JP3898499B2 - 車両用近距離無線通信機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、近距離無線通信機器を車両に搭載した車両用近距離無線通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近距離無線通信方式の一つであるBluetooth(商標登録番号第4477936号:テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン)を利用して、車内から車外に情報を発信したり、車外からの情報を取得したりするシステムが考えられている。すなわち、Bluetoothモジュールを内蔵した機器(以下、Bluetooth機器と呼ぶ)を車両に搭載して、車内に持ち込んだ携帯電話やPDA(携帯情報端末)などのBluetooth機器との間で無線通信を行い、携帯電話等を介して、車両状況等のデータを車両外部に発信したり、車両外部から得られる情報を取得したりするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車内にあるBluetooth機器間で無線通信を行う場合に、車両の近傍にいる歩行者が保持しているBluetooth機器や、近接車両内にあるBluetooth機器とも通信可能な状態となる。すなわち、通信を予定していないBluetooth機器とも通信可能となってしまう。この場合、通信可能な状態である複数のBluetooth機器のうち、車載されたBluetooth機器と通信を行う車内のBluetooth機器を選択することが可能であるが、通信を行うBluetooth機器を手動により特定して選択しなければならないため、わずらわしいという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、車内に持ち込まれた近距離無線通信機器を自動的に選択して通信を行うことができる車両用近距離無線通信機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態を示す図1を参照して本発明を説明する。
(1)請求項1の発明は、不特定多数の通信機器と無線で通信を行うことが可能な車両用近距離無線通信機器において、不特定多数の通信機器に対して、接続の可能性を問い合わせる接続可能性問い合わせ装置1と、複数の通信機器から接続可能性の問い合わせに対する応答があったときに、応答のあった複数の通信機器をそれぞれ識別するための識別情報を取得する識別情報取得装置1と、車両が所定の走行条件で走行しているか否かを判定する走行条件判定装置60と、識別情報取得装置で取得した識別情報に基づいて、複数の通信機器のうち車内に存在する通信機器を特定する特定装置60とを備え、接続可能性問い合わせ装置1は、走行条件判定装置60により車両が所定の走行条件で走行していると判定されたときを少なくとも1回含む複数のタイミングにて接続可能性の問い合わせを行い、特定装置60は、複数のタイミングの全ての接続可能性の問い合わせに対して取得できた識別情報に対応する通信機器を、車内に存在する通信機器として特定することにより、上記目的を達成する。
(2)請求項2の発明は、請求項1の車両用近距離無線通信機器において、車両の車速を検出する車速検出装置110をさらに備え、走行条件判定装置60は、車速検出装置110により検出された車速が所定値以上であるときに、車両が所定の走行条件にて走行していると判定することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2の車両用近距離無線通信機器において、近距離無線通信機器100の通信方式は、Bluetoothであることを特徴とする。
【0006】
なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明をわかりやすく説明するために実施の形態の図1と対応づけたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による近距離無線通信機器の一実施の形態の構成を示す図である。本発明による近距離無線通信機器は、車載Bluetooth機器100と、車速センサ110とを備える。車載Bluetooth機器100は、Bluetoothモジュール1と制御部60とを有し、例えばカーナビゲーション装置である。すなわち、制御部60である、Bluetoothモジュール1を搭載しないカーナビゲーション装置にBluetoothモジュール1を搭載したものを、車載Bluetooth機器100とする。Bluetoothモジュール1は、一般的なBluetooth機器に内蔵されているモジュールであり、ベースバンド部10、RF部20、スイッチドライバ30、スイッチ35、RFフィルタ40、アンテナ50を備える。
【0008】
Bluetoothは、2.4Ghzの周波数帯の無線を利用し、最大約10mの範囲の機器と1Mbpsの速度で音声・データ両方の通信を行うことができる。また、赤外線通信と異なり直線指向性を持たず、遮蔽物が存在しても通信を行うことができる。従って、上述したように、車内のBluetooth機器500との間だけでなく、車外のBluetooth機器との間でも通信を行うことができる。車内のBluetooth機器500は、例えば携帯電話500である。通信電波の送受信は、アンテナ50を介して行われる。アンテナ50で受信された電波は、RFフィルタ40でフィルタ処理が施され、スイッチ35を介してRF部20に送られる。
【0009】
RF部20は、信号を送信するために、D/A変換、信号変調等を行う送信部21と、アンテナ50で受信した電波の復調処理等を行う受信部22とを有する。スイッチドライバ30は、信号の送信/受信に応じてスイッチ35を切り替える。RF部20内の受信部22に送られてきた信号は、復調処理等が行われた後にベースバンド部10に送信される。
【0010】
ベースバンド部10は、不図示のベースバンドプロセッサ、マイクロプロセッサ、ROM等を備え、受信部22から送信されてきた信号をデジタル化して制御部60に送る。Bluetoothモジュール1は、この他に不図示のUSBインタフェースを含む各種インタフェースやEEPROM等も有する。Bluetoothモジュール1とUSB接続されている制御部60は、不図示のCPU、ROM、RAM等を備え、外部に送信するデータ信号をベースバンド部10に送信する等の各種制御を行う。制御部60は車速センサ110と接続されており、車速センサ110で検出した車速を読み込むことができる。
【0011】
アンテナ50は、図8に示すような放射特性を有する。従って、水平方向や垂直方向の放射特性を有効に活用できる場所に設置すれば、リアシートに置かれたBluetooth機器500ともスムーズに通信を行うことができる。また、車内空間の有効活用と室内のデザイン等の観点からは、車内にある既存の設備と一体化させた方がよい。従って、第1の実施の形態では、アンテナ50を含むBluetoothモジュール1をルームミラーと一体化させて設置する。
【0012】
図2は、Bluetoothモジュール1をルームミラー200と一体化させて設置した模様を示す図である。Bluetoothモジュール1の詳しい構成は、図1で示したので、図2では簡略化して示すことにする。ルームミラー200は、全ての車両に標準装備されているものであり、通常はフロントシートより上方の、フロントガラスから離れた位置に設置されている。従って、Bluetoothモジュール1をルームミラー200と一体化して設置すれば、Bluetoothモジュール1を構成するアンテナ50の放射特性を有効に活用することができ、リアシートに置かれたBluetooth機器500とも良好に通信を行うことができる。
【0013】
ルームミラー200は、後方を確認するために、その表面には反射鏡が取り付けられている。従って、Bluetoothモジュール1は、ルームミラー200の背面に取り付ける。図2は、ルームミラー200を表(運転席側)から見た図であるが、図示されているBluetoothモジュール1は、上述したように、ルームミラー200の背面に取り付けられている。
【0014】
Bluetoothモジュール1をルームミラー200と一体化して設置する場合、ルームミラー200の大きさを考慮すると、Bluetoothモジュール1と接続する制御部60(例えばカーナビゲーション装置)をルームミラー200と一体化して設けることはできない。従って、制御部60は、従来と同様に、インストルメントパネルに設けて、Bluetoothモジュール1とUSB接続を行う。なお、制御部60とBluetoothモジュール1とを接続する方式は、USBに限らず、光ファイバーや高速通信用ケーブルを用いて接続してもよい。
【0015】
アンテナ50を備えたBluetoothモジュール1をルームミラー200と一体化して設置することにより、フロントシートのみならず、リアシートに持ち込まれたBluetooth機器500とも良好に通信を行うことができる。
【0016】
図3は、車載Bluetooth機器100と通信を行う車内に持ち込まれたBluetooth機器500を自動的に選択する制御手順を示す一実施の形態のフローチャートである。この制御は、制御部60にて行われる。ステップS10では、車載Bluetooth機器100と車内に持ち込まれたBluetooth機器500との間でデータを送受信するために、通信を開始する。これは、車載Bluetooth機器100が、接続可能な周辺のBluetooth機器に接続の可能性を問い合わせるために、IQ(問い合わせ)パケットを送信する。すなわち、データの送受信を行うものではない。また、この通信は、操作者の意思によるものであるが、操作者の意思に関わらず車両起動時にも行われる。
【0017】
次のステップS20では、Bluetooth機器間で接続が行われたか否かを判定する。ステップS10において、車内に持ち込まれたBluetooth機器500は、常時受信による待ち受け時の電力消費を避けるために、一定タイミングごとに受信状態に入るスタンバイ状態となっている。ステップS10で、車載Bluetooth機器100が送信したIQパケットを受信したBluetooth機器は、接続の問い合わせに対する応答のFHSパケットを、車載Bluetooth機器100に返信する。車載Bluetooth機器100がFHSパケットを受信することにより、双方のBluetooth機器がお互いを認識し、車内に持ち込まれたBluetooth機器500はスタンバイ状態から接続状態であるアクティブ状態に入る。接続が行われたと判定するとステップS30に進み、接続されていないと判定するとステップS10に戻る。
【0018】
ステップS30では、接続したBluetooth機器のIDを不図示のRAM内のエリアAに格納する。このIDは、各Bluetooth機器を識別するためのものであり、Bluetooth機器ごとに異なるものである。図4(a)は、接続したBluetooth機器が複数ある場合に(ID1、ID2、ID3)、メモリエリアAに格納されるIDを示すものである。すなわち、車載Bluetooth機器100の接続問い合わせに対して、車外のBluetooth機器を含め、3つのBluetooth機器が応答したものである。
【0019】
ステップS40では、車速センサ110で検出した車速を制御部60に読み込んで、ステップS50に進む。ステップS50では、ステップS40で読み込んだ車速が所定値以上であるか否かを判定する。この所定値は、予め設定しておくことができ、例えば20km/hである。車速が所定値以上ではないと判定するとステップS40に戻り、再び車速センサ110で検出した車速を制御部60に読み込む。車速が所定値以上であると判定すると、ステップS60に戻る。
【0020】
なお、車両が停止し続ける場合等の状況では、接続した複数のBluetooth機器のうち、通信を行いたいBluetooth機器500のIDを特定して、手動で選択することができる。
【0021】
ステップS60では、再度接続可能な周辺のBluetooth機器に接続の可能性を問い合わせるために、車載Bluetooth機器100からIQ(問い合わせ)パケットを送信する。次のステップS70では、Bluetooth機器間で接続が行われたか否かを判定する。この判定は、ステップS20で行われた処理と同じ判定が行われるので、詳しい説明は省略する。接続が行われたと判定するとステップS80に進み、接続されていないと判定するとステップS60に戻る。
【0022】
ステップS80では、接続したBluetooth機器のID(ID1)を不図示のRAM内のエリアBに格納する。再度接続を行った時は、車両は一定値以上の車速で走行しているので、車載Bluetooth機器100と車外のBluetooth機器(例えば、歩行者が保持しているBluetooth機器)との間で通信が行われる可能性は極めて低い。図4(b)は、再度行われた接続問い合わせに対して、接続したBluetooth機器のIDを示すものである。
【0023】
次のステップS90では、不図示のRAM内のエリアAに格納されているIDとエリアBに格納されているIDとを照合して、一致するIDがあるか否かを判定する。図4(a)と図4(b)とを参照すると、ID1がエリアAとエリアBに格納されているので、一致するIDに該当する。一致するIDがあると判定するとステップS100に進み、無いと判定すると本制御を終了する。
【0024】
ステップS100では、不図示のRAMのエリアAとエリアBとに格納されているID1のIDを有するBluetooth機器が、車内に持ち込まれたBluetooth機器500であると判断して、ステップS110に進む。なお、図4(b)では、車速が所定値以上のときに再度通信を行った際に、車内に持ち込まれたBluetooth機器500のみと接続した例について説明したが、再度通信を行った際に横を走行している車両の車内にあるBluetooth機器とも接続してしまうことも考えられる。この場合もエリアAに格納されているIDとエリアBに格納されているIDとを照合することにより、車内に持ち込まれたBluetooth機器500を特定することができる。すなわち、横を走行している別の車両の車内にあるBluetooth機器のIDをID4とすると、ID4はエリアAには格納されていないため、車内に持ち込まれたBluetooth機器500と判断されることはない。
【0025】
ステップS110では、車載Bluetooth機器100と、車内に持ち込まれた通信を行うBluetooth機器との間でデータの送受信を行い、本制御を終了する。
【0026】
本発明による車両用近距離無線通信機器によれば、以下の手順により自動的に車内にあるBluetooth機器が選択される。まず、車載Bluetooth機器100が通信(接続可能なBluetooth機器の問い合わせ)を開始する(ステップS10)。接続を確認した後(ステップS20)、接続したBluetooth機器のIDをメモリエリアAに記憶する(ステップS30)。その後、車速を検出して所定値以上であるか否かを判定する(ステップS40、S50)。車速が所定値以上であると判定すると再び通信を開始し、接続を確認して、接続したBluetooth機器のIDをメモリエリアBに記憶する(ステップS60〜ステップ80)。メモリエリアAに格納されたIDとメモリエリアBに格納されたIDとを比較して、一致するものがあればそのIDを有するBluetooth機器を車内に持ち込まれたBluetooth機器と判断して、データの送受信を開始する(ステップS90〜ステップS110)。
【0027】
本発明による車両用近距離無線通信機器によれば、車載Bluetooth機器100が車内にあるBluetooth機器500とデータの送受信を行いたいときに、通信を予定していない車外のBluetooth機器とも接続してしまった場合でも、車速に基づいて再度通信を行い、2度通信を行った際に接続したBluetooth機器のIDが一致するか否かに基づいて、車内にあるBluetooth機器500を認識することができる。これにより、操作者は、車内にあるBluetooth機器500を手動により選択するわずらわしさから解放される。
【0028】
頻繁に車内に持ち込むBluetooth機器500のIDを、車載されたBluetooth機器100に予め登録しておけば、登録されたIDを有するBluetooth機器500を簡単に特定することができる。しかし、本発明による車両用近距離無線通信機器によれば、車内に持ち込む不特定のBluetooth機器500をも自動的に特定して、データの送受信を行うことができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の車両用近距離無線通信機器に用いられる車載Bluetooth機器100の構成は、図1に示す第1の実施の形態の車両用近距離無線通信機器に用いられる車載Bluetooth機器100の構成と同じである。第2の実施の形態の車両用近距離無線通信機器に用いられるBluetoothモジュール1は、車室内のセンターコンソールと一体化して設置する。
【0029】
図5は、車両を上方から見たときの車内のセンターコンソール300の位置を示す図である。センターコンソール300は、通常、運転席310と助手席320とに挟まれ、車内のほぼ中央に配置されている。センターコンソール300に、小物を入れるためのセンターコンソールボックス350を備えている車両も多い。
【0030】
Bluetoothモジュール1を、車内のほぼ中央に位置しているセンターコンソール300と一体化して設置することにより、携帯電話等のBluetooth機器をフロントシート310,320に持ち込んだときでも、リアシート330に持ち込んだときでも、良好な通信状況を得ることができる。特に、図5に示すように、センターコンソールボックス350を備えている車両においては、センターコンソールボックス350にBluetoothモジュール1を設置すれば、リアシート330に置かれたBluetooth機器500との間を遮る物が無いため、リアシート330に置かれたBluetooth機器500とさらに良好に通信を行うことができる。
【0031】
Bluetoothモジュール1をセンターコンソール300またはセンターコンソールボックス350と一体化して設置する場合、Bluetoothモジュール1と接続する制御部60はインストルメントパネルに設置してもよいし、センターコンソール300またはセンターコンソールボックス350に設置することもできる。すなわち、Bluetoothモジュール1をルームミラー200と一体化して設置する場合には、スペース的な問題から制御部60をルームミラー200に設置することができなかったが、センターコンソール300やセンターコンソールボックス350には制御部60を設置するスペースがあるので、Bluetoothモジュール1と近接して設置することができる。Bluetoothモジュール1と制御部60とを近接して設置すれば、Bluetoothモジュール1と制御部60とを接続するケーブルの長さを短くすることができるので、ルームミラー200に設置する場合に比べてコストを削減することができる。
【0032】
第2の実施の形態の車両用近距離無線通信機器によれば、Bluetoothモジュール1をセンターコンソール300またはセンターコンソールボックス350と一体化して設置することにより、フロントシートやリアシートに持ち込まれた携帯電話等のBluetooth機器と良好な通信状況を得ることができる。また、Bluetoothモジュール1を車内のほぼ中央に配置することができるので、衝突事故が起こった際でもBluetoothモジュール1の損傷を防ぐことができる。これにより、事故が起こった際の事故情報を車外に発信することが可能となる。
【0033】
(第3の実施の形態)
第1、第2の実施の形態の車両用近距離無線通信機器では、アンテナ50の設置場所、すなわち、Bluetoothモジュール1の設置場所をそれぞれミラー200、センターコンソール300とした。第3の実施の形態の車両用近距離無線通信機器では、アンテナの設置場所とともに、アンテナの形状自体に特徴がある。すなわち、ループアンテナ状に車室内を取り囲むように配置した導線をBluetoothモジュール1のアンテナとして用いる。
【0034】
図6は、車両を上方から見たときのアンテナ400の形状を示す図である。図1に示した車載Bluetooth機器100のうち、アンテナ50を除いた部分、すなわち、ベースバンド部10、RF部20、スイッチドライバ30、スイッチ35、RFフィルタ40、制御部60で構成される車載Bluetooth機器100Aを、インストルメントパネルに設置する。アンテナ400は、ループアンテナ状に、運転席310、助手席320、リアシート330の全てを取り囲むようにして配置された導線を用いる。アンテナを構成する導線は、フロアに設ける。図6では、導線を車室内の周囲沿って一周だけ周しているが、2周、3周と複数回周してもよい。アンテナ400を構成する導線がRFフィルタ40と接続されているのは、第1、第2の実施の形態の車載Bluetooth機器100と同じである。
【0035】
ループアンテナ状に車室内を取り囲むように設置した導線をBluetoothモジュール1のアンテナ400として用いることにより、フロントシート310,320やリアシート330に持ち込まれたBluetooth機器とも良好に通信を行うことができる。また、ループアンテナは、導線を周回させた車室内にあるBluetooth機器からの電波を拾いやすく、車両外部からの電波を拾いにくいという特性を有するので、例えば、通信を予定していない、歩行者が保持しているBluetooth機器と、車載Bluetooth機器との間で通信が行われる可能性も低くなる。従って、図3に示すフローチャートの制御のように、IDを複数回取得しなくても、ループアンテナ400で受信できたBluetooth機器を車内に持ち込まれたBluetooth機器500と特定することも可能である。
【0036】
(変形例)
図7は、アンテナ401を構成する導線をセンターコンソールボックス350の周りに2周させたときの図である。上述したように、センターコンソールボックス350は、車室のほぼ中央に配置されているので、この場合も、フロントシート310,320やリアシート330に持ち込まれたBluetooth機器と良好に通信を行うことができる。また、導線をセンターコンソール300の周囲に配置して、アンテナ401を構成してもよい。
【0037】
図6では、アンテナ400を構成する導線を、運転席310、助手席320、リアシート330の全てを取り囲むように配置したが、運転席310のみ、助手席320のみ、リアシート330のみのぞれぞれを取り囲むように配置することもできる。また、車内の前半分の後半分とをそれぞれ取り囲むように配置することもできるし、車内を複数に区分して、複数の区分ごとをそれぞれ取り囲むように配置してもよい。これらの場合も、フロントシート310,320やリアシート330に持ち込まれたBluetooth機器と良好に通信を行うことができる。すなわち、Bluetooth機器が置かれる可能性がある場所に限定してアンテナ400を設けるようにすれば、アンテナの送受信感度も良くなる。
【0038】
本発明は、上述した実施の形態に限定されることはない。例えば、近距離無線通信の一方式であるBluetoothを用いた例について説明したが、Bluetooth以外の通信方式、例えば、IEEE802.11やSWAPを用いることもできる。また、車内に持ち込むBluetooth機器としては携帯電話以外に、PDAやノートパソコン等、Bluetoothモジュールを搭載しているものであれば何でもよい。Bluetooth以外の通信方式を採用する場合には、その通信方式のモジュールを搭載する機器であればよい。
【0039】
車速の検出には、一般的に用いられている車速センサを用いたが、GPSを用いることもできる。また、エンジン回転数と変速機のギアとの組み合わせに基づいて車速を検出することもできる。さらに、車両が走行して、車載されたBluetooth機器100と車外のBluetooth機器とが接続しなくなる条件を車速に基づいて定めたが、車速以外の要素に基づいて定めることもできる。例えば、再度通信を行う条件を、エンジン回転数が2000rpm以上としたり、変速機のギアが2速以上であるとすることもできる。
【0040】
また、第1、第2の実施の形態の車両用近距離無線通信機器では、Bluetoothモジュール1をルームミラー200やセンターコンソール300と一体化して設置した。これは、Bluetoothモジュール1がアンテナ50を備えているからであるが、アンテナ50のみをルームミラー200やセンターコンソール300と一体化して設置してもよい。この場合、Bluetoothモジュール1を構成するアンテナ以外の部分は、第3の実施の形態の車両用近距離無線通信機器と同様に、インストルメントパネルに設置すればよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)請求項1〜3の発明によれば、車載された近距離無線通信機器が接続可能性の問い合わせを行った後、車両が所定の走行条件で走行しているときに、再度車載された近距離無線通信機器によって、接続可能性の問い合わせを行わせて、応答があった近距離無線通信機器の識別情報を照合することにより、車内にある近距離無線通信機器を自動的に選択することができる。
(2)請求項2の発明によれば、車速検出装置により検出した車速が所定値以上であるか否かに基づいて、車両が所定の車速以上で走行しているか否かを判定するので、確実に車両の走行状態を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用近距離無線通信機器の一実施の形態の構成を示す図
【図2】第1の実施の形態の車両用近距離無線通信機器に用いられる通信モジュールをルームミラーに設置したときの図
【図3】車内にあるBluetooth機器を自動的に選択する処理手順を示す一実施の形態のフローチャート
【図4】図4(a)は、接続したBluetooth機器が複数ある場合のIDの一覧を示し、図4(b)は、接続したBluetooth機器が一つだけとなった場合のIDを示す。
【図5】第2の実施の形態の車両用近距離無線通信機器に用いられる通信モジュールをセンターコンソールに設置したときの図
【図6】第3の実施の形態の車両用近距離無線通信機器に用いられる通信アンテナを車室内にループアンテナ状に設置したときの図
【図7】第3の実施の形態の車両用近距離無線通信機器に用いられる通信アンテナをセンターコンソールボックスに沿ってループアンテナ状に設置したときの図
【図8】本発明による車両用近距離無線通信機器に用いられる通信アンテナの放射特性を示す図
【符号の説明】
1…Bluetoothモジュール、10…ベースバンド部、20…RF部、21…送信部、22…受信部、30…スイッチドライバ、35…スイッチ、40…RFフィルタ、50…アンテナ、60…制御部、100…Bluetooth機器、200…ルームミラー、300…センターコンソール、310…運転席、320…助手席、330…リアシート、350…センターコンソールボックス、400,401…アンテナ、500…携帯電話
Claims (3)
- 不特定多数の通信機器と無線で通信を行うことが可能な車両用近距離無線通信機器において、
前記不特定多数の通信機器に対して、接続の可能性を問い合わせる接続可能性問い合わせ装置と、
複数の通信機器から前記接続可能性の問い合わせに対する応答があったときに、前記応答のあった複数の通信機器をそれぞれ識別するための識別情報を取得する識別情報取得装置と、
車両が所定の走行条件で走行しているか否かを判定する走行条件判定装置と、
前記識別情報取得装置で取得した前記識別情報に基づいて、前記複数の通信機器のうち車内に存在する通信機器を特定する特定装置とを備え、
前記接続可能性問い合わせ装置は、前記走行条件判定装置により前記車両が所定の走行条件で走行していると判定されたタイミングを含む複数のタイミングにて接続可能性の問い合わせを行い、
前記特定装置は、前記複数のタイミングの全ての接続可能性の問い合わせに対して取得できた識別情報に対応する通信機器を、車内に存在する通信機器として特定することを特徴とする車両用近距離無線通信機器。 - 請求項1に記載の車両用近距離無線通信機器において、
前記車両の車速を検出する車速検出装置をさらに備え、
前記走行条件判定装置は、前記車速検出装置により検出された車速が所定値以上であるときに、前記車両が所定の走行条件で走行していると判定することを特徴とする車両用近距離無線通信機器。 - 請求項1または2に記載の車両用近距離無線通信機器において、
前記近距離無線通信機器の通信方式は、Bluetoothであることを特徴とする車両用近距離無線通信機器。
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