JP3898538B2 - マルチキャリアcdma受信装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチキャリアCDMA(Code division Multiple Access)方式を用いた多元接続方式の移動体通信システムで使用されるマルチキャリアCDMA受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のマルチキャリアCDMA受信装置について説明する。マルチキャリアCDMA方式を用いた多元接続方式の移動体通信システムで使用されるマルチキャリアCDMA受信装置としては、たとえば、文献「繰り返しチャネル推定を用いたときの下りリンクブロードバンド無線パケット伝送におけるSC/DS-CDMA,MC/DS-CDMA,MC-CDMA方式の特性比較、電子情報通信学会 信学技報 RCS99-130 p.63-70 1999年10月」に記載された装置がある。
【0003】
ここで、上記文献に記載された従来のマルチキャリアCDMA受信装置およびマルチキャリアCDMA送信装置の構成を、図面を用いて詳細に説明する。図8は、従来のマルチキャリアCDMA送信装置の構成を示す図であり、図9は、従来のマルチキャリアCDMA受信装置の構成を示す図である。また、図10は、サブキャリア毎の送信スロットのフォーマットを示す図である。送信スロットは、パイロットシンボル部分(既知系列)とデータ部分から構成される。図11は、移動体通信システムにおいて、周囲の建物や地形により電波が反射,回折,散乱することによって複数の伝送路を経た波(マルチパス波)が到来し、当該マルチパス波が相互に干渉することによって生じる周波数選択性フェージング伝送路のインパルス応答の一例を示す図である。
【0004】
図8において、200は符号化部であり、201はデータ変調部であり、202はパイロットシンボル多重化部であり、203はシリアル/パラレル変換部であり、204はコピー部であり、205は乗算器であり、207は他コード多重化部であり、208はIFFT(逆FFT)部であり、209はガードインターバル(GI)付加部である。
【0005】
また、図9において、300はガードインターバル(GI)除去部であり、301はFFT部であり、302はフェージング変動補償部であり、303,304は乗算器であり、305,306は乗算器であり、307,308は合成器であり、309はパラレル/シリアル変換部であり、310はデータ復調部であり、311は復号部である。
【0006】
以下、上記マルチキャリアCDMA送信装置(以降、単に送信装置と呼ぶ)およびマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の動作を図8,図9を用いて説明する。
【0007】
送信装置では、符号化部200が、2値のデータを受け取り、符号化率R=1/2の畳込み符号化を行った後、当該畳込み符号化後の信号をデータ変調部201に出力する。データ変調部201では、QPSK変調に相当するマッピング則に従って変調処理を行う。
【0008】
変調後の信号を受け取ったパイロットシンボル多重化部202では、サブキャリア単位に図10のスロットを構成するため、Np個のパイロットシンボルをスロットの前後に、Nd個のデータシンボルを前後のパイロットシンボル間に、それぞれ配置する。上記のように構成されたパイロットシンボル多重化部202出力の信号を受け取ったシリアル/パラレル変換部203では、シリアルの状態のシンボルをパラレルのシンボルに変換する。そして、コピー部204では、パラレルのシンボルをコピーする。
【0009】
乗算器205では、コピー後の信号に対して拡散率SFに基づいて拡散処理を行う。ここでは、拡散のためのコードを各コピー部204の出力に対して乗算する。拡散コード乗算後のシンボルを受け取った他コード多重化部207では、他の拡散コードにより拡散されたシンボルを多重化する。多重化された信号を受け取ったIFFT部208では、当該信号を直交マルチキャリア信号に変換する。直交マルチキャリア信号を受け取ったGI付加部209では、ガードインターバルをシンボル毎に付加し、ガードインターバル付加後の信号を送信信号として出力する。
【0010】
受信装置では、GI除去部300が、無線通信路上で周波数選択性フェージング等の影響を受けた信号を受け取り、受信信号からガードインターバルを除去してシンボル毎に連なった信号を出力する。FFT部301では、GI除去部300から受け取った信号に対してフーリエ変換処理を行い、サブキャリア信号成分に分離する。そして、当該サブキャリア信号を、それぞれサブキャリア単位に、フェージング変動補償部302と乗算器303,304に対して出力する。
【0011】
ここで、フェージング変動補償部302におけるチャネル推定方法について説明する。まず、スロット内のパイロットシンボル区間を同相加算後、平均化し、サブキャリア毎のチャネル推定値を次式(1)により算出する。
【0012】
【数1】
【0013】
ただし、Cnはn番目のサブキャリアのチャネル推定値を表し、Zn、1(i)は図10に示すスロットにおけるn番目のサブキャリアの先頭のパイロットシンボルを表し、Zn、2(i)は後尾のパイロットシンボルを表す。サブキャリア毎に求められたチャネル推定値Cnは、近接するNavg個のサブキャリアから求められたチャネル推定値とともに平均化され、第n番目のサブキャリアの平均化後のチャネル推定値は、次式(2)により算出する。
【0014】
【数2】
【0015】
式(2)で算出した平均化後のチャネル推定値に基づいて逆拡散を行うため、フェージング変動補償値Wnを次式(3)に従い算出する。
【0016】
【数3】
【0017】
上記フェージング変動補償値Wnは、サブキャリアごとにフェージング変動の補償を行うため、個別に乗算器(303,…,304)に入力され、その後、前記サブキャリアごとのフェージング変動補償後の信号は、それぞれ乗算器(305,…,306)に入力される。当該各乗算器では、逆拡散を行うためのコードを乗算する。
【0018】
逆拡散後の信号を受け取った合成器307,308では、当該信号を合成することで逆拡散処理を完了する。合成後の信号を受け取ったパラレル/シリアル変換309では、パラレルデータをシリアルデータに変換する。シリアルデータ受け取ったデータ復調部310では、データ復調処理を行い、軟判定値を出力する。最後に、軟判定値を受け取った復号部311では、たとえば、ビタビ復号を行い、判定データシンボルを出力する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、従来のマルチキャリアCDMA送受信装置では、以下に示す問題があった。
【0020】
たとえば、移動体通信の場合、周囲の建物や地形によって電波が反射,回折,散乱し、移動局には、複数の伝送路を経た波(マルチパス波)が到来し、当該マルチパス波が相互に干渉するため、受信波の振幅と位相がランダムに変動する周波数選択性フェージングが発生する。
【0021】
したがって、移動局が高速に移動する場合には周波数選択性フェージングによる変動が高速となるため、上記従来技術では、フェージングによる振幅・位相変動を十分に推定できず、また、符号多重時にはコード間で干渉が発生するため、受信信号品質やデータ復調が良好に行えない、という問題があった。
【0022】
特に、多値変調時にはフェージングによる振幅変動があるため、フェージングによる振幅変動を考慮した判定しきい値をシンボル毎に設ける必要がある。しかしながら、マルチキャリアCDMA方式の変調信号は周波数方向に拡散されているため、逆拡散後のシンボルの信号レベルを考慮した適切な判定しきい値を設けなければ、良好なデータ復調が行えない。
【0023】
また、ダイバーシチ受信時には、ブランチ毎の信号に対して逆拡散後のシンボルの信号レベルを考慮した適切な重み付けを行わなければ、良好なデータ復調が行えない。
【0024】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動局が高速に移動して周波数選択性フェージングによる変動が高速となる場合であっても、良好な受信品質を実現することが可能なマルチキャリアCDMA受信装置を得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、フーリエ変換後のサブキャリア群中のサブキャリア信号(パイロットシンボルおよびデータシンボルを含む)に対してフェージング変動を補償しながら周波数逆拡散を行い、当該逆拡散後の各サブキャリア信号をシリアル信号に変換し、当該シリアル信号を所定の手順で復調する復調部と、当該復調データを復号する復号部と、を備える構成とし、前記復調部は、前記フェージング変動補償時にパイロットシンボル間の一次補間により算出された各サブキャリア信号のチャネル推定値、およびパイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比、に基づいて、逆拡散後のシンボルの振幅値を算出する逆拡散後振幅算出手段と、前記逆拡散後のシンボルの振幅値に基づいて多値変調時の判定しきい値を算出する判定しきい値生成手段と、前記判定しきい値に基づいて前記シリアル信号を復調し、当該復調結果として軟判定データを出力するデータ復調手段と、前記各サブキャリア信号のチャネル推定値に基づいて、サブキャリア群毎に、パイロットシンボルの合成振幅値を算出する振幅合成手段と、前記合成振幅値に基づいて前記軟判定データに対する所定の重みを生成し、前記軟判定データに対して重み付けを行う重み付け手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、フーリエ変換後のサブキャリア群中のサブキャリア信号(パイロットシンボルおよびデータシンボルを含む)に対してフェージング変動を補償しながら周波数逆拡散を行い、当該逆拡散後の各サブキャリア信号をシリアル信号に変換し、当該シリアル信号を所定の手順で復調する復調部と、当該復調データを復号する復号部と、を備える構成とし、前記復調部は、前記フェージング変動補償用の重み付け係数を生成する重み付け係数生成手段と、前記フェージング変動補償時にパイロットシンボル間の一次補間により算出された各サブキャリア信号のチャネル推定値、およびパイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比、に基づいて、逆拡散後のシンボルの振幅値を算出する逆拡散後振幅算出手段と、前記逆拡散後のシンボルの振幅値に基づいて多値変調時の判定しきい値を算出する判定しきい値生成手段と、前記判定しきい値に基づいて前記シリアル信号を復調し、当該復調結果として軟判定データを出力するデータ復調手段と、前記各サブキャリア信号のチャネル推定値に基づいて、サブキャリア群毎に、パイロットシンボルの合成振幅値を算出する振幅合成手段と、前記合成振幅値に基づいて前記軟判定データに対する所定の重みを生成し、前記軟判定データに対して重み付けを行う重み付け手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置において、前記重み付け係数生成手段は、「符号多重するチャネル数」および「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」に基づいて、MMSE(Minimum Mean Square Error)基準に従う重み付け係数を生成することを特徴とする。
【0028】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、前記復調部を複数備える構成とし、さらに、前記各復調部によって得られる重み付け後の軟判定データを合成する合成手段を備え、前記復号部は、前記合成結果を用いて復号することを特徴とする。
【0029】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、各サブキャリア信号に含まれる符号多重化された既知系列部分を用いて、所定のパラメータを算出するパラメータ算出手段を備え、前記パラメータ算出手段は、各サブキャリア群における既知系列部分のシンボルの平均電力および各サブキャリア群における逆拡散後の既知系列部分のシンボルの平均電力に基づいて、前記「符号多重するチャネル数」を算出し、各サブキャリア群におけるパイロット部分の合成信号振幅および各サブキャリア群における既知系列部分の逆拡散後の平均信号振幅、に基づいて前記「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を算出することを特徴とする。
【0030】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、各サブキャリア信号に含まれる符号多重化された既知系列部分を用いて、所定のパラメータを算出するパラメータ算出手段を備え、前記パラメータ算出手段は、各サブキャリア群におけるデータシンボルの平均電力および各サブキャリア群における逆拡散後のデータシンボルの平均電力に基づいて、前記「符号多重するチャネル数」を算出し、各サブキャリア群におけるパイロット部分の合成信号振幅および各サブキャリア群における既知系列部分の逆拡散後の平均信号振幅、に基づいて前記「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を算出することを特徴とする。
【0031】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、送信側が制御情報に含んで送信する「符号多重するチャネル数」および「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を用いることを特徴とする。
【0032】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置において、前記重み付け手段は、前記振幅合成手段が生成する合成振幅値の2乗に比例する重みを生成することを特徴とする。
【0033】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置において、前記フェージング変動補償では、フェージングによる振幅変動補償値を、対象とするサブキャリアのパイロットシンボルを時間方向に平均化することで算出し、フェージングによる位相変動補償値を、隣接するサブキャリアのパイロットシンボルを周波数方向および時間方向に平均化することで算出することを特徴とする。
【0034】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置において、前記各サブキャリア信号のチャネル推定値は、パイロットシンボル間の一次補間により算出することを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0036】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の実施の形態1の構成を示す図である。また、図2は、サブキャリア毎の送信スロットのフォーマットの一例を示す図である。なお、送信側の処理については、基本的に従来例と同様であるため、その説明を省略する。一例として、送信スロットでは、パイロット部とデータ部から1スロットを構成し、スロットのパイロット部分は同一のデータを連続して送信する。
【0037】
図1において、1はガードインターバル(GI)除去部であり、2はFFT部であり、3はフェージング変動補償部であり、4−1,…,4−a,6−1,…,6−aは乗算器であり(aは自然数)、8−1,…,8−bは合成器であり(bは自然数)、10はパラレル/シリアル変換部であり、11は逆拡散後振幅算出部であり、12は判定しきい値生成部であり、13はデータ復調部であり、14は振幅合成部であり、15は重み生成部であり、16は乗算器であり、17は復号部である。
【0038】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。まず、無線通信路上で周波数選択性フェージング等の影響を受けた受信信号は、GI除去部1に入力される。
【0039】
GI除去部1では、ガードインターバルが除去され、シンボル毎に連なった信号を出力する。GI除去部1の出力信号を受け取ったFFT部2では、当該信号に対してフーリエ変換処理を行い、各サブキャリア信号成分に分離する。分離後の複数のサブキャリア信号は、サブキャリア毎にフェージング変動補償部3と乗算器4−1〜4−mに入力される。
【0040】
フェージング変動補償部3では、まず、サブキャリア毎に対象とするスロットの前後のパイロットシンボル区間をそれぞれ同相加算後に平均化し、チャネル推定値を算出する。次式(4)にその処理方法を示す。
【0041】
【数4】
【0042】
なお、pn,1,pn,2は、それぞれ第n番目のサブキャリア毎のパイロット部分のチャネル推定値であり、Zn,1(i),dn,1(i)は、それぞれ図2に示すスロットの前方に存在する受信パイロットシンボルと送信パイロットシンボルを表し、Zn,2(i),dn,2(i)は、それぞれスロットの後方に存在する受信パイロットシンボルと送信パイロットシンボルを表す。ただし、*は複素共役を意味する。
【0043】
つぎに、サブキャリア毎に求められたスロットの前後のチャネル推定値pn,1,pn,2を用いて、対象とするスロット間における一次補間後のチャネル推定値Vn(k)(kはデータ部分のシンボル番号)を算出する。たとえば、データ部分のシンボル数をNdとすると、一次補間後のチャネル推定値Vn(k)は、次式(5)により算出することができる。
【0044】
【数5】
【0045】
ただし、k=0,1,2,…,Nd−1であり、Q1,Q2は、それぞれ次式(6)で表現する。
【0046】
【数6】
【0047】
つぎに、第n番目のサブキャリア毎のチャネル推定値Vn(k)は、隣接するNavg個のサブキャリアから求められたチャネル推定値とともに周波数方向の平均化処理が行われる。そして、第n番目のサブキャリアの周波数方向平均化後のチャネル推定値Yn(k)(kはデータ部分のシンボル番号)は、次式(7)により算出する。
【0048】
【数7】
【0049】
つぎに、周波数方向平均化後のチャネル推定値Yn(k)に基づいて逆拡散を行うため、第n番目のサブキャリアのフェージング変動補償値mn(k)を次式(8)により算出する。
【0050】
【数8】
【0051】
最後に、サブキャリア毎にフェージング変動の補償を行うため、第n番目のフェージング変動補償値mn(k)を乗算器4−1〜4−aに入力する。
【0052】
上記手順で第n番目のフェージング変動補償値を算出後、乗算器4−1〜4−aでは、サブキャリア毎にチャネル変動を補償する。サブキャリア毎のチャネル変動補償後の信号Sn(k)は、次式(9)のように表現する。ただし、Zn(k)は第n番目のサブキャリア群のk番目の受信シンボルを表す。
【0053】
【数9】
【0054】
サブキャリア毎のフェージング変動補償後の信号Sn(k)を受け取った乗算器6−1〜6−mでは、当該信号に逆拡散を行うための拡散コードを乗算する。サブキャリア毎の逆拡散後の信号を受け取った合成器8−1〜8−bでは、当該逆拡散後の信号をサブキャリア単位に合成する。合成後の信号を受け取ったパラレル/シリアル変換部10では、当該信号をパラレルデータからシリアルデータに変換する。そして、パラレル/シリアル変換後の信号は、データ復調部13に入力される。
【0055】
一方、逆拡散後振幅算出部11では、式(5)に示す第n番目のサブキャリアのチャネル推定値Vn(k)を用いて、第ng番目のサブキャリア群の逆拡散後のシンボルの振幅Rng(k)を算出する(式(10)参照)。
【0056】
【数10】
【0057】
ただし、ngはサブキャリア群番号(ng=0,1,2,…,Nc/SF−1)を表し、k(k=0,1,2,…,Nd−1)はシンボル番号を表し、a(ng)は第ng番目のサブキャリア群のパイロットシンボル部とデータシンボル部の信号振幅の比を表す。また、この信号振幅の比a(ng)は、予め制御チャネルを通じて報知されるものであり、たとえば、パイロットシンボル部分とデータシンボル部分の信号電力が異なる場合に、チャネル推定値Vn(k)の振幅をデータシンボルの信号振幅となるように補正する。具体的にいうと、パイロットシンボル部分とデータシンボル部分の信号電力が同一ならば、パイロットシンボル部とデータシンボル部の信号振幅の比a(ng)は「1」となる。
【0058】
第ng番目のサブキャリア群の逆拡散後のシンボルの振幅Rng(k)を受け取った判定しきい値生成部12では、復調時に使用する判定しきい値を生成する。ここでは、多値変調の一例として、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の場合について説明する。図3は、16QAMの信号点配置を示す図である。なお、図3では判定しきい値を点線により示している。
【0059】
判定しきい値生成部12では、点線で示す判定しきい値を次式(11)により生成する。そして、生成された判定しきい値は、データ復調部13に入力される。データ復調部13では、判定しきい値を用いて上記シリアルデータを復調し、その復調結果として軟判定データを出力する。
【0060】
【数11】
【0061】
ここで、hは判定しきい値の番号を表し(h=1,2,3)、bnは判定しきい値を設定するための設定係数を表し、cは雑音による判定しきい値のずれに対して一定の補正を行うための補正係数を表す。設定係数は、たとえば、パイロットシンボルの信号点が図3の信号点の最も外側の4点に存在する場合、b1=−2/3,b2=0,b3=2/3となる。
【0062】
さらに、振幅合成部14では、式(5)に示す第n番目のサブキャリアのチャネル推定値Vn(k)を用いて、第ng番目のサブキャリア群における振幅合成後のシンボルの振幅Ang(k)を算出する(式(12)参照)。
【0063】
【数12】
【0064】
第ng番目のサブキャリア群における振幅合成後のシンボルの振幅Ang(k)を受け取った重み生成部15では、当該振幅Ang(k)に基づいて軟判定データ用の重みを生成する。この重みは、振幅Ang(k)あるいは振幅Ang(k)の2乗値に比例するものを用いる。軟判定データ用の重みを受け取った乗算器16では、上記復調後の軟判定データに対して重み付けを行う。重み付け後の軟判定データを受け取った復号部17では、当該データに対して誤り訂正を行い、その結果として硬判定データを出力する。
【0065】
このように、本実施の形態においては、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、フェージング変動補償を行う構成とし、さらに、フェージングによる振幅変動を考慮した多値変調用の判定しきい値を生成する構成とした。これにより、フェージングによる振幅・位相変動を十分に推定できない従来技術と比較して、より良好な受信品質を実現できる。
【0066】
実施の形態2.
図4は、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の実施の形態2の構成を示す図である。なお、送信スロットのフォーマットについては、前述した実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。また、送信側の処理についても、基本的に従来例と同様であるため、その説明を省略する。
【0067】
図4において、21はフェージング変動補償部であり、22は重み付け係数生成部であり、23は逆拡散後振幅算出部であり、24は判定しきい値生成部であり、25はデータ復調部である。なお、前述した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0068】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。ここでは、前述の実施の形態1と異なる動作についてのみ説明する。
【0069】
フェージング変動補償部21では、まず、前述した実施の形態1と同様の手順で、チャネル推定値を算出する(式(4)参照)。つぎに、サブキャリア毎に求められたスロットの前後のチャネル推定値pn,1,pn,2を用いて、対象とするスロット間における一次補間後のチャネル推定値Vn(k)を算出する(式(5)(6)参照)。つぎに、第n番目のサブキャリア毎のチャネル推定値Vn(k)は、隣接するNavg個のサブキャリアから求められたチャネル推定値とともに周波数方向の平均化処理が行われ、そして、第n番目のサブキャリアの周波数方向平均化後のチャネル推定値Yn(k)を算出する(式(7)参照)。
【0070】
その後、重み付け係数生成部22では、フェージング変動補償に用いるMMSE(Minimum Mean Square Error)用の重み付け係数を算出するために、まず、パイロット部分を用いて各サブキャリア群の分散値σ2 nを、式(13)の結果を用いて算出する。ここでは、次式(13)により、第n番目のサブキャリアのパイロット部分の分散値σ2 nを算出する。
【0071】
【数13】
【0072】
つぎに、重み付け係数生成部22では、式(13)の結果を用いて、全サブキャリアにおけるパイロットシンボルの分散値の平均値を次式(14)により算出する。
【0073】
【数14】
【0074】
そして、重み付け係数生成部22では、多重化されたコード数Nuが予め制御情報により報知されているものとし、MMSE合成用の重み付け係数hnを次式(15)により算出する。
【0075】
【数15】
【0076】
ただし、k(k=0,1,2,…,Nd−1)はシンボル番号を表し、a(ng)は第ng番目のサブキャリア群のパイロットシンボル部とデータシンボル部の信号振幅の比を表す。また、この信号振幅の比a(ng)は、予め制御チャネルを通じて報知されるものであり、たとえば、パイロットシンボル部分とデータシンボル部分の信号電力が異なる場合に、チャネル推定値Vn(k)の振幅をデータシンボルの信号振幅となるように補正する。具体的にいうと、パイロットシンボル部分とデータシンボル部分の信号電力が同一ならば、パイロットシンボル部とデータシンボル部の信号振幅の比a(ng)は「1」となる。
【0077】
MMSE合成用の重み付け係数hnを生成後、フェージング変動補償部21では、当該重み付け係数hnと式(7)で算出した周波数方向平均化後のチャネル推定値Yn(k)とを用いて、逆拡散を行うための第n番目のサブキャリアのフェージング変動補償値mn(k)を次式(16)により算出する。
【0078】
【数16】
【0079】
そして、サブキャリア毎にフェージング変動の補償を行うため、第n番目のフェージング変動補償値mn(k)を乗算器4−1〜4−aに入力する。
【0080】
一方、逆拡散後振幅算出部23では、式(5)に示す第n番目のサブキャリアのチャネル推定値Vn(k)を用いて、第ng番目のサブキャリア群の逆拡散後のシンボルの振幅Rng(k)を算出する(式(17)参照)。
【0081】
【数17】
【0082】
第ng番目のサブキャリア群の逆拡散後のシンボルの振幅Rng(k)を受け取った判定しきい値生成部24では、復調時に使用する判定しきい値を生成する。ここでは、多値変調の一例として、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を想定する(図3参照)。
【0083】
判定しきい値生成部24では、点線で示す判定しきい値を前述した式(11)により生成する。そして、生成された判定しきい値は、データ復調部25に入力される。データ復調部25では、判定しきい値を用いてパラレル/シリアル変換部10出力のシリアルデータを復調し、その復調結果として軟判定データを出力する。
【0084】
このように、本実施の形態においては、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、MMSE基準でフェージング変動補償を行う構成とし、さらに、フェージングによる振幅変動を考慮した多値変調用の判定しきい値を生成する構成とした。これにより、コード間の干渉が抑えられるため、さらに良好な受信品質を実現できる。
【0085】
実施の形態3.
図5は、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の実施の形態3の構成を示す図である。ここでは、基本的な構成については実施の形態1および2と同一であり、復号部がダイバーシチ対応となっている点が異なる。なお、以降では、説明の便宜上、実施の形態1の構成をダイバーシチ対応とした場合について説明する。
【0086】
図5において、31は第1のブランチの受信部であり、32は第2のブランチの受信部であり、33は加算器である。
【0087】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。ここでは、前述の実施の形態1と異なる動作についてのみ説明する。加算器33では、第1のブランチの受信部31で生成された重み付け後の軟判定データと、第2のブランチの受信部32で生成された重み付け後の軟判定データと、をブランチ間でダイバーシチ合成する。ダイバーシチ合成された軟判定データを受け取った復号部17では、当該データに対して誤り訂正を行い、その結果として硬判定データを出力する。
【0088】
このように、本実施の形態においては、逆拡散時に使用したサブキャリアの振幅に基づいて重み付けを行った軟判定データを、ブランチ間でダイバーシチ合成する構成とした。これにより、ダイバーシチ受信を実現できるため、周波数選択性フェージングの伝送路において、さらに良好な受信品質を実現できる。
【0089】
実施の形態4.
前述した実施の形態1,2および3においては、第ng番目のサブキャリア群のパイロット部とデータ部の信号振幅比a(ng)および多重するチャネル数Nuが、予め制御情報等により報知されるため、既知であった。これに対し、本実施の形態では、図6に示すようなスロット構成を用いることにより、符号多重化されていないパイロット部と、符号多重化されたチャネル毎に与えられる既知系列部と、を用いて、パイロット部分とデータ部分の信号振幅比a(ng)および多重するチャネル数Nuを推定する。
【0090】
図7は、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の実施の形態4の構成を示す図である。ここでは、基本的な構成については実施の形態1,2および3と同一であり、上記のようなパラメータを推定するパラメータ推定部41を有する点が異なる。なお、以降では、説明の便宜上、実施の形態2の構成にパラメータ推定部41を適用した場合について説明する。
【0091】
図7において、41はパラメータ推定部であり、42はフェージング変動補償部であり、43は重み付け係数生成部であり、44は逆拡散後振幅算出部である。なお、前述した実施の形態2と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。ここでは、前述の実施の形態2と異なる動作についてのみ説明する。
【0093】
パラメータ推定部41では、まず、フェージング変動補償部42が抽出したパイロット部分の複数のシンボルを用いて、信号振幅の合成結果をサブキャリア群毎に算出する。上記サブキャリア群毎の信号振幅の合成結果Ap(ng)は次式(18)で与えられる。
【0094】
【数18】
【0095】
つぎに、パラメータ推定部41では、サブキャリア毎に備えられた既知系列部のNkw個のシンボルを用いて、既知系列部の逆拡散後の信号を平均化するとともに、その振幅値Af(ng)を算出する。なお、上記サブキャリア群毎の逆拡散後の信号とは、合成器8−1〜8−bの出力である。したがって、既知系列部分のサブキャリア群毎の逆拡散後の信号をfng(k)とし、kをシンボル番号(k=0,1,…,Nkw−1)とすると、上記振幅値Af(ng)は次式(19)で与えられる。
【0096】
【数19】
【0097】
ただし、dfng(k)は第ng番目のサブキャリア群毎の既知系列を表す。
【0098】
そして、パラメータ推定部41では、第ng番目のサブキャリア群のパイロットシンボル部とデータ部(既知系列部)の振幅比a(ng)を、式(18),式(19)を用いて算出する。具体的にいうと、次式(20)に示すように、振幅値Ap(ng)を振幅値Af(ng)で除算することにより算出する。
【0099】
【数20】
【0100】
つぎに、パラメータ推定部41では、既知系列部の受信シンボルをZkw(ng・SF+i,k)とした場合、第ng番目のサブキャリア群の既知系列部分の受信シンボルの平均電力Pkw(ng)を、次式(21)により算出する。
【0101】
【数21】
【0102】
つぎに、パラメータ推定部41では、既知系列部分のシンボルに対してフェージングによる位相変動を補償し、その後、逆拡散を行い、その結果で得られた第ng番目のサブキャリア群のシンボルの電力の平均値Pkwds(ng)を、次式(22)により算出する。
【0103】
【数22】
【0104】
そして、パラメータ推定部41では、符号多重されたチャネル数Nuを、式(21),式(22)の結果を用いて、次式(23)により算出する。
【0105】
【数23】
【0106】
ただし、NGは使用した全サブキャリア群数を表し、σ2は式(14)で算出された値である。
【0107】
最後に、パラメータ推定部41では、上記のように算出したパイロット部とデータ部の信号振幅比および多重化されたチャネル数を重み付け係数生成部43に対して出力し、さらに、前記パイロット部とデータ部の信号振幅比を逆拡散後振幅算出部44に対して出力する。
【0108】
なお、本実施の形態では、使用した全てのサブキャリア群の符号多重化されるチャネル数が等しいものとしたが、これに限らず、たとえば、サブキャリア群によっては符号多重化されるチャネル数が異なる場合もある。この場合には、サブキャリア群毎の符号多重化されるチャネル数は、次式(24)により算出する。
【0109】
【数24】
【0110】
このように、本実施の形態においては、送信スロットに挿入された符号多重化された既知系列部分を利用することで、サブキャリア群毎のパイロットシンボル部とデータ部(既知系列部)の振幅比および多重化されたチャネル数を、制御情報を用いることなく、受信側で推定できる。
【0111】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、実施の形態2の構成にパラメータ推定部41を適用したが、たとえば、実施の形態1または3の構成にパラメータ推定部41を適用した場合には、パラメータ推定部41では、パイロット部とデータ部の信号振幅比だけを算出する。
【0112】
実施の形態5.
前述の実施の形態4では、既知系列部のシンボルのみを利用して、符号多重化したチャネル数Nuの推定を行った。これに対し、本実施の形態では、図2に示す送信スロットのデータ部分を用いて符号多重化したチャネル数Nuを推定する。なお、構成については、前述の実施の形態4における図7と同様である。
【0113】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。ここでは、前述の実施の形態4と異なる動作についてのみ説明する。
【0114】
パラメータ推定部41では、データ部分の受信シンボルをZd(ng・SF+i,k)とした場合、第ng番目のサブキャリア群のデータ部分の受信シンボルの平均電力Pd(ng)を、次式(25)により算出する。ただし、サブキャリア毎のデータ部分のシンボル数をNdとし、kをデータ部分のシンボル番号(k=0,1,2,…,Nd−1)とする。
【0115】
【数25】
【0116】
つぎに、パラメータ推定部41では、データ部分のシンボルに対してフェージングによる位相変動を補償し、その後、逆拡散を行い、その結果で得られた第ng番目のサブキャリア群のデータシンボルの電力の平均値Pdds(ng)を、次式(26)により算出する。
【0117】
【数26】
【0118】
そして、パラメータ推定部41では、符号多重されたチャネル数Nuを、式(25),式(26)の結果を用いて、次式(27)により算出する。
【0119】
【数27】
【0120】
ただし、NGは使用した全サブキャリア群数を表し、σ2は式(14)で算出された値である。
【0121】
最後に、パラメータ推定部41では、先に説明した信号振幅比および上記のように算出した多重化されるチャネル数を、重み付け係数生成部43および逆拡散後振幅算出部44に対して出力する。
【0122】
なお、本実施の形態では、使用した全てのサブキャリア群の符号多重化されるチャネル数が等しいものとしたが、これに限らず、たとえば、サブキャリア群によっては符号多重化されるチャネル数が異なる場合もある。この場合には、サブキャリア群毎の符号多重化されるチャネル数は、次式(28)により算出する。
【0123】
【数28】
【0124】
このように、本実施の形態においては、送信スロットに挿入された符号多重化されたデータ部分を利用することで、サブキャリア群毎のパイロットシンボル部とデータ部の振幅比および多重化されたチャネル数を、制御情報を用いることなく、受信側で推定できる。
【0125】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、フェージング変動補償を行い、さらに、フェージングによる振幅変動を考慮した多値変調用の判定しきい値を生成する。これにより、フェージングによる振幅・位相変動を十分に推定できない従来技術と比較して、より良好な受信品質を実現できる、という効果を奏する。
【0126】
つぎの発明によれば、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、所定の重み付けを行ったフェージング変動補償値を用いてフェージング変動補償を行い、さらに、フェージングによる振幅変動を考慮した多値変調用の判定しきい値を生成する。これにより、フェージングによる振幅・位相変動を十分に推定できない従来技術と比較して、より良好な受信品質を実現できる、という効果を奏する。
【0127】
つぎの発明によれば、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、MMSE基準でフェージング変動補償を行う。これにより、コード間の干渉が抑えられるため、さらに良好な受信品質を実現できる、という効果を奏する。
【0128】
つぎの発明によれば、逆拡散時に使用したサブキャリアの振幅に基づいて重み付けを行った軟判定データを、ブランチ間でダイバーシチ合成する構成とした。これにより、ダイバーシチ受信を実現できるため、周波数選択性フェージングの伝送路において、さらに良好な受信品質を実現できる、という効果を奏する。
【0129】
つぎの発明によれば、送信スロットに挿入された符号多重化された既知系列部分を利用することで、サブキャリア群毎の「パイロットシンボルとデータシンボル(既知系列部)との信号振幅比」および「多重化されたチャネル数」を、制御情報を用いることなく、受信側で推定できる、という効果を奏する。
【0130】
つぎの発明によれば、送信スロットに挿入された符号多重化されたデータ部分を利用することで、サブキャリア群毎の「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」および「多重化されたチャネル数」を、制御情報を用いることなく、受信側で推定できる、という効果を奏する。
【0131】
つぎの発明によれば、送信側が制御情報に含んで送信する「符号多重されたチャネル数」および「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を使用することで、回路規模を削減できる、という効果を奏する。
【0132】
つぎの発明によれば、振幅合成手段が生成する合成振幅値の2乗に比例する重みで、軟判定データを重み付けするため、さらに受信品質を向上させることができる、という効果を奏する。
【0133】
つぎの発明によれば、フェージングによる振幅変動補償値を、対象とするサブキャリアのパイロットシンボルを時間方向に平均化することで算出し、フェージングによる位相変動補償値を、隣接するサブキャリアのパイロットシンボルを周波数方向および時間方向に平均化することで算出するため、精度よくフェージング変動を補償できる、という効果を奏する。
【0134】
つぎの発明によれば、各サブキャリア信号のチャネル推定値をパイロットシンボル間の一次補間により算出することとしたため、さらに精度よくフェージング変動を補償できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態1の構成を示す図である。
【図2】 送信スロットのフォーマットの一例を示す図である。
【図3】 16QAMの信号点配置を示す図である。
【図4】 本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態2の構成を示す図である。
【図5】 本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態3の構成を示す図である。
【図6】 送信スロットのフォーマットの一例を示す図である。
【図7】 本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態4の構成を示す図である。
【図8】 従来のマルチキャリアCDMA送信装置の構成を示す図である。
【図9】 従来のマルチキャリアCDMA受信装置の構成を示す図である。
【図10】 従来の送信スロットのフォーマットを示す図である。
【図11】 周波数選択性フェージング伝送路のインパルス応答の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ガードインターバル(GI)除去部、2 FFT部、3 フェージング変動補償部、4−1,4−a,6−1,6−a 乗算器、8−1,8−b 合成器、10 パラレル/シリアル変換部、11 逆拡散後振幅算出部、12 判定しきい値生成部、13 データ復調部、14 振幅合成部、15 重み生成部、16 乗算器、17 復号部、21 フェージング変動補償部、22 重み付け係数生成部、23 逆拡散後振幅算出部、24 判定しきい値生成部、25 データ復調部、31 第1のブランチの受信部、32 第2のブランチの受信部、33 加算器、41 パラメータ推定部、42 フェージング変動補償部、43 重み付け係数生成部、44 逆拡散後振幅算出部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチキャリアCDMA(Code division Multiple Access)方式を用いた多元接続方式の移動体通信システムで使用されるマルチキャリアCDMA受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のマルチキャリアCDMA受信装置について説明する。マルチキャリアCDMA方式を用いた多元接続方式の移動体通信システムで使用されるマルチキャリアCDMA受信装置としては、たとえば、文献「繰り返しチャネル推定を用いたときの下りリンクブロードバンド無線パケット伝送におけるSC/DS-CDMA,MC/DS-CDMA,MC-CDMA方式の特性比較、電子情報通信学会 信学技報 RCS99-130 p.63-70 1999年10月」に記載された装置がある。
【0003】
ここで、上記文献に記載された従来のマルチキャリアCDMA受信装置およびマルチキャリアCDMA送信装置の構成を、図面を用いて詳細に説明する。図8は、従来のマルチキャリアCDMA送信装置の構成を示す図であり、図9は、従来のマルチキャリアCDMA受信装置の構成を示す図である。また、図10は、サブキャリア毎の送信スロットのフォーマットを示す図である。送信スロットは、パイロットシンボル部分(既知系列)とデータ部分から構成される。図11は、移動体通信システムにおいて、周囲の建物や地形により電波が反射,回折,散乱することによって複数の伝送路を経た波(マルチパス波)が到来し、当該マルチパス波が相互に干渉することによって生じる周波数選択性フェージング伝送路のインパルス応答の一例を示す図である。
【0004】
図8において、200は符号化部であり、201はデータ変調部であり、202はパイロットシンボル多重化部であり、203はシリアル/パラレル変換部であり、204はコピー部であり、205は乗算器であり、207は他コード多重化部であり、208はIFFT(逆FFT)部であり、209はガードインターバル(GI)付加部である。
【0005】
また、図9において、300はガードインターバル(GI)除去部であり、301はFFT部であり、302はフェージング変動補償部であり、303,304は乗算器であり、305,306は乗算器であり、307,308は合成器であり、309はパラレル/シリアル変換部であり、310はデータ復調部であり、311は復号部である。
【0006】
以下、上記マルチキャリアCDMA送信装置(以降、単に送信装置と呼ぶ)およびマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の動作を図8,図9を用いて説明する。
【0007】
送信装置では、符号化部200が、2値のデータを受け取り、符号化率R=1/2の畳込み符号化を行った後、当該畳込み符号化後の信号をデータ変調部201に出力する。データ変調部201では、QPSK変調に相当するマッピング則に従って変調処理を行う。
【0008】
変調後の信号を受け取ったパイロットシンボル多重化部202では、サブキャリア単位に図10のスロットを構成するため、Np個のパイロットシンボルをスロットの前後に、Nd個のデータシンボルを前後のパイロットシンボル間に、それぞれ配置する。上記のように構成されたパイロットシンボル多重化部202出力の信号を受け取ったシリアル/パラレル変換部203では、シリアルの状態のシンボルをパラレルのシンボルに変換する。そして、コピー部204では、パラレルのシンボルをコピーする。
【0009】
乗算器205では、コピー後の信号に対して拡散率SFに基づいて拡散処理を行う。ここでは、拡散のためのコードを各コピー部204の出力に対して乗算する。拡散コード乗算後のシンボルを受け取った他コード多重化部207では、他の拡散コードにより拡散されたシンボルを多重化する。多重化された信号を受け取ったIFFT部208では、当該信号を直交マルチキャリア信号に変換する。直交マルチキャリア信号を受け取ったGI付加部209では、ガードインターバルをシンボル毎に付加し、ガードインターバル付加後の信号を送信信号として出力する。
【0010】
受信装置では、GI除去部300が、無線通信路上で周波数選択性フェージング等の影響を受けた信号を受け取り、受信信号からガードインターバルを除去してシンボル毎に連なった信号を出力する。FFT部301では、GI除去部300から受け取った信号に対してフーリエ変換処理を行い、サブキャリア信号成分に分離する。そして、当該サブキャリア信号を、それぞれサブキャリア単位に、フェージング変動補償部302と乗算器303,304に対して出力する。
【0011】
ここで、フェージング変動補償部302におけるチャネル推定方法について説明する。まず、スロット内のパイロットシンボル区間を同相加算後、平均化し、サブキャリア毎のチャネル推定値を次式(1)により算出する。
【0012】
【数1】
【0013】
ただし、Cnはn番目のサブキャリアのチャネル推定値を表し、Zn、1(i)は図10に示すスロットにおけるn番目のサブキャリアの先頭のパイロットシンボルを表し、Zn、2(i)は後尾のパイロットシンボルを表す。サブキャリア毎に求められたチャネル推定値Cnは、近接するNavg個のサブキャリアから求められたチャネル推定値とともに平均化され、第n番目のサブキャリアの平均化後のチャネル推定値は、次式(2)により算出する。
【0014】
【数2】
【0015】
式(2)で算出した平均化後のチャネル推定値に基づいて逆拡散を行うため、フェージング変動補償値Wnを次式(3)に従い算出する。
【0016】
【数3】
【0017】
上記フェージング変動補償値Wnは、サブキャリアごとにフェージング変動の補償を行うため、個別に乗算器(303,…,304)に入力され、その後、前記サブキャリアごとのフェージング変動補償後の信号は、それぞれ乗算器(305,…,306)に入力される。当該各乗算器では、逆拡散を行うためのコードを乗算する。
【0018】
逆拡散後の信号を受け取った合成器307,308では、当該信号を合成することで逆拡散処理を完了する。合成後の信号を受け取ったパラレル/シリアル変換309では、パラレルデータをシリアルデータに変換する。シリアルデータ受け取ったデータ復調部310では、データ復調処理を行い、軟判定値を出力する。最後に、軟判定値を受け取った復号部311では、たとえば、ビタビ復号を行い、判定データシンボルを出力する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、従来のマルチキャリアCDMA送受信装置では、以下に示す問題があった。
【0020】
たとえば、移動体通信の場合、周囲の建物や地形によって電波が反射,回折,散乱し、移動局には、複数の伝送路を経た波(マルチパス波)が到来し、当該マルチパス波が相互に干渉するため、受信波の振幅と位相がランダムに変動する周波数選択性フェージングが発生する。
【0021】
したがって、移動局が高速に移動する場合には周波数選択性フェージングによる変動が高速となるため、上記従来技術では、フェージングによる振幅・位相変動を十分に推定できず、また、符号多重時にはコード間で干渉が発生するため、受信信号品質やデータ復調が良好に行えない、という問題があった。
【0022】
特に、多値変調時にはフェージングによる振幅変動があるため、フェージングによる振幅変動を考慮した判定しきい値をシンボル毎に設ける必要がある。しかしながら、マルチキャリアCDMA方式の変調信号は周波数方向に拡散されているため、逆拡散後のシンボルの信号レベルを考慮した適切な判定しきい値を設けなければ、良好なデータ復調が行えない。
【0023】
また、ダイバーシチ受信時には、ブランチ毎の信号に対して逆拡散後のシンボルの信号レベルを考慮した適切な重み付けを行わなければ、良好なデータ復調が行えない。
【0024】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動局が高速に移動して周波数選択性フェージングによる変動が高速となる場合であっても、良好な受信品質を実現することが可能なマルチキャリアCDMA受信装置を得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、フーリエ変換後のサブキャリア群中のサブキャリア信号(パイロットシンボルおよびデータシンボルを含む)に対してフェージング変動を補償しながら周波数逆拡散を行い、当該逆拡散後の各サブキャリア信号をシリアル信号に変換し、当該シリアル信号を所定の手順で復調する復調部と、当該復調データを復号する復号部と、を備える構成とし、前記復調部は、前記フェージング変動補償時にパイロットシンボル間の一次補間により算出された各サブキャリア信号のチャネル推定値、およびパイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比、に基づいて、逆拡散後のシンボルの振幅値を算出する逆拡散後振幅算出手段と、前記逆拡散後のシンボルの振幅値に基づいて多値変調時の判定しきい値を算出する判定しきい値生成手段と、前記判定しきい値に基づいて前記シリアル信号を復調し、当該復調結果として軟判定データを出力するデータ復調手段と、前記各サブキャリア信号のチャネル推定値に基づいて、サブキャリア群毎に、パイロットシンボルの合成振幅値を算出する振幅合成手段と、前記合成振幅値に基づいて前記軟判定データに対する所定の重みを生成し、前記軟判定データに対して重み付けを行う重み付け手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、フーリエ変換後のサブキャリア群中のサブキャリア信号(パイロットシンボルおよびデータシンボルを含む)に対してフェージング変動を補償しながら周波数逆拡散を行い、当該逆拡散後の各サブキャリア信号をシリアル信号に変換し、当該シリアル信号を所定の手順で復調する復調部と、当該復調データを復号する復号部と、を備える構成とし、前記復調部は、前記フェージング変動補償用の重み付け係数を生成する重み付け係数生成手段と、前記フェージング変動補償時にパイロットシンボル間の一次補間により算出された各サブキャリア信号のチャネル推定値、およびパイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比、に基づいて、逆拡散後のシンボルの振幅値を算出する逆拡散後振幅算出手段と、前記逆拡散後のシンボルの振幅値に基づいて多値変調時の判定しきい値を算出する判定しきい値生成手段と、前記判定しきい値に基づいて前記シリアル信号を復調し、当該復調結果として軟判定データを出力するデータ復調手段と、前記各サブキャリア信号のチャネル推定値に基づいて、サブキャリア群毎に、パイロットシンボルの合成振幅値を算出する振幅合成手段と、前記合成振幅値に基づいて前記軟判定データに対する所定の重みを生成し、前記軟判定データに対して重み付けを行う重み付け手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置において、前記重み付け係数生成手段は、「符号多重するチャネル数」および「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」に基づいて、MMSE(Minimum Mean Square Error)基準に従う重み付け係数を生成することを特徴とする。
【0028】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、前記復調部を複数備える構成とし、さらに、前記各復調部によって得られる重み付け後の軟判定データを合成する合成手段を備え、前記復号部は、前記合成結果を用いて復号することを特徴とする。
【0029】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、各サブキャリア信号に含まれる符号多重化された既知系列部分を用いて、所定のパラメータを算出するパラメータ算出手段を備え、前記パラメータ算出手段は、各サブキャリア群における既知系列部分のシンボルの平均電力および各サブキャリア群における逆拡散後の既知系列部分のシンボルの平均電力に基づいて、前記「符号多重するチャネル数」を算出し、各サブキャリア群におけるパイロット部分の合成信号振幅および各サブキャリア群における既知系列部分の逆拡散後の平均信号振幅、に基づいて前記「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を算出することを特徴とする。
【0030】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、各サブキャリア信号に含まれる符号多重化された既知系列部分を用いて、所定のパラメータを算出するパラメータ算出手段を備え、前記パラメータ算出手段は、各サブキャリア群におけるデータシンボルの平均電力および各サブキャリア群における逆拡散後のデータシンボルの平均電力に基づいて、前記「符号多重するチャネル数」を算出し、各サブキャリア群におけるパイロット部分の合成信号振幅および各サブキャリア群における既知系列部分の逆拡散後の平均信号振幅、に基づいて前記「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を算出することを特徴とする。
【0031】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置にあっては、送信側が制御情報に含んで送信する「符号多重するチャネル数」および「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を用いることを特徴とする。
【0032】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置において、前記重み付け手段は、前記振幅合成手段が生成する合成振幅値の2乗に比例する重みを生成することを特徴とする。
【0033】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置において、前記フェージング変動補償では、フェージングによる振幅変動補償値を、対象とするサブキャリアのパイロットシンボルを時間方向に平均化することで算出し、フェージングによる位相変動補償値を、隣接するサブキャリアのパイロットシンボルを周波数方向および時間方向に平均化することで算出することを特徴とする。
【0034】
つぎの発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置において、前記各サブキャリア信号のチャネル推定値は、パイロットシンボル間の一次補間により算出することを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0036】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の実施の形態1の構成を示す図である。また、図2は、サブキャリア毎の送信スロットのフォーマットの一例を示す図である。なお、送信側の処理については、基本的に従来例と同様であるため、その説明を省略する。一例として、送信スロットでは、パイロット部とデータ部から1スロットを構成し、スロットのパイロット部分は同一のデータを連続して送信する。
【0037】
図1において、1はガードインターバル(GI)除去部であり、2はFFT部であり、3はフェージング変動補償部であり、4−1,…,4−a,6−1,…,6−aは乗算器であり(aは自然数)、8−1,…,8−bは合成器であり(bは自然数)、10はパラレル/シリアル変換部であり、11は逆拡散後振幅算出部であり、12は判定しきい値生成部であり、13はデータ復調部であり、14は振幅合成部であり、15は重み生成部であり、16は乗算器であり、17は復号部である。
【0038】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。まず、無線通信路上で周波数選択性フェージング等の影響を受けた受信信号は、GI除去部1に入力される。
【0039】
GI除去部1では、ガードインターバルが除去され、シンボル毎に連なった信号を出力する。GI除去部1の出力信号を受け取ったFFT部2では、当該信号に対してフーリエ変換処理を行い、各サブキャリア信号成分に分離する。分離後の複数のサブキャリア信号は、サブキャリア毎にフェージング変動補償部3と乗算器4−1〜4−mに入力される。
【0040】
フェージング変動補償部3では、まず、サブキャリア毎に対象とするスロットの前後のパイロットシンボル区間をそれぞれ同相加算後に平均化し、チャネル推定値を算出する。次式(4)にその処理方法を示す。
【0041】
【数4】
【0042】
なお、pn,1,pn,2は、それぞれ第n番目のサブキャリア毎のパイロット部分のチャネル推定値であり、Zn,1(i),dn,1(i)は、それぞれ図2に示すスロットの前方に存在する受信パイロットシンボルと送信パイロットシンボルを表し、Zn,2(i),dn,2(i)は、それぞれスロットの後方に存在する受信パイロットシンボルと送信パイロットシンボルを表す。ただし、*は複素共役を意味する。
【0043】
つぎに、サブキャリア毎に求められたスロットの前後のチャネル推定値pn,1,pn,2を用いて、対象とするスロット間における一次補間後のチャネル推定値Vn(k)(kはデータ部分のシンボル番号)を算出する。たとえば、データ部分のシンボル数をNdとすると、一次補間後のチャネル推定値Vn(k)は、次式(5)により算出することができる。
【0044】
【数5】
【0045】
ただし、k=0,1,2,…,Nd−1であり、Q1,Q2は、それぞれ次式(6)で表現する。
【0046】
【数6】
【0047】
つぎに、第n番目のサブキャリア毎のチャネル推定値Vn(k)は、隣接するNavg個のサブキャリアから求められたチャネル推定値とともに周波数方向の平均化処理が行われる。そして、第n番目のサブキャリアの周波数方向平均化後のチャネル推定値Yn(k)(kはデータ部分のシンボル番号)は、次式(7)により算出する。
【0048】
【数7】
【0049】
つぎに、周波数方向平均化後のチャネル推定値Yn(k)に基づいて逆拡散を行うため、第n番目のサブキャリアのフェージング変動補償値mn(k)を次式(8)により算出する。
【0050】
【数8】
【0051】
最後に、サブキャリア毎にフェージング変動の補償を行うため、第n番目のフェージング変動補償値mn(k)を乗算器4−1〜4−aに入力する。
【0052】
上記手順で第n番目のフェージング変動補償値を算出後、乗算器4−1〜4−aでは、サブキャリア毎にチャネル変動を補償する。サブキャリア毎のチャネル変動補償後の信号Sn(k)は、次式(9)のように表現する。ただし、Zn(k)は第n番目のサブキャリア群のk番目の受信シンボルを表す。
【0053】
【数9】
【0054】
サブキャリア毎のフェージング変動補償後の信号Sn(k)を受け取った乗算器6−1〜6−mでは、当該信号に逆拡散を行うための拡散コードを乗算する。サブキャリア毎の逆拡散後の信号を受け取った合成器8−1〜8−bでは、当該逆拡散後の信号をサブキャリア単位に合成する。合成後の信号を受け取ったパラレル/シリアル変換部10では、当該信号をパラレルデータからシリアルデータに変換する。そして、パラレル/シリアル変換後の信号は、データ復調部13に入力される。
【0055】
一方、逆拡散後振幅算出部11では、式(5)に示す第n番目のサブキャリアのチャネル推定値Vn(k)を用いて、第ng番目のサブキャリア群の逆拡散後のシンボルの振幅Rng(k)を算出する(式(10)参照)。
【0056】
【数10】
【0057】
ただし、ngはサブキャリア群番号(ng=0,1,2,…,Nc/SF−1)を表し、k(k=0,1,2,…,Nd−1)はシンボル番号を表し、a(ng)は第ng番目のサブキャリア群のパイロットシンボル部とデータシンボル部の信号振幅の比を表す。また、この信号振幅の比a(ng)は、予め制御チャネルを通じて報知されるものであり、たとえば、パイロットシンボル部分とデータシンボル部分の信号電力が異なる場合に、チャネル推定値Vn(k)の振幅をデータシンボルの信号振幅となるように補正する。具体的にいうと、パイロットシンボル部分とデータシンボル部分の信号電力が同一ならば、パイロットシンボル部とデータシンボル部の信号振幅の比a(ng)は「1」となる。
【0058】
第ng番目のサブキャリア群の逆拡散後のシンボルの振幅Rng(k)を受け取った判定しきい値生成部12では、復調時に使用する判定しきい値を生成する。ここでは、多値変調の一例として、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の場合について説明する。図3は、16QAMの信号点配置を示す図である。なお、図3では判定しきい値を点線により示している。
【0059】
判定しきい値生成部12では、点線で示す判定しきい値を次式(11)により生成する。そして、生成された判定しきい値は、データ復調部13に入力される。データ復調部13では、判定しきい値を用いて上記シリアルデータを復調し、その復調結果として軟判定データを出力する。
【0060】
【数11】
【0061】
ここで、hは判定しきい値の番号を表し(h=1,2,3)、bnは判定しきい値を設定するための設定係数を表し、cは雑音による判定しきい値のずれに対して一定の補正を行うための補正係数を表す。設定係数は、たとえば、パイロットシンボルの信号点が図3の信号点の最も外側の4点に存在する場合、b1=−2/3,b2=0,b3=2/3となる。
【0062】
さらに、振幅合成部14では、式(5)に示す第n番目のサブキャリアのチャネル推定値Vn(k)を用いて、第ng番目のサブキャリア群における振幅合成後のシンボルの振幅Ang(k)を算出する(式(12)参照)。
【0063】
【数12】
【0064】
第ng番目のサブキャリア群における振幅合成後のシンボルの振幅Ang(k)を受け取った重み生成部15では、当該振幅Ang(k)に基づいて軟判定データ用の重みを生成する。この重みは、振幅Ang(k)あるいは振幅Ang(k)の2乗値に比例するものを用いる。軟判定データ用の重みを受け取った乗算器16では、上記復調後の軟判定データに対して重み付けを行う。重み付け後の軟判定データを受け取った復号部17では、当該データに対して誤り訂正を行い、その結果として硬判定データを出力する。
【0065】
このように、本実施の形態においては、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、フェージング変動補償を行う構成とし、さらに、フェージングによる振幅変動を考慮した多値変調用の判定しきい値を生成する構成とした。これにより、フェージングによる振幅・位相変動を十分に推定できない従来技術と比較して、より良好な受信品質を実現できる。
【0066】
実施の形態2.
図4は、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の実施の形態2の構成を示す図である。なお、送信スロットのフォーマットについては、前述した実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。また、送信側の処理についても、基本的に従来例と同様であるため、その説明を省略する。
【0067】
図4において、21はフェージング変動補償部であり、22は重み付け係数生成部であり、23は逆拡散後振幅算出部であり、24は判定しきい値生成部であり、25はデータ復調部である。なお、前述した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0068】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。ここでは、前述の実施の形態1と異なる動作についてのみ説明する。
【0069】
フェージング変動補償部21では、まず、前述した実施の形態1と同様の手順で、チャネル推定値を算出する(式(4)参照)。つぎに、サブキャリア毎に求められたスロットの前後のチャネル推定値pn,1,pn,2を用いて、対象とするスロット間における一次補間後のチャネル推定値Vn(k)を算出する(式(5)(6)参照)。つぎに、第n番目のサブキャリア毎のチャネル推定値Vn(k)は、隣接するNavg個のサブキャリアから求められたチャネル推定値とともに周波数方向の平均化処理が行われ、そして、第n番目のサブキャリアの周波数方向平均化後のチャネル推定値Yn(k)を算出する(式(7)参照)。
【0070】
その後、重み付け係数生成部22では、フェージング変動補償に用いるMMSE(Minimum Mean Square Error)用の重み付け係数を算出するために、まず、パイロット部分を用いて各サブキャリア群の分散値σ2 nを、式(13)の結果を用いて算出する。ここでは、次式(13)により、第n番目のサブキャリアのパイロット部分の分散値σ2 nを算出する。
【0071】
【数13】
【0072】
つぎに、重み付け係数生成部22では、式(13)の結果を用いて、全サブキャリアにおけるパイロットシンボルの分散値の平均値を次式(14)により算出する。
【0073】
【数14】
【0074】
そして、重み付け係数生成部22では、多重化されたコード数Nuが予め制御情報により報知されているものとし、MMSE合成用の重み付け係数hnを次式(15)により算出する。
【0075】
【数15】
【0076】
ただし、k(k=0,1,2,…,Nd−1)はシンボル番号を表し、a(ng)は第ng番目のサブキャリア群のパイロットシンボル部とデータシンボル部の信号振幅の比を表す。また、この信号振幅の比a(ng)は、予め制御チャネルを通じて報知されるものであり、たとえば、パイロットシンボル部分とデータシンボル部分の信号電力が異なる場合に、チャネル推定値Vn(k)の振幅をデータシンボルの信号振幅となるように補正する。具体的にいうと、パイロットシンボル部分とデータシンボル部分の信号電力が同一ならば、パイロットシンボル部とデータシンボル部の信号振幅の比a(ng)は「1」となる。
【0077】
MMSE合成用の重み付け係数hnを生成後、フェージング変動補償部21では、当該重み付け係数hnと式(7)で算出した周波数方向平均化後のチャネル推定値Yn(k)とを用いて、逆拡散を行うための第n番目のサブキャリアのフェージング変動補償値mn(k)を次式(16)により算出する。
【0078】
【数16】
【0079】
そして、サブキャリア毎にフェージング変動の補償を行うため、第n番目のフェージング変動補償値mn(k)を乗算器4−1〜4−aに入力する。
【0080】
一方、逆拡散後振幅算出部23では、式(5)に示す第n番目のサブキャリアのチャネル推定値Vn(k)を用いて、第ng番目のサブキャリア群の逆拡散後のシンボルの振幅Rng(k)を算出する(式(17)参照)。
【0081】
【数17】
【0082】
第ng番目のサブキャリア群の逆拡散後のシンボルの振幅Rng(k)を受け取った判定しきい値生成部24では、復調時に使用する判定しきい値を生成する。ここでは、多値変調の一例として、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を想定する(図3参照)。
【0083】
判定しきい値生成部24では、点線で示す判定しきい値を前述した式(11)により生成する。そして、生成された判定しきい値は、データ復調部25に入力される。データ復調部25では、判定しきい値を用いてパラレル/シリアル変換部10出力のシリアルデータを復調し、その復調結果として軟判定データを出力する。
【0084】
このように、本実施の形態においては、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、MMSE基準でフェージング変動補償を行う構成とし、さらに、フェージングによる振幅変動を考慮した多値変調用の判定しきい値を生成する構成とした。これにより、コード間の干渉が抑えられるため、さらに良好な受信品質を実現できる。
【0085】
実施の形態3.
図5は、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の実施の形態3の構成を示す図である。ここでは、基本的な構成については実施の形態1および2と同一であり、復号部がダイバーシチ対応となっている点が異なる。なお、以降では、説明の便宜上、実施の形態1の構成をダイバーシチ対応とした場合について説明する。
【0086】
図5において、31は第1のブランチの受信部であり、32は第2のブランチの受信部であり、33は加算器である。
【0087】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。ここでは、前述の実施の形態1と異なる動作についてのみ説明する。加算器33では、第1のブランチの受信部31で生成された重み付け後の軟判定データと、第2のブランチの受信部32で生成された重み付け後の軟判定データと、をブランチ間でダイバーシチ合成する。ダイバーシチ合成された軟判定データを受け取った復号部17では、当該データに対して誤り訂正を行い、その結果として硬判定データを出力する。
【0088】
このように、本実施の形態においては、逆拡散時に使用したサブキャリアの振幅に基づいて重み付けを行った軟判定データを、ブランチ間でダイバーシチ合成する構成とした。これにより、ダイバーシチ受信を実現できるため、周波数選択性フェージングの伝送路において、さらに良好な受信品質を実現できる。
【0089】
実施の形態4.
前述した実施の形態1,2および3においては、第ng番目のサブキャリア群のパイロット部とデータ部の信号振幅比a(ng)および多重するチャネル数Nuが、予め制御情報等により報知されるため、既知であった。これに対し、本実施の形態では、図6に示すようなスロット構成を用いることにより、符号多重化されていないパイロット部と、符号多重化されたチャネル毎に与えられる既知系列部と、を用いて、パイロット部分とデータ部分の信号振幅比a(ng)および多重するチャネル数Nuを推定する。
【0090】
図7は、本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置(以降、単に受信装置と呼ぶ)の実施の形態4の構成を示す図である。ここでは、基本的な構成については実施の形態1,2および3と同一であり、上記のようなパラメータを推定するパラメータ推定部41を有する点が異なる。なお、以降では、説明の便宜上、実施の形態2の構成にパラメータ推定部41を適用した場合について説明する。
【0091】
図7において、41はパラメータ推定部であり、42はフェージング変動補償部であり、43は重み付け係数生成部であり、44は逆拡散後振幅算出部である。なお、前述した実施の形態2と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。ここでは、前述の実施の形態2と異なる動作についてのみ説明する。
【0093】
パラメータ推定部41では、まず、フェージング変動補償部42が抽出したパイロット部分の複数のシンボルを用いて、信号振幅の合成結果をサブキャリア群毎に算出する。上記サブキャリア群毎の信号振幅の合成結果Ap(ng)は次式(18)で与えられる。
【0094】
【数18】
【0095】
つぎに、パラメータ推定部41では、サブキャリア毎に備えられた既知系列部のNkw個のシンボルを用いて、既知系列部の逆拡散後の信号を平均化するとともに、その振幅値Af(ng)を算出する。なお、上記サブキャリア群毎の逆拡散後の信号とは、合成器8−1〜8−bの出力である。したがって、既知系列部分のサブキャリア群毎の逆拡散後の信号をfng(k)とし、kをシンボル番号(k=0,1,…,Nkw−1)とすると、上記振幅値Af(ng)は次式(19)で与えられる。
【0096】
【数19】
【0097】
ただし、dfng(k)は第ng番目のサブキャリア群毎の既知系列を表す。
【0098】
そして、パラメータ推定部41では、第ng番目のサブキャリア群のパイロットシンボル部とデータ部(既知系列部)の振幅比a(ng)を、式(18),式(19)を用いて算出する。具体的にいうと、次式(20)に示すように、振幅値Ap(ng)を振幅値Af(ng)で除算することにより算出する。
【0099】
【数20】
【0100】
つぎに、パラメータ推定部41では、既知系列部の受信シンボルをZkw(ng・SF+i,k)とした場合、第ng番目のサブキャリア群の既知系列部分の受信シンボルの平均電力Pkw(ng)を、次式(21)により算出する。
【0101】
【数21】
【0102】
つぎに、パラメータ推定部41では、既知系列部分のシンボルに対してフェージングによる位相変動を補償し、その後、逆拡散を行い、その結果で得られた第ng番目のサブキャリア群のシンボルの電力の平均値Pkwds(ng)を、次式(22)により算出する。
【0103】
【数22】
【0104】
そして、パラメータ推定部41では、符号多重されたチャネル数Nuを、式(21),式(22)の結果を用いて、次式(23)により算出する。
【0105】
【数23】
【0106】
ただし、NGは使用した全サブキャリア群数を表し、σ2は式(14)で算出された値である。
【0107】
最後に、パラメータ推定部41では、上記のように算出したパイロット部とデータ部の信号振幅比および多重化されたチャネル数を重み付け係数生成部43に対して出力し、さらに、前記パイロット部とデータ部の信号振幅比を逆拡散後振幅算出部44に対して出力する。
【0108】
なお、本実施の形態では、使用した全てのサブキャリア群の符号多重化されるチャネル数が等しいものとしたが、これに限らず、たとえば、サブキャリア群によっては符号多重化されるチャネル数が異なる場合もある。この場合には、サブキャリア群毎の符号多重化されるチャネル数は、次式(24)により算出する。
【0109】
【数24】
【0110】
このように、本実施の形態においては、送信スロットに挿入された符号多重化された既知系列部分を利用することで、サブキャリア群毎のパイロットシンボル部とデータ部(既知系列部)の振幅比および多重化されたチャネル数を、制御情報を用いることなく、受信側で推定できる。
【0111】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、実施の形態2の構成にパラメータ推定部41を適用したが、たとえば、実施の形態1または3の構成にパラメータ推定部41を適用した場合には、パラメータ推定部41では、パイロット部とデータ部の信号振幅比だけを算出する。
【0112】
実施の形態5.
前述の実施の形態4では、既知系列部のシンボルのみを利用して、符号多重化したチャネル数Nuの推定を行った。これに対し、本実施の形態では、図2に示す送信スロットのデータ部分を用いて符号多重化したチャネル数Nuを推定する。なお、構成については、前述の実施の形態4における図7と同様である。
【0113】
ここで、本実施の形態の受信装置の動作について説明する。ここでは、前述の実施の形態4と異なる動作についてのみ説明する。
【0114】
パラメータ推定部41では、データ部分の受信シンボルをZd(ng・SF+i,k)とした場合、第ng番目のサブキャリア群のデータ部分の受信シンボルの平均電力Pd(ng)を、次式(25)により算出する。ただし、サブキャリア毎のデータ部分のシンボル数をNdとし、kをデータ部分のシンボル番号(k=0,1,2,…,Nd−1)とする。
【0115】
【数25】
【0116】
つぎに、パラメータ推定部41では、データ部分のシンボルに対してフェージングによる位相変動を補償し、その後、逆拡散を行い、その結果で得られた第ng番目のサブキャリア群のデータシンボルの電力の平均値Pdds(ng)を、次式(26)により算出する。
【0117】
【数26】
【0118】
そして、パラメータ推定部41では、符号多重されたチャネル数Nuを、式(25),式(26)の結果を用いて、次式(27)により算出する。
【0119】
【数27】
【0120】
ただし、NGは使用した全サブキャリア群数を表し、σ2は式(14)で算出された値である。
【0121】
最後に、パラメータ推定部41では、先に説明した信号振幅比および上記のように算出した多重化されるチャネル数を、重み付け係数生成部43および逆拡散後振幅算出部44に対して出力する。
【0122】
なお、本実施の形態では、使用した全てのサブキャリア群の符号多重化されるチャネル数が等しいものとしたが、これに限らず、たとえば、サブキャリア群によっては符号多重化されるチャネル数が異なる場合もある。この場合には、サブキャリア群毎の符号多重化されるチャネル数は、次式(28)により算出する。
【0123】
【数28】
【0124】
このように、本実施の形態においては、送信スロットに挿入された符号多重化されたデータ部分を利用することで、サブキャリア群毎のパイロットシンボル部とデータ部の振幅比および多重化されたチャネル数を、制御情報を用いることなく、受信側で推定できる。
【0125】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、フェージング変動補償を行い、さらに、フェージングによる振幅変動を考慮した多値変調用の判定しきい値を生成する。これにより、フェージングによる振幅・位相変動を十分に推定できない従来技術と比較して、より良好な受信品質を実現できる、という効果を奏する。
【0126】
つぎの発明によれば、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、所定の重み付けを行ったフェージング変動補償値を用いてフェージング変動補償を行い、さらに、フェージングによる振幅変動を考慮した多値変調用の判定しきい値を生成する。これにより、フェージングによる振幅・位相変動を十分に推定できない従来技術と比較して、より良好な受信品質を実現できる、という効果を奏する。
【0127】
つぎの発明によれば、2スロット分の共通パイロットを用いて一次補間を行うことによりサブキャリア毎のチャネル推定を行った後、MMSE基準でフェージング変動補償を行う。これにより、コード間の干渉が抑えられるため、さらに良好な受信品質を実現できる、という効果を奏する。
【0128】
つぎの発明によれば、逆拡散時に使用したサブキャリアの振幅に基づいて重み付けを行った軟判定データを、ブランチ間でダイバーシチ合成する構成とした。これにより、ダイバーシチ受信を実現できるため、周波数選択性フェージングの伝送路において、さらに良好な受信品質を実現できる、という効果を奏する。
【0129】
つぎの発明によれば、送信スロットに挿入された符号多重化された既知系列部分を利用することで、サブキャリア群毎の「パイロットシンボルとデータシンボル(既知系列部)との信号振幅比」および「多重化されたチャネル数」を、制御情報を用いることなく、受信側で推定できる、という効果を奏する。
【0130】
つぎの発明によれば、送信スロットに挿入された符号多重化されたデータ部分を利用することで、サブキャリア群毎の「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」および「多重化されたチャネル数」を、制御情報を用いることなく、受信側で推定できる、という効果を奏する。
【0131】
つぎの発明によれば、送信側が制御情報に含んで送信する「符号多重されたチャネル数」および「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を使用することで、回路規模を削減できる、という効果を奏する。
【0132】
つぎの発明によれば、振幅合成手段が生成する合成振幅値の2乗に比例する重みで、軟判定データを重み付けするため、さらに受信品質を向上させることができる、という効果を奏する。
【0133】
つぎの発明によれば、フェージングによる振幅変動補償値を、対象とするサブキャリアのパイロットシンボルを時間方向に平均化することで算出し、フェージングによる位相変動補償値を、隣接するサブキャリアのパイロットシンボルを周波数方向および時間方向に平均化することで算出するため、精度よくフェージング変動を補償できる、という効果を奏する。
【0134】
つぎの発明によれば、各サブキャリア信号のチャネル推定値をパイロットシンボル間の一次補間により算出することとしたため、さらに精度よくフェージング変動を補償できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態1の構成を示す図である。
【図2】 送信スロットのフォーマットの一例を示す図である。
【図3】 16QAMの信号点配置を示す図である。
【図4】 本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態2の構成を示す図である。
【図5】 本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態3の構成を示す図である。
【図6】 送信スロットのフォーマットの一例を示す図である。
【図7】 本発明にかかるマルチキャリアCDMA受信装置の実施の形態4の構成を示す図である。
【図8】 従来のマルチキャリアCDMA送信装置の構成を示す図である。
【図9】 従来のマルチキャリアCDMA受信装置の構成を示す図である。
【図10】 従来の送信スロットのフォーマットを示す図である。
【図11】 周波数選択性フェージング伝送路のインパルス応答の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ガードインターバル(GI)除去部、2 FFT部、3 フェージング変動補償部、4−1,4−a,6−1,6−a 乗算器、8−1,8−b 合成器、10 パラレル/シリアル変換部、11 逆拡散後振幅算出部、12 判定しきい値生成部、13 データ復調部、14 振幅合成部、15 重み生成部、16 乗算器、17 復号部、21 フェージング変動補償部、22 重み付け係数生成部、23 逆拡散後振幅算出部、24 判定しきい値生成部、25 データ復調部、31 第1のブランチの受信部、32 第2のブランチの受信部、33 加算器、41 パラメータ推定部、42 フェージング変動補償部、43 重み付け係数生成部、44 逆拡散後振幅算出部。
Claims (10)
- フーリエ変換後のサブキャリア群中のサブキャリア信号(パイロットシンボルおよびデータシンボルを含む)に対してフェージング変動を補償しながら周波数逆拡散を行い、当該逆拡散後の各サブキャリア信号をシリアル信号に変換し、当該シリアル信号を所定の手順で復調する復調部と、当該復調データを復号する復号部と、を備えるマルチキャリアCDMA受信装置において、
前記復調部は、
前記フェージング変動補償時に算出される各サブキャリア信号のチャネル推定値、およびパイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比、に基づいて、逆拡散後のシンボルの振幅値を算出する逆拡散後振幅算出手段と、
前記逆拡散後のシンボルの振幅値に基づいて多値変調時の判定しきい値を算出する判定しきい値生成手段と、
前記判定しきい値に基づいて前記シリアル信号を復調し、当該復調結果として軟判定データを出力するデータ復調手段と、
前記各サブキャリア信号のチャネル推定値に基づいて、サブキャリア群毎に、パイロットシンボルの合成振幅値を算出する振幅合成手段と、
前記合成振幅値に基づいて前記軟判定データに対する所定の重みを生成し、前記軟判定データに対して重み付けを行う重み付け手段と、
を備えることを特徴とするマルチキャリアCDMA受信装置。 - フーリエ変換後のサブキャリア群中のサブキャリア信号(パイロットシンボルおよびデータシンボルを含む)に対してフェージング変動を補償しながら周波数逆拡散を行い、当該逆拡散後の各サブキャリア信号をシリアル信号に変換し、当該シリアル信号を所定の手順で復調する復調部と、当該復調データを復号する復号部と、を備えるマルチキャリアCDMA受信装置において、
前記復調部は、
前記フェージング変動補償用の重み付け係数を生成する重み付け係数生成手段と、
前記フェージング変動補償時に算出される各サブキャリア信号のチャネル推定値、およびパイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比、に基づいて、逆拡散後のシンボルの振幅値を算出する逆拡散後振幅算出手段と、
前記逆拡散後のシンボルの振幅値に基づいて多値変調時の判定しきい値を算出する判定しきい値生成手段と、
前記判定しきい値に基づいて前記シリアル信号を復調し、当該復調結果として軟判定データを出力するデータ復調手段と、
前記各サブキャリア信号のチャネル推定値に基づいて、サブキャリア群毎に、パイロットシンボルの合成振幅値を算出する振幅合成手段と、
前記合成振幅値に基づいて前記軟判定データに対する所定の重みを生成し、前記軟判定データに対して重み付けを行う重み付け手段と、
を備えることを特徴とするマルチキャリアCDMA受信装置。 - 前記重み付け係数生成手段は、
「符号多重するチャネル数」および「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」に基づいて、MMSE(Minimum Mean Square Error)基準に従う重み付け係数を生成することを特徴とする請求項2に記載のマルチキャリアCDMA受信装置。 - 前記復調部を複数備える構成とし、
さらに、前記各復調部によって得られる重み付け後の軟判定データを合成する合成手段を備え、
前記復号部は、
前記合成結果を用いて復号することを特徴とする請求項1、2または3に記載のマルチキャリアCDMA受信装置。 - 各サブキャリア信号に含まれる符号多重化された既知系列部分を用いて、所定のパラメータを算出するパラメータ算出手段を備え、
前記パラメータ算出手段は、
各サブキャリア群における既知系列部分のシンボルの平均電力および各サブキャリア群における逆拡散後の既知系列部分のシンボルの平均電力に基づいて、前記「符号多重するチャネル数」を算出し、
各サブキャリア群におけるパイロット部分の合成信号振幅および各サブキャリア群における既知系列部分の逆拡散後の平均信号振幅、に基づいて前記「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のマルチキャリアCDMA受信装置。 - 各サブキャリア信号に含まれる符号多重化された既知系列部分を用いて、所定のパラメータを算出するパラメータ算出手段を備え、
前記パラメータ算出手段は、
各サブキャリア群におけるデータシンボルの平均電力および各サブキャリア群における逆拡散後のデータシンボルの平均電力に基づいて、前記「符号多重するチャネル数」を算出し、
各サブキャリア群におけるパイロット部分の合成信号振幅および各サブキャリア群における既知系列部分の逆拡散後の平均信号振幅、に基づいて前記「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のマルチキャリアCDMA受信装置。 - 送信側が制御情報に含んで送信する「符号多重するチャネル数」および「パイロットシンボルとデータシンボルとの信号振幅比」を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のマルチキャリアCDMA受信装置。
- 前記重み付け手段は、
前記振幅合成手段が生成する合成振幅値の2乗に比例する重みを生成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のマルチキャリアCDMA受信装置。 - 前記フェージング変動補償では、
フェージングによる振幅変動補償値を、対象とするサブキャリアのパイロットシンボルを時間方向に平均化することで算出し、
フェージングによる位相変動補償値を、隣接するサブキャリアのパイロットシンボルを周波数方向および時間方向に平均化することで算出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のマルチキャリアCDMA受信装置。 - 前記各サブキャリア信号のチャネル推定値は、
パイロットシンボル間の一次補間により算出することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のマルチキャリアCDMA受信装置。
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