JP3898474B2 - 動植物性廃棄物の資源化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動植物性廃棄物の(再)資源化方法に関し、より詳しくは焼酎蒸留粕等の動植物性廃棄物と稲わら等の繊維性植物素材とを混合・粉砕処理し、次いで圧搾濾過処理することを特徴とする動植物性廃棄物の(再)資源化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品製造業の製造に際して排出される廃棄物は、推計248万トン/年と言われており、製造業内部での減量(脱水、乾燥)やリサイクルの努力によって、食品製造業における廃棄物のリサイクル率は他の分野に比較しして全体的には80%と高い値を示している。しかしながら、地域的な食品製造排水(産業廃棄物)である焼酎蒸留粕を例に取ってみると、九州内で年間44万4千トン(1997年酒造年度)が排出され、そのうちの17万5千トンを海洋投棄し、残りの26万9千トンを陸上処理している。陸上処理分の内、6万7千トンが生物処理や焼却処理で処分され、20万2千トンが肥料、飼料として利用され、リサイクル率は45%である。食品製造業の製造に際して排出される廃棄物の残渣全排出量の17.9%を焼酎蒸留粕が占めていることになり、地域的な排出量としては膨大な量である。
【0003】
焼酎蒸留粕のような廃棄物は、一般にBOD値が数万mg/lの高濃度で、5〜10%の固形分を含んでおり、かつ粘度が高く、フィルタ−プレス等の濾過機による固液分離が難しく、廃液処理が非常に困難である。焼酎蒸留粕は栄養バランスが良くそのまま液体飼料として家畜に投与されているが、供給が不安定で腐敗し易いなどの問題を有している。また、焼酎蒸留廃液のコンポスト化が行われているが、家畜排泄物の堆肥が産業廃棄物として問題化(堆肥の野積)しており、コンポスト化による解決も難しい状況にある。このような現状の下で、2001年から焼酎蒸留粕の海洋投棄が全面禁止となることにより、海洋投棄により処理された分の陸上処理への転換が緊急を要する重要な問題として大きくクロ−ズアップされている。焼酎蒸留粕のような食品製造廃棄物は、今後海洋投棄処分が禁止されるに伴い生物処理や焼却処理のような陸上での処理・処分が増加すると考えられるが、これらの食品製造廃棄物は天然に由来する有機物であるので、環境容量の範囲内で飼料・コンポスト化を行い可能な限り地域内でリサイクル・資源化を行う必要がある。
【0004】
近年、焼酎蒸留粕のような醸造廃棄物の資源化方法として、生物学的あるいは物理学的ないくつかの方法が提案されている。例えば、特開平6−315369号公報には、焼酎の蒸留廃液に麹菌を加えて培養し、培養物を固液分離する方法が開示されており、固液分離物を飼料、食品等として利用することが示されている。特開平7−148497号公報には、酒類蒸留廃液に植物性繊維又はその含有物とともにトリコスポロン属酵母を添加して廃液中の固形物を凝集せしめ、高固形物、高粘度の蒸留廃水の効率的処理を行う方法が開示されている。特開平7−87952号公報には、焼酎粕に中温菌及び高温菌を混合接種し、先ず25℃以上40℃未満の温度に保持し、次いで40℃以上60℃以下の温度に保持して培養処理することによって、比較的短い期間で有利に培養処理する方法が開示されており、培養処理物を有機質肥料として利用することが示されている。特開平9−47231号公報には、焼酎粕とワラ、フスマ、ヌカ等の水分調整材との混合物をイエバエの幼虫で処理し、生体物質と消化残渣を得る方法が開示されており、生体物質、消化残渣を飼料あるいは有機肥料として利用することが示されている。また、特開平11−188370号公報には、焼酎蒸留廃水に同量の他の要処理廃水を混合し、静置法により清澄な上澄液を得る焼酎蒸留廃水の処理法について開示されており、上澄液はPH無調整、無希釈のまま好気的条件下に曝気処理できることが示されている。
【0005】
更に、特開平6−76号公報には、立型減圧蒸発缶を用いて減圧度を−650mmHgにして缶内温度50℃以下で沸騰蒸発さすことにより、焼酎蒸留廃液を焦がさず蒸発させ、含水率10%以下の固形分にするようにした立型減圧低温蒸発乾燥装置について、特開平9−313164号公報には、醸造廃棄物を発酵処理するための培養槽と酸化処理するための改質装置と処理液の液温調整装置と種菌の接種装置とが設けられた発酵装置を具備した蒸留残液のような醸造廃棄物を発酵処理して有価物化する再資源化装置について開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現在、焼酎蒸留粕は、そのまま、あるいは乾燥を行い、更にはフスマ、わら等の水分調整材と混合乾燥して飼料として利用し、又はスクリュ−デカンタ−で濾過し、その濾過液を減圧蒸留した濃縮液を穀類、草類と混合して飼料として利用することが、また前記のような種々の生物学的処理を施したものを飼料あるいは肥料として利用することが行なわれている。しかしながら、焼酎蒸留粕は90%以上が水分であり、放置しておくとすぐに腐敗を起こすことから、保存・輸送範囲が限定され、しかも粘度が高いためにその脱水処理は容易でなく、そしてフスマ、わら等の水分調整材を用いるとしても多量のわらやフスマを必要とするので、かかる焼酎蒸留粕を有効利用し、資源化することは実用上困難とされていた。本発明の課題は、焼酎蒸留粕等の動植物廃棄物を有効利用しうる動植物廃棄物の資源化方法、特に資源の有効利用と廃棄物量の削減の観点から、新たな廃棄物の発生を防止することができる簡便かつ低コストの動植物廃棄物の資源化方法を提供することにある。
【0007】
【発明を解決するための手段】
本発明者は、上記課題の解決するために鋭意検討し、焼酎蒸留粕に稲わらを混合して粉砕することにより、粉砕物の粒度分布の範囲が0.1〜3500μm程度に広がり、この広範囲の粒度分布の焼酎蒸留粕と稲わらとの混合・粉砕物を圧搾濾過すると、かかる混合・粉砕物が濾過層を形成し、高粘度の焼酎蒸留粕においても効率のよい固液分離が達成しうることを見い出し、また、混合・粉砕物を圧搾濾過することにより得られる圧搾残渣が家畜等の優れた飼料として利用可能であり、また、濾過液も飼料や有用有機物源として有効に利用しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを混合・粉砕し、得られる混合・粉砕物を圧搾濾過して圧搾残渣と濾過液とに分離し、圧搾残渣を飼料として利用することを特徴とする動植物性廃棄物の資源化方法(請求項1)や、動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを、100重量部:1〜6重量部の割合で混合することを特徴とする請求項1記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項2)や、動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを混合した後に粉砕することを特徴とする請求項1又は2記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項3)や、混合・粉砕物の粒度分布範囲が0.1〜3500μmとなるように混合・粉砕することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項4)や、濾過液中の浮遊物質量(SS)及び全有機性炭素(TOC)の濃度が低く、かつ圧搾残渣の含水率が低くなるように粉砕することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項5)や、繊維性植物素材が、乾燥された繊維性植物素材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項6)や、繊維性植物素材が、草本由来の繊維性植物素材であることをことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項7)や、草本由来の繊維性植物素材が、稲わら又は麦わらであることをことを特徴とする請求項7記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項8)や、動植物性廃棄物が、醸造廃棄物であることを特徴とする請求項請求項1〜8のいずれか記載の記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項9)や、醸造廃棄物が、酒類蒸留粕であることを特徴とする請求項9記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項10)や、酒類蒸留粕が、焼酎蒸留粕であることを特徴とする請求項10記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項11)に関する。
【0009】
また、本発明は、圧搾濾過して得られる圧搾残渣に飼料配合材を配合して、圧搾残渣を飼料として利用することを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項12)や、飼料配合材が穀類であることを特徴とする請求項12記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項13)や、圧搾濾過して得られる濾過液を用いた微生物の培養物を、飼料として利用することを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項14)や、微生物が、酵母及び/又は白色腐朽菌であることを特徴とする請求項14記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項15)や、圧搾濾過して得られる濾過液を減圧蒸留して、蒸留液から有用有機物を得ることを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項16)や、圧搾濾過して得られる濾過液を減圧蒸留して、蒸留残渣を飼料として利用することを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法(請求項17)に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の動植物性廃棄物の資源化方法としては、動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを混合・粉砕し、得られる混合・粉砕物を圧搾濾過して圧搾残渣と濾過液とに分離し、圧搾残渣を飼料として利用する方法であれば特に制限されるものではなく、ここで資源化方法とは、動植物性廃棄物資源を有効に利用することができ、かつ、新たな廃棄物の発生を防止することが可能な処理方法をいう。
【0011】
本発明における動植物性廃棄物としては、動物や植物に由来する廃棄物であれば特に制限されるものではなく、醸造廃棄物、水産加工廃棄物、畜産加工廃棄物などの各種食品工業廃棄物や厨芥等を例示することができ、より具体的には、焼酎蒸留粕、ウイスキー蒸留粕等の酒類蒸留粕、酒粕、アルコール製造粕、有機酸発酵粕、生ゴミ等を挙げることができるが、これらの中でも、水分含量が高く腐敗しやすい廃棄物や、粘度が高く固液分離が困難な廃棄物、例えば焼酎蒸留粕等の酒類蒸留粕が本発明の効果を十分享受しうる点で特に好ましい。また、焼酎蒸留粕としては、米焼酎、麦焼酎、藷焼酎等の製造廃棄物である蒸留粕であれば特に制限されるものではない。
【0012】
本発明における繊維性植物素材としては、植物に由来する繊維性の素材であれば特に制限されるものではないが、木部があまり発達していない草質からなる草本(草類)に由来する繊維性素材が好ましくい。また、これら繊維性植物素材としては、保水性、剛性を有する乾燥された繊維性植物素材が好ましい。繊維性植物素材として具体的に、木材パルプ、果実パルプ、木屑、籾殻、バガス、ふすま、ぬか、脱穀粕、澱粉製造粕、稲わら、麦わら、乾燥オカラ、醤油粕等を挙げることができるが、これらの中でも、吸水性や濾過に適した粉砕特性を備え、容易に入手でき、飼料価値等の点でも優れた稲わら、麦わらが特に好ましい。
【0013】
本発明における動植物性廃棄物と繊維性植物素材との混合・粉砕は、繊維性植物素材を粉砕した後に動植物性廃棄物と混合してもよいが、動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを混合した後に粉砕する方が、動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを簡便に均一混合しうる点で好ましい。また、動植物性廃棄物と繊維性植物素材との配合割合は、動植物性廃棄物や繊維性植物素材の種類に応じて適宜決定することができるが、動植物性廃棄物100重量部に対して繊維性植物素材0.5〜20重量部、好ましくは1〜6重量部の割合で混合することが好ましい。
【0014】
本発明における混合・粉砕としては、混合・粉砕後の混合・粉砕物の粒度分布範囲が0.1〜3500μm程度の広範囲となるように粉砕することが好ましく、この広範囲の粒度分布の混合・粉砕物を圧搾濾過すると、かかる混合・粉砕物が濾過層を形成し、焼酎蒸留粕等の高粘度の動植物性廃棄物においても効率のよい固液分離を達成することができる。また、混合・粉砕処理後の圧搾濾過処理により生じる濾過液中の浮遊物質量(SS)及び全有機性炭素(TOC)の濃度が低くなるように、かつ圧搾残渣の含水率が低くなるように、粉砕機の種類、粉砕時間等の粉砕条件を選定することが好ましい。かかる混合・粉砕に用いる装置としては、従来公知の混合・粉砕機であれば特に制限されるものではなく、例えば、オスターブレンダー、ディスポーザー等を例示することができる。
【0015】
本発明における圧搾濾過処理としては、動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを混合・粉砕し、得られる混合・粉砕物を圧搾残渣と濾過液とに分離しうる処理であれば特に制限されるものではないが、動植物性廃棄物の固形物の除去率を高めるために圧搾濾過に使用する金網の目開きを、上記固形物の粘性及び有効径に基づき変えることが好ましい。金網の目開きの大きさとしては、例えば、0.1〜3500μmの範囲を挙げることができるが、5〜500μmの範囲のものを用いることが圧搾濾過の際、繊維性植物素材の繊維膜に上記固形物が取り込まれ易くなる点で好ましい。また、かかる圧搾濾過処理に用いられる圧搾濾過機としては従来公知のプレス装置等を挙げることができる。圧搾濾過条件としては、動植物性廃棄物と繊維性植物素材との混合・粉砕物の物性にもよるが、載荷荷重0.5〜20kPaでの2〜120分間プレスを例示することができるが、濾過液中の浮遊物質量(SS)及び全有機性炭素(TOC)の濃度が低くなるように、かつ圧搾残渣の含水率が低くなるように圧搾濾過条件を設定することが好ましい。
【0016】
上記圧搾濾過処理により得られる圧搾残渣に飼料配合材を配合することにより、圧搾残渣を飼料として利用することができる。上記飼料配合材としては、目的とする飼料成分となるように、穀類(全粒)、穀粉、雑穀類、ふすま、油粕、ミネラル等の従来公知の飼料配合材を適宜選択して用いることができる。
【0017】
上記圧搾濾過処理により得られる濾過液を、酵母、白色腐朽菌、麹菌等の微生物の培地として利用し、これら微生物の培養物を必要に応じて脱水処理して、飼料として利用することができる。また、圧搾濾過処理により得られる濾過液を減圧蒸留して、蒸留液から有用な有機物を得ることもできる。かかる有用有機物としては、各種アルコール類、各種エステル類、各種有機酸類等を挙げることができる。さらに、有用有機物を採取した後の蒸留残渣に、必要に応じて前記飼料配合材を配合して、飼料として利用することもできる。
【0018】
本発明の動植物性廃棄物の資源化方法を用いると、(地域)循環資源化システムを構築することができる。動植物性廃棄物として食品製造蒸留廃棄物を用いた場合、焼酎蒸留粕と稲わらを混合・粉砕して、圧搾濾過し、圧搾残渣は雑穀類と配合して家畜用の飼料として再資源化する。濾過液は酵母や白色腐朽菌等を培養して家畜用の飼料として利用するか、又は減圧蒸留して有用な有機成分を回収した後、濃縮残渣を家畜の飼料として利用する。本発明により得られる飼料により生育した家畜の糞尿は堆肥となり、焼酎の原料となる甘藷や稲の栽培に用いられる。このように、本発明の資源化方法を循環資源化システムとして構築することにより、廃棄物の排出を防ぎながら再資源化を図ることができ、地域内で廃棄物を資源として循環させ有効に活用することが可能となる。
【0019】
【実施例】
本発明の実施例として、甘藷焼酎粕と稲わらをオスタ−ブレンダ−(粉砕機)で粉砕混合した後、圧搾濾過装置で濾過した場合の実施例を以下に示すが、本発明の一つの例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
実施例A[装置及び方法]
圧搾濾過装置は、図1に示すように、穴開きアクリル板(径;10.5cm、穴径;5mm)、金網(目開き;500μm)、アクリル円筒(径;10.5cm、深さ;20cm)、及び載荷可能なピストンから構成されている。飼料作製は、甘藷焼酎蒸留粕100gと長さ1cmに切断した稲わら(110℃で3時間乾燥)をオスターブレンダー(粉砕機、16,800rpm)で粉砕混合後、約10分間放置し、混合・粉砕物を圧搾濾過装置の中に流し込み、載荷荷重1kPaで約30分間プレスし、圧搾残渣と濾過液に分離した。圧搾残渣に穀類(麦粉)を加え半練状にし、押出機により棒状に成形し、乾燥機で乾燥(60℃で12時間)を行った。圧搾濾過液の液量を装置底部のメスシリンダーで測定し、更に濾過液中のSS、TOC濃度と粒度分布の測定及び作製飼料の成分分析を行った。なお、焼酎蒸留粕の含水率、強熱減量は下水道試験法、粒度分布はレ−ザ−回析式粒度分布測定装置(SALP-2000J型)で行った。
【0021】
実施例B[結果]
B−1(稲わら添加率の検討)
稲わら添加率とSS、TOC濃度、濾過液量との関係を調べてみた。結果を図2に示す。焼酎蒸留粕(SS;32430mg/L、TOC;22440mg/L、含水率;93.7%)のみを1kPaで圧搾濾過すると、濾過液量は58ml、SSは10640mg/L、TOCは21530mg/L、含水率は89.7%であった。図に示されるように、焼酎蒸留粕に稲わらを1〜6%(重量比)添加することにより、濾過液量は稲わら1%添加で35ml、3%添加で32ml、6%添加で10.5mlとなり、稲わら添加率の増加に伴って減少した。濾過液中のSS濃度は、稲わら添加率2%で1057mg/L、3%で1247mg/Lとなり、その後稲わら添加量の増加に伴って増加している。圧搾残渣の含水率は稲わら添加により89.7%から86.0%まで減少した。焼酎蒸留粕を圧搾濾過すると、SS成分が67%除去されるが、稲わらを重量比で2%加えると、SS除去率は96.7%となった。
【0022】
B−2(オスタ−ブレンダ−による粉砕時間の検討)
次に、焼酎蒸留粕100g、載荷荷重1kPa、稲わら添加率3%の実験条件下における、オスタ−ブレンダ−による粉砕時間(1,3,5,7分)とSS、TOC濃度、濾過液量との関係を調べてみた。結果を図3に示す。濾過液量は粉砕時間1分で34.5mlであるが、粉砕時間5分で27mlまで減少した。しかし、粉砕時間7分からは36.5mlと増加傾向を示した。また、濾過残留物の含水率は粉砕時間(1,3,5,7分)あたり87.2%、86.9%、85.9%、86%であった。飼料作製に最適な粉砕時間は濾過液中のSS、TOC濃度が低く、残留物の含水率が低い方がよい。したがって、飼料作製条件としては、稲わら添加率3%、粉砕時間3分が最適であることがわかった。
【0023】
B−3(濾過時間の検討)
さらに、濾過時間とSS濃度、濾過液量の関係を調べてみた。結果を図4に示す。濾過液量は濾過時間10分間で全濾過液量(32ml)の内82%(28ml)が濾過され、残り18%(6ml)の濾過に20分かかり、濾過液速度は0.3ml/分であった。濾過液中のSS濃度は初期の1分間に3,200mg/L、1〜5分間で640、5〜10分間で244mg/Lとなり、極端に減少する。このことは、濾過初期では稲わら添加による濾過膜が形成されず混合飼料が金網を通過するためにSS濃度が高くなり、濾過膜が形成されるとSS成分が膜中に取り込まれるようになり、SS濃度が急激に減少したものと考えられる。
【0024】
B−4(作製飼料の成分比較)
市販の2種類の家畜飼料と本発明により製造された飼料(作製飼料)の粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、カルシウム、リン等の各成分を比較した。結果を表1に示す。なお、A飼料は穀類(77%)、フスマ(11%)、大豆油粕(8%)、その他(4%)から成る配合飼料、B飼料は焼酎粕の固液分離液を濃縮し、その液に繊維質、穀類を配合したものである。今回の作製飼料は甘藷焼酎蒸留粕(100g)に稲わらと小麦粉をそれぞれ3g添加したものである。表1からもわかるように、粗蛋白質は他の飼料と同等以上であるが、その他の成分は50%前後である。しかし、稲わら、穀類の添加量を変化させることで、他の成分は調整できる。また、この他にビタミン、ホルモン等を添加することにより栄養バランスのとれた家畜飼料製造が可能である。このように、産業廃棄物である焼酎蒸留粕と稲わらに穀類を3%添加することで簡単に飼料化ができることが明らかとなった。
【0025】
【表1】
【0026】
B−5(固形物除去の検討)
焼酎蒸留粕の性状は原料(甘藷、麦)により異なる。特に、甘藷焼酎粕ではセルロース濃度が8000mg/Lと高く、粘性が水(0.001Pa・S、20℃)の80倍である。一方、麦焼酎粕は甘藷焼酎蒸留粕に比較してセルロース濃度、粘性がそれぞれ1/2、1/8と低く、さらっとした性状である。また、粒度加積曲線(図5及び図6)から、麦焼酎蒸留粕、甘藷焼酎蒸留粕の固形物の有効径は2.5μm、80μmとなり、麦焼酎蒸留粕の粒径が小さいことが分かる。このことから、甘藷焼酎蒸留粕の場合には、粘性が高く、有効径が大きいため、甘藷焼酎粕と稲わらを粉砕混合後、圧搾濾過すると稲わらの繊維膜に固形物が取り込まれやすくなる。一方、麦焼酎蒸留粕の場合には、粘性が低く、有効径が小さいため、麦焼酎粕と稲わらを粉砕混合し、圧搾濾過しても稲わらの繊維膜に固形物が取り込まれ難くなる。そこで、濾過金網の目開きを500、280、200、100μmに変化させ、実施例B−1記載の甘藷焼酎蒸留粕の実験と同一条件で、麦焼酎蒸留粕の実験をそれぞれ個別に3回行い、SS、TOC濃度、含水率、廃液量との関係を調べ、SSの平均値を調べてみた。なお、麦焼酎粕は100gで、稲わら添加率は3%で、粉砕時間は3分間にて行った。結果を表2に示す。このことから、金網の目開き500μmではSS濃度は平均8026mg/Lとなり、甘藷焼酎蒸留粕の1057mg/Lに比較すると蒸留粕の固形物除去率は78.5%、96.7%となることが明らかとなった。表2のように、金網の目開きを小さくすることで、固形物除去率は88.6、91.6、92.8%と高くなる。麦焼酎蒸留粕の有効径が2.5μmであることから、金網の目開きを5μm程度で濾過すればさらに除去率は高くなると考えられる。このように、粘性が低く、有効径が小さい原料の場合、金網の目開きを小さくすることで、固形物除去率を高めることができる。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、従来高含水量、高粘度でその脱水処理が困難であった焼酎蒸留粕等の動植物性廃棄物を、混合・粉砕後の圧搾濾過というような簡便な手段で処理することが可能となるために、実用的な処理手段としての利用価値が大きい。特に、焼酎蒸留粕等は、その高水分含量のために放置するとすぐに腐敗が起こり、その保存、輸送範囲が限定され、その処理に制約が生じていたが、本発明により焼酎蒸留粕等の固形分と水分を簡便かつ効率よくに分離することが可能となるために、蒸留廃棄物の排出現場に対応してその処理が可能となり、従来その処理に窮していた動植物性廃棄物の再資源化の問題を解決することができる。本発明で用いられる稲わら等の繊維性植物素材は、圧搾濾過に際して水分吸収材と共に繊維濾過膜としての役割を果たし、濾過液中のSS,TOC濃度の低下を図ることが可能となる。更に、本件発明の蒸留廃棄物等の資源化工程を循環資源化システムとして構築すると、不要物の排出を極力防止することができ、地域内での循環資源化システムを完成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いられる圧搾濾過装置を示す図である。
【図2】本発明の実施例における稲わら添加率とSS,TOC濃度と濾過液量の関係を示す図である。
【図3】本発明の実施例における粉砕時間とSS,TOC濃度と濾過液量の関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例における濾過時間とSS濃度、濾過液量の関係を示す図である。
【図5】麦焼酎粕と麦焼酎粕を5分間粉砕したものの粒度分布を示す図である。
【図6】甘藷焼酎蒸留粕と甘藷焼酎蒸留粕を5分間粉砕したものの粒度分布を示す図である。
Claims (17)
- 動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを混合・粉砕し、得られる混合・粉砕物を圧搾濾過して圧搾残渣と濾過液とに分離し、圧搾残渣を飼料として利用することを特徴とする動植物性廃棄物の資源化方法。
- 動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを、100重量部:1〜6重量部の割合で混合することを特徴とする請求項1記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 動植物性廃棄物と繊維性植物素材とを混合した後に粉砕することを特徴とする請求項1又は2記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 混合・粉砕物の粒度分布範囲が0.1〜3500μmとなるように混合・粉砕することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 濾過液中の浮遊物質量(SS)及び全有機性炭素(TOC)の濃度が低く、かつ圧搾残渣の含水率が低くなるように粉砕することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 繊維性植物素材が、乾燥された繊維性植物素材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 繊維性植物素材が、草本由来の繊維性植物素材であることをことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 草本由来の繊維性植物素材が、稲わら又は麦わらであることをことを特徴とする請求項7記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 動植物性廃棄物が、醸造廃棄物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 醸造廃棄物が、酒類蒸留粕であることを特徴とする請求項9記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 酒類蒸留粕が、焼酎蒸留粕であることを特徴とする請求項10記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 圧搾濾過して得られる圧搾残渣に飼料配合材を配合して、圧搾残渣を飼料として利用することを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 飼料配合材が穀類であることを特徴とする請求項12記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 圧搾濾過して得られる濾過液を用いた微生物の培養物を、飼料として利用することを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 微生物が、酵母及び/又は白色腐朽菌であることを特徴とする請求項14記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 圧搾濾過して得られる濾過液を減圧蒸留して、蒸留液から有用有機物を得ることを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
- 圧搾濾過して得られる濾過液を減圧蒸留して、蒸留残渣を飼料として利用することを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載の動植物性廃棄物の資源化方法。
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