JP2010110742A - 発酵残渣濃縮液の製造方法及び飼料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分含有量が70%以下で、付加価値の高い発酵残渣濃縮液を得る発酵残渣濃縮液の製造方法を提供すること、及びその発酵残渣濃縮液を用いて付加価値の高い飼料を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 発酵残渣を破砕機を用いた破砕工程で破砕処理し、次いで間隙による圧力差を利用する固液分離装置を用いた固液分離工程で固体分と液体分に分離し、次いで、該液体分を濃縮工程で濃縮して水分含有率が70%以下で固形分含有率が30%以上の発酵残渣濃縮液を生成することを特徴とする発酵残渣濃縮液の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は発酵残渣を付加価値の高い飼料にすることができる発酵残渣濃縮液の製造方法及び飼料の製造方法に関する。
1993年に日本を含む多数の国々でロンドン条約(廃棄物その他の投棄による海洋汚染の防止に関する条約)が採択された。発酵残渣は現在同条約の除外品目として認められているが、現実問題としてはこのまま従来の海洋投棄を継続することは困難な情勢であり、全量陸上処理することを目標に業界での努力がなされてきた。
発酵残渣、例えば焼酎粕には、通常、水分と固形分が含まれ、水分は90重量%以上含まれ、固形分には、多量のタンパク質、でん粉、繊維分等が含まれている。
かかる発酵残渣の陸上処理として焼却処理も考えられるが、焼却設備や助燃剤としての燃料コストの負担が大きくなるため、好ましい手法とは言えない。
飼料価格の高騰の影響もあいまって、近年、発酵残渣を飼料として利用する動きが高まっている。特許文献1、2には、発酵残渣、中でも焼酎粕の成分に着目して、飼料を製造する方法が提案されている。
特許文献1に記載の技術は、焼酎粕を液体分と固体分に分離し、該液体分の懸濁物質を100(g/L)以下に調整後、該液体分と該固体分をそれぞれ別々に乾燥させ、その後、該液体分乾燥物および該固体分乾燥物を混合することを特徴とする焼酎粕から得られる飼料の製造方法である。
特許文献2に記載の技術は、焼酎蒸留残渣液を固液分離し、その分離液を濃縮して水分含有率65%〜80%の濃縮液を抽出し、該濃縮液と乾草や穀類等の各配合材を所定の割合で混合させて、半ウエットタイプ飼料を製造する方法である。
また、稲わらや麦稈等の粗飼料をサイロ等に導入し乳酸発酵させ、サイレージ飼料を作る際に、焼酎粕を混合することも行なわれている。
特許第3495429号公報 特許第2976072号公報
特許文献1では、水分含量が10%程度までディスク型乾燥機などで完全に乾燥させるため、保存性は優れるが、乾燥機の効率及び理論的な蒸発潜熱の点で多大なエネルギーを消費する。
したがって、コスト的にみて、焼酎粕濃縮液のような、水分の高い素材の飼料化は、乾燥処理に比べて安価なので、特許文献2の飼料化やサイレージ化が現実的といえる。
しかし、現在、特許文献2の飼料化やサイレージ化で使用する焼酎粕濃縮液は、水分含有率が65%〜85%である。
焼酎粕、特に芋焼酎の焼酎粕の濃縮は、親水性の繊維が多く含まれているため、水分との分離が難しく、従来のスクリュープレスと多重(例えば三重)効用缶だけの濃縮プロセスでは水分含有率を、原液の95%から85%程度にしか下げることができない。麦焼酎の場合であっても、実用上70%程度である。
ところで、サイレージ飼料の製造において、乳酸発酵開始前のサイレージ飼料の水分率を調整することは大変重要である。
サイレージ飼料の水分率が高すぎると、乳酸発酵がうまく行われず、代わりに酪酸発酵が主体となる場合がある。酪酸発酵が主体となるとサイレージ原料中の乳酸や糖を分解して酪酸を生成し、かつタンパク質を分解して多量のアンモニアやアミンを生成するため不快な臭気を発し、嗜好性の悪いサイレージとなってしまう。
乳酸発酵開始前のサイレージ飼料の好ましい水分含有率は例えば60〜70%であるので、添加が可能な焼酎粕濃縮液の量はおのずと制限されてしまい、もともとの目的である、廃棄物である焼酎粕濃縮液を、飼料として有用に処理するという点からみると、処理量が十分ではなかった。
本発明者らは、発酵残渣の水分含有量を下げることができれば、発酵残渣の処理量を増やし、さらに飼料の付加価値をより向上させることができるのではないかと考え、本発明を完成するに至ったものであり、本発明の課題は、水分含有量が70%以下で、付加価値の高い発酵残渣濃縮液を得る発酵残渣濃縮液の製造方法を提供すること、及びその発酵残渣濃縮液を用いて付加価値の高い飼料を製造する方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
発酵残渣を破砕機を用いた破砕工程で破砕処理し、次いで間隙による圧力差を利用する固液分離装置を用いた固液分離工程で固体分と液体分に分離し、次いで、該液体液を濃縮工程で濃縮して水分含有率が70%以下で固形分含有率が30%以上の発酵残渣濃縮液を生成することを特徴とする発酵残渣濃縮液の製造方法。
(請求項2)
破砕工程で、主として繊維成分を酵素処理するために酵素を添加することを特徴とする請求項1記載の発酵残渣濃縮液の製造方法。
(請求項3)
破砕工程で添加する酵素が、アミラーゼ系酵素及び/又はセルラーゼ系酵素であることを特徴とする請求項2記載の発酵残渣濃縮液の製造方法。
(請求項4)
破砕機が、複数歯を有するマセレータ又はホモジナイザーであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の発酵残渣濃縮液の製造方法。
(請求項5)
発酵残渣を破砕機を用いた破砕工程で破砕処理し、次いで間隙による圧力差を利用する固液分離装置を用いた固液分離工程で固体分と液体分に分離し、次いで、濃縮工程で前記液体分を濃縮して水分含有率が70%以下で固形分含有率が30%以上の発酵残渣濃縮液を生成し、次いで、サイレージ工程で前記発酵残渣濃縮液をサイレージ原料に添加して乳酸発酵を行うことを特徴とする飼料の製造方法。
(請求項6)
破砕工程で、主として繊維成分を酵素処理するために酵素を添加することを特徴とする請求項5記載の飼料の製造方法。
(請求項7)
破砕工程で添加する酵素が、アミラーゼ系酵素及び/又はセルラーゼ系酵素であることを特徴とする請求項6記載の飼料の製造方法。
(請求項8)
破砕機が、複数歯を有するマセレータ又はホモジナイザーであることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の飼料の製造方法。
本発明によれば、水分含有量が70%以下で、付加価値の高い発酵残渣濃縮液を得る発酵残渣濃縮液の製造方法を提供すること、及びその発酵残渣濃縮液を用いて付加価値の高い飼料を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の発酵残渣濃縮液の製造方法及び飼料の製造方法の一例を示すブロック図である。
同図において、1は発酵残渣を破砕機を用いて破砕処理する破砕工程、2は間隙による圧力差を利用する固液分離装置を用いて固体分(固体側)と液体分(液体側)に分離する固液分離工程、3は前記液体分を濃縮して水分含有率が70%以下で固形分含有率が30%以上の発酵残渣濃縮液を生成する濃縮工程、4は前記発酵残渣濃縮液をサイレージ原料に添加して乳酸発酵を行うサイレージ工程である。
本発明において、発酵残渣には、蒸留酒の製造過程で、アルコール分を蒸留した後に残存する固形分を多く含んだ液状物が含まれ、例えば芋焼酎粕、麦焼酎粕、米焼酎粕、黒糖焼酎粕またはそれらの混合物などの焼酎粕や、ウィスキーの醗酵過程で生成する蒸留廃液などが含まれる。また本発明の発酵残渣は、メタン発酵残渣であってもよい。
破砕工程1では、上記の発酵残渣を破砕機を用いて破砕処理する。破砕機としては、複数歯を有するマセレータ又はホモジナイザーを好ましく用いることができる。ホモジナイザーは、例えば複数歯を有する回転体と非回転体、あるいは回転体と回転体を組み合わせたもの(例えば凹凸の歯車を噛み合わせたもの)などを用いることができる。例えば、図2に示すように、発酵残渣を複数歯11を有する回転体12と非回転体13からなる破砕機10の間隙14に導入し、破砕処理する。15はモーターである。歯の数は図示に限定されない。
回転体の回転数は、好ましくは1000〜10000rpm、より好ましくは3000〜5000rpmであり、破砕時間は、好ましくは3〜30分、より好ましくは5〜10分である。
この破砕工程1によって、例えば回転体と非回転体の間に形成される間隙に発酵残渣が導入されると、その残渣中に含まれる植物体由来の不溶性成分(例えば繊維成分)が、攪拌作用とせん断作用によって、破壊されるため、液の粘度を低下させる効果が大きい。よって、高い濃縮度までの濃縮が可能になる。
固液分離工程2における固液分離には、間隙による圧力差を利用する固液分離装置を用いる。かかる固液分離装置としては、MF膜(精密ろ過膜)、スクリュープレス、ロータリープレス、真空脱水機、フィルタープレスなどを用いることができ、中でも、発酵残渣の固液分離にはMF膜やスクリュープレスが好ましい。
本発明において、「間隙による圧力差を利用する」というのは、固液分離可能な分離部(スクリーンやフィルターなど)に間隙(スクリーンの場合はスクリーンの間隔、フィルターの場合は目開き)を備えており、その分離部の面の一方側から発酵残渣を供給し、他方側から分離液を取り出す際に、その両面の圧力差を加圧状態あるいは減圧状態で生じさせ、その圧力差を利用することを意味する。間隙は、ミクロン(μm)からミリメートル(mm)レベルの範囲で適宜決定される。
固液分離工程2における固液分離によって、固形分と液体分に分離されるが、ここで、固形分とは、発酵残渣中の粗大固形分及び付着液のことであり、液体分とは、粗大固形分以下の固形分を含む液のことである。
濃縮工程3は、液体分の濃縮を行う。濃縮には既知の濃縮装置を用いることができる。濃縮装置としては、例えばロータリーエバポレータ、多重効用缶や、スプレー式蒸発缶が挙げられるが、濃縮度が進むに従い液の粘度が増加してくるため、例えば、三井造船株式会社製の減圧強制循環式多重効用型濃縮装置等を使用することが好ましい。
この発酵残渣濃縮液の水分含有率は70%以下で固形分含有率が30%以上であり、好ましくは水分含有率が60−30%で固形分含有率が40−70%であり、更に好ましくは、水分含有率が50−30%で固形分含有率が50−70%である。
本発明では、この濃縮工程3で製造された発酵残渣濃縮液は、固液分離工程2で分離した固体分を混合して得られる濃縮混合物であってもよい。即ち、発酵残渣濃縮液単独あるいは濃縮混合物は、そのまま飼料にしたり、後述のサイレージ飼料の成分として利用したり、あるいは配合飼料材として使用することもできる。配合飼料材の配合物としては、例えばビタミンなどが挙げられる。
以下の説明で発酵残渣濃縮液という場合は、特に断らない限り、発酵残渣濃縮液単独又は濃縮混合物を指称している。
サイレージ工程4では、濃縮工程3で得られた発酵残渣濃縮液をサイレージ原料に添加して混合後、乳酸発酵を行う。
サイレージ原料とは、牧草や稲わら、麦稈、おから、トウモロコシ、一部の野菜くず(例えば、白菜、キャベツ、にんじんのくずなど)などを指し、サイレージ飼料とは、発酵残渣を混合したサイレージ原料を嫌気的にサイロなどの設備内で貯蔵し、乳酸発酵させたり、固液分離工程で分離された固形分をそのまま容器に入れて放置発酵させたものを指す。
サイレージ原料に、上記の発酵残渣濃縮混合物を混合し、必要に応じて添加剤を加え、サイロに導入する。
サイロは、塔型、グランド型が挙げられるが限定されない。発酵残渣の他に必要に応じて、乳酸菌を添加する場合もある。
本発明において、サイレージ飼料に添加する発酵残渣の水分含有率(固形分含有率)は、濃縮工程で濃縮して生成された発酵残渣濃縮液単独の水分含有率(固形分含有率)であってもよいし、あるいは前記固液分離工程で分離された固形分と前記発酵残渣濃縮液を混合した濃縮混合物の水分含有率(固形分含有率)であってもよい。
なお、固液分離工程で分離された固形分を別に利用する場合は、発酵残渣濃縮液単独となるので、その場合にはサイレージ飼料に添加する発酵残渣の水分含有率(固形分含有率)は、発酵残渣濃縮液単独の水分含有率(固形分含有率)となる。
本発明において、サイレージ飼料の好ましい水分含有率を60〜70%とすれば、乳酸発酵開始時の水分含有率は、60〜70%程度に調整することが好ましい。
従って、サイレージ飼料の原料と、発酵残渣濃縮液の混合割合は、それぞれの含水率によって決定される。
原料調整後(混合物)の水分含有率は、各原料の重量に水分含有率を乗じて水分重量を計算し、計算された水分重量を各原料の合計重量で除すことで予想することができるが、サイロ導入前に実測することが好ましい。
計算上の水分含有率の求め方は、例えば、水分含有率が65%の稲わら1kgと、水分含有率が55%の焼酎粕濃縮液1kgを混合すれば、水分量は、1000g×0.65+1000g×0.55=1200gとなり、混合後の水分率は1200g÷2000=0.6で60%となる。
水分量が70%の焼酎粕を同量添加した場合では、67.5%になる。
サイレージ原料の水分量が高い場合は、焼酎粕濃縮液の添加量を減らさなければならないことになる。
無理に水分含有率が高い焼酎粕を添加すると、サイロ導入時の混合物の水分含有量が多くなってしまう。すると、サイロにて乳酸発酵を行う際に、乳酸発酵より酪酸発酵が優勢となってしまい、サイレージ原料中の乳酸や糖を分解して酪酸を生成し、かつタンパク質を分解して多量のアンモニアやアミンを生成するため不快な臭気を発し、嗜好性の悪いサイレージとなってしまう。また、カビが発生しやすくなり、乳酸発酵の進行が阻害される。
焼酎粕濃縮液の水分含有量が低ければ、乳酸発酵における水分含量上の問題を回避することができるので、サイレージ飼料に添加する量を多くすることができ、サイレージ飼料の付加価値(例えば粗タンパク量)をより向上させると共に、発酵残渣の処理量を増加することができる。
さらに、水分含有量が好ましくは60%以下の発酵残渣濃縮液を添加することで、乳酸発酵を促進することができる。
サイレージ原料を、低pH状態でサイロに導入するために、ギ酸などを添加する技術があるが、これは、低pH状態が酪酸発酵の原因菌であるクロストリジウム属菌の活動を抑制する作用があるからである。酪酸発酵が抑えられるので、乳酸発酵が優勢になり、高品質のサイレージができるのである。
本発明では、破砕工程1において、酵素を添加することが好ましい(図3参照)。破砕工程1で添加する酵素は、アミラーゼ系酵素及び/又はセルラーゼ系酵素であることが好ましい。即ちアミラーゼ系酵素及びセルラーゼ系酵素を各々単独で使用してもよいし、あるいはアミラーゼ系酵素とセルラーゼ系酵素を併用してもよい。セルラーゼ系酵素の添加によって、発酵残渣中の繊維成分を分解し、さらに破砕機によって分解を完全にする。このとき、アミラーゼ系酵素によって澱粉分子の大まかな切断や、澱粉粒や老化した澱粉に対しても分解効果がある。
「アミラーゼ系酵素」を添加・作用させる場合は、主にα−アミラーゼ及び/又はグルコアミラーゼを用いることが好ましい。
α−アミラーゼは澱粉分子の大まかな切断を行うと共に、澱粉粒や老化した澱粉に対しても分解効果があり、澱粉のα−1,4−グリコシド結合を切断していく。老化した澱粉などに対して効率よく酵素を作用させるために、処理温度は酵素が失活しない上限の温度ほど好ましく、80−90℃という発酵液の常圧蒸留温度付近が最適の場合もある。
グルコアミラーゼは非還元糖からブドウ糖への加水分解を行うが、蒸留残渣がすでにα−アミラーゼによって処理されている場合は、特に温度を高く設定して作用を促進させる必要はなく、例えば50−60℃に設定することなどがある。
α−アミラーゼとグルコアミラーゼの両者を混合して用いる場合は、α−アミラーゼの条件に近い方がその酵素作用を効果的に引き出せる場合が多い。
セルラーゼ系・アミラーゼ系の複合酵素系をもって処理する場合、最適の作用温度は、処理対象の種類やその他の条件によって、各個別の酵素の最適作用温度よりも最大で、40−50℃程度異なる場合がある。
「セルラーゼ系酵素」というのは、セルラーゼを主成分とする酵素で、酵素蛋白の量的比率においてセルラーゼが主であることを意味する。セルラーゼ系酵素は、例えば、セルラーゼ酵素、セルラーゼにキシラナーゼを含むセルラーゼ系酵素のいずれでも良い。
セルラーゼは、セルロースのβ―1,4−グリコシド結合を加水分解する反応に関与する酵素の総称であり、また、キシラナーゼは、キシランを加水分解する酵素の総称である。
酵素反応の上ではpHは3〜6が好ましく、使用する酵素によって、必要に応じて処理対象である液体分のpH調整をしてもよい。酵素の添加量は固形分重量当たり0.01〜0.4重量%の酵素を添加し、酵素添加液を40〜60℃、好ましくは40〜50℃で、12〜48時間、好ましくは16〜24時間反応させる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
実施例1
芋焼酎粕の濃縮試験を行った。
試験番号1
ホモジナイザーは2枚刃回転翼の粉砕機で、芋焼酎粕を75℃に加温後、1000rpmで15分間破砕処理し、そのまま、MF膜補強用の多孔質膜(空隙間隔10〜100μm)による減圧ろ過によって固液分離を行った。
固液分離した液側を、ロータリーエバポレータによって濃縮した。濃縮処理はエバポレータ内で濃縮液がフラスコの回転数10rpm以上で内壁に付いて回転しだした時を終了時とした。
濃縮終了後、濃縮液の固形分濃度を測定した。なお、固形分濃度は、107℃乾燥秤量を測定し算出した。
試験番号2
焼酎粕を60℃に加温後、セルラーゼ系酵素を固形分質量あたり0.1wt%添加してからホモジナイザーによる破砕処理を行い、さらに加温した温度にして1時間放置した後、固液分離を行い、エバポレータで液側の濃縮処理をして、濃縮液の固形分濃度を測定した。破砕処理、固液分離、濃縮処理及び固形分濃度の測定は試験番号1と同様に行った。
試験番号3
試験番号2において、セルラーゼ系酵素に代えてアミラーゼ系酵素を用い、加温を75℃にした以外は同様にして濃縮し、濃縮液の固形分濃度を測定した。
試験番号4
試験番号3において、アミラーゼ系酵素に代えてアミラーゼ系とセルラーゼ系酵素を混合(固形分質量あたりそれぞれ0.1wt%添加)したものにした以外は同様にして濃縮し、濃縮液の固形分濃度を測定した。
試験番号5
試験番号4において、ホモジナイザーによる処理時間を5分に短縮した以外は同様にして濃縮し、濃縮液の固形分濃度を測定した。
比較試験番号1
破砕処理をせずにいきなり固液分離をした。
比較試験番号2
試験番号4において、破砕処理を行わない以外は同様にして濃縮し、濃縮液の固形分濃度を測定した。その結果を表1に示す。
(試験結果)
試験番号1〜5及び、比較試験番号1、2について処理条件及び測定した濃縮液の固形分濃度を表1に示す。
比較試験番号1では、目詰まりのため固液分離ができなかった。
比較試験番号2では、固形分濃度が15wt%であった。
固形分濃度が25%であれば腐敗を防止でき、濃縮液を2〜3週間放置しても腐敗臭はしない。しかし、固形分濃度15%は数日で腐敗臭が発生する濃度である。
Figure 2010110742
実施例2
上記実施例1の試験番号5において、固液分離工程で得られた固体、および固液分離工程で得られた固体と濃縮液を混合したものについて乳酸発酵性を確認した。
添加した乳酸製剤は、被処理物固形分あたり無添加、0.01wt%、0.1wt%とした。被処理物の乳酸製剤を添加後10分以上攪拌し、空気を遮断して室温にて約2週間放置した。
開封後、臭気によって乳酸発酵していること及び腐敗臭の有無を確認した。
その結果を表2に示す。
なお、乳酸発酵性の評価は、乳酸発酵が確認された場合は○、確認できなかった場合は×で示す。
Figure 2010110742
本発明に係る発酵残渣濃縮液の製造方法及び飼料の製造方法の一例を示すブロックフローシート 破砕機の一例を示す概略図 本発明に係る発酵残渣濃縮液の製造方法及び飼料の製造方法の他の例を示すブロックフローシート
符号の説明
1:破砕工程
10:破砕機
11:歯
12:回転体
13:非回転体
14:間隙24
15:モーター
2:固液分離工程
3:濃縮工程
4:サイレージ工程

Claims (8)

  1. 発酵残渣を破砕機を用いた破砕工程で破砕処理し、
    次いで間隙による圧力差を利用する固液分離装置を用いた固液分離工程で固体分と液体分に分離し、
    次いで、該液体分を濃縮工程で濃縮して水分含有率が70%以下で固形分含有率が30%以上の発酵残渣濃縮液を生成することを特徴とする発酵残渣濃縮液の製造方法。
  2. 破砕工程で、主として繊維成分を酵素処理するために酵素を添加することを特徴とする請求項1記載の発酵残渣濃縮液の製造方法。
  3. 破砕工程で添加する酵素が、アミラーゼ系酵素及び/又はセルラーゼ系酵素であることを特徴とする請求項2記載の発酵残渣濃縮液の製造方法。
  4. 破砕機が、複数歯を有するマセレータ又はホモジナイザーであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の発酵残渣濃縮液の製造方法。
  5. 発酵残渣を破砕機を用いた破砕工程で破砕処理し、
    次いで間隙による圧力差を利用する固液分離装置を用いた固液分離工程で固体分と液体分に分離し、
    次いで、濃縮工程で前記液体分を濃縮して水分含有率が70%以下で固形分含有率が30%以上の発酵残渣濃縮液を生成し、
    次いで、サイレージ工程で前記発酵残渣濃縮液をサイレージ原料に添加して乳酸発酵を行うことを特徴とする飼料の製造方法。
  6. 破砕工程で、主として繊維成分を酵素処理するために酵素を添加することを特徴とする請求項5記載の飼料の製造方法。
  7. 破砕工程で添加する酵素が、アミラーゼ系酵素及び/又はセルラーゼ系酵素であることを特徴とする請求項6記載の飼料の製造方法。
  8. 破砕機が、複数歯を有するマセレータ又はホモジナイザーであることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の飼料の製造方法。
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