較的浅く、先端湾曲面bにおける先端縁部の位置は先端湾曲面bの円弧の最先端の頂点位置cに達する前の位置までしか延設されていないのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、患者の体腔内、例えば図9に示すような気管支d内には左右に枝分かれした左右の分岐管e1 ,e2 が形成されている。そして、上記従来構成のカップ状の組織採取部aを備えた組織採取装置の挿入部が気管支d内に中心線Oに沿って挿入され、左右に枝分かれしている左右の分岐管e1 ,e2 間の連結部(分岐部e)の位置まで導入された場合には体内に挿入された組織採取部aの先端湾曲面bがこの分岐部eに当接したのち、そのままの状態で組織採取装置の挿入部が気管支d内に押し込まれると図9中に実線矢印で示すよう右方向の分岐管e2 内に導かれる傾向が強い。そのため、上記従来構成のカップ状の組織採取部aを備えた組織採取装置の挿入部を気管支d内に挿入していく際に、気管支dの分岐部eの位置で、図9中に点線矢印で示すよう左側の分岐管e1 の方向に挿入していくことが難しいので、分岐管e1 またはe2 のいずれか一方に適宜選択的に挿入することが困難となり、意図していない方向に挿入されてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、患者の体腔内に挿入しやすい組織採取装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、体内に挿入される先端部を有する挿入部と、前記挿入部の先端部と接続される接続部材と、基端部と先端部を有し、前記基端部は前記接続部材に接続され前記基端部を回転中心として前記先端部が回動可能である中間可動部材と、先端部には湾曲した先端湾曲面が先細状の略カップ形状に成形され、基端部は前記中間可動部材の先端部に接続され、前記基端部を回転中心として前記略カップ形状に形成された前記先端部が回動可能である組織採取部と、前記接続部材、前記中間可動部材及び前記組織採取部が略一直線状に並ぶ非湾曲位置と非湾曲位置と異なる湾曲位置との間で前記中間可動部材と前記組織採取部とを回動操作するための操作部と、前記非湾曲位置で前記中間可動部材の先端部側の前端面と当接して前記組織採取部の回転動作を規制するストッパを構成するために前記組織採取部の基端側の後端面に形成された前端当接面と、前記非湾曲位置で前記接続部材の接続端部の前端面と当接して前記中間可動部材の回転動作を規制するストッパを構成するために前記中間可動部材の基端側の後端面に形成された後端当接面と、を有することを特徴とする組織採取装置である。
そして、本請求項1の発明では、組織採取部の基端側の後端面に組織採取部の回転動作を規制するストッパを構成する前端当接面を形成し、非湾曲位置で中間可動部材の先端部側の前端面と組織採取部の基端側の後端面の前端当接面とを当接させるとともに、中間可動部材の基端側の後端面に中間可動部材の回転動作を規制するストッパを構成する後端当接面を形成し、非湾曲位置で接続部材の接続端部の前端面と中間可動部材の基端側の後端当接面とを当接させることにより、接続部材と、中間可動部材及び前記組織採取部が略一直線状に並ぶ非湾曲位置にもどした際に組織採取部の回動する側と反対側に反り返ることを防止できることにより、患者の体腔内に挿入しやすくするようにしたものである。
請求項2の発明は、前記組織採取部の基端部は、前記湾曲位置で前記組織採取部の基端部が前記中間可動部材の先端側より外側に突出することを防止するように成形され、また、前記中間可動部材の基端部は、前記湾曲位置で前記中間可動部材の基端部が前記接続部材の先端部より外側に突出することを防止するように成形されていることを特徴とする請求項1に記載の組織採取装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1(A),(B)乃至図4を参照して説明する。図1(A),(B)は本実施の形態の組織採取装置1を示すものである。この組織採取装置1には体内に挿入される細長い挿入部2が設けられている。この挿入部2には例えば密巻コイルによって形成された可撓管部3が設けられている。
【0010】
また、挿入部2の先端部には生体組織を採取する略カップ状の組織採取部4と、この組織採取部4の方向調節を行なう湾曲式の方向調節機構5とが配設されている。ここで、組織採取部4には図2(B),(C)に示すように略カップ状の組織採取部本体6の基端部に左右一対の連結部7が対向配置されている。これらの連結部7間には前後に配置された2本のピン8,9が取付けられている。
【0011】
また、方向調節機構5には図2(A)に示すように中間可動部材10と、接続部材11とが設けられている。ここで、中間可動部材10の前端部には前側に向けて接続端部12が突設されている。そして、この接続端部12は組織採取部4の後端部に後部側のピン9を中心に回動可能に連結されている。
【0012】
また、中間可動部材10には組織採取部4のカップ4aの開口面4bと同方向(図2(A)中で下方向)に開口する開口部13が形成されている。この開口部13の端縁部には前後方向にそって略中央位置に屈曲ワイヤ支点部14が設けられている。さらに、中間可動部材10の後端部には接続部材11との連結ピン15が取付けられている。
【0013】
また、接続部材11の前端部には前側に向けて接続端部16が突設されている。そして、この接続端部16は中間可動部材10の後端部に連結ピン15を中心に回動可能に連結されている。
【0014】
また、接続部材11には組織採取部4のカップ4aの開口面4bと同方向(図2(A)中で下方向)に開口する開口部17が形成されている。さらに、この接続部材11の後端部には可撓管部3の密巻コイルの前端部が固着されている。
【0015】
また、可撓管部3の内部には方向調節機構5の操作ワイヤ18が挿入部2の中心線O方向に進退自在に挿通されている。この操作ワイヤ18の前端部は組織採取部4の前部側のピン8に固定されている。
【0016】
また、接続部材11の内周面には操作ワイヤ18の前方向への移動位置を規制するストッパ部材19が固定されている。ここで、操作ワイヤ18の前端部側にはこのストッパ部材19に係脱可能に係止される係止部材20が固定されている。
【0017】
そして、操作ワイヤ18の前進移動時には図2(A)に示すようにこの操作ワイヤ18の係止部材20がストッパ部材19に係脱可能に係止されることにより、操作ワイヤ18の前方向への移動位置を規制するようになっている。なお、図2(A)に示すように操作ワイヤ18の係止部材20がストッパ部材19に係脱可能に係止されている状態では組織採取部4と、方向調節機構5の中間可動部材10と、接続部材11との間が略一直線状に真っ直ぐに延ばされた非湾曲位置(定位置)で保持されるようになっている。
【0018】
また、挿入部2の基端部には手元側の操作部21が配設されている。この手元側の操作部21には挿入部2の中心線O方向に延設された略直線状のスライダガイド部材22と、このスライダガイド部材22に沿って挿入部2の中心線O方向にスライド可能なスライダ部材(操作部材)23とが設けられている。さらに、スライダガイド部材22の後端部には作業者の手指が挿入される手指挿入リング24が設けられている。
【0019】
また、スライダ部材23には操作ワイヤ18の後端部が固定されている。そして、このスライダ部材23の操作にともない操作ワイヤ18を介して方向調節機構5を操作するようになっている。
【0020】
ここで、挿入部2の先端部側の組織採取部4と、方向調節機構5の中間可動部材10と、接続部材11とが図2(A)に示すように略一直線状に真っ直ぐに延ばされた定位置で保持されている場合にはスライダ部材23はスライダガイド部材22の前端位置に移動された定位置で保持されるようになっている。
【0021】
そして、このスライダ部材23がスライダガイド部材22に沿って後方に引っ張り操作される動作にともない操作ワイヤ18が後方に牽引操作されるようになっている。さらに、この操作ワイヤ18の牽引操作によって組織採取部4の前部側のピン8が後方に牽引されることにより、図3に示すように組織採取部4が後部側のピン9を中心に図3中で反時計回り方向に回動されるとともに、中間可動部材10が連結ピン15を中心に図3中で反時計回り方向に回動されるようになっている。これにより、挿入部2の先端部側の組織採取部4が方向調節機構5によって湾曲駆動されるようになっている。
【0022】
また、組織採取部本体6のカップ4aの先端部にはこのカップ4aの先端湾曲面25における最先端の頂点位置26を越えてカップ4aの開口面4b側(図2(A),(C)中で挿入部2の中心線Oの下側)に延出される延出部27が設けられている。この延出部27の中心線Oからの突出量は例えば組織採取部本体6のカップ4aの半径の25%以上程度に設定されている。
【0023】
さらに、組織採取部本体6のカップ4aの先端部には図2(B)に示すように半円形状よりも鋭角的に尖らせた先細部28が設けられている。そして、この先細部28の両側面29,29間の拡開角度θが鋭角に設定されている。
【0024】
また、本実施の形態の組織採取装置1では中間可動部材10の前後の両端面10a,10bは挿入部2の中心線Oの方向と直交する方向に形成されている。ここで、組織採取部本体6の後端部には図3に示すように組織採取部4の湾曲時に中間可動部材10の前端面10aに当接する傾斜状の第1の当接面6aが形成されている。さらに、接続部材11の前端部には同様に組織採取部4の湾曲時に中間可動部材10の後端面10bに当接する傾斜状の当接面11aが形成されている。そして、組織採取部4の湾曲時には組織採取部本体6の第1の当接面6aが中間可動部材10の前端面10aに当接されるとともに、接続部材11の当接面11aが中間可動部材10の後端面10bに当接された状態で、組織採取部4の湾曲角度が規制されるようになっている。
【0025】
また、組織採取部本体6の後端部には図2(A)に示すように組織採取部4と、方向調節機構5の中間可動部材10と、接続部材11とが略一直線状に真っ直ぐに延ばされた非湾曲位置で保持されている場合に中間可動部材10の接続端部12の前端面と当接するストッパとしての第2の当接面6bが形成されている。さらに、中間可動部材10の後端部にも同様に非湾曲位置で保持されている場合に接続部材11の接続端部16の前端面と当接するストッパとしての後端当接面10cが形成されている。
【0026】
また、組織採取部本体6の後端部両側面には図3中のA部に示すように組織採取部4の湾曲時に中間可動部材10の接続端部12が外側に突出することを防止する形状に成形した成形部30が形成されている。さらに、中間可動部材10の後端部両側面にも同様に図3中のB部に示すように組織採取部4の湾曲時に接続部材11の接続端部16が外側に突出することを防止する形状に成形した成形部31が形成されている。
【0027】
なお、手元側の操作部21の前端部には図1(A)に示すように挿入部2の基端部との連結部の外周面側に大径な折れ止め部材32が装着されている。そして、この折れ止め部材32によって手元側の操作部21の前端部と挿入部2の基端部との連結部が保護されている。
【0028】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の組織採取装置1は常時はスライダ部材23はスライダガイド部材22の前端位置に移動された定位置で保持される。このとき、挿入部2の先端部側の組織採取部4と、方向調節機構5の中間可動部材10と、接続部材11とは図2(A)に示すように略一直線状に真っ直ぐに延ばされた非湾曲位置で保持される。
【0029】
そして、組織採取装置1の使用時には挿入部2の先端部側の組織採取部4が非湾曲位置で保持されたままの状態で組織採取装置1の挿入部2が患者の体腔内、例えば図4に示すような気管支33内に挿入される。
【0030】
また、気管支33内に挿入された組織採取装置1の挿入部2の先端部が気管支33内で左右に枝分かれした左右の分岐管34a,34b間の連結部(分岐部34)の位置まで導入されると、挿入部2の先端部側の組織採取部4の先端湾曲面25が分岐部34の壁部に当接する。このとき、分岐部34の壁部に当接した組織採取部本体6のカップ4aの先端部にはこのカップ4aの先端湾曲面25における最先端の頂点位置26を越えてカップ4aの開口面4b側(図2(A),(C)中で挿入部2の中心線Oの下側)に延出される延出部27が設けられているので、組織採取部本体6のカップ4aの先端部が分岐部34の壁部に当接したのち、左右の分岐管34a,34bのうちの一方の分岐管34a、または34bに適宜選択的に挿入することができる。
【0031】
また、生体組織の採取時には手元側操作部21のスライダ部材23がスライダガイド部材22に沿って後方に引っ張り操作される。このスライダ部材23の動作にともない操作ワイヤ18が後方に牽引操作される。さらに、この操作ワイヤ18の牽引操作によって組織採取部4の前部側のピン8が後方に牽引されることにより、図3に示すように組織採取部4が後部側のピン9を中心に図3中で反時計回り方向に回動されるとともに、中間可動部材10が連結ピン15を中心に図3中で反時計回り方向に回動される。このとき、操作ワイヤ18の先端部は中間可動部材10の屈曲ワイヤ支点部14によって屈曲され、この屈曲ワイヤ支点部14を支点として組織採取部4の前部側のピン8が後方に牽引される。これにより、挿入部2の先端部側の組織採取部4が方向調節機構5によって湾曲駆動され、この組織採取部4の湾曲動作にともない組織採取部4のカップ4aの先端部によって生体組織の表面部分が削り取られて採取される。
【0032】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、組織採取部4のカップ4aの先端部の先端湾曲面25における最先端の頂点位置26を越えてカップ4aの開口面4b側に延出される延出部27を設けたので、組織採取装置1の挿入部2を気管支33内に挿入していく際に、気管支分岐部34に組織採取部4のカップ4aの先端部の先端湾曲面25が当接された場合でも分岐部34の両側の分岐管34a,34bのうちのいずれか一方の望みの方向に適宜選択的に挿入させることができる。
【0033】
さらに、組織採取部4のカップ4aの先端部に先細部28を設け、この先細部28の両側面29,29間の拡開角度θを鋭角に設定したので、組織採取装置1の挿入部2の先端部を患者の体腔内、例えば気管支33内に挿入しやすくすることができ、末梢部まで挿入させることができる。
【0034】
また、本実施の形態の組織採取装置1では図2(A)に示すように組織採取部4と、方向調節機構5の中間可動部材10と、接続部材11とが略一直線状に真っ直ぐに延ばされた非湾曲位置で保持されている場合に中間可動部材10の接続端部12の前端面と当接するストッパとしての第2の当接面6bを組織採取部本体6の後端部に形成し、中間可動部材10の後端部にも同様に非湾曲位置で保持されている場合に接続部材11の接続端部16の前端面と当接するストッパとしての後端当接面10cを形成したので、操作ワイヤ18の牽引操作によって組織採取部4を湾曲させたのち、組織採取部4を非湾曲位置に戻した際に、組織採取部4と、方向調節機構5の中間可動部材10と、接続部材11とが略一直線状に真っ直ぐに延ばされた非湾曲位置を越えて湾曲方向と逆方向に反り返ることを確実に防止することができる。
【0035】
さらに、本実施の形態では組織採取部本体6の後端部両側面に図3中のA部に示すように組織採取部4の湾曲時に中間可動部材10の接続端部12が外側に突出することを防止する形状に成形した成形部30を形成し、中間可動部材10の後端部両側面にも同様に図3中のB部に示すように組織採取部4の湾曲時に接続部材11の接続端部16が外側に突出することを防止する形状に成形した成形部31を形成した。そのため、組織採取部4の湾曲時に組織採取部4と、方向調節機構5の中間可動部材10と、接続部材11との各屈曲部(肩部)に外側に突出する突出部分が生じることを防止することができるので、上記各屈曲部(肩部)が体腔壁面等に引っ掛かり、体腔壁面等に傷を付けたりすることを防止することができる。
【0036】
また、本実施の形態では中間可動部材10の前後の両端面10a,10bを挿入部2の中心線Oの方向と直交する方向に形成するとともに、組織採取部本体6の後端部に傾斜状の第1の当接面6a、接続部材11の前端部に傾斜状の当接面11aをそれぞれ形成したので、組織採取部4の湾曲時には組織採取部本体6の第1の当接面6aを中間可動部材10の前端面10aに当接させ、接続部材11の当接面11aを中間可動部材10の後端面10bに当接させた状態で、組織採取部4の湾曲角度を規制することができる。
【0037】
また、図5(A),(B)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図4参照)の湾曲式の方向調節機構5の構成を次の通り変更したものである。
【0038】
すなわち、本実施の形態では方向調節機構5における中間可動部材10の屈曲ワイヤ支点部14を中間可動部材10の後端面10b側に接近させた状態で配置したものである。この場合、図5(B)に示すように中間可動部材10の後端面10bと屈曲ワイヤ支点部14の前端面との間の距離Tは第1の実施の形態の中間可動部材10の後端面10bと屈曲ワイヤ支点部14の前端面との間の距離L(図3参照)よりも小さくなるように設定されている。
【0039】
そこで、本実施の形態では方向調節機構5における中間可動部材10の屈曲ワイヤ支点部14を中間可動部材10の後端面10b側に接近させた状態で配置したので、組織採取部4の湾曲操作時に操作ワイヤ18の先端部が中間可動部材10の屈曲ワイヤ支点部14によって屈曲される際に、屈曲ワイヤ支点部14と組織採取部4の前部側のピン8との間の距離を第1の実施の形態に比べて大きくすることができる。そのため、組織採取部4の湾曲操作時の操作ワイヤ18の先端部の屈曲角度βを第1の実施の形態の操作ワイヤ18の先端部の屈曲角度α(図3参照)よりも小さくすることができるので、組織採取部4の湾曲操作後、組織採取部4を非湾曲位置に戻す際の組織採取部4の戻り動作を第1の実施の形態に比べて緩やかに行わせることができる。その結果、組織採取部4を非湾曲位置に戻す際に組織採取部4が跳ねるように急速に戻ることを防止することができるので、組織採取部4の湾曲操作時の組織採取部4の湾曲角度の微調整を行いやすくすることができる。
【0040】
また、図6は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図4参照)の組織採取装置1における組織採取部4の組織採取部本体6の構成を次の通り変更したものである。
【0041】
すなわち、本実施の形態の組織採取部本体41はカップ41aの先端部の先端湾曲面42における最先端の頂点位置43を越えてカップ41aの開口面41b側(図6中で挿入部2の中心線Oの下側)に延出させた延出部44の中心線Oからの突出量を第1の実施の形態に比べて大きくしたものである。ここで、延出部44は先端湾曲面42の円弧に沿って中心線Oの下側に回り込み、その延出端部44aの位置は頂点位置43からの回り込み角度θ1 が約90°程度となる位置に設定されている。
【0042】
そこで、上記構成のものにあっても組織採取部本体41のカップ41aの先端部の先端湾曲面42における最先端の頂点位置43を越えてカップ41aの開口面41b側に延出される延出部44を設けているので、第1の実施の形態と同様に組織採取装置1の挿入部2を気管支33内に挿入していく際に、気管支分岐部34に組織採取部本体41のカップ41aの先端部の先端湾曲面42が当接された場合でも分岐部34の両側の分岐管34a,34bのうちのいずれか一方の望みの方向に適宜選択的に挿入させることができる。
【0043】
さらに、本実施の形態では特に、組織採取部本体41のカップ41aの先端湾曲面42における最先端の頂点位置43を越えてカップ41aの開口面41b側に延出させた延出部44の中心線Oからの突出量を第1の実施の形態に比べて大きくしたので、組織採取時に採取された生体組織が一層保持しやすくなる効果がある。
【0044】
また、図7(A)〜(C)は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図4参照)の組織採取部4の方向調節を行なう湾曲式の方向調節機構5に代えてリンク式の方向調節機構51を設けたものである。なお、これ以外の部分は第1の実施の形態の組織採取装置1と同一構成になっており、第1の実施の形態の組織採取装置1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0045】
すなわち、本実施の形態の方向調節機構51には図7(A)に示すように可撓管部3の密巻コイルの先端部に固定されたリング状のガイド部材52が設けられている。このガイド部材52の先端部には図7(B)に示すように組織採取部4を保持する左右一対の保持アーム53が前方向に突設されている。そして、左右の保持アーム53,53間に組織採取部4の後部側のピン9が回動自在に連結されている。
【0046】
また、ガイド部材52の内部にはリンク接続部材54が進退自在に挿通されている。このリンク接続部材54の後端部は可撓管部3の内部に進退自在に挿通された操作ワイヤ18の先端部に固定されている。
【0047】
さらに、リンク接続部材54の前端部はガイド部材52の前方に延出されている。そして、このリンク接続部材54の前端の延出端部にリンク部材55の後端部がピン56を介して回動自在に連結されている。また、リンク部材55の前端部は組織採取部4の前部側のピン8を介して組織採取部4の後端部に回動自在に連結されている。
【0048】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では手元側操作部21のスライダ部材23がスライダガイド部材22の前端位置に移動された定位置で保持されている場合には挿入部2の先端部側の組織採取部4は図7(A),(B)に示すように略一直線状に真っ直ぐに延ばされた非湾曲位置で保持される。
【0049】
そして、組織採取装置1の使用時には第1の実施の形態と同様に挿入部2の先端部側の組織採取部4が図7(A),(B)に示す非湾曲位置で保持されたままの状態で組織採取装置1の挿入部2が患者の体腔内、例えば図4に示すような気管支33内に挿入される。
【0050】
また、生体組織の採取時に手元側操作部21のスライダ部材23がスライダガイド部材22に沿って後方に引っ張り操作され動作にともない操作ワイヤ18が後方に牽引操作される。さらに、この操作ワイヤ18の牽引操作によってリンク接続部材54およびリンク部材55を介して組織採取部4の前部側のピン8が後方に牽引されることにより、図7(C)に示すように組織採取部4が後部側のピン9を中心に図7(C)中で反時計回り方向に回動される。これにより、挿入部2の先端部側の組織採取部4が方向調節機構51によって回動駆動され、この組織採取部4の回動動作にともない組織採取部4のカップ4aの先端部によって生体組織の表面部分が削り取られて採取される。
【0051】
そこで、上記構成のものにあっては組織採取部4は第1の実施の形態と同様にカップ4aの先端湾曲面25における最先端の頂点位置26を越えてカップ4aの開口面4b側に延出される延出部27を設けた構成になっているので、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0052】
さらに、本実施の形態では第1の実施の形態の組織採取部4の方向調節を行なう湾曲式の方向調節機構5に代えてリンク式の方向調節機構51を設けたので、第1の実施の形態に比べて部品数を少なくして組織採取装置1の構成を簡略化できる効果がある。
【0053】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 操作ワイヤの進退操作にともない先端部材、中間部材が湾曲操作されて組織採取部の方向調節が行われる組織採取装置において、前記先端部材の最先端部分の形状が先端部の中心線に対して、まがって形成されていることと、先端部材の形状が鋭角であることを特徴とする組織採取装置。
【0054】
(付記項1の従来技術) 特開平5−142号公報。
(付記項1が解決しようとする課題) 気管支挿入時、分岐部において、中心線をまたがっていない形状だと、分岐部にあたったとき、分岐部の中心線にそって、先端部が枝分かれしている意図していない方向にいってしまうという問題があった。
【0055】
(付記項1の目的) 気管支分岐部にあっても任意の方向に挿入でき、屈曲部のカタが飛び出ていなくかつ、真直時ソリ返りがなく、先端カップ形状が鋭角になっているため、挿入しやすい組織採取装置を提供する。
【0056】
(付記項1の課題を解決するための手段) 先端部材の最先端部を先端部材の中心線に対して、またぐような形状にすることにより、気管支挿入時分岐部にあたっても、先端部が分岐部の中心線をまたがっているので、意図する方に挿入できる。また、先端部を鋭角形状にすることにより、さらに末梢まで挿入できる。
【0057】
(付記項1の効果) 気管支挿入時分岐部にあたっても、先端部が分岐部の中心線をまたがっているので、意図する方に挿入でき、先端部を鋭角形状であるから、末梢まで挿入できる。
【0058】
(付記項2) 組織採取部の方向調節を行なう方向調節機構における中間部材の操作ワイヤの支点部を中間部材の後端面側に接近させた状態で配置させることにより、組織採取部の湾曲操作時の操作ワイヤの先端部の屈曲角度を小さくて組織採取部を非湾曲位置に戻す際に組織採取部が跳ねるように急速に戻ることを防止するようにしたことを特徴とする組織採取装置。
【0059】
(付記項3) 組織採取部と、方向調節機構の中間部材と、接続部材とが略一直線状に真っ直ぐに延ばされた非湾曲位置で保持されている場合に中間部材の接続端部の前端面と当接するストッパとしての当接面を組織採取部の後端部に形成し、中間部材の後端部にも同様に非湾曲位置で保持されている場合に接続部材の接続端部の前端面と当接するストッパとしての後端当接面を形成したことを特徴とする組織採取装置。
【0060】
(付記項4) 組織採取部の後端部両側面に組織採取部の湾曲時に中間部材の接続端部が外側に突出することを防止する形状に成形した成形部を形成し、中間部材の後端部両側面にも同様に組織採取部の湾曲時に接続部材の接続端部が外側に突出することを防止する形状に成形した成形部を形成したことを特徴とする組織採取装置。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、患者の体腔内に挿入しやすい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すもので、(A)は組織採取装置の手元側の操作部の側面図、(B)は組織採取装置の挿入部の先端部側の側面図。
【図2】 (A)は第1の実施の形態の組織採取装置における挿入部の方向調節機構の要部構成を示す縦断面図、(B)は組織採取部のカップ部材の縦断面図、(C)は(B)のC−C線断面図。
【図3】 第1の実施の形態の組織採取装置における挿入部の方向調節機構の作動状態を示す要部の縦断面図。
【図4】 第1の実施の形態の組織採取装置の動作を説明するための説明図。
【図5】 本発明の第2の実施の形態を示すもので、(A)は組織採取装置における挿入部の先端部を示す要部の縦断面図、(B)は第2の実施の形態の組織採取装置における挿入部の方向調節機構の作動状態を示す要部の縦断面図。
【図6】 本発明の第3の実施の形態の組織採取装置における組織採取部のカップ部材の縦断面図。
【図7】 本発明の第4の実施の形態を示すもので、(A)は組織採取装置における挿入部の先端部を示す要部の縦断面図、(B)は(A)を90°軸回り方向に回転させた位置での縦断面図、(C)は組織採取装置における方向調節機構の作動状態を示す要部の縦断面図。
【図8】 従来の組織採取装置における組織採取部のカップ部材の縦断面図。
【図9】 従来の組織採取装置の動作を説明するための説明図。
【符号の説明】
2 挿入部
4 組織採取部
4a、41a カップ
4b、41b 開口面
5、51 方向調節機構
18 操作ワイヤ
21 手元側の操作部
23 スライダ部材(操作部材)
25、42 先端湾曲面
26、43 頂点位置
27、44 延出部
28 先細部
29 側面
Claims (2)
- 体内に挿入される先端部を有する挿入部と、
前記挿入部の先端部と接続される接続部材と、
基端部と先端部を有し、前記基端部は前記接続部材に接続され前記基端部を回転中心として前記先端部が回動可能である中間可動部材と、
先端部には湾曲した先端湾曲面が先細状の略カップ形状に成形され、基端部は前記中間可動部材の先端部に接続され、前記基端部を回転中心として前記略カップ形状に形成された前記先端部が回動可能である組織採取部と、
前記接続部材、前記中間可動部材及び前記組織採取部が略一直線状に並ぶ非湾曲位置と非湾曲位置と異なる湾曲位置との間で前記中間可動部材と前記組織採取部とを回動操作するための操作部と、
前記非湾曲位置で前記中間可動部材の先端部側の前端面と当接して前記組織採取部の回転動作を規制するストッパを構成するために前記組織採取部の基端側の後端面に形成された前端当接面と、
前記非湾曲位置で前記接続部材の接続端部の前端面と当接して前記中間可動部材の回転動作を規制するストッパを構成するために前記中間可動部材の基端側の後端面に形成された後端当接面と、を有することを特徴とする組織採取装置。 - 前記組織採取部の基端部は、前記湾曲位置で前記組織採取部の基端部が前記中間可動部材の先端側より外側に突出することを防止するように成形され、また、前記中間可動部材の基端部は、前記湾曲位置で前記中間可動部材の基端部が前記接続部材の先端部より外側に突出することを防止するように成形されていることを特徴とする請求項1に記載の組織採取装置。
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